第771話 『江北五色桜の日米友好議会演説?』荒川煉瓦工場群編vol①花又帝国煉瓦(の煉瓦)&東京煉瓦工場跡地ほか [廃村さーくる2(煉瓦工場探索)]
『部長!部長!今日は何てとこに行くんですか?ハイ^^』
ぶ、部長?わ、私が部長部長部長・・・。
うふふふ☆でへへ♪
なんとなく嫌々廃村さーくるの部長に祭り上げられたのだけれども・・・なんかソレ良い響きですう~。
ソレいいですう~w
ぶ・ちょ・う☆かあ~(*´д`*)
・・・でも、そんな悦に浸ってる場合でもない。
実は私も今日どこいくのか知らないし、
ルカちゃんの質問に答えられないのも部長がすたる。
このままでは部長の威厳が保たれない!
私ピンチ!大ピンチ!
私はコホンと空の咳をしたその0、数秒の中で答えを導き出した。
『うんとですね~、詳しい話は副部長の琴音さんから説明がありますです^^』と
琴音っちに丸投げです☆
『え゛ 私ってばいつから副部長になったのよマジで^^;』
『し、四月からそうするって言ってたですう(すっとぼけ)』
『そ、そうだったっけ^^; まあいいや。今日はねルカちゃん』
『ハイ^^』
『東日本屈指の煉瓦工場地帯だった荒川周辺を散歩しようと思うっす^^
その途中で、なぜか八潮市の煉瓦工場の煉瓦が見れるところがあるのでそこにも寄るっす^^ ではレッツビギン☆』
先日琴音っちとルカちゃんが八潮市の煉瓦工場を探しに言ったのは私も聞いていた。
え?でも~でもでも~荒川と八潮って結構離れてるですよ?
しかもなんで煉瓦工場地帯なのに余所者の煉瓦があるのよ。
近所の工場のでいいじゃない^^;
その答えはもったいぶりつつもご覧の番組で追々分かるシステムってことですかね。
ではでは第771話、廃村さーくる2スタートですう~☆
(部長の夕実ちゃん視点で物語りは進みます^^)
草加市から電車を乗り継いで降り立った駅は、日暮里・舎人ライナーの『西新井大師西駅 西口』でしたすう。
『なんか西ばっかりな駅ですねハイ^^;』
『地元では略して西西駅って言われてたりは決してないっすよ^^』
言われて無いのかよ。
『まあ冗談はこれくらいにして本題っすね^^ え~とまずはここから足立区鹿浜まで歩いて
帝国煉瓦花畑第二工場の煉瓦が使われている公園に行くっすよ^^』
『琴音先輩?その帝国何ちゃらって工場が八潮市にあった三つ目の工場ってことですか?ハイ^^』
『うん、そーっすよ~^^ ちなみにこれが帝国煉瓦があった場所の資料ね^^』
琴音っちはそう言って、ご丁寧にクリアファイルからプリントされた資料をみんなに配り始めた。
(※ 八潮柳之宮の煉瓦工場名を訂正します。与川ではなく興川煉瓦製造所です。関係者並び間違った情報を提供してしまい申し訳ございませんでした^^;)
『これが八潮市の煉瓦工場御三家のなんとなくの位置っす^^』
『んでもってこっちが昔の地図ね^^ 帝国煉瓦は大正7年操業開始。
綾瀬川と毛長川が合流するとこに出来たっす^^
ここもやっぱり川の傍だったんすね~』
ここで私もルカちゃんも同じ疑問を持ったようで、先にルカちゃんが『ハイハイ!先輩ハイ!』と生徒のように挙手をする。
『ハイ。高幡ルカ君どうぞ~』と先生の役回りでルカちゃんを指名する琴音っち。
『琴音先生!どうせなら先日にこの帝国煉瓦も見に行けばよかったんじゃないでしょうか?
地図見る限り割と近そうですハイ^^』
『うーん・・・ここは先生1回訪れてるんですが・・・特に痕跡は見当たらなかったのでパスしたのです。
あったのはせいぜいウンコの看板くらいだったかなあ~^^;』
え?煉瓦じゃなくってウン・・・???えええっ!?
