SSブログ

矢納水力発電所跡編vol④『水力発電所跡地下でウィーザードリー?』 [廃村さーくる]

『そもそも水力で電気を得るってどういうことですかぁ?』

 目の前の廃墟を前にして夕実ちゃんが問う。

 まあ~、小中学校出ていればある程度分かるはずなんだけれど^^;

 一応、説明をしておこう。

『発電機(タービン)を回すパワーが得られれば、なんだっていいんだ^^

 火力や原子力は熱を発生させて蒸気の圧力を使ってタービンをぐるぐる回すし(パワー絶大。火力は燃費が悪いけど、原子力は燃費的にはそうでもない。・・・ただし、いざと言う時の安全面が崩壊した時は劣悪なシステム)

 水力はダムなどの貯水からの高低差の圧力をそのままパワーとして使うんだよ^^

 もっと簡単に言えば水車みたいなものかな。

 水車の力で石臼を動かし小麦粉やらを得ていたけれど、それが電気に変わったって感じ』

 こうは説明してみるのだけれど、いまいち夕実ちゃんは笑顔のまま納得してないような雰囲気(なんでよ?)

『ダムとか近くにありましたっけ?』

 不思議そうにもう一度夕実ちゃんが訪ねてくる。

 ああ、そういうことね。

『水力発電ってのは何種類かあってね? ダム式が一般イメージだけれども、

 水路式って言って、遠くの方から水を引いて落差のある場所で電気を得る方法もあるんだよ^^』

『ああ!そうなんですかわきゃー☆』

 ようやく納得がいってくれたご様子みたい^^;

『じゃあ、この発電所跡も水路式ってことなんですね☆』

 え!? そこまで知らんがなw 

『ん、んー・・・、それは中を見てからのお楽しみ☆』

 と、自分でも分かってないのにいかにもこの先に答えがありますよとカッコつけてしまった^^;

 まあ・・・どうにかなるでしょうw

(調べとけよ!オイラw)

矢納水力発電所跡4.jpg

RIMG0073.jpg

 発電所跡まで辿り着いたボク達は直ぐには入らず、と言いますか、

 直ぐに入るのも勿体無いって訳ではないのですが、なぜかこの山奥にひっそりと佇む廃墟の壮大さにあっけにとられ、

 ただただ外観をじっくり確認したかったのだと思う。

RIMG0074.jpg

RIMG0075.jpg

『今まで見てきた中でもしっかりした建物よね』

 首塚さんが、ほっほ~と顎に手をあて、感心したように建物を見定める。

 それはまるでビフォアーアフターの匠の目線だ(ウソw

『やっぱり古いとはいえ、公共施設のなれの果ては家屋の廃墟とは少し違うよね』

 ボクの言葉にウンウンと頷きながらも、その目線は屋根に外壁にと夢中な首塚さんだった。

 オバケを探してるんじゃないかと少し疑ったけれど、そうじゃないようで安心^^;

『じゃ、そろそろ中に入ってみようか。ここは大正の時代に作られたものらしいから(1914年頃)

 慎重にね。

 運用が終って人の管理から遠ざかること半世紀の場所(1966年頃活動停止)

 崩落・滑落の危険も充分あるから無闇に行動しないこと。分かった?みんな』

『『『『はーい』』』』

 ものわかりが良くて先生とっても嬉しいです☆

 ということで、いざ潜入です!

