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第674話 埼玉県・キューポラ市編☆『君の名はフランドル!』川口市&鋳物の街&墓場の墓場&永瀬邸跡 [廃村さーくる(古煉瓦)]

『灯台モトクロス』とはよく言ったものでして。

 あ、ゴメンゴメン

 灯台元暗しだった。

 

 ーーー皆さんは案外、隣町に行く機会が無かったりしませんか? 

 車で通過するだけとか

 電車での通過駅だったりとか、

 何か目的でも無ければ意外と足を運ばないなんてことあるでしょ?

 私もそのじつ、何個かに囲まれている近隣の町へと普段出歩く事なんて無かったりっす^^

 

 でもね?

 ちょっと調べたら、実は隣町が『お宝の街』だったのです^^

 と言うことで、灯台モトクロスの旅をしてきましたっす☆

 ではでは第674話、スタートっす♪

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  ちゅーことでわたしこと琴音は、自分の住んでる埼玉県は草加市のお隣

『川口市』へとやってまいりましたっす^^

 普段ならまったく用事がございません。この街w

 お兄ちゃんはギャンブラーなので川口オートレース場とかに出向くらしいのですが(親が泣くよ?お兄ちゃん^^;)

 私にはさっぱりの街です^^;

 そもそも隣町だと言うのに中心街へは電車を二回も乗り継がないと辿り着けなかったりしますw

(バスはありますけどね)

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 随分と遠回りな感じで川口駅に到着。

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 さて今回なぜ?この川口市にやってきたかと申しますともうお分かりですよね?

 そう、実はここ川口市には『煉瓦の遺構』が残ってたりするから出向いたって訳なんす^^

 かつては煉瓦を生産する工場がいくつもあったとのこと。

 その名残りを求めてレッツブラブラしに来たとです。

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 とはいえ駅前に降り立ってびっくらこきまろです。

 どこもかしこもビル!ビル!ビルじゃ~ございやせんか^^;

 ええー?こんなとこに煉瓦の名残りなんてあんのかよ!と思っちゃいましたっす。

 

 ---歩く事数分

 

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 メインストリート間近にドドン!と聳え立つビルの袂で、ふと気になるところを発見。

 思わず近づいてみることに。

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 かっくいいビルの敷地にしては、何か似つかわしくない感じで煉瓦壁が見えたんす。

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 掲げられている看板を見ると、どうやらこのビルの関係者じゃなくてもご自由にどうぞと書かれていたので、ちょっとばかし覗いてみることに^^

 そこにはーーー

 

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 古めかしい変なオブジェがあちらこちらに突っ立ってたっす。

 

 実はコレ『鋳物』

 鉄を溶かして型枠に流し込んで冷やしたストーブ型だった。

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 埼玉県川口市。

 知る人は知る『鋳物の街』

 別名『キューポラのある街』 ですよね^^

(キューポラとは鉄の溶解炉のことです^^)

 女優の吉永小百合さんが出ていた映画であり、知ってる方は多いかもっす(私は年代的に・・・ねえ?w)

 

 ここ川口は江戸時代後期から昭和後期まで鋳物工業で栄えた一大工業都市でもありますっす。

 砲弾からベーゴマまで。

 かつては日本の産業を支えた街でもあったわけっす^^

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 さて今回。

 そんな元・鋳物工業で栄えた街にやってきたわけなんですがーーー

 煉瓦とどう繋がるんや?と思う人も多いと思われ^^

 

 簡単に言いますと、鋳物だけでなく煉瓦工場もここには数多く存在していたわけなのです^^

 鋳物の街に隠れてしまっていますが、実は煉瓦工場も数多く存在した町、街なんす^^

 先日訪れた『群馬県・アプトの道』で見たメガネ橋や数々のトンネル群の煉瓦たちも、

 ここ川口で焼かれた煉瓦が使われているとのことです^^

 それらは時代と共に消え去っていくことになるのですがーーー

 川口市の金山や本町という地域には、かろうじて当時の面影を残す場所があると聞いたのでやってきたんす^^

 ではではレッツ本町&金山☆

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 ビル群の裏手に入ると、

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 さっきまでの都会的風景から一気にノスタルジーでした。

 工場(こうじょう)というよりも工場(こうば)という雰囲気が色濃く残っていたっす^^

 

 小さな現役の工場群を見ながら歩いていると

 ふと、異質に開けた場所を見る。

 なんだろここ?と近づいてみるとーーー

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 お墓の廃墟?でしたっす^^;

 あんまり気味の良いとこじゃないのでさっさと先へ。

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 そこかしこに置かれているさび付いた鋳物達。

 コレはもう使われることもないのかな?

