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第427話『人の日記を勝手に覗きこんでるみたいで私は嫌いだなあ』西洋館編☆ [廃村さーくる]

『で、菅原クン。廃村さーくる一発目の“廃墟”とやらは、どこぞに行くのかね?』

 晴れて部員も規定数集まり、念願の『廃村さーくる』発足!

 サークル活動部屋が生憎すべてソールドアウト状態だったのだがーーー

 なぜか相楽さんの おチカラ添えで、

 使われてない備品室を間借りすることが出来たのです^^

 後々聞いた話だと、この大学に『相楽さんのコミュニティー仲間』がいて、

 それが実は主任教授だったようです^^;

 しかも隠れ『鉄っちゃん』(鉄道ファン)

 別に隠すこともないんじゃないかな~と思ったのだけれど、

 どうやら大学の会合に出かけると奥さんに偽り、全国をこっそり駆け抜ける生粋の鉄道マニアさんだったようです。

 まあ・・・そこいらへんの事情を相楽さんがツンツンと突付いたんでしょうね・・・たぶん^^;

 

 部屋も人も整った。---後は行動あるのみ。

 目的が微妙に違うボクと相楽さんではあるのだけれど、サークル活動として最初に選んだのはここだったのです。

『西洋館という場所が茨城にあるんですよ。廃墟マニアには有名な場所なんですが、

 ここなんてどうでしょうか^^』

『西洋館? ふむふむ~。ネーミングからしてなんかグッとくるね』

 他にも候補はあったのだけれども、まずは有名どこから攻めていくのもいいのではないかと相楽さんに伝えたところ、まんざらでも無いご様子♪

『茨城方面のローカル線に出会えるのか~。いいねえ~^^』

 ・・・ああ、やっぱりそっちがいいんだ^^;

 まあいいや。

 ---ボク達は、通称『西洋館』と呼ばれる竹内農場赤レンガの館へと向うことにしたのですーーー

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 春のやわらかい日差しも、眠気眼にゃ突き刺さる。

 はわわわわ・・・と、あくびを押さえつつも、ボク達はある晩春の日曜日の早朝に茨城へと向った。

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 途中、乗り継ぎが思うようにいかず、

 朝食とジュースを買い込んだりして時間を潰した(ジュースです。あくまでも☆)

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『竜鉄(りゅうてつ)も、これまたいいんだよ菅原クン!』

 JRから乗り換えて、竜ヶ崎線に乗り換えたところで、相楽さんのテンションマックス!

 短いスカートなのに大股で喜ぶもんだから、相変わらずのパンチラです^^;

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 たった一両しかない車輌の向かい側に座っていたおじいちゃんが、嬉しそうに懐かしむように相楽さんのパンツを見ていたのはここだけのお話ということに^^

 おじいちゃんだって男の子ですものね^^;

 ---佐貫駅からたった一駅。

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『入地』という駅に降り立ったボク達。

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『もうこれだけで満足だよ菅原クン♪ 私はここに残るから君は先に行きたまえ♪』

 無人駅を前にした相楽さんは・・・、これまた人として、年頃の女の子としての恥じらいもなんも知ったことかっ!ってくらいに、

 サザエさんのワカメちゃんのように毎時パンツをさらけだして

 ホームに寝そべり、しゃがみ込み、

 カメラをパシャパシャと喜々として構えるのでした^^;

『一応・・・サークル活動一発目なんですし、西洋館まで行きましょうよ^^;』

『ああそうだったね。ごめんごめんw ついついこういうところに来てしまうと我を忘れてしまってねえ^^;』

 と、相変わらずパンツ見えてます状態でボクに申し訳なさそうに謝ってみせる相楽さん。

 ---あきらかに名残惜しそうに指をくわえて駅舎ばかり振り返る相楽さんを引っ張りながら、

 ボクは西洋館へと向ったんです。

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 駅を一歩踏み出すと、そこはのどかな田園風景。

 田んぼの水入れがそこかしこに行われていて、まるで一面、鏡のような世界。

 ボク達、不思議の国のアリスとアリオは、ハートの王様への場所へと、ゆっくりと歩いていくのでした。

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 ---歩くこと4~50分。

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 ボク達は、西洋館と呼ばれる廃墟へと続く私道の入り口まで辿り着いたのです(詳しくは書けません。ご了承を)

