第764話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol②『炭鉱集落を飲み込むネイチャーズパワー』宇多良炭鉱跡&炭鉱集落跡地へ [廃村さーくる(島旅)]
『え?ハブ~?』と、すっとぼけるお兄ちゃん。
私は勿論、西表島にも当然ハブがいらっしゃることは知っていた。
同行する夕実っちにも前情報としてキチンと伝えた。
『ハブとか絶対嫌ですぅ^^;』と彼女は怯えたけれどね(あたりまえかw)
ぶっちゃけ私だって蛇とか嫌っすよ・・・^^;
ましてや毒ある蛇なんてw
ひょっとしたら遭遇しかねない今回の目的地。
おっかなびっくり行動したのは言うまでもなかったーーー
第764話、西表島第一日目のメインのモノガタリ。
私こと菅原琴音目線でスタートっす^^;
今回の目的地近隣である『浦内川』の橋の袂の駐車場までやってきたっす^^
そこで今一度お兄ちゃんに話をぶつけた私だった。
『ねえねえお兄ちゃん・・・。ハブ居るんすよね^^; 私的にはとっても行きたい場所っすけど・・・
正直怖いよォ・・・^^;』と。
するとお兄ちゃんは頭を痒くも無いのにポリポリと掻く仕草をしてから私達にこう言ったのだ。
『居るよ?当然^^ でも西表島にいるハブは毒性は強くない・・・らしい^^』
おお~い!らしいってなんだよ~w
自信の無い感じで言わないでよお兄ちゃんんん!w
おかげで私の後ろに張り付いてる夕実っちがビビリまくっちゃったじゃないか^^;
『大丈夫大丈夫^^ 咬まれても対処を怠らなければ死ぬことは無いらしいから心配しなさんなw』と笑うお兄ちゃん。
笑えないよ全然^^;
---でもここでお兄ちゃんは真顔でこう続けた。
『ボクが先頭を歩くからついてきて。不用意に前に出ないこと。何か動きがあったり音がしたら立ち止まること^^
基本、西表のハブは怖がりだ。
距離を充分とれば襲ってくることは少ないそうだよ^^
一応ポイズンリムーバも持参してきたけれど、この約束事は絶対守って欲しい。絶対にだ^^』と。
(※ポイズンリムーバとは毒の吸出し器。本当に持ってったよ・・・って言うか常にリュックに入ってたりします^^)
・・・結局私と夕実っちはお兄ちゃんの後ろに隠れつつの行動となったっす。
駐車場にはバスや車がたくさん駐車していたっす。
実はこの先には内浦川の『ジャングルクルーズ』の遊覧船乗り場があるんす^^
ここ内浦川と言うのは『西表島北部屈指の観光地』であり『沖縄県最大の河』だったりなんす。
『マリユドゥの滝』『カンピレーの滝』『イタチキの滝』と言う、西表屈指の滝や、
400種以上の魚類、そして野鳥や動物・昆虫たちにお目にかかれる日本の河川の中でも最強の野生の王国だったりしますっす^^
そりゃ・・・当然観光で大勢来ますよね。ココにw
そんな観光地観光地した。でもバリバリ自然の内浦川の途中に、
今回の目的地が有ったりします^^
今回の目的地はズバリ『宇多良炭鉱跡』
沖縄県唯一の炭鉱群が、かつてこの西表島に集中していました。
その中で今回お兄ちゃんとの話し合いの末、このウタラに行くことに決めたんす^^
なんでかってゆーと『煉瓦の痕跡が唯一残る炭鉱跡』だったからっす^^
実のところ沖縄含めて日本南方の島々には煉瓦遺構ってのは非常に珍しいものだったりします。
せいぜい・・・サトウキビの精糖工場で煉瓦が使われていたくらいでしょうか(後は軍の遺構。でもこれだって非常に少ない)
ハブは怖いっすけど、お兄ちゃんを盾にして行って見ようかと思いますw
『わきゃ? 地図見ると徒歩20分ですね^^; 案外近いんだ~^^』と、ちょっぴりホッとした顔を覗かせる夕実っち。
多分、どんだけ歩かされるんだろうなあ~と不安に思ってたんでしょうねw
はいそうです。このウタラまではそれ程遠くない道程だったりします^^
しかも昔は荒れ道だったそうですが近年、遊歩道としてだいぶ整備されたとか。
この事を夕実っちに伝えるとすっかり安心したみたいで、私の服をシワになるくらいに掴んでいたのを止めてくれましたw
・・・フヒヒ
ウタラまでは整備されてるよ?
