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第434話こちら心霊諜報部!『オバケなんか無いさオバケなんてウソさ?』府中通信施設編ファイナル☆ [心霊諜報部&フシアンナ物語2(ツー)]

『彼氏欲しいなあ~^^;』

『直球デスね部長☆』

 ---相変わらずの恋愛談義に花を咲かせる先輩たち。

 彼氏・・・か。

 私は、ふと廃墟ばかりのフェンス越しから目線を更に上に見上げ、

 青々とした空を見つめる。・・・なんとなく。

 そしてなぜか胸の辺りがじんわりと締め付けられるんです。

 ・・・一緒にいたかったなあ。

『え?誰と誰とォ~アンナちゃ~ん^^』

 どうやら心の呟きだと思っていた私の声が漏れていたようです^^;

 首塚先輩が振り返り、私の肩にポンと軽く手を添えてハイエナのように突っ込んでまいりました。

 先輩!口調はフレンドリーだけど、ちょっと目が真剣で怖いですw

『たまには廃村サークルに入り浸ってないで、我がサークルもお願いデース^^』

『べ、別に入り浸ってなんか無いわよ!じょ、情報収集に都合がいいんだから!廃村・廃墟に心霊はつきものだし!』

『そういうことにしておきますデースw』

 廃村サークル?

 情報収集?

 なんだかそこに首塚先輩が滅多にうちのサークルに顔を出さないヒントがありそうなんだけどォ、正直わからない。

 ま、いっか。そのうち分かるんじゃないかなあ^^;

 そんなこんなでダラダラと歩いていると

『見えてきましたデース☆』と、リンダさんが向こうを指差した。

 その方向を見やると住宅街に囲まれたその廃墟の森からポツンと大きな建物が顔をのぞかせていた。

『あれはなんなんでしょうか?』

 第434話ハジマリです☆

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『アレは廃パラボラアンテナよ』

 パラボラアンテナ?

 BSとかCSとか見るヤツ?

『ここ、府中米軍基地跡のシンボル的建物デスね^^』

 首塚先輩の言葉に補足を付け足すリンダさん。

 でも何も知らないで来た私にはそれだけではちんぷんかんぷんです^^;

『ハァ、そ、そうなんですか。シンボルなんですか~へ~』

 なんと言っていいかわからず、思わずそのままを言葉で返した。

『おやおや^^ せっかくデース。この府中米軍基地跡がなんだったのかをレクチャーいたしましょうデース☆』

 リンダさんは、困った顔をしてるであろう私の顔を覗きつつ話を続けてくれるのでした。

『ここはですね?実は基地だったんデース☆』

 そりゃ知ってますってば先輩w 

 そーうーじゃーなくって、もっと深くお願いします!

 

『元々はジャパンの陸軍の施設だったデス^^

 それが我がアメーリカに戦後間もなく接収されまして、アメリカ軍用施設になったのデース☆

 それが1974年に再びジャパンに返還される訳なんデースが、

 大部分は府中航空自衛隊が再利用、その他の土地も府中市の美術館や公園などにとってかわるのデス^^

 その際に、処分保留地となってしまったのがここ

 廃パラボラアンテナ(通称、府中トロポサイト)の残る府中通信施設ってわけデース☆』

 なるほど、さっぱりです☆

『あ、そうそう。リンダは廃パラボラって言ってるけれど、未だに運用されてるかもしれないって噂よ?

 うーん・・・でも、ご覧の通り今現在も使用してるのか?って言われると、使われてる雰囲気はまったくないわよね^^;』

 首塚先輩が更に捕捉。

 でも基地などにまるで興味がなかった私にはあいかわらずさっぱりでした。

『えっと・・・それで、ここに幽霊とか・・・出ちゃうわけなんですか?

