第600話 福島・湯野上温泉編ファイナル『何もやせなくて・・・夏』トロッコ電車&手掘り温泉 [廃村さーくる]
『ヤバイ・・・そう言えばこの後、温泉だったっけ^^;』
わたくしこと琴音は、誰からも視線を感じないのをしっかり確認しつつも、
自分のお腹のお肉をこっそりムニュッと摘んで1人で苦笑いっすよ^^;
・・・この夏、不摂生しすぎたぁ^^;
合コンやら友達達とのプチ旅行三昧で夜に飲み食いの比重が多かったのがイタタタタ・・・
夜9時以降は絶対食べないって、あんなに誓ってたのに^^;
ーーーでも、つったってさあ~、
大学生ですよ?
遊ぶのがお勉強ですよね!(絶対違います☆
流石にノリで羽目を外しちゃい過ぎたのは超反省っす^^;
ま、バイト先のアイスケースに入って馬鹿げたり
ピザを顔に巻きつけたり
そういうアホな事はしなかったっすけどね♪
・・・とは言え、このあとお兄ちゃんが選んだ温泉って混浴か?別風呂か?
ま・・・どっちにしても、今のぷにぷにのお腹を隠さなければいけないんだけどぉ^^;
むっつり兄貴なことだから、多分混浴なんだろうなw
私の何も痩せなくて・・・夏物語、スタートです☆
(湯野上温泉編ファイナルは琴音視点で進みます^^)
あの少しばかり陰鬱な感じがしたホテルの廃墟を飛び出した私たち。
迎えてくれるのは、それを全て打ち消してくれるような夏の日差し。
当初は照りつける熱線すら心地よいとも思った。
だってやっぱり廃墟の暗がりよりは、お天道様の日差しを浴びるのが最高っすよ^^
皆も同じように思ったのか、夏の暑さなど気にせずに周りの空気や景色を愛で吸い込んで夏の開放感を味わいながら歩いてたと思ったっす^^
・・・とは言え36度ですw
結局は最初だけっすw
そんな景色を愛でとか、いかにもカッコいい風に言っちゃいましたが、
ジリジリと照りつける日刺し(本来なら日差しですが、あえて刺すような)
逃げ水が見えそうなアスファルトから照り返す反射熱に体を包まれて、
いつしか皆ぐったりしながら言葉も発せずに歩き続けてました^^;
ーーー歩くこと20分ほどだったでしょうか
川向こうをふと見やると、私たちが降り立った駅『湯野上温泉駅』っぽい建物が見えた気がした。
それと共に目の前の道に広がる物体。
『ねえねえ~お兄ちゃん。お兄ちゃんって“川の向こう側に渡るには橋を探すしかない”って言ってたよね?
それは駅の近くに無いってさっき言ってたよね?
だからあんなに遠回りしたんだよね?
・・・この橋は、なあ~に?』
私の言葉に皆、これはどういうことなんですかねえ・・・って感じの冷たい目線をジイーーーーーーーっとお兄ちゃんに向ける。
『あちゃぁー・・・こんなに御近所に向こう側に渡る橋があったんだね~^^;
知らなかったよ、えへへ☆』
ま、その後は女子軍団からの言葉攻めという集中砲火を浴びてましたよお兄ちゃんはw
結局、みんなのお土産代を受け持つということで、何とか手打ちになったのではありますが^^
私は知っている。
お兄ちゃんは自分が間違っていても、最初は必ずおどけて見せて、絶対に謝らないって性格を☆
これで昔は(今も)良く兄妹喧嘩したものです^^
炎天下の中、無駄に歩かされた私たちの前に、ようやく自動販売機が登場した。
喉がカラッカラな私たちは勿論ここで当然のようにお兄ちゃんに何も言わずに手を差し出すのだ。
謝罪と賠償。
どこかの国と違って明らかにコチラに求める権利があるわけです。
『ええ~^^;』と言いながら中々ポッケからお財布を出さないお兄ちゃんから財布を略奪し、
みんなに小銭を振る舞ったのです^^
皆からの感謝の言葉はなぜか私に向けられる。
ま、ATMはお兄ちゃんですがねw
---ここで幾分か皆一息をつく。
ふと、リンダちゃんがお兄ちゃんに、
皆が気になってたことを代弁するかのように声を掛けた。
『エット・・・スガワラサン? 私たちはどこのホットスプリング(温泉)を目指してるデスカ???』と。
そのリンダちゃんの問いに、申し訳無さそうに答えるお兄ちゃんがそこにいた。
『うん。実は・・・自分でも正確な場所を分かってなかったりするんだ^^;
でもまあ・・・大体の場所は見当がついてるんだよ。
だからもう少しボクにつきあってくれないかなあ^^;』
・・・えっと
場所が分からないってどゆこと?