でもね夕実っち。
私達はその整備されてないウタラの先が目的なんだからーーー
遊歩道の中を進む私達。
気温も高め。しかも森の吐く息のおかげかとても湿度の濃い行軍・・・。
思わず長袖のシャツをまくりかけた私と夕実っちだったんですが、
『こら!袖はまくらない! 暑いけれど我慢しなきゃダメだぞ^^;』と、怒るお兄ちゃん。
お兄ちゃんが言うには『こういう場所では肌の露出はなるべく控えるのが最良。草木や虫、危険動物から身を守る最低限のマナーだぜ』とのこと^^;
こんなに整備されてるのに?とは思ったけれど、蚊に刺されたくないしねって納得させることに^^;
(※ 西表島はかつてマラリアで集落などを失った島でもあるのです。そのおかげで大自然が今現在まで多きに渡り取り残されることになるのは皮肉な所なんですがね。
ちなみに西表のマラリアは撲滅しています^^)
緑のトンネルを潜っていたところ、お兄ちゃんがふと脇にある石を指差して立ち止まった。
『この石垣、気になるなあ~^^』と。
そして徐に石垣の裏側へと入っていっちゃった^^;
大丈夫?お兄ちゃん^^;
お兄ちゃんがおいでおいでをするもんだから、ビビリながらも遊歩道からズレて降りてみると、
遊歩道の下を抜けるコンクリ?の穴を発見。
お兄ちゃんが言うには山からの水の逃げ道だそう。
これが炭鉱時代からあるのか近年造成されたものかは分からないけれども、
この手の小さな発見・観察は重要だぜっ!ってお兄ちゃん。
なるほど~と思ってしまった。
(※ この遊歩道。かつては炭鉱への人道だった可能性大なので、もしかしたらばこの山水の抜け道は当時の人道の名残りなのかも知れませんね^^)
---遊歩道を進むこと?分。
『ガササササッ!』と言う藪切りの音に、私と夕実っちだけじゃなくお兄ちゃんまでもが
『ぐわあああああああ!!!!?』っとビビリ声を上げた。
直ぐ近くの音がした藪を声を殺して注視する私達。
藪の中から出てきたのは・・・
『トカゲちゃんでしたw』
トカゲかあ・・・とホッとする私達^^;
でもこの先、このトカゲちゃんに散々翻弄される私達だったっす^^;
歩くたんびにこのトカゲちゃんがガサゴソと音をさせるもんだから全然すすまねーw
『ハブかな!?』とビビってはトカゲ・・・ビビってはトカゲ・・・^^;
っつーかトカゲばっかだよおおおおおw
だいぶトカゲ先輩に神経をすり減らされた私達だった・・・w
(※ このトカゲ先輩はイシガキトカゲ。沖縄以西の固有種です^^)
時折聞こえる人の声。
どうやら今日は学生さんのカヌー教室?カヌー体験教室があったみたい。
鬱蒼としたジャングルなのに、人の声が常に聞こえるからか何か安心してしまいましたねえ^^;
観光地なんだなと改めて思わされる風景ですね。
上流に向うにつれ、対岸がどんどん迫ってきましたっす。
あんなに大きな川幅だったのにね。
てっきり一本道だとばかり思っていた遊歩道が、ここで分岐していることに私達は気が付いた。
『せっかくだしちょっと行ってみっか^^』とお兄ちゃん。
ええ~・・・ウタラと関係ないからやだよーって思いましたが、ハブの楯になるお兄ちゃんが勝手にズンズン行っちゃうから、
なかば強制的に行くことに・・・^^;
