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第751話 ある意味世界で一番有名な煉瓦☆vol⑧似島編ファイナル『冷たい炎の鎮魂歌』馬匹検疫所焼却炉ほか [廃村さーくる(古煉瓦)]

『ああ・・・もう明日で楽しい旅行も終りなんだ』

 煉瓦に島歩きに楽しい3日間でしたですう。

 出来ればこのままずっとずっとずーーーーーーっと先輩と琴音っちと旅していたい。

 なんか小学校の時の日曜日の夜症候群に似たものを覚えるのです私。

『楽しいこの時が止まればいいのになあ』と揶揄する人もいるけれど、

 でも止まっちゃったらつまらないよね。

 動いてるからこそ楽しいの^^

 

 さてさて戦跡巡りに満足の先輩、煉瓦刻印にご満悦の琴音っち。

 てっきり時間も時間だし、このまま引き返すのかと思ったら違ったみたいですうー。

 第751話。わたしこと石廊崎夕実(ゆみ)の視点で似島編ファイナルをお送りしますです~^^

第751話・馬匹火葬場跡・夕実ちゃん・弔い編2.jpg 

『このまま似島学園の周辺巡りつつ、戦跡と煉瓦ちゃんを見に行くッす☆』と、琴音っちが学園をぐるりと囲む海岸線の道へと歩き出した。

 私と先輩も彼女に続く。

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『わきゃ!? 琴音っち~。道端に煉瓦落ちてるですよ?琴音っちの大好きな煉瓦ちゃんがw』

 私はちょっとばかし嫌味っぽく彼女に言ってみる。

『ふふふん。こんなの遠めから見ても古煉瓦ちゃんじゃないと分かるっすよ!

 こんな新しそうな煉瓦なんて・・・煉瓦なんて・・・えっとどれどれ?』

なんだかんだ言って道端の煉瓦に吸い寄せられていく彼女w

『うがー!こんな紛らわしいもん置いて置くなボケー!w』

 どうやらお眼鏡に叶うものじゃなかったようですね^^

 彼女の煉瓦愛もここまで来ると面白い☆

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 学園の校舎の辺りに来たところで、先輩が『おや?』と首をひねり、

『おい琴音。アソコをちょっと見てみろよ』と琴音っちにその場所を促がした。

 私も一緒に見てみると・・・なんでしょうか?

 

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 まあ~るい円筒状のコンクリート?

『あのコンクリが何だよお兄ちゃん・・・って煉瓦?

『ああ。多分あのコンクリの内側に突き出てるのは煉瓦じゃね?^^』

 ああ確かに、煉瓦さんに見えなくもないですね^^;

 

『ちょっと近づいて見てくりゅ!』と、彼女は速攻ズザザザーーと芝生を滑り降り見に行っちゃった^^;

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 私達も渋々合流し、間近で見てみた。

『わきゃ!? ・・・煉瓦っぽいですがあ、ちょっと赤煉瓦ちゃんより一回り大きい気がしますです^^;』

『『いいとこ気づいたね!』』

 なぜか先輩と彼女に褒められる私。

『多分これは~耐火煉瓦じゃないかな^^』

『わきゃ?耐火煉瓦ですか?』

『高熱に耐えられる煉瓦のことだよ^^ 高炉とかピザ釜とかそういったところで特に使われる煉瓦だね^^

 そして耐火煉瓦ってのは実際、建築用赤煉瓦とは寸法も若干違うんだよ^^

 夕実ちゃんが気づいたように赤煉瓦より一回り大きいんだ^^』

 へえ~そうだったんですか。

 耐火煉瓦には琴音っちと去年出向いた群馬の小坂鉄山で見た記憶があるのですが、そこまで気にしてなかったですう^^;

 

『っちゅーことはだよお兄ちゃん。もしかしたらコレって焼却炉の跡とか、はたまた軍関連の焼却施設の名残り・・・だったらうれしいっすw』

 実に嬉しそうに琴音っちはこのコンクリの煉瓦さんを撫でながら先輩に言うのだけれどーーー

『うーん・・・。耐火煉瓦ってのは見た目で古い新しいを見分けにくいしなあ・・・^^;

