第857話 利根川煉瓦ものがたりっ!フレンドリーパーク下総編!『130年ぶりの煉瓦の里帰り!?』源田河岸跡・フレンドリーパーク下総・犬吠埼燈台の煉瓦ほか [廃村さーくる2(煉瓦工場探索)]
『わきゃ?煉瓦の里帰り?それってどういうことですか???』
琴音っちに聞きなおすと簡単に教えてくれた。
犬吠埼燈台の煉瓦の一部が、煉瓦を焼いたとされる下総地区高岡の資料館へと寄贈されたとのこと。
その実130年ぶりの里帰り・・・びっくりですね^^
ではでは時間も押してるとのことでさっさと滑河駅方面まで歩っちゃいましょうです。
第857話、引き続き私こと石廊崎夕実視点でお話は進みますです~(*´д`*)
ちなみに元々安西地区あたりに煉瓦工場があったらしいってことで河川敷まで出向いてみたところ、特に何もありませんでした^^;
琴音っち曰く『かつて利根川流域に存在した煉瓦工場や河岸は利根川の底になっちゃってるんすよね~^^』ってことらしい。
えっと・・・それって煉瓦工場跡を探りに来た私たちの目的全否定じゃん^^;
そう琴音っちに抗議すると、
『私最初に言ったよ?探すじゃなく歩ってみたいって^^』だってさー^^;(前記事冒頭で言ってます)
そんなん言葉のあやじゃんかー。
まあ・・・気を取り直して進みましょう。
ここからは一旦堤防から降りて地区の中を散策しましたよ^^
わきゃ?川も無いのに石橋がありました^^
『ねえねえお兄ちゃん、なんて書いてあるんすかね?』
『よ・・・読めねえ・・・^^;』
『わきゃ~!こっちは読めますです。新川橋って書いてあるですね^^』
後で琴音っちが調べたところ、昭和8年5月竣工のコンクリ橋なんだそうですう。
現在の新川はすぐ横です。整備されたときに元々の川は埋められて橋だけが残ったみたいですね^^
地区の中を歩いて行くと、瓦屋さんなんかもちょくちょく出くわしました。
元々この安西地区を含め利根川流域は瓦業を営む方たちが多く、煉瓦業に鞍替えした方たちもまた多かったそうですね^^
さて再び利根川の土手沿いに進みますです^^
ここで『はいガソリンっす(*´д`*) みんな頑張ろうね☆』と、琴音っちに缶チューハイを手渡された私たち^^;
少しぬるいけれど美味しかったですう。
利根川から吹き上げる心地よい風に吹かれつつ、土手をのんびりお散歩です^^
そして向こうに大きな橋が見えて来たところで琴音っちが河川敷を指さしたのです。
『あの大きな橋のある付近が元々源田河岸(もしくは原太)って言う犬吠埼燈台の煉瓦を焼いた煉瓦工場があったとされる場所らしいんすよ^^
じゃあ~いつもの今昔マップさんを見てみようっす皆^^』
そう言って琴音っちはスマフォの画面を開いたのです。
これは明治大正後期のここらへんの地図っす^^
そしてこれが↓、現在の利根川の流路を重ねたものっす』
『わきゃ!目の前の河川敷の半分は利根川になっちゃってるですう(゚д゚)!』
『これじゃ~工場跡探すどうのこうのじゃねーな~琴音よw』
『そうなんすよね^^ ちなみに明治初期に造られた工場は明治初期で役目を終えてるので、この明治大正後期の地図には煉瓦工場の記号も記されてないっす^^』
さて常総大橋ってとこまで歩いてきましたです。
彼女曰く『この常総大橋の手前側じゃなくって、こっちの下流側の河川敷に煉瓦場があったんじゃないかなあ~^^』とのこと。
古い地図だと上流部は猿山と書いてあり、下流部が高岡。
詳しくは分からなかったそうですが、この近隣なのは間違いがないようですね^^
さてここで再び琴音っちからの提示がありましたです。
先輩と共に彼女のスマフォをのぞき込むとーーー
またもや広報なりたでしたw
『いやあ~だってこの広報誌は便利っすよw 結構詳しく成田市の煉瓦のこと書いてあるっすからね(*'ω'*)
で、この広報なりたには、この成田市高岡にあるフレンドリーパーク下総の資料館に里帰りした煉瓦ちゃんがあるって書いてあるんすよ^^
っつーことで早速行きやすぜ(*´д`*)』
まだ歩くのかーと思いましたが、もうそこまで遠くないらしい。
ではでは行きましょうです^^
土手を下り真っすぐに地区内へとやってくると、水路らしきものが見えてきましたです。
彼女曰く『この猿山と高岡の間を流れる境川は、かつて水運として使われていたんだと思うっす^^
かつてはって言うのは、今はところどころ暗渠になってて船が利根川まで出られないっすからねw』
歩いてみると運河みたいな場所がいくつも。
お堀に囲まれた弁財天さまもありましたです^^
(明治以前は高岡藩井上氏の陣屋の外堀だったかもです)
さてさてようやくフレンドリーパーク下総まで到着ですう^^
運動公園や市役所のあるこの施設内の端っこに資料館があるそうです(まだ歩くのか!)
