アンナのバイト繁盛記☆『昨日は大人の飲み会、今日は裏方☆』白さん上・五右衛門&上野れんこんオフ会! [アンナのバイト繁盛記☆]
『エロイこと言ってる暇も無いくらい忙しいよお・・・』
・・・なんかとんでもないこと呟きながら魚の下処理をしている板さんが居た^^;
思わず私の横に居たレンちゃんが『セクハラも無いし忙しいのは良いことのしいー^^』と板さんに聞こえるように言い放つ。
それに対抗するかのごとく板さんはパタリと包丁を置いて返す。
『じゃあ休憩して今からセクハラします!』
コラコラ堂々と宣言しない!^^;
『まあ・・・それは少し冗談だけどここらで一服だな^^ 休憩休憩☆』
そう言って地下室の休憩する所に降りて行ったエロ板さん。
私達もホール掃除に一段落と言うことでついていった。
なんだかんだでエロ板さんにちょっかいを出したいのであります☆
上野の桜で大忙しの『ある居酒屋従業員物語』
久しぶりに私ことフシアンナ視点でスタートです^^
それにしてもクソ忙しいなあ^^;
まあしょうがないですよ。東京の桜の花見と言ったら墨田川か上野公園がワイドショーで必ず紹介されるくらいメッカですしね^^
アメ横も年の瀬くらいごった返してるのしー。
おかげで出勤ルートを変えなきゃ辿り着けないもんなw
花見がてらに上野の飲食店に来られるお客さんも多いから、まあー!毎日が金曜日だぜ^^;
おかげでヘトヘト。早く桜が散ってくんないかな。
それは言っちゃまずいっしょw
休みの日とかどうしてるんですか?
最近はどこも出かけずにグッタリと寝てるよ~・・・と言いたいところだが、
家に居ると逆に鬱屈して気も晴れないからご近所散歩はしているぞ^^
昨日は『ある飲み会』があってな『大人の癒し』をしてきたぞい^^
(そう言ってエロ板さんはスマフォのフォトギャラリーを開いて私達に見せるのでした)
駒込駅?
駒込で飲んできたんですか?
ノン!ノン!『お食事会』ですぜ^^
こう見えてぱーそなるこんぴゅーたーのいんたーねっとも趣味でな、
そのネット上のお付き合いのある方達との食事会。
つまりは『オフ会』とやらに行ってきたってわけさ^^
そんな趣味があったとは・・・
てっきり競馬情報でしかPCを使ってないと思ってたから意外のし~^^
おじさんだってパソコンしたいの^^; いいじゃんかw
このレンガ塀の意味不な画像は何ですか?
うん、これは駒込にある『六義園の煉瓦壁』だ^^
せっかく駒込に来たんだし、有名な枝垂桜でも見よう・・・って趣味は特になくって、おじさんの趣味は煉瓦そのものなのだよ^^
煉瓦?
随分・・・マイナーな趣味をお持ちで^^;
公園のチケットを求める列が煉瓦壁沿いにずーっと長蛇の列をかましてたからさあ・・・
あんまりじっくり見れなかったよ^^; とほほ。
(まるで興味が沸かないんですが・・・)
南北線の本駒込駅から数分の『五右衛門さん』に到着だ。
わあー!居酒屋じゃ無いのしね!
懐石?
そうだよ^^ 豆腐料理懐石のお店だ^^
全然似合いませんね!
チューハイとか無いからな^^; でもこういう機会でもないと中々行かないから。勉強もかねて行ってきたぞい^^
まずはビールで乾杯!
上から順に料理の説明をしてくださいのし~^^
なんだったっけかな?
あんた板前だろ
冗談冗談☆ たぶん炊き合わせに胡麻豆腐に三色田楽かな?
田楽が特に美味しかったね☆ あとビール☆
そして今回のメインは鱈ちり豆腐☆
ここんとこ急に冷え込んだからこれがまた美味くってね☆
鍋の下に隠れてる湯豆腐がまた美味いんだあ~♪
あーん・・・うまそう・・・^^;
鍋の後は茶飯に赤だし、香の物!
茶飯が特にいいね^^ 正直お鍋で腹が膨れていたから小盛りで助かったw
最後は何かデザートです^^
その何かを言いなさい
あっという間の2時間スペシャルだったね^^
ちなみに自分達がお食事したのは池の上に船屋のように建ってる離れの個室だ^^
ちょっとリッチな感じがしますね^^(←フシアンナは超お嬢様だったので反応は薄い)
東京の真ん中で不思議空間のし~☆
ちなみに月が出ていたぞ。白山で月。ハクサンでムーン。
ハクサンムーン・・・
このオフ会が競馬の高松宮記念(G1)の前に開かれていたならば馬券取れてただろうなあ・・・
割とどうでもいいですねそれw
(※ ちなみにハクサンムーンと言う競走馬が2着したのですが、エロ板さんはそのハクサンムーンを買っていなかったようですw)
その後は近所のお寺で枝垂桜観賞。
うわあ・・・桜が向ってくる様ですね♪
風で時折花びらが舞うのだが、それもまた素敵だったぞい^^
その後は
猫ちゃん追いかけて遊んで解散です☆
大人のお食事会でしたね^^
でもやっぱり似合わないのしw
そして今日はそのメンバー+10名ほどで、うちのお店で『オフ会』をしてくれるのだよ^^
二日続けてオフ会とか連荘のしね^^
あれ?でもエロ板さんは何でお仕事してるの?
今日は『裏方』だ^^ 料理の方で参加ってことさ^^
本当は飲みたいのし?
できれば皆とワイワイしたいけれど、まあ~たまにはこういうのもいいよね。
できればね。出来ればさあ。
未練タラタラですね☆
---その日の夜、営業を終えて
・・・全然皆さんのとこに顔すら出せなかった^^;
7時からオーダーが1回も切れませんでしたしね^^;
オーダーは切れないけどオレが切れるよ~w
ぶっちゃけオフ会がどんな感じだったのかすら分かりませんw
と言うことで、
本日は誠に申しわけアリマセンでした^^;
(盛り上がったのかな? なんか一生懸命人形の写真を撮ってたって他のバイト君が言ってたけど、人形って何よ?)
次回は西表島編の続きでやんす^^
第693話 アンナのバイト繁盛記☆『進化する出来合い物』国際フォーラム&三菱一号館 [アンナのバイト繁盛記☆]
『(エロ)板さんはこの手の催し物に参加したことあるんですか?』
『何度かあるよ^^ 最近だと二年前くらいかなあ~。あの時は主催する業者さんが最大手だったしかなりの規模だったんだけど、今回はどうかな?ま、楽しもうよアンナちゃん^^』
『はい^^』
私達は受付で手渡された紙袋を抱えて、さっそく入り口近くのブースへと歩き寄ることにしたのです。
第693話、スタートです^^
地下二階だと言うのに天井はすこぶる高い。
実は私ことフシアンナも、お父様に連れられて幼少期にここに訪れたことがあったりです^^
出来たばかりの国際フォーラムにやってきたことより、田舎から東京に出向いたことが当時はワクワクドキドキでしたね^^
『一応、入り口から順路は決まっているから、皆順番にブースを覗いていこうな!^^』
『『はーい』』
---私達女子2人は返事をしたけれど思い思いに飛び出した。
ぐぬぬ・・・食い物には勝てぬか・・・
入り口初っ端は、板さんが好きそうなお刺身のツマのブースでした。
『ほほ~。刺身飾りに幾つか良さげかな^^』
ーーー板さんは値段と物を品定めしてましたね^^
で、私はというと~
エバラ食品さんのとこで、
キュウリをとりあえずかじってましたよw
(※ 基本、この手の飲食イベントでは、調味料を扱う企業さんは何かと大変です。
ただ単に調味料をペロっと舐めてもらうんじゃブースに誰も寄り付かないですしね^^;
ブースで調理したり裏手でこしらえた食材に自社のタレやソースなどをかけてお客様に試食して味わってアピールするわけです)
じっくり刺身絡みのブースで腰を添えてる板さんのとこに合流した私はレンちゃんはどこにいるんだろうと見回す。
そしたら味の素さんのとこにいた。
さっそく板さんの袖を掴んでレンちゃんのとこへ
『なにかいいものあった?レンちゃん』
『アンナさん見てくださいよコレ』
『わ♪ケーキ☆ これ食べてもいいの?』
『ジャンジャンいってくださいのし^^』
---ふとブースの担当者さんを見ると苦笑い^^;
幾ら試食OKって言っても、ジャンジャン食べるのはそりゃヤバイですよねw
とは言え目の前のケーキは捨てがたい。
私は1個所望しました☆
『ん!? 結構おいしいね^^』
『でしょでしょ~^^』
---私は一口大に切り分けたケーキを頬張ったのですが、その後ケーキに刺してあった爪楊枝の処理にどうしたものかと周りをキョロキョロとする。
それに気づいたのか板さんが
『各ブース横、もしくは通路脇にかならずこういう試食のガラ入れのゴミ箱あるから心配しないでねアンナちゃん^^
なんならボクにそのアンナちゃんのお口に入った爪楊枝をくださいな。
ペロペロ舐めてから捨てるから☆』
---私とレンちゃんはそれを他人のフリしてスルー
別のケーキを堪能しました☆
『ちなみにこれは冷凍ケーキだよ^^』
『『冷凍ケーキ?』』
『今はこういうの多いよ? チェーン店のコーヒーショップとか居酒屋のデザートとかね^^
冷凍で保存効くし何かと便利っちゃ便利な製品だな』
『そういう裏を知ると味気ないのしね^^;』
『まあ、今回ここに君達を連れてきたのは、
既製品(出来合い物)と手作りの商品の見極めを知ってもらうのもいいんじゃないかと思ったのも多少はあるんだよ^^』
『そうは言っても中々難しいですね^^; だって味は結構いけてますよ?』
『今や昔と違って既製品と手作り。もしくは自家製ってやつの見極めは難しいとこもあるかもな。
昔は明らかに工場で作ったやろ~って思うものもたくさんあった。
味もそうだし、見た目もそう。
冷凍食品なんて特にそうだったんじゃないかな?
でもこれまた企業様やメーカーさんってのはめっちゃ尽力していてね、
今では料理人ですら「う・・・結構・・・美味いじゃないか^^;」って思わせるものもチラホラだったりだよ^^;』
『言われて見ればそうかものし~。冷凍ギョーザとか昔のに比べると美味しいのあったりするのし^^』
『その辺の事も考えながら、この先のブースも回ってみようよアンナちゃん、レンちゃん^^』
『『はーい♪』』
---私はイマドキの既製品はどういったものなのか?という板さんの指摘を胸に、この先ブースをまわって見ることにした。
『このチーズ美味しいのし☆』
『欲しかったらブースの人にお願いすればサンプル送ってもらえるぞ^^』
---なるほど~。試食どころかサンプルも送ってもらえるかもなんですね☆
今やすっかりお嬢様から貧乏学生になったわたしにはありがたいw
いくつかこの先気になったところがあったらお願いしてみようw
(※ 個人宅には基本無いのであしからず^^; あくまでも居酒屋などの店舗先へってのがあたりまえですよねw)
(※ この先はしばらく企業名とキャラの感想が淡々と続きます。
ではでは淡々とご覧下さいw↓)
『ここは食肉系を扱ってるとこかな』
『馬刺しのユッケのしか!結構あっさりでウマウマのし~^^』
『う・・・馬レバー刺し!? うう・・・^^;』
『まあまあ食べてみてからのしよ~^^ ほいほい』
---そう言ってレンちゃんが、私が持っている小さな試食用の取り皿に
バンバン馬絡みの食肉を放りこんできたのです^^;
えっと・・・これどうしよ?
