第762話 羽村山口軽便鉄道編☆『廃鉄の魅力とは?』狭山湖・多摩湖の水物語♪ [廃村さーくる]
『ヘックション!・・・ぐおおおおお目が痒いよおおお・・・』
私は待ち合わせの場所へ向う途中、目薬を忘れてきたことに気づいた。
これから山へ向うのにガビーン・・・である^^;
とはいえもう時間が無いっす^^;
だって教授さんや先輩方を待たせているのだから・・・
第762話、私こと菅原琴音視点で物語をはじめるっす☆
(※ 非常に長い記事っす。写真も157枚。文章は極力減らしましたが・・・どうなんだろ?^^;)
今回、我が廃村さーくる顧問である教授さん(駅員3さん)主催の廃鉄を辿るイベントに参加させていただきましたっす^^
高幡不動駅に待ち合わせ時間丁度に電車が到着(電車は到着したけれど、待ち合わせに間に合ったなんて一言も言ってない☆)
『す、すみません・・・^^;』とロータリーまで行くと、そこには
『教授さん』『suzuran6さん』『NO14Ruggermanさん』
そしてNO14Ruggermanさんのご友人である『JR君さん』がいらっしゃいましたっす^^
ちなみにJR君さんはホンモノの方とだけお茶を濁しておくっすw
さて今回は9時出発とはいえ時間もありません。
なんせ何市をも跨ぐ大行軍なんですからーーー。
『あっはっは。ではでは参りますぞ!^^』と言う教授さんの合図で教授さんの車にみんな乗り込んだのです。
車中で教授さんから資料を頂く。
『羽村山口軽便鉄道』
裏表総ページ数22ページフルカラーの、どこか出版社に持ち込めば本にしてくれそうな立派な資料集!
勿論、教授さんの手製です。
これには手に取った皆様も驚愕っす☆
いつもいつも本格的なエスコートに感謝の念が堪えないっす^^
(うちの顧問で良かったぁ・・・w)
---さて今回は
このかつて存在していた羽村山口軽便鉄道跡を巡る旅路でヤンス^^
明治~大正期、都下の爆発的な発展による水瓶不足を回避するべく、大規模な水道拡張事業が行われたんす。
その中で東京の奥、埼玉の奥に村山貯水池・山口貯水池が造られました・・・って言っても分かりにくいと思うので簡単に言いますと、
安定した水の供給が欲しいのでダム湖つくっちゃったってことでやんすw
村山貯水池は現・多摩湖。
山口貯水池は現・狭山湖ってことっす^^
多摩川の水を取水→それぞれの人造湖に引き入れ→そこから東京都の上下水道として供給☆
ま、その多摩川から人造湖たちへの導水渠(いわゆるデッカイ水道管)を造らなければいけないってことで、
導水路に沿って『羽村山口軽便鉄道』という砂利や資材の運搬用鉄道が造られたってわけっす^^
今では残ってるものも少ないのですが、その当時の名残りを確かめに皆さんと出向いたってのが今回の目的でやす。
(※ 説明はだいたいあってるはず・・・なんだけど自信はまったく無い☆)
さてその前に、
廃鉄大好きな色濃いメンバーの中に煉瓦好きが一人ってことでえ~(つまり私^^)
教授さんが『煉瓦成分』を私にプレゼントするべく寄り道へ♪
(ありがとうございましゅ!)
玉川上水に掛る『日光橋』に連れて行ってくださったっす^^
実はココ・・・
橋の上からじゃ分からないけれど、煉瓦ちゃんなのです☆
重厚な石造りに見えて、そのくせ橋梁部分は煉瓦先輩!
今回、手持ちのカメラが不具合を連発していたので急遽2万円くらいのデジカメを泣く泣く購入して撮影^^;
た・だ・し!
最大ズーム36倍と、メインカメラ+手持ちの望遠レンズよりもズームアップ画像が撮影可能♪
色調がイマイチかなあ・・・ってとこを除けば充分戦力になりそうっすね^^
さてここでこの橋の名前に不思議に思う私。
思わず『なんで日光橋って名前なんだろ~?』と呟いたら、
教授さんが教えてくれたっす^^
『アッハッハ^^ 琴音君。実はここ八王子から日光までは日光街道が走ってたんですよ^^
八王子と言うのは幕府直轄領で、八王子と日光街道を往復する道筋が整備されていたのだよ^^』
・・・ええ!? そーなんですか!
てっきり昔の街道って日本橋基点だと思っていたからビックリっす。
だから日光橋という名前が付いたりしたのかあ~。
教科書に無い歴史を知るって面白いっすね^^
っつーか、さすが教授さんだw
---さて、煉瓦成分を補給した私達(私だけかw)。
次は『福生河原支線跡』へと向いました^^
福生駅から多摩川へと続く砂利運搬用線跡を辿りつつ私達はブラブラお散歩です^^
矢印が廃鉄跡^^
そして多摩川に出たところでビックリ☆
一見ただの川沿いの土手ですが、人力に寄る『築堤』
しかもこんなチョー狭んまい道幅を電車が走ってたって思うとビックラですぜ!^^
築堤下にはコンクリで塞がれた穴が。
昔の築堤下を通る隧道?カルバート? もしくは排水管の通り道?
ここはあまり資料も残っていないとか。
---さあ、次は
『この羽村山口軽便鉄道を知る上では寄った方がいいですな^^ あっはっは♪』という教授さんに連れられて、
羽村市郷土博物館にやってきたっす^^
来て納得。寄って正解☆
この廃線跡巡りに必要不可欠な『水路の流れと歴史』を知ることとなるっす。
とは言え私が一番キニナッタのはーーー
煉瓦ちゃんの水門っす(レプリカ)
どうやらこの後ホンモノに会えるよ!と教授さんが^^
ちょーワクワクさんなんですけどっ!w
そしてよーやくやってきました^^
羽村山口軽便鉄道の基点へと!(今までのは序章です☆)
現代でも勿論活躍している
『羽村取水口(現・東京都水道局羽村取水堰)』っす^^
玉川上水の水源でもあるっすよ~。
ズームアップすると、今でも木製の堰なんすね!
そして裏側に回りこんでズームアップするとーーーー
当時のまんまの煉瓦堰っす☆
なんだかんだで煉瓦成分またもやゲット♪
名残惜しいですが(私だけ?)次へと進みます。
羽村の取水堰の裏手にある高台にやってきました^^
なんでもこの細い道もかつては軽便が走ったり、導水渠が埋まっていたそうです。
小さな公園になってましたっす^^
桜?にウットリ。
さてここから川沿いに向って見下ろすと面白いものが見えるよアッハッハって教授さんが皆に促がす。
さっそく土手から見下ろす一同。
水道局施設内に小さな小屋の屋根が見えた。
かつてこの小高い段丘と河川の高低差を埋めて運搬するインクラインという施設が存在したそうです。
簡単に説明するとトロッコや列車は坂道は不向きなので、牽引して高低差を行き来してたってことっす^^
公園内の藪に目を向けるとーーー
当時の名残りがまだまだ残っていた。
新しいものではこんなのも存在する↓
『水道用地境界標(杭)』
水道局の管理地はここからここまでですよ~って示す標ですね^^
ここ羽村山口軽便線は、導水路の跡地も利用しているところから、
この杭の存在は、ある意味廃線の道標にもなるのです^^
さてココまで来て丁度2時間。
時刻は11時を過ぎた頃。
私達は早めの昼食を取る事にしましたっす^^
羽村市の『らあめん花月嵐・羽村店』にお邪魔したところ、
『船橋ソースラーメン』とか言う、ゲテモノラーメンを発見。
冒険すんのもどうかなあ・・・って思いましたが、NO14Ruggermanさんと私はチャレンジャーなので挑戦!w
最初は『薄っすいソースの香りと風味だけのラーメンじゃねえかあああ!』って思いましたがゴメンなさい!
スープが後を引いてうめえええええじゃねええかあああああああああw
これはビックリデシタネw
さてこの後は廃線跡を追って教授さんの車で追撃開始。
とは言うものの・・・
昭和7年に廃止されてからかなりの年月を経ている訳でして途切れ途切れ^^;
今では工場内だったり民家だったりするわけでっす^^;
中でも『横田基地』を跨っていた区域は痕跡も名残りもありやせん。
と言うことで横田基地を迂回したところの神明緑道と言う、軽便跡を利用した遊歩道へと行きましたっす^^
教授さんのカーナビにもちゃんと写る今現在立派な遊歩道☆
ここからはまあああーーーっすぐな道がしばらく続く^^
ちなみにこのフェンスで囲われた所が基地から再び顔を出した軽便鉄道の路盤。
ここにも当然、水道用地の境界杭が道の左右に^^
さて次は、軽便跡の途中に存在した『残堀砕石場跡』へと向いましたっす^^
残堀川沿いの、今では林となって落ち葉に埋もれている場所にそれはあった。
かつて多摩川から運搬してきた砂利などを破砕機で砕き運び出した場所っす^^
そこには今でも当時の名残りが存在する。
詳しい用途は不明らしいっす(もしかしたら、かつて三階建てくらいに木枠で築き上げた砕石場の土台?)
なぜかそこに煉瓦ちゃんが乗っかっていたけれど、
見た感じ古煉瓦じゃないっす^^;
誰かの悪戯???
教授さん曰く『前に来た時はこんなの無かったぞ。アッハッハ^^』と言ってたし~、少なくとも軽便跡には関係ないようっす^^;
(※ どうやら近所の川沿いの花壇の煉瓦だったみたい)
次に私達が向ったのは
『武蔵村山市立歴史民族資料館』っす^^
資料館、本日二度目w
でもここで素敵なブツをゲットすることになる。
150円で売っていた『武蔵村山の軽便鉄道』と言う資料本は、ここ羽村山口軽便鉄道を知る上では最適の資料でしたよ^^
写真あり詳しい記事満載。これで150円は安いだろ!ってことで、
全員購入したっすw
(その他にも、当時の敷設していたレールが保管されていたりします^^ 資料館内は撮影不可。ただし教授さんは昔、撮影許可を頂いて撮影されていますっす^^ すごいよね!)
さあこの後はいよいよ貯水池近くまでやってきます。
かつて導水渠(路)の上を走ってきた軽便も、ここからは山越えです。
と言うか山を突き抜けます☆
隧道を抜けて貯水池へと向っていた訳なんですが、
現在では『サイクリングロード』として整備され、そこを歩く事が可能なんす☆
さっそくそこを歩いて辿ろうじゃないか!って第一隧道入り口を目指したのですがーーー
工事中でしたw
でもどうやら第一隧道(横田トンネル)のみ現在補修工事中とのことで、
車で迂回して
第一隧道の貯水池側へとやってきましたっす^^
時折私達の横をすり抜けるロードマンを尻目に私達は先へと進んでみる^^
第二隧道(赤堀トンネル)からレッツゴー!
ちなみにトンネル入り口には『シャッター』が。
冬季は午後5時に。
夏季は午後6時に通れなくなるのでご注意をば^^;
トンネル内はひんやりしていて気持ちが良い(夏ならね)
もちろんココにも水道局の境界杭。
第三隧道(御岳トンネル)へ!
よくよく地面を見てみるとこんなものが。
武蔵野の道、1.1㌔???
(※ なんでも東京都が企画する東京周遊散策路なんだそうです。
全部で21コース?なのかな。
ここ隧道跡も多摩湖コースとして存在してるんだってえ^^)
御岳トンネルを抜けるとなだらかなカーブを抜けて、
ちょっとした集落地へと入り込みます。
その先はーーー
第四隧道・赤坂トンネルっす^^
そこを抜けると道が二手に。
我等廃鉄メンバーは当然真っ直ぐ先へと向うルートにレッツニャー!
写真撮ってたらおいてけばりに^^;
そして突き当たったところが第五隧道。
ただし、名無しの権兵衛さんのようです^^;
ココから先は東京都の重要な水瓶であり、フェンスが邪魔していて先へは進めませんでしたっす^^;
(水源地ってのはどこも侵入不可が多いですよね。それだけ重要度が高いとも言えますけれどさ~^^;)
さすがに無理して進むのは諦めましたっす。
ちなみに教授さんは昔、このトンネルの尾根を越えて向こう側へ調査しに行ってるっすけどねw
さて、それならばと言うことで、
フェンスで閉ざされた向こう側へ迂回して回って見ることに。
勿論、だいぶ先の方になってはしまいますが^^;
近くのパーキングに車を止めて、いざランデブー☆
(※ 写真に写ってる舗装道。ここは名無しの権兵衛さんのトンネルを越えた先の、元・軽便線の跡だったりします^^)
近所の西武ドームからは大音量の声援が木霊する。
プロ野球のオープン戦とかっすかね?
歩道脇のフェンス越しに、軌道?路盤っぽいの発見。
望遠でその先を捉えると、トンネル入り口らしきものを八犬伝!
多分これが第六隧道の貯水池側かしら???
サイクリングコースの橋から見下ろしてみる
なんでも程近い所にある『玉湖神社(たまうみじんじゃ)』を抜けて行けば軽便線の続きが少し見れるとのこと。
ではさっそくお参りへ^^
今は枯葉が沈む手水鉢?
社は閉鎖???
『アッハッハ^^ ここは神様がお引越ししていて空き家なのだよ^^』と教授さん。
(かつては例祭が行われるほど華やいだ神社だったそうですが、1967年にお引越し)
神社の高台を向こうに下ると古びた井戸が登場。ただしこれが何に使われていたのかは不明だそうです^^ フェックション!
(この頃になると花粉症が益々ひどくなる^^;)
軽便跡に来るも、やっぱりフェンス^^;
遠くから撮影してみると尾根のように軌道跡が続いていたっす。
諦めて先ほど上から見下ろしたトンネルを見に行く。
ここでフェンスの向こうにも道が分岐していたっす。
教授さんの話だと『村山貯水池に向う支線跡』だそうです^^
フェンス越しにトンネルを撮影。案外奥行き無いんだ~。
煉瓦じゃないのが残念すw
さあ~ようやく貯水池入り口まで到着☆
軽便は水道局を通って湖に向ってるんだけど、
よーく右手を見てくださいっす。
こちらもやっぱり軽便跡^^
『上山口支線跡』だそうです。
ではまず本線跡からいきやしょうず^^
遊歩道から軽便跡を横目に先へと進むとーーー
山口貯水池に到着です☆
ん?
なんか煉瓦っぽいの建ってる!
これは取水塔っす^^
建物の上は煉瓦じゃないけれど、
下の方は・・・
煉瓦先輩です!うおおおお!
ちなみに湖に隠れている部分を合わせて高さ35メートル!?
見た目だけでも大きいのにとんでもない高さの建造物なんすね~^^
そしてこれでゴールじゃない。
時間が許す限り散策するマニア集団ですからねw
この後は先ほど見た上山口支線を見に行く。
小高い丘に謎の構造物を発見。
裏手にまわってみると鉄板で塞がれていた。
では隙間から覗いてみるとーーー
中には円筒状の物体が。
教授さん推測するに、これは『空気を抜く塔』かなんかでは?とのこと。
排煙塔とか換気塔みたいな感じですかね^^
この↑真っ直ぐ下る小道。これはインクライン跡。
その先へ進むと
『柳瀬川基点』の石標が!
こっそり設置されているので良く探さないとわからないっすw
ココまで来て今度は道路を歩いて引き返す。
途中、先行く教授さんが道路を外れて丘の方に向うのでついて行く私達。
そこには大きな穴がぽっかり開いてましたっす^^
山口貯水池の余水・配水の空気圧を抜くための構造物だそうです。
うは!スズメバチの巣がある^^;
見下ろしてみると深けえええええええ!
さあさあこの後も移動しますよw
私達は車に乗って今度はお隣のーーー
村山下貯水池(多摩湖)にもやってきましたよっ^^
(さっき居たとこは狭山湖ね^^)
ん?村山“下”貯水池って書いてあるよ^^?