旅館の名前を度忘れしちゃったとか?
日帰り入浴施設の名前を忘れちゃったとか?
そもそも地図すらまともに見てないのにここまで来ちゃったとかなの?
???
・・・まあそれでもいつもどうにかこうにかしてくれるお兄ちゃんを知ってか、
みんな『ええーーー!?なにそれーw』と言いつつも、お兄ちゃんの後に続くことになったのです。
微妙な信頼感と言いますか、いつものことですかってな感じの諦めと達観が混じったような感覚なんでしょうかね^^;
私たちは目的の場所すら分からず、お兄ちゃんの背中に進路を預けてついていくのでした。
道路を埋める木々の影がヒンヤリと心地よい。
いつしか熱い日差しを遮る林のトンネルに突入していた私たち。
ま、これも先ほどと同じくして見た目の清涼感なんてのは長続きはしないのでありますw
『で、お兄ちゃん。目的の場所はどこよ?』
私の言葉に、先頭を行くお兄ちゃんはピタッと立ち止まってこちらを向かずに『う~ん・・・』と腕組みをして見せた。
そしてーーー
『ごめん。おそらく通り過ぎたと思います!反省してます後悔してますゴメンナサイw
実は薄々とっくのとうに過ぎてるんじゃないかなあ~なんて思っておりました^^;
だから、えとえと・・・戻ろうかw
でも今度は多分きっと絶対間違ってないと思うからお願いゴメンねよろしくおねがいしますからついてきてよw』
・・・だと^^;
『これはもう一品奢っていただかなくてはいけないっすよね^^』と言う私の提案に、一部を除いて惜しみない拍手の嵐。
賛成多数でこの法案もまた可決されることになったのですw
で、結局先ほどの自販機の前まで帰ってまいりました。
『実はね?目的の場所は川の近くなんだけど、川まで降りられる道を探していたんだ^^;』と言うお兄ちゃんに、
『あれ?スガワラサン。だったらさっきの自販機のところくらいしか川のほうに下る道は無かったデース^^』とリンダちゃんが戻る道すがらに指摘したのです。
・・・なんじゃそりゃですよ^^;
まんまとお兄ちゃんにアテも無く歩きまわされたって訳ですか^^;
いかにも川床へと向ってそーな道へとレッツゴー!
但し、もし温泉が見つかったとしても・・・
私はこの醜くも残酷なお腹を隠すにはどうすればいいのかと、そればっかり考えておりましたぞ・・・^^;
---下ること2~3分。
目の前に現れたのは
『えっと菅原君? 川に向うどころか渡っちゃうんですけど^^;』
『そうだねえ・・・橋だねえ・・・^^;』
橋から見下ろした川はまだとてつもなく下の方^^;
『あのさーお兄ちゃん・・・。いったいいつになったら温泉につくんでしょうかね!(蔑んだ目線で)』
『とりあえず渡って、川まで下るルートを探そうね。アハハハ^^;』
結局、私たちは、
駅前から進んだ逆方向の道を進み、川床へと下る道探しへと向うことになる。
要するにスタートの時点でお兄ちゃんの選択肢が間違っていた訳^^;
お兄ちゃんはたまたま好物の廃墟を見つけることが出来たから良いものの、
ついて行った私たちにはとんでもない遠回りだったのです^^;
線路伝いに歩いていると、ようやく川へと下れそうな脇道を発見。
チクチクと小姑のように、先行くお兄ちゃんの背中に向って嘆きの言葉を投げつつついて行く女子軍団(いや、本気じゃなくって、好きな子をいじめるような感じでw)
そしてーーーようやく待望の?
