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第840話 三度目のワルツ。アプトの道リベンジリベンジ編①『わきゃ?よく見ればアプトの道は煉瓦刻印がいっぱいですう!』横川駅・旧碓氷線・アプトの道ほか [廃村さーくる2(煉瓦遺構編)]

『私は意気地なしだしドMですう^^;』

 幸せは誰かがきっと運んでくれると勝手に思ってる他力本願な女の子。

 

 好きな人居ても自分からは積極的に動かない。動けない。

 かと言ってそんなんじゃ何も成立しないことも当然分かってもいる。

 恋も仕事も学業も自分から動いてこそ『なんぼ』ですう^^

 でも・・・やっぱりドMです^^;

 攻めてくれると実力発揮できるのになあ(*´д‘*)(おもいっきり勘違い)

 

 まあそんな私感は置いて置くのですう。

 社会人になっちゃって前よりずいぶん疎遠になってしまった菅原先輩に会えるかなあ~と

 淡い期待を抱いて先輩の妹である琴音っちの家にお邪魔した私(と言っても週に4日はいりびたりw)

 するとーーー

『く~!もう仕事で疲れちゃって飯とか作れねー^^;』と久しぶりに先輩がやってきた(私、大歓喜☆)

『妹は嫁じゃねーし^^;』とぶつくさ言いながらも琴音っちはさらっと飯をつくりやがります。

 私もその彼女が作ったご飯食べちゃったり・・・w

 なんだかんだで仲が良い先輩たちうらやましいですう。

 

 でもMにも限界があるよ!

 兄妹のほのぼの見に来たんじゃねーよ(いつもより夕実ちゃん言葉悪いです)

 と言うことで攻めます

『先輩、や、休みの日とか・・・どこか行きませんか^^』と。

 するとーーー

『お、いいねえ~^^ 年度末で忙しかったからどこかパーッと息抜きに行きたいね夕実ちゃん^^』

 だって(*´д‘*)

 

『琴音~、どこかいいとこないか?』

『あるよ~いいとこ^^』

 なんで妹に聞く^^;

 

『いいとこってどこらへんだ?琴音』

『んっとねー、アプトの道

『アプトの道?ああ~群馬の旧碓氷線か~って昔行ったじゃん!琴音と夕実ちゃんは二回行ってるだろ?確か^^;』

 そう。先輩とは一回。琴音っちとは二回行ってる私だった。

 

『実はっすね、火災で営業中止していたアプトの道の峠の湯が去年の末からリニューアルオープンしたんすよマジで^^ だから温泉も兼ねてどうかなあ~って思ったんす^^』

『温泉か!いいなあ~(*´д‘*) じゃあ決定な☆

 

 ・・・と言うことで先輩のお休みに合わせて群馬県は横川のアプトの道への再々訪と相成ったのでありますです(私の意見は・・・)

 第840話、アプトの道リベンジリベンジ編。

 私こと石廊崎夕実視点でお話をお送りしますですうー^^

第840話碓氷アプトの道リベンジリベンジ編①夕実ちゃん・煉瓦刻印2.jpg 

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『琴音。どうせ温泉が目的じゃないんだろ?w』

 

 ある3月の某日。私たち3人は群馬県へと向かったのですう(ルカちゃんはインフルエンザでお休みです^^;)

 朝から行楽気分全開なのだけど、先輩は琴音っちを問いただすのであった。

 

『もちろん温泉のリベンジしたいってのもあるっすよ^^ あと、峠の釜めしを前回は食いっぱぐれてるんで、それのリベンジでもあるっす。

 でも一番やりたいことはーーー

 旧碓氷線(現・アプトの道遊歩道)のトンネル群に数多く使われたはずの日本煉瓦㈱の煉瓦刻印を探しに行きたいってのが本命っす^^

 4号トンネルには日本煉瓦㈱の刻印があるのは有名なんすけど、そこしか日本煉瓦㈱の製品である証明が無いのが不思議でしょうがなかったんすよ^^

 途中にある重要文化財の丸山変電所跡も日本煉瓦㈱の煉瓦ちゃんって言われてるけれど刻印と言う証明がないんすよ。

 だから望遠やマクロを使って徹底的に調べたいってのが目的っす(*´д‘*)』

 やっぱり琴音っちの本命は煉瓦の刻印のようだ^^;