 何度も火が入って通常の煉瓦より劣化を繰り返すものだしね。

 まあでもここ似島学園そのものが元陸軍施設の第一検疫所跡だし、何かしらの当時の名残りであっても不思議じゃないかもな^^』

 え?この学校そのものが元々陸軍の施設だったのですかあ。

(※ 前記事の弾薬庫跡も、ここ似島学園自体もこの周囲一体が似島検疫所・第一検疫所なのです。

 ちなみに第二もあるのですが、それは前々記事に出てきた宇品駅プラットホーム敷石モニュメントのある場所(平和養老館)なんです^^)

 

 すかさずここの歴史などをスマフォで検索する琴音っちだったけど、ここの遺構の詳細は分からず仕舞いでしたです。

 かつてネット検索の『女王』とか『ハンズオブグローリー』とか呼ばれていた彼女でも無理みたい^^;

 やっぱりこういうことは図書館やらで本を読み調べてみないと見つからないことですよね。

 

 私達はここを後にし、先へと進むことにした。

 

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 再びまたもや道端に煉瓦さん登場。

『うがー!なんだよコレマジ陰謀じゃね?w 私を足止めするために誰かワザと道端に煉瓦放置プレーしてんじゃね?^^;』

 似島学園周囲の道には、ところどころにこうして煉瓦さんが放置プレーでしたです^^;

 よせばいいのに一々気にする琴音っちが居るもんだから、中々先に進めませ~んw

 

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『わきゃ!? あの学園の敷地内に建ってる銅像はなんでしょうか?』

 私は学生寮?の裏っぽいところにひっそりと佇む銅像を見つけ、先輩に聞いてみた。

『この像は後藤新平と言う似島に検疫所を設けようと進言した明治の官僚・政治家さんってパンフレットに書いてあるね^^』

 先輩、パンフレット読んでるんですねw

(※ 日本の近代の検疫事業の尽力者とも呼ばれている人です^^

 戦火と言うのは何かと疫病をもたらすものなのです。コレラとか。

 明治期の西南戦争の折、当時の事務次官として検疫事業に邁進した彼の功績を讃え、検疫縁の地である似島に彼の銅像が後年建てられたと、そんな経緯です)

 

 ーーー私達は銅像にバイバイをし、道なりに進んでいるといつの間にか海へと出ていた。

 そこにはーーー

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『ん?ちゅーごく財務局?立ち入ってはいけませんって書いてあるけどなんでやねん?』

 琴音っちは海辺に突き立つ立ち入り禁止のフェンスをガシっと揺らして向こうの景色を恨めしそうに覗き込む。

 すかさず先輩の注釈が入った。

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『実はここ、第一検疫所桟橋跡なんだよ妹よ^^ ここから明治~昭和と長きに渡り、弾薬や物資が搬入、送り出されたとこなんだ。

 何分劣化も侵食も大きいしなあ・・・。お上がお金をここに落とせない以上、保護も修復も出来ないんじゃね?

 そういったところは危険だし封鎖しておくのも仕方が無いんじゃないかな?

 国の財産だけどお金掛けない手っ取り早い簡易な保護がバリケードだw』

 

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 同じようなものがこの先にもあったです。

 でもそこは先ほどの桟橋跡とはちょっと違ってました。

 

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『わきゃ? 桟橋の先っちょに何かコンクリの土台っぽいのがあるですが、あれは何ですか先輩^^』

『あれは荷揚げ用のクレーンの土台跡なんじゃないかな^^

 あそこで大きな物資なんかをクレーンで吊り上げて荷降ろししてたんだと思うよ^^』

 こちらもやっぱりフェンス越し。桟橋の先に近づくことは叶いませんでしたですう^^;

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 さて、桟橋二棟。学園の関連施設脇を抜けたところで琴音っちが『たぶんもうすぐ煉瓦ちゃんのはずうー!』と、

 先行して歩く彼女は私達に振り返って満面の笑みを見せ付ける。

 ええっとお・・・

 この先にすごーい煉瓦さんでも待ち受けてるですかね!?

