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第509話 八ッ場ダム・吾妻渓谷編ファイナルの前編☆『ダムに沈まない廃校』長野原町第一小学校旧校舎 [廃村さーくる]

首塚・ちゅー妄想? ブログ用.jpg

『せめて・・・ちゅーだけは・・・』

 

 えっと、手も繋げないのに何勝手に妄想飛躍してるの私ってば?

 パッと手を握って『こっちこっちい~♪』って自然に動けばいいじゃん私。

 男は度胸、女は愛嬌だなんてもはや過去の遺物じゃないのよ。

 周りの友達は男の子よりも積極的。

 イケイケガンガン!です。

 攻める女に待つ男のご時世という、いささか頼りない時代とも思いますが、

 なんか、自分だけが世の風潮に取り残されてるような気がして・・・^^;

 こんなんじゃ、なんも考えてないようでちゃっかりしっかりアピールしまくってる夕実ちゃんに遠く及ばない負けゲームじゃん。

 ---まだ『2人きりの時間』は残されてる。

 家に着くまでが遠足と言うじゃない?

 とてもいい格言です☆

 

 見上げれば晩秋の太陽も中天をいくらか過ぎたくらい。

 周りを見れば人なんてほとんどいない田舎道。

 実質、いつでも二人きりなのよ!? 

 いざ参らん!首塚かなめ、最後の最後の頑張り物語、スタートです☆

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『えっと・・・ここが不動尊だから・・・えとえと・・・多分あってる気がする』

 なんだかナビゲーターがとっても頼りない感じで、先ほどまでの新川原湯温泉駅(仮)から下ってきた私たち。

 周りを見回すと、もう人が住んでいるのか微妙な感じの家がポツンポツンと見受けられました。

 お墓なんかもポツンポツン^^; 川原湯の一応のメインストリートからちょっと離れただけで何ともいえない寂しさを見て取れた場所だったのです。

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 見上げた空には渓谷を真一文字に渡す大きくてとても高い橋が見えました。

『菅原クン?あの橋って何?』

 

『ああ、あれは2011年に完成した不動大橋って言うヤツかな^^

 別名は“湖面2号橋”

 ダムが完成した暁には、あの橋のすぐ下までダムに沈むことになってるみたいだね』

 ええー・・・^^; めっちゃ上なんですけどー^^;

 それだけでここがどんなに大きいダムに取って代わるのかと言うことを改めて実感させられた。

 はあー・・・とため息混じりに、その湖面2号橋とやらを見上げながらも私はてくてくと菅原クンの後についていく。

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 すると、(現)吾妻川に架かる上湯原橋に辿り着きました。

 ここから道すがら、欄干から首をちょこっとのり出して、下に見える川面を覗いて見た私は菅原君に言ってみた。

『ここでさえ凄く高い橋なんだけど^^;』

『だよね。多分~川からあの真新しい不動大橋までは100㍍近くはあるんじゃないかな。

 今、ボク達は、ダム湖にいずれ埋もれてしまう道や景色を歩いてきたってわけなんだよね^^

 昔訪れた時は、ここが本当に水の底?だなんて半信半疑というか、なんとなくってイメージしか沸かなかったんだけどさー、

 あの見上げた先のとてつもなく高い陸橋を見ていると、

 やっぱり沈むんだな・・・って思っちゃうね』

 そう言った彼は、欄干を摩り摩り、この橋から見えるもの全てを悲しそうな目でしばらく見渡していた。

『この橋を渡って向こう側の谷を上ったところが、ボクが行ってみたかったところなんだ^^

 じゃあ、行こうか♪』

 こんなに哀愁漂わされちゃったら、ラブラブアタックする隙すらないんですけどっ!

 あ~ん・・・ここは静観するのが勤めかもお^^;

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 丁度谷底となる吾妻川を越え、さらにこの先(旧)となるであろう145号線を越えて、今度は急坂を登ることになった。

 道路脇にポツンと『スクールゾーンです。車は通行注意!』と掲げられていたのを見た私は

『こ、こんな急な坂道を学校目指して歩くだなんて凄いわね^^;』と彼にゼーゼー言いながらも話しかけた。

『学校行きたくなくなっちゃうよねw ま、だからこそ田舎の子は健脚なんじゃないかなあ^^』

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『ブロロロロ・・・』

 坂道に苦労している私たちの横を実に重々しい感じのダンプばかりが、先ほどから通り過ぎていく。

 普通の車はほとんど通らない、ほぼ工事車輌ばかりの道。

 どこまで行くのか聞かされていない私には、ゴールの無いマラソンレース状態。

 えっと・・・そろそろ根をあげそうですギブ!ギブ!です^^;