(※ 詳しくは→サブブログの琴音のプチ煉瓦日記参照)
さてここからは琴音っち副部長を先頭に行かせて鹿浜を目指すことに(いや、既に鹿浜なんですけどね)
地図で言うとこんなところです↓
『わきゃ? これ・・・バスに乗ったほうが早いんじゃ・・・^^;』
『フィールドワークが主体のサークルっしょ?夕実っち部長^^
歩けるところは歩くっすよ☆
歩いたほうが絶対発見あるしね☆』
・・・そう言われるとぐうの音も出ない^^;
ということでひたすら環七をひた歩く事になったですう・・・^^;
この日は4月らしからぬ陽気。途中のコンビニで水分補給をしようってことになりましたです。
『いやあ~昼間からの水分補給はたまらんですな部長殿^^』
『いや、それ水分抜けてっちゃうから^^;ビールの利尿効果で脱水だから!^^;』
琴音っちが何を買うかと思えばやっぱり酒かよ!w
『うわ~先輩、昼間っから豪気ですねハイ!^^ 私もお酒嫌いじゃないんですが、我慢して我慢して最後に味わうのが楽しみなので、
今日の打ち上げまでおあずけしたいと思いますハイ☆』
そうそう、そーだよ!ルカちゃんが言うようにこういう時は我慢して、最後にオツカレ~って呑むのが美味しいんじゃないですか~^^
ってあれ?
ルカちゃん。あんた未成年やないか!^^;
そんなこんなで荒川の土手まで到着ですう^^
鹿浜橋まで来たら今度は土手沿いに北上するみたい。
ん?なんか沢山おじいちゃんおばあちゃん達が土手を歩いて込み合ってました。
私達と同じ方向を目指してる?
はて?この先に何があるのお???
土手裏には高速道路。遠目に華やぐ木々が見えてきましたです。
遠くを見れば、たしか・・・岩渕水門?でしたっけ。
大きな大きな水門も見えるですう^^
川沿いには彩り鮮やかな花達が♪
ーーーそして土手沿いもだんだんと賑やかになってくるのですう^^
お花見はもう終ったと思っていたけれど、まだまだ八重桜は活況なんですね^^
どうやらおじいちゃんおばあちゃん達はこれが目当てだったみたい☆
そしてここで先頭を行く琴音っちが振り向いて土手沿いの施設を指差しながら言うのです。
『今日はこの都市農業公園が最初の目的地っすよ^^
じゃ~無料だし中に行こうっす^^』と。
・・・農業公園?
この中に彼女が好きな煉瓦があるの???
中に入ってみると広がるのは畑・畑。
なるほど伊達に農業公園を名乗ってるわけじゃなさそうですう。
ズンズンと先行く琴音っちを追いつつも私とルカちゃんは農業公園に咲く花々に目を奪われる。
『わきゃー^^ 色とりどりで素敵ですね~^^』
『春っぽくて綺麗ですよねハイ^^ でも私的には野草の花々とかがもっと好きかもですハイ^^
荒々しいとこに咲く可愛らしい小さな花々最高の癒しですハイ!』
どうやらルカちゃんは後で聞くところによるとかな~りアウトドアタイプだそう(しかも山とか)
なんでも子供の頃から教授さんに連れまわされて山を登ってるうちにそうなっちゃったみたい^^;
・・・ううう。これはヤバイかもですう。
だってフィールドワークめっちゃ強そうじゃないですか^^;
これは部長としてもウカウカできません。
部長の威厳としても弱音吐けませんですう!
・・・管理職はつらいですね!(大きな勘違い)
そんなこんなで連れられてやってきたのがコチラ。
いかにも旧家屋ですう。
近くに看板があったので、ルカちゃんと2人して文字をなぞりつつも読み上げる。
『わきゃ、ええっと・・・旧和井田家住宅(母屋)って書いてあるですね。
江戸時代後期の旧家屋ですう^^』
『部長部長!この家屋には煉瓦が使用されてるって書いてありますハイ!』
『あ、ほんとですう。は、は、花又帝国煉瓦?って書いてありますですね^^?』
ここで『ああ!』と言いつつルカちゃんは琴音っちの方を向いて話し始めるのです。
『琴音先輩!この花又帝国煉瓦って言うのが八潮市の煉瓦工場の御三家最後の三つ目の煉瓦工場ってことですね^^
でも先輩が言ってたのは帝国煉瓦の花畑第二工場ですよね?