こっそり捨てちゃおうかなとか思っていたら(フシアンナは獣肉は苦手な設定。今そういう設定にしたw)
『あっさりしてて淡白。くせもなくて美味しいですから食べてみてくださいよ^^』と、ブースのご主人が^^;
・・・目の前で捨てるわけにもいかない!
かといって、私には結構苦手な部類のタベモノ^^;
どうしたものかと悩んだけれど、頑張って口に頬張ってみた^^;
・・・あれ?
『この馬のレバー美味しいかも☆』
『もぐもぐもぐ・・・うむ。美味しいじゃん^^ 外国産とは言え、かつてとは段違いに輸入技術も進歩した今だ。
ほんとは国産で味わいたいが、値段と味を加味して一考の商品だな^^』
ーーー既製品・輸入物。どちらもあんまりいいイメージ沸かない。
とはいえ味もそんなに変じゃなかったし美味しかったです^^
中々侮れないですね!
『天使の海老?』
『ニューカレドニア産の養殖海老だな^^ でも味はかなりいいよ^^
ぶっちゃけパナメイだろうがブラックタイガーだろうが外国産って概念にとらわれてるだけで輸入海老は美味いぞ^^
まあこれは高い部類かもだが^^;』
『キューピーさんはやっぱドレッシング主体ですね^^』
『お世話になってるのしー^^』
『居酒屋とか町場の飲食とかホテルじゃお世話になってないとこは無い?ってくらいの香辛料の輸入販売会社さんだな。ギャバンさんって^^』
『ナシゴレン美味しいのし~(*´д`*)』
『今流行のスーパーフルーツ“アサイー”をベースにしたカクテルのブースですか^^』
『コンビニにも結構アサイー関係の清涼飲料が出てるのし~^^』
『昔は・・・ザクロだってアセロラだってカムカムだってスーパーフルーツとか言って持て囃されたのにな^^;
まだまだ未知のスーパーフルーツがでてきそうな気がしないでもないw』
『アサイー関連のジュースは高いのし~^^;
飲み物に頼る健康は紛い物のし☆』
『トクホ(特保)の飲料ばっか飲んでるオジサンのオイラにはキツイお言葉だな^^;』
『牡蠣がいるのし^^』
---見ればパッと見、いかにも生牡蠣が氷の上のディスプレーに鎮座していました。
『これはどういった商品で?』
っと、板さんがブースの人に質問するとーーー
ニュージーランドからの輸入とのこと。
せっかくなのでここでも試食^^
『おいしいのし~(*´д`*)』
『冷凍で送られてくるんですよね? でも美味しいかも^^』
『冷凍技術こそこの食料事情100年の歴史の中でも最大の進歩した技術と言っても過言じゃないよね^^
冷凍技術の進化によって、どんなに食と言うものがグローバル化したか^^』
『あ・・・美味しい♪』
ーーーどうやら九州の業者さんのよう。
地鶏の製品の試食がとてもオイチイw
思わずお話聞いてパンフレットをいただいてしまいました。
個人的に送ってもらいたいかもw
・・・ふとレンちゃんとエロ板さんを見失う。
どこにいるのかとキョロキョロするとーーー
『やっぱお肉最高のし~☆』
『どうせ試食するならガッツリ肉食うのがいいよな!』
・・・っと、
2人はお肉のブースで試食を漁りまくってた^^;
とは言え私も試食と言う名のお肉食べ放題を堪能したってとこですw
(※ お肉は・・・御肉があるブースはやっぱり人気ですねw)
沖縄の物産なども出店していましたよ^^
そしてここからは肉から魚って感じのブースへと変化するのです^^
『カツオのたたき3㌔が1720円!
つまり・・・1㌔で573円のし。
と言う事は100㌘・・・57円なら私絶対買うのしっw』
『一日二日で食べれるなら是非どうぞw』
『次はマグロ屋さんでしょうか』
『マグロジャーキーに』
『マグロの尾の身か。まあでも普通だよな』
『ああでもでもこのスタミナダレのかかってるマグロはおいしいですね~^^』
『おっと!クジラ関係もあるんだな。スジポン?どれどれ』
『結構おいしいのし~^^ イルカもあればモアベターな私のし』
(※ レンちゃん出身の伊豆にはイルカやマンボーのお肉が売ってるスーパーがあったりします)
---その後はお寿司を食べたり満喫(確か切り身が冷凍でヒラメや穴子などが並んでました)
『ここまで散々食べまくって、少し喉がかわきました^^;』
『私ものし~・・・^^; 濃い味が多かったのし』
『舌ベロもこんだけ色んなもの食えばよくわかんなくなってくるなw
ま、アンナちゃんレンちゃん。ちょっとアレをみてよ』
---板さんが指を差した方向を私達が見やると・・・
『ん?コーヒーのしか?』
『うんにゃ違うよ。あれは無料の(あたりまえか)ウーロン茶だ^^ そこかしこに設置されてるから、試食で肥えた舌をキレイにしようじゃないか^^』
『『はーい♪』』
---私達はウーロン茶で一先ず一息です^^
さあ次から後半戦です!(まだあるのかよ)
『このステージみたいなのは何のしか?』
『なんかプログラムには秘密のゲストのステージとか書いてあったなあ』
(※ どうやら後で知ったのですが、吉本の芸人さんとかのステージだったそうです^^ そのほかには波田陽区さんとか?)
『ここはパン・・・のしかね?』
『レンちゃん!レンちゃん!ここにも冷凍ケーキあるよ^^』
『中々うんまいなあ^^ まあでも自分ちの居酒屋じゃ使えそうにないけどな^^;』
ーーーその後クリームでお口の中がまたもや肥えてしまったので、休憩所でしばらくみんなでまったりしました^^
『くそ・・・お酒かと思っていそいそと試飲したらジュースだったか^^;』
『せっかくだしお酒の試飲とかもしたいのしねw』
『見本かよ!』
『どうせなら海老天食べたかったですね^^;日清さん☆』
『雪で寝かして熟成させたお肉ですか。美味しそうですね^^』
『お、肉か!オイラも食いたいぞ!』
『私も食べたいのしー!』
---皆、わくわくドキドキのお肉の試食ってことで意気込んだのですがーーー
『ありゃりゃ^^; 人気過ぎて何も無いです^^;』
『一周したらもう一度戻ってきて食べるよ~♪』
---この後本当に一周してから無事ゲットしましたw
『カレーの試食もありますが・・・私はそろそろ満腹なので離脱です^^;』
『『タダで食べれるのに食わないのはもったいない!』』
---結局意地でも試食しまくりの板さんとレンちゃんでした^^;
中には食品以外にキッチンのお掃除に必要な物を置いてあるブースもあったりーーー
医療介護食のコーナーなんてのもありました^^
結局この後はすぐ出口に出ないで三周して全ブースの試食を堪能ですw
お酒のコーナーも勿論あったのですが・・・
『以前、別の業者主催のイベントの時は、もっと試飲ブースが大きくて賑やかだったのになあ・・・^^;
今回は小さすぎて何度も試飲するには辛かったな!
そこがかなり不満かな!』
『もっと飲みたいのしー!』
『いやいや・・・あくまでも試飲ですし、そもそも板さんにはお酒関係あんまり関係ないじゃないですか^^;』
『まあそうなんだけどねw とは言え少し物足りない。
この後君達は時間空いてる?
空いてるならオジサンがビールの一杯でもおごってしんぜよう^^』
---最初は、ええ~・・・って思いました。
なんだかんだでまだまだお昼時。
基本、そこまでお酒が好きってわけでもなかったので遠慮しようかと思ったのですがーーー
『まあまあ騙されたと思ってついてきなよ^^ 別にホテルに誘ってるわけじゃないんだから~w』
『『じゃあここでお疲れ様でした^^』』
『冗談は置いておいてスイマセン!是非とぞ奢らせてください!^^;』
---そこまで言うなら・・・と、私達は板さんの後についていくことにした。
・・・多分、板さんの奥様は不憫に思って結婚されたんじゃなかろうかと思っちゃいました^^;
(※ このストーリーの中での板さんは結婚していて且つ二児の父親の設定です!)
---板さんが誘った場所は、東京国際フォーラムから歩いてすぐの場所でした。
『ほらアソコだよ^^ あそこでビールの一杯でもしようぜ!』
『え?あの洋風っぽいオシャレな建物のしか!?』
---見れば立派な煉瓦洋式のオシャレな出で立ちの建物。
どう考えても板さんには・・・似合わない^^;
『ここは三菱一号館って言って、明治27年に造られた煉瓦の洋館を近年レプリカ再建した建物なんだ^^
ここには美術館とカフェがあるんだよ~^^』
『レプリカってことは当時を似せて造ったってことですか』
『まあ色々と経緯はあるんだけど、それは置いておこう^^
どうだい?ここでちょっとビールでも飲んで帰るのはいかがかな?お嬢様たち^^』
『わー!行くのし!行きたいのしい!』
ーーーまさか板さんがこんな洒落た場所でお酒を飲もうだなんて言うとは思わなかったので正直ビックリ^^;
レンちゃんも行きたがってるし、私もまんざらじゃなかったのでお供することにしました^^
煉瓦に囲まれた高い扉の向こうへいざれっつごー!
板さんはエスコートしながらもここのウンチクを私達に聞かせる。
『ちなみにここは日本初のオフィスビルでもあったところなんだよ^^
ま、そんなことよりお酒飲もうw』
『いらっしゃいませ^^』と給仕のような出で立ちのお姉さんに案内されて私達は席に着く。
見上げた天井も窓も柱も壁も全て素敵な感じです☆
どちらかと言うと外壁の煉瓦調は真新しいのか、いささか味わいも無くわざとらしい感じのオシャレに見えたのですが、
中は落ち着いた感じで且つ厳か。
ーーーふと自分の席以外を見渡すと、
スタバとかタリーズとは違った、セレブリティーな感じの奥様達の憩いの場所でした。
(※ ああゴメンナサイ。こうは書きましたが女子中学生さんみたいな子達がシックなテーブルでギャハハハしてましたw
オッサンだけがビビってただけみたいw)
『わわわ・・・・・・い、伊豆にはこんなとこ無いのし^^;』
ーーー大先輩だろうが歳が20も違おうが何だろうがエロ板さんのセクハラにはピシッとボディーブローかますくらいの肝が据わっている性格のレンちゃんが、
キョロキョロおどおどしまくって
それがちょこっとばかり借りてきた猫ちゃんみたいで実に愛くるしかったです^^
『いや~いいね~ココ☆ オジサンにはハードル高かったんだよ~ここに来るの。
だから君達が来てくれてありがたいよw』
『要するに、私達をだしにつかって来たってことのしかw
まあでもこういうとこなら歓迎のし♪』
---私達の前にビールが登場です。
周りの奥様達はこじゃれたケーキをナイフとホークで小さくカットして談笑の合間にお口に優雅に運んでいましたが私達は
ビアーです☆
まあでも美味しかったですよ^^
テーブルの上にグルメタウンでゲットしたパンフやチラシを広げてあーでもないこーでもないとやってた私達は少々場違いだったけど、
なんだかんだで私もレンちゃんも楽しんでました^^
たまたま誘われた今回でしたが、参加してよかったかもと思った、
ある梅雨空の下の私のバイト日記の一頁です^^
---ここまで読んでくださりありがとうございました。
次回は『渡し舟と土砂降りと煉瓦の神社』ってとこでしょうか^^
ではでは不定期ですが近々お会いいたしましょうず☆
第692話 アンナのバイト繁盛記☆『東京国際フォーラムのデパ地下へようこそ!パート①』グルメタウン [アンナのバイト繁盛記☆]
『えっとポーズはこれでいいですかね?』
『スミマセン・・・撮影の邪魔になるのですが^^;』
お店に取材に来たカメラマンさんの前に仁王立ちし、堂々とポーズを決めて取材の邪魔をするエロ板さん^^;
『こらこらこら!アナタも仕事中でしょ!さっさと魚をおろしてください^^;』
『えー、いけずー』と捨て台詞を吐いてすごすごと退散するエロ板さん。
〇歩の達人とか言う雑誌の取材ならオイラも写ってええやん!とか何故か非常に意気込んでいたエロ板さんだったけれど、
別にアナタを取材しにきたわけじゃないからw
---そこに二階フロアーの掃除を終えたバイトのレンちゃんがやってきた。
エロ板さんを見るなり彼女は
『またなんかやらかしたのしか?お店の宣伝だから邪魔しちゃいけないのしー^^』と、エロ板さんを更に窘めるレンちゃん。
『やだなあ~レンちゃん。何がきっかけで全国デビューするかわからないから多少なりともアピールですよアピール♪
レンちゃんだってもしかしたら有名人になって、芸能人とお近づきになっちゃうかもだよ?^^』と苦しい言い訳する板さん。
---すると
『カメラマンさん。雌豹のポーズとかこんな感じでいいのしか?それともちょっとシャツの裾を捲し上げるセクシーな感じがいいのしかねえ~^^』と、
レンちゃんまでもがカメラマンさんの前でぎこちないセクシーポーズを取りはじめた^^;
こらこらこら!