 このフェンスの中に見える廃墟には何か居そうな雰囲気はありますけど・・・。

 そもそも中に入れないんじゃ・・・^^;』

 この取り残されてしまった区域を囲むフェンスに手を掛け見渡すと、鉄条網や立ち入り禁止の看板がチラホラと見受ける。

 侵入しようものなら幽霊さんに会う前にお巡りさんに会ってしまいそうです^^;

『入らないわよ? 今回の目的は入らなくてもいいから^^』

 ・・・・・・益々意味が分からない。

 廃墟にも入らず、何しにここまで来たのかが。

 えっとーどっちかってーと入りたくないし、幽霊とかめちゃ会いたくないんですけどねっw

『まあー、グルリと一周してみましょうデス^^

 レッツゴーアラウンド☆』

 ---私たちは再びフェンス沿いにぐるりと、この府中に取り残された小さな森の周りを歩き出したのですーーー

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 ---ぐるりと一周間近となったところで、森の南側に一際大きな建物が私たちの目の前に現れました。

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『えっと・・・ここだけ今までの建物とちょっと違いますね。さっきまで見えていた廃墟はアパートみたいな感じでしたけど^^;』

 なんだかここだけは、割れた窓や暗がりを目を凝らして見ちゃうと何かが見えてしまいそうでなんだか怖い^^;

『さっきまで見えていたのは、恐らく居住区の廃墟デース^^

 ここは詳しいことはワカラナイデスが、外観的には工場か倉庫だったのでは無いかと思われますデスノート☆』

 リンダさんが言うように、少なくともアパートの類じゃないのは私にも分かった。

 今日は雲もあまり無い皐月の清清しい陽気だったにもかかわらず、ここだけは曇天の暗がり。

 ジメジメ・・・って雰囲気でした^^;

 壁のしみとか見てると何かが浮かび上がりそうでいやだなあ・・・

 そうは思いつつも、ここに何かがあるから連れて来たのでは?と、私は建物の隅から隅まで注意深く目線をジャブジャブ泳がすのでした。

 するとーーー

 ポン!と急に肩を触られた。

 私は思わず『きゃッ!?』と、変な悲鳴をあげてしまったのです^^;

『で、どう?・・・何か見える?』

 私の肩に触れたのは首塚先輩でした。

 何かって!? ええ~・・・正直何も見えません^^;

 私は素直にこう答えた。

『えっと・・・、特に何も^^; 雰囲気はなんとなくありますが、別に幽霊がーーーって感じは全然しませんね』

 するとーーー

『合格です☆』と首塚先輩。

 ・・・・・・・・・はあ?

 何が?

『実はデース。ここには幽霊の話とかそういうのはほとんどアリマセーン^^』

 えええッ!? そ、そうなのお???

 じゃ、な、ななな何でここまでわざわざ連れて来たので・す・か???

 私はまるで首が肩についちゃうんじゃないかってくらいに首をかしげてみる。

『えっとね、今日はリンダが説明してたと思うんだけど、

 ”試験”みたいなものだったのよ^^

 何も無いのにあたかも見えますって答えてしまう人には、私は入部してもらいたくなかったの。

 本当はもっと雰囲気のある場所でも良かったんだけどー

 こういう心霊に関係ありそでなさそな微妙なところこそ、人の有る無しの感覚と云うか、その人の何かが見える気がしてね^^』

 ・・・そういうことか。

『試しちゃってゴメンネ^^; でもどうしても心霊研究部としては人にも霊にもウソをつかない人が入って欲しいなあ~って思ってたんだー。

 私はね? 霊は居る。もしくは在ると思ってるの。

 人や動物が死んだらハイおしまいでーす。終了でーすとかそういうふうには思えないんだよね^^』

『ジャパンで”心霊”心の霊って書くのは、すごく共感できたんデス^^

 心は云わば”意志”デス。

 心霊っていうのはつまりメッセージなんじゃないかと。

 誰かに知ってもらいたいからなんじゃないかと思ってるわけなんデース☆

 それを研究するのが我が心霊研究部なのデス^^』

『伝えたい伝えたかったメッセージが心霊と捉えて研究してるわけですよ、うちはね^^

 だから居もしないのに、あたかも見えてるそぶりをするのはNGってことだったの。

 メッセージ=意志に対して失礼だしね^^

 実は本当にここに霊が居て、わかりませんでしたでも合格だったんだけど^^

 それは仕方の無いことだから』

 急に熱く語り出す先輩二人。

 むむむー・・・なんだかわからないけど、素直に答えたのが正解だったってことなんでしょうか?