 

『でもアテがあるのか?琴音^^;』

『自信はないけど二度の訪問で気になってたポイントがいくつかあるんすよ^^ 日本煉瓦㈱の刻印見つけたら私、

 横浜で会った元日本煉瓦㈱で働いていたオジサマに報告したいんすよ(*´д‘*)』

 

 そう言えばそんなオジサマにも会いましたですね^^

 たしか『渋沢先生はねえ~』と自分の務めあげた日本煉瓦㈱の創業者である渋沢栄一を『先生』と尊敬される素敵な方でしたですう^^

 画して私たちは高崎駅から信越本線に乗り換え、一路『横川駅』へと向かいました^^ 

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 草加市から約3時間ちょっと。

 群馬県は横川駅へと到着ですう^^

『3時間って遠く感じるけど、飲んでるとあっという間だなw』と笑う先輩。

『そうっすよね~w』と返す琴音っち。

 私は飲むことよりも先輩とおしゃべりしてたらあっという間の3時間でしたよ^^

 

 さて、真っすぐ駅舎から出るのかと思いきや、菅原兄妹はそうはいかない。

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 ホームの花壇でしょうか?

 何も植わってないその木箱のプランター?にポツンと入ってる煉瓦を目ざとく見つけ

『なあ~お兄ちゃん。この煉瓦の表面、ちりめん皺だから古い煉瓦だよね^^』

『そうだな。明治初期の機械整形の煉瓦だと思うぞ^^』と、煉瓦談議に花が咲いていた・・・。

 最近はなんとなくわかってきたけれど、

 それでもあんたらの会話はマニアック過ぎですうw

 

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 さて久しぶりに横川駅とご対面ですう^^

 でもこの後どうするのかなあ?

 前回も前々回も、この先に続くアプトの道を登って、熊の平と言うところまで行ったら帰ってくるって感じでしたが今回もそうなのかな???

 今日の道程を伺おうかと思っていたら、先輩たちは駅前をブラブラし始めたのですう。

 

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 駅舎の目の前にある、峠の釜めしで有名な『おぎのや』さんの手前を指さして『うーん』と唸る二人。

『どうかしたですか?』と割り込んで聞いてみると

『ああ夕実ちゃん。このギザギザの側溝の蓋を見てごらんよ^^ これは昔このアプトの道(旧・碓氷線)に使われていた

 アプト式ラックレールの再利用なんだよ~^^』だって。

 なんでも昔は急こう配の碓氷線を列車が登る際に、普通のレール以外にこのラックレールをかませて力強く駆け上がってたそうです。

 ここ以外にも再利用されてるから探してみるのも面白いって琴音っち談です^^;

 

 再利用のラックレールに気が済んだのか菅原兄妹は立ち上がり、

 今度はアプトの道の起点には向かわずに高崎方面へと歩き出した(え?なんでそっち行くの?)

 駅舎の横の細い路地を抜けた先はーーー

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 一番線ホームの更に外にある引き込み線と並列して続く小道。道との間は側溝なのか何なのか分かりませんが、

 ずーっと側溝が続いてましたです(琴音っちの受け売り)

 ふとここで先輩が道端の煉瓦片を拾い上げて琴音っちに見せるのです。

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『おい琴音。この煉瓦の端っこに、うっすらと刻印ぽいのあるぞ^^』と。

『ぐは!マジっすか!これって分かりにくいけどたぶん日本煉瓦㈱の上敷免製の刻印っすよね(*´д‘*)』と、それを見た琴音っちは大歓喜☆

 

 ちなみ日本煉瓦製造㈱さんの『上敷免製の刻印』ってのはこちら↓

日本煉瓦㈱上敷免製煉瓦刻印.jpg

 これは琴音っちがいつも身に着けてる煉瓦のネックレスなんだけど、

『楕円に上敷免製』が日本煉瓦製造㈱さんの明治期から大正期の主流の煉瓦刻印なんだそうですう^^

 思わぬ寄り道での発見に、私も一応喜んで見せた(だってそこまで興味ないものw)

 

 駅舎周りの煉瓦片探しに没頭した菅原兄妹は、ようやくアプトの道へと歩みを進めてくれた。

 進めてくれたんだけど・・・

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『矢の沢橋』と言う駅舎の前を横切る小川で再び立ち止まってしまうのですう^^;