 するとーーーー

『お!もしかしたらアレかも^^』

 菅原クンが私に振り返りながらも指先で坂の上の辺りを指し示した。

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 その先を見すえた私の目に飛び込んできたのは、なんてことなさげな感じの小さな木造の建物でした。

『あ、やっぱりここみたい^^到着だよ~首塚さん。おつかれさま^^』

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『旧第一しょうがっこー???』

 建物の手前にひっそりと立つ標識にはソレと書いてある。

『菅原クンが行きたかったってところは廃校だったんだね^^』

 

『うん、そうなんだ^^』と、答えてくれたものの、彼の興味は既にこの建物へと移っていたようで・・・

 すたすたすたーっと、さっさと行ってしまう^^;

 私もそれについていく。

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 正面玄関らしきところに周りこんで見たところで、私は掲げてある表札にちょっと違和感を感じた。

『ねえ、菅原クン? わざわざ長野原町第一小学校(旧)校舎って書いてあるっておかしくない?』

『うん、それはね?この建物自体は校舎の一部を移転保存したからってことなんじゃないかな^^

 もともとあったのは別のところのようだよ。

 それ自体はもう既に取り壊されてる。

 でもこの建物には明治44年からの古き匂いが残ってる廃校だったりするんだ^^』

 明治44年!? うはあ・・・めっちゃ古い^^;

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 中には入れないので窓辺から必死に覗き込む菅原クン。

 有志の手によって保存・移築を経たとはいえ、その窓から見える校舎の中は

 時間が止まった小箱のよう。

 そこだけが別世界。

 その時代の人間でもないのに、なぜかその場所で学んでいる自分を懐かしむような感覚に囚われてしまいました。

『木造校舎ってなんだろう。なんかいいと思わない?』と、菅原クンがぼそりと呟いた。

 うん。私も好き。

 木で組まれた建物が呼吸をし、当時の匂いを全て受け止めているようなぬくもり。

 木目という自然の安心感なのかな。

 柱の傷は一昨年の~じゃないけれど、机を床にずった跡とかも、なんだか学校が私を覚えてくれてる痕跡のようで、なぜか嬉しい^^

 

『ボクはね?風化に身をゆだねて朽ちていくままの廃墟美も勿論好き。

 でもね?

 懐かしい匂いを切り取って残していく、こういう働きかけってのも好きなんだ^^』

 ふふふ。

 ただの廃墟好きだなんて、とうの昔から思ってませんよ?菅原クン^^

 過去の遺跡を発掘して後世に何かを残そう伝えようとする現代人の発想とソレは似てるとも。

 あなたの掲げる廃墟=現代考古学って考えに、私は共感したのだからーーー

 

 まるで子供のように無邪気に建物の中を覗き込んでる彼

 そんな彼もまた、遊びつかれた子供のように満足げに私に振り返った。

『ゴメンネ首塚さん^^; じゃ、そろそろ戻ろうか』

 私たちはこの『長野原町第一小学校旧校舎』を後にして川原湯温泉駅へと戻ることになったのですーーー

 

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(新長野原町第一小学校↑)

 真新しい感じの付け替え国道145号線(ダムに沈む145号線に取って代わる、新バイパス道路)をのんびりゆっくりと下っていた私たち。

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 途中で見かけた道の駅の建設予定の想像図に菅原クンが

『おお~^^ なんだか、くまっちが好きそうな建物が出来るみたいだねえw』

 くまっちというのは、菅原クン率いる廃村さーくるの新入部員のくまちゃんのこと^^

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 まだ造成も疎らな渓谷の高台に作られた真新しい代替地を通り抜け、

 私たちは駅へと下る道までようやく辿り着いたのです。

 そこから見える、今まで歩いてきた渓谷の対岸を目の当たりにし、

『なんだかんだで結構歩いたね~^^; ふいー・・・ですよ菅原クン!』と、少し意地悪く言ってみたよ^^

 

『最後に今度こそお風呂でも奢るよ^^ ここまで付き合わせちゃってゴメンナサイってことでね^^ そこで旅の疲れを癒そう♪』

 えっ!? マジですか!

 それは願ったりかなったりなんですけどォ!