花又と花畑。
微妙に名前違くないですか?ハイ^^;』
ここでニンマリと不敵な笑みを浮かべつつ、よくぞ聞いてくれました!ってくらいに琴音っちが語り始めたのですうw
『うん。結構ややこしいから注意して良く聞いて欲しいかも。
花又と花畑は実は同じなんす。
んで、何で花又や花畑なんだろうかとね^^
この帝国煉瓦工場が建てられた所は元々は花俣って呼ばれていたんすよ^^
実は東京でも最古参の古村でもあるんす。
で、なんで花俣とか花又って言うかと申しますとだよ、
花は『鼻』 又は『俣』、
綾瀬川と毛長川が合流する三角地帯が鼻のように出っ張っていて、又。すなわち川が交錯するところだったから付いた名前なんだって^^
歴史の順番から言うと
花俣→花又→(明治22年の市町村制施行で近隣の村と合併)→花畑になったんす^^』
『へえ~そんななんですね~ここってばハイ^^』と納得?したルカちゃんだったけれど、
ここでふと疑問に思う私。
草加市に移り住んでから3年とちょっとの私。
なんとなーくは近隣の市や町の土地の名前は分かっていたからこその疑問を感じたのですぅ。
『えとえとえと・・・琴音っち副部長?
花又とか花畑の由来は分かったですう。
でも、花畑って今は東京都足立区ですよね?
さっきから八潮八潮言ってますですけど帝国煉瓦って八潮市じゃ無いんじゃないの?(川挟んで隣の区域ですが)』
ここでチッチッチ!と、人差し指を揺らして『分かってないなあ~夕実っちは^^』と実に蔑んだ目で私を見ながら言い放つ。
『東京ディズニーランドだって本当は千葉県でしょ? 細かいこと言わないの♪
確かに帝国煉瓦には花畑とか花又って足立区由来の名称が付いてくるけれども~
今は八潮市・大曽根地区なのさあ~w』
そ、そんなんでいいのかなあ^^;
まあでも何となくは帝国煉瓦と花畑・花又のことは分かったかも?
(※ 長くなるので大分説明を端折ってますのでご理解ください^^;)
さて、とりあえず琴音っちの説明によると
その帝国煉瓦工場の煉瓦が“土間や敷石”として使われているそうなのですう。
ということでやっぱりいつものように煉瓦見学が始まったのです^^;
まあ・・・たぶん彼女のことだから刻印探しがメインなんでしょうけどね^^;
(※ ち・な・み・に。江戸後期に建てられたのに大正7年に操業した帝国煉瓦の煉瓦が使用されてるのがおかしいと思われることでしょうが、
そんなのは今の家庭と同じでやんす。
長く生活してればテレビの買い替えとか家電の入れ替わりとかあると思います。
それらと何ら変わらずその時のニーズに合わせて家屋も変わっていくわけです^^ 要するに改築繰り返してます^^
※更に補足。この和井田家住宅は元々花畑にありましたが昭和59年に都市農業公園が開園すると共にコチラに移築保存されました^^)
さっそく息せき切ってパブロフの犬のように軒先に埋め込まれた煉瓦に食いつく琴音っち。
横を見やると少しドン引きなルカちゃんが見えた(そりゃそうだw)
『うがー!刻印ぽいの全然ねー^^;』と虱潰しに煉瓦刻印を探しまくっては嘆く彼女だったけどお、
確かに軒先に埋められた煉瓦には刻印らしきものは無かったですぅ^^;
と言うかそもそも帝国煉瓦さんの煉瓦刻印がどんなものかを彼女自身知らなそうではあったけど^^;
さあ次は土間の方の煉瓦探索ですね^^
せっかく昔の農家の数々の展示品があるというのに煉瓦にしか目もくれないのはいかがなものか^^;
私とルカちゃんは一応他も見てまわることに。
ふと、恥ずかしいまでに膝を着きつつかまど周りの煉瓦だけを見ていた琴音っちが