 そして小川へと続く石段へと二人とも降りてっちゃった・・・

 私も仕方がなく追いかけるように川面へ。

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 ここで私は気付く。

 目の前に現れた小川を囲むレンガ壁の色合いの濃紺に。

 明らかに上の部分は新しい。

 でもそれを支える下の部分はかなり古めかしいことに。

『ねえ先輩。この下の部分の煉瓦って古そうですね^^』と声をかけると、

 嬉しそうに菅原兄妹は振り返った(むしろ待ってました顔ですう^^;)

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『そう、夕実ちゃんが気付いた通り、ここの下部の煉瓦はめっちゃ古いんだよ^^

 元々は横川駅からアプトの道(旧・碓氷線)へと続いていた橋梁跡でもあるんだ^^』と先輩。

 

『フヒヒ・・・この橋梁跡も日本煉瓦製造㈱さんの明治期の煉瓦仕様らしいんすよ夕実っち^^ っつーことで、ちょっと刻印探ししようかなあ~ってお兄ちゃんと相談してたとこっすw』

 またもやここで刻印探しが勃発^^;

 ただし、刻印のありそうな平(煉瓦で一番面積の大きい部位)が露出してるところが少なく、

 結局は探し出せなかったようですう^^;

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 その後は横川駅の駐車場も元々は駅のホームだったんだよとか色々とレクチャーされてしまいました^^;

 で、

 中々アプトの道(旧・碓氷線)に進もうとしない菅原兄妹にしびれを切らした私は聞いたのですう。

『えっと・・・そろそろアプトの道に行きませんでしょうか^^;』と。

 

 すると先輩はーーー

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『じゃあ~熊の平までタクシーで行って、そこから歩いて戻ってこようぜ^^』と、琴音っちに同意を求めたのです。

『そうっすね^^ 私的には軽井沢駅から旧碓氷線を辿って横川駅まで歩いてみるのもいいかと思ってたけど時間短縮大歓迎っす^^

 で、お兄ちゃんがタクシー代だしてくれるの?』

『ああ~こんのくらいならかまわんぞ^^ じゃあ~タクシー会社に連絡すっぺ^^』

 そう言うなり先輩はタクシー会社に電話してましたですう。

 どうやらアプトの道(旧・碓氷線)の横川~軽井沢区間の丁度真ん中である『熊の平駐車場(元、熊の平駅)』までタクシーで向かって、そこから横川駅まで歩いて戻ってくるプランのようです^^

 

 内心・・・ちょっとホッとした私。

 だって・・・横川から熊の平の往復でも4時間は掛かりますからね^^;

 琴音っちが言ってた軽井沢~横川なんてとんでもない距離ですうw

 タクシーでのショートカットに素直に喜んだ。

横川~熊の平.jpg

(ちなみにアプトの道(旧・碓氷線)は並行して18号線(中山道)が通ってます^^)

 

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 中々やってこないタクシーを待つ間、私たちは自販機のホット飲料で暖を取って待っていた(3月初頭だし寒い!)

 なんでもタクシーは横川駅に常駐してないらしい・・・のです^^;

 隣の駅が営業所らしくて15分から20分は待たされるとのこと^^;

 

 待つこと20分くらいでようやくタクシーが来てくれましたです(*´д‘*)

 タクシーのオジサマはサービス精神豊富で熊の平駐車場までの道程の間中、

 ずーっと『ここは行くべき!』『ここは昔○○だったんですよ~^^』とたくさん私たちにガイドさんしてくれましたです(*´д‘*)アリガトウゴザイマス

 

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 そしてやってきました『アプトの道中間点熊の平駅』

 てっきりさっそくここからアプトの道へと上ってUターンするのかと思いきや、そうじゃなかったのです。

 

『ねえねえお兄ちゃん。私・・・ちょっと熊の平駅跡より先もちょっと見てみたいんだけど・・・』と琴音っちが先輩に甘えるのです^^;

 アプトの道ってのは今現在、熊の平駅跡までしか遊歩道として整備されてないのですう。

 そこから軽井沢駅までは未整備で立ち入ることが出来ないと聞いてたんだけどーーー

 