川へと降り立ったのです^^
『わきゃー☆ ようやく川まで来ましたです^^ ・・・でも先輩?
ここに温泉があるですか?』
夕実っちが着くなりそう言うのも分からなくも無い。
だってさー
周りを見回してもなんも無いよ?ここ。
川べりに露天のお風呂でもあるのかと勝手に想像してたのに、あるのはキレイな水をたくわえた川が流れてるだけっすよ。
(私はあったとしても入りたくない事情があるけど!)
流石に大人しい女子軍団も(大嘘
これには抗議の声を上げんと、お兄ちゃんに向って口をつこうとした矢先でした。
『じゃ~みんなにスコップ配るから、温泉掘り当ててみようか~^^』と、お兄ちゃんはバッグからスコップを取り出して皆に渡そうとするのでした。
『『『温泉を掘るの!!!???』』』
みんな驚きのハミング。
だってそりゃそうですぜ。まさか自力で温泉掘って温泉に浸かるだなんて思いもしなかったんだからーーー
あぜんぼーぜんの女子軍団。もちろん私も驚いた^^;
お兄ちゃんはスコップを皆に手渡しつつ、ようやく今回のネタバラシを語り始める。
『実はここ湯野上温泉に流れる“大川”には昔、ちょっとした有名な川原の無料の露天風呂があったらしいんだ^^
それが保健所の指摘によって廃止の憂き目にあう(2009年5月ごろ?)
なんでも無料露天のまわりの立地がキャンパーにはうってつけでもあり、かつ温泉入り放題ですよ。
でもね?それの弊害というかモラルの無さでゴミなどの問題が多々あったみたいだね^^;
それだけが理由かはそこまで調べきれて無いので言い切れないが、この川原の露天は公衆浴場法の下に県の保健所に廃止となったんだ。
ま、それが一連の流れ。
---だけれども!
実はこの周辺を掘れば今でも湯が沸いて野湯が楽しめるってことなんだよ~^^
というわけで、各自、この近辺を温泉求めて探しまくりましょうw
自分で汗水たらして温泉掘り当ててそこに浸かって癒されるだなんてのもたまにはいいんじゃないかと、今回はここを選んだと言うわけだ^^』
最初は、まさかの自力露天風呂に戸惑っていた私たちだったけどーーー
『わきゃー☆ 自分で温泉作れるなんて楽しいですぅ!』
『まるで砂金探しみたいでワクワクするわね^^ これは楽しいかも♪』
『ゴールドラッシュ!ゴールドラッシュ!デース☆』
と、スコップで掘り当てるという苦労とかそんなのすっとばしてみんなおおはしゃぎ☆
勿論わたしも自分で掘った温泉に浸かるとかマジでいいじゃんかと、今回のお兄ちゃんの計画に惚れちまったぜチキショーw
それからというもの、各自思い思いに川原に散らばって、
汗かくのも気にせず『ここかな?』『こっちじゃね?』と、石をどけては砂地を掘り起こして温泉探しに夢中になってましたよ^^
とは言え・・・中々それっぽいとこが見つかんない^^;
さっきまで躍起になってたのが嘘のように、みんなゾロゾロとお兄ちゃんの元へと集まってきたのだ。
それは一番うまく温泉を見つけてくれるんじゃないかとお兄ちゃんに期待し、そして最後の望みを託そうとして(他力本願
『あれれ?みんなそれっぽいとこ見つからなかったみたいだね^^;
ボクもまあ・・・何箇所か、ここかな~って掘ってみたけど不発だったよ^^;
でもここはいい感じかも♪』と、
砂地が剥き出した場所をせっせと掘り進めるお兄ちゃん。
みんな既に自分で掘るのは諦めて、お兄ちゃんの一挙手一投足に期待を込める。
幾分か掘ったところに水がスウーーーーーーっと湧き上がる。
そこにお兄ちゃんは先ほど皆に外気温を知らせてくれた温度計を差し込むのだ。
・・・ゴクリ。
誰かの喉が鳴る。
もう温泉発見自体が、雪山で助けられた遭難者が最初に口にする熱い熱いスープの感動のようなくらいの感覚だw
だからこそみんな、温度計の赤く塗色されたアルコールかトルエンの行方を食い入るように見つめた。
それが上に行くか下に行くかハイ&ロー!