 そこまで煉瓦党じゃない私でも彼女のアノはしゃぎように、ちょっとワクワクドキドキさせられる。

 果たしてどんな煉瓦さんが待ち受けてるのでしょうか^^

 

 

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 もうここは学園敷地内とは関係無さそーと思えるくらいの小道に差し掛かった時、

 道の向こうに私でもはっきりそれと分かる物件が見えてきたですう。

 

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 ガードレール下の崖からニョキっと伸びてる煉瓦の煙突・・・でしょうか???

『えっとお・・・琴音っち? これって煉瓦の煙突さんですか?^^』

『うんそだよー^^ これは火葬場の煙突跡なんすよ~ん☆』

 ええっ!? か、火葬場ぁ^^;

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 まさか正月早々から火葬場跡の煉瓦さんを見せ付けられるとは思いも寄らなかった私は、たぶん何とも言えない顔をしていたと思いますですう^^;

 ---ここで琴音っちから引き継いで先輩が簡単にここを解説してくれた。

『ここはね、日露戦争で捕虜として似島に収容された人たちの中で、

 再び母国ロシアの地を踏むことなく病死したロシア兵などを火葬した場所の名残りだそうだ。

 もしくは戦地で疾病を患い似島で息を引き取った日本兵などの火葬などもあったらしい。

 正直・・・怖いと言うか、悲しい場所でもあるね』

 ううう・・・ぶっちゃけ怖いですう。

 でも、切ないです・・・ね、ここ。

 戦争とは?

 捕虜とは?

 色々考えてしまいましたです・・・。

 

 ---さて、

 相変わらず煉瓦刻印でも探してるんでしょうか。

 琴音っちは舐め回すようにガードレールから身を乗り出して、くまなく煉瓦を観察しているのです^^;

 そんな彼女が振り返って言った。

『この煙突の下の部分が気になるっす!っつーことで浜辺に下りて見に行きましょうず^^』と・・・^^;

 

 私は・・・怖いからお化けとか幽霊とかを信じていないだけで、

 実際には居るんじゃないかなあ・・・とか思ってる女の子なんですう^^;

 だから火葬場跡とか無闇に探るってのは・・・ここで眠ってしまった人たちに失礼(無礼)なんじゃないかと彼女の提案に躊躇した。

 

 そんな私を見たのか先輩が優しく声を掛けてくれた。

『琴音はあんな感じだけど、ボク達は先人達に手を合わせて弔らおうね^^

 そしてちょっと覗かせてくださいってお願いしようぜ^^

 しょうがないな~って先人達も許してくれるかもだ。

 アイツは・・・まあ・・・罰当たりだからほっとこうw』

 

 ---私と先輩は、彼女の後を申しわけない感じでついて行くことにしたーーー

 

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 少しUターンして海岸線へと降り立つ私達。

 踏みしめる浜辺はなんと、

 貝殻が延々と連なる浜辺だったのです。

 

 そして先ほどのガードレール下までやってきた。

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『うは!・・・当時の火葬場の灰出し口がそのまんま残ってるんすね・・・^^;

 これ以上見るのはイケナイって感じがするっす。

 撤退!撤退』

 そう言って琴音っちは手を合わせて目を閉じた。

 ・・・彼女なりにも礼儀はあったんですね。

 なぜかホッとする私。

 隣の先輩を見るとウンウンと頷いていた。

 

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 火葬場跡の帰りの浜辺道。

 砂浜のいたるところに貝殻に混じって煉瓦片を見つけたのですう。

『たぶん、火葬場の本体の煉瓦片なんだろうね^^』と菅原先輩。

 波に洗われ風化に散り行く戦争遺構。

 この島の歴史を知らなければただの煉瓦片だったのだけれど、

 知った今はなぜかとても物悲しいと思いましたです。

 

 

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『誰っすかコレ^^;』

『ボク達より先に今日、ここを訪れた人が居たんだろうな^^; それにしても参上!とかヤンキーかw』

 浜辺に見つけた悪戯書きに一同憤る^^;

『こんなのを書く人の顔を見てみたいです!><』と激怒(げきおこ)な私に皆賛同。

 ほんとプンプン!ですよ~!