『あら~念入りに展示物を見るだなんて研究熱心ねアナタ^^ 若いのに感心ね^^』と
見学していたおばあちゃん軍団に声を掛けられていた^^;
『こういう旧家屋って大好きなんですよ私~!^^』っておばあちゃんに返していたけど
あんたソコしか見てナイジャン^^;煉瓦しか見てナイジャンw
ここでその行動を一緒に見ていたルカちゃんがボソリ。
『琴音先輩、策士ですねハイ^^ 私も見習いたいと思いますハイ☆』と感心していた・・・
いやあ・・・そこは見習ってはいけないんじゃないかな^^;
---さて
結局フクブチョーのお眼鏡に叶うものはここには無かったようですので一旦外に出ましたです(勿論、煉瓦刻印ですう)
隣にある明治30年ごろに建築されたと言う長屋門でも煉瓦を探してみるっすと彼女が言うもんだから付き合うことに^^;
『あったけどイマドキ煉瓦ちゃんぽいっす^^;』
『井戸なんかにも煉瓦がつかわれていることもあるんだよね~』って覗き込む彼女だったけれど、
『ねーしっw』って独り漫才してましたです^^;
まあ~、結局は帝国煉瓦の煉瓦さんはあれど、刻印的なものは無かったようでお開きになりましたです^^;
お昼間際だったこともあって農業公園に隣接する『みはらし茶屋』でランチしていこうってなったのですが・・・
おばあちゃん軍団が列を成していたので諦めましたですう^^;
さてさて、今度は別の場所に移動とのこと。
『今度はどこに行くんですか琴音先輩、ハイ!』
『今度はね~荒川を南下して煉瓦工場跡地へと向いますよん^^
その名もズバリ東京煉瓦工場っす^^』
ここで再び追加の資料を配り始める琴音っち。
『この宮城って地区にかつて存在した東京煉瓦工場の痕跡探しに行くっす^^』
えっと・・・結構歩きそう・・・^^;
『ちなみにこれが東京煉瓦工場の煉瓦刻印ね^^』
・・・アレ?
私、なんかこの刻印見たことあるような気がするなあ・・・^^?
『この煉瓦の刻印は、夕実っちと出かけた静岡県は大崩海岸の石部崩落トンネルの刻印っすよ^^』
ああ~そんなとこにも行きましたですね。
『琴音先輩先輩!その静岡のトンネルに使われてるってことは、かなり大きな工場だったとかですか?ハイ。
わざわざ東京から静岡まで運んでるって事ですよね?』
『おっと、部長と違って中々鋭いねルカちゃん(私をチラ見)
そうっす。東京煉瓦工場ってのは明治期に年間400万本も煉瓦ちゃんを製造していた屈指の大工場っす^^
この工場だけで東京都の一割を占めていたくらいだしね^^』
そんなデカイ煉瓦工場だったのですか^^;
まあ確かに東海道本線に使われたような煉瓦みたいだし、地域と言うより国家単位。それなりの工場だったんだろうなあ~ってのは何となく分かったですぅ^^
それがこの足立区に?
なにはともあれそこへとひた歩くことになりましたです。
途中、小さいクーラーボックスからアルコールを取り出してまた酒を呑んでましたけどね!彼女は^^;
この子は酒と煉瓦さえあれば生きていけそうだ・・・
---そろそろ目的地に近づいたんじゃないかな?ってとこで、
『ちょっとだけ寄り道をしたいと思うっす^^』と琴音っち。
荒川の土手を少し下った小道へと連れて行かれることに。
荒川土手と平行して続く遊歩道みたいなとこにやってきましたです。
するとーーー
あらま!こんなとこに煉瓦さんがいらっしゃいましたです^^
『先輩先輩! この煉瓦って水門か何かですか?ハイ^^』
『ここは熊之木入(いりが変換できん)。ルカちゃんの言うとおりズバリ正解、水門っすよん^^
護岸工事で埋められてしまってたんだけど、遊歩道整備の際に出現!