そう、ここ村山貯水池は湖の西側が『村山上貯水池』
湖の東側は『村山下貯水池』って言われているそうです^^
この物体は『親柱』、かつて築堤を空爆から保護する為に『耐弾層』と言う玉石コンクリートで覆われていたそうです。
そこに半分埋まった状態で存在していたのですが、平成の世に耐震補強工事が行われ、壊すのはもったいねーってことで移設。
ちなみに教授さんの話に寄ると『上部の黒い部分は空爆に晒されないようにコールタールで黒塗りをしたんだよ。アッハッハ^^』とのことです^^
そういえば同じようなものが煉瓦工場にもあったなあ~。
空爆から標的にされないように黒塗りした煉瓦工場とか^^
最初は悪戯書きかと思っちゃった自分がハズイっす^^;
さて勿論コチラにも例のヤツがありますっす☆
それはーーー
取水塔っす^^
狭山湖のもいいけど、こっちのほうがもっとお洒落っすね☆
望遠で見ると水道局のマーク。
欄干にも水道局のマーク☆
ちなみに取水塔の下はどうなっているのかと言えばこんな感じだったりします^^
操作室や見えてる煉瓦ちゃんは全体の3割くらいなんすね(おどろきっす^^)
むしろどちらかというと、あの煉瓦はどこの工場で造られたものなのか?ってのが気になってばっかでしたけどねw
(日野煉瓦さんかな?それとも長沼?)
さてこの後3度目の資料館巡りをして一応の今回の旅路の終了っす^^
車が無ければとてもじゃないけれど一日じゃ回りきれませんよねw
教授さんありがとうございます^^
さあ~この後はちょっとだけ寄り道してから打ち上げです☆
寄り道したのはコチラ↓
『正福寺千体小地蔵尊像』
『この近所に国宝があるんだよ?寄ってみる?アッハッハ^^』と教授さんがおっしゃるもんだから『是非是非!』ってことで来たっす☆
(謂れや由来・歴史は・・・写真拡大して見てくださいw 記事が長いので端折ります☆)
その脇には『貞和の板碑』と言う都内最大級の板碑が保存されているっす。
板碑ってのは簡単に言うと供養塔。もっと簡単に言うと大昔の石の卒塔婆みたいなものです。
残念ながら板碑の文化が廃れてくると共に捨てられたりしてしまったそうです。
ちなみにこの貞和の板碑は・・・橋桁に使われちゃっていたそうっす^^;
鉄網から覗いた板碑はこんな感じ。
こんなのを橋桁に転用してただなんて、価値観と言うものは時代に寄ってガラリと変わるものなんだなあ~と、なんとも不思議な気持ちになりましたっす。
さあ打ち上げです!
今回は教授さん御用達のお洒落なイタリアンレストランでお食事会となったっす(私、大歓喜♪)
多摩センター駅最寄の『ラ・パーラ』さん☆
まずはビールでチンチン!と今日の行軍を労うっす。
くっはあ~!ちょーうめええええええw
なんせいつもの旅路と違ってアルコール我慢してたかんねっw
その後は料理にペロリと舌を鳴らし、今日の回顧や皆さんのお話に盛り上がりっす^^
ハムの盛り合わせ?
グリーンサラダ?
ふきのとうが入ったピッッツア!(ほんのりふきのとうの淡い苦味がこれまた絶妙!)
教授さんが『いつものヤツよろしくね☆』と頼んだ特製スパゲッテー☆(これがまたチョーうめえー!)
ここでお酒のせいか暑くなって外の風に辺りに行ってクールダウンする私。
ふと見上げた玄関の軒先には
ツバメの巣がありましたよ^^
この店が流行るのもわかりますよね。フフフ♪
---さあ今一度推して参ります!と自分のテーブルに戻ったら
なんか美味しいもの一杯追加でテーブルにのっかってるしw
ああ~なんだかとっても心がピョンピョンする打ち上げパーティーでしたっすよ^^
最後はお店からデザートのプレゼント付き☆
アイスの上に乗ってるのはタラコじゃないからね!
・・・何だったか忘れちゃったけどメチャメチャおいしかったっす♪
昔を辿って歩いて発見☆
歴史の痕跡を辿る旅ってのも面白いものですね^^
------琴音のある春宵間近の日記から抜粋
みなさんお久しぶりっす。そして今までで一番長い記事はいかがだったでしょうかw
正直これでも端折ってます。
むしろ本来なら3~4話に分割してしっかりと考察しながら書くくらいの記事だったかもしれませんねw
さて今回は久しぶりのガチの廃村さーくるシリーズだったと思います。
勿論、教授さんがいなかったらこんなの無理ゲーなんですけどねw
御同行いただいたsuzuran6さんNO14Ruggermanさん、
そしてNO14Ruggermanさんのご友人のJR君さん、
道中、末席のボクであるのに楽しくお付き合いさせて頂いて嬉しかったです^^
(ぶっちゃけ、廃鉄巡りをするならば最強の布陣なんじゃないのかな?って思うくらいに凄いメンバーでしたぞ!)
ちなみに最後にお食事したラ・パーラさんは、ボクが誕生日ってことでサプライズ誕生日パーティーをソネブロの皆が企画してくれたのに風邪をひいて行けなかったお店です^^;
素敵なお店です☆ 混んでるの当然だよアソコw(だってめちゃうめーもん)
さて、本来なら久しぶりに皆の記事を見て回りたいところなんですが、
このまま寝ないで西表島旅行に行ってきますぜw
だから『最近全然お返事がねーよ!ちょいのりよおおおおおおおおおおお!』と怒らないでねw
帰ってきて落ち着いたらいずれご訪問しようかと思います(ぶっちゃけ見捨ててもらってもかまわん)
ではでは次回『菅原先輩の卒業旅行。西表島編☆』でお会いいたしましょうず^^
第651話 埼玉・深谷市、櫛挽の弾薬庫跡編☆『次はオマエダ』 [廃村さーくる]
『日帰り温泉はダメだったけど・・・』
このまま地元に帰るのは、まだ早かった。
時計を見やると、まだまだ正午手前のお時間だ。
秩父鉄道に再び乗り込んだ車中、彼女たちに恐る恐る提案してみたんです。
『このまま地元に直帰じゃあ~・・・ねえ? だから・・・えっとお・・・もう少しどこかに寄ってみたいかなあ~なんて、えへへ☆』と。
そしたら、
おもいっきし睨まれた^^;
まあ・・・そうだろうね^^; 悪いことしちゃったし。
(何気にいつもボクに対して優しい夕実ちゃんすら怖い笑顔で、割りとショックっす^^;)
さすがにこれ以上、彼女たちのご機嫌を斜めにするわけにはいかないと、しばらくは別の話題で場を過ごす。
・・・でも、その間にもボクの脳内はいかに彼女たちをうまく懐柔して、やんわりとどこかに連れ出そうと練りに練ったのであるw
---ピコン!ボクの脳内演算処理OKのアラームが鳴る☆
『琴音? 実は“深谷市”で途中下車でもしてみようかなあ~---なんて思ってるんだあ~^^』
『え!?深谷市?・・・マジっすか^^』
フヒヒ・・・。妹様の琴音がビクン!と興味をもったようだ。
なんせ今や、妹の琴音は“エセ煉瓦マニア”
埼玉県は深谷市というキーワードを聞いて釣られないわけがないw
---そう。実は深谷市と言うのは『煉瓦の街』でもある。
古来からの煉瓦物件も数多く残っていることに加えて、町の条例に『レンガの街づくり条例』などもあって、煉瓦調の建築物を新しく建てる際に補助金が出たりもするようなところなのだ^^
・・・フフフ、
案の定、琴音がこのキーワードを聞いてもじもじとし始めた☆
『へえー、・・・ああ~そう?深谷市?・・・ああ~ん、ああ・・・深谷市ねえ・・・
う~ん・・・深谷市か♪』
そう言いつつ琴音は夕実ちゃんをチラッチラと見るのだ。
『どうしたの?琴音っち?』と、それを見て不思議そうに夕実ちゃんは首を傾げる。
『えっとお・・・まだまだ帰るには早いしい~、お散歩するのもいいよね夕実っち☆』
篭絡の計、大成功☆
仲良し2人組みの一角を崩せば反対意見も簡単に翻るもんですぜw
『う、うん~・・・琴音っちが、まあ・・・そう言うならですう・・・^^;』と、琴音の威圧的な笑顔に夕実ちゃんも流されてくれた☆
フヒヒヒヒ・・・。
もう障壁は無いw
第651話、スタートです^^
北関東平野をぶったぎって横断するローカル電車『秩父鉄道』
目的地だった秩父とおいらの住む町草加市は埼玉県の端っこと端っこだ。
なんだかんだで長旅である^^
ボクは買い込んであったチュウハイをみんなに『おつかれさまでした^^』と渡し、小さな慰労の会を開いた。
お、気が利くじゃんという感じで2人とも受け取ってプシュっとやった。
軽く喉を潤してから夕実ちゃんがボクに話しかけてきた。
『なんで行きの電車で飲まなかったのかわかったですぅ^^;』
『うん。恐らく危険度が高いだろうと思って控えたんだ。でもまさかあそこまで崩落してるとはねえ・・・^^;』
『いやいや。そもそもいつも酔っ払って廃墟に行くのがおかしいからw』
琴音の言葉にそりゃそうだと皆が笑う。
良い子は決して真似しないでね☆
---電車に乗ること丁度一時間
今回の道程の中間地点であろうあたりの駅が近づいてきた。
『じゃあ、ここで降りるからみんな仕度して^^』
『『はーい』』
みんなの空き缶をボクは受け取りつつ駅のホームへと降りたのである。
『・・・おまえだ?』
駅名を見て琴音がネックウォーマーに仕舞い込んだ口を再び出して声を上げる
『おまえだwww なんか素敵すぎりゅうううwww』
続けて夕実ちゃんもーーー
『漢字表記を見ると普通なのに、なんか平仮名表記だと珍駅名にも見えちゃいますねココw』
確かにそうかも。
実は珍駅名とまでは言わないが、車内の電光掲示板で次駅を案内する時に『次はオマエダ、次はオマエダ』と、
あたかも脅迫のようなニュアンスになってしまうと一部の人間には知られていたりもするw
『さ、ここから結構歩くから・・・覚悟してねw』
『は・・・はーいですぅ^^;』
『煉瓦あるかなあ~♪煉瓦あるかなあ~(ワクワク)』
なんのメリットも無い夕実ちゃんには気の毒ではあるが、まあそこは我慢してもらおう^^
ボク達はてくてくと駅前から歩き出した。
ついついデザインマンホールをパシャリ。
ご機嫌取り用に(いや酔わせて彼女たちをだまくらかすためにw)駅前のコンビニ?でお酒を購入してみんなに振る舞いつつ進むボク達^^
関越道を潜り抜け
その後はお喋りしつつものんびり住宅街を突き進んだ。
歩くこと1時間(迷った☆)
緑の多い住宅街を抜けると、大きな畑が広がる場所へと辿り着く。
しかもここからは広大な碁盤の目状態で、縦横真っ直ぐな道が延々と続くのだ。
道をひとつ間違えるだけで大幅なタイムロス。
とはいえ真っ直ぐな区画ほど、どこも同じような道に見えて迷いやすい^^;
案外、道って紆余曲折してる方が分かりやすいんだなあと実感する。
ここからはもう迷わない!と、慎重に進むことにした。
延々と続く道に、流石に騙し騙し連れてきた女子軍団もブーブーと言い始める^^;
『ちょっとお兄ちゃん!どこをどう見ても煉瓦のカケラもなさそうだよっ!一体全体いつ着くのよそこに^^;』
『ううう・・・もう足がパンパンですぅ^^; 秩父の山道の方がマシだったですよお・・・^^;』
そう言うなよ・・・実はオイラだって秩父の後にここまで歩かされるとは思ってなかったんだから・・・w
だんだんと会話も疎らになってきた頃ーーー
広大な畑には何とも似つかわしくない建物がポツンと目の前に姿を現した。
自分も含め皆『!?マーク』を頭の上に浮かべ、いつのまにか少し小走りに駆け寄っていた。
『何すかコレ!? 何かだだっ広い畑にめっちゃ似合わねー不思議な建物っす(е゜д゜е)』
琴音が言うように、とても周りの景色と比べて異質な感じの建物だった。
『先輩?ここが今回の寄り道の目的地・・・ですかあ?』
『うんそうだよ^^ 深谷市、櫛挽の弾薬庫跡ってところなんだ^^』
『『へえ~』』と見上げる彼女たち。
普段は戦争遺構に興味もなさそうな彼女たちなのに、この周りの雰囲気と違う存在感を漂わせているこの建物に、再び『!?マーク』を頭の上に浮かべていたw
---驚きが収まった頃。
『えっと・・・煉瓦じゃナイジャン!これコンクリやんっ!』と、突如琴音が掴みかかってきた^^;
(そこまで煉瓦好きなのかよアンタw)
『ああ・・・ゴメンゴメン^^; 聞かれなかったから言わなかっただけだよ。そこは謝っておく^^;
でもこの深谷市。煉瓦の遺構だけじゃなく、こういう戦争遺構もあるんだってことを見てもらいたかったわけなんだよ^^』
そこに
『先輩はいつも目的地をもったいぶって現地につくまで教えてくれないからイジワルですぅ!^^;』と、夕実ちゃんまでもが参戦してきた^^;
・・・ここは三十六計逃げるにしかずですw
『まあまあ^^; じゃあ~さっそく中でも見てミヨー☆』とはぐらかし、さっさと中へと突入です♪
渋々追ってくる彼女たち。
もう後は野となれ花となれでございやすw
最初は非難轟々だった彼女たちも、少しずつ少しずつ、この建物に気を取られていった。
いつしか質問も投げかけてくるように。
『ここだけポツンと弾薬庫跡があるってなんか変じゃね?お兄ちゃん』
『うん。実はこの周囲一帯は昔、森の中だったそうなんだ^^
戦時中は他の軍の関連施設も多く点在していたんだって。
戦後、旧満州から引き揚げてきた人たちなどが、この土地を開墾し、それとともに施設も取り壊されていった。それが大まかなここの流れかな^^
そしてここがその最後の名残りとも言える場所なんだ』
ボク達は一旦外に出て、外から登れる階段を目指すことに^^
勿論そこには弾薬など無い。
あるのはところどころにさび付いた鉄骨を見せる寂しいコンクリートと、
そこから見える農家の皆さんが苦労して築き上げた畑だけ。
ボク達はしばらく二階部分から見える広大な農地を見つめていた。
『じゃあそろそろ行こうか^^ 畑の土を踏まずにね』
『『は~い^^』』
ボク達は櫛挽の弾薬庫跡にバイバイをして帰る事にした。
帰りは小前田駅に戻らないで、八高線の『用土駅』から帰る事にした。
・・・実は用土駅からの方が櫛挽の弾薬庫跡に近い(近かった^^;)
『えっと・・・お兄ちゃん? 大変申し上げにくいのですがーーー
なんでわざわざ小前田駅から歩いたんだよw』
『まあ~・・・途中の寄居駅で八高線に乗り換えれば良かっただけなんだが、そんなに本数走って無いしね^^;
それだったら乗り換え無しで途中下車して歩いた方がはやいかなあ~と思ってさ。・・・絶対ネタの為に小前田駅に行ったわけじゃないから^^;』
『『ほんとに?』』夕実ちゃんと琴音の疑いの声がハモる^^;
(地図見た感じだと小前田駅の方が近いと思っただけだもん!プンプン)
『あとソレと・・・煉瓦はどうした煉瓦はw』
・・・その後は延々とチクチク琴音に攻め続けられました^^;
ひたすら真っ直ぐな道を用土駅目指して歩くボク達^^;
陽気も温かく、秩父仕様の格好では汗ばむほどになってきた。
『ぐおおお・・・アヅイよ・・・お兄ちゃん・・・^^;』
『ジャケット脱げばいいじゃん^^;』
『というか琴音っち?ネックウォーマー暑くない?』
『ああそうか。すっかり体の一部になってたっすw』
琴音がうんしょうんしょと子供のお着替えのようにネックウォーマーを脱ぎだす。
・・・脱ぎだしたその刹那
『カツン・・・・・・・・・・・・』
サークルの備品のカメラがアスファルトにキレイにテレマーク。
満点をあげたい位にキレイに着地した。
『ちょ!琴音! あ、いやいやカメラは大丈夫か!?』とボクはカメラを拾い上げた。
拾い上げたソレは外観は何事も無い。
それよりも精密機械だ。中身だよ!中身!と、カメラに不具合が無いか色々と確かめる。
いつもお茶らける琴音も流石にバツの悪い顔で
『ど、どど、どう・・・かなあ^^; お兄ちゃん。だ、大丈夫そう?』と、カメラを覗きこむ。
『う~ん・・・レンズが認識しませんって表示が出るなあ^^; たぶん今の衝撃でレンズ固定環がずれたか壊れちゃったんだろうね^^;』
心配そうに見つめていた夕実ちゃんが恐る恐る聞いてきた。
『ということはです。・・・修理ってことですか^^;』
『そうだね^^; レンズの中身は取り出せないしねw』
『えっと・・・お兄ちゃん。・・・お金かかるか・・・なあ。えへへ』
ここでようやくいつもどおりのオチャラケがでる琴音だったが、その顔は血の気が引いている^^;
『保障期間だけど・・・通常に使ってて壊れた場合は無償修理してくれるけれど、落っことしてしまったとかは・・・どうかなあ。まあメーカーさん次第だけどw』
『まじっすか^^;』
すっかり気落ちしてしまった琴音。
先ほどまでの兄貴をいびる強気な態度はどこえやらですw
(ここで立場逆転です。しめしめ^^)
このあと地元に戻ったボク達はカメラ屋さんに預けて居酒屋で琴音の『まあ気にスンナよパーティー』を開きました☆
それからしばらくは、実にしおらしい妹様であって楽しかったんですけどねw
・・・とはいえ結果として無償修理扱いでカメラが帰ってきてからは相変わらずの妹様に戻りましたが^^;
※ここまで読んでいただきありがとうございました^^
カメラは無事に帰ってきましたよ^^
ネックウォーマーなんて買うんじゃなかったと当時は後悔ばかりしてましたが、
無料で帰ってきてホッと一安心w
今ではにっくきネックウォーマーも愛用品です☆
第650話 埼玉秩父・鹿の湯編☆vol②『小川に朽ち行くランプの宿』秩父七湯 [廃村さーくる]
※読まれる方達へのお断わりです。
この先、心を痛める風景が画像や文章などで羅列することになります。
勿論、記事を書く側としてもなるべく配慮をしていますが・・・
物語の特性上、やも無しの表現もございます。
それでもよろしければ・・・お付き合いの程を
第650話。スタートいたします。
ボクは一歩一歩と歩を進めるたびに、その有様に驚愕した。
何に驚愕したって?