路盤はかすかに有るとは言え、こちら側の道は整備されていなく、途中から木々を掻き分けていく状態でしたっす。
ふと、マングローブの先に近代的な構造物がチラリとのぞいたーーー
『草ぼーぼぼーの石橋があるっすね^^』
『昔の橋かな?』
お兄ちゃんは橋の欄干に近づいて調べ始める。
『わきゃー、195・・・9?年って書いてあるですう~^^』
お兄ちゃんの背中越しに見た夕実っちが銘に刻まれた年号を読み上げた。
『宇多良橋か。・・・でもなんで戦後の橋がこんなとこに???』
ああ確かにお兄ちゃんが言うのもそうっすね。
正確にはわかってないそうなんすが、ウタラ炭鉱は1943年頃には既に休止状態だったらしいのです。
『燃える石』と持て囃された石炭も石油と言うエネルギー革命に主役を譲り、1960年代には西表にあった全ての炭鉱が操業を停止していたんす。
・・・つまりは炭鉱には関係の無い橋ってこと???
(※ 戦後、この流域を再開発する計画もあったそうですが頓挫。もしくは見送られたそうです。まあ・・・割に合わないもんね、こんなとこに何かを建ててもw)
宇多良川沿いには船が係留されていたっす。比較的新しそうだったけれど使ってもいない感じ。
下流の遊覧船会社の放置船かにゃ?
石橋とは言えだいぶ放置プレー状態の橋。
お兄ちゃん共々おっかなびっくり対岸まで歩いてみたっす^^;
ちなみにその先は行けるのかな~?ってお兄ちゃんは突き進んでみたそうだけど、
道が無い☆って言ってたw
(正確には薄っすらと道らしき路盤は存在していましたが、これ以上は藪漕いでまで行く必要なかったのでパス)
『わきゃ?なんか穴がポコポコしてるですよ^^?』
本道へと戻る道中、夕実っちが
地面に奇妙な穴ぼこが多数あいていることに気づいた。
何の穴だろ?
・・・うっ。もしかして蛇穴!?
それは夕実ッちも思ったようで思わず飛びのく私と彼女。
するとお兄ちゃんが笑いながらも答えを教えてくれた。
『それは多分カニ穴だよ^^』
カニ?
『それが全部蛇の棲み処だったら怖くて歩けねーよw』
ああ・・・言われてみれば確かにそうっすねえ^^;
『でもだからって無闇に覗き込まないこと。いいね?』
『『はーい^^;』』
まるでせんせーとの会話みたい^^;
でもまあ勉強にはなるっす。
ウタラ橋の分岐から歩く事5~6分。
目の前には立派な木道が現れた。いよいよ目的地に近づいたみたい^^
私達はゆっくりと木道をギシギシと踏みしめて進む。
---すると、
クネクネと曲がりくねった木道から、コンクリートの残骸をチラホラと見かけるようになったっす。
そしてその木道には幾つかこのウタラの歴史を説明する看板があったのです。
昭和初期の宇多良炭鉱全景写真
在りし日の炭鉱『貯炭場』
『わきゃー☆ こんな山間にこんなとこがあったなんてビックリです~^^』と驚く夕実っち。
いや私もだよ^^;
今では面影全然無いけどね・・・。
そして中でも一番驚かされたのはーーー
『『『芝居小屋!?』』』
思わず夕実っち共々声をあげちゃったっす^^;
なんでもお兄ちゃんが言うには
『こんな山奥だしね^^ 娯楽のひとつでも無いとやってけないし、従業員も逃げてっちゃうんだよ。
ちなみに映画館もあったらしいぞ^^』
ええ!?映画館も???