 

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 濡れた海岸線。

 どうやら潮が引いたおかげでたまたま浜辺に下りて火葬場の下に寄る事ができたみたいですね^^;

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 ここで海辺間近に怪しいものを見つけたのですう。

 私はふと気づく。

『ねえねえ先輩? あの海に突き出てる漁業関係っぽいの、なんか見たことある気がしますですうー^^』

『うん。夕実ちゃんの見たことある気がするってのは正解だよ^^

 海辺の防波堤にホタテの殻が何百と連なって置かれてたじゃん?↓

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 実はアレって、ここ似島の牡蠣の養殖で使われてるものなんだ^^

 牡蠣の稚貝を育てる為のものなんだよ^^』

 そうだったのですか!わきゃー☆

 なんとなく見つけた風景だったけれど気になってたのですう。

 胸の痞えが取れたようでスッキリですう^^

 

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 さあ~もう似島のフェリー乗り場へ直行ですう~!と帰り道を歩いていたところ、

『似島臨海少年自然の家(似島臨海公園)』

 ってとこに差し掛かった。

 そこで琴音っちが『ここに寄り道してくっす!』と私と先輩を呼び止めたのです。

 

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 見れば傍らに『安芸小富士登山道』は、

 コチラ!って案内板が・・・。

 えっと・・・まさかココからプチ登山!?

 私は思わず彼女に『まさか・・・山に登ろうとか思ってるのお?琴音っち^^;』と露骨に嫌そうな顔をしてしまったのです。

 だって・・・ええ!? 結構ここまで歩いたしい、くたくたですよ?^^;

 そしたらさすがに違かったみたい。

『いやいや別に私だってもう山とか行きたくないっすよw この公園の敷地内に用事があるってだけだから安心して夕実っちw』

 ホッ・・・良かった^^;

 だってもーそんなに歩きたくないですもんw

 とは言えどこに行くんだろ?

 ---私と先輩は琴音っちに先導されついていった(先輩はなんとなく分かってる顔つきでしたけどお)

 

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『あ!多分アソコだと思うっす^^』

 彼女が指差した場所は、この公園のほんと片隅にある小さなフェンスに囲まれた場所だった。

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『馬匹検疫所焼却炉跡』

 えっと・・・彼女に案内され、私はそのフェンス脇にポツンと佇む銘盤の文字を指で辿って行くうちに這わせた指も止まり、声も出なくなったです・・・。

 そんな私の肩をポンポンと優しく叩き、

 菅原先輩が先を読んでくれる。

『この馬匹検疫所焼却炉跡は、ズバリ火葬場跡だ。

 と言っても元々は病気になって使役できなくなった軍馬などを焼却したところだったみたいだね。

 だけども・・・

 1945年。広島原爆投下後、この似島に数多くの被災者が運び込まれた。

 残念ながら命を救えなかった人たちの亡き骸をやむなくこの軍馬の焼却炉で火葬したそうだ・・・。

 それだけ・・・馬の火葬場に頼らなければいけないほど・・・

 あまりにも犠牲者が多かったとしか言わざるを得ないよね・・・』

 ううう・・・うう・・・

 なんて悲しい場所なんでしょうか。

 お馬さんに失礼。生き物の命に差はないですが、

 でも酷すぎるですよ!

 こんなのあんまりです・・・。

 

『みんな。手を合わせよう。目を瞑ろうね。

 こここそ、この広島で何があったのかを伝えてくれる場所は無いと思うよ?