『まあ~俺も興味あるし少しくらいならいいぞ^^』と先輩。

『うきゃっほ☆』とはしゃぐ琴音っち。

 ・・・かくして、ちょっとだけ熊の平駅跡の向こう側へとお散歩することになったとですう・・・(歩く距離長くなっちゃうよお^^;)

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熊の平から軽井沢方面へ.jpg

 未整備のトンネルを抜けることが出来たならめちゃくちゃ近いのに、

 旧中山道(国道18号線)を蛇行して、熊の平駅跡から続くトンネルの軽井沢方面の入り口にやってきました^^;

 

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 中を覗くと向こうに懐かしい景色が見えた(トンネル通れれば、恐らく2~3分なのに、国道歩くと16~7分かかるんだもんなあー^^;)

 さてこれで充分満足したでしょ?と思いきや、

 またもや琴音っちが先輩にゴロニャンと甘えだす・・・

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『碓氷線の旧線と新線(新線と言っても廃線です)を間近で見たいっすオニイサマ(*´д‘*)』と、ほざきやがりましたです^^;

 勿論先輩も興味あるので『OKだ!』と結局行くことに・・・

 

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 トラロープ(立ち入り禁止ロープ)から覗き込む旧碓氷線たち。

 ちょっと整備すればすぐにでも軽井沢駅まで普通に通れそうです。

 しかもあんまり煉瓦煉瓦してないのですね~^^

 

 菅原兄妹が言うには、

『明治26年に開通した旧碓氷線も時代の波に飲まれて昭和41年に複線化。平成9年には並行する長野新幹線の開業によって幕を閉じたこの路線。

 熊の平駅近辺からは旧線を改良して軽井沢駅までの複線の新線ルートを造ったそうなので新しくも見えるかもね^^』だそうです^^

 でも『今でも昔の痕跡は残ってるんだよ^^』とも先輩は言うのです。

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 菅原先輩に言われるがままついていった先は、新線跡のコンクリートの橋梁の下でした。

 意外とあちこちに残る旧線時代の煉瓦片たち。

 そのどれもが100年をユウに超える煉瓦なんだそうですう。

 でもこの新しくも見えるコンクリートの橋もレールも今は使われてないんですよね。

『地味な場所だけど、一番この碓氷線の歴史を物語る場所じゃないかな^^』

 煉瓦もコンクリも集約する熊の平のこのポイント。

 歴史を思うと少し切なくなる場所でしたです。

 

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 さて、ようやくアプトの道のリベンジリベンジ編でしょうかw

『軽井沢駅までの未整理区間をもっと見てみたいっす(*´д‘*)』と駄々をこねる琴音っちをなだめて、

 今回の旅のスタートラインである熊の平駐車場まで戻ってきたのですう^^;

 

 アプトの道への階段も随分と綺麗になりましたです^^

 すると階段脇に急にしゃがみ込む菅原兄妹。

 何を見ているかと言うと・・・

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『うは!なにこれw バリバリ上敷免製の刻印じゃんかお(*´д`*)』

『おい琴音。昔来た時にはこんなの無かったよな^^; 誰かの悪戯じゃないかw』

 何といきなり煉瓦の刻印が転がっていたようですう^^;

 とは言えヤラセ?演出?かと思うくらいあからさまに堂々と階段の横に置いてあったのが謎だそうです。

(確かに煉瓦片は山肌とかそこかしこに散らばってはいる。でも前回も前々回もこんな煉瓦片は無かった気がするんですよね^^;)

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 さてやってきました久しぶりの熊の平駅ですう^^

 いつだったかカモシカさん(雌)に出会ったのが懐かしく思いますね☆

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 熊の平変電所跡はいつ見ても不気味ですう・・・^^;

 

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 熊の平駅跡のホームには竣工年や施工者さんの名前が刻まれたプレートがありましたです^^

 

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『おぎのやの釜めしの容器を捨ててく不逞の輩がいるのか・・・』

『マジ許せないっす^^;』

 アプトの道にはゴミ箱がありませんです。

 自分で買ったもの、食べたものは最後まで面倒見てほしいですね^^;

 

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 さて、ここから横川駅まで徒歩で戻るわけなのですが、

 ここで琴音っちがみんなにパンフレットの地図を見せて、いくつかチェックポイントを指さすのです。

 

熊の平~碓氷第3橋梁.jpg

『えっとっすね~今からとりあえずめがね橋を目指すんすが、そこまでの間に煉瓦の刻印が見れるポイントがあるんすよ^^

 まずは9号トンネルを出た先にある碓氷第6橋梁。ここポイントなのでヨロシクっす☆』

 えっと・・・9号?第6?

