第517話 わたらせ渓谷リベンジ編☆VOL④『トンネルに思う』笹子トンネル天井崩落事故とか [廃村さーくる]
『ううう・・・なんかトンネル歩くの怖いですぅ・・・わきゃ・・・』
122号線をひた歩き、次の駅まで歩いてやろうと目論んだボク達の前に足尾トンネルが立ちはだかった。
これだけの山に囲まれている土地である。
そりゃ~絶対どこかで国道もトンネルのお世話になるわけですよ。
普段ならばおっかなびっくりでもボクの後についてきて通り抜けるのだけれども・・・(といいますか、こういう市街地でもなんでもない、実質、車しか通らない山間のトンネルを歩くのはボクでも怖いけれど)
夕実ちゃんどころか首塚さん、そしてチェルシーさえもなんだかトンネルを歩くことに躊躇した。
『やっぱりあの事故のせいなのかね、みんな^^;』
具体的に何も言って無いのに、ボクの言葉にウンウンと頷く彼女たちがそこに居た。
その事故と言うのは最近起きた中央高速道路の『笹子トンネル天井崩落事故』だ。
天井板が崩落し、多数の死傷者を出したあの事故。
廃墟でもなんでもない現役バリバリの主要交通網で起きた、人災と言って誰も文句は問わないだろう
『あってはならない事故』
『日本のインフラがここまで地に落ちたか』と、
思わせるくらいの悲しい出来事。
彼女たちはテレビやネットで見聞きしたソレをこの場所で気にしてしまったようだ。
その気持ち、わからないでもない。
とはいえ・・・、ここを潜らない限りは次にも行けないし帰れません^^;
『まあまあ・・・。ここは吊り天板でもないし、比較的新しい構造のトンネルだし、そんなに危惧することもないから^^』と、ボクは明るく振る舞って彼女たちの背中を押す言葉をかけてみるのだ。
(とはいえ、30数年を経過するトンネルですが)
それでも、うーん・・・と中々歩みを進めてくれない彼女たち。
・・・が、
チェルシーの『ある発見』で、次の駅へと近づくことが出来た。
それは本来なら『御法度』
あんまり気が進まないルートだったりもする。
でも最近のトンネル事故を気にする彼女たちは、それも致し方ないところなんだろう。
『こっちに道があるっぺよ^^』と、
チェルシーが指差す、旧国道をボク達は歩くことにしたのですーーーーーー
『ここって・・・トンネル潜らなくても向こうに行けたりするの?』
首塚さんが、ツンツンとボクの後を不安そうにつついてくる。
『うーん・・・、管理されて無いから何ともいえないけれど、基本、残された側道は向こうに繋がってるはず。
まあ・・・藪やらなにやら草ボーボーだと思うけど^^;
しかも落石防止ネットとかそういう類は望めないし、危険なことこの上ないかも^^;』
ボクは管理されて無い道のほうが余程危ないんだよと、暗に伝えてみたのだけれども、
それでも『注意して歩けば平気よね!』と、トンネル歩いてても同じこといえるんじゃないかなあ・・・と言う根拠もへったくれも無い彼女の変な気合に流されつつ先に続くことになった。
彼女たちにしたら、あやふやな天井が存在するトンネルよりも、遠回りでも確かに通じてる道が、今は安心だということらしい・・・
トンネル脇から続く旧国道には、いまだにガードレールが取り残され、
その道の上にはいくつもの低木が障害物として立ちはだかっていた。
その木々は自然に生えた木々と言うより、保護マットに包まれた『ここはもう道ではないのですよ』とボク達に警告するように後付けで植えられた木々だとボクは解釈した。
ふうわりと、でも歩くにはとても力のいる枯葉が積み重なった側道。
やはりここは歩いてはいけないのですと、警告しているのではないかと伝わってくる。
それでもトンネルを歩みたくない彼女たちは黙々と枯れ葉を蹴って先に進むーーー
途中、古びたガードレール越しに、わたらせ渓谷鉄道を走る列車が見えた。
それは下りの列車であって、ボク達が一駅歩いて乗り込もうと思った上り列車とは違かったのだけれど、
『ヤバイ!もう列車いっちゃったのかもおw』と、ちょっとおどけてみせたボクに、彼女たちはあまり反応してくれなかった^^;
枯れ葉や低木に足をとられながら進むボク達。