 それともまた溶かして再利用されるのかな?

 小さな工場を見かけるたびに、

 ここの経営はどうなのか?とか

 今の時代、鋳物でやっていけるのかなあ?なんて、

 私は他人だけれども考えながら歩いてしまいましたっす^^;

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 そんなこんなで周りを見ながら歩いていたら・・・

 いつのまにか目的の周辺をかなり通り過ぎてたことに気づく^^;

 正直、今来た道を戻るのも億劫になるくらいの番地だったのです・・・^^;

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 っちゅーことでバスでワープですw

 リセットして再び川口駅からやり直ししましたw

 流石にまた同じ事を繰り返したくないので、ここでスマフォで地図を再確認。

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 そしたら、今回目的としていた場所は駅から徒歩10分くらいのとこだった^^;

 さっき見た墓場の廃墟の近くだったっすw

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 迷子マスターの自分でも分かりやすい大通りから小道へと侵入。

 砲台のレプリカが何故か飾ってある工場の脇道を進む。

 そこは金山という地区。

 入り組んだ路地を奥へ奥へと進むと、

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 ようやく名残りっぽいものにめぐり合えた^^

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 住宅密集地を縫うように煉瓦壁が延びていた。

 壁伝いに路地をぐるぐるぐるぐるとドルアーガの塔みたいに進む私(ファミコンのゲームっすw)

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 よくよく煉瓦壁を見ると、それは煉瓦の短い側面の列と、煉瓦の長い側面の列を順序良く段々に重ねた『イギリス積み』の壁。

 むしろ積み方よりも『目地』と言う、

 煉瓦のつなぎ目がもっこりと外に飛び出している、通称

『山目地』のつなぎ目にウットリしたっす^^

 

 そしてこの先にもっとググッと心を掴むような建物に出くわすことになったっす。

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 ・・・ちょっと廃でレトロな感じの家。

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 ブロック塀の細道を突き進むとーーー

 

 

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 もっと廃な感じの蔵を発見♪

 ぐは!渋い!(屋根に木が生えてるし☆)

 

 ーーー更にその先に進むと・・・

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 煉瓦塀に囲われたお屋敷?らしきところに辿り着いた!

 せっかくなので門の近くまで行くことに。

 するとーーーー

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 ポップでキュートでモダンな煉瓦の建物を発見。

 と言うかお屋敷の敷地内ですがw

 

 実はここ『旧永瀬邸』と言う、川口市に。そして川口市の鋳物産業に多大な貢献をされた方の旧邸宅跡だったんす^^

 そしてこの煉瓦の建物はーーー

 自分の邸宅内に築いた『火力発電所跡』だそうっす^^

 その明かりは埼玉県下の電力会社が供給する電力よりも先に、

 この周囲一帯を照らしたそうです。

 ・・・すげーな、永瀬さんw

(明治33年、建造っす☆)

 

 

 この後は再び煉瓦壁伝いに進んでみるのですが・・・

 そこには後から建てられたであろう家々が軒を連ねていて、

 壁から遠ざかることもしばしば。

 駐車場やら古い商店に邪魔されて、ビッタリと壁伝いには歩けなかった。

 

 ふと、昔の商店街なんでしょうか? 

 ちょっと幅の広い道に出る私。

 たぶんあそこらへんが煉瓦壁だろうなあ~と思いながら、壁に近づけそうな道を探す。

 

 そこへ、ひょっこりととても狭い小道から一人のオジサマが出てきた。

 そのオジサマは古い商店街のお豆腐屋さんへと入っていった(お店のご主人かな?)