 トンネルの数と橋梁の数が必ずもシンクロしないので覚えておくのも大変ですう^^;

 

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 とは言えさっそく参りましょうです^^

 手前の第10トンネルに入ると吹き抜ける風がとても寒かった・・・^^;

 

 そして最初のトンネルを抜けた先で、今度は菅原先輩が遊歩道脇の煉瓦を拾い上げて大きな声を上げたのです。

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『おっと!煉瓦刻印発見だぞ琴音^^』

『え?どれどれーーーって、ええ!? なんで大十字の刻印がこんなとこに???』

 どうやら刻印を見つけたことよりも、なぜこの刻印がここに存在するのかに琴音っちは驚いているみたい。

 

 私と菅原先輩は琴音っちにその理由を聞いてみる。

『アプトの道には何種類か煉瓦の刻印が発見されてるんすけど、この大きい十字の刻印は第一トンネルの入り口の上部でしか見られてない刻印なんすよ^^;

 それがまたなんで第10トンネル付近にあるのか・・・』

 

 ちなみに琴音っちの補足説明だと

 この大十字の刻印はどこの工場の刻印かは判明してないとのこと。

 また、先輩が言うには

『旧碓氷線に使われた煉瓦は群馬方面では日本煉瓦製造㈱が大半で、残りは埼玉県川口市の煉瓦工場で焼かれた物。

 長野方面で使用された煉瓦などは軽井沢あたりに煉瓦工場を造って生産したもの』なんだそうですう。

 その煉瓦たちの使われ方も分かってないみたい。

 区間で割り当てられたのか、トンネル一個一個単位だったのか、橋梁とトンネルが同煉瓦工場製なのか、

 もしくは区別なくごちゃまぜに煉瓦が使われていたのかーーー

 私たちは色々議論しながらも次の第6橋梁へと向かいましたです^^

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 トンネルを二つ抜けてやってきたのは第6橋梁ですう^^

 この橋に煉瓦刻印があるの???

 一体どこに刻印があるのかなあとキョロキョロしていると、

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『夕実っちい。この煉瓦の欄干に刻印があるんすよ~^^』と琴音っちが教えてくれたw

 本来なら欄干の上には笠石と言うかモルタルで塗り固められていて煉瓦の表面は見えないのですが、

 この第6橋梁の一部はモルタルが欠落していたのですう。

 

 早速、みんなでのぞき込むとーーー

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『わきゃ!? 漢数字の二があったですう^^』

 

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『こっちはカタカナのイっすねえ(*´д`*)』

 

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『おい琴音。この小さな十字の傷も刻印か???』

 確かに先輩が言うように傷にも見えた。横には小さくカタカナのハにも見えなくもないけどどうなんだろ?

 

 ん?

 あれ?

 私、この傷を前にも見たことがあるような???

『ねえねえ琴音っち。私、どこかでこの小さな十字の傷を見たことあるような気がするです^^』

『気付いた?気づいちゃった?夕実っち^^ そうなんすよ。実は私と夕実っちはこれとまったく同じものをアプトの道で見てるんすよ☆』

『え~?どこで見たんだ???琴音^^;』

『うん、これとまったく同じ傷を見たのはアプトの道第2橋梁の真下に散乱する煉瓦片っす^^』

 

 ・・・ああそうだ。思い出した!

 確か二度目の訪問で第2橋梁の下でこれと同じ傷を何個も見た!

 

『あの時は傷かなあと思ってたっすけど、これで私たちが見た傷はほぼ刻印ってことになりそうっすね^^

 で、刻印と確定したのは非常に喜ばしいんすけど、これで不確定要素も出てきちゃった^^;

 だって、第2橋梁でしか存在しないと思ってた刻印が第6橋梁にもあるんだからw』

 ますますわからなくなってきましたです^^;

 もしかしたらば各煉瓦工場の煉瓦がごちゃまぜに使用されたのが有力なのかな???