 ここまでラブラブ大作戦発動を我慢してたんだけど(なんか彼の雰囲気的に)

 天は我に味方したって感じいっ!☆

 私は、にやけた顔を悟られまいと、

 片手で口元を押さえつつ菅原クンと川原湯温泉街へと坂道を下っていったのですーーー

 

ちょいのり・フィーバー・サザエさん.jpgここまで読んでくださりありがとうございました^^

ぎゃる魅.jpg最終回じゃねーのかよw

ゼブラ2.jpg最終回前編とか後編とか詐欺にも程がありますよ^^;

ちょいのり・サザエさんver1_汗.jpgしょーがねーだろw だって記事書いてたら長くなっちゃって収まりきれなかったんだもん(睡眠時間的意味で☆

 まあ・・・かといって、このあとの後編はほんとに蛇足。

 たいした話でもなんでもなかったりですがあーw

 気になる人は見てくれればいい。

 首塚さんと、川原湯温泉の余談的お話です☆

 


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コメント 12

リン

徳山にも木造の校舎がありますが、それはそれは風情があり、少ない小学生で磨かれている床や手すりはピカピカです!やっぱり建物は人が住んで、使って、生きているんだなって思います。
by リン (2012-11-23 05:37) 

下総弾正くま

どうも「ダム+橋」と言ったら三弦橋のイメージが…(・_・;)
道の駅、行くたびに道路付け替えでルーティングが変わってそうな…^^;
by 下総弾正くま (2012-11-23 08:28) 

rtfk

ついに最終段階へ(^w^)
楽しみですなぁ・・・・

実家から車で20分以内の範囲には
ダムが3つもあります
そのうち一番新しいダムの底には
母の実家が沈んでいます
子供の頃によく遊んだ川や山が沈んでいます
今回のシリーズは
拝読していていつもそれを思い出しています(^m^)

by rtfk (2012-11-23 09:24) 

kiyo

ちょいのりさん、
うーん、これだけの自然を水底に沈めちゃうのって、利権や、遣り掛けだから、補償がなんたらってだけで、
やっていいもんでしょうかね?
この自然に住む動物や、植物も、勝手に沈められちゃうんでしょ。
人間のエゴのカタマリだなぁ。
必要なダムなら致し方ないけれど、なんか、作りたい方作る・金をかけたいから掛けるという大型ダムだからなぁ。

いよいよ、次回は、首塚さんの願いが叶いますかね?

by kiyo (2012-11-23 09:33) 

haku

とても綺麗に保存された校舎ですねぇ♪
自分も木造校舎で学んだ事があるので、
とても懐かしく感じます ^^;
でもって、お風呂は次回ですかっ?! www
by haku (2012-11-23 10:02) 

ねこじたん

おいらのバッチャマん家も山の中にあるから
あそこが沈んじゃったら…(涙
な~んて思っちゃいました
木造 いいですね♪
by ねこじたん (2012-11-23 14:35) 

駅員3

ははは、続き楽しみにしてます!!
やっぱり木造校舎の教室にあるテーブルと机は、木造じゃないと・・・とは望みすぎでしょうか(^^)

by 駅員3 (2012-11-23 16:50) 

まめ

ダムを作る必要って本当にあるんですかねぇ?
大規模工事って結局政治的&お金的匂いがプンプン
してきます。
勿体無いなぁ、自然のままの方がいいのに。
by まめ (2012-11-23 17:52) 

唐津っ子

私が小学校1年から2年になる時に,
母校も木造から鉄筋コンクリートに替わりました.
当時は新しい校舎になるのが嬉しかったけど,
ちょいのりさんの記事を読むと,木造もいいなって.

その校舎も40年も経って老朽化により,
取り壊されるとの噂ですが・・・
by 唐津っ子 (2012-11-23 23:06) 

銀狼

小学校3年まで木造校舎にいたもので、
なまら懐かしい感じを受けました^^
やっぱ、「学び舎」って感じがしますよねぇ。。。
私なんて、記事書く度に長くなってばかりです(苦笑)
by 銀狼 (2012-11-23 23:21) 

DEBDYLAN

もうね、僕んトコに積極的にキテくださいなぁ、
セニョリータw

小学校へ入学した頃、
母校はまだ古い木造校舎が残ってたんすよ。
1,2年生はソコが教室。
なんかソレ思い出しちゃいました^^。

by DEBDYLAN (2012-11-24 01:31) 

ニッキー

発展のためには仕方ないのかも・・・ですが、こんなに素敵な場所に巨額投資してダムを作る必要性がよくわからないです(-_-)
首塚さん、最後の最後に良い事がありますように^m^
でも菅原君ってかなり鈍そうだからなぁ^^;
by ニッキー (2012-11-24 12:15) 

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