レンちゃんまで乗せられてどうする^^;
『じゃあ笑顔でお願いしますね^^』と言ってくださったカメラマンさんはやっぱりさすがのプロの方でしたよ^^;
( ※ カメラマンさんの台詞の部分は実話です☆)
『それにしてもその次は〇レンジぺージ さんの取材もあるそうですね。嬉しいんだか悲しいんだか^^;(仕事が忙しくなる意味で)』と、私がボソッと思わず呟いたら、
『『はあ~ん・・・』』とエロ板さんとレンちゃんが、めっちゃ情け無いため息をついた。
まあ・・・キモチは分かるけどね^^;
お仕事です。お仕事^^
---さて。取材も終って一段落。
ホールスタッフの私(フシアンナ)とレンちゃんは、キッチンからおいでおいでと手招きしているエロ板さんに気づき、
恐る恐る近づいたのだったーーー
第692話、アンナのバイト繁盛記☆ 久しぶりにスタートです^^
『どーしたのしか?』
『まあまあ、ちょっとこれを見てよ』
ーーーそう言ってエロ板さんは一枚の変てこな紙を私達の目の前に掲げたのです。
『えっと・・・これは?』
『これはだね~---』
『グルメタウンという、ボク達のお店に出入りしている業者さんが開く業務用食品展示イベントの招待状だ^^』
『『業務用食品展示イベント???』』
『そう。飲食業で扱われる調味料やら食材メーカーさんがこぞって新製品や商品アピールをするイベントなのだよ^^』
『へえ~』
『だからどうしたのしか?』
『ううう・・・あんま興味なさそうだな^^; ま、そりゃそうだろう。企業のプレゼンなんて君達にはあんま興味湧かないかもだが・・・
ちょっと待ってくれ!
実はだな、これに参加すると・・・
無料でお肉やケーキなんかも試食できたりするんだよね~♪』
『『うは、マジですか行きたい行きたいw』』
『そう来るだろうと思ったのだよ。君達の出勤シフト表は常に把握済み。どうやら君達2人ともこのイベントの日は休みのようだ。行きたいなら連れて行くけどいかがかな?』
『じゃあヨロシクのし~☆』
『私も行ってみたいです^^ ・・・ん?あれ?と言うか、私達の出勤日とかいちいちチェックしてたんですか!^^;』
『女性スタッフの出勤日は常に把握しているのだ。それが唯一の居酒屋仕事の癒しだからな!(堂々と)』
『『この人やっぱりエロ板さんです☆』』
---この後、
せっかくなのでエロ板さんの手にある招待状を見せてもらう私達。
『名刺を2枚ご持参くださいって書いてあるのしねえ~』
『これは何ですかね? 名刺2枚あれば不正に参加するのを防げるとかですかね?
1枚だけだと、なんらかのお付き合いでいただいた名刺を使って悪用できちゃうからとか?』
『いやいやいや。そんな不正とかそんなんじゃないよ^^
勿論、飲食にまったく関係ない人が飛び入り参加して無料の試食していくなんてのはいただけないことだが、そこまですることはないだろw
ま、その理由は恐らく現地に行けば分かると思うよ^^』
『先着100名様には6000円相当の馬刺し詰め合わせプレゼントって書いてあるのし~!』
『美味しそうですね♪ しかも6000円相当がタダでいただけるチャンスって中々無いし魅力的ですが・・・
この招待状の記述にはイベントオープン時間が10時って書いてあります。
・・・これ目当てに10時前から先着100名様を目指して私達も行くとか?』
『いや~・・・。この日はボクも休みだし、多分前の日から飲んでるから二日酔いだろうし~、
ゆっくり午後から参加したいかな?』
『『さすがアル中予備軍w』』
---結局なんだかんだで私とレンちゃんはエロ板さんと共に、
午後からノンビリとこの業務用食品展示フェアに参加することになったのですーーー
待ち合わせはまずレンちゃんと東京駅で^^
会場入り口でエロ板さんとの待ち合わせになりました。
会場の有楽町国際フォーラムは、JR有楽町駅とJR東京駅のどちらから出向いてもあまり変わらない。
『新しい東京駅見てみたいのしー^^』と言うレンちゃんのリクエストで、あえて私は東京駅で待ち合わせしたのです。
『わあー!なんかすんごい建物見えてきたのし!』
『アレが東京国際フォーラムね^^ 元々は旧都庁の第一都庁舎&その他の敷地だったところだったんだけど、
今や東京、日本を代表するコンベンションセンターね^^』
『伊豆にはあんなガラス張りのかっこいい建物無いのし。
せいぜい国道沿いのパチンコ屋さんとか、どこかの変な新興宗教の大きな建物くらいのし~』
『それは・・・しょうがないんじゃ^^; でも自然がいっぱいあるじゃないレンちゃんの地元って^^; 温泉とか・・・』
『地元の公民館の数十倍だのし・・・』
(なんだかレンちゃんの言動を見るにつれ、かつて私が田舎が嫌で嫌で家出した思い出を彼女に重ねてしまう^^;)
---東京国際フォーラム入り口近辺でキョロキョロと辺りを見回しているおっさ・・・いやおじさんを発見^^
ここでエロ板さんと合流です。
生憎の空模様でしたがイベント会場はフォーラム施設内。
この際雨露は関係ないですね^^
私達はエロ板さんを先導に東京国際フォーラムの最大イベント会場である、
その規模5000平米を誇る展示ホール“地下二階”へと進んだのです^^
『名刺はちゃんと2枚持ってきたのしか?』
『問題ない。マネージャーさんにお願いして、名刺作ってもらったから皆でれっつごーだw』
---エロ板さんは財布からゴソゴソと名刺を取り出して私達の前に、いやらしく見せ付けるのでした。
『OKのし~♪ これで試食しまくりのしw』
『君達を誘った手前、悪いんだけどさあーーー、
一応・・・建前は“お店で使える食材や調味料探し”ってのが名目だからね^^;
おじさん、こう見えても社畜(奴隷)なのよw
っつーーーー訳でここに来たってのもあるのだ。
だから試食とかもお手柔らかにねw』
(いつもはのほほんとセクハラやセクハラしてるエロ板さんも、一応仕事の一環で来ているみたいですね^^;
大人って大変ですね^^;)
ーーー私達は『はーい♪』と返事して地下へのエスカレーターへと乗り込んだのです。
受付でエロ板さんが色々と手続きをした後、私達に紙袋を手渡した。
(※1 ちなみに飲食の中でも業態によって渡される首掛けのパスカードが違かったりします。“居酒屋”やら“レストラン”などなど)
『何のし?この紙袋?』
『まあ~、中にはこのイベント主催企業のパンフが入ってるのだが・・・
バイトの君達とは言えタダでこのイベントをまわってもらっては困るのだ。
強制とは言わないけれど試食がてら色々と企業・メーカーブースで気になったところや商品があったら、
パンフレットや試供品などをここに詰め込んできてもらいたいんだよね^^』
要するにバイトである私達もエロ板さんに付き合って借り出されたってわけですね^^;
とは言っても無料の試食会です♪
てけとーに食べて
てけとーにパンフレットいただいちゃいましょう☆
何しろ責任は無し。
あったとしても、エロ板さんに押し付ければいいだけの
ある意味究極のデパ地下試食コーナーです☆
『関係者さんしかいないからそれほどでも無いかと思いましたが中々盛況ですね^^』
『午後になればもっと人で賑わうと思うよ^^ その前に食べまくろう!』
『勿論です☆』
---私達は無料の食べ歩きへの冒険へと旅立ったのです^^
次回に続く。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
そして一話完結の話の予定だったんだけど・・・
多忙によりあえて分割してしまいましたテヘペなんとかw
後半は長々と企業・メーカーさんのブースでの試食ブログですw
しかも明日は(28日ね)休みで山か海に遠出する予定だから記事をアップするのはいつになるかワカリマセンw
気長に待っていてくださいな^^
ではではまた後日お会いいたしましょうず^^
2015 大雪とにしん [アンナのバイト繁盛記☆]
大雪で電車が動いて無くって、アンナちゃん遅れるらしいのし~^^
この大雪じゃ~しょうがないよな^^; というか、今日はお客さんも見込めないし今日はお休みしていいよと伝えておいてよ^^
わかったのし。
ということで、今日の居酒屋は少人数スタッフと共に営業開始である☆
昼間は遅延していたが何とか出勤できた^^; 正午前だったのもあったけれど車内は人もまばらだったね。
私なんて逆にハシャイジャッタのしw 静岡あんまり雪が積もらないからのし^^
いやいや。レンちゃんの地元の下田は意外と雪が降るじゃない。伊豆半島の東側は何気に雪降るしな(天城連山の裏手側になる東伊豆方面は地形の関係で静岡の他の町よりはいくらか降るのだ)
ま、ローカル過ぎる話はおいといて、仕込み仕込み!
(とはいうものの、仕入れ業者さんも遅れがちでした^^; 野菜だけは雪を見越して前日に三日分仕入れてはいたが・・・)
ん?今日はイワシのお刺身のしか?
ううん、違うよ?
これは『にしん』だよ^^
にしんを刺身で食べるのしか?
こっちじゃあんまり食べないかもね^^ でもうまいぞー♪
意外としっかりしたコリコリ感のある食感に加えて、脂も乗って甘味さえ感じるのだ!
よく知ってるのし。
いや、さっき捌くフリして半分つまみぐいした!
マネージャーさんに報告しておくのし。
それだけは勘弁してくださいなんでもしますから^^;
じゃあ・・・ほら。ちょっとまっててね。
---数分後
おじさんが買い取るから、これ試食していいぞ^^;
ありがとのし~♪
あれ?結構薄く刺身にしてるのしね^^
小骨が多いからな。全部の骨を骨抜きで抜いていたら身がなくなっちゃうから、ある程度の小骨はそのままで、薄くそぎ切りしたり、骨切りしたりするんだよ^^
あは☆ こりこりしててあま~~いのしい!
