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第666話 大田区・多摩川下流域編☆『古い煉瓦の防波堤!』穴守稲荷神社のイワクツキ物件&赤煉瓦の堤防 [廃村さーくる(古煉瓦)]

『フヒヒヒヒ・・・のこのこついて来るとは初心な娘やねえw』

 

 私は心の中でほくそ笑むψ(`▽´)ψ

 夕実っちには申しわけないが・・・

 今後の為に『利用』させていただくっすよ^^

 

 何の気なしに『私の突発的行動』で、連れまわされてると彼女は思っているでしょう。

 本当に『私の彼氏』がいると思ってるのかもしれない。

 でもこれは全部ぜ~んぶ私自身の『仕・込・み・☆』

 私のサークル乗っ取り作戦の第一歩に過ぎないのだ。 

 万が一失敗しても別策を用意もしてある完璧作戦!

 

 ーーーニヤニヤしつつも天空橋駅の階段をのぼる私に夕実っちが後ろから声を掛けてくる。

『ねえねえ琴音っち!ここの駅の名前ってかっこいいね♪ なんかラピュタの城みたい~^^』と。

 

 フヒヒヒヒ・・・夕実っち、

 私がそのラピュタのバルス(滅びの呪文)を唱えるかも知れないのに何て無邪気なんだろう^^;

 

 私たちは天空橋駅の地上階へとやってきた。

 第666話、不吉な数字でいざスタートっす☆

第666話・オーメン?琴音・ルイージ2.jpg 

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 改札を抜けたそこは、目を少し焦がしそうな早朝の輝き。

 さんざ羽田空港周りを歩いていたにも関わらず、地下から地上へと降り立った私たちには、目の奥がキュンとなるような明るさに思えた。

『えっと・・・琴音っち? んでぇ、ここからどこに向うの?』

 夕実っちが私をせかす。

 幻の私の彼氏に逢ってみたいからなんかねw

『実は私もこの駅から行ったことないんだ~^^; でもなんとなく分かってるからとりあえず歩いてみようよ^^』

 

 本当に私もここは初めて。そもそも彼氏の事は延々とはぐらかすつもりなので、ここからは小芝居が必要となってくるw

 ・・・まあなんとかなるでしょう☆

 

 周りをふと見回す。

 天空・・・と謳っている割に、周りに何も無い!

 夕実っちを見ると、やっぱり名前とのギャップのせいか、

『わきゃ・・・、な~んにも無いですう・・・^^;』とガッカリ加減。

 まあでも何も無いし空ばかりだから『天空』ってネーミングもあながち嘘ではないようなきがするかもねw

(元々は京急・東京モノレール共々、この駅が『羽田駅』だったのは昔の方は知るところでやんすね^^)

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 使われていない航空会社の整備場や更地がフェンスの向こうに広がる。

 看板を見ると緊急時の地域住民の避難区域にもなっているみたいっす。

 そしてフェンス内の敷地の前を通る道路。

 それを向こうにしたところに流れているのが『海老取川』

 多摩川下流域の分流の河川。

 昔は海老でも取れたんですかね^^

 

 夕実っちが勝手に妄想しているであろう『私の彼氏』

 私はその彼氏がいるんじゃね?って感じでお茶を濁しつつ『ある所』へと歩いていたのですが・・・

 その『ある所』というのは海老取川の向こう側だった。

 でも・・・

 横断歩道とかまったく無いの

 いつの間にやら道沿いに羽田空港へとUターンしていたw

 

 それではマズイとビュンビュンと行き交う車の間を縫って、海老取川方面へと通ずる対向車線の歩道へと無理矢理横断っす。

 でもこれで随分と離れてしまった海老取川方面へと近づく事に成功っす^^

 