---その赤い道しるべは
26度。
学校のプール授業ならば合格点だが、皆が求めてる温泉には不適格な温度でした^^;
(いや、まあ~冷泉もあるから熱いのばかりが温泉じゃ無いんだけどね^^;)
ここでみんな一斉にため息ですよw
手掘り温泉のサプライズで高揚して、結局結果が出ず終いじゃ、まあ~そうなりますよね^^;
ガッカリ感ははんぱなかったっす^^;
『みんな・・・ゴメンネ^^; せっかくここまで連れてきたってのにさ・・・^^;』と、小声で謝るお兄ちゃんがそこにいた。
今回の旅の計画をし、皆に喜んでもらおうと思って、頑張って皆の思いもよらないことを発案したお兄ちゃん。
私はここで誰かがもし文句を言おうものなら、つっかかってやろうとも思ってた。
たしかに失敗に終っちゃったけど、こういうとこが自分の兄貴として好きなところだったりするから。だからだ。
でもそんなことは杞憂に終った。
『めちゃくちゃ楽しかったですよ先輩!わきゃー☆温泉でこんなにワクワクしたの久しぶりかもですぅー^^』
『たまにはこんな宝探し的なのも楽しいわよね^^ 私、いつのまにかスカート濡れるの全然気にしないで掘りまくってたものw』
『砂金探しみたいで楽しかったデース^^ 見つからなかったとは言えとても楽しめたデスヨ♪』
みんな温泉が見つからなかったことは責めなかった。
むしろ今回のお兄ちゃんの企画を讃えてくれた。
ああ~・・・やっぱりこの人たち大好きですよ私!
『アハハ^^; そう言ってもらえるとありがたいよ。改めてアリガトウ^^ そしてちょっとごめんね^^;
今回は残念ながら手掘りの露天は無理だったけど、せめて日帰り湯にはみんな浸かって帰ろうか!』
『『『さんせー!』』』
私たちは大川に別れを告げて、湯野上温泉駅まで戻って帰りの時刻表を覗き込んだ。
丸々一時間の猶予があることを確認して近隣の日帰り湯を楽しめる場所へと飛び込んだんです^^
玄関の奥のプチラウンジで寝そべって、テレビに映る夏の甲子園を応援してるおばあさんとその娘さんに網戸越しに声を掛けてーーー
(くつろいでたところゴメンナサイ^^;)
お兄ちゃんは当然のごとく男湯へ。
私たち女子軍団は勿論四人とも女湯へ。
ここで私は気づく。
やべえ・・・
ほんとは私ってば今回プニプにのお腹を見せたくなかったってことを^^;
お兄ちゃんの手掘り温泉失敗で本当なら神回避できたはずのプニプにお腹のお披露目だったのにい^^;
結局、私は何も言い訳を思いつかずに内湯へ入ることに・・・
『アレ?琴音サン。マタニティー!マタニティー♪』と、リンダっちに『妊娠3ヶ月デスカw』とお腹をブニブニされたのはここだけの話っすうううーっ^^;
『双子です☆』とは返しておきましたがね(ヤケクソ
なんだかんだとようやく本物の湯に浸かって、まったりのんびり癒された私たちは、
お兄ちゃんと約束した時間から随分と過ぎまくってからようやくプチラウンジで合流。
文句も言わない(言えない)で待ってたお兄ちゃんには、たまに感心する^^;
すっかり、ほんわかさっぱりした私たちではありますが、
帰りに予定していた電車の予定時刻が迫っていたのです(主に女子軍団のせい)
早々にお礼を言って駅に向おうとしたんですがーーー
『暑かったでしょ^^ 冷たい水でも飲んで行きなさい』と、おばあちゃんが氷水を用意してくれたもんだから、
無碍にも出来ずに皆でゴクゴク飲んだっす(ここいらへんは、本当のお話です^^ 実体験)
---アレ?