せっかくだからと復元した水門だったりするっす^^』
『粋なことしますね~ハイ^^』
壊さないで有効利用するってのはいいですね^^
それよりも琴音っちは地道に下調べしてるんだ~。
煉瓦愛とは言え感心しちゃいますですよ^^;
『ではさっそく煉瓦刻印探し!って行きたいところでやんすが・・・
煉瓦刻印が見れそうなとこはどれも補修した新しい煉瓦の鉄壁の守り^^; 諦めるしかないかあ~w』
さすがの琴音っちもここはあっさりと煉瓦刻印探しは諦めた様子。
再び荒川の土手まで戻りーーー
いよいよ江北橋を渡って対岸の宮城・小台へと向うことになりましたです^^
桜の意匠の欄干が素敵だなあ~と呟いたら、頼れるフクブチョーが歩きながら教えてくれましたですよ^^
『これは五色桜をモチーフにしてるんす^^ 元々この鹿浜とか江北一帯の荒川堤は桜の名所だったんすよ☆
五色って言われてるのは色とりどりの品種の桜が植樹されていたから総じての名称^^
でもその五色桜は戦中に薪として伐採されちゃってほぼ全滅しちゃった経緯があるんすよ^^;
ちなみにワシントンの桜って聞いたことある?』
『『なんとなくは・・・』』と答える私とルカちゃん。
『日米友好の証としてワシントンに送られた桜は、実はここの五色桜なんすよ^^
今はワシントンから里帰りした桜が、少しずつ少しずつこの周囲の公園に植わって数を増やしてたりもするっす^^
これってマジ素敵じゃね?』
桜を送っただけじゃなく、里帰りで助け合い。
これこそ形式的な友好じゃなく本物の友好なんじゃないでしょうか。
なんとなくここまで連れて来られたと思ってた私は喝を入れるべく自分の頬っぺたをパチンと叩いたです。
『どうしたのさいきなり^^;』と琴音っちに言われたけれども、
『なんでもないです。気合ですう気合!さあ~レッツ散歩です☆』と不器用に私は息巻いた^^
さあ~橋を渡りきったら宮城と言う地区に突入ですう。
なんでも琴音っちが配った資料にはここらへんにかつて東京煉瓦工場があったらしいのだけどお・・・
再び土手へと連れて行かれる私達。
ソコを進むとーーー
『みやぎ水再生センター』と言う大きな建物が見えてきましたです。
これって下水処理場???(下水処理場です)
そしてその施設内に『宮城ファミリー公園』ですう^^
ここで琴音っちフクブチョーさんが、
『手元の白黒写真見てよ^^ たぶんここらへんなんじゃないかなあ~とは思うんだけど・・・』と自信無さげに資料を見るようにと促がしてきたのです。
うーん~、すごくここっぽい気がするですね^^
でも彼女なりに調べ上げた結果、まだまだ確証を得ていないようでした。
彼女曰く『東京煉瓦工場がここ宮城へ大正6年に移転してきた番地は分かったんすよ。でもその時代の番地と今現在の番地がどうなのか調べ切れてなくって^^;』だそうですう。
ぶっちゃけ私、チンプンカンプンですw
もちろん同じくしてルカちゃんも『ふえ~・・・さっぱり意味不ですハイ^^;』と苦笑い。
ソレを見てか、ここでもう一度東京煉瓦工場の歴史を語り始める琴音っちだった。
『東京煉瓦工場ってのは元々東京駅の赤煉瓦を焼いた千葉工場(千葉って言っても足立区です。明治20年創業)から派生した煉瓦工場だったんす^^
明治30年。その千葉工場の千葉勝次郎さんが共同出資を募って鹿浜に機械式の近代バージョンのドデカイ煉瓦工場を作り上げたのがそもそもの始まり^^
その後、大正6年に宮城町(宮城地区)に工場を移転したんす。
今回、東京煉瓦工場の痕跡巡りをしてるんすが、それは移転した煉瓦工場跡地の探索なんすよ~^^』
なるほど~。さっぱりわからん^^;
でもまあ一応流れは分かったかもですうw
ま、どうにもこうにも意外と資料少なくって四苦八苦してると言う彼女の告白だったわけです。
ここでふと、
『あれ? このファミリー公園の片隅に資料室があるって看板にのっかってますよ先輩^^』と、ルカちゃんが地図を指差した。
あれ?ほんとだ・・・
直ぐ横を見やればーーー
それっぽい建物があるです!^^
『もしかしたら東京煉瓦の手がかりが!?』ってことで、いざレッツゴーですう^^
が、閉まってました^^;
なんか休館日とかではなく、常に閉まってそうな勢いでした^^;
公園を抜けて、みやぎ水再生センターの正門へと回りこみました。
わずかでも煉瓦の痕跡があるならばと言うことらしいです(フクブチョー曰く)
『うーん・・・地図的には、この汚泥処理工場がある場所が、