 先輩の言葉に皆、合掌。

 私達はしばらく瞑った目頭の奥に色々と思いを馳せるのでしたーーー

 

 

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 さて・・・琴音っちが何でここに行こうと言ったのかフェンス越しに直ぐ答えが見つかりましたです。

 ああ・・・煉瓦だからですね^^;

 ちょっと不謹慎な気がするんですけど・・・

(※ でも、もし煉瓦に興味が無かったら、ボクはこの島に。この馬匹検疫所跡に訪れることも、

 そもそも歴史も名前も何もかも知らなかったのかもしれない。

 下手をしたら、広島にすら行かなかったのかもしれない。

 だから気を悪くする人も居るでしょうが、この出会いは非常にボクにとって貴重なことだったと思います)

 

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 目の前の煉瓦造りの火葬場をフェンス越しにただただ見つめる私。

 先輩の話しですと、元々はこの場所では無かったみたいです。

 なんでもこの場所から600メートルほど離れた住宅用地の掘り起こしの際に偶然発掘され、一部を似島臨海公園に移設したそうです。

 

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 なんだかんだで神妙な顔をしていた琴音っちだったのですが、

 急に『ぐおー!品川の耐火煉瓦の刻印が見えるううううううう!』と火葬場の煉瓦を指差したのです。

 

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 彼女があっちこっちと指差す方向に、思わず私も目を細めて注意深く覗き込む。

 あ、ほんとだ。

 なんか『SHINAGAWA』って煉瓦刻印がいくつも見えるですう。

 

 ---ここで

 菅原先輩が、妹である琴音っちとの色々なやりとりを語ってくれました。

 その会話に私は聞き耳を立てる。

 

『お兄ちゃん!お兄ちゃん!品川の耐火煉瓦って、こんな関西以西の広島県にも存在するもんなん???』

『明治8年創業の品川白煉瓦㈱は、日本の耐火煉瓦の祖と言ってもおかしくないのは知ってるよな?^^

 元々は官営。

 明治期のお国の管轄煉瓦工場だった。

 それが民営となり全国へと工場を広げるわけだ。

 北は北海道。南は九州^^

 当然この似島(広島県)にも耐火煉瓦のブランドである品川白煉瓦も使われたんだろうね^^』

 

 SHINAGAWAって煉瓦刻印を打つ耐火煉瓦。

 どうやら煉瓦は煉瓦でも日本の『耐火煉瓦の老舗』さんのようですね^^

 

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 さて、私達は分かれ道に到着。

 真っ直ぐ行くと、前回とんでもなく寄り道してしまった道(普通に歩けば1時間ちょっとですが廃道?を歩いちゃったので2時間半のロス^^;)

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 左手に曲がると、どうやら似島桟橋(フェリー乗り場)みたいです^^

 でも・・・登山口って書いてあるデスヨ?

 要するに山に登らずとも峠を越えないと島の反対側に行けないみたいです。

 はあーん・・・まだ登るのね・・・^^;

 

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 と思ったらあっという間に島の反対側へ!

『えっと・・・菅原先輩? 15分くらいしか掛らなかったんですが・・・これはどーゆーことですかね(半切れ気味に。顔は笑顔)』

『まさかこんなに桟橋と似島学園が近いとはおもわなんだw メンゴメンゴw』

 先輩はあっはっはと照れ隠しに笑うけど、

 私達の時間を返せええええw

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 集落にようやく返って来た私達。

 するとここで琴音っちが『なにあれ?』と建物を指差した。

 え?何があるのお???

 

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『わきゃ? 似島・・・説教場?』

 よく見ると入り口らしきところに、島の人たちの靴がズララーーーと並んでいた。

 中で何か行われてるのですかね???

 は!? ・・・まさかお説教(おしおき)?

 

『あはは^^ その顔はなんだか勘違いしてるっぽいね夕実ちゃんw

 説教場って言っても別にお父さんお母さんや先生に叱られるとかそういうんじゃないからw

 ここは“お寺”だよ^^

 寺院ほど大きくないから名乗ってないだけで立派なこの島のお寺さんだ^^

 今日はまだまだ三が日だし、多分この中で島の人たちの祭事が行われてるんじゃないかな^^

 とはいえここも戦時には色々あったそうだ。

 多大な被災者を抱えきれなくなった検疫所に変わって、臨時の救護所となったこともあるみたいだね^^;』

『お寺も大変です・・・お葬式だけじゃないんですね^^;』

『おっと夕実ちゃん。ちょっと勘違いしてるな^^

 お寺ってのは別にお葬式とかお墓だけじゃないんだぞ?