私と夕実っちはただひたすらに驚いた。
『ねえねえ先輩?この炭鉱切符って言うのはなんですか???』
『うん。これは簡単に言うと金券だね^^
ここでしか使えないお金だったんだよ^^』
『なんでまたそんなここでしか使えないお金なんか作ったっすかね^^;』
ここでお兄ちゃんは
炭鉱の歴史というパネルを指差しながら色々と説明し出すのでした。
『ここウタラ炭鉱。正式名称は丸三炭鉱・宇多良鉱業所って言うんだ^^
元々は別の河川沿いに炭鉱を構えていたんだけれど、採掘による石炭の枯渇を恐れてこの内浦川支流の宇多良川に石炭の鉱脈を発見する。
そしたらこっちの方が立派だったようだw
昭和10年から操業開始。一時は1000人を越える従業員を抱えていたそうだよ^^
そしてこの従業員(炭鉱扶)と言うのがさっきの炭鉱切符に関わってくるんだ。
九州から斡旋人の甘言に誘われて連れられて来る人も多かった。
沖縄離島からも朝鮮人も使役していたらしいね^^
でも炭鉱労働ってのはとても過酷なものなんだよ。
逃げ出すものも当然いたわけだ。
そこで、ココでしか使えない金券を給料として渡して従業員を逃げられないようにしたってのもあるんだよ^^;
西表までの渡航費として彼らに借金をさせ、それを返済させる為に炭鉱生活に縛り付けた。
だから・・・あんまし気持ちの良い金券じゃないよね^^;』
マジっすか・・・超絶ブラック企業じゃないっすか!^^;
今じゃ考えられないことが昔はいくつもあったってことっすねえ・・・
すっかりお兄ちゃんの昔話に気が滅入りかけていた私と夕実っちだったけれども今日の目的はこれからだったのを思い出した。
そうだ。煉瓦ちゃんに会いに来たんですよ私(ウフフ♪)
木道から見上げたそれは圧巻だった。
『もうちっと近くで嘗め回したいっすペロペロ☆』と言うと、
『そうだな^^ じゃあ~木道から降りて近づいてみようか^^』と、お兄ちゃんが木道を跨いで降りていく。
『足元悪いから気をつけて^^』と手を貸すお兄ちゃんに導かれ、私達はその煉瓦先輩に近づいた。
『トロッコレール軌道の煉瓦支柱』
私が会いたくて仕方が無かった南方煉瓦建築物の大将っす^^
緑に呑まれた赤煉瓦が私どころか夕実っち、そしてお兄ちゃんまでも酔わせたーーー
周りには酒瓶と煉瓦片が数多く散乱していた。不法投棄?それとも昔の名残り?
『わきゃー☆ まるでラ〇ュタの世界みたいです~^^』と、実にツマラナイありきたりな例えを出して喜ぶ夕実っちさん。
煉瓦の支柱の頭の部分には綺麗に植物が植わってる。もうアートっすねこれw
煉瓦の目地もきっちりチェック^^
結構いびつで大味なモルタルさんでつ☆(だがコレがいいのだ)
絞め殺しの木(ガジュマル別称)にすっかり飲まれた煉瓦の支柱もあったっす。
『ガジュマルとかは本体の木に絡み付いて、最後には枯れさせてしまうほどの成長力があるんだ^^
だから絞め殺しの木とも呼ばれてるんだよ^^』とお兄ちゃんは夕実っちに説明をする。
私にも説明してくれよーん^^;
なんでもコンクリもアスファルトも突き破る生命力らしい・・・
いつかはこの煉瓦もこの木の中で朽ちていくんでしょうねーーー。
コンクリート部位もチェック。中の鉄柱ももうボロボロだ。
でもこの上をかつてトロッコが走っていたってのはビックリデスヨね^^
さて、一通り見たので煉瓦の刻印探しです!
お兄ちゃんは『刻印なんてあんのかなあ~』って言ってたけれど、あるかもしれないじゃんね!