---実はここに訪れるのは『二度目』だった。
夕実ちゃんや琴音には初歴訪を装ってはいたが、
その一回目に訪れた時からは見るも無残な姿に驚いてしまったからなのだ。
『わきゃ・・・・・・』
『・・・・・・・・・』
ボクの後ろからこの景色を見つめる彼女たちからは、声と言う声が無かった。
唖然というか呆然。
今まで彼女たちを連れ出し、いくつもの朽ちた廃墟を見て周った。
だからこそ彼女らにはいくらか廃墟・廃屋には免疫力はついているとも思うんだ。
でも、彼女たちの顔は・・・強張っていた。
---暫くの後
琴音がネックウォーマーから口元を出して声を掛けて来た。
『お兄ちゃん。・・・ここは、廃墟と言うより瓦礫じゃ・・・ね?』と。
『うん。そうかもな。これは持論なんだけれど
“廃墟”ってのは“辛うじてでも立っている建物”って思ってるんだ^^;
だからこそここは・・・優しく言って“廃墟の成れの果て”。
むごい言い方すれば・・・お前の言ったとおり・・・“瓦礫”・・・だとボクも思う』
琴音は我の強い性格もあってか、口を噤むのも踏ん張って我慢して声を掛けて来たのだが、
夕実ちゃんは無言のままだった。
ここに訪れて脳裏に一瞬よぎった、先の震災の瓦礫の山を思う光景。
彼女もまた、同じ事を思ってしまったのかもしれない。
もしくは、かつて彼女が母親と実家を炎の向こうに失った過去をフラッシュバックしたのかもと、
彼女を見て申し訳ない気持ちになった。
『このまま帰ってもいいよ?たぶん見るべきものは何も無いと思うし。
でもゴメン、少しだけ見させてくれないかな^^;』と、ボクは琴音からカメラを受け取り、彼女たちに少し時間を頂いて見て周ろうと思った。
むしろ危険度はかなりのものだし居てくれた方がいいと。
---すると、
『周りから覗き込む程度には付き合うよお兄ちゃん^^;』
『私も・・・一人でここで待ってるのも怖い・・・ですぅ^^;』と、ある程度のところまでならばという前置きをした上で、ついてくると言い出したのだ。
・・・絶賛崩落中の物件。
『ボクがダメだと言ったら絶対守ってくれるなら・・・^^;』という条件で、ボク達はこの廃墟へと近づくことになったんだ。
---とはいえ、玄関口であったところであろう場所は崩落し、しかもその奥への回り道すら瓦礫で塞がれている状態だ。
後は母屋と離れの間に流れる小川を越えて、離れの家側から回りこむしか方法が無い。
考えた末、結局、小川を渡るルートで行くことにした。
丁度、橋渡しになっている木材の上を充分に確かめつつ、離れのある向こう側へと皆で渡った。
そこからは、流石に手を地面に這わせなければ登れないほどの丘になっている。
ここは皆、慣れのおかげか軍手の準備も万端で、嘆きながらもぶつくさ言いながらも(全部、琴音だが)
土や草木を掴んで登っていった。
ようやく丘の上に建つ離れの近くまで到達。
そこからはゆるい勾配。
息を切らして登ってきた心臓を幾分か整えてから、離れに近づいた。
『完全に・・・ぺしゃんこですぅ・・・』
地面と屋根との僅かな隙間をおっかなびっくりで覗いた夕実ちゃんが、悲しそうにボク達に振り返った。
もちろんこの状態では見るべきものも無いので、もう離れは充分だ。
---ボク達は母屋より少し高台であるこの場所から川向こうの母屋を見下ろして、
母屋に近づけるであろうルートを模索する。
---すると、崩れた母屋側のバルコニーが、小川の上を渡すように崩れ落ちていたのだ。
ここからは
『ここで待っててくれないかな^^;』と、彼女たちに止まるように説得し、ボクだけでこの先へと向うことにした。
流石にこの崩落の有様を見たらついて行こうとは言わなかった。
むしろ『もう帰ろうよお兄ちゃん・・・』『先輩になにかあったら嫌ですぅ!』と、とことん逆説得を喰らったくらいだ^^;
・・・なんとか彼女たちを『5分くらいだからゴメンネ^^;』と、なだめすかして、ボクは枯れ枝つたいにバルコニーまで進んだ。
ようやく手すりにしがみつく。
ここからはコレを頼りに向こう側へ行こう。
ここでふと気づく。
バルコニーで見えなかったのだが、小川を挟んで建てられた母屋と離れの瓦礫が
山からか細く流れてきている小川へと雪崩れ込み、
小川を埋め尽くしていた。
ここからは丈夫そうな瓦礫の上を伝って向こう側へとなんなく行けることになったのです。
母屋の入り口側からでは分からなかったのだが、その母屋の奥の方は”かろうじて“柱に支えられて生き延びていた。
とは言え崩落寸前。
上を気にしながらも見て周る。
何か・・・ここが『かつて何の為に存在していたか』の痕跡を探す為に。
トタンの部分や白木の部位、家屋のつなぎ目に、ここは増築を重ねたのかな?と思いつつ、
ネコの様に足音立てず、
息を殺して更に更に周りをめぐる。
結局、崩落の凄まじさに痕跡という痕跡を見つけることは出来なかった。
あるのは腐錆びた瓦礫のジャングルと、そこに霜降りるツララだけだった。
--ーふと、
屋根が朽ち果てたとはいえ、屋内にしては『不思議』な感じの、石の階段を見つける。
ここはどうやら母屋のお勝手口から延びてるであろう階段なんだろうか。
残してきた彼女たちとの約束時間をとうに過ぎていたことに気づき、ボクは急いで。
いや、落とし穴でも足先で探るように慎重に彼女たちの元へと戻ることにしたーーー。
彼女たちと再び合流し、この廃墟というか瓦礫前まで戻ってきた。
そこまで来て、彼女たちはまるで息を止めて我慢していたかのように、プハー!と深呼吸をし
そして、ボクに色々と質問をしてきた。
『ここって、なんなのさ?お兄ちゃん。普通の家屋じゃないんでしょ?マジでさあ^^;』
『うん。ここは民家じゃない。
実は“鹿の湯”と言う、かつて秩父七湯に数えられた温泉旅館だったんだ』
『温泉旅館の・・・成れの果て・・・だったですかぁ・・・』
・・・何も彼女たちに告げずにここに連れまわしてしまったことを詫びてから、ボクは今一度、この温泉旅館のことについて話し始めるのでした。
『ここはね、さっきも言ったけれど秩父七湯と言う、江戸時代ごろから秩父にはこの温泉アリ!と謳われた温泉のひとつだったんだよ^^
昭和に入ってからも、この近隣の山である“熊倉山”を目指すハイカーや登山客に利用された憩いの宿屋だったんだ。
かつては茅葺の屋根に部屋数は10程度のこじんまりした旅館だったそうだ。
そこには各部屋に、ぼんやりと揺らぐランプが灯されていて
ーーー暗がりの寒山にボーっと浮かぶそれはまるで情緒的な温かい感じのお宿で愛されていたらしいよ^^
別名“ランプのお宿”と言われ、ハイカーなどを問わず地元民から色々な旅行者に親しまれてきた旅館だったんだって^^
・・・が、平成を迎えた頃にオーナーであるおばあちゃんが亡くなられたことで、そのまま廃業に至った。
つまり“廃温泉旅館”なんだ』
ボクが説明したこの鹿の湯のおおまかな話を聞きながら、
彼女たちは向こうに見える廃墟を無言でぼんやりと見つめていた。
しばらくして琴音から口をボクに向ける。
『平成の時代に廃業ってことは20年弱かあ。私とほぼ同い年ってことっすね。
お兄ちゃんと私の実家はもっともっと古いんだけど、この有様を見て私ってば建物って不思議に感じるよ』
・・・一瞬、琴音が何をここと自分の実家を見比べて不思議に思ったのか考えあぐねたが、すぐに分かった。
琴音が更に言葉を続ける。
『建物ってやっぱり生き物だよね^^ つくづくそう思うっす』
『そうだな。本当にそう思うよ。人が勝手に建てた無機物の集合体なんだけど、
人が住むことで血が通う生き物だとボクは思ってるよ^^
掃除しなくったってメンテナンスしなくったってさあ、人が居るだけで建物ってのは不思議と長らえるんだよ。
建物にとって、人ってのは“血”なんだと。
建物にとって、人こそ“血流”なんだと思うね^^』
皆、なんとなく、うんうんそうだよなあ~と頷く。
頷いたところで、ここで申しわけない感じで彼女たちに告げる。
『今回は少し心に詰まってしまうような場所に勝手に連れ出して申しわけない^^;
その見返りといっちゃ~なんだけど、
この後はさっそくお待ちかねの“日帰り温泉”へ皆でいこうか^^』
『『賛成!!!』』
かくしてボク達は、ここまでの道中にあった『谷津川館』と言う、
これまた古き歴史のある温泉旅館へと向うことになったのである。
・・・が!
『おい!こら!お兄ちゃああああああああん!
日帰り入浴時間オープンまであと二時間もあるんですけどマジでっ!』
現在時刻・・・9時半。日帰り入浴施設オープン時間までまだまだ2時間も前だったのである^^;
・・・一応、『2時間そこいらへんをブラブラして暇つぶししようかw
テヘペロ(。>ω・。)』って感じでゴメンナサイしたのですが、
余計に怒られてしまいました(そりゃそうかw)
結局『来週の休みに、この埋め合わせとして“スノボー”に連れてけ(旅費+リフト代込み込み^^;)』と言う、彼女たちの要求を飲まざるをえなくなってしまうことに・・・
まあ・・・しょうがないか^^;
ほぼ騙すように連れてきちゃったようなもんだしねw
その見返り・罪滅ぼしは想定よりも非常に大きくなっちゃいましたが^^;
---さて、ボク達はこのまま地元に素直に帰ったかといいますとーーーー
そうじゃない☆
次回『寂しげな弾薬庫跡編』へと。
そして今回の『災難』へと続いちゃったりします^^
※ここまで長々と読んでくださりアリガトウございました^^
ロケハン兼ねて久しぶりにスノボーでもしてこようかと?思ってますw
第649話 埼玉秩父・〇の湯編☆vol①『笑顔の詐欺師と寂しい廃墟』 [廃村さーくる]
『ガサゴソ・・・』
『ちょ!? お兄ちゃん変なとこに足いれんなよ!訴訟すんぞ』
『ああゴメンゴメン^^;少しずらすよ・・・』
『あん・・・先輩の足が当たってる・・・です^^;』
『嗚呼ゴメン!夕実ちゃん^^;』
『私は・・・別に・・・訴えたり・・・しませんですぅ・・・^^』
実は今、唯一コタツを持っている夕実ちゃんちでサークル会議の真っ最中なのだ。
とは言っても一人暮らし用の小さなコタツであって、コタツの中は場所取り争奪戦状態。
夕実ちゃんは持ち主として堂々と足を突っ込む権利は当然のように持ち合わせてある訳だ。
残りの狭いスペースをオイラと妹の琴音で分け合うことになるのだが・・・
コイツは全然遠慮というものを知らない
兄貴を敬うキモチも毛頭無い
更々無い!
あまつさえちょっとでも仕返しとばかりにスペースを陣取ろうとすると『セクハラだ何だ』で返してくる始末^^;
・・・おかげで今は遠赤外線が当たらずに、短いコタツ布団の裾がかろうじて正座したボクの膝に乗っかってるだけだ・・・^^;
・・・まあそれは置いておこう。
今日は会議というかミーティングだ。
そうそう。その話をする為に皆を集めたのだからーーー
第649話、スタートです☆
『冬場になってから全然サークル活動してないような・・・^^;』
『だって寒いっす♪』
そう言ってコタツ布団にもっと入り込む仕草をする琴音。
いやそうだけどそうじゃないだろ妹様よ。
確かに冬場になってからも屋内でミーティングする回数は減っていない。
でも、彼女たちが寒さを嫌って外出はパッタリとなっていた。
ネットや資料だけでも今はレポートも作れてしまう世の中だが・・・
やっぱり現場に行ってなんぼ。
むしろ自分達が現場に行き、目で見て感じないことには意味が無い。
もしかしたら資料に載ってないことや変化を『発見できる』かもしれないしね^^
さてどうしたものか・・・。
『そう言えば首塚先輩は今日どうしたんすかね、マジで』
『ああ、なんでもリンダ共々心霊サークル全員を連れ立って、スノボー・・・いや精神修行の合宿に行ってるらしいぞ^^』
『まじっすか。白銀っすか!なにそれウラヤマ^^』
『わきゃー☆ スノーボードとかやったことないですぅ。やってみたいなあ~^^』
・・・あれ?
寒いのは嫌だったんじゃないの?君達^^;
まあ分からないでもない。娯楽が対象ならば寒空も別腹だってことはさ^^;
やはり彼女たちを『釣る』には、それなりのものを用意せねばなるまい。
それが例え『詐欺まがい』であっても。フヒヒヒ・・・
某日早朝。ボク達三人は始発の電車を待っていた。
『スノボーに対抗するには温泉しか無い!』と、ワケの分からぬ対抗意識を彼女たちに持たせ、
自費でお酒やおつまみを購入して、連日連夜、彼女たちの接待をした結果が実ったのだ。
『ご、ご主人様って、わ、わわわわ私に言ってみてください、わきゃー♪』
『くるしゅーない、くるしゅーない、ぎゃははw』
・・・ご機嫌取りとは言え、奴隷のような執事役を演じた辛かったあの日々も
とりあえず報われる日が来たようだ(涙
ボクはそっと空(うそ)の涙を拭って、電車へと乗り込むのだった。
『事件?』は乗り換えの駅でホームに降り立った時に起きた。
『やばいっす。めっちゃ寒いのにマフラー忘れちったよマジで^^;』
どうやら妹の琴音が、これからもうちょっと寒い場所へと出向くと言うのに、防寒対策を怠ったみたいなのだ^^;
『乗換えまでまだ時間があるし・・・今のうちにコンビニで買っておこうか^^; なんせこの先にはコンビにもスーパーも一軒も無いからね』
結局ここも自分の財布から夏目漱石が消えていくことになった・・・
奢りだと言うのに『ええー、このネックウォーマーちょっとダサくね?マジでw』とのたまう妹様には、軽い殺意みたいなものも芽生えましたがね!^^;
コンビニにはマフラーなど置いてなく、その代わりにネックウォーマーが売っていた。
かといって選ぶほどの品揃えではなく、琴音に渋々選ばせたのである。
結果としてこの『ネックウォーマー』が、この後事件を呼び込むことを
今のボク達はまだ知らない。
ーーー秩父鉄道に揺られること2時間。
ボク達は終点三峰口のひとつ手前の『白久』と言う駅に降り立った。
開口一番
『わきゃー!さ、さささ寒いですぅ・・・^^;』と夕実ちゃんが白い息を吐く。
それを聞いたボクも『寒っ!』と言うのだがーーー
『むがむがむが・・・ゴニョゴニョゴニョ・・・』と、妹様はネックウォーマーにすっかり閉じこもってらっしゃいまして・・・
何を言ってるのかさっぱりです^^;
改札を出たボク達は、さっそく近くの案内板を覗き込んでみた。
『私たちが今日行くのって、この白久温泉ですか☆わきゃー♪』
夕実ちゃんが温泉マークを指差しながらはしゃぐが、
フヒヒヒヒ・・・それはどうかなw
温泉に夢を膨らませている夕実ちゃんをぼんやりと眺めていたら突然!