 私はそのオジサマの出てきた小道を覗き込むことに。

 そしたらーーー

 

 

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 ありましたよ煉瓦塀の続き☆

 しかも超細道w

 私はワクワクしながら、この異界な小道へと突入したんす^^

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 見上げた壁の天辺は凝った煉瓦の意匠。

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 煉瓦壁の奥まで辿り着いた私。

 そこは行き止まりではなく、右手に折れていた。

 道なりに右手に進んで立ち止まり、

 そこで胸に手を当て、ひとつ『うっしゃあ!』と気合入れて振り向いてみたんだあ。

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 煉瓦なんかに興味ない人には『渋い煉瓦の壁だねえ』くらいで感想が終っちゃうかもっす。

 

 でもね?

 この壁の煉瓦の積み方は、ありそうで中々無い

『フランス積み』なんす☆

 煉瓦の側面の長い部分(長手)と、

 煉瓦の側面の短い部分(小口)が、

 交互に並べられた段を積み重ねたのがフランス積みと簡単に説明しときます。

 その実その積み方は明治初期まで主に活用された煉瓦の積み方だったりするんです^^

 レアであり、古き煉瓦の証明だったりです^^

(別に昭和とか平成の時代にフランス積みしちゃう人だって居たんじゃね?とかひねた発想はやめてくださいねw

 

 ぐは・・・

 私の住んでる草加市から地図上では直線でたったの約10キロ程度っすよ!

 こんな近くで滅多に見られないものを拝めるだなんて・・・と、

 私はしばらく壁をぼんやりと。

 でも食い入るように眺めていたのです。

 

 灯台モトクロス。

 

 いや、灯台元暗しとはこういうことだったんすね^^

(※フランス積み。別称フランドル積み。

 フランドルとはフランス東北部からベルギー本土にかけての古称だそうです。

 ぶっちゃけ“ベルギー積み”ですよねw)

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 旧永瀬邸跡の煉瓦壁を堪能した私は、その後も川口駅への帰り道にいくつか煉瓦の残る町並みを満喫^^

 ふとしたきっかけで知らなかったことを知る楽しみも面白いものだなあとつくづく思った

 4月のある一日の物語でした。

 

 ここまで読んでくださりありがとうございました☆

 最近はまってる煉瓦のプチ話にお付き合いくださりどうもっす^^

 ではではまた今度。

 


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コメント 25

johncomeback

川口には10数年前に出張で行きました。
駅前にキューポラの街を象徴するモニュメントが
あったような・・・ 駅ビルでランチしたのは
覚えていますが、出張の目的が何だったか、
何処に行ったのか、どうしても思い出せません。
by johncomeback (2014-04-29 07:26) 

YUTAじい

おはようございます。
幼いころ「キューポラのある街」観て印象に残ってますが・・・ベーゴマも聖火台もメイドイン・カワグチですね。
by YUTAじい (2014-04-29 07:41) 

みぃにゃん

おはようございます♪今から兄たんの試合に行ってきます~ので挨拶だけさせて頂きます~
by みぃにゃん (2014-04-29 08:36) 

ニッキー

川口市にこんなモダン(?w)な場所があったとは(@_@;)
「キューポラの街」歩くととても楽しそうですねぇ(^.^)
by ニッキー (2014-04-29 11:24) 

なかせ

しょっぱなから、笑いましたよ。
さすがちょいのりさん。
こういうの好きですよ!
by なかせ (2014-04-29 11:40) 

とし@黒猫

どこにでも、ネコはいるもんですねぇ
ネコが見えないひとには、見えなくて、ネコなんていない、と言います。
でも、ネコが見える人には、あちこちで、見かけますから、不思議です。
by とし@黒猫 (2014-04-29 14:13) 

風太郎

川口変わっちゃいましたね~
小学生の時に親類がいたので何度か行きましたが印象がまるで違う。
もう30年以上経つんだなぁ。
鋳物はもしかすると枯らしているかもしれません。
鋳込み直ぐは内部に応力が発生していて加工すると歪んでしまいます。
写真のプーリーみたいなものは特に歪むだろうなぁ。
一旦枯らしてサビサビになったところから加工をスタートします。

by 風太郎 (2014-04-29 15:20) 