『この、のどかな田畑の向こうに菅原クンの言うような西洋館なる廃墟があるのかね?』

『はい。恐らく~ここで間違いないはずです^^』

『では、行ってみますかね!煉瓦作りと言えば最近、東京駅が昔を思い出したようにリニューアル工事しててだね、

 外壁をレトロ調の赤レンガで統一したステーションホテルをだね・・・』と、

 どうしても自分の趣味の話に話題をつなげ続けようとしてしまう相楽さんの背中を

『ああーそうなんですか。素敵ですねソレって^^』と、感心をもってる様でまったくそんなんじゃないボクは押し進めるのでしたーーー

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 農道みたいな道を少し歩くとすぐ、

 雑木林に囲まれた区画越しに『赤茶けた、いかにも廃墟』っぽいものを見つけたのでした。

『これが君の言う西洋館ってやつか。ほほ~。

 ---で、どこから中に辿り着けるのかな?』

 相楽さんが指摘したとおり、この建物の周りは辿り着くのも至難なほど雑草雑木がバリケードと化していたのです・・・

 しばらく右往左往。

 どこかに比較的辿り着けそうなルートは無いのかと模索したのです。

 ・・・でも、あるのは背の高い密集した草木の壁ばかり^^;

 しかも途中途中には

『私有地により立ち入りを禁ず by 地主☆』という立て看板。

 するとーーー

 ある一画に、赤レンガの袂までなんとか行けそうじゃないかと思える小口を見つけたのでした。

『じゃあ、ここから入ってみましょうか。相楽さん^^』と、声を掛けるのだが・・・・

 相楽さんは『うん?ちょっと待ってね』と言うなり、スタスタとこの場を遠ざかる。

 えっと・・・どこにいくのよ?と追いかけた先には

 相楽さんと、このご近所の農家の方であろうか? そんな感じのおじさんと談笑する2人を見つけたのでした。

『あの赤レンガの建物を見てみたいんですけど、所有者の人って知ってますかオジサン?』

『ん?アソコの土地でも買いに来たのけ?』

『ううん、別に^^ 立ち入り禁止って看板あったし、許可とんないとなーって思ったんで、ご近所のオジサンならわかるかなーって思って声掛けたんだけど^^』

『ああ・・・そこね。そこは東京の人が地主さんだよ^^ おたくら・・・廃墟見に来たんだろ?

 悪いことは言わねえ・・・

 いいことないからやめときな^^;』

 相楽さんの後ろに隠れつつもそのやりとりを伺うボク。

 どうやらここに来る人は結構多く、立ち入り禁止の看板を掲げているのに不法に侵入する人が多くて難儀してるということらしい。

『色々お話ありがとうございましたオジサン^^』と、頭を下げる相楽さんにつられてボクもゴニョゴニョっと小さな声でお辞儀をしたのだった。

 するとーーーー

『菅原クン。帰ろう!』

 オジサンが見えなくなったところまで来て、ふいに相楽さんが話しかけてきた。

 

 

『でも・・・せっかくここまで来たんですから、中とか見てみたいんですが・・・』とボクが渋ると、

『そりゃ~菅原クン。見たいものを目の前にして立ち去るのはくやしかろう。

 だけどオジサンもさっき言ってたじゃない?

 はっきりと立ち入り禁止とかかげてある場所に入るのは不法行為だよ^^』

『ううう・・・そうですよね・・・^^; ここまでしっかり管理されてる場所だとは思ってませんでした』

『ま、私もね廃鉄を歩いたりもするし、君の事を言えた義理じゃないんだけどさ~

 個人物件を堂々と覗き込むのは廃墟と言えどよくないと思うの^^

 やるなら地主さんに許可をとって堂々とね☆』

 そう言うと、ボクの背中をバシバシと叩いて

『まあ気にスンナ^^ 君の言う廃墟とやらはごまんとあるのだろ?

 だったらこれからそういう廃墟と撮影についても考えていくのも廃村さーくるの努めじゃないかね』

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 ーーーボク達は再び来た道を引き返した。

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 少ない本数の電車を駅の休憩所で待つボク達。

 ボクはため息しか出なかった。

『管理されてない廃墟なんてほとんど無いに等しいんだよなあ・・・。許可をとろうとしてもお断わりされることが多いし・・・はあ・・・』

『菅原クンって結構女々しいねw だったらどうだろう? 中に入らなくても遠目から確認できる廃陸橋や廃鉄。

 もしくは廃村なんかは家に入らなければ村を歩くと同等行為だし、咎められないんじゃないかね^^

 私はね、こう考えてしまうんだよーーー

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 鍵付きの日記は誰にも見てもらいたくないってことでしょ?

 だったらそっとしておこうよ^^』

『はい、分かったような気がします^^;』

 ---これが栄えある廃村さーくる最初の旅路だったのです。

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『で、結局相楽さんってば「もっと撮りたいものがある!」って言って、海外に行っちゃったんだよね菅原君。メンバーとしての席は残してくれたまま』

 相楽さんとの思い出を語り終わる頃合に、首塚さんが、すっと言葉を入れる。

『うん、そうなんだよね。結局廃村さーくるは夕実ちゃんが入るまではずっとボク1人だったんだ^^;』

 ただ、相楽さんとの行動で、

 廃墟選びに気をつかうことを学んだのは確かだった。

『先輩ってば・・・えっちいですう・・・』

 なんでよ? 