 ーーーふと、

 延々と海老取川河口付近まで続く遊歩道脇のフェンスに

『穴』が開いてることに気づく

 夕実っちが『ええ~・・・やめとこうよお^^;』と言う優等生的発言を却下して、私たちはフェンス内へと道を進めたっす☆

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 そこはもう海でした。

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 幅の狭い砂浜が延々と続く、羽田の海だったんです。

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『あさり・しじみ乱獲禁止って書いてあるですよ?』

 夕実っちが砂浜に突き刺さった立て看板を指差して言う。

『江戸前って言うじゃない?夕実っち^^

 昔、ここいらはフツーに貝も魚も取れてたっつー訳っすよ。

 というか、今でも潮干狩り大会とかあるけどねw

 

 本当はお兄ちゃん(菅原君)みたいに『ここはかつてたくさんの魚貝が取れて~とか、歴史がどうたら』とか説明するべき場面だと言うのに、

 私は断片的な知識しか持ち合わせていない^^;

 だからなんとなくしか夕実っちに説明できなかった・・・。

 普段は邪険にしているけれど、やっぱりお兄ちゃんはこういう時には便利道具なんだなあと実感っす^^;

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 途中で見つけた道標も・・・

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『マキガタって何?琴音っち?』という質問も、

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『この道標のマークってなんなのかな?わきゃ???』って言う夕実っちの言葉に私は全然答えられなかった^^;

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 途中、薄汚れた看板をいくつか目にする私たち。

 基本、ここはフェンスの向こう側であり、

 お行儀が良い人なら決して見られない看板とも言いますかw

 ーーーとはいえ、多摩川八景とやらの説明看板。

 どう考えてもかつてはここも自由に行き来できた河川敷・海辺だったのは間違いの無いところっすよね^^;

 

 私たちはフェンスの出口の穴?らしきところから、再び通常の歩道へと戻った。

 すると、目の前に朱に構えた物体がドドドーン!と目に入ったんす。

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 神の世と俗世との境でもある鳥居がデカデカと。

 でもポツンとそれだけがそこに立っていた。

 

『鳥居があるけど、その向こうに神社とかどこにも無いよ?琴音っち?』

 

 彼女が疑問に思うのも当然。

 本来なら鳥居の向こうには何かしら建物があるよね?

 でもここには、この向こうにあるのは、やっと辿り着いた海老取川河口だけだった^^;

『なんなんだろうねココ。琴音っち^^;』

 続けて彼女は私に答えを求めてくる。

 ううう・・・

 マジぶっちゃけ分からないよおお^^;

 うちのサークルに入り浸ってる首塚先輩なら、即座に答えてくれるんだろうなあ・・・(あんな彼女でも巫女の家系だし、神社庁にも出入りしている心霊研究部部長っす)

 これから『サークルを乗っ取る計画』を考えている私は、普段ちゃらんぽらんなサークルの部長たちの(うちのお兄ちゃんも含め)

 ここぞという時のしっかりした専門的知識を思い返すと、正直今の自分はどうなのか?と、

 心揺さぶられる思いになった^^;

 

 ああ、イカン!イカン!っす!

 私は何を弱気になってんじゃあ^^;

 大学サークルの部長ふぜいが、専門家みたいな知識をもっていなきゃいけないなんてことなんて無いんだからw

 私は私。それでいい。

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 鳥居を潜ると、そこにはあっさり答えが待っていた。

 ふむふむと夕実っちと2人でこの鳥居の由縁を記した石碑を覗き込んだ。

『ほえ~。元々は穴守稲荷神社っていう羽田村の神社の鳥居だったみたいね^^

 度々受ける風水害で幾度と無く崩壊をしてたんだって。海に近い土地柄のせいもあったのかな。

 その神社も更に戦争の被害をも受けることになると・・・。ふむふむ。

 

 ーーー戦時を乗り切った神社。

 でも、統治下に置かれたこの一帯は、米軍による強制退去の憂き目に会うことに^^;

 米軍によって社殿は取り壊されるはめに・・・(まじっすか)

 とはいえ結局地元の有志さんの助力で神社の移転先も決まり、

 そこに新たに再建。

 

 ただ、この朱い鳥居だけはしばらく壊されることが無かったんだってさ^^』

『え?なんで?』

 一緒に石碑を読んでいるにもかかわらず、夕実っちが天然ボケをかまして聞いてくる^^;