なんだろ?
多分、水道水に氷を入れただけなんだけど、
おばあちゃんのおもてなしと、この南会津の風土・土地柄が相まってか、飲み干したその水はとてもとても美味しかった!^^
私たちは何度も頭を下げ『いいお湯ありがとうございました^^』と、日帰り入浴を後にした。
出迎えた外は相変わらず暑かった。
暑かったんだけど、汗を流したおかげで非常に心地よいのだ。
普通なら暑いときに熱い湯で体を温めたら余計に暑いじゃん!と思っていたんだけど、そんなことはなかった^^
夏場の温泉もいいんだね~♪
---駅舎にてお兄ちゃんが皆のぶんの切符を購入しようとしていた。
そして私たちに振り返って
『えっと皆、お座敷と展望と普通の座席があるんだけれど、どれがいい?』と聞いてきた。
・・・お座敷? 展望? はあ?
お兄ちゃんの“主語が無い”いきなりの質問に何を言ってるのかさっぱり分からない。
お兄ちゃんはいつもそうだ。会話にいつも主語が欠落している^^;
だからいつもいつも一瞬考えてしまうんだ。
多分、相手はもう理解してくれてると思って喋り出すタイプなんだろうねえ^^;
『もしかして・・・お座敷列車とかですか?わきゃー☆』と、夕実っちが数秒遅れてからお兄ちゃんに返す。
リンダっちと首塚先輩はそれを聞いてから『え~!?そうなの~♪』と続いた。
さすが夕実っちはお兄ちゃんの理解者っすな^^
『正解!そうだよ夕実ちゃん^^ 会津田島駅まで戻る列車は今時分、トロッコ列車しかないんだよ~。
次の普通の電車は更に一時間後。
せっかくだしプラス数百円程度で乗れるなら乗ってみようじゃないか^^
このトロッコ列車には、さっき言ったようにお座敷・展望席・普通席の三種類から選べるんだ^^
時間も無いし早く早く!』
急かされた私たちは大慌てで多数決を取った。
結果、お座敷2(リンダ・首塚) 展望車2(夕実っち・私)と真っ二つ・・・^^;
後はお兄ちゃんの一票で全てが決まる。
その結果はーーー
『首塚さん^^ 展望車でもお酒飲めるよ~^^』というお兄ちゃんの言葉に
『ならどっちでもいいかな♪』と、今回は展望車での旅に決定したのですw
とは言え、お座敷列車がどういうものかと、走り出す前にみんなで見学。
『赤提灯までぶら下がってて、もう呑んでくれ~って言ってるようなものよね~^^』とやっぱりちょっと後ろ髪惹かれてる首塚先輩や、
『靴を脱いでくつろげるとか最高デスネ^^』と、座ってみせるリンダっち。
『分かった^^ 今度みんなで旅する時はお座敷列車も考慮しようね^^』と、お兄ちゃんは皆に気前の良い提案を掲げて大いに盛り上がりましたっす^^
ゆっくりと動き出すトロッコ列車。
その感覚は遊園地の小さな電車のそれと同じ感覚。
ガッタンゴットン揺れながらもスピード控えめで、湯野上温泉駅を皆で見送った。
窓ガラスもない手すりのみの展望車。
爽やかな風が吹き込んで、頬やおでこをくすぐるこの感覚は最高!