煉瓦用原料土採掘跡だと思うんだけどなあ~』と琴音っちが呟いた。
『琴音先輩先輩! 煉瓦用原料土って何ですかねハイ^^』
『うん、ズバリ煉瓦の材料の土を取ってた場所ってことっすよ^^
なんでも近隣の煉瓦工場がこぞってここから土を採掘してたらしいんすよ^^
最後には取りすぎちゃって穴だらけになって池が出来ちゃったらしいw』
それまた随分な話ですね^^;
『東京煉瓦工場は関東大震災で煙突などが倒れて一時休止に追い込まれるんすけど、その後再開するんす^^
でも土を掘りつくしちゃって、最後のほうは埼玉県から船で土を運んでたんだよ~^^;
で、煉瓦の需要もめっきり減った1940年(昭和15年)に閉鎖になるっす^^;
荒川の他の煉瓦工場たちも同様。
それからはコンクリの時代に向っていくって訳っすね~^^』
『つまり、煉瓦バブルが崩壊したってことですねハイ^^;』
関東大震災が煉瓦バブルの終焉の引き金だったとは良く琴音っちには聞かされていたです。
また日本の煉瓦の歴史もまた他国に比べると非常に短い期間だったとも言えますですね^^;
見た目は華やかな煉瓦造りの建物も、土取りすぎちゃったりと裏の部分が見えたのも勉強になったかな?なんて私は思いましたですハイ(あ、ルカちゃんの口癖混ざっちゃったw)
---さて、
結局、痕跡も見つからず防波堤まで来ちゃった私達。
それならば『みやぎ水再生センターを裏側(川沿い)から調査するっす^^』と言う琴音っちの提案で、一旦ファミリー公園まで戻って土手を進んで見ることにしたのですうーーー
行き止まりかよ☆
・・・どうやら川沿いから水再生センターを覗き込むのは無理みたいですね^^;
この自転車のチェーンロックは何なんでしょうかね^^;
みんなで議論になったけれど、答えはわかりませんでしたです。
結局、目ぼしい痕跡なにひとつ見つからずに撤退することになりましたですw
『この後はどうするですか?』と、フクブチョーさんに問い合わせた所、
『とりあえずこの近隣に煉瓦の建物でもないか探ってみようっす^^』と返ってきた。
なかなか諦めない女の子ですね^^;
私達は不審者のごとく宮城や小台地区をさ迷い歩くことになるのですが・・・
そこに小さな小さな図書館を見つけたのです。
『足立区立宮城図書館』
ほんと地域の小さい図書館でした。
『なにかあるやもしれんですねハイ^^』と、ここに入ることを促がすルカちゃん。
でも『こんな小さな図書館に煉瓦情報あるっすかねえ・・・^^;』と懐疑的な琴音っち。
結局『地域密着ですよハイ^^ 情報無いなら無いで椅子に座って本読んでるふりして休憩しましょうですハイw』と言うルカちゃんの申し出に、
『そうっすね^^ なんだかんだで歩き詰めだったしそれもいいかもっす^^』と入ってみることになったのですう^^
ただ闇雲に調べるのもどうかなあと思ってたところ、ルカちゃんが積極的に職員さんに聞きに行ったのです(彼女は行動派ですね)
『すみません^^ みやぎ水再生センターが煉瓦工場の跡地に出来たらしいって聞いたのですが、何かそれらしい資料とかあるでしょうかハイ^^』
ーーーこれまた随分ストレートに聞くのねルカちゃん^^;
流石に図書館の職員さんでも探すの大変だろうと思った私と琴音っちだったけれどお、
『ちょっとまってくださいね^^ ええっとー、〇〇さーん!煉瓦どうのこうのなんですけど』と受付の職員さんが事務所の方の増援を頼みつつ探し回ってくれた結果、
ありました☆
足立区の風土記と足立区の昔話の二冊を持ってきてくださって
『この本のこのページとこのページなどはどうでしょうか^^』と丁寧に説明していただいたのです(驚愕)
『聞いてみるもんですよね、ハイ^^』と言う彼女に
『ほんとにそうだね^^;』と苦笑いの私達先輩ふたり組^^;
と言うか仕事とはいえ図書館の人すごいですよね~☆
(※ 石垣島で図書館に立ち寄った時にも思ったけど、どんなマイナーな事でも網羅してるんだから凄いよ^^;
自分が職員だったら?って考えると、とても出来そうに無いっすw)
さて、その手渡された資料の中でも特に琴音っちが目を引いたのはコチラ。
『足立風土記稿・地区編3、江北』
この中には彼女の知りたかった東京煉瓦工場のお話がかなりあったみたいです^^
でも、
『読むだけじゃ頭の中に留めておくのが不安っす^^;』と言う彼女にルカちゃんがコピーを薦めるのですが、
『こういうのって一杯コピーしちゃダメって制約とかよくあんじゃん^^;