 なので私は続きを読みつつ、噛み砕いて彼女に伝わりやすいように伝えるのでした^^;

 

『ふひひひひ・・・、実はこの朱い鳥居は“祟り”が噂されるほどの物件なんだよ夕実っち^^

 この鳥居を撤去しようとしたら、作業員に死傷者が出た! ---なんてお話もあるんだって。

 その後、何度も撤去作業が行われるんだけどお・・・

 原因不明の病にかかったり。。。

 何かと工事の妨げとなる事象が続発。

 なんだかんだと近年まで撤去できなかったみたいね^^

 

 でも結局羽田空港の増地増設の影響で、今ある場所に移動して来たんだってさ^^』

『へえ~、そうなんだ^^』と、夕実っち。

 

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 ・・・でも、あれれ?

 それじゃなんでここにポツンと立ってるのか説明つかなくね?

 地元の有志さんが提供してくれた土地に本殿はもう再建されている。

 後はそこに、このイワクツキの物件を移設すれば、めでたしめでたしの話のはず。めぐり合いのはず!

 でも鳥居は空港の邪魔になるからって、少し移動しただけなんすよね?

 まあ結局今のこの鳥居は、記念碑的存在。もしくはここ羽田の歴史を物語るシンボルとしての存在として、

 羽田空港の端っこで祀られているということなんすかね^^

 

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 弁天橋という海老取川、最下流域に掛かる橋を通って住宅街にやってきた私たち。

 見れば河口沿いに『六郷コース』なる、お散歩道があった^^

 土地勘なんてまるで無いんだけど、私の目的地(夕実ちゃんは彼氏の家と勘違いしている場所)に行くには、たぶんここを歩って行っても間違いは無いと確信。

 せっかくなので夕実っちに『こっちこっち☆』とおいでをして歩くことにしたw

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 羽田の海辺を見渡しながら歩ける散歩道。

 天気もバッチリ。鼻をくすぐる柔らかい潮風も心地いい☆

 2人して春と海の匂いを満喫して歩いていた。

 すると、

『このご近所さんの家って、みんなみんなお散歩道(防波堤脇)よりも低いね。琴音っち^^』と彼女が口にした。

 嗚呼そう言えば確かにそうだ。

 民家の二階部分に当たる高さが、防波堤や道路の高さだと言うことに気づく。

 所謂『ゼロメートル地帯』ってやつっすかね。ここいらは^^;

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 そしてそしてそして!

 ようやくお散歩道の向こうに

 『今の私の彼氏』発見です☆

 それはーーーー

 

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 じゃじゃじゃーん♪

 ここ大田区、多摩川河口域に残る

『赤煉瓦の堤防』っす♪

 夕実っちに嘘をついてでも、一度は訪れて見たかった物件なんす^^

 すっかり私のエア彼氏のことも忘れて、うきゃー♪いい眺めです~♪と、お散歩していた夕実っちも、

 流石にこの赤煉瓦の防波堤には目が行ったようでーーー

『あわわ!なんか煉瓦の壁みたいなのが、ずーっと、ずうううううーーーっと先まで続いているですよ!?』と、興味を持ってくれた☆

 ーーーしてやったりっすw

 まずは無難に掴みはOKかな^^

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 私も実際、初めて見る赤煉瓦の堤防跡。

 それは本当に延々とどこまでも道沿い脇に伸びていた。

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『イギリス積みか。ふひひひ☆』

 思わず私が口にしてしまった言葉に夕実っちが反応する。

『イギリス積み? ・・・わきゃ?なにそれです^^;』

 

 しめしめ。思わずとはいえ、まんまと私が口走った言葉に興味を示す夕実っち。

 でも私はあえてはぐらかすのだ。

『え?そんなこと言ってないよお^^』と。

 

 小首をかしげる夕実っち。

 でもそれで良いのだ私的に。

 人ってのは『曖昧なくらいが知識欲を駆り立てる』と、昔ネットで検索した恋愛サイトに書いてあったしw

 

