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第534話 長瀞・天神山城跡編vol③『模造の城郭』成れば果ての縮図 [廃村さーくる]

『みんなは気づいて“無い”みたいね』

 

 私は最初から違和感を覚えていた。

 酔っ払って和気藹々。私が快く迎え入れたように菅原君や夕実ちゃんは思っているだろう。

 酔っ払ったふりをしていた私だったけれど(いやぶっちゃけ酔ってます☆)

 電車内で出会った少女『朝子ちゃん』は、

 何かが『違う』の。

 だから彼女を『囲ってみた』私。

 なるべく傍に居ようとしたわけです。

 

 私たちと共に行動し、屈託の無い笑顔で誰とでもおしゃべりする彼女。

 でも、私は見逃していない。

 時折彼女がチラチラと夕実ちゃんを見つめているのに気づいた。

 その表情は勿論笑顔。でも実に温かさのこもった眼差しなんです。

 彼女と夕実ちゃんには少なからず『何かがある』

 そう思っていたところなんですよ^^

 

 曇天が幸いしたのか、なんなのかは今は分からない。

 ただ、私だけが気づいたのは

 

『朝子ちゃんには影が無かった』ことなんですーーー

 

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『す、すすすすスズメバチの巣があるって書いてあるですよォ・・・先輩^^;』

 白鳥神社脇の小道を登ってすぐ、手書きのスズメバチ注意の立て札が私たちを出迎えた。

 夕実ちゃんの極端すぎるほどのビビリに菅原君がやんわりと答えた。

『夕実ちゃん、これは多分・・・この先を登って欲しくないってだけの、遠まわしの忠告なんだと思うよ^^

 恐らく・・・この先にある廃墟目当てで訪れる人が意味無く境内内を通過したり荒らしたりして欲しくないって意味での牽制だと。

 もし仮にスズメバチの巣があっても、たぶんこの時期は活動してないから心配はないよ^^

 ちょっと通りますけどゴメンナサイって頭下げて先を急ごう^^』

 なんとなく理解したようなしてないような夕実ちゃん^^;

 周りをキョロキョロ注意深く見回しながらも菅原君の後に続いてく様は、同性の私が見てもなんか小動物みたいで可愛らしかった。

 ---片や 朝子ちゃんは?と探してみると、

 微笑ましい感じで夕実ちゃんを見つめていた。

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『さあ、ここからちょっとキツクなるけど頑張って^^』

 先頭を行く菅原君が踏み入れた林の中は、結構な傾斜が続く枯葉の山道だったのです。

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 なんとなく道・・・だよね?って思えるところを進んでいく彼と、それに続く私たち。

 獣道とは言いづらく、かといって人が織り成した道とも言いづらい、曖昧な枯れ葉坂を登っていくことになった。

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 ---途中、菅原君がピタッと足を止めた。

『どうしたの?お兄ちゃん^^』と、不思議そうに下から彼を覗き込む朝子ちゃんに

『道っぽいと思ってた道が・・・幾重にも分かれてるとこに来たからちょっと迷ってるんだ^^;

 でもたぶんコレがあるからコッチだと思う^^』

 そう言って何かを見つめてから再び進む菅原君。

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 何を見つめて何を確信したのか気になって、先ほどの彼の目線を探してみた。

 そこにあったのは木の切り株のような朽木。

 ーーーああ!なるほど^^

 自然に切り取られた木では無さそうです。

 ここに林を管理する人か誰かさんが訪れた印しとも言える^^

 少なくとも誰かがこの道を歩んだと言えるかもしれませんよね。

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 15分~20分を登って来ただろうか。

 林の向こうに、薄っすらと『建物』らしきものがシルエットで見えたのです。

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『何かありますです!わきゃー☆』

『ようやく来たみたいだね^^ そう、アレが今回行こうとしてたとこだよ^^』

 目標が目視出来たことで俄然歩む足にチカラが入った。

 ゴールが見えてくると人間不思議なもので、さっきまで

『ああ~ん・・・つかれたです^^;』

『アキレス腱がピクピクヤバイんですけど菅原君^^;』と嘆いていた私たちも、少しばかりか小走りになっていた。

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 山頂と思しき場所に鎮座するソレの前に、私たちはようやく辿り着いた。

『こ、これが・・・廃城・・・跡なんですね。・・・わきゃ!』

 夕実ちゃんが、ブルルッ!と身を震わす。

 私も久しぶりに見た廃墟らしい廃墟に少し緊張をした。

 

 ・・・でも、なぜか菅原君はそれほどでもないような雰囲気に見えた。

『じゃ、入り口がパッカリ開いてるけど、その脇にこの建物の土台部分の入り口があるからそこから行ってみよー!』

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 と、菅原君が階段横の入り口に入っていったので、おっかなびっくり私たちも続いた。

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 枯れ葉が満載で光が届いているところを見ると、天井となる、この上の階がどれだけ屋根が抜け落ちていて、廃墟になりまくりなのが想像できた^^;

 ・・・が、それよりも何よりも気づいたことがあったのですが、

 夕実ちゃんに先に言われちゃった。

 

『先輩? ええっとお~・・・ざっと見た感じい・・・“鉄筋”が組まれてる感じがするですよ^^;』

 

『よく見つけたね。・・・てか見れば分かるよね^^;

 そう、ここは城跡って言っても“本物の城跡じゃない”ってことなんだ^^

 ま、それはこの後はっきり分かるからついてきて』と、再び入り口まで戻って、みんなとゾロゾロ侵入することになったの^^

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『梁の残ってる部分、そう、ボクが歩いてる後を付いてきて^^;』

 ところどころ抜け落ちた床と床の間を縫うように、

 そしてまだ残ってる床がどこまで安全なのかを吟味しながら進んでいく菅原君。

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 途中、壊れたガラスケースに展示された鬼瓦を見かけたりーーー

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『あれれです? 残ってる展示物に昭和とか書かれてるですよ???』とハテナマークを浮かべる夕実ちゃんを見て、疑念を覚えた私。

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『ここって・・・城とは言ってもなんだか雰囲気が違う感じがするんだけど菅原君^^;』

『そう思うのは半分正解かな^^』

 半分正解?えっとどーゆーこと!?