流れる山々や田園風景を皆ぼんやりと、そしてうっとりとしつつ満喫っす^^
---ふと、お兄ちゃんの肩口に何かが止まってるのを夕実っちが指摘する。
さすが景色を見てるようで兄貴もしっかり見てるんだなあと、ちょと感心^^;
その肩にとまっていたのはーーー
名前も分からないけれど、可愛らしい蝶々だった。
『飛び込んできちゃったのかな^^ 展望車ならではの素敵なお客さんだよねw』と、お兄ちゃんはそれを確認すると、なるべく蝶を刺激しないようにと動かないで皆に言った。
鉄橋にさしかかったところで、観光客の写真撮影用にとの心遣いだろうか。
列車は速度を緩めて立ち止まる。
『じゃあ、ここでお別れかな^^』と、お兄ちゃんは蝶々の乗ったシャツの部位を手すりの外に差し出すような格好をした。
すると、あんなにしがみついていた感じだったのに、ふわあ~という感じで蝶々が飛んでいった。
皆、蝶々に思い思いの言葉を掛けて見送ったんです^^
ーーーそれが終った頃、列車はまた動き出した
途中、首塚先輩が思い出したようにポンと開手を打ち、
スタスタと車輌の後尾に居た女性スタッフさんのところまで出向いてなにやら話をしている。
満足げな顔をして再び戻ってきた首塚先輩は、私たちの目の前のテーブルへとそれをドンドン!と置いたのでした。
『さ!この素敵な風景を見ながら皆で乾杯しましょうよ^^』
『『『さんせー☆』』』
私たちはプシュッとプルタブ引っ張って、田園風景に向って乾杯をしたのです^^
ーーーなんだろう?
めちゃくちゃ美味く感じちったよマジでw
そこからは景色を肴にプチ酒宴が始まったっす。
思えば美味い空気にキレイな景色に楽しい仲間。
そして宝探しみたいな手掘りの温泉探しと、
日帰りとは言えとても満喫できた旅だった気がするっすよ^^
---ふと
『わあ・・・!』
『えっ!?何?何?何これ!?』
思わず不意をつかれた暗闇の演出。
会津田島までの区間に一個か二個のトンネルに差し掛かったところで車内にパアーっと猫足が暗闇に点々点々てんてーーーんと走りまくる!
私を含めて全員が全員、この唐突イベントに驚き、そして喜び、はしゃいじゃったw
数十分のトロッコ列車の旅路もようやく終わりを告げる。
見えてきた終点の会津田島駅がこんなに恨めしいと思うくらいに(ごめんね会津田島ぁ~w)
この時間がずっと続いたらいいのにな、って思うくらい名残惜しかったですよ^^;
列車を降りる皆の姿を見たとき、やっぱり皆も同じキモチだったんだなあと思ったっす。
だって皆、しばらく列車の前から動こうとしなかったもん^^
ここからは浅草行きの快速電車に乗り換えるのみ。
ただひたすらに自分の町を目指すだけだった。
乗り換え時間が30分ほどあったので、まだまだ旅したい!って雰囲気アリアリのメンバーは、
せめて最後まで旅の雰囲気をと、
車内で飲んで食べてワイワイしたいと、駅舎併設の物産コーナーをうろうろしまくったっす^^
先ほどまでのトロッコ列車に比べると実に味気ない車輌に乗り込んだわたしたちだったけど、
ほんとは朝早くから出かけたわけだし、眠い人だって居たはずだったけれど、
誰一人眠ることなく旅の余韻を楽しんだんです^^
今回、旅っていいよなあ~ってあらためて思っちったよ^^
そしてまた、次もどこかへ☆
出来ればいつものメンバーで。
---琴音の、ある夏の日記より抜粋
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
湯野上温泉編、いかがだったでしょうか。