『んー!んー!モゴモゴモゴー!!!』と琴音がネックウォーマー越しに喚きたてて指を差すのだ。
ええっと・・・いいから外しなさいと、琴音のネックウォーマーをボクはずり下げてやる。
『ぷはー!・・・さむっ!って、それは置いておいて、リスがいるよリス!』
琴音の指摘に『ええっ!?』となって、その指差した方を見た。
するとーーー
案内板の下に可愛らしいリスの模型が設置してあったのだ^^
『わきゃー☆ 可愛いですぅ♪』
『でも耳が折れてるっす・・・^^;ちょっと可哀想っすね^^;』
まずは可愛らしいお出迎えのようです^^
『熊とかマジっすか^^;』
『注意してもどうにもならないですぅ・・・^^;』
すこし不安げな彼女たち。
ボク的にはこっちの↓看板の方がすこし気になっていた。
とは言えそこまで行くわけではないので、まあ大丈夫でしょう。
『さ、さっさと行くよ~^^』というボクの声に
『はーいですぅ^^』『モガモガモガ・・・』
・・・妹様は再びネックウォーマーに戻られたようです^^;
駅から温泉郷までは、ほぼ一本道なので迷子になることはなさそうだ。
民家もあるのにとても静寂で、冬の早朝、ピンとした空気の中をボク達は登って行くことに。
『札所?』と、口元までネックウォーマーを下げてボクに聞いてくる妹様。
『秩父にはね秩父札所34場霊場巡りって言うのがあるんだよ。簡単に言うとウォークラリーみたいなものかな^^』
『先輩、その説明はヒドス・・・ですぅ^^;』
のんびりと歩いてきたところで、すこし周りの景色も装いを変化させてきた。
『わきゃー!川が凍ってるです^^』
『モガモガモガモガー!』
そしてようやく目的地半ばと言うところで、先ほど駅前に建てられていた警告板の場所に辿り着いた。
『えっと・・・通行禁止ですぅ。もしかしてここを行くですか?^^;』
『ううん。そっちには行かないよ^^ ボク達が行くのはほらココ』と、
簡易な地図の建て看板に指を差す。
ソレを見てすこしホッとした表情を浮かべる夕実ちゃん。
妹様は相変わらずモガモガしてますが。
日陰になった道には雪が登場することも多くなってきた。
とは言えそれほどの雪でもなくとてもありがたい^^
(むしろ雪が溶けて凍ったところが怖かった^^;)
背の高い木々の中を延々と歩いてきたところ、突然太陽が顔を覗かせる開けた場所に到着したのだ。
『モガモガモガモガー!(次回に続くっす!)』
※ここまで読んでくださりありがとうございました^^
次回は、モガモガモガモガー!です☆
第622話 群馬・下仁田編『夕暮れサスペンデットゲーム?』ロケハン失敗w [廃村さーくる]
『ボクは基本、ロケハンに出向いて撮った写真にキャラクターを咬ませながら、ストーリーを書いていく』のが主流だったりします。
おなじみのアイコンキャラクターに感想を言わせつつ旅路を振り返る『日常パート』とか、
ボクの記事内の似非小説。つまりは『廃村さーくる』の中のキャラに感想を言わせつつも物語チックにブログを書いたりするわけなのですがーーー
たまにロケハンと自分が頭の中で思い描いてた話と合点がいかないこともあったりするんです。
ま、簡単に言いますと~
『ロケハン失敗』とか『目的地に辿り着けなかった』というトラブルだったりします^^;
いつもの日常パートのアイコンを使ったおしゃべりなら失敗も笑いに替えることもできるのですが、
『似非小説』の為に出向いたロケハンで失敗すると・・・ねえw
つまりは今回の記事は『失敗』のお話です^^;
休みの日に久しぶりに遠出したボクの失敗談。いつものメンバーで振り返ってご覧さしあげます^^;
ではでは第622話と言う事でスタートです。
テレビでちょっとしかお店が映らなかったから、当初は暇だったと思ったのだが・・・
そんなことはなかった^^;
どーゆーこと?
放映日はテレビ見たよ~^^って来てくれた人は数人だったのだが、
次の日からはワンサカ来たのですw
なんでも『毎日レンコンを25㌘以上食べ続けるとアレルギーや喘息などをやわらげる?』なんて特集されたようで(オイラは少ししか見てなかったから見逃したw)
レンコンまじ健康にいいんじゃね?と、お店を検索して食べに来てくれてるようです。
毎日食べるなら別に店じゃなくてもいいじゃんかおw
まあそりゃそうなんだが、どうせならレンコン料理を味わいたいってな感じで来てくれてるようだ。
ありがたいんだが、正直くたくたですよw
レッドブルとかバーンとかモンスターとかエナジードリンク飲みながら踏ん張ってるって感じです^^;
ちなみに、体に良いのかよ!ってことで、オイラも毎日25㌘以上つまみぐいしてます☆
すぐ影響されるなオッチャンw
ま、近況はこれくらいにして今日の本題へと参りましょうか。
先日、久しぶりに休日を利用して『ロケハン』へと出向いてきました。
要するに『廃村さーくる』と言う似非小説の為の『シナリオロケハン』ってことです^^
シナリオロケハン?
頭の中に描いた脚本の舞台に相応しい場所を探すのがシナリオロケハンかなあ?
ま、ロケーションハンティング『ロケハン』しに休日に飛び出したわけです^^
寝ないで行こうと思ってたのだが、いつのまにか寝おちしてまして・・・
時間を取り戻そうと、急遽新幹線を利用した。
リッチやね~w あ、ジャスタウェイ様のおかげですね(天皇賞)
ちなみに一人旅だけれども上の画像のように、2人で席に着いて飲んでるような写真を撮ったりします^^
一応、細かいところも考えてるのねえ
ここで失敗なのが、目的地は群馬県高崎駅で下車するつもりだったのだが・・・
高崎駅を通過してしまう新幹線だったようです☆
(何本かに数本、そういう上越新幹線がある・・・)
また乗り越しか!
あんたも懲りないわねえ^^;
ということは久しぶりに『誤乗区間の無賃送還』発動ですか!
いや、一旦降りたよ。ここで時間的に大幅なロスだと思ったので、どうせなら予定変更して新潟県の廃墟でも検索して、
脳内のストーリーを少し修正しようかと思ったのだ。
とはいえ・・・そうそう脳内のストーリーに見合った廃墟が見つからなくって^^;
廃スキー場とか廃トンネルぐらいだし、廃村もあるんだけどイメージと違うんだよねえ^^;
もう今日はどーでもいいから、直江津まで出て海でも見て帰ろうかと思っちゃったくらいですよw
アンタの脳内ストーリーがどんなのかさっぱりだわ^^;
廃村さーくると言う物語的には『かなり動きのあるお話』にするつもりだった。
今後の道筋的にかなり重要で、ここから結末へと動き出すような『ある意味重要な話』をイメージしてたんだけどねえ^^;
夕実ちゃんと菅原君の恋模様に変化を与えるようなそんなところでしょうか。
それに近いもんだな^^
ま、新潟での代替は諦めることにして、とりあえず戻ることにしましたよ。
戻りの新幹線を待つ間に、ビールとおにぎりで遅めの昼食をとり、
無事に高崎駅で下車できる新幹線に乗り込んだ。
ちょっと時間が気がかりだったが、ようやく高崎駅から出てる上信電鉄の乗換え口まで到着です^^
すると時刻表には次の電車まで40分近くあったので、とりあえず高崎駅まわりをブラブラして暇つぶしをすることに。
高崎のデザインマンホールげっとw
その後はーーー
比内鶏つくねほうれん草うどん食って時間つぶししてた☆
また食うのかよw
おにぎり1個じゃお腹もすくよー^^;
さ、いよいよお時間ザマス^^ 切符購入してレッツゴー!
いざ上信電鉄へ!(ちなみに初めて乗ります^^)
赤いこじゃれた車輌に少しウキウキ☆
でもまだまだ走るまで時間があったので、もう少しホームを探索っす。
するとちょっと古めかしい感じの車輌がホーム外に並んでいたので思わずパチリ^^
ブラブラしてみるもんですね☆
さあ!出発の時は来た。いざゆかん!
ボク以外に数人しかいない列車は、ゆっくりとガッコンガッコン言わせながら走り出した。
腰掛けながら体を捻って車窓の景色を堪能していたはずだったのだが・・・
いつのまにか寝てましたw
寝ないで出かけてるなら分かるけど、今回いつもより寝てるのに何でだよw
仕事疲れじゃないかな☆
別に威張ることでもない
ふと、電車が駅のホームに滑り込んで停車した。
本来なら終点の下仁田駅まで座ってればいいのだがーーー
なんじゃい・・・駅?
なんじゃいって何じゃい!
思わぬ駅名に目が覚めたw いや、勿論知ってはいたけれど、寝過ごして見過ごさなくて良かったなあってさ^^
ここは珍名駅でもあったりするんだが、その名の由来は色々あったりする^^
アイヌ系の人たちがどうたらこうたらとか、
そういう豪族の名前があったとか、
そういうのを『廃村さーくる』のメンバーにも語らせる予定だったんだけどね^^
ま、そこにヒロインである“夕実ちゃんは居ない”予定でしたが。
ヒロインが廃墟めぐりの旅に居ない?
いつも必ず居る夕実ちゃんがなぜ?
ま、それはいつか別の形で描いてみようかと思っています^^
そんなこんなでーーー
群馬県は下仁田駅に到着です^^
ちなみにこの時点で現在時刻16:00。
えっと・・・
結構暗くね?
なんだかんだ日が落ちるのも早い季節ですな。ましてや山間。しかも写真から察するに曇りがちのようですな。
そうなんだよ^^; 本来なら最低でも二時間は前にココ着いておきたかったんだよね。
新幹線での乗り過ごしが痛過ぎた^^;
とはいえ『可能性』を信じて、ここから目的の場所へと進んでみることにしたのだ。
ちょっとばかし迷子になりつつも、奇岩が顔を見せる川沿いを上流へ上流へと道伝いに歩く。
えっと・・・今回の目的地ってそもそも何なのよ
公表したいところだが、ボツになってしまったとはいえ、別の機会に使えるかもしれないので、
あえて目的地はうやむやにしておきます^^
なんでだよー!
刻一刻と暗くなりつつある寂しい山へと続く道路をひた歩くオイラ^^;
途中、酒と煙草が一緒になった体に悪そうな自販機を見つけて『ここで一服して、お酒ぐびぐびして帰るのもアリだよな』と、
思ったけれども。マジ思ったけれども、
もう少し進むことにしたw
するとひび割れた上りのアスファルト道の先に煙が見える。
そこは山肌に軒を連ねる大きな工場だった。
実は結構その工場が目的地への『重要ポイント』だったのだが、
上手い事『そこへのルート』を見つけられなくて、そこから先へそこから先へと上って行ってしまうことになる。
とはいえ、この目的地以外にも、
この先に進めば『もうひとつの目的地』もあったので、最重要目的地が見つからなくてもかまわないかなあ~って感じですすんでもいた。
・・・が、いよいよ夕闇に周りの視界を奪われ始めた。
さすがにこの先二つ目のポイントに辿り着けても恐らく『真っ暗』
ボクは『廃墟』と言うところにそこそこ出向いてはいるのだがーーー
それはいつも明け方か、日中であり、
『夜に』廃墟へと向ったことは一度も無いのです。
基本、へたれですしねえ。
これこれ、へたれ言うな^^;
ぶっちゃけオッチャン『小心者』だしね。
そう。基本、小心者です。
光が差し込む日中ならば好奇心が臆病心を凌駕して廃墟探索にいそしんだりしてますが、
夜間の廃墟なんて・・・
無理に決まってるのですw
・・・だってこえーよ^^; おばけ出そうじゃんかw
いや、日中でも不気味ですけど^^;
ということでココから先は無理だと思って断念です^^;
小説なんて『こじつけ』でどうとでもお話を創り上げることは可能ではあるけれども、今回は目的地ありきだったこともあり、
流石に脳内のイメージまでは辿り着けないし、こじつけるのも無理があるし、ボクの想像力じゃそこまで話を持っていける実力も無いので、
『ボツ』になってしまった。というのが今回のお話ですw
まあ~過去にも幾つか失敗してボツになった旅路もありますしねw
まあな^^; ロケハン失敗も、これだけ出向いていれば何個か出てくるわけですよw
むしろ今まで目的とする廃墟に結構辿り着けていたことが奇跡なのかもしれない。
迷子マスターだしな、オッチャンはw
ということで、すぱっと諦める事も廃墟めぐりには重要。
なんせ管理されてない危ないとこだしな。
ましてや夜間なんてもっと危険度増すでしょうし。
すんなりと諦めてさっそくUターンすることに。
ここで軟弱なオイラの肩に担いでいた『秘密兵器』がようやく真価を発揮できることになる。
秘密兵器?
それはコレじゃ!
キックスケーターか!
今回も持ってきておいて良かったあ~^^;
このキックスケーター君のおかげで、帰りの下り道は大幅に時間が短縮できたよ^^
歩いて戻るには1時間以上のところを実質20分で駆け下りることが出来たからね^^
機動力の少ない貧乏人には最高のアイテムだとあらためて思ったw
ま、そんな感じで戻ります^^
途中、
上りで見かけた工場まで到着。
山肌に連綿と灯る工場の光に、思わず心を奪われてパシャリパシャリとシャッターを切った。
夜の工場の明かりって少しドキドキさせられるよね^^
しかもこんな寒集落が佇む山間に突然ゴツゴツしたキャッスル(城)っぽいのが、煌々と光を撒き散らしてるその姿にはギャップもあってか、すげーなオイ!と、しばし見とれていましたよw
そんなこんなでようやく下仁田駅の近くの川沿いまで到着^^
ふと、欄干の向こうの景色に怪しい光を見つけるのだ。
やだ。なにその十字架みたいなの^^;
わがんねえ。教会か病院かなんかじゃないのかな^^;
病院でも教会でも、十字架の看板かシンボルが夜間に光ってるのは流石に不気味に思いますなw
だよなあw
少し考えていただきたいところではあるかもなw
と言う事で、物語を作ろうと思ってた意味ではボツにはなってしまった旅路でしたが、いかがだったでしょうか^^
ロケハン名目じゃなければボクとしては良いお散歩でしたw
ではでは次回の記事は何になるかはわかりませんが、
1個だけ記事を挟んで、いよいよ次の島旅物語へと突入になると思います^^
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
第605話 わたらせ・ひので小学校跡編ファイナル『歴史があるのに真新しい廃校』 [廃村さーくる]
『うはっ!このままじゃビショビショじゃん・・・』
それは勇気か蛮勇か。
私は意を決し、藪道を突貫して目的の場所へと辿り着いた。
その格好は普通の女の子仕様である。
別段そこまで気合入れて服装や足元に気を使ったものでもない。
ほんと普段着。
廃墟を目指すには実に舐めた格好でここまで出向いた訳なんす・・・。
だってぇ・・・別に遠めからでも目的の場所の外観の写真を撮れればいいくらいに思ってた。
何しろ、おニューのカメラの写りを試したかったくらいの軽い気持ちだったし!