 

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 菅原先輩はこの第6橋梁の欄干と橋梁の煉瓦の色の違いも含めて考察してました。

『元々の橋梁土台部位や基礎は同一会社のもので、欄干部位や補修工事には別会社の煉瓦とかじゃね?』とか、

『そもそもこの刻印達は日本煉瓦製造㈱の刻印じゃなさそうだし、装飾部位とか欄干とか細かい部位はよその煉瓦会社の製品なのかも^^;』とかね。

『私たちの知識じゃ限度があるっすけど、でも謎も可能性も見えてきた気がして楽しいっす(*´д`*)』

 謎が深まるばかりなのに彼女はワクワク顔をする。

 そんな彼女の性格嫌いじゃない私^^ むしろ憧れるのです。

 

 

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 そして第6トンネルの出口付近までやってきた私たち。

 向こうに見えるは、このアプトの道で一番有名なめがね橋ですね!(*´д`*)

 私は久しぶりのめがね橋との再会に胸を躍らせるのでした。

 

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『あれ? えっと・・・菅原先輩?琴音っち? なんでじっくりめがね橋見ないでスタスタ通り過ぎちゃうですか?

 国道まで降りてその雄姿を見上げないの???』

『『だって刻印見れそうなとこ無いんだもん』』

 なんでだーw

 せっかくここまで来たのにじっくりも見ないのかよ菅原兄妹w

 日本最大の煉瓦造りのアーチ橋で重文なのにスルーなのかーw

 見どころが別だとこうも違うものなのですねえ^^;

 私は後ろ髪を引かれる思いで先行く菅原兄妹を追いかけた・・・

 

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 次にやってきたのは第4トンネルですう^^

 ここは刻印マニアさんなら超有名どころですね☆

 

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 トンネルの至る所にひし形の煉瓦刻印を見て取れる場所です。

 これは日本煉瓦製造㈱さんの社章を模した煉瓦刻印さんですね^^

 私もなんだかんだで覚えましたよw

 そんな有名どころなのに菅原兄妹はほとんどスルー気味で通過していましたです^^;

 もはや、彼らにはそこまで見るべきものじゃないのでしょうね。

 

 さてココに来て再び琴音っちがパンフレットを広げるのです。

碓氷湖~第一隧道.jpg

『ここからはアプトの道じゃなくって、並行して走ってる国道18号線を歩くっすよ^^』

『なぜだ琴音?』

『うん。実は前々から煉瓦刻印がありそうだなあ~と思ってた場所があるんだけどお~、

 そこはアプトの道を進むよりも国道18号線から見下ろした方が都合がいいと思ったからなんだあ~(*´д`*)』

 

 アプトの道と並行して続く国道18号線(中山道)は、この第3号トンネルあたりからアプトの道の上を進む感じになっているのです。

 上から見下ろすと何が見えてくるのか? ちょっと気になったです。

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 国道18号線に駆け上がった私たちは琴音っちを先頭にアプトの道を見下ろしながら進むことになりましたです。

 そして『ここっす!この第2トンネルの入り口っす!』と指をさした。

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 やってきたのはアプトの道第2トンネルの横川方面口。その上部の裏手部位ですう。

 

 あらら?

 アプトの道を素直に歩いていた時は気付かなかったですが、

 琴音っちの好きそうな煉瓦の表面がむき出しなのが私でもわかっちゃったのですうw

『お前・・・よく気付いたなこんなとこ^^;』と菅原先輩が言うと

『煉瓦刻印の匂いがプンプンしたんすよw』とおどける琴音っち。

 ちょっと斜面を下ることになるけれど、

 私たちはゆっくりとそこへと降りていくことになったのです^^

 

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 ご対面したトンネル上部の一部は煉瓦の面がむき出しでした。

 と、言いますか・・・モルタルも無くただ積み込んであるだけの不安定な状態・・・。

 手で触ってもグラグラするし、地震でもあったらアプトの道を歩いてる人の頭に落ちてしまいそうで怖いですうー^^;

 

 そんな私の不安をよそに、菅原兄妹は刻印探しに没頭。

 するとビックリするほどそれは存在したのです!

 

 

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『おい琴音! なんか小丸の刻印があんぞ』

 

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『うは!こっちは小三角の刻印あるっす(*´д`*)』

 

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 私が見ても簡単に見つかっちゃうほどたくさん刻印ですう^^

 これも小丸が二つの煉瓦刻印でしょうか?