 そのおかげか、すっかりこの赤煉瓦の堤防に興味を持ちつつ、ここから彼女は延々と続く煉瓦壁をなぞってお散歩してくれることになる^^

(イギリス積みってのは、めっちゃ簡単に説明すると、明治中期以降に流行った古煉瓦の積み上げ方法っす^^)

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『なんか、いかにもここに柵かなにかがあったようなとこですう』

 夕実っちが途切れ途切れに残っている、赤煉瓦と赤煉瓦の間の存在に気づく。

 見ればコンクリと鉄で出来た引き溝が。

 ここには何かしらの可動式の門や扉があったんだろうなあと想像っす^^

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 その煉瓦壁も途中ですっかり消えうせてしまった^^;

 もうこれ以上無いのかなあ~と進むとーーー

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 その先にもまだまだありました☆

 ま、夕実ちゃんも何故か続きがあったことに喜んでくれたのが一番嬉しかったんだけどね。マジで^^

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 そしてーーー

 常に膝元くらいしか姿を見せてくれなかった赤煉瓦の壁も、

 ここから先で変貌を遂げるのだった。

 

 

 

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『うひょー!ここ良い感じっす!』

 私は思わず走り出し、赤煉瓦の壁にスリスリと頬擦りをしてしまう(あ、いっけねえw)

 ソレを見て夕実っちが

『あのお・・・えっと・・・琴音っち? もしかして結構煉瓦フェチ???・・・なの?』と言ってきた(そりゃそうかw)

『うん。結構、こういう古煉瓦の造りって興味あったりするの^^

 お兄ちゃん(菅原君)が廃墟全般を好んでるのに対して、

 私的には特に古煉瓦に興味あったりなんだよね^^』

 

 ここで私は古煉瓦に興味をもった経緯やら何やらを少々だが彼女にしてみせた。

 その彼女の反応は割りといい感じ。

 一応これも『私の計画』の一環であるんだけれど、

 それでも私の本当の趣味を理解してくれたようでめっちゃ嬉しかったよ^^

 でも少し彼女を利用していることに、胸がチクチクと痛んだのも嘘ではなかったかも^^; 

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(特にここは煉瓦の湾曲が見れて、いかにもここの煉瓦らしさを感じられて素敵☆)

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 その煉瓦は更に更にと続いていた。

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 実はまだまだこの先にもあるんじゃね?と、

 2人で宝探しのような感じで延々と歩いてしまったのはナイショですw

(上記↑写真の赤いラインが赤煉瓦の現存する場所です)

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 桜にも似た紅梅が花咲く公園までやってきた私たちは、歩き疲れを癒すようにベンチに腰を下ろした。

 ふう~・・・と、疲れの空気を吐き出した後

『なんだかんだで歩いたですう^^; でも楽しかったかな^^』と夕実っち。

 そして夕実っちは、この今まで見てきた煉瓦の壁ってなんなのお?と訪ねてきたの^^

 私はそれに得意げに応えてみるのだった。

 

『うんえっとね^^ 実はここ、煉瓦の堤防だったんだ^^』

『煉瓦の堤防? 煉瓦でェ?』

 

『珍しいよね煉瓦の堤防って^^ 

 元々ここいらへんは夕実っちも見て周って分かると思うけれど、

 海(河川)より低い土地柄。海抜ゼロメートル地帯に民家が連なる場所だよね。

 だから幾度と無く風水害に悩まされたんだって。

 そこで明治・大正の時代に小さな防波堤を築いて防いでいたらしいんだけど、

 赤煉瓦で防波堤を築き上げたのは昭和の初期くらいだと言われてる。

 海か多摩川か微妙な土地なんだけど、ここいらの人たちの暮らしを守る立派な防波堤だったっすよお^^

 ま、それは結局近年、この赤煉瓦の外側に出来た立派な防波堤のおかげであっさりとその役目を終えるんだけどね☆』

 おおざっぱに夕実っちに解説して聞かせる。

 彼女は『へえ~』とか『ほえ~!?』と言いながらもしっかりと聞いてくれた^^

 ・・・でも、

『えっと琴音っち? ちょっと疑問があるんだけど』と手を挙げて彼女が言ってきた。

 私は『はい、何かね?御前崎君^^』と、教授や先生になったような気分で夕実っちを指差す(指は差してないかな?縁起悪いしw 手の平を彼女に向けてみる)

 

『その説明だと、なんであえて煉瓦で堤防を築き上げたのかの理由になっていないと思うのですが教授!』

 夕実っちも、こっちのノリに応じて生徒役っぽく質問してきた。

 うむ。感心感心^^

 

 ・・・ってあれ?