だってだってさーー。パソコンでのリサーチじゃ国道からちょっと逸れたくらいだし~、
目的の場所までは服も汚れるほどの距離でも無いんじゃね?な~んて思ってたのです^^;
それがですよ!
この、時間が経てば経つほどに強くなる雨足。
雨粒をたっぷりと蓄えた藪道を少し通っただけでも、充分にドロだらけだった私でした^^;
まあ・・・それはしょうがない。
天候のせいだし自業自得ですしぃ^^;
ーーーでもだよ?
小中駅の持ち出し自由の置きビニール傘ではとてもとても防ぎきれない強烈な豪雨が私を襲う。
カメラ構えてのんびりブラブラ建物の外観を眺めるなんてのはーーー無理!ぜえええったい無理っす^^;
私はもうこれ以上濡れたくない!と、屋根のあるところを探すのでした。
この『ひので小学校』に。
・・・でも、一般家屋の様に突き出た屋根も無く、
雨足を充分に防ぐことの出来る場所はパッと見、無かった。
---ふと
サッシの横開きのドアを見つける。
私はその取っ手に思わず手を掛けた。
『もしこのドアが開かなければ』ずぶ濡れのまま小中駅まで帰って、駅舎で帰りの列車を待とう。
『もしこのドアが開いたなら』雨足が弱まるまでの、暫しの雨宿りをさせてもらおうかな?と。
スウゥーーーーーーーーーーーーー
・・・そのドアは、あっけなく開いたのです。
第605話、スタートです^^
私はその場に傘を投げ出し、指で自分の濡れた髪の毛から水分を無造作に梳く。
とはいえ、とても指で梳いたくらいじゃ拭えないくらいのびしょ濡れっす^^;
バックからハンドタオルを取り出して顔やヘアーを拭い取った後に見えた目の前の景色はーーー
この廃校の廊下だった。
見た感じ、奥の方まで雑多に色々と置かれている。
ここの廃校もご多分に漏れず、地域の物置き場と化しているようでした。
『失礼しまーす・・・^^;』と誰も居ないのを分かっているのに声を出してみるのだけれど、
廊下の向こうへと私の声が掻き消えただけで、返答など無かった。
とりあえず、ここにじっとして雨足が弱まるまで待つのもいいのですが、
せっかくなので歩き出すことにする。
手短に近くの教室らしいところを覗いてみた。
・・・ごちゃごちゃしてて、ここが何の教室だったのかさっぱり見当がつかない。
しかも薄暗く不気味に感じて、覗くだけにして先へ進むことにした。
直ぐに二階へと続く階段があったのですが、ここはスルーして一階の教室を探すことに。
いそだ学級?
なんなんだろ?
ここは先生の名前でも教室名につけるのだろうか。
それとも・・・廃校になってから使われたリクレーションルームのネーミングだろうか。
(下調べでは、廃校になってから地域の集いの場として一時期利用されていたらしい)
せっかくなので覗きこんでみる。
でも何も無いガランとした部屋だったので、その真意もなにも分からず次の教室へ向うことにしたっす。
ここは二年生の教室かな?
開いてるドアから覗き込んでみた。
あ!まるでこれから教室の掃除を始めます、みたいな感じで、
教室の壁際に寄せてある机や椅子。
ここはなんだか自分の昔を思い出させる場所だった。
思わず『失礼します』と声が出て、いつの間にか教室に入っていた。
2~3覗いた教室の中で、共通するものが残されていた。
教室でストーブを炊くほど、この地域は冬には寒くなるのだろうかと、勝手に妄想した。
静岡の伊豆っ子の私には教室に暖房なんて想像もつかないことだったから。
ふと教室の後ろ手に棚を見る。
ここに運動着やランドセルや水彩道具とか突っ込んでたんだろうなあ~と、
空っぽの棚ではあるけれども、皆のランドセルで一杯になってる棚を思わず思い浮かべた^^
懐かしく思わせるけれど、寂しい場所。そういうふうに思ったよ。
その隣は図工室だった^^
雨の所為もあってか更に薄暗い室内ではあったのだけれども、
ここまで来たら懐かしさばかりがこみ上げて、ついつい暗がりの怖さも忘れてズンズンとお邪魔する私になっていた。
教室の中に流し台。
私の過ごした学校にはこういう造りは無かったかも。
だからこそ妙に新鮮に感じてしまった。
一階、最後の教室である図工室を出ると、
屋内にも関わらず、ところどころに草木が這っていることに気づく。
さあ、ここまできたなら雨宿りもどうでもいいです。
もし村の人が居て『何してるの!』と言われたら、おもいっきりゴメンナサイをしよう。
私は二階へと続く階段をゆっくりと上りしめた。
くもの巣は当たり前。
驚いたのは、スズメバチの死骸がたくさん転がっていたことだ。
私は思わず天井を見回したが、スズメバチの巣らしきものは見受けられなかった。
死骸を踏まないように、恐る恐る階段をのぼっていくーーー
ここまで来て思ったことがある。
それは、以前訪れた草加市の民族資料館、すなわち旧・草加小学校西校舎と、間取りも造りも
とてもそっくりだということに^^
設計士の大川さんが設計した58の木造校舎+鉄筋コンクリート造校舎一校(草加小学校西校舎)のうち、二つしか周ったことにしかならないんだけど、
それでもとてもデジャブを感じるのでした。
2階の教室は全て、がらんどう。
しかも少し真新しい。
一番それが顕著だったのは二個目(北階段側から二つ目)の教室を覗いた時でした。
今でも使われていそうな感じの部屋だった。
ここがもしかしたら、地域のリクレーションや会合で使われて『いた』場所なのかも。
過去形なのは、最近は使われているかどうかが曖昧って情報があるからなだけ。
地元の人に実際に聞かないと詳細は分からないのお。
5年生のプレートを見つけたんだけど、そこも特に何も無かった。
いよいよ2階部分も、ドン突きの部屋を残すのみ。
・・・と思っていたのだけれど、
南側の階段の近くに『用の無い方は入らないでください』という貼り紙がある小部屋があった。
そこは3階へと続きそうな階段の先。
でも実はここ、木造二階建ての校舎なんです^^;
興味本位で階段に足をかけて進むと・・・
小さな小さな小部屋?でした。
そこを簡単に想像してもらうのならばあ~、
屋上へと上る階段の行き止まりのスペースみたいなところです^^
学校によっては、使われない机や椅子の物置的存在の場所ってやつですかね^^
なんてことのない部屋だと思っていたのだけれど、
その部屋は天井から滴り落ちる(むしろダダ漏れ)雨漏れに床や机たちを濡らしていたの。
よくよく見ると、床もうっすらと苔のようなものが広がっていた。
次はいよいよ最後の部屋っぽい、ドン突きの部屋へ。
そこは音楽室。
ーーーここで、私は少し立ち止まった。
なにやら人の話し声らしきものが少し聞こえたように思ったので、思わず身を屈めてしまったのです。
最初は『ああ・・・やっぱり人が居たんすね^^; どうしよー・・・。ここは思い切って、スミマセン^^;雨宿りで中に入っちゃいました^^;』な~んて、断りを告げようかなあ~なんて思った。
今でも村の集い的に利用されてるんじゃね?なんて思ったの。
・・・でも話し声的な声はその後まったく聞こえてこない。
人の気配も感じられない。
聞こえるのは、時折激しく窓に打ち付ける雨音のミシミシ・・・という音だけだった。
しばらく経ってから、私は思い切って突貫することにした。
誰も居ない音楽室だった。
あるのは木琴と鉄琴。それと歴代の音楽家の説明書きのポスターだけ。
思わずクスリとしてしまいました。自分の小学校の頃にあったどこの学校にもある音楽室の怪を思い浮かべちゃって^^
(※ほんとうは、この部屋に入った時、けっこービビッテましたw)
さあーーー充分見て周ったし一階へと戻ろう。
雨足は相変わらずだけれども、そうそう一人ぼっちで廃校にいるのもとても怖いものです^^;
せめて明るくて、いつでも外に出れそうな先ほどの入り口で雨足が鈍るのを待とうかと思って階段を降りることにしたんです。
ここまで巡って、割としっかりした造りだったので自由に闊歩してきた。
でも、階上から見下ろした踊り場はビショビショに濡れていた。
どうやら先ほど訪れた雨漏りしている小部屋の真下にあたるみたい。
用心に越したことなしと、木造の手すりに身を預けつつ慎重に下りていったんです。
一歩一歩、つま先で探るように足場を確かめて。
そしてようやく踊り場まで足先がついた。
ここなら体重を預けてもへーきだろうと思った瞬間
えっ!?
第604話 わたらせ・ひので小学校跡編vol①『カメラ少女琴音?』 [廃村さーくる]
『シトシトシト・・・』
雨がそぼ降る早朝、私は駅前に一人たたずんでいた。
目の前に立てかけられた民族資料館の看板をずっと見つめる私。
この民族資料館、ある夏の日に私はお兄ちゃんと訪れたことがあったのだが、
思わずボソリと口をついた。
『大川勇・・・か』と。
・・・別に彼氏とかそーいうんじゃないよ?言っておくけどー
大川勇というのは、地元草加市の小学校を出た昔の設計士さん。
前回訪れた民族資料館。つまり旧草加小学校西校舎を設計・改修したのが彼である(って書いてあったw)
そこに訪れた時は覚えてはいたのだけれど、いつのまにかその名前を忘れていた私(そりゃそうです^^;)
ふとしたことで、その名前をまた思い出すことになるのでした。
9月も入った頃、お兄ちゃんがせっせせっせとパソコンでの廃墟検索をしていた。私はたまたま覗き込んでいたのだがーーー
ある物件の説明書きに『大川勇』という文字を目にしたのです。
お兄ちゃんはサラッとスルーしていましたが、私は家に帰ってからもう一度そのことを調べなおした。
どうやらこの人は生涯に58棟もの木造校舎を設計したようだ。
その中に『廃墟物件』が含まれていたと・・・。
話は少し逸れるのですが、私は最近おニューのカメラをゲットしたのである。
とは言っても、廃村サークルの撮影用と言うことで、みんなからの融資の上に購入したカメラなんすけどねw
ま、実質カメラ担当である私のもの同様です!
---うずうずしていた(いやらしい意味ではなく)
そのカメラを試し、練習したいなあ~と思っていたわけですよ。
そこで前述の『廃墟物件』と『カメラのプラクティス』が重なる。
大川勇の造った建物を新しいカメラを携えて私は山向こうへと、ひとりの旅路に出たのですーーーーーー
途中までは意識があった。
電車を乗り継ぐこと2時間というところで、バッサリと意識を断たれる。
確か最後の目的の乗換駅まであと少しというところで・・・
駅員さんにトントンと肩を叩かれて眠りから覚めた私は、終点の赤城駅に漂着していたw
ここじゃねーっすよお・・・^^;
とりあえずUターンを決め込もうと一旦改札を出てみることに。
---すると、
『大間々駅はこちらです』と言う看板が出ていた。
その大間々駅と言うのは、私が乗り換えようとしていた『わたらせ渓谷鉄道』の途中駅。
ここで私は思考する思案する。
お兄ちゃんなら歩くだろう・・・と。
私は思い切って徒歩で行くことにした。
歩くこと2~30分。大間々駅の近隣マップを見つけて少しホッとする。
・・・とは言ったものの、実は曲がらなければいけなかった道をやり過ごしていたようで大幅に行き過ぎていたのです^^;
あわてて戻ることにした私。
ふと、線路向こうに白い物体を見つける。
むむむむむ・・・気になる気になる^^;
少し寄り道していこー♪
おおー!すげー♪
そこは『はねたき橋』と言う高津戸峡に掛かる橋でした^^
この地域のシンボル的存在らしい。
ここでしばらく見晴らしを楽しんだ後、次へと向おうとしたのだがーーー
ご近所にあったお寺で手をあわせることにした。
旅の無事でも祈りつつ。
途中、わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車とすれ違う。
駅はもうすぐのところだった。
なんとか辿り着いた大間々駅。
私はさっそく時刻表へと目を通すのだった。
『なぬっ!?ちょちょちょちょ!次の列車まで一時間後!?』
どうやら寄り道しなければ先ほどすれ違った列車で先へとスムースに行けたらしい・・・うは^^;
ま、しょうがないのでここでいつもの
宴です☆
でも今回は一人旅だったので、あまり時間を潰せなかったように思う。
だっていつもは仲間とお喋りしていれば、あっという間だったしね^^
一時間後にやってきた列車に乗り込んだ私は、
『小中』という駅に降り立った。まわりを見回しても何も無い誰も居ない無人駅だ。
ふとここで私の頬にしずくが落ちる。
見上げた空からはポツポツと雨粒が降ってきた。
私は傘を広げようと傘を捜すのだがーーー
どうやらお酒飲んでる場所に立てかけたまま忘れてきてしまったみたい。
ああ~ん神様ヒドス^^;
でもご安心あそばせ^^
なんと駅に備え付けの置き傘があったのですぜ☆
私はそれをお借りして、目的の場所へと歩き出した。
途中、どんどんと雨足がひどくなってくる。
早く目的地に着いて欲しい!そう思った頃、あっさりとその場所への道らしきものが登場した。
藪の中へと向う小道。
横を見やればスクールゾーンだったのだろう、錆びた道路標識。
私は左手をグッと胸にあてて、覚悟して降りていくことにした。
見えてくる建物。
そして迎え入れてくれる校門。
そこにはーーー
『ひので小学校』と言う文字が。
そう、今回私が訪れたのは、大川勇の設計でもある
『旧ひので小学校跡』だったと言う訳です^^
ここまで読んでいただきありがとうございました☆
次回は学校編です^^
第602話『我が町のレトロ』公共施設が涼しいと思ったら・・・&旧草加小学校西校舎 [廃村さーくる]
『お兄ちゃんとデート☆』
・・・って訳ではありませんが~
ある夏の私とお兄ちゃんの夕涼み?をご紹介っす^^
夏の甲子園が始まる前の事です。
お兄ちゃんとたまたま帰る事になって、どうせなら自炊の食材を奢ってもらおーかと思いましてーーー
(お互い東京に出てきて一人暮らしの身の上です。しかもご近所だし同じ大学っす^^)
駅前のスーパーに2人で寄り道です。
子供の頃は、お母さんに連れられてお兄ちゃんと共にスーパーに行ったことは何度もあったけれど、
兄妹だけでのお買い物ってーのは始めてかもだなあ^^
---んで、
せっかくのパトロンさんですよ。
スポンサーさんですよ!
普段、お値段に躊躇してなかなか買わずにいた食材まで、
お兄ちゃんの持ってる買い物籠にポンポンと突っ込んでやりました♪
そのおかげか結構ォ~お兄ちゃんはレジで渋い表情してましたがw
空調の効きまくりで寒々としたスーパーを出た私たち。
でも、お外はやっぱり夏まっさかり・・・
・・・うへえ^^;
めっちゃあついい~・・・
さっさとこの買い込んだ食材持って自宅へ帰ってエアコンつけたいっすと思ってたのにーーーーーーー
『ほいほい食料買い込みやがって・・・^^; たっぷり奢ってやったんだからよォ・・・
今日は、お前が俺んちで飯を作れ!』と、兄貴はすっかり私をお母さんか嫁さん気取りで指図ですよ!
ありえなくね?
確かに大分奢っていただきはしましたがw
かんわいいー妹様に対してなんたる仕打ちですよ!