『パンツ見放題だったなんて羨ましい限りっす、ニヤリ☆』

 そこかよ!

 話を聞き終えた夕実ちゃんとくまっちが軽蔑の目と羨望の眼差しを交互にボクに向けるのでした^^;

『えっとね、ボクが言いたかったのはパンツの話じゃないんだけど・・・まあいっか』

 今でもどこかで『まあ気にスンナ^^』とパンツ見せながら言ってるのだろうか。相楽さんは。

 またいつか彼女と旅をしてみたいなと思った。

※ここまで長々と読んでいただきありがとうございました☆

 今回は失敗談や廃墟に立ち入ることのなんたるかをベースに、相楽さんというキャラを登場させてお話を考えてみました。

 どちらかというと自分に対するアンチテーゼ的意味合いもある記事だったと思っています。

 ではでは日曜日はバーベキューにいってきま~す^^

 


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コメント 18

ちょいのり

『土地を買いにきたんか?』って言われた時はびっくりしちゃったねw

by ちょいのり (2012-05-05 12:45) 

Hiro

ココ、若い頃に行った事あります~
心霊ポイントで勇名だったような・・・
廃墟とかって意外に893屋さん管理だったりするから怖いよねぇ~
by Hiro (2012-05-05 17:52) 

サンダーソニア

ストーリー中の年齢で「土地云々」はなさそうだけど
ちょいさんが お金持ちに見えたのかしら?
by サンダーソニア (2012-05-05 20:36) 

駅員3

そっかぁ・・・僕も学生時代に「坂と橋」のサークル作ればよかったなぁ・・・(^^)っっ
by 駅員3 (2012-05-05 21:14) 

下総弾正くま

あと「石を拾いにきたんか?」なんてのもありましたね(-_-)ニヤリ

明日は寝坊の予定は…(-_-)ニヤリ
by 下総弾正くま (2012-05-05 21:33) 

さきしなのてるりん

そこで暮らしていた人の歴史が置き去りにされている。その切なさが郷愁を誘うのか。
by さきしなのてるりん (2012-05-05 22:10) 

kiyo

あー、明日ですね。(謎?

相楽さん、気っぷが良くて、良いお嬢さんですね。

by kiyo (2012-05-06 02:03) 

ねこじたん

BBQっすか!いいですね〜
廃墟もいろいろなんですね…メモメモ
そいや 10圓ハイボールは土曜日のようです
by ねこじたん (2012-05-06 08:24) 

しきみ

廃墟の写真集に「許可取ってから入れ」って書いてあったなぁ。
やっぱり不法侵入多いんだ
by しきみ (2012-05-06 09:23) 

まめ

なかなかまっとうな事言うじゃないですか♪
個人的にはやっぱり人様のお家ですからね。
ただ、建築途中のは見たい~
 <骨組みだけのですねw
 <間取りを考えながら見るのがすきです
by まめ (2012-05-06 10:10) 

DEBDYLAN

いやいや僕も羨ましいっすw
パンツ見放題がww

BBQ行きたかったなぁ。
記事楽しみにしてる^^。

by DEBDYLAN (2012-05-06 20:44) 

吟遊詩人41

BBQのビール美味しいんですよねえ・・・

肉は食いません・・・ビールだけ(-_-)ニヤリ
by 吟遊詩人41 (2012-05-06 21:09) 

リン

そうやってちゃんと心で分別を持って行動をしているならいいのかなと思います。
わかっていてやるのと、知らずにやるのと意味が違いますから!
・・・あっ、先日同僚とこういう話したな。。。
by リン (2012-05-07 06:34) 

youzi

こんばんは♪
昨日はありがとうございました。
廃墟、入るのは怖いけど、気になってしまいますね。
土地買いに来たのかって聞かれたって事は、
買いに来る人がいるのかな?
それも気になってしまいました。
by youzi (2012-05-07 20:33) 

馬爺

土曜日はいい天気でしたね私は大室山のつつじを見て城ケ崎へ回ってきました、結構な人が来ておりましたねやはり連休ですね。
by 馬爺 (2012-05-07 21:56) 

美美

昨日はありがとうございました。
またのおりにはよろしくお願い致します(^^
廃墟。。。恐いなり~^^;

by 美美 (2012-05-07 23:37) 

大林 森

ウム!ミニスカパンチラ!ゴチソウさまでした!(o=x=)bいやー、けどお写真もいいですね。お外が恋しいです。(((((>_<;)))))外でたいー!
by 大林 森 (2012-05-08 00:50) 

ちょいのり

家に帰るまで消さないで。。。
by ちょいのり (2012-05-08 15:44) 

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