 今でこそ薄れているけれど、

 元々お寺ってのは“地域住民の教育や文化の拠点”でもあったんだからね^^

 話し長くなっちゃうから割愛するけどねw』

 そう言えば子供の頃、よくお寺で遊んだ(あんまり関係ないか)

 寺子屋とかもやっぱそうなのかな。

 と言うか、

 なんだかんだで先輩に説教された気がしますですハイ^^;

 まあでも~為になったのでいいのですけれど^^;

  

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 古き良き街並みを下りつつ(でも迷路みたい^^)

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 私達はフェリー乗り場まで返って来たですう^^

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 到着した時には気づきませんでしたが、待合所付近には猫ちゃんいっぱい☆

『うう・・・さぶいっす。早く待合所に入るっす^^;』と言う琴音っち。

 中に入ると暖かかった。

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『わきゃ・・・。猪注意って書いてあるです^^;』

『あ・・・ほんとだねえ^^;今はほんと反省してるよ^^;』

『頼みますよ先輩!プンプンです!』

 先輩にお説教返ししてやりましたですよ☆エヘン!(逆恨み)

 

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 その後フェリーまでの待ち時間は猫ちゃんとじゃれ合ったり~(一匹だけタヌキさんみたいな子が居て可愛かったですう☆)

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 いつのまにか桟橋近くの自販機までビール買いに行ってた琴音っちにお酒奢ってもらったりして時間つぶしですう(まだ飲むのか!)

 

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 さあ乗船ですう☆

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 長かった似島の旅路。

 でも今思うととても楽しかったですう^^

 そしてとてもとても勉強させられ、考えさせられた島だったと思います。

 

『うはー・・・そういえばランチしてねー^^;』

 ・・・せっかく遠ざかる似島を見つめて色々と思いを馳せていたのに琴音っちの言葉でちょーだいなしだよー^^;

 あれ?でもそーいえば私達ご飯食べてない^^;

『じゃあ本土に着いたら温かいもんでも食おうね皆^^』

『『はーい☆』』

 

       ----実は広島三日目まだまだ続きますです☆

 

《あとがき退助》

ちょいのり・フィーバー・サザエさん.jpgここまで読んでくださりありがとー☆

 今回は火葬場話しばかりですみませんねw

 とは言え一番『人の死』と近い建築物であり、広島原爆・戦争を語る、知る上では重要な話しだったのでは?と、今は思っています。

 さて、いよいよ夕実ちゃんたちも三日目の島旅を終えて本土へ帰ってきます。

 次回の景色はガラリ一変。

 気になる方は覗いてみてくださいね^^

 ではではまた今度!

 

 


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獏

押し逃げ ゴメン(涙)

by 獏 (2015-02-02 20:19) 

johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
SEL55210ゲットしますか。望遠レンズは写真の楽しみを
広げてくれます。遠くの煉瓦の刻印もバッチリ撮れますよ。

by johncomeback (2015-02-02 20:32) 

isoshijimi

とても歴史がありますね。
見直さなくてはいけない歴史が詰まっているような感じで。

猫ちゃんいっぱいかわいいですね。
スーパードライがおいしそう(^^♪
by isoshijimi (2015-02-02 20:41) 

サンダーソニア

か…火葬場?ちょいとディープな旅ですねー^^;
by サンダーソニア (2015-02-02 23:07) 

みずき

火葬場の跡がこんな無造作に
ほれっ、って置いてあるのに
驚きです。
なんか、近寄っちゃならん感じがしますね。
by みずき (2015-02-02 23:17) 

みぃにゃん

やはりこの土地では戦争って外せないですよね。私たちが歴史で学んだ以上にディープな話学べました。とてもためになりましたね。
by みぃにゃん (2015-02-02 23:19) 