おいしいだろ^^ となりのトロサバは口止め料として食べてつかーさい^^;
わかったのし☆ あれ?でもこのサバは酢〆しないのしか?
トロサバは酢〆にするのはもったいないよ^^
虫には気を使って捌いてるからそのまま食べてご覧^^
わかったのし。モグモグモ・・・脂のってておいしいのし☆
ふむふむ。『今日は』マネージャーさんに報告しないことにするのし。
今日はって何? まさかずっとおじさんを揺すりタカリしようとしてませんか^^;
答える義務は無いのし。私の質問にただ答えるだけなの☆
・・・ところで、この刺し盛りに乗っかってる枝って・・・『梅の木』じゃないのしか!?
いいんですか梅の枝折っちゃって^^;
刺身用の飾りとしてパック売りしてたりするんだよ^^
もみじや松葉もあれば、猫柳や桜の枝だってあるんだ^^
どっかで取って来て自分で売ればおこずかいになるのしねw
いや、そうかもしんないけどダメだよ^^; せいぜい自分ちの庭先のだけにしておきなさい^^;
そろそろ営業前だけど・・・なんかめっちゃ吹雪いてきたね^^; まるでスキー場みたいじゃねーか^^;
わーいわーいのしい~♪
おじさん・・・東京で働きだして二十年になるけれど、こんな雪は初めてだなあ^^;
店長・・・スコップとかシャベルが無いからって、ちりとりで雪かきしてるのしw
コラコラ!見てないでレンちゃんも手伝ってきなさい^^;
はーい!のし~^^
・・・結局いつもの土曜日に比べてフリーのお客さんもまばら(当たり前かw)
とはいえそれでも40を越える団体さんの宴会料理のおかげで、この雪だと言うのに相変わらずの忙しさだったのはありがたいところですね(予約キャンセル続出だったのに、よくもまあ来ていただけたよ団体さんw)
今回、本当なら廃村さーくるシリーズの続きの予定でしたが、
40何年ぶりの大雪ですもの。せめて記事として残し、
いつか自分のブログを振り返ったときに『ああ~そういうことがあったよね』と懐かしみたいと差し替えました^^
物語のキャラクターをアイコン化してお話進めるのも結構楽しいね☆(地の文とか説明書きをだいぶ端折れるし楽だなオイw)
・・・とはいえ
不慣れな大雪に怪我をされたり亡くなられた方もいるようです。
皆さんも充分お気をつけを。
・・・これでキレイに?〆ようかと思ったのだが少々愚痴を^^;
お客さんの引きはこの悪天候でさすがに早く、通常より早い帰宅となったのですが・・・
地元の駅まで数百メートルというところで、乗ってる電車が立ち往生。
ポイント故障に非常停止ボタンどうのこうのって理由プラス
『いつまでも電車が動かないからって、非常コックを開いて一人の客が線路上に脱出してしまった』
そのおかげで1時間車内に閉じ込められたよ!
『ただいま線路上に降りたお客様を駅員が捜索中です。今しばらくお待ちください』のアナウンス。
ひとりの客のせいでいい迷惑だよw
『草加駅のホームで無事確保しました』ってアナウンスには皆『犯人逮捕かよw』って笑ってたよ^^;
むしろ車内が殺気だってなかったのが日本人らしいなあ~と思った次第です^^
ではでは、また今度お会いいたしましょう^^
訪問が中途半端だけどそのうち全部まわろうかと思いますw
第640話『ラストオーダー』 [アンナのバイト繁盛記☆]
『ラストオーダーはトロサバのお造りのしぃ~♪』
お客さんの注文は機械から伝票となって出てくるというのに、わざわざボクのところまでレンちゃんが伝えに来た。
『最後が刺身かよ^^; 確かここのテーブルのお客さんってば鍋料理食べてたじゃんかw』
『まあまあそーいうこと言わないのしぃ^^ これで今年最後の仕事おさめのしよ~^^ 頑張ってのし☆』
どうやらレンちゃんはボクの今年最後の仕事を見届けたかったようだ。
ツマを敷き大葉(シソ)を立てる。
手前には薬味だ。
ボクの刺身造りのスタイルは基本、後から刺身を盛り込む。
刺身を切り出してから下地を作っていたら、刺身がなまるだけ(あたたまる)という信条だからだ。
スウーーーーーーーーーーー
薄皮を剥いだトロサバに刺し込みを入れる(醤油を抱かせる切込みですかね^^ )
そしてボクは一人前7カンのトロサバを切り出して盛り付け、寿司ケース前でずっと見つめていたレンちゃんに『お待たせ』と手渡した。
『お疲れ様でした^^』と彼女はニコリと返して、まだまだ賑わうお客さんのテーブルへと向った。
・・・ようやく終った。
ふうう・・・と、重さがありそうなくらいの空気を吐き出した。
ボクは布巾で包丁を拭い、疲れた体をもう一押ししつつ、片付けを始めるのだったーーーー
っちゅーことで、ようやくボクも仕事完遂っす♪
今年は去年以上にハードでしたなあ。
そりゃそうだ。だってこの店始まって以来の最高売り上げだったからな^^;
毎日が居酒屋さんの金曜日状態だし。いやそれ以上かなw
キツイことも多々あったし、こっそり発砲スチロールとかダンボール蹴っ飛ばしたり八つ当たりしてストレス発散してたけどねw
でも、でもでもこうしてやり終えた今、
とても達成感があるよ^^
そしてこれは母親に怒られそうだが、この店でずっと勤め上げたいってキモチが少なからずあったりする。
確かあと数年で実家に帰る約束じゃなかったの?
そうなんだけどさあ・・・^^;
でもだってだよ?
ガンガン働いて売り上げも上がって、仕事に充足感を感じる職場って中々無いぜ?
以前居た居酒屋たちは、どんなに踏ん張っても売り上げに比例しないことなんてザラだよ!
その上、上司さんにも結構良くしてもらってる。
多少無理っぽい注文してくることもあるけれども(ボクの技術のキャパを越えてそうなw)
それに答えて、踏ん張って、結果、
頑張った甲斐があったんだなあ~とお客さんの数や売り上げで思える店なんだよ^^
たまたま募集で入ったお店だけど、めっちゃラッキーだったっすね^^
ほんと“たまたま”だったけど、今ではその偶然に感謝したいよ^^
この店選んだ二年前のオイラは偉いなw
別にアンタは偉くは無いw
ま、仕事もよーやく終ったと言うことで、最後には忘年会なるものもありましたです^^
系列店舗の人が用意してくれたモツ鍋とか
サーロインのローストビーフとか(めちゃくちゃ美味かったぞコレ!)
忘年会の料理も基本『自分達で作る』のが慣例なのだが・・・
今年はクソ忙しくて、ほとんど越年できない食材の余りモノでお茶を濁しましたw
オイラは刺身の残りを盛り付け、他にはレンコンと海老のはさみ揚げなんかも出たかな。
けっこうレンコン肉厚なのね
うちの主力商品だしな。インパクトはあるぞい^^ ほくほくプリプリだったよ。・・・昨日はじめて食べたけど。
一年半も居てはじめて食ったのかよw
はずかしながらw 灯台モトクロスです☆
さて、いよいよお正月休みです!
大晦日だけ自宅で過ごして、元旦から奄美大島(正確には加計呂麻)へ島旅です^^
またしばらくブログ的には音信不通になりそうですなw
ということで年末最後の恒例行事。みんな行くよ?
せ~の!
今年も一年お世話になりました^^
来年もヨロシクです♪
第635話『忙しいのは良いことだとは分かってるよ?』怒涛の年末進行+α [アンナのバイト繁盛記☆]
しばらくお暇をいただきます(ブログ的に^^;)
流石に忙しそうねw
去年の12月よりハイペースだよ~売り上げw
その上、なんだかテレビの取材とか言うのが2件入っちまいましたよおぉ・・・(T〇Sと、テレビ〇京)
どちらも放映は新春だそうだが、このクソ忙しいのに午前中から撮影とか、今週中には是非ともお願いしますとか、
もうわけわかめですw
スタッフも事情があって減ってしまってもう無茶苦茶ですw
休日あたりに更新ならびに訪問できたらいいかなあ~なんて思ってます(でもあと二回しか休日無いw)
ではではまたいつの日かw
第632話 アンナのバイト繁盛記☆『レンちゃんの黄金イクラ』黄金イクラ・まこもダケ・まかない海鮮どんぶり [アンナのバイト繁盛記☆]
『一切の援助無し』
私が憧れていた都会での大学生活を送れる条件、お父様との約束事なのだ。
会津でのお嬢様生活も別に悪いとは思っていなかったよ?
常に最新の家電に囲まれていたわけだし、執事やメイドさんが居てさ、いたれりつくせり。
時には我がまま言っちゃってさ、それでも皆やさしく対応してくれたし。
---何不自由ない生活だったと思う。
そこに留まればずっと何事も無い用に生きていけたとも思ってる。
でも、私は家出した。
テレビで見かける都会にワクワクし、自然の森を捨て、憧れて飛び出した。
・・・と思っていた。
ずっとそお思っていた。
でも今思うと、本当は『都会へのあこがれ』で飛び出したのではなく、
『窮屈に思えた当時の生き方から抜け出したかった』だけなんじゃないかなあーーーとも思えてなりません。
お父様の刺客から逃げ延びたと思っていた私は、いつも一緒に居てくれた執事のせばすちゃんに裏切られた。
信頼していた彼に土壇場で突き放されたのだ。
私は結果、家出から連れ戻されることになったのだがーーー
実はそれこそ彼の機転だったということに、後々気づくことになる。
そこんところの詳しいお話はまたいずれネ^^
---で、結局、つまりは私ってばバイト頼みの貧乏学生ってことなんですよ^^;
もうお嬢様でもなんでもない。ただの身一つだけの女の子。
最初は家賃も払えて学費も稼げて、かつ遊べます!ってな感じで高給バイトを考えていたのですがーーー
結果的に飲食のバイトを選ぶことになったのです^^
・・・だってぇ~、飲食のバイトってオプションで“まかない飯”ってあるじゃない?
人間食べれれば後はどうにかなるからねw
さて、今日はまかないご飯のお話です^^
いつものエロ板さん。そして後輩バイトちゃんの『レンちゃん』が、まかない飯に『ある一品』を提供してくれたってのが今回のエピソードです^^
ではではアンナのバイト繁盛記、久しぶりにスタートです☆
『はあ・・・毎日毎日ブリトニースピアーズばっかりでやになっちゃうよ^^;』
・・・なんだかいつものようにまな板の魚を見つめてはため息ばかりのエロ板さんがそこにいた。
その横ではレンちゃんが掃除の手を休めてオジサンの愚痴に付き合ってあげている^^;
『らろもエロ大魔王様ぁ、お仕事なんだからしょうがないこってねえ~^^』
どうやらレンちゃんは、恥ずかしいからと封印していた方言も気にしないで使うようになったみたい。
むしろそっちのほうが親しみやすいからいいと思う^^
事実、彼女とお喋りしたくって食べに来るお客様もいるくらいだしw
私もひと段落したということで、セクハラ魔王さまにちょっかいをだしてみることにした♪
『このブリかまは商品にしてますけど、その他のアラはどうするんですか?』
『お、アンナちゃんも登場か^^ オジサン結構モテモテだね。両手にグラマラスボデーでみなぎってきた!仕事も頑張れそう♪』
『いやそういうの聞いてないから』
『ああ失敬失敬。アラはばらして塩してしばらく置いてから熱い湯で霜降りして汚れを取ってから、根菜・しょうが・酒・みりんと煮込んでアラ煮にしてもいいんだけど、
うちはやってないよ』
長々と説明してくれた割には、やってないのかよ!
