第769話 燃える石と緑の大地・西表島編☆ファイナル!『最高にして最強のタクシーおじいちゃん』電信屋(デンシンヤー)ほか [廃村さーくる(島旅)]
『私がこの商売を始めた頃は、車が右側通行でしたよ^^』
その言葉に皆の『へえ~!』『わきゃ~!』『うは~!まじっすか!?』と言うボク達の感嘆の声がタクシーの車中にこだました。
どうやらボク達は石垣島最高の生き字引のオジイチャンをゲットしたようである。
西表島~石垣島編ファイナル。
最後はボクこと菅原雄介で語ります^^
なんせボクの大学卒業旅行ですからねw
ではでは第769話スタートです。
『ワキャー!ゴーヤの苦味とチーズのコクと甘味・・・相反するものだけどいったいどんな味なんでしょう?^^;』と、
小首をかしげて悩む夕実ちゃんがソコにいた。
ソコというのは西表島の北部の石垣~西表間を結ぶターミナルである上原港、
そのご近所の飲食店さんだ^^
ボク達は船浮から白浜港に辿り着く早々、
レンタルバイクを返却しに上原港へと帰って来たのである。
ぶっちゃけるとまだまだバイクの契約時間には猶予があったし返却しないで西表島を巡ることは出来た。
羽田空港へのフライトまでもかなり余裕があったし、こんなに早くに石垣島へと戻る必要性も無かった。
でも、ボクのたっての希望で先を急ぐことにしたのです^^
最初は我がまま妹様に『なんだよーそれー^^; もっとゆっくり西表したいっす^^;』と駄々捏ねて捏ねられまくったけれども、
耳元でボソボソボソ・・・っとある目的を伝えたらーーー
『それを先に言え!バカ兄貴ぃ~ん♪』っと超乗り気になってくれやしたw
たっての希望。
ボクの目的。
それは石垣島の片隅にある小さな小さな場所。
そして妹様も納得させる場所でもあった。
『デンサターミナル』
夕実ちゃんが『デンサってどんな意味でしょうか?』って聞いてきたけれど、
デンサ(デンサー)と言うのは石垣というか八重山の『伝唱』の方言であり、
唄い・伝え・語り継がれる地元ならではの教訓歌(デンサー節)からとられたものだそうだ^^
ここのターミナル(待合所)のネーミングの一般公募の中から選ばれたそうです。
さて、船を待つ間にターミナルの席でしばしマッタリなボク達。
本当は時間があったならばお食事でもして行きたかったのですが、
それを諦めてターミナル近辺のスーパーでお土産とお弁当を購入した。
なぜかそのお披露目会が始まった^^;
『お父さんにイリオモテヤマネコの携帯灰皿買ったですう~^^』と、夕実ちゃん。
・・・随分と渋いお土産だね^^;
強面で喫煙者な彼女のお父さんにはまあ似合ってそうなお土産だけれども^^;
ボクはと言うと、ここではお土産を買うことなく、皆のお弁当を購入した。
それがコレ↓
『主婦友弁当』
妹様には『もっと西表チックな飯は無かったんかよ!^^;』って突っ込まれたが、
いいじゃないかこの地元の奥様が作ったようなネーミングのお弁当最高じゃんか☆
(※ 地元の工事現場の作業員のオジサンとかが目の前で一杯このお弁当買ってたよ?)
では文句ばっか言ってる妹様は何買ったんだよ!ってツッコミ入れようと思ったらそれはこの先の旅路を左右するとんでもない
悪行だったのです。
『くっはー! オリオンちょーうまいっす☆』とグビグビ飲んでやがッた!
おいちょっと待てやああ!
実はこの妹様の行為、今後のボクの計画すべてが
台無しでありご破産だったのだ^^;
ボクとしては『石垣島に戻ったならレンタルバイクを借りて目的地に向う』計画だったのに、
全部パーだよっ!^^;
『お前・・・この後レンタルバイクで石垣島巡りのつもりだったのに・・・^^;』と伝えると
『それを先に伝えないお兄ちゃんが世界で一番悪い!』と気にも留めないお返事^^;
確かに不覚・・・
ボクの計画は出だし早々頓挫したのである・・・。
結局出会えなかったイリオモテヤマネコさん。
このターミナルの脇にある案内板にはデカデカとその写真が載っかっていた。
ワイルドだけれど愛くるしいその姿にーーー
『わきゃー♪ いつかホンモノ見てみたいですう~^^』と誓う夕実ちゃん。
『なんか近所に歩いてそーな感じっすねw』と野生の猫を全否定な琴音^^;
スレた感じの妹様は憎憎しいコメントですな^^;
夕実ちゃんはやっぱり素直で良い子だよ^^
さて定刻通りに石垣島への高速船が到着。
いざ乗り込みます^^
西表島のほんの一部しか訪れることが出来なかったけれど、色々と濃かった旅路、何かそう思いました。
誰も手を振り返してくれる人はいないのだけれども、
ボク達は『ありがとー!』と手を振りデッキ席から西表島を見送った^^
ま、
そんな乙女回路(乙女チック)な物思いに耽るのは港を出るまでの数分なんですけどね。
後はーーー
高速船の織り成す波飛沫がロマンチックもぶち壊すくらいワイルドですw
これはこれで好物ですけどね☆
---さあここでランチタイムです。
石垣島まで就航約40分。近いようで結構遠いのです。
その時間を利用してご飯としました^^
最初は主婦友弁当をバカにしていた妹様だったけれどーーー
『うは!? スパムが入ってるっす!^^』と喜んでモグモグ☆
『がはー! こっちはチャンプルだったっすか^^; あなどれにゃい~!』とハフハフ掻き込む妹様。
『こ、これは・・・鳥皮・・・? カラッと揚げて甘く煮付けてご飯にベストマッチィィ!