今度、兄貴の嫁候補の夕実っちに『実はこんなにお兄ちゃんってば横暴なんだぜ?』と報告しておこう☆
・・・っちゅーわけで、お兄ちゃんのアパートまでダラダラと炎天下の中歩いていたわけなんすがーーー
第602話、スタートっす^^
『ぐおお・・・超絶あづいいいい・・・・』
出るのはため息ばかりなり^^;
何かを喚かないと体の中に熱がこもって仕方がありませんw
さすがに耐えられなくなった私は『お兄ちゃんコンビニ!コンビニ!そこで涼しんでこーよ。タダだし☆』と提案をするのでしたがーーー
『家まであとちょっとなんだから我慢しろよ~^^;』と、取り合ってくれないのであります。
ーーーふと、コンビニを過ぎたところで『ある建物』が目に付いた。
歴史民族資料館・・・って事は『タダの冷房を拝めるかも♪』と思い、
しかもこの手の『資料』とか『展示』ってーのはお兄ちゃんの食指が動きそうな雰囲気バリ3ですよね(しめしめ
『お兄ちゃん。ちょっとここに寄ってみたいかも^^ ダメ?・・・かなあ~』と、
実にいやらしいくらいの甘えん坊攻撃をしてみせた私(おえー、自分でやっててきもちわるいーw
『ん?んー・・・、ま、ボクも気にはなってたしいいかな^^ じゃ、ちょっと見物してこうか^^』と、今度は合意を取り付けたのです☆
ということで、タダ冷房ゲットしに潜入してまいりましたw
『旧草加小学校西校舎』が、この建物の本来の名前。
埼玉県下初の鉄筋コンクリート造校舎(1926年:大正15年竣工)として建てられたこの建物、
当時としては大変近代的な建物だった。
・・・って、入り口入った傍に書いてありましたw
『用は、それを改修して町の資料館にしたってことなんだろうな^^』
スリッパに履き替えながらもお兄ちゃんが言う。
そんな私たちの声が聞こえたからだろうか、受付のドアから初老の男性が出てきて
『見学ですか^^ 初めてでしょうか? 受付の紙に何点か記入をお願いいたします^^』と、案内してくれたのです。
そしてこの資料館のパンフを私たちに配り
『ご自由にまわられてください^^ 個人的なものでしたらカメラ撮影も構いませんのでドシドシ撮ってくださいね^^ では』と、
再び受付奥へと戻られた。
『んじゃま~、せっかくだし、自分の住んでる町を知る旅に行きますかね^^』
お兄ちゃんはなんとなく寄りましたって雰囲気で言ってはいるが、その顔は意気揚々、嬉しさがにじみ出ていた。
一方、私としては資料館とかあんまり(全然)興味ないんだが・・・。
タダ冷房ゲットできるかと思って入ったんだけど・・・
『ここ冷房まったく効いてないんです・け・ど・っ!』
『どうやらエアコンとか無いみたいだな琴音w ま、いいじゃないか。日差しを浴びないだけでもいくらかマシだろ?
ということでさっさと行こうぜ!』
お兄ちゃんはガンガンと廊下の向こうへと進み始める。
私はそれに渋々とついていくのだった・・・^^;
最初に訪れた教室は、この草加市の歴史の流れを説明する場所だった。
縄文から近世に到るまでを物語る展示物やレプリカが所狭しと並べられていたっす。
じっくりガラスケース越しに見つめるお兄ちゃんに
『ほら早く次いくよー』と、教室の後ろのドアを開けて急かす私。
『おまえ、興味ないからって早すぎだろw』と言われつつも、私たちは次の教室へと向った(強制。だって暑いよここw
廊下だった場所にも展示物がキュウキュウに置かれている。
この手回しミシン、渋くてかっこええなあ^^
次の教室の扉を開くとそこは、この草加市の昔の『暮らし』や『名産品』を私たちに伝える教室だった。
ふと、それほど興味も無くさっさとまわってお兄ちゃんちのエアコンと戯れたいと思っていた私だったのだけれども、
“埼玉三大銘菓”ってフレーズに思わず目を留めた。
この草加市。『草加せんべい』と言う『お煎餅』では割と知られた町だったりするんだけどおー
うちの草加煎餅はよしとしよう。
・・・で、あと残りの二つの銘菓が気になったのだ。
それに気づいたのかお兄ちゃんがニヤリとしながら、そらで残りの銘菓を口にした
『あとは川越の芋菓子と、五家宝(ごかぼう)かな^^ 五家宝に関しては熊谷市だったり加須市が発祥かも?なんて感じで諸説あるから、どこどこの銘菓って表現むずいんだけどね^^;』
ふむふむなるほどさっぱりわからんw
まあ~今度食べる機会でもあったらたべてみよーかな、その二つ^^
その後は『へえ~草加って浴衣とかつくってんだあ~』なんて、ちょっと意外というか知らなかった情報に驚きつつも次へと進むことにしましたっす。
(町を歩いていても“お煎餅屋さん”くらいしか目に付かないから知らなかった。なめし皮を扱った商品が名産だとか、浴衣がどうだとか、
結構自分の住んでる場所で何が作られているかというのは知らないものなんだね~と思ったっす^^;)
『次は2階の教室めぐりか^^ 廃では無いけれど、旧校舎を再利用ってところにちょっとばかし自分のサークル活動に似通った感があるから楽しいな☆
琴音の気まぐれとは言え感謝するよ^^』と、お兄ちゃんにクシャクシャに頭をなでられる。
うは!セットが乱れるやんけ!と、その手を『うがー!やめてー!』と無下に払った私だったのだけれど、
なぜかお父さんの頭のなで方にそっくりだったなあ~と、不思議とニヤついてしまった。
さ!暑いけど上の階に行きますか^^;
階段途中には河川の歴史なる十数点のパネルが掲げられていた。
本来なら華麗にスルーな私ですが、
ですが、
渋い煉瓦に最近はまってる“煉瓦ガール”としては、見逃せないものがありまして、いつのまにか先頭をお兄ちゃんに譲って、何個か食い入るように見ていましたw
うし!今度この写真のとこに煉瓦求めて行ってみよおー^^
2階の教室は、この草加市の河川の歴史を綴ったパネル写真の展示室でした。
『河川あるところに煉瓦水門・樋門アリ』と、いつのまにやらお兄ちゃんよりじっくりと展示物を見ていたと思います。
笑っちゃうよね。最初は公共施設の無料の涼を求めてと、邪な感じで飛び込んだっつーのにw
---2階のもうひとつの教室は準備中で入ることができなかった。
その代わりに、廊下に面白いものが結構あったのです^^
『お、昔の電話だね~^^』
『ちょ!? なんか“今でもこの電話って使えますか?”ってクイズ形式になってるやん^^』
・・・今でも使えるの?これ?
昔見たドキュメントとかふっるい映画や、ドラマの回想シーンのうる覚えくらいしか私には知識がないよー^^;
そして正解はーーーーー
『えっ!?まじっすか?使えんのコレ???』
思わず驚いた私に、お兄ちゃんがドードードー!とまるで興奮した動物を諌めるかのように声をかけてきた。
『うーん・・・どうかなあー? ボクも詳しくは無いけどさ~
この電話は磁石式電話機って言って、横についてるクランク(ハンドル)を回して発電し、オペレーター(交換手)のおねーさんに仲介してもらって、
掛けたい相手先へ電話するってのが主としたものだってーのはなんとなく分かるんだけど、
今の時代、交換手がそもそも居ないんじゃないかなあ?
そして、それを抜きにしてもだ。ダイヤルも無いわけだし相手先に伝達することもままならないんじゃないかと疑問に思っちゃうんだけど^^;』
そー言われてみればそうっすよね・・・^^;
っちゅーことは、この答えは『嘘』?
『ああ・・・でもニュアンス的には微妙だけど、確かに使えることは使えるかもしんないな^^
有線電話として今でも狭い空間なら使えるのかも^^
例えば村とか島とかの個々を結ぶだけの防災無線電話(有線なのに無線とはこれいかに)としてなら使えるんじゃないかなあ^^』
(※あまり電話の詳しいことは正直ボクにもワカリマセン^^;
例えば一例としてあげますが、ボクは島旅に出向くと
ちょこちょこ電話型の防災無線を目にするのだ。
それは家庭の固定電話とは別に備え付けられた緊急防災・もしくは町の広報用の電話です。
そういう類でしたら、この手の磁石式交換電話というのは現役でも使えるんじゃなかろうか?^^;)
お兄ちゃんも自信なさげではあるけれど反を唱えるこの問題。
後で調べてみたいかも^^
あんなにエアコン無くってがっかりしていた私が、いつのまにか問題を提示されて調べようなんて思うんだから、面白いもんですね^^
資料館恐るべし!w
『木製のレジスターとかあったんだねお兄ちゃん^^』
『もし、この資料館で1個だけタダでいただけるって話があったらコレが欲しいなw』
そんなこんなで廊下に並べられたレトロな物々に逐一目を奪われては、私たち兄妹は感想を言い合いながらも先へと進んでたんです^^
そして一通り巡った頃に外へと出たらいつのまにか日が陰っていて、そこまで文句を言うような暑さでもなくなっていた。
ある意味ここを訪れたのは正解だったのかな~?
『登録有形文化財って、そういえば何さ?』
帰り際にふと思った。
『簡単に言うと“重要文化財”“国宝”以外に国や自治体で保護すべきと思った文化財ってことかな。
簡単に言いすぎだけどw』
『っちゅーことは、ランキング的に国宝とか重文より下ってことっすか^^;』
『こらこらそーいうこと言うなあー^^; まあ~でも、国の管理だけでは手が回らない近世の貴重な文化財はたくさんあるんだ。
そこで、有形文化財に登録させてもらえたなら国や地方公共団体が保護・管理しますよ~という届出制、助言等を基本とする比較的緩やかな制度なんだよ^^』
ふ~ん、さっぱり意味わかんないw
でも、古き良き物を残したいってのだけは良く分かったっす^^
『廃墟も有形文化財に登録できたら面白いかもねお兄ちゃんw』
『歴史的価値がある廃墟なら分からないでもないけど・・・中々そういう廃墟は無いかなあw
というか、手厚く管理・保護保存されちゃったら、それはもう廃墟じゃ無いような気がするしな^^;
まあ・・・そんなのはいい。
今から帰って夕御飯は何作ってくれるんだ?琴音』
『ええー!? 本気で言ってるの?
もう、枝豆とビールでいいじゃーんw だって作るのメンドイしいーw』
結局、夕御飯はお兄ちゃんに作っていただいたw
ただ、その後は『私の一人暮らしの食生活』について、まるでお母さんのように小一時間みっちりお酒飲みながらお説教されちったのは言うまでも無いーーー
ーーー琴音のある夏の日の日記より抜粋
《あとがき》
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
お久しぶりの更新ですかね。
まあ~仕事事情もあったりで最近はこんな感じで、ゆる~く更新させてもらってます^^
今回、自分の今の地元である『埼玉県・草加市』に住み着いて、もうすぐ20年目を迎えようとしたこの夏、
昔から気になってたけれども、むー・・・どうなんだろ?ってな場所へと潜入してきたわけなんです^^
それが今回の記事で登場した町の民族資料館である『旧草加小学校西校舎跡』
ぶっちゃけこのお話の主人公である『琴音』のように、
『涼しむがてら、勢いで入ってみよう^^』って感じだったのです。
だって、町に資料館があったとして・・・
普通の人は積極的に赴くかどうかですよ^^;
日常生活を送る上で、意外と人ってのは地元の事、地元の歴史とかをあんまり知らないなんてことありますよね。
そもそも興味すら懐かないといいますか^^;
でも今回、飛び込んで正解だったと思っています^^
エアコン無くってアテが外れたけれど貴重な体験だったと感じてますw
さ、次回記事はもう決まっています。
一週間後に控えた4連休を使った島旅がどこに決まったのか?の御報告でございますです^^
溜め込んだご訪問&niceやコメント返し等々は、そのうちと言うことで気長に待っていてくださいな^^
ではでは☆
第600話 福島・湯野上温泉編ファイナル『何もやせなくて・・・夏』トロッコ電車&手掘り温泉 [廃村さーくる]
『ヤバイ・・・そう言えばこの後、温泉だったっけ^^;』
わたくしこと琴音は、誰からも視線を感じないのをしっかり確認しつつも、
自分のお腹のお肉をこっそりムニュッと摘んで1人で苦笑いっすよ^^;
・・・この夏、不摂生しすぎたぁ^^;
合コンやら友達達とのプチ旅行三昧で夜に飲み食いの比重が多かったのがイタタタタ・・・
夜9時以降は絶対食べないって、あんなに誓ってたのに^^;
ーーーでも、つったってさあ~、
大学生ですよ?
遊ぶのがお勉強ですよね!(絶対違います☆
流石にノリで羽目を外しちゃい過ぎたのは超反省っす^^;
ま、バイト先のアイスケースに入って馬鹿げたり
ピザを顔に巻きつけたり
そういうアホな事はしなかったっすけどね♪
・・・とは言え、このあとお兄ちゃんが選んだ温泉って混浴か?別風呂か?
ま・・・どっちにしても、今のぷにぷにのお腹を隠さなければいけないんだけどぉ^^;
むっつり兄貴なことだから、多分混浴なんだろうなw
私の何も痩せなくて・・・夏物語、スタートです☆
(湯野上温泉編ファイナルは琴音視点で進みます^^)
あの少しばかり陰鬱な感じがしたホテルの廃墟を飛び出した私たち。
迎えてくれるのは、それを全て打ち消してくれるような夏の日差し。
当初は照りつける熱線すら心地よいとも思った。
だってやっぱり廃墟の暗がりよりは、お天道様の日差しを浴びるのが最高っすよ^^
皆も同じように思ったのか、夏の暑さなど気にせずに周りの空気や景色を愛で吸い込んで夏の開放感を味わいながら歩いてたと思ったっす^^
・・・とは言え36度ですw
結局は最初だけっすw
そんな景色を愛でとか、いかにもカッコいい風に言っちゃいましたが、
ジリジリと照りつける日刺し(本来なら日差しですが、あえて刺すような)
逃げ水が見えそうなアスファルトから照り返す反射熱に体を包まれて、
いつしか皆ぐったりしながら言葉も発せずに歩き続けてました^^;
ーーー歩くこと20分ほどだったでしょうか
川向こうをふと見やると、私たちが降り立った駅『湯野上温泉駅』っぽい建物が見えた気がした。
それと共に目の前の道に広がる物体。
『ねえねえ~お兄ちゃん。お兄ちゃんって“川の向こう側に渡るには橋を探すしかない”って言ってたよね?
それは駅の近くに無いってさっき言ってたよね?
だからあんなに遠回りしたんだよね?
・・・この橋は、なあ~に?』
私の言葉に皆、これはどういうことなんですかねえ・・・って感じの冷たい目線をジイーーーーーーーっとお兄ちゃんに向ける。
『あちゃぁー・・・こんなに御近所に向こう側に渡る橋があったんだね~^^;
知らなかったよ、えへへ☆』
ま、その後は女子軍団からの言葉攻めという集中砲火を浴びてましたよお兄ちゃんはw
結局、みんなのお土産代を受け持つということで、何とか手打ちになったのではありますが^^
私は知っている。
お兄ちゃんは自分が間違っていても、最初は必ずおどけて見せて、絶対に謝らないって性格を☆
これで昔は(今も)良く兄妹喧嘩したものです^^
炎天下の中、無駄に歩かされた私たちの前に、ようやく自動販売機が登場した。
喉がカラッカラな私たちは勿論ここで当然のようにお兄ちゃんに何も言わずに手を差し出すのだ。
謝罪と賠償。
どこかの国と違って明らかにコチラに求める権利があるわけです。
『ええ~^^;』と言いながら中々ポッケからお財布を出さないお兄ちゃんから財布を略奪し、
みんなに小銭を振る舞ったのです^^
皆からの感謝の言葉はなぜか私に向けられる。
ま、ATMはお兄ちゃんですがねw
---ここで幾分か皆一息をつく。
ふと、リンダちゃんがお兄ちゃんに、
皆が気になってたことを代弁するかのように声を掛けた。
『エット・・・スガワラサン? 私たちはどこのホットスプリング(温泉)を目指してるデスカ???』と。
そのリンダちゃんの問いに、申し訳無さそうに答えるお兄ちゃんがそこにいた。
『うん。実は・・・自分でも正確な場所を分かってなかったりするんだ^^;
でもまあ・・・大体の場所は見当がついてるんだよ。
だからもう少しボクにつきあってくれないかなあ^^;』
・・・えっと
場所が分からないってどゆこと?
旅館の名前を度忘れしちゃったとか?
日帰り入浴施設の名前を忘れちゃったとか?
そもそも地図すらまともに見てないのにここまで来ちゃったとかなの?
???