本来なら別枠シリーズの『温泉さーくる』として書く予定でしたが、
思わぬところに廃墟を発見したものでついついいつもの廃村さーくるシーリーズとなってしまいましたw
まあ~普段のシリーズと何も変わんないんだけどねw
今回、行くのに4時間。帰りも4時間と日帰りとしては結構最長の部類でしたが、
ボク的には時間など忘れさせてくれるような素敵な旅路でしたよ~^^
(まあ~通勤電車の逆方向の電車に乗ってれば勝手に日光やら鬼怒川やら会津まで行けちゃうんだけどねw ある意味、旅好きには良い路線ですよ^^)
今回はブヨに刺される(プラスばい菌が入っちゃった)おまけつきで後々苦労はさせられたけれども、そんなの帳消しだったと自負しますよ^^
(ほぼ完治いたしました^^ 見た目はまだまだ赤らんでて正常な左足より浮腫んではいますが痛みは完全になくなったよ~^^)
残念ながら一個だけ叶わなかった目的の手掘り温泉。
(実は自分が探しまくった場所の対岸に、前述の廃露天風呂がありまして、その近辺でしたら野湯の可能性があったようです^^;
でも宝探しぽくって楽しかったなあ~)
いつか手掘り温泉は別の形・別の場所でリベンジして記事にしたいと思ってます。
ではではまた今度!
(お返事&訪問は、いつものように後日とさせていただきます^^)
時間があれば、山などに行きたいです。
緑が大好きです。
by yukio (2013-08-26 05:12)
河原を自分で掘って温泉に入れるとこはありますよ、
黒部川の上流欅平と言うところにあるんですやはりスコップで各々が掘るんですよ、暑いので黒部川の水で埋めるんです。
宇奈月からトロッコで欅平まで行きます。
by 馬爺 (2013-08-26 06:51)
そうそう、なんで廃露天風呂の痕跡を探さなかったのかなぁ・・・なんて読んでいて思ったのですが、対岸だったんですね(^^;
会津は、昔土地があったので何回か行ったことがありますが、東京の西からだとかなり無理が・・・
どうしても東京から東ではなく、西に向かってしまいます。
by 駅員3 (2013-08-26 06:53)
ブヨも ばかにできませんね。
そういえば小学校のキャンプ先で
大発生していて キンカンを塗ってもらうのに
大行列でした。
72か所も刺されていた子、
3か所だけなのに大きく腫れた子がいました。
その後 トビヒになって悪化した子は親友で
ほかの病気を誘発して休学しました。
たかが虫刺されですが 侮れませんよね。
大発生に気が付かず
キャンプさせたといって 今なら大問題だったかも。
当時も文句を言った親がいたそうですが
先生の視察段階は早い時期で
ぶよの発生を知らなかったのだということで
仕方なかったとされたようです。
by サンダーソニア (2013-08-26 07:35)
手掘り温泉のときは数人でデカイ風呂を掘りませう☆
お声がけあれ☆
しかしブヨも馬鹿にできませんな・・・・(@@:)))
by 獏 (2013-08-26 07:54)
一生懸命掘っているところでブヨでしたか。
ともあれ見た目は別として完治は何よりです。
猫足は良いですね!絶対声上げて喜んでしまいます。
by まめ (2013-08-26 09:17)
原因分かって何よりです。心配していましたよ!
まぁ探検家には少々の怪我はつきものですけど。
温度計持参とは^^。今度は掘り当てられるといいですね!
by orange (2013-08-26 09:19)
コメントありがとう!
湯野上温泉にいったんですね!