 そ・・そう言えば・・・

 確かに『なんでわざわざ煉瓦で防波堤つくったのか』理由付けできてないよ私^^;

 ここがお兄ちゃんと私の違うところなのかなあ・・・

 お兄ちゃんならきっと、なぜ煉瓦塀になったのかってところまで説明するだろうし^^;

 調べも浅く(いつものことだけどw)答えに窮した私は、オチャラケて

『当時の施工主さんの趣味じゃないかなw』などと返す(苦肉の思いつき^^;)

 すると『そうだよね^^ だってそうじゃなかったら他にもたくさんこういうところが残ってるかもしれないのに、あんまり聞いたことないもん。煉瓦の堤防さんって^^』

 ・・・お、おおう・・・

 確かにそうかもね。あはは^^;

 とは言え笑って優しく返してくれた夕実っちになぜか感謝した私。

 いつかじっくり調べ上げて、赤煉瓦堤防建設の本当の理由を彼女に話してみたいと思った。

 煉瓦研究サークルの部長になるんだと思ってる私がこのままじゃヤバイよね。・・・っておっとっと。それはナイショだったっすw

 

『で、琴音っち~^^ この後はどうするのお?』と聞いてきた。

 その目は爛々と輝いている。

 ・・・どうやら口にはしないが『私のエア彼氏』にこの後会えるもんだと彼女はワクワクしてるようだった^^;

 そこで一芝居打つことにする。

 ここからはダイナアクトレス(大女優)になり切らないといけないw

 私はスマフォを取り出して電話をかけるフリをする。

 そして『あ、ごめんね~^^; ちょっと近所に来たもんだから~。え?えっとね?今日は友達が一緒なんだ^^ で、暇なら会って見ない?三人でご飯とかどお?』なんて感じで

 エア彼氏との会話をしてるように偽造^^;

 しかもわざと夕実っちに聞こえるように大きな声でw

 その上『今、彼氏と電話繋がってるんだけど夕実っちも話してみるう?』なんて、スマフォを彼女に差し向けてみる。

 

『ううん。いいよ^^;』と彼女は遠慮。

 勿論それも折り込み済みの行動(彼女が電話を取ってしまったらヤバかったけど、彼女の引っ込み思案的性格ならたぶん遠慮するだろうと踏んでいた^^)

 私は再びスマフォを耳に当て、

『うんうん。ちょっと恥ずかしがり屋さんなんだよね~w で、今家にいるの?ふんふん。え?今家に居ないの?

 で、どこよ?マジで』と再びエア彼氏との会話をする私。

 その後も、いかにも彼氏と会話してる『風』を装う。

 そしていくらか時間を掛けてからーーー

 バッグにスマフォを仕舞い込んだ。

 

『えっと・・・琴音っちの彼氏さんはこの後どうなの?』と、それを見聞きしていた彼女が聞いてきた。

 ふふふ。騙されてくれてるみたいだね夕実っち。

 悪いけどアリガトウ^^

 

 私は廃村さーくる乗っ取り作戦の第二作戦へと速やかに移行することに。

 

『うんとねえ。今、彼ってお出かけ中らしいんだあ^^; だからこのまま会わないで帰ろうかと思ってたんだけどォーーー

 夕実っちに会ってみたいなんて言ってるよ。

 でも夕実っちに悪いからってことで断ったんだ^^

 で、私、

 今から彼のとこに行っちゃおーかなあ~なんて思ってるんだけどォーーー

 夕実っちも一緒に行って見るう?^^』

 私の問いかけに彼女は『ええ・・・悪いよ・・・せっかく彼と会うのに私、お邪魔だもん^^;』と遠慮している。

 ふふふ・・・その答えすら計画の範疇っすよ夕実っちいw

 