一冊に付き1ページ分とかしかダメとか、コピー理由を1ページごとに書類に書かなきゃダメとかさあ~^^;』と琴音っちが躊躇する。
するとルカちゃんが職員さんに
『いっぱいコピーとかしたら怒られますか?ハイ^^』とすかさず聞くと
『別に全然かまいませんよ~^^』とOKが出た^^;
聞いてみるもんだなあと思うのと、
あっけらかんと積極的なルカちゃんがとても頼もしく思った私達でありましたw
実に良い子がサークルに入ってきたんじゃないかと(むしろ、私達が調べ物に対して消極的といいますか無頓着すぎたのかも^^;)
そして今回、一際琴音っちが喜んだ資料はコチラ↓
このかつて存在した荒川煉瓦工場群(主に足立区側)の煉瓦工場名と、その工場があった区域の概略地図ですう^^
『貴重な情報ありがとうございます^^』と、何度も何度も職員さんにお辞儀をして私達は図書館を出た。
(※ 裏話的には、ボク結構お酒臭かったはずなんだけどなあw
それでも一生懸命探していただいて、しかも帰り際には『お役に立てたようで良かったですよ~^^』とお言葉を頂いた。
もうね?感謝感謝でしかありませんよね。ほんと^^
むしろゴメンナサイって思いました^^;)
さあ、この地図をゲットしたことで琴音っちの目の輝きが変わったのです。
『本当はこの後、荒川遊園地。その前身の広岡煉瓦跡でもと思ってたんすけどーーーーーー
その前に別のとこに行くことに決定っすよマジで♪』と、
彼女の脳内スケジュールが変更されたみたいですう。
『ではでは琴音先輩? 次はどこぞへと行かれますか?ハイ^^』とルカちゃんが聞くと、
『このご近所に“馬さん工場”って言うこの宮城・小台で一番古い煉瓦工場があるみたいなんすよお^^
そこに寄ってみようっす♪』と琴音っちが提案してきたのです。
馬さん工場?
馬が関係あるのかなあ?
かくして私達、新生廃村サークルメンバーは、この荒川煉瓦工場群(足立区側)の最古参の煉瓦工場跡地へと向うことになったのですうーーー
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
廃村さーくる2となった今回。以前よりディープな感じ(つまりはもっとマニアック)で進んでいくのかなあと思います。
仕事の忙しさも御座いますが、前よりも更に調べつつ調べつつ記事を書いていくつもりなので、更新頻度はグッと下がるかもですがご了承ください^^;
ちなみに、全部同じ日にロケハンしたように記事に書いていますが、
最近の休日の三日分すべて(4月の休日のうち三日間)を荒川界隈の散歩で費やしてたりしますw
もう飽きてきたくらい歩いてんよお~w
でも楽しいんだよコレが☆
ではでは次回は貴重な煉瓦刻印ちゃんと言うことで進みます^^
拙ブログへのコメントありがとうございます。
旅先にて押し逃げです。
by johncomeback (2015-05-02 05:03)
東京の東側って未知のゾーンだわ☆
定年になったらゆっくり探検してみたい(爆)
多摩川のBBQ 行く?(^w^)
by 獏 (2015-05-02 05:08)
チエーンロックは恋人達が掛けたものでしょう。
絶対離れないという意思表示。
何時まで持つかね、人の心はやわらかいからね~
ジイチャンのやっかみでした^^
by katakiyo (2015-05-02 06:00)
部長おはようございます!
いい旅してますね〜羨ましい限りです。
今度のBBQ、何とか行きたいんですが、まだ仕事の
調整が・・・連休明けなんで難しいかもね!
by Hide (2015-05-02 06:20)
おはようございます。
大作・・・良く調べ上げましたね流石教授レベルですね。
鼻風邪たいした事無いです。
by YUTAじい (2015-05-02 06:56)
おはようございます。お出かけ日和が続いて良い感じですね。チェーンロック、幸せを結ぶチェーンロックなんでしょうか?^^;
by ソニックマイヅル (2015-05-02 07:18)
この界隈にも煉瓦工場があるんですね。
最後の水再生センターとか図書館は「空のRayさん」の夕日の画像の場所ですね。
by Falcon (2015-05-02 07:38)
かなり歩いてますね。
いくら煉瓦のためとはいえお見それいたしました。
私にも熱くなる何かがあればいいのにと思う今日この頃でした。
by コンブ (2015-05-02 08:42)
こうやって拝見してると結構レンガ建物多く残っていますねぇ大阪にもたくさんあるのかな?