『時間があればやってあげたいし、商品として出してもいいんだけどねえ^^;
例えばうちだったら“れんこん”がメインの食材でしょ? だったら大根のかわりに、圧力鍋でほくほくに炊いたレンコンとブリのアラ煮なんかも面白いんじゃないかとは思うけど・・・
オジサンの仕事が増えそうだから、や・り・ま・せ・んw』
まあ確かに時間が無さそうかも。
普段会話している時はオチャラケてはいるけれど、それ以外の場面では常に厳しい顔して動き回ってるのも知っている。
『でも、もし自分が店を持つことになったら、自分のアイデアいっぱい使ってお客さんに食べてもらいたいね^^
その暁には、グラマラスガールを是非とも従業員として迎えたいので君達には特別優先でお誘いするよ^^』
『『お・こ・と・わ・り♪ お断わり^^』』
『ガビーン・・・^^;』
私とレンちゃんの乾いた笑顔でお断わりされたエロ板さんは、何気にショックを受けていた。
・・・結構、彼なりに本気だったのかもしれないw
私とレンちゃんが別の仕事をやり終えて再びエロ板さんのところに戻ってくると、
まな板の上に見慣れない魚たちがおかれていた。
『エロ大魔王様?この、ごーたん(たくさん)ある魚は何て名前?』
レンちゃんの質問にすぐさま答えるわけでもなく、エロ板さんは一尾の魚を掴んでエラ元を開いて私たちに見せてくれたのだ。
『この魚は“ノドグロ”って言うんだ^^ ほら、エラの部分をくぱあ~くぱあ~って開いてみると真っ黒だろ?
赤ムツの別称なんだけれど、中々お値段の張るお魚さんだねえ^^
焼いて良し、煮て良し、刺身で食べるのも最高と、高級魚と謳われるのも納得の魚かもね^^』
そんなに美味しいのかあ。
お嬢様の時代に食べていたかもしれないけれど、当時は食に関する感動なんて薄かったし、美味しいものが食べれて当たり前だと思っていたからなあ・・・。
それだけ私はお嬢様という『鎖』に繫がれていたわけでもある。
『あたりまえ』が『興味を薄れさせていた』のかも。
『他にも喉が黒い魚もいたりするよ^^ 例えば~サヨリなんかもそうかな?
ま、サヨリは喉と言うよりもお腹が真っ黒なんだけどね^^
見た目の綺麗な魚なのに、開いてびっくり真っ黒けってことで、
腹に一物、腹黒い人の代名詞で揶揄されたりもするかも(聞いたことねーけどねw)
ちなみにオジサンは腹黒いくらいの女の子が好きな、ドMです☆』
あんたどんだけMなんだよお^^;
別に聞いてないよそんな打ち明け話w
せっかくのウンチクも結局最後には自分でぶち壊すんだから、どうもこの人は真面目な話を長くすることができないタイプのようです^^;
『エロ板さんの奥さんすげー・・・』って、昔レンちゃんが呟いた言葉に今は納得です^^;
『はあああ~・・・』
あらかた魚の下処理を終えたエロ板さんが、ため息まじりに綺麗にしたまな板の上に、なんだかへんてこりんな野菜を広げだした。
『ポロネギっぽいのし~。これなんてネギなん?』
『これは“まこもだけ”イネ科の植物でネギでもないしキノコでも筍の仲間でもないよ^^』
『へえ~、そんつなもんあるんのしぃ~^^』
なんか先っちょはネギっぽいのに、根元は筍っぽい。でも名前は『~だけ』ってキノコみたい。
なんか不思議な食材ですね。
『いや、これは日本に昔からあるんだよ^^ でもスーパーとかであんまり置いてないってだけだと思うよ^^
ここまで育ったものは見た事無いかもだが、案外君達が昔川遊びをしていた場所で知らず知らずのうちに出会ってるかもね^^
ピーラーで薄皮を剥いて、煮たり焼いたりして食べれるんだよ。
味的には、ほんのり甘味を感じるエリンギといったとこかな(ボクの感想です)
食感も繊維質ではあるけれども、そこまで歯ごたえがあるわけでもなく、エリンギに近いかも』
ようはエリンギのでっかいバージョンみたいな感じなんですかね^^;
『うちでは縦半分に割って、そこに魚のすり身を挟み合わせて揚げ焼きしてアンチョビのオイルソースで提供してるんだけれど、
今度、君達にも食べさせてあげるね^^
ホールの子は、どんな食べ物か知っておいたほうが絶対いいしね。お客さんにもしっかりお薦め出来るから^^』
『『楽しみにしています♪』』
まこもだけの試食を約束した私たちは、再び営業開始前の準備に戻ったのです^^
---『今日のまかないは何ですか?』
営業開始一時間前。レンちゃんが板さんに今日のまかない飯のメニューを聞いた。
それにちょっとびっくりしてしまった私。
実は、まかない飯は板さんのおまかせであって、しかも『作ってもらえてる』という、ちょっぴり封建的な世界でもあるからだ。
おいそれとお母さんに『何々が食べたいな』とか言う感じで言いづらいところもあったりする。
だからこそ『何つくってるんですか』というのも、ちょっぴり躊躇したりもするんです。
(とはいえ、どうしても食べれない食材があったりする子もいるので、そこはきっちり汲み取ってくれますけどね^^
ちなみにレンちゃんは“ハンバーグ”とかひき肉系が何故か苦手で、ハンバーグの時は別のまかないを用意してもらってます^^)
だから、あっけらかんと板さんに聞いたレンちゃんに驚いたというわけです。
『ん?ああ~今日は海鮮丼だよ^^ 毎日はさすがに怒られちゃうけれど(マネージャーさん的に)
いささか日が経って余ったブリトニーがいるからさ(鰤です)
それと、昨日の営業で残った“手くず”を乗っけて、プチ海鮮丼にしようかと思ってるよ^^』
エロ板さんも別に気に留めることも無く普通に答える。
普段なら気難しい顔をひとつでも浮かべるのに。
『手くずって何ですか?』
私もついつい彼らの話に乗っかってみる。何より手くずという物がなんなのかを知りたかったってだけなのだけれど。
『ああ手くず? 手くずって言うのはね~、お刺身を引いているときに出る、端っことか、キレッ端とか、不恰好なお刺身の余り物だよ^^
そういうのは細かくして海鮮サラダの足しにしたり、食べちゃったりするんだ^^』
『ポン!』
ここでレンちゃんが嬉しそうに手筒を打つ。
『アハ☆ めっちゃタイムリーだったのし~♪
それならこれも一緒に乗っけて食べましょう☆』
そう言ってレンちゃんが後ろ手から取り出したのはーーー
黄色い黄色いイクラ?でした。
『うおっ!? レンちゃんこれどうしたのさ! オジサン久しぶりにみたよ~^^』
『実は、実家から送られてきたんのし~^^ うちのじさ(おじいちゃん)が、いとしげん(かわいい)孫娘のためにって☆
量も多いし、皆さんでなじらね?(どうですか?)』
『『『『当然いただきます!』』』』
いつのまにやら珍しそうなと寄ってきたスタッフ全員の大合唱♪
ということで、レンちゃんからの贈り物+黄金イクラの海鮮丼をみんなで頂くことになったのです☆
エロ板さんは実に嬉しそうにスプーンに掬った黄金イクラをみんなの皿に取り分ける。
『この黄金イクラってのはなんなんですか?』
『うん、これはアマゴの魚卵だね^^ 他にもイワナや鱒っ子も同じようなものがあるよ^^
以前はごく一部の地域の隠れた特産品だったけれども、今では色々な地方でウリにしてたりもする。
とはいえ、川のとても綺麗なところでしか味わえないかな☆
まあ~まあまあさっさと食べて実感してみようよ^^
黄金(こがね・もしくはおうごん)イクラ☆』
営業開始30分前。
黄金イクラの乗っかった海鮮丼が、お客さんの居ないカウンターテーブルにズララと並べられた。
私とレンちゃんも、お吸い物や箸などを運んでお手伝い☆
そしていよいよみんな一斉に『いただきます♪』です^^
ネギトロは板さん曰く『まかない用で購入したヤツ』ということでなんとも味気なかったのですが、
それ以外はめっちゃオイチイ!
『鰤は皮を引いたり外気に触れるとすぐ色が悪くなるのが難儀だよ^^;
充分食べれるんだけど見た目が悪いから、まかないにまわしたんだ^^
色の悪いところを削ってやれば見た目にも何も変わらないだろ?^^』
うわあ~♪ これが一日過ぎた鰤とは思えません!
脂も乗って美味しいじゃないですか^^
『魚って面白いもので、取れたて新鮮ばかりが良いってわけでもないんだよ。
例えば“鯛”とか白身は、取れたてより一日二日寝かせた方がアミノ酸が分解されて味が深くなるからね(好みにもよりますが、少し時間が経って身が白むくらいの方が味は美味しいとボクは思います^^)』
そしてそして、いよいよ黄金イクラを頬張ってみる!
お口にアーンと、ご飯とは別に純粋にイクラだけを!
!?
『ふつーのイクラより弾力があるけど、めっちゃ美味しい^^』
そう、見た目の色は普通のイクラと違えども、粒の大きさもほぼ同じ。味も似通ったものだったのだけれども、
いくらか弾力がある粒粒だった(イクラだけに)
でもプチプチ感はこっちのが私好きかもw
私が喜んでる様を見て、レンちゃんがとても嬉しそうにお礼を言って来た。
『良かったあ^^こんなに喜んでもらえて。じさに言ったらきっと喜ぶこってねえ~♪』
美味しいもの頂いたのにその上感謝されるだなんて^^
私もなんだかとても嬉しい☆
『やっぱり美味しいものは人を笑顔にさせてくれるな!・・と、ちょっとカッコいいこと言っちゃったかなwなんつってー』
まったくもって似合わない台詞をエロ板さんが喋ったことでスタッフ一同ドン引き・・・^^;
とはいえ、おいしゅうございました^^
早飯を終えて、いのいちばんにごちそうさまをしたエロ板さんも、満足げに食器を片しに立ち上がる。
そしてーーー
『さ!おいしいもん食ったから、ところてんのようにトイレで出してから今日も一日仕事頑張るぞ~!
ふぁいとおーなのです☆』
私の感動を返してくれ!