まるでお城跡だったんじゃないのかと思うくらい結構な起伏。
途中、つり橋を渡ると目の前に見えてきましたよ!
やっとゴールと思い先輩と共にせかせかと近づくとーーー
『『おおーい!休館日じゃねーか!』』(-_-;(-_-;)
『まあまあ心配しないでよお兄ちゃん・夕実っち^^ 私たちの目的は資料館じゃないっすから^^
ほら、すぐ脇にあるよ!』
そう彼女に促され、この施設をキョロキョロと探し出す私と先輩。
『このポンプ車みたいなやつか!琴音』
『それじゃないし!』
『ああわかっちゃったですよ琴音っち!この機械のオブジェみたいなのでしょう(*´д`*)』
『そういうボケはいいからw
私たちが目指した物それは!
この資料館脇に転がってる煉瓦ちゃんなのだ(*´д`*)
これこそズバリ、犬吠埼灯台から130年ぶりに里帰りした煉瓦ちゃんなんすよ~(*´д`*)』
『ほ~なるほどな。わざわざコレを見るためにここまで来たのかw なあ~でも琴音よう、灯台に使われていたならばこんなにカクカクしてなくねーか?
どちらかというともっと流線形じゃないと^^;』
『いい質問っすお兄ちゃん。たぶんこれは燈台の基礎部か附属する官舎の建材の一部だと思うよ^^』
そして彼女は饒舌に犬吠埼燈台と高岡について語り出しましたです^^
『千葉県銚子市の犬吠埼に燈台が建てられたのは1874年(明治7年)でございやす^^
日本の洋式灯台としてはそこまで初期の物ではないっすけれど、煉瓦燈台とすると屈指の高さを誇る燈台でもあります(第2位)
さて、灯台と言ったらブラントンさんってくらい、明治の洋式灯台は彼にお世話になったとです。
ここも当然ブラントンさんが関わってくるんすが・・・
使用する建材。つまりは煉瓦ちゃんをどうするかでブラントンさんと日本の技師はもめたんです。
その人とは中沢孝政さんと言う内務省の土木技師さんでした。
日本の煉瓦はまだ未熟ってことでブラントンさんは輸入煉瓦を使いたかったんすが、
良い煉瓦土探して来っからちょっと待ってろよ!と中沢さんに言われ、
彼は見事立派な土をゲットし、19万3000余の上質な煉瓦を焼きあげたんす^^
ブラントンさんが『うむこれなら!』と納得したのも頷けると思いますぜ?