安くて手頃な値段でしかも八重山っぽい食材ばかり・・・
さすが主婦友弁当や~ん♪』と、
あっさり評価を手の平返ししやがりました^^;
駅弁みたいに大それたパッケージでもない。
高級地元食材なんて入ってないよ?
地元のただのお弁当です。
でもね?
それが良いと思いませんか?
素朴でありながら地元民のお昼ご飯、ボクには素敵に思えたのです^^
---さてと、
ボク達は無事に定刻どおりに石垣島離島ターミナルへと帰って来た。
レンタルバイクが無理ならやっぱりバスかタクシーしかないよなあ・・・
でもタクシーだと割高だし・・・と、とりあえずバスの時刻表とにらめっこをする。
するとーーー
目的地までのバス出発時間は1時間後。
と言うかそもそも
目的地までバスが無い^^;
どうやらバスだと最寄のバス停で下車してから3~40分は歩くようだ。
往復考えても1時間以上。
最寄のバス停までだってここから30分だ^^;
都合よくバスが来ればいいが・・・恐らく大きく見積もっても、
全行程2時間半は見ないといけなかった・・・。
帰りのフライトまでを考えると間に合わない可能性もあるし(なんせ離島ターミナルに戻ってきたら、そこから空港行きのバスに乗らなければならないし)
そんな無茶はできない^^;
『どうするよお兄ちゃん^^;』と琴音が心配そうに声を掛けてくるが
全部お前のせいだよ妹よw
そこに『わきゃ!三人ならワリカンでタクシー使えばまだ安く済むと思いますです~^^』と夕実ちゃんが最終手段を持ちかけてきた。
うーん・・・確かにワリカンならね(それでもバスと徒歩にくらべたら高くつくだろうね)
というかそもそも目的地までのタクシー往復がどれくらいの金額なのかも分からない。
っつーことで早速、今回の戦犯である琴音に目的地までの往復はいくら?って聞いてこさせることにしたのだ。
『大体7000円くらいだって^^』と御用聞きした妹様がスタスタと帰って来た。
皆で割ればそこまで高くは無いか^^
ならば『タクシーでいい?』と皆に聞くと『『ラジャー(了解)』』と帰って来たので、タクシーに乗って行く事に決定です^^
ボクは一応念のためにターミナル内のATMで追加の軍資金を泣く泣く下ろしてからタクシーに声を掛けることにした。
『お客さん、どちらまで行かれます?』と聞かれたボク達。
『ハイ、デンシンヤーまでお願いしたいんですが^^』とボクが答えるとーーー
『ほお~、珍しいとこ行きますね^^ お客さんはそういうのお好きで?』と言うものだから
『はい^^ 石垣の川平とか綺麗なとこも好きですが戦跡遺構なんかも結構趣味なんですよ。だから今回是非ともデンシンヤーに寄ってみたくって。アハハ^^』と返したのだ。
『わきゃ?デンシンヤー???』と目的地も名前も良く分かってない夕実ちゃんはハテナマークを頭上に一杯浮かべているがそれは置いておこう。
『私も何度かデンシンヤーの入り口までお客様を送ったことありますが実際に目にしたことは無いのですよ^^ ではでは参りましょうね^^』と運転手さんは言い、タクシーをターミナルから滑らせるのだった。
見たところオジイチャンの運転手さん。
これが偶然にも素敵な出会い。巡り合せだったことにボク達は後で知ることになったーーー
『プシュ!』と後部座席の方からプルタブを開ける音がタクシー内に響き渡る。
嫌な予感がして前の座席からボクが振り向いたら
妹様が缶チューハイを開けて飲み始めていた^^;
『おまえなあ・・・^^;』と睨みつけると
『だってー、もう運転とか気にしなくていいんしょ?マジでさ^^
開放感!開放感っすよ♪』っと悪びれるのだ^^;
いや、確かにもう運転も気にしなくていいし、タクシーまかせではあるけどさあ・・・もうちっと大人しくできませんかね^^;
すると妹様、
缶チューハイとは別に購入したんだろうか?