・・・と、毎度毎度思わされる、
ある師走の居酒屋まかない事情でした^^
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
たまには居酒屋の話もしないとね☆
第585話 アンナのバイト繁盛記vol⑬『ジュンサイと七夕と』絶滅危惧種・ジュンサイ・七夕に願いを [アンナのバイト繁盛記☆]
『奥さんに叱られますよ?』
終電を逃した私とレンちゃんと、なぜかいつものエロ板さんは、
勤め先のご近所である『アメ横』に最近できた、24時間営業の安い居酒屋で始発待ちをしていたのです。
『閉店時間を越えても中々帰ってくれないお客さんには参りましたね^^;』と、愚痴をこぼす私に
『だーすけさあ・・・(そうそう、そうよね)^^; ホタルの光のBGMが流れてもまるで意に介せず2人の世界でしたっすね^^;』とレンちゃん。
酔っ払ってるせいか、レンちゃんも方言を隠さず地で喋り出す。
『しかも、飲まない食べない帰らない!と、板前殺しでホールスタッフ殺しだったよねえ・・・^^;』と、ジョッキを片手に天を煽ぐエロ板さん。
ま、要するに、中々お帰りいただけないお客様にお付き合いしていたら、ホールの人間、キッチンの人間共々、
家路への道のりを断たれたというわけです^^;
バイク通勤やら、家がご近所のスタッフさんはなんとか帰宅されたものの、
私とレンちゃんだけは電車頼みの存在だったのです。
---そこに、
『じゃあ~どうせ帰れないなら、始発までオジサンと呑みませんかね^^ 勿論、ゴチしますよ~お嬢様たちい~^^』と、
私とレンちゃんと違って、夜遅くまで電車が走っててなんとかギリギリで家に帰れるというのに、
いつものエロ板さんが私たちを居酒屋に誘ってくれたのが今日と言う日の物語です。
ま、タダならいいかな~とその誘いに乗りました。
・・・途中で『じゃあ~ホテル・・・』とかセクハラ発言を言ったら絶対パンチくらわすかんね!ってキモチでしたけど^^
そんな感じの居酒屋の、ある日常の物語。
第585話スタートです^^
『らろもぉ(だけんど)・・・今日は宴会もあって大忙しだったのし~(ですよね)^^;ヒック!
しかも食べるのはーいぇのなあ・・・(早い)
めっちゃアワアワしちゃったのし・・・^^;』
営業中はあんなに人当たりの良いレンちゃんだったのだが、お酒が進むと意外と愚痴っぽい^^;
なんだかとてもオッサンな気がしてきた。
でもわからないでもないかな^^
接客はなにかとストレスたまりまくるから^^;
『まあ~2時間の宴会だったのに、始まってからの一時間でコース料理が全部出切っちゃったんだから、キッチンも大慌てだったねえ^^;
戦場かよ!ってくらいキッチンはひっちゃかめっちゃかだったよ^^; フリーのお客さんのオーダーも怒涛のように重なってたから、 もーやだー!って、オジサントイレ行くフリしてさあ~途中で帰りたくなったよおw』
エロ板さんのその言葉にレンちゃんは爆笑。
そこまで面白いのか?と思ったけれど、身内の内情を知ってる身からしたら、分からなくも無いと、私もフフフと一緒に付き合って笑ってあげるのだった。
『そいえばさ、大魔王様は(レンちゃんはエロ板さんのことを最近こう言う)
おんなご(女の人・女性)がカウンター席に着いた時に、こっそり寿司ケースのガラス越しに覗き込むのは、よーねいよ(よくないよ)^^;』
酔っ払いついでに今度はエロ板さんを攻撃しはじめたレンちゃん。
その目はすっかりすわってらっしゃいます☆
『ボク達はお客様を常に見て、何が食べたい何が飲みたいとのリアクションにすばやく対応しなければいけないからな!
別に悪いことじゃないだろレンちゃ~んw』
と、正論ぶった切り返しをするエロ板さんだが、その顔はもうニヤついている^^;
要するにそんな理由じゃないと言う訳ですね^^;
さすがエロ大魔王様だ・・・
ま、こんな感じで身内話で盛り上がり。時が過ぎていったということです^^
『そう言えば~、私ってあのコース料理の酢の物に出てきた“ジュンサイ”って食べたことないんですよ^^』
『おれ(自分のこと。女性も使う)もみたこと無いのし・・・^^;』
『え?そうなの?この時期のコース料理の割かし定番な食材だと思ってたんだけどなあ^^;
土佐酢(かつお出汁を効かせたお酢)や、吸い酢(お吸い物ベースに酢を割り込んださっぱりしたお酢)なんかでチュルリといただいてさ~
揚げ物やら煮物続きでガッツリ胃袋を満たした後に、このジュンサイのあっさりとした酢の物は箸休め的に美味しいよ~^^
今度試食を用意しておくから食べてみるといいよ^^』
『『わーい♪』』と喜ぶ私とレンちゃん。
『まあ~家じゃあんまり食べないかもだよね、ジュンサイ^^
このジュンサイ、
睡蓮とか蓮の仲間なんだけど、その若い芽の部分がさっきのコース料理で出たやつなんだよ^^
寒天みたいな粘膜で覆われてて、味そのものはほぼ無味無臭かな(よ~く嗅いでみると、ほんのり香ってはくるけど。味もね^^)
うちでは酢の物で提供してるけど、お澄ましやらの具材としても使ったりするね^^
それほど主張する味を持っているわけじゃないから、
酢や吸い地という“味付け”で食わせる食材かな^^
たんぱくなフグのお刺身を美味しいポン酢で食わせるみたいな。そんな感じ^^』
見た目的に、お肉やお魚にくらべて興味が沸いていたわけでは無い私だったのですが、
なんかあのぷるんぷるんのゼラチン質に囲まれたジュンサイちゃんを思い出すと、なぜかお肌にも良さそうな気がして興味がグッと沸いていた。
そこから暫くは、エロ板さんの『ウンチク』の独壇場。
お酒を片手に、私たちもウンウンと頷いて聞いてあげるのです。
・・・なんでも『雑学とかウンチクを知っておかないとキャバクラでモテナイし会話のネタが無いからな。アッハッハw』と、エロ板さんの持論だそうです^^;
私的には、話題が豊富ってのは良いとは思いますが、
ここまで知識をあけっぴろげで『ドヤ!』ってひけらかされると、逆にドン引きなんですけどねw
でも、気持ち良さそうに語り続けてるエロ板さんが満足げならまあいいっかな^^;
すっかり酔いがまわって少し落ち着いてきた?レンちゃんと共に、エロ板さんのお話を聞きながら、始発までのあとちょっとを過ごす私たちだった。
---ペットの話やAKB。はたまたマジ話で政治のお話(参議院選挙とか)の話やらと色々話しまくってて、またそれに私たちはツッコミ入れてたのに、
『ジュンサイってね、キレイな水質のとこじゃないと育たないんだよ。
絶滅危惧種指定の食材でもあったりするんだ・・・』と、また話が戻ってきた^^;
酔っているし、まあ・・・そういうこともあるかもだけど^^;
とはいえ“絶滅危惧種”ってキーワードには、もうグラスに手を掛けつつテーブルにウトウトと突っ伏しそうになってたレンちゃんも、
ウンン?と顔を上げて興味を持ち出した。
私もピクリと反応して
『ジュンサイってヤバイ・・・んですか?』とエロ板さんに思わずつっこんで聞いてみちゃった。
『まだまだ普通に取れるし栽培されてる物なんだけれど・・・
県によっては既に絶滅してしまった場所もあったりする植物なんだよ^^;
各地方団体が報告するレッドリスト(絶滅の恐れのある動植物のリスト)ではランクの差はあれど、
希少な存在であるのは間違いが無いんじゃないかなあ^^;』
そ、そうなんだ。
むしろ若芽を摘んで食材にして良いのかと突っ込みを入れそうになったくらいです^^;
どう言葉を返したら良いかとしばらく無言でいた私(レンちゃんは酔ってて無言だと思うけど^^;)
それに気づいたのか分からないけど、明るい感じでエロ板さんがさらに続ける
『何も知らないでただ食べるより、その食材の背景を知って食べるのってありがたみが増すと思うんだ^^
こんなボクの雑多な知識のひけらかしで、うぜーとか思われちゃったかもしれないけれどね。
ーーーでも、きっと損な話を聞かせたとは思わないとボクは自信をもって言っちゃうよ~w』
そう言って、満足げに梅干サワーの残りをグビグビと喉に押し込んで、空のグラスを頭上に掲げ、
追加のお酒を可愛らしい女性店員さんにねだるエロ板さんがいたーーー
現在時刻4時をまわったところ。
私とレンちゃんが利用する電車の始発まで一時間を切るところまできた。
・・・とはいえ、三者、私を含めて三人とも、すっかり『うたた寝モード』でしたw
みんななんだかんだで結構酔いがまわってきてるのです^^
レンちゃんがすっかりカックンカックンと船を漕ぎはじめた頃、
気力でなんとか起きていた私に、これまたべろんべろんなエロ板さんが声を掛けて来た。
もう、話しかける話題ならなんでもいい。
話してればお互い眠らないから!みたいな感じで
『今日は七夕だね・・・ひっく!*^^*』と。
そう、今日は7月7日。七夕。
短冊に願い事を込めたりする日。
『アンナちゃんは、なんか願い事あったりするのかな・・・ヒック!!*^^*』
しゃっくりしつつも酔っ払った板さんが聞いてくるのだ。
ーーー私は、
飲み欠けの梅干サワーをぐいっと飲み干してから言ってやったのです。
『ナイショ♪』って。
せばすちゃんに会いたいな・・・って、ふと思った、七と七の日を迎えた七夕のある1ページでした。
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
ちなみにボクが初めて七夕の短冊に書いた願い事はーーー
『長生きできますように』という、シンプルかつ原始的欲求だった気が^^;
今は『夏のボーナスが、ちゃんともらえますよーに☆』なんだけどね(切実だよお~^^;)
第583話 アンナのバイト繁盛記☆vol⑫『働くエロ大魔王さま!?』ピュアホワイトコーン&ヤングコーン、鱧・岩ガキとか^^ [アンナのバイト繁盛記☆]
『いらっしゃいませ~!あっ!〇〇さんどうもです~^^』
玄関口でお客さんの対応をしている新人のレンちゃんが、お客さんと親しげに会話をしている。
どうやらここ最近、彼女目当て?の常連客がつきつつあるのです。
うう・・・確かにレンちゃんってば人当たり抜群だしなあ^^;
器量も要領も良いし、そつなく仕事もこなすしねえ。
(酔っ払いオジサマのセクハラすら、さらりと交わすし、あまつさえ虜にしちゃうからなあ・・・^^;)
・・・私が看板娘だと勝手に思ってたけど、こりゃウカウカしてられませんね(思ってたのかよ私w
ーーーさて、梅雨時ではありますが、
うちのお店で提供するメニューもだいぶ様変わり。
季節のお野菜・魚など、四季を感じさせるものから一風変わったものと色々登場です^^
レンちゃん共々、新メニューのことをメモ帳に書き取るのに四苦八苦です^^;
ではではそんなある一日の物語、スタートです^^
『新蓮の時期になりましたか!』
いつものエロ板さんが、いかにも聞いて欲しいぜと言わんばかりに大きな声で呟く。
現在時刻午後2時過ぎ。
業者さんが野菜や肉・魚を持ってワンサカワンサカ登場する最中、
エロ板さんはチラッチラと『ほ~ら面白いものがあるよ~。掃除してる場合じゃないぞ~。レンちゃんとアンナちゃ~ん』って感じでコチラに目配せをするのです(仕事してよ!)
『今日はなんでしょうかセクハラ大魔王さま^^』と、さっそくその言葉にレンちゃんが釣られた。というか、かまってあげたようです^^;
私もついでに便乗です☆(いや、どちらかというと嫌いじゃないし食材に興味あるから!と、言い訳してみますw)
『丁度、蓮根も新人の頃を迎えたわけなんだよ^^ ういういしくてオジサンとしてはたまりませんね!