っつーことでレッツ刻印探し開始☆
煉瓦表面ボロボロだったりモルタルに隠れていて非常に探せる部分は少ないのだけれど、
まずはやっぱり突き出た煉瓦の裏っかわをチェックチェックっす^^
ま、結局見つからなかったんですけどねオホホw
お兄ちゃんが言うにはーーー
『そもそも南方煉瓦に本土の煉瓦のように刻印が付いているのか疑問があるんだよね^^;
あんまし聞かないんだよなあ。
しかもこの煉瓦はどこで造ったのか分からないし。
船でここまで運び込んだのか、煉瓦職人を呼び寄せてココで造ったのか。
ここで造った場合、野焼きに近い製造工程だったかもだしそんな律儀に刻印なんて打たなかったかもだしな~』だそうです。
せっかくなので、どこまで煉瓦の支柱が続いているのか奥まで行ってみたっす。
これが最後かな?
その先には煉瓦ちゃん見えず・・・。
コンクリの支柱が見えたので、行ってみようと思いましたが・・・
棘が痛すぐりゅのでやめましたw
(※ 貯炭場付近以外はコンクリ支柱のようですね)
---さてこれでは終らない。
夕実っちが『芝居小屋とか今現在はどうなってるですかね^^』と軽い感じで言ったんだけど、
それならば探しに行こう!ってことになったっすw
言った(言っちまった)本人は『ええ~・・・^^;』って嘆いたけれど、
ココまで来たらお兄ちゃんも私も行く気マンマンっす(行く気マンマンって・・・オッサン言葉じゃねーかw)
煉瓦支柱の末端の先には上へと続く路盤があったっす。
『多分これが見世物小屋やら事務所・宿舎・浴場があった炭鉱集落への人道なんじゃないか?』と言うお兄ちゃんの感を頼って進むことにしたっす^^
いくらか登ると不自然な登り道が現れた。
お兄ちゃん曰く『切通し』だそう。人為的に山を削って道を造ったっぽい。
するとその登り道近くで夕実っちが右手の藪の向こうを指差して叫ぶ。
『わきゃ?わきゃわきゃ??? なんか向こうに見えますですう!』
その声に呼応して我等が廃村さーくる探検隊は現場に向ったのでありますw
『えっと・・・何ここ?』
随分と深く広いコンクリートで囲まれたスペースでしたっす。
ここでお兄ちゃんは先ほど撮影したウタラの見取り図を開いて見せた。
『んん~・・・。形的には入浴場跡っぽいなあ^^; でも、わざわざ地面を掘り下げてこんな大きな浴槽を作るだろうか?
どっちかってーと・・・用水タンク・・・のような気がするけどなあ^^;』
うーん・・・これは悩むっすね^^;
果たしてどっちなんだろ?
ここで夕実っちが地図を見ながら指摘する。
『ねえねえ先輩。この入浴場?っぽいコンクリートのすぐ横に“夫婦納屋”ってのがいくつもあるですね^^
何か痕跡が横にあれば入浴場で確定じゃないかなあ~と思うです^^』
あんた頭いいなw
思わず何も言わずに彼女の頭をグリグリと撫でる私とお兄ちゃんがいた。
『痛いイタタタタです^^;』
私達はさっそくこの得体の知れないコンクリ施設の向こう側の藪へとダイブしたーーー
するとーーー
コンクリの残骸が点々と藪に隠れていたっす^^
でも家屋の土台跡にしちゃ何か変?