だって大規模な補修なく130年もの間堅牢な燈台がそこにあるんすからね^^
二人の技師のプライドの結晶が犬吠埼煉瓦燈台なんす(*´д`*)
そして煉瓦ちゃんの土とその煉瓦が採取され焼かれたのがこの高岡の源田河岸なわけっす^^』
いやあ~琴音っちが煉瓦にドはまりしてるのは重々承知でしたけど、随分と調べ込んだものですね^^
そういうとこだけは尊敬しちゃうかもですうw
うんうんと感心している私。
でも先輩はどうやら違ったようでーーー
『なあ琴音よ。歴史背景は分かった。うん、よくわかったぞ^^
でもお前が本当に気になってるのはーーー煉瓦の刻印の有無だろ?w』
『さすが兄ちゃんw 痛いとこつくねーw
そう、私はズバリ煉瓦の刻印が見て見たいの^^
勿論その為なら煉瓦の裏側にある歴史も調べるけれど、
あるのかないのか?見つけられるか見つけられないか?っつーー宝探しみたいな刻印探しが大好きだからね(*´д`*)』
なるほどねー。わかるようなわからないようなですけど^^
ここで一応、私は聞いてみることにした。
『ねえねえ琴音っち。この高岡の煉瓦にも刻印ってあるんですかねえ?』
『うーん・・・刻印と言うか犬吠埼燈台で使用された煉瓦の幾つかには煉瓦の平面が凹っとへこんだ煉瓦なんかがあったらしいんすよ(国立国会図書館調べです!)
でももしかしたら~刻印的な物も残ってるんじゃないかと思ってここまで来たっす^^
じゃあ~皆も付き合ってチョ(*´д`*)
レッツ刻印探しい~☆』
『『あいあいさ~!』』
かくして民俗資料館前に里帰りしてきた犬吠埼燈台の煉瓦ちゃんの調査がスタートですう^^
さて見れる部分と言ったらほんとにちょっとですう^^;
手分けして探すまでもないですよねw
『お兄ちゃんこれは!』
『いや傷だろw』
『おい見て見ろよ琴音、煉瓦の面に小石が混ざってるぞ。利根川の砂利かもしんないな^^』
『刻印じゃないから別にどうでもいいっす^^;』
台座の下に散らばっている煉瓦片なんかも皆で覗き込みましたです^^
琴音っちに至ってはしゃがみこんで裏側まで見ていたけれど^^;
『なあ~琴音。こうやってじっくり見ると、汚れと言うか煤けているようにも見えるな^^』
『なんすかねこれ。焼き過ぎ煉瓦で黒っぽいわけじゃなくって明らかに後から黒くなっちゃったみたいっすね。
灯台で火を焚いて煤けるとかあんのかなあ?』
この時は先輩すらも答えが分かりませんでしたが、
かつての洋式灯台は火を焚いて照らしていたそうです^^
灯台守さんが常駐して、その煤を払ってたんですね☆
だけど、それとコレが直接結びつくのか? それが答えなのか? と言われると分からないって先輩と琴音っちは言ってたけれど。
結局、刻印どころか文献にあった煉瓦の面が凹んだ煉瓦すらも無かったようです^^;
でもーーー
『しょうがないっす^^ 刻印あれば勿論発狂するけど、無いからって発狂しないっすw
簡単に見つかるならそれはツマンナイしね☆』
と、琴音っちは遠くを見て言った。
『ほんとはどうなんですか?うへへへ』と突っ込んだらデコピン喰らったですう(いたあーい^^;)
私・・・あんたの一個上の先輩なんだけどなあw
(でも幼馴染の特権?とでも言いますかね^^;)
さて、この後はどうするのかと疑問に思った私はおでこを擦りつつも彼女に聞いたのです。
『この後? うーん・・・この後は成田駅まで電車で行って、ちょこっと煉瓦遺構を見て帰るつもりっすよ^^』
彼女がそう答えるなり菅原先輩の突っ込みが入った。
『ちょっと時間ギリだけど、成田駅からの帰り道に途中下車するからな!^^;』
ああそうだすっかり忘れてましたですw
妹に見せたいとこがあるって菅原先輩言ってたっけね^^
・・・そこはどんなとこなんでしょうか?
それもとっても気になりますです。
そんなこんなで滑河駅までやってきましたです^^
ここから向かうJR成田駅の近所の煉瓦ってどんなとこ?
そして先輩が途中下車してまで琴音っちに見せたい場所って何なの?
次回、成田市街の煉瓦遺構編ですう~(*´д`*)
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
タイトルバック画像が『かんなみ猫おどり』の使いまわしなのは許してください。
我が地元の祭りのアピールだし番宣(番組宣伝)だかんなw
(※ 次回はキャラを変えて、やっぱり猫おどりの番宣です!)