RIMG0076.jpg

 正門らしきところから入ってすぐ、両脇に『小部屋』らしきスペースを発見する。

RIMG0077.jpg

 見上げた天井からは外の景色とこんにちはしてしまうところが多数見受けられた。

 この廃墟の時間の流れを改めて感じてしまう。

RIMG0078.jpg

『鉄瓶かしら?』

 ガランとした小部屋にポツンと置かれていた鉄瓶。

 当時の作業の方がこれで湯を沸かし、お茶を入れ、休憩時間でものんびりと過ごしたのだろうか^^

RIMG0079.jpg

RIMG0080.jpg

『この・・・壁に壁画みたいに絵柄が描いてあるのは何かな?お兄ちゃん!』

『アボリジニ(オーストラリア原住民)が、昔ここで働いていたんじゃないかなっ!』

『『『『・・・・・・・・・』』』』

 おーい・・・

 無言は許してくださいよ~^^;

『・・・ゴメンナサイ。反省してます』と、ボクは彼女たちになぜか謝った・・・

(おそらくここは作業用道具はこの絵の場所にしっかりと戻してくださいねってことなんでしょうけど)

RIMG0081.jpg

RIMG0082.jpg

RIMG0083.jpg

 正面から見て両脇に小部屋があって、どちらにも二階へと続く階段が設けられていた。

 が、

 ボク達はそれを後にまわし、この建物のメインとなる発電所跡本体の部屋へと向いました。

RIMG0084.jpg

『わきゃー!? な、なななななんですかここ!? 超広いですぅ!』

 目の前に広がるは小学校の体育館とまでは言わないが、田舎の公民館ほどのスペースがボク達の前に現れた。

『・・・というか、何にも発電所っぽいの無いんだけどお兄ちゃんw』

 まあたしかにな^^;

『お役ゴメンになったときに、使える機械は持ち出したんじゃないのかな。

 そもそもここは、ここより更に上流に下久保ダムと言うのが建設されることによって運用を終えたらしい。

 もしかしたらそちらで使われているのかもしれないね^^』

 このスペースに残るのは、入り口の小部屋と違って煉瓦などで作られた内壁だけの何も無い空間だった。

RIMG0089.jpg

RIMG0090.jpg

RIMG0091.jpg

RIMG0088.jpg

RIMG0086.jpg

RIMG0099.jpg

RIMG0094.jpg

RIMG0093.jpg

『スガワラさん!下にも何かあるみたいデス^^』

 リンダがしゃがみ込んで、ところどころにポッカリと開いている穴を覗き込んでいる。

RIMG0085.jpg

『深くは無いけど・・・怖いわね^^; ちょっとさ~』

 普通に歩いているけれど、もしかしたら脆くなった足場に足をとられたら滑落してしまう可能性もあるかもしれない。

 見た目は何も無い空間だが、廃墟には危険がそこかしこということだ。

RIMG0092.jpg

『アソコに地下へと降りれる階段がアリマスデス☆』

 リンダが言う方向に目を向けると暗闇に続く階段らしきものが下に続いていた。

 せっかくここまで来たのだから降りてみるのもいいかもとは思ったものの・・・

 階段が風化しているのは想像にかたくない。

 万が一降りれても、

 戻る時に階段が破損でもしようものなら元の場所に戻れるかどうかだ^^;

『先輩ファイトオー!ですう^^』

『なにがあるのか気になるな~。で~も~な~。か弱き女性じゃキツイかな~。ああ~でもどうなってるか気になる気になるw』

 それはオイラに行って来いってことかいっ!

 ああ行きますよ。

 曲がりなりにも廃村さーくる部長ですからねっ!

 ・・・何かあったら、助けは呼んで欲しいけど^^;

 ---いざ、地下へレッツダンス。

RIMG0087.jpg

RIMG0100.jpg

『がんばれー』と、すんごく棒読みな応援を背に、ボクは地下への古びたボロボロの鉄製のはしごをゆっくりと下っていった。

 ・・・すごく、埃とカビ?臭い^^;

 降り立った先には湿っぽい足場と、濡れたコンクリの壁と、多少の当時っぽい?ゴミが残ってるだけのほとんど何も無い空間でした。

 想像できるのは、恐らくココが発電の為に使われた水路の一部分だったのではないかと思います。

RIMG0101.jpg

RIMG0102.jpg

 地下から見上げた元居た場所。

 さっきまで『男の子なら行きますよね。当然♪』と、茶化してはいたが、なんだかんだで皆心配そうにボクを覗き込んでいたことに少しホッとする。

 もう暫く何か無いかと探索しようかと思ったのだが、非常にここは息苦しい・・・

 カビか何かの所為なのだろうか・・・

 さすがに肺が重苦しく感じたので、そうそうと引き上げることにしましたーーーーーー

 