 ただ、なんとなーく分かったのは、霊ってものは一種のメッセージなんじゃないかという捉え方かなあ。

『霊って”不器用なメッセージ”なのよ^^』

 不器用なメッセージ???

『例えるならラブレターかな^^ 見てもらいたい伝えたい。でもな・・・的な感じ。

 結果的に怖がらせたり失敗したりしちゃうのが心霊の不器用さ。

 本当は純粋な気持ちを訴え伝えようとしてるだけなのにね』

 ---なんだろう。少しだけだけど、ほんの少しだけだけど、

 おばけさんに対する嫌悪感が薄れたようなきがする。

 ・・・多分だけどね^^;

『じゃあ~今からアンナちゃんの歓迎会をしたいと思います!

 アンナちゃん? アルコールのほうはどうかしら^^』

『ぶ、部長!未成年未成年デース!^^;』

『えっと・・・多少なら・・・』

『いい子が入ったわねー☆』

 なんだかとっても嬉しそうな首塚先輩と、気苦労が絶えなそうな副部長のリンダさん。

 ---伊豆大島での生活で、海の家と民宿を営むせばすちゃんのお母様に勧められてついつい早めの大人の階段を登っちゃったことがある私。

 ああ・・・あの時は確か・・・ううう・・・

 もうお嫁に行けない^^;

 ううん。お嫁には行ける・・・のかな。えへへ^^

 私は再び空を見る。

 ありきたりな表現だけれども、あの人もこの同じ空の下で応援してくれてると、ふと思った。

 せばすちゃんの苦労をけっして無駄にしたくない。

 それがこれからの都会での生活だしキャンパスライフだから。

 私は前行く先輩たちを さっと追い抜いて振り返る。

『先輩!今日は負けませんよ~。えへへ~』とおどけてみせる。

『言ったわね~^^ 青森の酒呑童子って言われた私に敵うか勝負よ!』

 ーーーせばすちゃん。私はうまくやっていけそうですーーー

 次の日、なぜか三人とも聖なるローションまみれだったのは、絶対内緒です☆

ちょいのり・サザエさんver1.jpgここまで読んでくれた人はありがとー^^ 読んでない人はそれなりでw

うおっか姫1.jpgまあ~なんだか府中米軍基地跡を紹介したいんだかなんだかわからない感じね^^;

ちょいのり・サザエさんver1_汗.jpgフシアンナ物語2って感じにしちゃったけど、当初はーーー

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ちょいのり・サザエさんver1.jpgこの米軍基地跡を使って沖縄などの基地問題に触れる方向でストーリーを考えてたんだけどな^^;

 まあ~別においらは社会派な人間でもないので、そういうのはニュース系なブロガーさんに任せますよ。

 問題提起は結構好きなんだけどね(いつもくだらねーこと記事にしてるけれど、考える時はめちゃ真剣に考えてたりするんですよ、これでもね^^)

ゼブラ2.jpgフシアンナの『空白の数年間』が見えるようなところも少しありましたね。

ちょいのり・サザエさんver1.jpgこれから少しづつ少しづつ彼女とせばすちゃんが、どう今に至っているのかは追々分かるようにしましたっす^^

 さて、このシリーズの次回は未定だけれど、

 いずれ前シリーズの時みたいに、都会ならではみたいな事なんかに彼女を含めたキャラでお話を進めようかと思ってます^^

 心霊諜報部とタイトルに謳ってるけれど、別に心霊スポットに行くってお話にはしないつもりです。

 ぶっちゃけそんなとこオレが行きたくねーしw

うおっか姫1.jpg私も見たくないものそんなのw

ちょいのり・サザエさんver1.jpgま、もしかしたら・・・心霊スポット的なお話も、こじつけて書いていくかもしれないけれど、そこは気分次第です^^

 あくまでも『彼女の物語』って線で^^

 ではでは廃村さーくる共々、このシリーズを気にしていただけたらば嬉しいかなと思ってます^^

 いずれ廃村さーくると合流するかもしれませんよ? ふふふ^^

 

 

 

 


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大林 森

心霊問題ー。(・´з`・)信じる、信じないは個人の自由なんでしょうね。私は信じたいけど、霊感的なことは一切無いですー。恐怖の対象としては生きている人間が一番おっかないです。(>_<)