その間には、崖から転げ落ちたいくつもの岩や、朽ちて通せんぼする巨木も横たわってた。
『管理されてない道がどれだけ危険を含むのか』と、ソレを見たボクはうわごとのように呟いた。
それに対して黙々と歩いていた彼女たちから、久しぶりに声があがったのです。
『怖いですう・・・。道って当たり前にあると思ってたんですが・・・人の手に管理されてこそ安全なんですね^^;』(夕実ちゃん)
『新しい道を作るよりも、まずメンテナンスをしっかりしてほしいわよね^^;』(首塚さん)
悪戦苦闘した側道の旅路もいつしか終焉を迎えた。
枯れ葉の絨毯がようやく途切れ、いつしか本道へと続くアスファルトへの道にボク達は立っていた。
ようやく足尾トンネルの向こう側へと到着したようだ。
本来ならばとっても便利で近道のためのトンネルなんだ。
でも『ある事故』を契機にやもなく彼女たちに付き合せられた側道を歩いてきたことで、ボクは色々考えさせられた。なんかそんな気がした。
見渡せば煌々と輝くトンネルから零れる光か、たまに行き交う自動車のヘッドライトしか存在しない暗がりの山道へと変化していた。
『たった一駅』
でもその距離にはまだまだ物語があるのです。
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
前回に最終回と書きましたが、増長した記事になってしまったので分割させていただきますw
まあ、これが今回、一番テーマに置きたかった話だったりなんですよ^^
おはようございます。
トンネル、鉄道も含めて気になりますね。
ご心配掛けます・・・前回のドックで取ったほうがと云われ、放置してました年明けに取ろうと思ってます。
何時もありがとうございます。
by YUTAじい (2012-12-21 06:45)
管理されてなんぼのものですが、毎年年度末になると
穿り返される同じ道はどないなものかと思います。
無駄な税金たくさん使ってるのに・・・
by まめ (2012-12-21 06:52)
たしかにあの事故以来、トンネルが怖いです。
そうそう、もうこんなに暗いのに次の一駅までなにがあるのかしら?それが一番のテーマって。。。^m^
by リン (2012-12-21 07:13)
トンネル、ちょっと不安ですからね ^^;
自分はアクアラインを良く通るのですが、
あの事故の前から、何か嫌な感じがして
早く通り抜けたいと思いながらいつも走ってます ^m^
by haku (2012-12-21 07:59)
お忙しいと思いますが
素敵なクリスマスホリデーをお過ごしくださいね。
by サンダーソニア (2012-12-21 08:15)
故郷の近くの山道を車で走ると
以前は遠回りしていた道が
トンネルでショートカットされて近くなっている
場所がたくさんあります。。。
それによって人も車も通ることが無くなった道・・・
人の思いや気配だけが残されているような気がします。。。
by 獏 (2012-12-21 08:24)
笹子トンネル崩落の数時間前に通過していた亀であります。(汗;
落ちてたらオフ会に来てなかった事を考えると怖いですね。
悪運が良いだけとも言えますが、安全神話も確実に崩壊していると思います。
by 亀仙人 孝禎 (2012-12-21 09:26)
山間部を走るとかならずある側道、いつも降りて歩きたくなります(^^)
そうそう、青梅街道にあるおいらん淵・・・トンネルができて廃道になってしまいました。
そして、高いフェンスがあっていけなくなっています。
これも怨念のなせる業か・・・・
それとも静かに眠ってもらうための配慮なのか・・・
by 駅員3 (2012-12-21 09:41)
ちょいのりさん、
やはり、トンネルも、側道も、整備されていてこそ役に立ちますね。
巨大建造物は、大きければ、大きいほど、維持管理=メンテナンスが大事だと思います。
その点で、側道の整備とは比べ物にならないほどの維持管理が、大型トンネルや、
大型ダム、某発電施設には必要なのでしょうね。