・・・まあそれでもいつもどうにかこうにかしてくれるお兄ちゃんを知ってか、
みんな『ええーーー!?なにそれーw』と言いつつも、お兄ちゃんの後に続くことになったのです。
微妙な信頼感と言いますか、いつものことですかってな感じの諦めと達観が混じったような感覚なんでしょうかね^^;
私たちは目的の場所すら分からず、お兄ちゃんの背中に進路を預けてついていくのでした。
道路を埋める木々の影がヒンヤリと心地よい。
いつしか熱い日差しを遮る林のトンネルに突入していた私たち。
ま、これも先ほどと同じくして見た目の清涼感なんてのは長続きはしないのでありますw
『で、お兄ちゃん。目的の場所はどこよ?』
私の言葉に、先頭を行くお兄ちゃんはピタッと立ち止まってこちらを向かずに『う~ん・・・』と腕組みをして見せた。
そしてーーー
『ごめん。おそらく通り過ぎたと思います!反省してます後悔してますゴメンナサイw
実は薄々とっくのとうに過ぎてるんじゃないかなあ~なんて思っておりました^^;
だから、えとえと・・・戻ろうかw
でも今度は多分きっと絶対間違ってないと思うからお願いゴメンねよろしくおねがいしますからついてきてよw』
・・・だと^^;
『これはもう一品奢っていただかなくてはいけないっすよね^^』と言う私の提案に、一部を除いて惜しみない拍手の嵐。
賛成多数でこの法案もまた可決されることになったのですw
で、結局先ほどの自販機の前まで帰ってまいりました。
『実はね?目的の場所は川の近くなんだけど、川まで降りられる道を探していたんだ^^;』と言うお兄ちゃんに、
『あれ?スガワラサン。だったらさっきの自販機のところくらいしか川のほうに下る道は無かったデース^^』とリンダちゃんが戻る道すがらに指摘したのです。
・・・なんじゃそりゃですよ^^;
まんまとお兄ちゃんにアテも無く歩きまわされたって訳ですか^^;
いかにも川床へと向ってそーな道へとレッツゴー!
但し、もし温泉が見つかったとしても・・・
私はこの醜くも残酷なお腹を隠すにはどうすればいいのかと、そればっかり考えておりましたぞ・・・^^;
---下ること2~3分。
目の前に現れたのは
『えっと菅原君? 川に向うどころか渡っちゃうんですけど^^;』
『そうだねえ・・・橋だねえ・・・^^;』
橋から見下ろした川はまだとてつもなく下の方^^;
『あのさーお兄ちゃん・・・。いったいいつになったら温泉につくんでしょうかね!(蔑んだ目線で)』
『とりあえず渡って、川まで下るルートを探そうね。アハハハ^^;』
結局、私たちは、
駅前から進んだ逆方向の道を進み、川床へと下る道探しへと向うことになる。
要するにスタートの時点でお兄ちゃんの選択肢が間違っていた訳^^;
お兄ちゃんはたまたま好物の廃墟を見つけることが出来たから良いものの、
ついて行った私たちにはとんでもない遠回りだったのです^^;
線路伝いに歩いていると、ようやく川へと下れそうな脇道を発見。
チクチクと小姑のように、先行くお兄ちゃんの背中に向って嘆きの言葉を投げつつついて行く女子軍団(いや、本気じゃなくって、好きな子をいじめるような感じでw)
そしてーーーようやく待望の?
川へと降り立ったのです^^
『わきゃー☆ ようやく川まで来ましたです^^ ・・・でも先輩?
ここに温泉があるですか?』
夕実っちが着くなりそう言うのも分からなくも無い。
だってさー
周りを見回してもなんも無いよ?ここ。
川べりに露天のお風呂でもあるのかと勝手に想像してたのに、あるのはキレイな水をたくわえた川が流れてるだけっすよ。
(私はあったとしても入りたくない事情があるけど!)
流石に大人しい女子軍団も(大嘘
これには抗議の声を上げんと、お兄ちゃんに向って口をつこうとした矢先でした。
『じゃ~みんなにスコップ配るから、温泉掘り当ててみようか~^^』と、お兄ちゃんはバッグからスコップを取り出して皆に渡そうとするのでした。
『『『温泉を掘るの!!!???』』』
みんな驚きのハミング。
だってそりゃそうですぜ。まさか自力で温泉掘って温泉に浸かるだなんて思いもしなかったんだからーーー
あぜんぼーぜんの女子軍団。もちろん私も驚いた^^;
お兄ちゃんはスコップを皆に手渡しつつ、ようやく今回のネタバラシを語り始める。
『実はここ湯野上温泉に流れる“大川”には昔、ちょっとした有名な川原の無料の露天風呂があったらしいんだ^^
それが保健所の指摘によって廃止の憂き目にあう(2009年5月ごろ?)
なんでも無料露天のまわりの立地がキャンパーにはうってつけでもあり、かつ温泉入り放題ですよ。
でもね?それの弊害というかモラルの無さでゴミなどの問題が多々あったみたいだね^^;
それだけが理由かはそこまで調べきれて無いので言い切れないが、この川原の露天は公衆浴場法の下に県の保健所に廃止となったんだ。
ま、それが一連の流れ。
---だけれども!
実はこの周辺を掘れば今でも湯が沸いて野湯が楽しめるってことなんだよ~^^
というわけで、各自、この近辺を温泉求めて探しまくりましょうw
自分で汗水たらして温泉掘り当ててそこに浸かって癒されるだなんてのもたまにはいいんじゃないかと、今回はここを選んだと言うわけだ^^』
最初は、まさかの自力露天風呂に戸惑っていた私たちだったけどーーー
『わきゃー☆ 自分で温泉作れるなんて楽しいですぅ!』
『まるで砂金探しみたいでワクワクするわね^^ これは楽しいかも♪』
『ゴールドラッシュ!ゴールドラッシュ!デース☆』
と、スコップで掘り当てるという苦労とかそんなのすっとばしてみんなおおはしゃぎ☆
勿論わたしも自分で掘った温泉に浸かるとかマジでいいじゃんかと、今回のお兄ちゃんの計画に惚れちまったぜチキショーw
それからというもの、各自思い思いに川原に散らばって、
汗かくのも気にせず『ここかな?』『こっちじゃね?』と、石をどけては砂地を掘り起こして温泉探しに夢中になってましたよ^^
とは言え・・・中々それっぽいとこが見つかんない^^;
さっきまで躍起になってたのが嘘のように、みんなゾロゾロとお兄ちゃんの元へと集まってきたのだ。
それは一番うまく温泉を見つけてくれるんじゃないかとお兄ちゃんに期待し、そして最後の望みを託そうとして(他力本願
『あれれ?みんなそれっぽいとこ見つからなかったみたいだね^^;
ボクもまあ・・・何箇所か、ここかな~って掘ってみたけど不発だったよ^^;
でもここはいい感じかも♪』と、
砂地が剥き出した場所をせっせと掘り進めるお兄ちゃん。
みんな既に自分で掘るのは諦めて、お兄ちゃんの一挙手一投足に期待を込める。
幾分か掘ったところに水がスウーーーーーーっと湧き上がる。
そこにお兄ちゃんは先ほど皆に外気温を知らせてくれた温度計を差し込むのだ。
・・・ゴクリ。
誰かの喉が鳴る。
もう温泉発見自体が、雪山で助けられた遭難者が最初に口にする熱い熱いスープの感動のようなくらいの感覚だw
だからこそみんな、温度計の赤く塗色されたアルコールかトルエンの行方を食い入るように見つめた。
それが上に行くか下に行くかハイ&ロー!
---その赤い道しるべは
26度。
学校のプール授業ならば合格点だが、皆が求めてる温泉には不適格な温度でした^^;
(いや、まあ~冷泉もあるから熱いのばかりが温泉じゃ無いんだけどね^^;)
ここでみんな一斉にため息ですよw
手掘り温泉のサプライズで高揚して、結局結果が出ず終いじゃ、まあ~そうなりますよね^^;
ガッカリ感ははんぱなかったっす^^;
『みんな・・・ゴメンネ^^; せっかくここまで連れてきたってのにさ・・・^^;』と、小声で謝るお兄ちゃんがそこにいた。
今回の旅の計画をし、皆に喜んでもらおうと思って、頑張って皆の思いもよらないことを発案したお兄ちゃん。
私はここで誰かがもし文句を言おうものなら、つっかかってやろうとも思ってた。
たしかに失敗に終っちゃったけど、こういうとこが自分の兄貴として好きなところだったりするから。だからだ。
でもそんなことは杞憂に終った。
『めちゃくちゃ楽しかったですよ先輩!わきゃー☆温泉でこんなにワクワクしたの久しぶりかもですぅー^^』
『たまにはこんな宝探し的なのも楽しいわよね^^ 私、いつのまにかスカート濡れるの全然気にしないで掘りまくってたものw』
『砂金探しみたいで楽しかったデース^^ 見つからなかったとは言えとても楽しめたデスヨ♪』
みんな温泉が見つからなかったことは責めなかった。
むしろ今回のお兄ちゃんの企画を讃えてくれた。
ああ~・・・やっぱりこの人たち大好きですよ私!
『アハハ^^; そう言ってもらえるとありがたいよ。改めてアリガトウ^^ そしてちょっとごめんね^^;
今回は残念ながら手掘りの露天は無理だったけど、せめて日帰り湯にはみんな浸かって帰ろうか!』
『『『さんせー!』』』
私たちは大川に別れを告げて、湯野上温泉駅まで戻って帰りの時刻表を覗き込んだ。
丸々一時間の猶予があることを確認して近隣の日帰り湯を楽しめる場所へと飛び込んだんです^^
玄関の奥のプチラウンジで寝そべって、テレビに映る夏の甲子園を応援してるおばあさんとその娘さんに網戸越しに声を掛けてーーー
(くつろいでたところゴメンナサイ^^;)
お兄ちゃんは当然のごとく男湯へ。
私たち女子軍団は勿論四人とも女湯へ。
ここで私は気づく。
やべえ・・・
ほんとは私ってば今回プニプにのお腹を見せたくなかったってことを^^;
お兄ちゃんの手掘り温泉失敗で本当なら神回避できたはずのプニプにお腹のお披露目だったのにい^^;
結局、私は何も言い訳を思いつかずに内湯へ入ることに・・・
『アレ?琴音サン。マタニティー!マタニティー♪』と、リンダっちに『妊娠3ヶ月デスカw』とお腹をブニブニされたのはここだけの話っすうううーっ^^;
『双子です☆』とは返しておきましたがね(ヤケクソ
なんだかんだとようやく本物の湯に浸かって、まったりのんびり癒された私たちは、
お兄ちゃんと約束した時間から随分と過ぎまくってからようやくプチラウンジで合流。
文句も言わない(言えない)で待ってたお兄ちゃんには、たまに感心する^^;
すっかり、ほんわかさっぱりした私たちではありますが、
帰りに予定していた電車の予定時刻が迫っていたのです(主に女子軍団のせい)
早々にお礼を言って駅に向おうとしたんですがーーー
『暑かったでしょ^^ 冷たい水でも飲んで行きなさい』と、おばあちゃんが氷水を用意してくれたもんだから、
無碍にも出来ずに皆でゴクゴク飲んだっす(ここいらへんは、本当のお話です^^ 実体験)
---アレ?
なんだろ?
多分、水道水に氷を入れただけなんだけど、
おばあちゃんのおもてなしと、この南会津の風土・土地柄が相まってか、飲み干したその水はとてもとても美味しかった!^^
私たちは何度も頭を下げ『いいお湯ありがとうございました^^』と、日帰り入浴を後にした。
出迎えた外は相変わらず暑かった。
暑かったんだけど、汗を流したおかげで非常に心地よいのだ。
普通なら暑いときに熱い湯で体を温めたら余計に暑いじゃん!と思っていたんだけど、そんなことはなかった^^
夏場の温泉もいいんだね~♪
---駅舎にてお兄ちゃんが皆のぶんの切符を購入しようとしていた。
そして私たちに振り返って
『えっと皆、お座敷と展望と普通の座席があるんだけれど、どれがいい?』と聞いてきた。
・・・お座敷? 展望? はあ?
お兄ちゃんの“主語が無い”いきなりの質問に何を言ってるのかさっぱり分からない。
お兄ちゃんはいつもそうだ。会話にいつも主語が欠落している^^;
だからいつもいつも一瞬考えてしまうんだ。
多分、相手はもう理解してくれてると思って喋り出すタイプなんだろうねえ^^;
『もしかして・・・お座敷列車とかですか?わきゃー☆』と、夕実っちが数秒遅れてからお兄ちゃんに返す。
リンダっちと首塚先輩はそれを聞いてから『え~!?そうなの~♪』と続いた。
さすが夕実っちはお兄ちゃんの理解者っすな^^
『正解!そうだよ夕実ちゃん^^ 会津田島駅まで戻る列車は今時分、トロッコ列車しかないんだよ~。
次の普通の電車は更に一時間後。
せっかくだしプラス数百円程度で乗れるなら乗ってみようじゃないか^^
このトロッコ列車には、さっき言ったようにお座敷・展望席・普通席の三種類から選べるんだ^^
時間も無いし早く早く!』
急かされた私たちは大慌てで多数決を取った。
結果、お座敷2(リンダ・首塚) 展望車2(夕実っち・私)と真っ二つ・・・^^;
後はお兄ちゃんの一票で全てが決まる。
その結果はーーー
『首塚さん^^ 展望車でもお酒飲めるよ~^^』というお兄ちゃんの言葉に
『ならどっちでもいいかな♪』と、今回は展望車での旅に決定したのですw
とは言え、お座敷列車がどういうものかと、走り出す前にみんなで見学。
『赤提灯までぶら下がってて、もう呑んでくれ~って言ってるようなものよね~^^』とやっぱりちょっと後ろ髪惹かれてる首塚先輩や、
『靴を脱いでくつろげるとか最高デスネ^^』と、座ってみせるリンダっち。
『分かった^^ 今度みんなで旅する時はお座敷列車も考慮しようね^^』と、お兄ちゃんは皆に気前の良い提案を掲げて大いに盛り上がりましたっす^^
ゆっくりと動き出すトロッコ列車。
その感覚は遊園地の小さな電車のそれと同じ感覚。
ガッタンゴットン揺れながらもスピード控えめで、湯野上温泉駅を皆で見送った。
窓ガラスもない手すりのみの展望車。
爽やかな風が吹き込んで、頬やおでこをくすぐるこの感覚は最高!
流れる山々や田園風景を皆ぼんやりと、そしてうっとりとしつつ満喫っす^^
---ふと、お兄ちゃんの肩口に何かが止まってるのを夕実っちが指摘する。
さすが景色を見てるようで兄貴もしっかり見てるんだなあと、ちょと感心^^;
その肩にとまっていたのはーーー
名前も分からないけれど、可愛らしい蝶々だった。
『飛び込んできちゃったのかな^^ 展望車ならではの素敵なお客さんだよねw』と、お兄ちゃんはそれを確認すると、なるべく蝶を刺激しないようにと動かないで皆に言った。
鉄橋にさしかかったところで、観光客の写真撮影用にとの心遣いだろうか。
列車は速度を緩めて立ち止まる。
『じゃあ、ここでお別れかな^^』と、お兄ちゃんは蝶々の乗ったシャツの部位を手すりの外に差し出すような格好をした。
すると、あんなにしがみついていた感じだったのに、ふわあ~という感じで蝶々が飛んでいった。
皆、蝶々に思い思いの言葉を掛けて見送ったんです^^
ーーーそれが終った頃、列車はまた動き出した
途中、首塚先輩が思い出したようにポンと開手を打ち、
スタスタと車輌の後尾に居た女性スタッフさんのところまで出向いてなにやら話をしている。
満足げな顔をして再び戻ってきた首塚先輩は、私たちの目の前のテーブルへとそれをドンドン!と置いたのでした。
『さ!この素敵な風景を見ながら皆で乾杯しましょうよ^^』
『『『さんせー☆』』』
私たちはプシュッとプルタブ引っ張って、田園風景に向って乾杯をしたのです^^
ーーーなんだろう?
めちゃくちゃ美味く感じちったよマジでw
そこからは景色を肴にプチ酒宴が始まったっす。
思えば美味い空気にキレイな景色に楽しい仲間。
そして宝探しみたいな手掘りの温泉探しと、
日帰りとは言えとても満喫できた旅だった気がするっすよ^^
---ふと
『わあ・・・!』
『えっ!?何?何?何これ!?』
思わず不意をつかれた暗闇の演出。
会津田島までの区間に一個か二個のトンネルに差し掛かったところで車内にパアーっと猫足が暗闇に点々点々てんてーーーんと走りまくる!