※ここまで読んでいただきありがとうございます^^

 水力発電所跡『内部編』は話を刻ませていただきますですw

 ここまで書いたとおり、なんだかんだで結構危険がいっぱいです^^;

 元々廃墟にチョロット興味あったのもありますが、物語の題材に丁度いいかな?

 廃墟ならお金かからない旅路だよね?

 な~んてな安易な感じでスタートした廃村さーくるシリーズ。

 今まで危なかったことも多かったりします(自己責任ですけどね)

 床の踏み抜きなんかしょっちゅうです☆

 比較的、自家用車が無くても公共の乗り物を駆使すれば誰でも辿り着けるような、

 マニアさんからすれば『たいしたことないであろう』廃墟・廃村を題材にしてるのですが、

 侮るなかれです。

 もう一度言います。

『廃墟は危険がいっぱいです』

 これだけは言っておきたい^^

 次回は内部編から帰り道へとお話は続く予定です^^

 

 

 


nice!(56)  コメント(11) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 56

コメント 11

レイリー

今回はなかなか規模の大きい廃墟ですね~
それに造りがしっかりしてる感じです。
廃墟は危険がいっぱいですね!
そればっかりはしょうがないね~ (^^
by レイリー (2012-03-25 07:59) 

リン

道具の絵。。。かわいいですね!
廃墟の重苦しいイメージがほっとなごみます。
そして地下は怖すぎ~~~!
by リン (2012-03-25 08:04) 

たかれろ

浪漫と危険は隣り合わせですね。
by たかれろ (2012-03-25 08:10) 

下総弾正くま

あれ、レンガの積み方が気になります…(・_・;)
普通にイギリス積みかな…(・_・;)
by 下総弾正くま (2012-03-25 09:23) 

サンダーソニア

ちょっと怖いですね。
こういうものが廃墟になること自体?です。
by サンダーソニア (2012-03-25 09:32) 

駅員3

50年近くも前に使われなくなってしまったんですか。
何でだろう・・・
今度ドライブがてら見に行ってみようかな(^^)
by 駅員3 (2012-03-25 09:40) 

kiyo

ちょいのりさん、
随分と広い廃屋だったんですね。
それに、イメージと違って、ダムがない。
私も勘違いしていて、どこかのダムの近くにある廃棄された発電施設かと思っていました。

それにしても、1914年築だとほぼ100年も経っているのに、使われなくなってほぼ50年というに、随分と丈夫ですね。
昔は、凄いしっかりと建築したのかと思いますね。
by kiyo (2012-03-25 11:05) 

yoshinori

うん。。。

ちょいサンのその勇気にボクは感動した!

そしていつもの解りやすくて読みやすい記事!

だけど。。。

ボクはきっとビビりだから入れない。。。(爆)
by yoshinori (2012-03-25 11:43) 

さきしなのてるりん

チョイノリさん、長野大町のコングランドっていうの良いよぉ。立派な門構えのモトクロスの競技場だったけど。、今や、サルのマンションになってる。とにかく猿がわらわらと出てきてさっとさるのよ(笑)。餓鬼岳登山入口手前、山奥深く清流流れるキャンプ地かな?夏なら最高だね。なんか、廃村サークルメンバーの調査員みたいになってきた。
by さきしなのてるりん (2012-03-25 15:30) 

miwa

公共施設が廃屋になってるとは・・・
ちょっと怖いなぁ~
しかも地下にまで行ってるし(^_^;)
by miwa (2012-03-25 17:29) 

ねこじたん

すごいとこ 潜入したのですね!
すごい!
by ねこじたん (2012-03-26 16:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。