 

 むき出しの鉄骨を少しばかりさすって皆に振り返って、菅原君は告げたんです。

『ここ天神山城は元々あった城跡の場所に、観光目的で後から鉄筋コンクリートで再建した“模造の城”の成れの果てだからさーーー』

 次回に続く☆

 


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コメント 23

リン

へ~鉄筋の。。。
よりも朝子さんの存在が気になる。。。
ようやく首塚さんの専門分野?!^m^
by リン (2013-02-04 05:48) 

YUTAじい

おはようございます。
私も影の無い朝子さんが気になります。

by YUTAじい (2013-02-04 06:51) 

獏

サークルみたいに複数ならいいけど
自分だったら単独では絶対にむりですぅ・・・(@@;)

by 獏 (2013-02-04 07:11) 

みぃにゃん

どこを歩いても今にも抜け落ちそうな床?ですねぇ~
スズメバチは遭遇しませんでしたか?
by みぃにゃん (2013-02-04 09:53) 

kiyo

ちょいのりさん、
待望の廃村サークルの探検編ですが、
「朝子」ちゃんって、誰?
なにか、見落としていましたかね。
確か電車で出合って同行しているという設定だったとは思いますが。
やっぱり、あやかしか、夕実ちゃんのご先祖の霊?
誰なんだろう?
by kiyo (2013-02-04 10:10) 

haku

朝子ちゃんって、何者なんですか?? ^^;
その話で、後の廃墟探検がちょっと怖くなりました
そして、雀蜂がもっと怖いんですけど (><)
雀蜂ではないんですが、
足長鉢から総攻撃を受けた経験があるもので...
by haku (2013-02-04 11:05) 

駅員3

朝子ちゃん・・・・夕実ちゃんにとりついちゃうのかなぁ・・・
この先心配・・・!!
天神山城って、同じ名前の城がいくつもあったんですね。
by 駅員3 (2013-02-04 12:04) 

ちゃめこ

城跡という事だけあって、かなり高い場所にあるんですね!
ここまで歩いて登るのは、かなり大変だったんじゃないですか?
by ちゃめこ (2013-02-04 12:10) 

サンダーソニア

(@´゚艸`)ウフウフ
何ともナイサーw
by サンダーソニア (2013-02-04 12:18) 

下総弾正くま

戦国期と昭和に、2度も“落城”したわけですな^^;
この手の模造天主物件はあちこちにあるけど、「元ホンモノ」ってけっこう稀な気がする…(・_・;)
by 下総弾正くま (2013-02-04 12:25) 

風太郎

長瀞にこんなところあるんですね~
朝子さんコエー!!
廃墟とかいわくのある場所に行くと誰かに見られている気がするのは自分だけかなぁ。。。
カンケーないけど、最近は山に撮りに行くとスキー場の残骸が多く目に付きます。

by 風太郎 (2013-02-04 12:45) 

johncomeback

へぇ~、こんな城があったんだぁ。
僕が秩父に住んでいた頃(1982~88)
は既に落城していたのかなあ?
by johncomeback (2013-02-04 13:53) 

美美

しかしここまで朽ち果てなくても・・・
もったいないものが目につきますね~^^
by 美美 (2013-02-04 18:35) 

馬爺

観光目的で昭和に建て直してその後も営業ふしんかなんかで廃家になってしまったようですが中には加担ポンプなども有って骨董価値があるものも捨てたままなんですね。

by 馬爺 (2013-02-04 18:54) 

ニッキー

めっちゃ続きが気になる~(+o+)
ちょいのりさん、時間の許す限りなるべく早く続きをお願いします<(_ _)>
by ニッキー (2013-02-04 20:26) 

DON

昭和46年だと
オイラより後輩です(^^ゞ

by DON (2013-02-04 20:40) 

tomomame

無理に作ったものって、廃れるのも早いのね。
あ、あ、あ、朝子さん???コワイィ(>_<)

↓の仕事人ちょいのりさん、カッコエエ^^
by tomomame (2013-02-04 21:00) 

唐津っ子

廃墟は,何かが出てきそうで怖いですね.
元々はちゃんとした場所なんでしょうが・・・
私はたとえ昼間でも,怖くて行けません
by 唐津っ子 (2013-02-04 22:11) 

DEBDYLAN

ココまで廃墟になってると怖いっす^^;

by DEBDYLAN (2013-02-04 22:17) 

銀狼

もし、ここに一人で行ったら
ずっと大声で唄っていそうだなぁ・・・^^;
by 銀狼 (2013-02-05 01:53) 

まめ

このまま放置というのもどうかと思いますねぇ。
箱物作って、後はそのままって税金は・・・・・・・?
by まめ (2013-02-05 06:52) 

ねこじたん

ちょうど さっき
bおばぁちゃんが守ってくれてるんです!
とか言う話をしたとこ…
あさこ様は ナニモノ?
by ねこじたん (2013-02-06 00:40) 

sakamono

こんなふうに、じっくり廃屋を見ると、やっぱりちょっとコワイです^^;。
by sakamono (2013-02-09 17:42) 

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