 

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 一通り煉瓦の面がむき出しの部位を見渡した後、

 琴音っちは足元の煉瓦もモルタルがかぶさることなく表面が露見していることに気付いたのですう。

 どこかのラーメン屋さんの看板やタイヤなんかも捨てられていましたが、

 よーく観察してみるとーーー

 

 

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『うっはwww なにこれw って刻印と・・・♪の刻印っすかねこれ(*´д`*)』

『オレはアプトの道にこんな刻印が存在していたの知らなかったなあ・・・。でかした我が妹様よw』

 どうやら菅原兄妹ですら初見の煉瓦刻印さんとのこと^^

 

 

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 他には目と口にも見える小四角三つの煉瓦刻印なんかもありましたです(これは私が見つけたの♪)

 

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 一通り探しつくした私たちは煉瓦トンネルの翼壁を伝ってアプトの道へと再び降りました。

 普通にアプトの道を歩いていたらば決して見つかることのない煉瓦刻印の発見に菅原兄妹は興奮気味。

 

 そこまで煉瓦刻印に興味がない私でも、宝探しのようだったのでちょっと興奮しちゃったですよ(*´д`*)

 

 

 ここで再び菅原兄妹の考察が始まった。

『お兄ちゃん、ここまでアプトの道の煉瓦刻印を見てきたんだけどさあー

 第4トンネル以外のトンネルや橋梁の装飾部位とか欄干とかって、日本煉瓦製造㈱の刻印ぽい刻印じゃないものばかりだったっすよね^^;』

『そうだな~。一応の定説だと旧碓氷線の煉瓦はトンネルや橋梁部位ごとに各煉瓦会社が担当を請け負ってたってことだったようだが、

 ベース(基礎)は日本煉瓦製造㈱が請け負って、細かい部位とか装飾煉瓦とかは川口市の煉瓦工場(武州川口煉瓦焼き場???)とか他の煉瓦工場が担当したのでは?って思えてきたぞ^^』

『あ~ん・・・かつて存在した川口市の煉瓦工場の刻印が特定できれば答えが見えてくるんすけどね~(*´д`*)』

 

 

 新たな刻印の発見によって、アプトの道の煉瓦の歴史を紐解けそうな入り口に立ってしまったようですね^^

 私はさっぱりわかんないけどねw

 さて、全然動きださずに議論を重ねる菅原兄妹。

 このままじゃ温泉も峠の釜めしも食べれないんですけど^^;

 

 

 そんな動かない状況を一掃してくれたのは

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 私たちの横にふらっと現れて、のんびりと通り過ぎていったお猿さんでした(*´д`*)

『うっはw さるー(*´д`*) さるがいりゅー(*´д`*)』

『間近でサル見んの久しぶりだな(*´д`*) ケツ掻いてんぞw』

 話題が一気にお猿さんへシフト移動。

 堅苦しい煉瓦の話も中断して、お猿さんにみんな夢中になってましたよ(*´д`*)ワタシモネー

 さて、この後は温泉リベンジに釜めしリベンジが待っているのですがーーー

 

 煉瓦にも大きなリベンジがあったのは次のお話しってことで、次回に続くのですう^^

 

ちょいのり・フィーバー・サザエさん.jpgここまで読んでくださりありがとうございました(*´д`*)

 今回は・・・いつも以上にマニアック過ぎだしガチだからつまらないかもしれないけれど、

 割と結構な発見じゃないのかなあ~とも思ってます^^

 

ちょいのり・サザエさんver1.jpgさて次回はアプトの道後半戦。

 温泉と釜めしのリベンジなるか?の話です^^

 当然、煉瓦の話も出てくるのだがーーー

 重要文化財の歴史を証明する貴重な発見をしてきたよ(*´д`*)

 恐らくネット上にも研究者さんの調査でも存在しない発見だったんじゃないかな?