これと同じようなものがいくつもあったんだけど・・・それ以外は無い。
『ねえねえお兄ちゃん!このコの字型のブツはなんだろね???』
『何だろな? 各家庭に必ずあるものっぽいけど・・・!?』
ここで皆ハッ!?とひらめく。
『『『もしかして・・・トイレ?』』』と^^;
確証は無いけれど、この上に用水タンクがあるならば、ほぼ確定のような気がしてきた。
それと共に、先ほど見たコンクリ施設は浴場跡と言うのも確定する。
とゆーか何でトイレだけ残ってんねんw
トイレは重要だよ?でも家の土台よりも強固に残り続けるだなんてねえ^^;
(※ トイレじゃ無いかもしれないので信じないように^^;)
さて、かつて芝居小屋があった方へと続く上り道を進んでみることに。
左右を逐一チェックしたけれど、用水タンクらしきものもよく分からない。
白黒写真だと右手の高台の上に小屋らしきものが写っていたけれど、なぜか深い窪地になっていた^^;
辛うじてまだまだ先には進めそうな路盤の痕跡はあったっすけど、
藪がだいぶ深くなってきたのでUターンすることにしたっす(残念^^;)
(上の写真に載ってる石積みは上り道に平行してありました。道より低いので、恐らく側溝跡なんじゃないかな?)
今度は煉瓦支柱の場所まで戻る道すがら、ちょっとだけ丘になってるところを上ってみたっす。
(地図使いまわしだけれども、丁度“二階作りの独身者宿舎”の辺りっす)
コンクリの残骸はチラホラしているけれど、地図が無ければかつてここに何が建っていたのかは誰も分からないものでした。
夫婦の炭鉱従事者には各一軒家が与えられ、独身者はとどのつまりタコ部屋があてがわれたこの格差!
なんか独身の呪いがここには渦巻いていそうなので早々に立ち去ることにする・・・^^;
入浴場コンクリの南側部分。
ここからウタラ川まで道らしきものが残っていましたが、時間もそれなりの装備も無いのでやめておきましたっす^^;
(多分、この先にはお寺や食堂跡。川を越えられるならば養豚場跡なんかもあったはずです^^)
なんだかんだで一時間以上廃集落を堪能して帰って来た私達。
正直、湿度で汗だくベトベトっす^^;
立派な煉瓦のアーチ部分が地面に横たわっていたけれど、かつて栄華を誇ったウタラの炭鉱場も今は自然にただ還るのみなんですよね。
私達は再び木道の上に戻った。
そこから見下ろすコンクリートの残骸はイヌビワの板状の根っこに隠されつつあった。
『お兄ちゃん?』
『ん?なんだ?』
『いつかこの集落跡も跡形も無く自然に飲み込まれちゃうんだろうね』
『そうだな^^ 自然って強えーかんな☆ ま、トイレは最後まで残りそうだけどなw』
私達は煉瓦支柱の横にある慰霊碑にそっと手を合わせ
『ありがとうございました』と呟いてから西表の小さな小さな炭鉱集落跡を後にした。
---次回へ続く☆
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
さあ~やってきました見に行ってきました南方煉瓦の横綱『ウタラ』へと^^
だいぶ観光地化されてはいますが、まだまだ見所満載の場所であります^^
ほんとはもうちっと廃集落巡りをしたかったんだけどお酒呑みたくってねw
いつか再訪して完全解明してみたいなあ~^^
自然に飲まれ行く人の築き上げた世界。色々と勉強させていただきました。
さて次回は『プライベートビーチ』『ウタラの別の痕跡巡り』『お食事編』と来て、最後に『虫たちの光の饗宴』ってとこです^^
ではではまた次回お会いいたしましょうず^^
ちょいさん!この頃記事が長いですね(笑)
地下鉄一駅間で読める位がいいです(笑)
って、ハブに出会わなくてよかったですね。綺麗なトカゲさんです。
by orange (2015-03-24 02:07)
ちょいのりさん~~!!