無垢で何も穢れてなくて、えっちなこと言われたら顔を赤らめちゃうようなそんな時期なんだよ~^^』
『『へー(冷たい視線で見つめながら棒読み)』』
私たちの冷ややかな返答にも、なぜだかちょっぴり嬉しそうなエロ板さん。
・・・あれ?この人・・・やっぱりMなんじゃないかなあ^^;
私たちのことなんかお構いなしにさらに続ける。
『新物の蓮根ちゃんは水水しくって、かといって水っぽいだけじゃなくって甘味もあるから、この時期の蓮根料理を食べてみるってのもいいんじゃないかなって思うよ~^^
かといって“ひね”の蓮根も捨てがたい。
こちらは水気は少ないけれど、ほっこりモチモチ美味しいからね^^』
『ひねってなんですか?大魔王様^^』
レンちゃんが、これまたエロ板さんを乗せるような感じで聞いてみる。
『簡単に言うと“熟女さん”かな^^』
『ああー!なるほどー^^』
なんでこの人は女の人でしか例えをだせないのよw
というか、感心しないでよレンちゃん!
ってな感じで、ちょこちょこと仕事の合間に三人で食材につっこんだり感心したりと漫才のような時を過ごしてるわけなんです^^;
『ぐはあ・・・岩ガキめっちゃ嫌いなんですけど^^;』
嘆くエロ板さんの目線の先には岩ガキがゴロゴロ。
どうやら牡蠣剥きをこれからするみたいだった。
『牡蠣、美味しいじゃないですか^^ 私は結構好きですよ^^』
『いや~・・・食べるのは好きだよ?でも剥くのってなんだかんだパワーいるよお^^;
牡蠣剥きの工場でせっせとさらりとホイホイと剥き剥きしてるおばちゃん達が神様に見えるもの^^;
この“夏牡蠣”って呼ばれる岩ガキ。
通常の牡蠣は冬が旬だけど、この子は今時期が旬だったりする。
出来ればオッサンとしては~、冬だけで堪忍しておくんなまし!って思う代物ですw』
そう言いながら、試しに君達も苦労を味わってみんしゃい!ってな感じでエロ板さんに牡蠣の殻剥きを勧められた。
せっかくなので私とレンちゃんはやってみることに^^
『そう・・・その殻と殻のつなぎ目に・・・そう!そこ!ああ~・・・そこをググッといっちゃって~w
そこに貝柱があるから、そこをカット出来れば、
貝が、くぱあ~!って開くから。くぱ~!って^^』
正直うっさいんですけど
ふつーに説明してよ^^;
ま、確かにエロ板さんが言ってる通り、私たちは試しにと言われて殻剥きしてみたのですが、めっちゃ苦労しました。
一個を開けるのに10分くらい掛かってしまいました・・・。
『む、ムズイぃ・・・^^;』
海辺育ちのレンちゃんも、ポイントは教わったけれども時間がかかっていた。
私は初めてだから余計に時間がかかっちゃったw
『じゃあ~実践してみるから見ててね^^』と、エロ板さんは、一個の岩ガキをひょいと摘んで、殻剥きの剣(牡蠣ナイフ)を牡蠣にあてがってグググとさぐりを入れたほんの瞬間に、
あっという間に中身を取り出して見せた。
その中身はプリップリ。
『さすが本職ですね。大魔王さま^^』と、パチパチ手を叩くレンちゃん。
私も『そ、そのくらい当然ですけど、やっぱりスゴイですね^^;』と、乾いた感じで拍手した。
『まあねえ・・・^^; オーダー入ってさっさと提供できないとお客さんに怒られちゃうしね^^;
もう慣れとコツだよね^^;
でも、牡蠣剥きめっちゃ嫌いだよおお・・・^^;』
毎日、何個も何個もご苦労様。
この時ばかりはエロ板さんに同情をした^^;
---牡蠣剥きが一段落したころなんでしょうか、
再びいやらしい~感じで、おいでおいでをするエロ板さんが居たので、
『もー、なんなんですかー』と不貞腐れつつも半分以上は興味津々で近づいてみたw
『このお魚は見たことあるかな?アンナちゃんレンちゃん^^』
『えッ!? なんですかこの魚^^;なんだか怖いんですけど・・・^^;』
板さんの目の前に紹介された、うねうねしてる長細い感じのグロテスクなお魚に、つい私もビックリの声を上げてしまった。
これまたいやらしい感じで私の反応を楽しんでニヤニヤするエロ板さん(術中に嵌ってるのかしら私^^;
そこにーーー
『ウツボですか?うーん・・・似てるけどなんか違う^^;』とレンちゃん。
『これは“ハモ”だよ^^ 関西以西だと高級食材だとか謳われてるお魚さんだよね^^(昔の話かw)
今では流通もしっかりしてるし、関東近辺の居酒屋チェーンでもお披露目できるくらいの存在かもしれないけど、
だからといって、ご家庭とか、関東以東で“ハモ”を食べるか?って言うとそうそう見かける魚じゃ決してないよね^^』
確かに家庭で普通に食べたりしないかも^^;
(いや、関西でも家庭でごく普通に食べるてるのか疑問)
『ウツボなら私の実家の静岡県は伊豆の南っかわなら・・・干物で食べたりするんだけどなあ・・・。これは食べたことないっす^^;』
さすがのレンちゃんも、普通に驚いている。
(実際、伊豆の南西部ではウツボの干物などを扱ってるお店や、食べる食習があったりします^^)
う・・・。見れば見るほど不気味なお魚^^;
歯とかめっちゃ怖いんですけど・・・^^;
その後は、鱧というお魚さんを捌くエロ板さんの包丁の先をずっと食い入るように見つめていた私たち。
『このお魚さんは小骨が多いんだよ。ウナギの仲間なんだけどウナギより小骨がしっかりしてるんだ^^;
かといって、一本一本骨抜きで骨を抜くには無理があるんだ。
そこで、ある程度舌触りに違和感の無いくらいに細かく
“骨切り”という作業をするんだよ^^
身の部分と皮目の部分の骨を包丁で薄く薄くカットしていくんだ。
それを一口大に切り落として湯引き(ボイル)したりして、氷水に掬いあげて冷ましてお客さんに提供する“鱧の湯引き”なんてのが、ごく一般的な鱧の食べ方かなあ^^
あっさりと淡白で、かといって脂も感じさせる、夏のこの時期に相応しい食材の一種だね^^』
そう説明をしつつも、小さな小皿に小分けして、ポツンと鱧の湯引きの横に梅肉を添えて、
私たちに試食してみてよ^^と言う感じで、一切れづつ鱧さんが目の前に差し出されたのです。
・・・・
『うわ・・・おいしいい☆』
『これはお客さんにオススメしないといけませんね☆』
『ぶっちゃけ骨切りめんどくさいんだけどねw 本音で言わせてもらえればw
でもやっぱり、鱧が京料理でもてはやされる魚だってわかる美味しさだよね^^』
美味しさの裏側に、こんなエロ板さんの慎ましい?努力があるんだなあ~なんて、少しばかり思っちゃいました^^;
鱧の仕込みが終った後、エロ板さんが箱からごっそりとまな板の上に緑の物体をズザザー・・・っと広げはじめた。
見たまんま、とうもろこしですね~これは。
私の替わりにレンちゃんが『このとうもろこしみたいなのって、どういう感じで提供するんですか?』とエロ板さんに質問する。
『これはね、“生のヤングコーン”だよ~^^』
『裏事情的にレンジでチンだけどw とうもろこしの若芽をホクホクと蒸してマヨネーズでパクつくのは美味しいんだぞ~^^
このアソコの毛みたいなヤングコーンの髭も食べれちゃう^^
これは是非とも食べてみて^^』
『アソコの毛は余計ですね^^』とこれ以上無いくらいの冷めた笑顔で返すレンちゃんだったのだけれども、
試食として差し出されたヤングコーンに2人ともホッペをとろかしたのです♪
『あ、そうそう。コーン繋がりでこれも今日からいくからね~^^』と、私たちの目の前に出てきたのは、
真っ白いとうもろこしでした。
『えっと・・・なんですかこの成長する前に摘んだみたいな、白っぽいとうもろこしは^^;』
レンちゃんが早摘み食材ばっかりやんかーと言いたげに、それを見て嘆く。
私も彼女とおんなじように少し思っていた。
でもそんな私たちを意にも介せず
『まあ~まあ~^^ とりあえず生でガブっと食べてみて。ホラ^^』と、エロ板さんが私たちの前に切り分けた白いとうもろこしをよこすのです。
ま、味見です^^;という一応な感じで頬張る私たち。
シャクッ!という、プリプリした果肉を歯で喉に放り込んでみた。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・え!?
『めっちゃ甘いんですけど!?』
私は思わず言葉に出したのだけれど、横に居るレンちゃんはその白いとうもろこしにパクついたまま言葉を失っていた。
『ピュアホワイトって言ってね、メロンよりも糖度が高いんだ^^
生でも食べられるというか、むしろ生で味わうのがいいんだと思うコーンだったりする^^』
『うわ・・・地元のスーパーにはこんなの無いよお・・・。地元に居たら知らないまんまで過ごしてたかもだよお・・・。
都内の居酒屋に勤めてびっくらすること多いです^^;
はじめて大魔王に感謝☆』
『嬉しいけど、なんか言葉が引っかかるねレンちゃん^^;』
苦笑いのエロ板さんと、ここにきて初めて心底驚いているレンちゃんだった。
もちろん私も見た事無いものばかりで興味を惹かれまくってたーーーーーー
『いらっしゃいませ^^ 本日のおすすめメニューは“鱧の湯引き、梅肉添え”
“絹皮茄子とホワイトコーンのお刺身”
“ヤングコーンのマヨネーズ添え”
それと板さん推奨の“岩ガキ”となっております☆
どちらも今、旬で美味しいですよ^^ いかがでしょうか?』
『じゃあ~それひとつ頼むよ』
『なにそれ気になるぅ^^』
ーーー7月を迎えた、ある居酒屋の日常でした。
ここまで読んでくださりありがとうございました☆
第570話 アンナのバイト繁盛記☆vol⑪『渓流の女王』アマゴのお造り&方言談義 [アンナのバイト繁盛記☆]
『私にもバイトの後輩が出来た☆』
去年の暮れに『バイト初日でいつのまにかバックれてしまった人』をカウントしなければ、実質、私の私のほんと~に後輩ちゃんですよ♪
聞きました奥さん?先輩ですよ私! うふふ☆
ーーー色々教えてあげますか!
たまにはビシッと言っちゃいますかね、えへへ~^^
・・・そう思っていた時期が私にもありました(数日だけど
先輩風ってヤツをフーフーぴゅーぴゅー吹かせてもちょっとはいいですよね?ってね。
そしたら他の居酒屋さんでのホール業務経験者だった。
仕事の飲み込み早い早い^^;
世間知らずのお嬢様生活から始めた私のレベルなんてあっという間に越えてる気が・・・^^;
教えてるフリして、実は遠巻きに彼女を見て、
ある意味自分の為の勉強になってたりするってのは誰にも内緒です^^;
---さて、新しい子が『女の子』ってことで、
早速、いつものエロ板さんが絡んでまいりましたw
私は常に彼女を守る騎士(ナイト)役だったりです^^;
第570話スタートです☆
ホールの掃除があらかた片付いた私と新人の『蓮台寺さん』
あだ名でさっそくみんなに『レンちゃん』と呼ばれているんですが、
手空き(てすき)だからってことで、いつものエロ板さんの仕事ぶりを一緒に邪魔しに行くことにしたのですw
まな板の上には二尾の魚。
うん?
鮭っぽいけどどうなんだろ? 季節柄、鮭なんて扱ったりするのかなあ???ってのが私のファースト印象。
すると横からレンちゃんがーーー
『これってアマゴだらぁ?・・・あ、えっと・・・んっんー・・・アマゴ・・・ですよね?^^;』
ん?微妙に訂正?えっとーーーだらぁ?