 気になる方は是非どうぞ^^

 それではまた今度お会いいたしましょうず☆

 

 


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コメント 24

YUTAじい

おはようございます。
もの凄い探究心に脱帽です・・・世紀の大発見も楽しみにしています。
by YUTAじい (2016-03-31 06:37) 

suzuran6

横川の保存車両を見ているだけで半日以上かかってしまうんですよね・・・
でも、ここをアプト式の機関車に牽かれた、大阪・上野↔青森の特急「白鳥」が走っていたと考えるとワクワクsityauデすぅ~
by suzuran6 (2016-03-31 07:01) 

さる1号

刻印に♪マークまであるとは @@)
横川、のんびりと鉄観光してみたい、めがね橋も歩いてみたいと思いながら・・・何時もバイクで走り抜けてしまいます^^;
by さる1号 (2016-03-31 08:11) 

馬爺

おはようございます。
西に東にと煉瓦求めての旅熱心ですね、釜飯峠も懐かしい響きだけが残っております。

by 馬爺 (2016-03-31 08:25) 

ニッキー

刻印って見つかると宝探しみたいで本当に嬉しくなりますよねぇ^^
って、ど素人の私にはなかなか見つかりませんが(^_^;)
横川、のんびり散策してみたいです(^.^)
by ニッキー (2016-03-31 08:45) 

ソニックマイヅル

峠の釜めしが気になります。そして、クマの出没の告知・・・これはマジ?!って思いますよね!^^;汗
by ソニックマイヅル (2016-03-31 09:07) 

ワンモア

うはっ刻印のメッカですね、ここ。
サルまでいるとは(笑)。
風情があっていい所だなぁ(*´∀`*)
by ワンモア (2016-03-31 09:25) 

路渡カッパ

今週末、宇治駐屯地の桜祭りに行ってみるつもりです。
ちょっと面白そうな煉瓦建造物もあるようなので・・・♪
by 路渡カッパ (2016-03-31 10:59) 

みぃにゃん

お猿さんがいるとは歴史ある煉瓦や刻印が沢山ありますね!
by みぃにゃん (2016-03-31 20:29) 

Hide

こんばんは!毎回凄い発見ですね。大十字の刻印が
どうも気になりますが、次回はこの件でリベンジが?
楽しみにしてますね・・・ご苦労様です。
by Hide (2016-03-31 21:38) 

johncomeback

GWに新車でお出かけする予定です。
僕的には「アプトの道」に行きたいのですが、
相方が同意してくれるかなぁ(-_-;ウーン
by johncomeback (2016-03-31 21:42) 

くまら

おぎのやの釜めしの容器は、実家にいる頃のおいらの飯椀でした^^
by くまら (2016-03-31 22:23) 

サンダーソニア

お猿さん 大人になってない感じですね。
by サンダーソニア (2016-03-31 23:19) 

みずき

うわっ、サルが普通にいるんですね。
驚きました。熊じゃなくて良かった・・・
釜飯の容器を持って帰るのは確かに
重そうですが、それも想い出ですよね^^
by みずき (2016-03-31 23:19) 

えーちゃん

熊には出会わなかったのか(^^;
by えーちゃん (2016-04-01 01:19) 

リラクシード

猿が出てくるほど山奥なんですね(゜o゜)
次も楽しみにしています♪
by リラクシード (2016-04-01 03:20) 

駅員3

盛りだくさんの成果ですね。
なんと大発見?
次が楽しみ。
次回の研究会で、早速報告会開きましょう(^_-)/
by 駅員3 (2016-04-01 07:55) 

まめ

ここまで熱心に探しまくってたものを整理したら
立派な本が出版できちゃったり?
by まめ (2016-04-01 12:37) 

gen

もうここまでくると煉瓦のプロですね。
by gen (2016-04-01 12:55) 

NO14Ruggerman

次回の貴重な発見が待ち遠しいです、
by NO14Ruggerman (2016-04-01 16:11) 

美美

こんなに刻印が見つかるものなんですか~
釜めし期待したんですが次回ですか(笑)
お猿さんもこの場所は指定席なんでしょうかね。
by 美美 (2016-04-01 18:36) 

ぼんさん

新幹線が出来る前にの信越本線にはかなりのりました。機会があれば訪れて見たいです(^^)
by ぼんさん (2016-04-02 09:44) 

まこ

ずいぶん綺麗に整備されているんですねぇ~
めがね橋、下から見たいな♬
熊じゃなくても猿も引っ掻くから
気を付けてね((+_+))
by まこ (2016-04-04 23:43) 

sakamono

レンガの刻印、大漁でしたねー。見ていて、なんか嬉しい。
もちろん釜飯と温泉のリベンジにも期待しています^^;。
by sakamono (2016-04-05 00:06) 

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