読んでいくうちに…@@:ハブ~~って思ったら
しっかり手足のついたトカゲさんでしたね。(汗)(´ε`;)
by ホイップ・クレイ (2015-03-24 03:14)
絞め殺しの木なんてあるんだ @@;)
縛られた煉瓦がなんとも不思議な感じですねぇ
ハブに出っくわさなくて良かったですね^^
by さる1号 (2015-03-24 03:28)
自然がいっぱい、なのかと思っていましたけど、過去にはしっかりと産業があり、そのもうほとんど遺跡と言えるものが残っていて・・・。
歴史もありますね。
煉瓦もありますね(笑)
by isoshijimi (2015-03-24 04:48)
西表島に炭鉱があったとは・・・(驚)(@@;)
しかし 南の島へ行っても煉瓦探して藪の中とは
その飽くなき探究心に呆れ、いや感心します☆
(^w^)☆☆☆♬
by 獏 (2015-03-24 05:52)
昔の鉱山や炭鉱などには娯楽の場として劇場などがありましたね、そのような場所を廻る・・一座もいたようです。
by katakiyo (2015-03-24 06:03)
おはようございます。炭鉱時代に働かれていた人ってきっとかなりの苦労があったんでしょうね。勉強になります。^^;汗
by ソニックマイヅル (2015-03-24 06:46)
おはようございます。
観光で訪れても絶対観ない処を・・・行かなくて済んで仕舞います(笑)。
しかし探究心に頭下がります。
by YUTAじい (2015-03-24 06:58)
ガジュマルくんは自分の部屋にもいるので、絞め殺されないよう気をつけます…(((・囚・;)))
by 下総弾正くま (2015-03-24 07:44)
ちょいのり君の記事はホント面白いけど長過ぎ・・
時間に余裕が有る時じゃないと完読したくても出来ないわ(;_;
このトカゲ君、捕まえた事有りま~す^^
尻尾を切って逃げるトカゲだけど、この子は切らずに・・
西表島、楽しそう~♪
by viviane (2015-03-24 09:10)
このトカゲは宝石のようなしっぽですね@@
by サンダーソニア (2015-03-24 11:04)
独身の呪いwww
しかしこんな中よく行きますねぇ。
怖いです。
by まめ (2015-03-24 12:59)
尻尾が輝くブルーのトカゲ、すごいですね。
やっぱり道無き道を行くほうが、ちょいのりさんらしいけれど、この炭鉱跡は、暮らしがにじみ出ていて、けっこうジンと来ますね。
by 足立sunny (2015-03-24 13:41)
川口浩探検隊のような・・・(←古かったかな?)
3時間スペシャルくらいのボリュームです。(^_^ゞ楽しませてもらいました♪
by 路渡カッパ (2015-03-24 15:26)
ありゃ、皆に長いって言われてますね。
確かに仕事中に読むには時間が足りないです。
しかし煉瓦を求めて飽くなき探究心あっぱれです。
南の島に行ったら観光して酒飲んでのんびりしちゃうだろうな。
by コンブ (2015-03-24 15:39)
ガジュマルに飲まれたレンガ凄いですね!
でもなんだか本当の自然の作り出すアートを見たような気がします^^
by 美美 (2015-03-24 16:52)
今回もためになりました^^
煉瓦と植物のアート、スゴイですね。
炭鉱の歴史も興味が湧いてきたので、
自分も勉強してみようと思います。(>_<)
by ワンモア (2015-03-24 17:42)
栄華を誇った人工物が自然に飲みこまれていく姿、私もラピュタを思い出しちゃました(^_^;)
自然ってやっぱりスゴイですねぇ(^^♪
by ニッキー (2015-03-24 21:38)
おぉ!!
ココにも煉瓦が!!
って思ったら狙い撃ちだったんすね^^;
by DEBDYLAN (2015-03-25 00:07)
なんだか 綺麗なトカゲ
しかし 自然の力ってすごいなぁ〜
by (。・_・。)2k (2015-03-25 01:49)
おはようございま〜す!
又、明日寄らせて頂きますので宜しくね!
by Hide (2015-03-25 02:31)
西表島に炭鉱があったとは(ノ゚ο゚)ノ オオオオ
それにしても、西表でも煉瓦とは凄まじい情熱ですね。
廃墟も堪能できて、ちょいのりさんにとっては最高でしたね。
僕は毒が無くてもヘビがチョー怖いので、藪には入りません。
by johncomeback (2015-03-25 05:57)
おはようございます。
息子も子供好きなので・・・期待してる親馬鹿です。
by YUTAじい (2015-03-25 06:49)
すごいところを散策していますねぇ
資料を見るだけでも仕事の過酷さがわかりますね。
今ではとても考えられないですね。
by みぃにゃん (2015-03-25 07:35)
目地のモルタルとコンクリートにも興味津々!!