別かもしれませんけどご先祖を敬ったり、先達に敬意というか畏敬の念を持つことを怠ってはいけない気がします。

とか言っててううう・・・。お墓参りできてないー!Σ( ̄ロ ̄lll) 
by 大林 森 (2012-05-22 05:36) 

リン

私は霊は信じているけど、見えたことはないです。。。
でも、どう考えてもいないのに、見える。。。などという人もいますよね・・・
いや、答えはないから何とも言えないですが・・・
今後はどうアンナが登場するのか・・・楽しみにしときます!
by リン (2012-05-22 06:25) 

まめ

母方の実家が寺ですから、居るとしたら居るのでしょうが
見たことも感じたこともないので、なんともかんとも。
ただ、ひろ~~~い寺に一人しかいなかったりすると
少し怖いものです。
by まめ (2012-05-22 07:04) 

サンダーソニア

実はいないと思っているのに。^^;
夢枕に立たれてますけど。
メッセージだけならいいんですけどね。
by サンダーソニア (2012-05-22 10:34) 

kiyo

ちょいのりさん、
心霊現象。
うーん、見える人には見えるのでしょうが、幸い、見えないので。

ところで、廃村さーくるとの合コンは、いつ頃に行われるのでしょうか?
幸い、両サークル、どちらにも、新入生が入ったので、これからの流れとして、希望しますね。

必然的に、琴音ちゃんと、富詩アンナ嬢は、同い年なんですかね?

by kiyo (2012-05-22 12:15) 

駅員3

2つの流れが合流するんですか!
それは楽しみ[わーい(嬉しい顔)][ぴかぴか(新しい)]
どんな珍道中が展開されるのか!!
by 駅員3 (2012-05-22 15:09) 

馬爺

確かに幽霊はいないですが亡霊はいます。
人には全員守護神が付いていうんですがそれが居なくなると取りつかれるのが背後霊です。
だから人を殺めたりすると魘されて生活するようになってついには耐えかねるんです。
あなたの後ろにも入りかもしれません。
怖いですね~~~
by 馬爺 (2012-05-22 18:50) 

吟遊詩人41

1974年。。。10歳でした(-_-)ニヤリ

が、そのニュースは記憶に無いバカ男子でした(-_-)ニヤリ

あ、バカ男子は治ってないです(-_-)ニヤリ
by 吟遊詩人41 (2012-05-22 20:30) 

下総弾正くま

廃村さーくる部員としては気になるところですな、義兄上(・囚・)キリッ☆

霊感なるものは皆無ですが、霊的なものは信じますね…(・_・;)
確かに「死んだらそこでおしまい」じゃつまらないですし^^;
by 下総弾正くま (2012-05-22 21:22) 

唐津っ子

府中って競馬場しか行ったことないけど,
いろんなものがあって,競馬抜きで行ってみたい・・・

サクラ馬の馬主さんが府中で美味しい焼肉屋を
やっているって噂も聞いたことがあるので,
「府中探検&焼肉,そして競馬も」ツアーが
あればいいな(笑)
by 唐津っ子 (2012-05-22 22:02) 

銀狼

心霊系、嫌いじゃないんで
是非ともそちらの方にも・・・^^
ちょっぴりだったら実体験もあったりします^^;
by 銀狼 (2012-05-22 22:21) 

美美

ちょ!ちょっと感じましたよ(恐)
美美さま感じるんですよね~~;
by 美美 (2012-05-22 23:55) 

サンダーソニア

メンテが終わってもエラ~が出るところもありました。
by サンダーソニア (2012-05-23 09:45) 

ryuyokaonhachioj

今日は、起きてからロス時間が・・・
by ryuyokaonhachioj (2012-05-23 11:08) 

ねこじたん

心霊かぁ…
いい子に会っても そうとうビビるだろうな

by ねこじたん (2012-05-24 06:53) 

DEBDYLAN

基地跡はアレだけど、
米軍ハウスには興味あります。
住みたいなぁなんて思ったコトも^^。

by DEBDYLAN (2012-05-24 08:09) 

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