ワシは、5月連休に行きましたよ。
by ENO (2013-08-26 09:34)
ちょいのりさん、
600話達成おめでとうございます。
1710記事の中の600話ですので、やはり大きな割合ですね。
そして、足の回復されて良かったです。
足の虫刺されは、やっぱりブヨなんですかね?
専用の薬剤で早めに治療が鉄則のようです。
これ以上、酷くならなくて良かった、良かった。
by kiyo (2013-08-26 15:34)
てっきり温泉に入ると思っていたら、
スコップ!
なんたるサプライズ!
しかし、やったあ・・80度じゃん、と思ったら、
摂氏じゃなくて、華氏の方でした。
しかし、猫足トンネルは嬉しいですよね。
一度見てみたいなあ・・
それはそうと・・600話達成、おめでとうございます!
by 猫きち (2013-08-26 17:17)
温泉が見つかったらほんとに入ったのかな(・・?
展望列車で私も乗ってみたいなあ。
お座敷列車で飲んだくれ~もいいかも^^
足良くなってきてよかったですね。
痒い、痛いは嫌ですからね(笑)
by 美美 (2013-08-26 18:59)
温泉掘り掘りには憧れますが…えてして結果はそんなもんですな^^;
ブヨは…松尾で危うくやられるとこだったからなぁ…(・_・;)
by 下総弾正くま (2013-08-26 21:40)
まさかの自分掘り野天風呂とは(@_@;)
見つけられたらきっと大喜びで入っちゃいます\(^o^)/
トロッコ列車もいいなぁ^m^
会津若松かぁ・・・ちょっと強行軍だけど日帰りもOKなんですね(^.^)
by ニッキー (2013-08-27 00:14)
おはようございます。
スコップ持参で・・・恐れ入ります。
猫足で・・・最後結果オーライですね、楽しませて戴けました。
by YUTAじい (2013-08-27 06:17)
600話( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
素晴らしい!!
発熱、ブヨのせいでよかったです。あの時の写真が余りにも不気味だったもので、そっち系が原因では無いかと真剣に心配しておりました。
by suzuran6 (2013-08-27 06:54)
お座敷列車、いつも計画倒れなのですが~記事見てて乗りたくなりました!^^
by viviane (2013-08-27 07:24)
僕の故郷の北海道伊達市、そこを流れる長流川(おさるがわ)。20kmほど上流で夏は泳ぎました。10分も泳ぐと身体は冷え切り、自分達で掘った露天風呂で温まりました。
by johncomeback (2013-08-27 07:37)
私も7月に南会津に行きましたが、良い場所ですよね~
ブヨには気を付けてくださいね。私はブヨに刺されて10日後に
アレルギー反応が出てしまい手足を中心に水ぶくれができて
痒くて大変な思いをしましたから(^w^;)
by miwa (2013-08-27 10:23)
お化けが原因じゃなくて良かった(o^-^o)
お大事にしてくださいね。
by reorio (2013-08-27 14:17)
手掘りの温泉なんて,夢がありますね!!!
昔,温泉の達人が秘湯中の秘湯って紹介していたところもありましたよね.
謎の高熱の原因はブヨだったんですね.お大事に.
by 唐津っ子 (2013-08-27 21:41)
水がキレイで緑がいっぱいで、良いところですね。
トンネルでの演出も可愛いです。
驚いたのが、電車と道路のガードレール(?)です。
木製のなんてあるんですね。
by みずき (2013-08-27 22:35)
虫刺され治ってよかったですね(*´∀`*)。
by 萌田かずきち (2013-08-28 01:45)
手掘りの露天風呂、魅力的ですね。今回は残念でしたが、意外と簡単に掘れるものなんですね。電車の中で飲む、お座敷列車も良さそうです^^。
by sakamono (2013-09-01 14:49)
遊ぶのがお勉強ですよね!(絶対違そうです)(^o^)v
by macinu (2013-09-02 08:35)