先日某所(島)の煉瓦遺構に潜り込んだ時、目地やコンクリートに貝が混ざっていたけど、ここはそんな風には見えないね。
鉄筋コンクリートは爆裂していないところから砂はどこか内地あたりから運んできた?
そんな無駄なことしなかただろうなぁ・・・
海砂・・・サンゴ砂を脱塩して使ったとしたら、貝殻とかサンゴの破片とか入っているはず・・・
う~ん、見てみたい!!!!!!!!!!!!
沖縄に住んでいたころ煉瓦に目覚めていたら、絶対観に行ってたなぁ・・・・
by 駅員3 (2015-03-25 08:07)
相変わらずのハイクオリティな探検&レポートでした。
作品を作るのにどれだけの労力を費やしているのかしら。
このブログは腰を据えて読むべきでしょう(^o^)
by 太陽の玉子 (2015-03-25 09:27)
ガジュマルってそんな別称があるのですね!
知らなかったです~
by なかせ (2015-03-25 12:21)
おぉ~、奥まで行っちゃいましたね...すごい...まだ痕跡が残っているんですね。
ハブに遭遇しなくて良かった... でも話題的にはハブに咬まれて血清注射ってパターンを期待していたのですが...(笑)
by 島酔潜人 (2015-03-25 16:03)
廃村廃墟っていうともの悲しさとか独特の
雰囲気がありますが、南国だとなんかこう、
自然には勝てませんってなりますね^^;
ラピュタ通り越してアンコールワットみたいです。
by みずき (2015-03-25 22:52)
南国は植物の勢いが、ハンパないですね^^;。
人の営為が易々と飲み込まれていくようです。
観光地化された、と書かれていますが...
写真では、かなりワイルドに見えます^^;。
by sakamono (2015-03-25 23:10)
西表島に「日本近代化産業遺産群」があるなんて知りませんでした(汗) と言うか日本近代化産業遺産群と言う言葉も初めて聞いたかも(汗) しかし、ガジュマルに侵食された姿は、怖い…
そうそう、昨日はnewオモチャでサクサクと記事を見させてもらったのですが、コメントする前に寝ちゃってました(汗)
by 唐津っ子 (2015-03-25 23:57)
おはようございま〜す!
今日も読み切れないので明日また伺います・・・
ハブちゃんだけには気を付けたいよね!
by Hide (2015-03-26 02:18)
おはようございます。
体重増加止まりません・・・少し体動かさないと、シルバーと相談中です。
by YUTAじい (2015-03-26 06:58)
西表島に炭鉱があったなんて知りませんでした(^^;
by Aちゃん (2015-03-26 09:46)
数年前に行きましたよ。
まだ、木道はありませんでした。
by 38kicks (2015-03-26 10:31)
すっごーい!!
大冒険ですね\(^o^)/♥
おもしろそう!!!
炭鉱で働く人たちの住んでいた場所の様子が
垣間見れておもしろいです~!^^
ねね
by 今造ROWINGTEAM (2015-03-26 12:01)
ほんとうに・・ハブが出てきそうですよ
中学生の頃、青大将を振り回しましたが、ハブは噛まれそうでできません
by koh925 (2015-03-26 15:58)
トカゲとか見る分にはいいけどさわれないですね・・・
by リュウ (2015-03-26 20:56)
コレ、多分トイレで間違いないんじゃないかと(笑)
相当頑丈に出来てますけどねぇ^^;
by 銀狼 (2015-03-26 21:12)
こんばんは。
石柱の文字の「一九五」が「瓦」という文字に読めましたよ。笑 それにしても力作レポートですね。すごい。
by sig (2015-03-28 20:15)