私の横で一緒に見ていたレンちゃんを思わず覗き込むと、
手で口を押さえつつ罰の悪そうな顔をしている。
『はは~ん。レンちゃん、うっかり方言が出ちゃったっぽいなw
君って山梨か静岡県の伊豆の出身かい?
そう、これはアマゴだよ^^ よく分かったねえ』
エロ板さんはニヤニヤとその魚の答え合わせをしてくれた。
でもレンちゃんは合っていた答えに喜ぶどころかなんだかとても照れくさそうに言葉を続けたのです。
『あーんもーう・・・^^;方言出無いようにここまで頑張って隠してきたのにい^^;
思わず懐かしい物に出会ったからうっかり出ちゃいましたよ^^;』
普段の会話からじゃ、ふっつーに標準語だったので彼女がどこの出身だなんて全然気にしてなかった私。
『レンちゃんってどこの人なの?そういえば聞いてなかったよね?エロ板さんが言うように山梨か伊豆地方の人なの?』
『はい。静岡県は伊豆の下田市です^^ 方言なんて若い私たち世代はほとんど使わないんですが・・・
“そうだよね”を意味する“そうだらあ”とか、
何々する“べー”みたいな、短い受け答えや語尾は知らず知らずのうちに使ってたりするんですよお~^^;
なんかカッコ悪!と思って封印してたんだけどなあ・・・』
そういうもんなのかなあ。
あ、私は栃木の田舎町育ちではあるけれど、お嬢様育ちだったからね☆子供の頃から標準語ですよ^^
・・・ん?
あれ?
でもよくよく思い出してみたら、友達達と会話してた時は“~だっぺ”って言ってたかも^^;
『かっこ悪いとかそういうのはレンちゃんが決めることだから何も言わないけど、
オジサン的には方言いいじゃないかだよ^^
おおきく見れば日本語も英語も方言みたいなもんだろ~^^』
それは大きく見すぎだろー!とは思ったけど言葉を飲み込んだ^^;
田舎から東京に出てくる子はやっぱり気にするもんですよ?
特にイントネーションを直すのにどんだけ苦労したかw
(※ ただし関西弁は除くw)
『逆に接客業じゃ方言で喋る可愛らしい女の子とか、ウケルと思うんだけどな。
あとレンちゃん隠れ巨乳だから、おじさんたちは店に来るのが楽しみだと思う☆』
でたよこの男。
せっかくいい感じのフォローだなあ~と思ったら自分で全部ぶち壊すw
ここは戒めと言うことで、スリークォーターからのスマッシュをエロ板さんに決めておいた。
『ドムッ♪』
いい感じで顎にヒット・・・ってアレ?
私がセクハラ討伐用にと繰り出したスマッシュは、エロ板さんまで届かなかった。
『ダメですよ~。いくら最低でエロエロでどうしようもなく低級な人でも上司さんです^^
セクハラといえども暴力で解決するのはいけません☆』
私がヒットしたと思ったのはエロ板さんの顎ではなく、レンちゃんの手の平だったのです。
・・・いや、制裁は必要悪だと思うんだけど。しかもそこまで本気でもないしー(8割?みたいなw
---ふと、レンちゃんの肩越しに、エロ板さんを見た。
・・・あれ?
・・・ん?
・・・おやおや?
私のパンチが当たってもいないのに、なんだかとっても大ダメージを喰らってるような表情なんですけど^^;
『エロエロでどうしようもなく低級・・・エロエロでどうしようもなく低級・・・ブツブツブツ・・・』
どうやらレンちゃんにさらっと言われた言葉がグッサリと彼のハートに刺さりまくったようです☆
ま、自業自得でしょー^^
・・・それにしても、何気にズバズバさらりと言ってのける子だな、レンちゃんて^^;
数分後、気を取り戻したのか落ち着いたのか、ようやくこちらの世界に帰ってきたエロ板さんが、アマゴなるものを捌きながら色々と説明してくれたのです。
『ほら、ここをよ~く見てみて。ここに赤い点々があるでしょ?
似たような川魚にヤマメとかいるんだけど、これがアマゴの特徴かな^^』
あ、確かに赤い点々があるう。
でもなぜか困ったような顔をしてエロ板さんがさらに続ける
『まあ・・・特徴とは言ったんだけど、最近はヤマメとアマゴの交配種が居たり、イワナなんかとも交雑したりもして、なにがなんだか分からない種類の似たような川魚が増えてたりもするらしいんだけどね^^;
特徴があるようでもしかしたら・・・違う子だったりするかも^^;』
『うちのジッチャンも言ってましたよ。最近は本来の魚の生息を無視した魚の放流で、元居た魚が居なくなったり、混血のお魚が増えたりだべーって^^;
あ、うちのジッチャンは天城のワサビ田を改良してアマゴの養殖してたりするんです^^』
妙にレンちゃんて詳しいなと思ったらそういうことですか。
そりゃ~熱くなりもしますね^^;
『その本来の魚の生息地を無視した放流で交雑種が出来てしまうことを
“遺伝子汚染”と言うらしい。築地のオッチャンが言ってたのを受け売りだw
ちなみにオジサンは国際結婚やエッチするのはいいと思います☆』
ま・た・か。またさりげなくセクハラ発言か
と思った私はパンチを繰り出すが・・・
・・・またもやレンちゃんの手の平にインターセプトされてしまった。
とはいえ、
『エッチな発言でコミュニケーション取ろうとする下賤なオッサンは一杯居ますから、そうカッカカッカしないでおきましょうよ☆
好きな子にイジワルしちゃって気を惹こうとする小学生みたいなものですよアンナ先輩^^』
レンちゃんがサラリと言ってのける。これはもう・・・遠巻きの牽制。
レンちゃんの後を見たらーーー
やっぱりその紅蓮の槍はエロ板さんにグサグサグサッ!っと突き刺さったようで、無言で俯いていた^^;
『でも私はエッチなトークも全然OKですよ^^むしろ楽しいです(セクハラ返しの意味で)』
『えっ!?ほんとお~!?♪』
レンちゃんの言葉に再び息を吹き返すエロ板さん。
『えへ☆』とニッコリしてみせるレンちゃん。
ああ・・・確信した。今やっと確信した。
この子は『親父あしらい』の上級者だと。
恐るべしレンちゃん・・・^^;
(見習おうっと☆)
その後は、息を吹き返したエロ板さんが、ササササーっと身を捌き、
試食用だと皆に振る舞ったのだが・・・
『川魚って寄生虫のイメージがあるんですけど^^;』と、私は思っていたことを素直に言ってみたのです。
すると
『『いやいやいや!』』と、エロ板さんとレンちゃんがハモって否定してきた。
『先輩!それは確かに思うと思います。天然物は・・・清流だろうが渓流だろうが・・・ね。
でも養殖ものは、無いとは言えませんが寄生虫は限りなく平気だと思います!』とレンちゃんが熱く語る。
おじいちゃんが養殖家ってのもあるんだろうけど^^;
続けてエロ板さんが
『100パーセント無害では無いと最初に言っておくよ^^ 例え養殖物とはいえね。
海の魚だって同じようなリスク結構あるんだしさ^^
(川魚からの肝吸虫感染は・・・やっぱ最強ですが)
とはいえ、このアマゴちゃん。
川とは完全無縁のワサビの棚田に流れ込むような清流で育成されてるのだ^^
レンちゃんのおじいちゃんの所かどうかはわかんないけど、伊豆は天城の源流に近いところから引っ張ってきた水で育ててるそうなんだ^^』
ううう・・・天城・・・ワサビ田・・・清流・・・って言われると平気そうなイメージに駆られてしまう^^;
私は基本、あんまり川魚の生食なんてしませんです。
だって田舎育ちでもあるけどお嬢様育ちだもんっ☆
とはいえ、目の前に出されたお刺身には興味ある。
見た目、まんま鮭じゃないですかってくらいにサーモンピンクのお刺身。
どうやらサケ亜科サツキマスなんだって(私の後ろでレンちゃんが言ってるのが聞こえた)
恐る恐る箸を伸ばして、ちょちょちょんと、お醤油に付けて口に運んでみた。
・・・もぐもぐ
・・・?
・・・あれ?
美味しい^^
いかにもなマス独特の甘ったるい生臭さは無い。
かといってサケのお刺身でも無い。
非常にあっさりとしたサーモン刺身。
でも脂はしっかりある。
えっと・・・自分の舌に自信は無いし、どう表現していいか分からないけど美味しいのです^^
私の後に続いて手を伸ばしたスタッフさんも、
『へえ~サケやマスのようで、白身のような美味しさだね~』とご満悦。
みんなそれにウンウンと頷いた。
勿論、私も納得^^
そこにレンちゃんがーーー
『ちなみに鮭や鱒は“白身”だら?・・・って、えっと・・・ああ・・・白身ですよ^^;えへへ』
え?鮭やマスが白身?
板前さん連中はニヤニヤ。
私を含めてホールスタッフさんは、ぽかーん状態。
・・・どゆことー???
『鮭や鱒が実は白身魚の分類だってことは、知ってる人は知ってるんじゃないかな^^
元もとの幼魚時代は白身。
摂取する餌の色素の影響で赤っぽくなるそうだよ^^
ちなみにーーー』
エロ板さんのウンチク(どうせ築地のおっちゃんの受け売りでしょうが)に、思わずほえーと驚く私。
続けてすぐ横にある会社のPCをカタカタと操作して、ある『画像』を開いて更に話を続ける。
『これを見て貰えるかな^^』
そこに映し出された画像は黄色の粒粒。
・・・これが何か?
『これは伊豆天城の下山養魚場の販売店“しもやま”さんのホームページの画像なんだけど、
“黄金イクラ”って言われるアマゴのいくら塩漬けなんだ。でもこれは黄金色だよね。
実は、イクラって言うのも親である鮭の食べている物の栄養素によって赤くなってたりするんだよ^^
だから同じサケ目サケ科であるマス(アマゴ)なのに育ち方によってはこういう風にもなるわけだ。
サケやマスって面白いよね~^^』
(※ 産卵の為に遡上した鮭は餌を食べなくなります。そのかわり、栄養素が卵に移行し卵は赤みを帯び、成体は白身を帯びるということです。つまりは本来はやはり白身魚ということに。
みかん食いすぎると黄色くなっちゃうのと同じだよね?
違うかw)
『えっと勉強になったのは置いておいて・・・その黄金イクラを食べてみたいのですが☆』
私はそんないやらしいウンチクよりも、そっちのほうが気になっていた。
『ああ~これは10月くらいからの限定発売だって^^
マネージャー? もちろん取り寄せてうちでも売りますよね?』
エロ板さんは横に居たマネージャーさんに確認をする。
『勿論です☆ 旅先でたまたまここの業者さんと知り合ったのですがこれも何かの縁です。秋が楽しみですね^^』
(※実際のお話です。アマゴもそのご縁で取り寄せたものです^^)
うはー!まだ夏も入り口だと言うのに、なんだか秋がとても待ち遠しい!
『さあさあ、もうすぐオープンですよ^^ 準備は整いましたか?』
マネージャーさんの声に皆、持ち場へと帰って仕度をし始めるのでした。
ーーーそんな皐月のある日のお話でした☆
ここまで読んでくださりありがとうございました。
(おまけ☆ いらない腹骨の部分をこっそり焼いて食べたらーーー、鮎と鮭の間のような味でした^^ 焼くともっと美味しいかも♪)