さて、犬吠埼燈台を形作った煉瓦ちゃんを追い求めてやってきたのは成田市高岡でした^^
正直、130年ぶりの里帰り煉瓦ちゃんが資料館脇に無ければ痕跡と言う痕跡なんて皆無だったわけです。
刻印は無かったけれどそこまでの道中も含めて楽しいお散歩でしたよ☆
今回はそもそもの根幹である犬吠埼燈台へとは行かなかったけれど、当然答え合わせをしに行く予定ですからあしからず^^
では次回はJR成田駅のご近所煉瓦ちゃんです^^
そこで撮影した写真は10数枚。
でも色々と歴史背景膨らませて結局ながーい記事になっちゃうのかなw
(3話構成のつもりでいたけれど、どうやら4話になりそうね^^)
ではではまた今度お会いいたしましょうず(*´д‘*)
もしかして休館でガックリしてたところで、レンガを発見し
ちょいさんが小躍りして喜んでいるのが見えますよ^^;
by kinkin (2016-06-24 05:48)
おはようございます。
どうせなら・・・資料館も見たかったですね。
by YUTAじい (2016-06-24 06:40)
あらあら、今回は灯台に行かなかったんですね。
目的が煉瓦に1点集中ですね。たまには以前のように、
廃墟や離島の記事も読みたいなぁ、と思っている人が多いのでは?
by johncomeback (2016-06-24 07:51)
130年後に里帰りが出来るってスゴイことですよねぇ(@_@;)
成田ではどんなわくわく♪が^m^
by ニッキー (2016-06-24 08:31)
犬吠崎からわざわざ運んできたものなら刻印煉瓦は雨ざらしにしておかないじゃないかな。
by gen (2016-06-24 10:34)
おぉ、連続投稿ですね(^o^)
続きがすぐ読めて嬉しいです。
自分もガソリンいれながら探索したいなぁ。
いつも車だから(;´Д`)
by ワンモア (2016-06-24 12:22)
凄いですね、灯台に使われた煉瓦は193.000枚のようですね。
by 馬爺 (2016-06-24 13:35)
昔の灯台って火を焚いていたんだ・・・
でもどうやって灯台の区別をつけていたのだろう、点滅もできないのに
今日も会津で仕事で、喜多方まで足をのばしたら煉瓦蔵を見つけてキョロキョロ^^
感染したかも・・・・・・--;)
by さる1号 (2016-06-24 19:31)
函南町。そう言えば通っているヨガスクールで提供しているミネラルウォーター。
函南町の会社でした。なんか親しみを感じたりして^^
by orange (2016-06-24 21:29)
休館とは残念です...
by テンポイント (2016-06-24 23:07)
明治時代の灯台やドックをめぐると
いろんな煉瓦に出会えるということですね^^
by みずき (2016-06-24 23:37)
里帰りの煉瓦って、ロマンを感じます。
灯台の光が昔は火を焚いていたとは、
全く知りませんでした(汗)
揺らめく炎に照らされる海面、
それにもロマンを感じるなぁ(加山雄三風…笑)
by 唐津っ子 (2016-06-25 00:10)
利根川から水を引いた運河のような水路が多いんですか
ねぇ、この辺り。水の豊富さを感じさせる風景は、とても
良い感じがします。犬吠埼燈台は、その昔、社員旅行で
行きました^^;。
by sakamono (2016-06-25 00:35)
里帰りの煉瓦ロマンを感じますね
by みぃにゃん (2016-06-25 12:06)
おはようございます。
今日はお出掛けですね・・・。
by YUTAじい (2016-06-26 06:41)
今年もやってきたのね 猫おどり♬(^w^)☆
by 獏 (2016-06-26 09:37)
行ったら閉館・・・幼い子供の頃なんですが、遊園地に2時間半かけて向かって閉園を経験したことがあります。大人でしたらヤケ酒です。^^;
by ソニックマイヅル (2016-06-26 10:03)
昔の灯台は火を焚いてたって驚きやした。
考えると昔の明かりってみんな火でやしたもんね。
by ぼんぼちぼちぼち (2016-06-26 11:04)