コンブ

行ったことないです。「キューポラの街」しか思い浮かばないです。
イギリス積みとフランス積みの違いが何となく分かりましたがまだ魅力が分かりません。
by コンブ (2014-04-29 15:35) 

PENGUIN

お見舞いコメントありがとうございました。
川口は馴染みがありませんが、なかなか魅力的ですね。
煉瓦がいっぱい(笑)
by PENGUIN (2014-04-29 17:49) 

さといも野郎

一番上を斜めに置くのがなかなかおしゃれ!
しかも、それが明治の頃なんですか、、ハイカラですね(^^
by さといも野郎 (2014-04-29 19:40) 

koh925

隣町がお宝の街、川口市と分かれば納得です
今は鋳物工場はほとんど無いのでしょうね
by koh925 (2014-04-29 19:43) 

katakiyo

レンガが歴史を作ったのですね、レンガを残された方々に拍手!
by katakiyo (2014-04-29 20:14) 

みずき

鋳物の街なら建物や煙突で
煉瓦がたくさんありそうですね。
東京オリンピック聖火台を作ったとこ、
くらいしか分からない川口市です^^;
by みずき (2014-04-29 22:51) 

唐津っ子

川口は仕事で時々行ってましたが、そんなところとは知らなかったですね!!

キューポラが鉄の熔鉱炉ってことも…
勉強になりました(嬉)
by 唐津っ子 (2014-04-29 23:05) 

駅員3

10代の頃は南浦和に住んでいたので、川口は友達も多くよく行った街です。
今でもそうなのかな、街に入ると鋳物工場の独特な臭気が街中に立ち込めていました。
その頃は煉瓦に興味があるはずもなく、こんなに多くの煉瓦が残されているなんて、知りませんでした。
by 駅員3 (2014-04-30 13:32) 

美美

川口は煉瓦のある町なんですね。
路地裏はちょっと哀愁漂う町のような雰囲気ですね(^^

by 美美 (2014-04-30 22:33) 

ナビパ

モトクロスに大受けしてしまいました。廃村シリーズは確かに困難を極めそうです。^^;
by ナビパ (2014-05-01 05:38) 

さる1号

川口にレンガ塀、しかもフランス積みとは @@;)
奥さんの実家付近にそんな物件があったとは意外でした
こんど行ったときに散歩してみよう^^
by さる1号 (2014-05-01 07:02) 

suzuran6

川口、キューポラ・・・は聞いたことがあるのですが、なかなか中途半端な距離にありなかなか行きませんね。
あ、西川口には一度だけ降りた事があるかなぁ~
ちゃんと煉瓦が残っているのですね。うち近所には無いか、きょろきょろしながら散歩してみます。
by suzuran6 (2014-05-01 12:32) 

ソニックマイヅル

こんにちは。ドルアーガの塔は本当に懐かしいですね。ファミコンって最近ネットで探していましたが新品はプレミアがついていますね。^^;
by ソニックマイヅル (2014-05-01 16:29) 

馬爺

川口といえばやはり小さな町工場が多いところですよね、加工用機械はほとんどが鋳物で出来ております、それとプレス機の金型などもそうですね。
煉瓦も本当に積み方がデザインのような物もありますね。
by 馬爺 (2014-05-01 18:56) 

唐津っ子

浦和競馬場の帰りにお店に食事に行くつもりにしてたのですが、電車の中で寝てしまって…(汗)

またいつか、お邪魔させていただくつもりです
by 唐津っ子 (2014-05-01 23:40) 

sakamono

キューポラが溶解炉という意味だったとは知りませんでした。
「キューポラ」と言うと、なんかいいですね^^;。
by sakamono (2014-05-04 18:35) 

吟遊詩人41

川口も週一で営業行ってますよ(-_-)ニヤリ
by 吟遊詩人41 (2014-05-06 10:02) 

ジル

だら~んとしたにゃんこの足元に咲くのは姫ツルソバか~
とこないだから気になってまして今頃コメすみません。
姫ツルソバ咲き放題羨ましい。。。私はホームセンターで買ったのに。。。
by ジル (2014-05-18 01:07) 

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