ソニックマイヅル

おはようございます。本日は出張につきご挨拶のみとさせていただきます。またよろしくお願い致します。関東でレンガに出会えればいいなと思います。^^;
by ソニックマイヅル (2015-02-03 06:12) 

YUTAじい

おはようございます。
確かに軍事施設・・・無くては語れない広島ですね。
興味深く拝見させて戴けました。
by YUTAじい (2015-02-03 07:09) 

駅員3

この品川の耐火煉瓦の写真、煉瓦研究会の品川のKさんが観たら食いつきそう(^^)
次回のフィールドワークの際持ってきて(^_-)/

後藤新平、日本各地に銅像あるけど、ここにあるなんて知りませんでした。
後藤新平・・・ボーイスカウト日本連盟初代総長!!
『人のお世話にならぬよう 人のお世話をするように そして報いを求めぬよう』

by 駅員3 (2015-02-03 07:17) 

yogawa隼

広島市に歴史を秘めた島があるのですね~。
はじめて知りました。
by yogawa隼 (2015-02-03 07:29) 

下総弾正くま

今ほど衛生管理が行き届いていない時代、ある意味検疫所と火葬場は…(・囚・;)

それにしても、高島もそうだったけど、フェリーターミナルにはやっぱり猫が多いですね^・ェ・^
by 下総弾正くま (2015-02-03 07:47) 

まめ

二度とこのようなことが無いことを祈ります。
猫さん山ほどいたら確実にそっちに行きますw
by まめ (2015-02-03 12:46) 

ニッキー

戦争、二度と起こさないようにしなきゃ(>_<)
にゃんこ、たくさんいますねぇ(^O^)
ラグドールっぽいにゃんこをもふりたい(^-^)
by ニッキー (2015-02-03 15:42) 

NO14Ruggerman

SINAGAWAの刻印が鮮やかですね。
by NO14Ruggerman (2015-02-03 18:37) 

さる1号

桟橋跡、廃な雰囲気がいいなぁ^^
by さる1号 (2015-02-03 22:44) 

美美

ちょっと小さな島~なんて思っていましたが
色々な意味で歴史のある島だったんですね^^

by 美美 (2015-02-03 23:49) 

唐津っ子

煉瓦に歴史あり!! 煉瓦を知ることで、日本の歴史も勉強出来る… 忘れてはならない歴史…
by 唐津っ子 (2015-02-04 00:55) 

koh925

後藤新平は私が尊敬する政治家です
総理大臣になれなかったのが残念に思っています
関東大震災の復旧に力量を発揮し、昭和通りなども功績の一つですね
by koh925 (2015-02-04 14:42) 

馬爺

煉瓦探訪も意外な事実が分かるもんなんですね、煉瓦ではなく歴史探訪にも成って勉強になりますね。
by 馬爺 (2015-02-04 17:37) 

ワンモア

今回も勉強になりました〜♪
お説教って仏教用語で本来は、
ありがたいとか、教訓的なものなのですが、
叱られる、怒られるということがもはや前提になっています(笑)。
上司や年配のお説教も有難いのですが、
できれば三行でお願いしますと思うのは私だけ?^^;
by ワンモア (2015-02-04 20:45) 

DEBDYLAN

相変わらず濃い内容^^;
そんな内容でもみんなを惹きつけちゃう文才凄いなぁ^^。

by DEBDYLAN (2015-02-05 00:55) 

YUTAじい

おはようございます。
今日は予約以外・・・お客さん少なめ?・・・なりそうですね。
by YUTAじい (2015-02-05 08:27) 

suzuran6

火葬場、たしかに昔の物は煉瓦でしか作れなかったんだろうなぁ~
なんて妙な所に納得してしまいました。

by suzuran6 (2015-02-05 18:37) 

sakamono

旅先の歴史をキチンと調べた上で行くのも、また違った
視点で観光(?)できて、良いかもしれませんね。
あ、修学旅行がそうだったか^^;。
by sakamono (2015-02-07 00:27) 

katakiyo

今日も体力消耗しました。
中身が濃いですからね^^
by katakiyo (2015-02-16 20:25) 

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