私を含めて全員が全員、この唐突イベントに驚き、そして喜び、はしゃいじゃったw
数十分のトロッコ列車の旅路もようやく終わりを告げる。
見えてきた終点の会津田島駅がこんなに恨めしいと思うくらいに(ごめんね会津田島ぁ~w)
この時間がずっと続いたらいいのにな、って思うくらい名残惜しかったですよ^^;
列車を降りる皆の姿を見たとき、やっぱり皆も同じキモチだったんだなあと思ったっす。
だって皆、しばらく列車の前から動こうとしなかったもん^^
ここからは浅草行きの快速電車に乗り換えるのみ。
ただひたすらに自分の町を目指すだけだった。
乗り換え時間が30分ほどあったので、まだまだ旅したい!って雰囲気アリアリのメンバーは、
せめて最後まで旅の雰囲気をと、
車内で飲んで食べてワイワイしたいと、駅舎併設の物産コーナーをうろうろしまくったっす^^
先ほどまでのトロッコ列車に比べると実に味気ない車輌に乗り込んだわたしたちだったけど、
ほんとは朝早くから出かけたわけだし、眠い人だって居たはずだったけれど、
誰一人眠ることなく旅の余韻を楽しんだんです^^
今回、旅っていいよなあ~ってあらためて思っちったよ^^
そしてまた、次もどこかへ☆
出来ればいつものメンバーで。
---琴音の、ある夏の日記より抜粋
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
湯野上温泉編、いかがだったでしょうか。
本来なら別枠シリーズの『温泉さーくる』として書く予定でしたが、
思わぬところに廃墟を発見したものでついついいつもの廃村さーくるシーリーズとなってしまいましたw
まあ~普段のシリーズと何も変わんないんだけどねw
今回、行くのに4時間。帰りも4時間と日帰りとしては結構最長の部類でしたが、
ボク的には時間など忘れさせてくれるような素敵な旅路でしたよ~^^
(まあ~通勤電車の逆方向の電車に乗ってれば勝手に日光やら鬼怒川やら会津まで行けちゃうんだけどねw ある意味、旅好きには良い路線ですよ^^)
今回はブヨに刺される(プラスばい菌が入っちゃった)おまけつきで後々苦労はさせられたけれども、そんなの帳消しだったと自負しますよ^^
(ほぼ完治いたしました^^ 見た目はまだまだ赤らんでて正常な左足より浮腫んではいますが痛みは完全になくなったよ~^^)
残念ながら一個だけ叶わなかった目的の手掘り温泉。
(実は自分が探しまくった場所の対岸に、前述の廃露天風呂がありまして、その近辺でしたら野湯の可能性があったようです^^;
でも宝探しぽくって楽しかったなあ~)
いつか手掘り温泉は別の形・別の場所でリベンジして記事にしたいと思ってます。
ではではまた今度!
(お返事&訪問は、いつものように後日とさせていただきます^^)
第599話 福島・湯野上温泉編vol②『先輩・・・傍にいてくださいですう』湯野上観光ホテル跡&廃墟リスク [廃村さーくる]
まあ~わたくし事ではありますが、一応病院に行ってまいりました。
色々説明してお薬貰ってきたわけだが・・・
なんか昨日より悪化してるしー
熱も38度なんですけどどーゆーことよw
『あさってもう一度きてください^^ 経過をみてみたいので』と言われたのだが、病院変えようかしら^^;
幸い今日は正規の休日なので自宅で静養したいと思いますぞ^^
---さて、せっかくですし廃村さーくるの物語に入る前に語っておきましょう^^
基本『キレイな廃墟など無い』わけでして、人の手を離れて自然に飲まれつつあるものというのは、普通の自然界より危険なことも多いですよね。
割れたガラス・朽ちた階段・倒壊の恐れのある建物自体の恐怖は勿論のこと、
あきらかに自然の野山より埃っぽいとかね^^;(ダニなどの危険。もしくはダニによる感染症など。特にマダニ)
埃っぽいのはどこに行っても悩まされたかなあ・・・
廃墟に行くのは勿論のこと自己責任。
だからみんな、気をつけて行くように☆(誰も行くわけないかw
(※ちなみにブヨは水がキレイな場所で生息することが多い昆虫です)
---では、そろそろ菅原君や夕実ちゃん含めた女子チームの廃墟探訪物語、久しぶりにスタートです☆
『別に外で待っててくれても良かったんだけどなあ~w』と、ボクは実にいやらしい感じで彼女たちに振り返る。
そう、ニマニマとした笑顔でw
それに対して彼女たちの極一部から文句の応酬である。
『そういうとこずるいよね~菅原君ってば^^; 温泉までのルート知ってるのって君だけじゃないのさ^^; この炎天下で待ち続けるなんて出来ないじゃない^^;』(首塚)
『さすがお兄様。“恋愛以外”は人をどうすれば動かせるのかと言う人心の心得を掌握してますな~(皮肉』(琴音)
残りの御二方、夕実ちゃんは(いつもの事ですね^^と、乗り気では無いようだが、まあ~諦めに似た納得のご様子)
リンダに至っては
『ゴーストに出会えるかもデース☆』と、自分の所属している心霊研究部の地を行く感じで実にノリノリだ^^;
ま、本来の目的から脱線してるわけだし、彼女たちの為にもさっさと周っちゃいましょうね^^
ボク達はガラスの無い窓からお互いに手を取り合って慎重に潜入するのだった。
ほぼ正面玄関口と思える近辺の窓から入ったのだがーーー
なぜか少し違和感を抱く。
それが何なのかは今時点では分からなかった。
ふと、
クイクイッと、いつの間にかボクの後ろ手にビッタリとくっついていた夕実ちゃんがシャツの裾を引っ張るのだ。
その顔は、いつもの廃墟めぐりの時と違った『とても強張った表情』
そしてボクの顔をマジマジと見つめながらこう言うのだ。
『先輩・・・ここ・・・怖い・・・です。・・・だから、・・・傍に居てください・・・』と。
『袖を掴んでてもいいです・・・か?』と、か細い声で訴える、いや懇願する彼女に、
『うん、いいよ^^』とボクは返した。
何か彼女なりにこの廃墟物件から怖いものを感じ取ったのであろう。
少し安心したような笑顔を向けてくれたが、それでもまだまだ愁いの表情だったと思う。
(この後は『夕実ちゃんばっかズルイ!ズルイ!』ってな感じで、ボクのシャツの裾を先頭車両にして、電車のように連結して歩くことになる。・・・正直歩きにくい^^;)
途中、厨房のような場所もあった。
ひしゃげた煙管だろうかボイラーだろうか
この建物の向こう側の山々と既に同化してしまった窓たちを見かける。
ここに入るまでに見かけていた外壁を覆う蔦。
多分このまま壊されることが無ければ、蔦の侵食によって全てが埋もれるんだろう。
でもコンクリと鉄骨は、完全には自然に還るわけでは無いんだろうな・・・。
半分自然に還ると言ったところだろうか。
人が作り出した人工物が完全に駆逐、土に帰るのはとてつもなく先の未来なんだと思うしね。
ボクってばこんな廃墟で、なに語ったり達観してるんだか。アハハwと台詞は声に出さないけれども自嘲的な笑いをするのでした。
『ギュウッ!』
ーーーふと、ボクのシャツの背中の布生地を鷲掴みにされる。
見えなくても分かる。
それは両手でワシっと掴まれて、体をボクにピッタリと寄せているのが分かる。
その背中に触れた感覚は必死であって、かつ震えていた。
ボクは自分の背中越しに誰だかを確認する。
ーーーやはり夕実ちゃんだった。
『怖い・・・怖い・・・ですぅ・・・』
夕実ちゃんが下を向いて辛そうに呟く意味が目の前のモノで、ようやく分かった。
この廃ホテルに入った時からのボクの違和感と、夕実ちゃんの恐怖心が何なのかも答えが出た。
『これってさ・・・焼けた跡っすよね。どう考えても^^;』と、
琴音は言うなり夕実ちゃんの体を優しく抱きしめた。
実は夕実ちゃん、ーー母親を火事で亡くしているーー
(過去記事参照『いじめられっこ世にはばかれ』)
ここに入ってきて全部が全部煤けていたわけでは無かったので、半信半疑だったのだが、これで確信。
おそらく小火程度のものは、ここであったのだろう。
ボクの背中越しに震える夕実ちゃん・・・。
いつだったかの小火で焼失した廃墟『明野ストリップ劇場』に訪れた時も彼女はこうだった。
彼女の心的外傷(トラウマ)を考えれば当たり前のことだったのだ・・・。
そこまで気づけづ、もしくは知らなかったとは言えここに連れてきたことを非常に後悔する。
『琴音! お前のチカラでこの廃墟の情報を調べてくれ!』
『ラジャー!お兄ちゃん☆ このままじゃなんだかキモチ悪いし、夕実っちの為にもね^^』
ボクは妹の琴音に、ここの情報をすぐさま調べさせることにした。
何しろネット世界じゃちょっとした『女帝』と呼ばれる彼女である^^
的確な検索ワードを打ち込み、パパパパーと欲しい情報を探るのはお手の物。
ちょっと前まではガラケーだったのだが、スマフォに変わってからはその情報力も検索能力も格段に上がったらしい(オイラが弥生賞で儲けた時に無理矢理機種変を強請られたのだけれど・・・^^;)
ものの数秒と言ったところだろうか。
スマフォの画面を見つつも、この廃墟に関する情報を大きな声で読み上げる。
でも少しばかり渋い表情にも見て取れた。
『う~ん・・・あんまり詳しい情報出てないっすね^^; ヒット件数は膨大だけれども、どれもこれも"きもだめし”とかそんなんばっかり^^;
なんでも結構、ここってば若者たちにキモ試しに利用されてるとかみたいっす。
動画もかなりヒットするし、割かしメジャーなスポットなのかもねえ^^
“ほぼ確定情報”ってことなら~そこそこ出てくるよ。
ま、ネットだから鵜呑みにしないでねw
えっと~、ここが廃業したのが昭和58年(1983年)
今から約二十年前の物件ってことっすね。
廃業理由は分からないかな。多分~立地的にここって中途半端な場所だし、観光地の過疎化でお客さん来ない~ってな感じじゃね?』
そして一旦、間を置いてから琴音は続ける。
『不審火が過去に何度かあったみたいっすね。確認出来るだけで2回はあるっす。
この館内でところどころに見かけた落書きを見るとォ、ここに遊びに来た連中の煙草の不始末かなんかじゃね^^;』
・・・廃墟が火事で消失
実はちょこちょこある件だったりするのだ。
キモ試しやマニアの不適行動、
さらには管理の及ばない場所をいいことに地元の不良の溜まり場と化すことも多いわけである。
『ほぼ見捨てられた場所デスガ、だからといって酷すぎデース^^;』
リンダが嘆くのも分かる。
経済的理由などで壊すに壊せないだけで管理者は居るわけだ。
たとえばそのせいで地域住民に疎まれていたとしても人様の家である、土地であることにはなんら変わりないのだから
ボク達はこの出火地点らしきところから離れることにした。
『このホテルの大浴場だったところかしら?』
『その割には少し小さくねーっすか?』
『外観的にそこまで大きい建物でもなかったしね^^ 規模的に旅館クラスだし、この程度じゃないかな。
温泉場だけれども温泉で客を呼び込んでいたわけではなさそうだね』
やがて二階へと続く階段前へとやってきた。
せっかくなので上に上がることにする。
瓦礫と足場に気をつけつつ2階フロアーに辿り着く。
勿論照明など無いはずなのだが、廊下の向こうから日が射し込んでいて、そこまでは暗くも無かった。
階段を登りきった先の部屋である『208号室』を試しに覗いて見ることに(本当ならもっと巡ってもいいのだが、夕実ちゃんのこともあるし手短に)
半開きのドアの向こうもまたとても明るい。
ギギギ・・・と、ドアをいくらか押しのけてボク達は潜入する
『うはっ!隣の隣のその先の部屋まで壁が全部ないっす^^;』
『そうだね~。誰かが意図的に壊したのか、二十年の月日を経て勝手に抜け落ちたかは分からないけど、見事に隣の部屋と陸続きだな^^;』
『でもちょっと見てくださいデース、スガワラサン^^ 元々壁があった場所の感じからするとデス、
とても壁が薄かったんじゃないかと思えるデス^^』
これじゃ隣のお客さんの声もよく聞こえていたんだろうな~。
色々なとこに泊まったけれど、・・・まあよくあることだw
『カップルとかヤバ・・・・んー!んー!モゴモゴ』
琴音が余計なこと言い始めようとしたので無理矢理口を塞いでおいた。
さて、まだまだ上の階が存在する。次は3階へと足を運んでみる。
2階に比べたら明るいようにも見えるのだが、そこまで壁が崩落してるようでもなかった(いや、崩れてるけど2階よりはね)
多分、自然に壁が抜け落ちただけじゃなく、人のイタズラもあったんじゃないかと思った。
上の階に行けば行くほどメンドクサイだろうし、だからこそ2階はあんななんだろう。
見るべきものも特に無いので、この先の屋上階を目指してみる。
途中ーーー
階段に散乱している新聞を見つける。
『日付はええっと~2007年ね^^』
『ここの廃業が数十年前だから、明らかに後で持ち込まれたものだろうね』
地元のヤンキーもこういうとこで新聞を読んだりするものなんだろうか。
それはそれで、なんだかカッコいいんだがw
(あくどい廃墟マニアが後人として訪れる人を驚かそうとして、意図的に人形を廃墟に置いたりすることもありますしね^^;
もしくは浮浪者さんが捨てたか)
階段を登りきったところは天井も低く、4階と言えるものではなかった。
実質ここの建物は客室は3階までの物件なんでしょう。
『なんか、学校の屋上思い出すっす^^ ま、うちのがっこーは屋上立ち入り禁止だったし、
使われてない教室の机や椅子の物置(バリケード)になってたよね』と、琴音が夕実ちゃんに振り向いて声を掛ける。
ここまで一切言葉を発していなかった夕実ちゃんも
『・・・うん。そだね。ちょっと・・・懐かしいね^^』と、まだまだ7割ほどではあるけれど笑顔を返すのだった。
・・・ま、琴音は立ち入り禁止の屋上を自分の庭のように利用しまくっていたのだが・・・
それはまた別の話と言うことで^^
ーーーボク達は腰をかがめて屋上に出ることにした
廃墟でなければ、それなりの景観を楽しめる場所ではあった。
でもやはりここは廃墟。
崩落の可能性も無きにしも非ず。
恐怖も常に感じていなければいけないのだ。
『あんまり端っこに行くなよ皆^^; 頑丈そうなコンクリートとは言っても何があるか分からないからね』
『『『はーい』』』
コンクリートの耐用年数は50年とも100年とも言われている。
実際に100年を越える建築物もたくさん存在するわけだし、結構、頑強だ。
この物件もせいぜい20~30年だろうし、そこまででもないとも思う。
・・・でも『人が居ない建物は風化が早い』
これが実に不思議。昔から常々思っていた。
木造だろうが鉄筋だろうが人が居ないだけで劣化速度は違う。
人が居れば手入れ・メンテナンスをするからということも勿論あるのだけれど、
でもそれだけじゃないような気がする。
説明はうまく出来ないけれど、そう思うのだ。
『さあ!そろそろ温泉街に行こうか^^』
『『『さんせー♪』』』
ボク達は今来たルートを辿って国道へと戻るのだった。
廃墟を飛び出したとたんに夕実ちゃんは、今まで息をずっと止めていたんじゃないかと思うほど、プハーーッ!と肺の空気を吐き出してからおもいっきり外の空気を深呼吸していた。
・・・ごめんね夕実ちゃん。
ボクのワガママに付き合わせてしまって。
ボクはバックから取り出した温度計を見て
『今現在、36度だってさあ~^^; あっついよねw』と、皆に見せるのだった。
『暑いな~・・・って言うか、なんでお兄ちゃん温度計なんて持ってるのさwww』
琴音のツッコミに皆も『そうそう!なんで温度計?』と続く。
『それはこの後に行く温泉で分かると思うよ^^ だからナイショですw』
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
諸事情によりだいぶ間が空いてしまいましたが、そこはご理解を^^
次回は温泉編?。そして爽やか列車旅です☆