 ここで私は切り返す。

『親友の夕実っちだから、紹介しておきたいなあ~なんて思ってるんだ』

 私は真剣な目をして彼女に訴える。

 まばたきせずに本気の目をして(演技です)

『じゃあ、そこまで言うんなら私も挨拶してみたいかも^^』と、彼女はこの後私との行動を約束してくれることになった。

 

 ・・・結構。いやかなり純な彼女をここまで騙してでも『ある場所』へと連れて行こうとしてる私。

 自分の目的の為なら演技も持さない自分の性格に私。

 

 正直、彼女の友達としての資格が無いんじゃないかなあと、胸のハートに彼女の笑顔が何本の矢にもなって突き刺さった・・・

 

 とはいえ、きっといつか許してもらえる。

 なんだもーう、ヒドイよ琴音っちい^^;なんて言われつつも笑って理解してくれるだろう、と、

 彼女に彼女の性格に甘えることにした。

 

 この後、私たちは最寄の駅まで歩くことに。

 その道中、こんなものを夕実っちが発見。

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 時間貸し駐車場の脇に、めっちゃ派手派手しい自動販売機を見つける。

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 何でも『1000円でゲームやブランド品などが福袋のように出てくる』

 めっちゃギャンブル的自販機だw

『わきゃー!どんな商品が出てくるんだろうねコレ^^』と興味を持つ彼女。

 いやもちのロン!で私も興味バリバリ。

 とはいえ基本、夕実っちよりかなり疑い深い私でもある(だから彼氏できないんだよっ!)

 

 ここで私は『償い』と言うか、彼女に対して“ごめんね”って感じで1つの提案をすることに。

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『夕実っちい^^ 私が奢るからこの自販機挑戦してみようよ~☆』と。

『ええ?いいよ別にい^^; ちょっと気になっただけだしw』

 彼女は遠慮するけれど、私と同じくその視線は実に興味アリアリだ。

 でも中々ウンと答えてくれない彼女に更に提案。

『ここは私が出すから、ランチ奢ってよ夕実っちw』と代替案を提出。

 すると彼女もようやく折れてくれた。

 勿論、彼女にランチを奢ってもらおうなんて思ってない。

 更々無い。そんなの。

 

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 私は財布から夏目さんを一枚取り出して、夕実っちに声を掛ける。

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『夕実っち? 好きなボタンを押してみてよ☆

 どのボタンが何の商品か分からないこのギャンブル自販機に挑戦っすよ!』と。

(複数用意されたボタンによって出てくる商品が違う? しかも覆面的で自分の運との一発勝負!)

『わきゃー!何が出るか楽しみです^^ ここまで来たならやっちゃうですよ!

 とりゃ!』

 夕実っちは数あるボタンの中から、コレだ!という感じで力強く1つのボタンを押す。

 

 

 

 

 ・・・あれ?

 何も反応が無い!

 

 ---というか、私が入れようとした1000円札が、

 何度自販機につっこもうが受け付けてくれなかったんですけどね^^;

 結局、

『故障してるのかな?』ということで、泣く泣く2人して諦めることになった^^;

(案外、買えなくて正解だったのかもしれませんが^^;)

 

 っちゅーことで、次回は『エア彼氏に会いに行く!編』で隣の県まで飛び出します^^

 ここまで長々と読んでくださりありがとうございました^^

 

 


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コメント 22

ニッキー

琴音っち、なかなか芝居上手ですねぇ^^
羽田にこんなに素敵な煉瓦の堤防があるとは知りませんでした(@_@)
っていうか、そもそも羽田には飛行機を利用するときしか行ってないです^^;
今度飛行機写真撮りに行ったときに探してみようかな(^-^)

by ニッキー (2014-03-27 17:27) 

YUTAじい

こんばんは。
煉瓦・・・奥が深い私も知りませんでした。
販売機もやさまで紹介されてた物?
後は1日好天祈るのみですね。
by YUTAじい (2014-03-27 17:51) 