ただ、10年に一度とか、100年に一度とか、1000年に一度とかいって、
必要な検討を怠ったり、そもそも、設計不良や施工不良だったりすると、
昨年や、今年の大型事故が起こってしまうのだと思います。
現在から見ると十分な建設技術がなかったり、手抜きが多かったと言われる高度成長期に
山のように建設された大型施設について、本当に心配になってきますね。
某トンネル事故は、目視だけだった定期検査さえ、不十分な検査内容だったようです。
前の人と同じことやっていれば安泰と思うことなかれ主義が横行していますからね。
by kiyo (2012-12-21 10:07)
トンネルって昔から苦手なんですよね。。。
得体の知れない圧迫感があって、入ると出口が無いんじゃないかという感覚になってしまいます。
人間が作ったものに絶対は無いから怖いですよね。。。
by 風太郎 (2012-12-21 15:30)
あの事故以来トンネルが怖いですね~
トンネルだけじゃなくて原子炉の建ってる場所とか
いろんな事の安全性が怖いよ~
by miwa (2012-12-21 17:52)
安全は守らてこそ生きてくるんですがナカナカ守られて
いないのが現状ですね、事故が起きると何かを遣るのが日本の習慣なんです。
警察も事件が起きることを予測していても行動を起こさないで起きてから行動するんですよね。
どんな工場でも安全点検は年に一回は行っております。
by 馬爺 (2012-12-21 20:06)
取扱科目の違いこそあれ、
私も一応工事関係の会社に勤めている身として
何が一番大変で何が一番大切かというと
新しく造る事より、日々のメンテナンスなんですよね。
それをしっかりと認識して欲しいものです。。。
by 銀狼 (2012-12-21 20:13)
落ち葉がフカフカ過ぎて歩きにくそうですね。
障害物になってる木が枯れてるからか
なんだか不気味で怖いですよぉ。
by みずき (2012-12-21 22:44)
少し閉所恐怖症がある私はトンネルは苦手です.
ちなみに,少し高所恐怖症も入っています(笑)
この前の笹子トンネル崩落事故は,
ほんとうに悲惨です.人災以外の何物でもないかと.
日本の公共事業も,新しいものを造るよりも,
今あるものを維持管理していく方向にシフトする
きっかけになってほしいと願っています.
by 唐津っ子 (2012-12-21 23:40)
この光景、自分がよく見る道路系サイトで見たことあります(・_・;)
もっとも、むこうは日光の第2いろは坂のど真ん中ですが…^^;
それでも、幹に保護用の黒いネットが巻いてあるとこまでそっくりそのままなのは興味深いですね(-_-)ニヤリ
by 下総弾正くま (2012-12-22 00:32)
おはようございます。
埃対策のアクリルカースが嵩張り・・・妻には溜息をつかれてます。
by YUTAじい (2012-12-22 07:15)
何事も、きちんとメンテナンスされないと、ダメなんですよね。いろいろ含蓄のある言葉もあり、廃村さーくるの活動、呼んでいて面白いです^^。
by sakamono (2012-12-22 15:20)
メンテナンスは なににつけてもダイジですね
安全の確保は 難しい
おいらの部屋もしかり…
by ねこじたん (2012-12-22 19:28)
かきいれ時かと思いますがガンバレw
by サンダーソニア (2012-12-22 19:36)
トンネルはあの事故から通る機会がない。
今度通るときは少し意識しちゃいそうだな。
今夜も忙しいかい?
ふぁいと(^O^)/
by DEBDYLAN (2012-12-22 22:35)
安全が当たり前と思っていたのに、あのトンネル事故で何となく長距離ドライブに行きたくないなぁと思ってしまってます(>_<)
まぁ、風邪が長引いているので行けないんですけどね(^_^;)
ちょいのりさん、忙しさがピークですよねぇ(>_<)
くれぐれもお身体には気をつけてくださいね<(_ _)>
by ニッキー (2012-12-24 21:37)