by みぃにゃん (2015-05-02 08:53)
暑い日は、冷たいビールがおいしいですが、
持参すると、ぬるくなってしまいます。
自販機で現地調達ですね。
by とし@黒猫 (2015-05-02 09:52)
昼間から
散歩しながら
酒を飲む
おいら、これすると河原で寝込んじゃいます^^;
by くまら (2015-05-02 10:06)
たくさん歩きましたね。お疲れ様でした。
図書館の人、とっても親切ですね~
すごいです。
きっとご自分で思われているほど、お酒の匂いなかったんですよ、きっと・・・。
遅くなりましたが、先日はコメントをありがとうございました。
by isoshijimi (2015-05-02 10:18)
チェーンロックが気になる。(笑)
by 島酔潜人 (2015-05-02 10:23)
凄い! 3万歩コースですよね?
都市農業公園に煉瓦があるなんて
全然 気づかなかったなぁ
by (。・_・。)2k (2015-05-02 10:46)
足立区は昔は23区で一番犯罪が多かったらしい。
犯罪と言っても、自転車泥棒が特に多かったとか。
今は改善されて少なくなったみたいです。
by Aちゃん (2015-05-02 11:08)
探せばあるものですねぇ。
刻印で出どころが分かる。
もう謎解きのようでたまりませんね。
秋の遠足のテーマもそろそろ決めないと^^
by orange (2015-05-02 11:22)
古民家にレンガが使われていたとは。でも、あっても
不思議ではないかもしれませんね。
掘り起こした水門を復元したって、とてもいい話だなー^^。
by sakamono (2015-05-02 13:10)
煉瓦を求めての旅記事、良いですね^^
東京も沢山見る所があっていいなぁ。
徒歩が一番発見がありますよね。
車だとちょっと見逃しちゃう><
by ワンモア (2015-05-02 14:54)
この、もう少し上流で
いつか焼き芋オフ会
やったなぁ*\(^o^)/*
by まこ (2015-05-02 20:37)
煉瓦って本当に奥が深いですねぇ(^.^)
水門復元、素敵な話ですね(^^♪
by ニッキー (2015-05-02 20:54)
足立区探訪&詳報なご紹介ありがとうございます。いろんなところ、初めて知りました。煉瓦道をつき進みますと、奥が深いですね。
by 足立sunny (2015-05-02 21:38)
今日の記事はいつもに増して大作ですね!
ガラケーからだと多分見るのを諦めていたかも(汗)
いろんなところがあって、ほんと奥が深いです。
しかし、若いなぁ‼︎ 私なら翌日は筋肉痛です。
by 唐津っ子 (2015-05-03 00:12)
煉瓦関係の資料という超マイナーなリクエストでも適切な回答ができるとは・・・
図書館の事務員さん、恐るべし
図書館内の本を全部把握していそうですねぇ@@)
by さる1号 (2015-05-03 07:09)
刻印探しは宝探しですね。こういう日もありますか。
しっかし図書館、実力を見せつけてくれましたね(^^
by さといも野郎 (2015-05-03 08:20)
都内に宮城?って驚きました。
まだまだいろんなところに連が構造物が
残ってるんですね^^
by みずき (2015-05-03 22:22)
小さな図書館=地域密着。これはすごいですよね、〇〇村の△△さんのノート・・・みたいな資料もあったりするんです!!
そろそろ、田無駅から再始動しなければ・・・
by suzuran6 (2015-05-04 14:59)
地図が親切でとてもわかりやすいです。
でも、大変な作業ですよね。おかげ様です。
by sig (2015-05-05 19:58)
初夏のお天道様の下で飲みながら散歩。
サイコーじゃないっすか!!
散歩が目的でもOKっす!!
一緒に飲みながら歩いてくれるセニョリータ大募集w
by DEBDYLAN (2015-05-06 06:17)
ご無沙汰致しております。
久し振りにブログをアップいたしました。
宜しくお願いします。
by CountryBoy (2015-05-17 17:53)