とし@黒猫

フヒヒヒヒ・・・
密猟が、後をたたないのだそうです。
by とし@黒猫 (2014-03-27 20:16) 

美美

煉瓦の堤防、私も何故煉瓦なのか気になりました。
やはり施工業者の趣味?(笑)
自販機は残念でしたね^^
次回も楽しみです♪
by 美美 (2014-03-27 21:00) 

さる1号

煉瓦で防波堤、なんだか弱い気も^^;
怪しげな自販機、一体何が出てくるのかなぁ
by さる1号 (2014-03-27 21:38) 

orange

今度行く時、上から見えるかなぁ..って無理ですね。
ちゃんと郷土史の時間にお話を聞いていたけど、こんなことは教えてくれませんでしたねぇ..
1000円自販機。..残念。夢だけ見て...でしたね。
by orange (2014-03-28 00:10) 

獏

羽田空港界隈って楽しそう♬
いつもモノレールで通過するだけなんで・・・
今度散歩してみようかなぁ(^m^)♬
煉瓦もこんなに残っていて素晴らしいですね☆
自販機 面白いものが出てきそうなのに・・・
残念だなぁ~(^w^)

by 獏 (2014-03-28 06:44) 

駅員3

家から片道50km弱・・・対岸の川崎側にはよく自転車で走ったものですが、大田区側にこんなにたくさん煉瓦が残っていたなんて、知りませんでした。

もちろん川崎側にも工場跡地の煉瓦の遺構がたくさんありますが。
by 駅員3 (2014-03-28 07:51) 

ソニックマイヅル

おはようございます。1000円自販機、私もきっと買うと思います。ギャンブル性があって楽しそうです。^^;
by ソニックマイヅル (2014-03-28 08:52) 

銀狼

思わせぶりな展開がなまら気になるなぁ。。。^^
by 銀狼 (2014-03-28 12:41) 

PENGUIN

煉瓦がいっぱい残っているんですね。
いわくつきの鳥居、今は記念碑になっていますか。
続きが楽しみです。
by PENGUIN (2014-03-28 13:37) 

koh925

赤レンガの堤防、文化遺産ですね
よくぞ、残ったと誉めてあげましょう
by koh925 (2014-03-28 17:58) 

いそいそ

煉瓦の遺構が残っているんですね
他にもいろいろ見どころがありそうですね
by いそいそ (2014-03-28 22:34) 

唐津っ子

私も,大人専用のお店の前に置いてある2000円の
自動販売機でグッズを購入したことがあります.
若気のいたりってヤツです(笑)
by 唐津っ子 (2014-03-28 23:50) 

onemore

おはようございます。
赤レンガっていい味出してますよね。
by onemore (2014-03-29 06:24) 

YUTAじい

おはようございます。
昨日・・・駅員3さんと集合場所打ち合わせました。
サザンクロス・スタバで近々UPされると思います。
by YUTAじい (2014-03-29 07:33) 

johncomeback

申し訳ありませんが、途中の話がすっ飛んで、
1000円の自販機に目が釘付けになりました。
仙台には無いだろうなぁ、3000円つぎ込みたいです(*゚▽゚)ノ
by johncomeback (2014-03-29 08:42) 

くまら

モヤさまでよく見るやつだ、おいら買えない・・・
by くまら (2014-03-29 09:03) 

みぃにゃん

煉瓦を選んだ理由が謎ですね~そんな強度あるのかな?
by みぃにゃん (2014-03-29 16:25) 

sakamono

レンガの防波堤、面白いですね。
強度的にはダイジョブなのだろうか、とも思いますが??
by sakamono (2014-03-30 16:31) 

DEBDYLAN

じっくり観察すれば、何気ない日常にも歴史を感じられるんすね。
しぞーかの街、そんな風に歩いてみようかな。
by DEBDYLAN (2014-03-31 01:01) 

まめ

何が出てくるかわからない自販機、大阪にもありますよw
by まめ (2014-03-31 07:59) 

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