ガサゴソガサゴソとコンビニ袋から缶コーヒーを取り出してタクシーのオジチャンに
『すんませんお酒いただいちゃってます^^ これキモチですから受け取ってくださいっす☆』とオジイチャンにコーヒーを渡したのだ。
『あは~これはどうも!どうも^^ 嬉しいプレゼントですな~♪ さっそく頂かせていただきます^^』と、信号で止まった所でグビグビと飲み干したのです。
ここで夕実ちゃんと目があった。
声には出さなかったが『こいつは世渡り上手だ・・・』と2人して頷いたのだった^^;
(※ リアルなお話ですと、ボクはもうお酒を我慢出来ませんでして・・・ターミナルでお酒を購入w
酔い覚まし的にたまたま缶コーヒーも買ったのです。
でもオジイチャンとお話合いましてですね~
自分だけお酒飲んでるのが申しわけなくって缶コーヒーをおすそ分けしちゃったって話だったりします^^
別に賄賂とか買収とかそーいうんじゃなく楽しいオジイチャンだったのです^^
今回はそのエピソードを琴音に役回りしてもらったってお話であります☆)
『こっちのほうが近道なんですよ^^』と山沿いルートを選択したオジイチャン。
正直、タクシー代が安くなるならとありがたく思った^^
そこから目的地近くの海へと出たのだがーーー
窓越しからもとても綺麗な海だった☆
信号待ちしているときにオジイチャンが向うを指差す。
『あの半島になってるところの中腹に牧場みたいな場所が見えますよね^^ あそこが目的地なんですよ^^』と教えてくれた。
なにぶん地図上とかネットの情報でしかその位置は把握していなかったので、あんなところにあるんだ!と声にする。
それに対して喜ぶオジイチャン。
まるで孫と御爺ちゃんの会話そのもの。
ボクはまるで何も知らない孫のようにオジイチャンに『ねえねえオジイチャン☆』と質問し、それに楽しく受け答える祖父のようなふうわりと温かい空間に満ちた時を過ごすことになった。
『ここが目的地最寄のバス停です^^』
石垣島の西端に突き出る大崎や御神崎まではバス路線は無い。
ボク達は石垣島の周遊道から外れ、一路最西端を目指すことになる。
民家など無い。
みるみるうちに青い空と緑の牧草地を劈く道路へと突入する。
『わきゃー☆ 海も緑も景色最高ですぅ^^』と夕実ちゃんはおおはしゃぎ。
ボクもまたその素敵なロケーションを窓越しに楽しむのだ。
妹様はと言えば・・・どちらかというとオジイチャンに対して彼女の一方通行の酔っ払い談義に勝手に花を咲かせていまして、全然景色には無関心だったけど^^;
そんな一時を過ごしつつも多分ここらへんなんじゃないかという近辺にやってきた。
だけれどもーーー
『あれ?あれあれ? ・・・たしかここいら辺だったような気がするんだけどなあ~^^;』という、
ココに来てとても頼りない言葉を言い出したオジイチャンがそこに居たw
『え!? 大丈夫っすか?^^;』と突っ込む妹様に
『なんせ滅多にここまで来ないもので><;すみません・・・』とミラー越しに謝るオジイチャンがいたのです。
そこからはタクシーのスピードを緩めて皆でデンシンヤーまでの入り口探し開始です(ほんとのお話☆)
そしてようやく見つかった!
『電信屋と書いてデンシンヤー』が^^
どうやらここからは車を止めて歩いていった方がいいみたいだった。
そのくらいそこからデンシンヤーまでは車が通るには狭い道だったのだ。
だから『じゃあ、10分か15分くらいで帰ってきますからここで待っていていただけますか?』とボクは伝えたのだ。
するとーーー
『実は私、地元民でありながら恥ずかしながら間近で見た事が無かったのです。
この入り口までは何度かお客様を御連れしたことはございますが一度も無いのです。
・・・今日は実に良い機会と思いました^^
私も是非そこまで行って自分の目で見てみたい!』と、
タクシーで細道を突っ込んでくれたんです!
正直この申し出にはびっくりした。
ただただびっくりした。
でもオジイチャンが一緒に行きたいってその言葉がとても熱くてね^^
一同『ありがとうございます!是非ともよろしくおねがいします^^』と感謝した。
っつーことで最高にして最強のタクシーオジイチャンといざ!
デンシンヤーへ突入です☆
『わきゃー^^; グラングラン揺れるですぅ^^;』
県道だったさっきまでと違ってここからは舗装などされていない。
でこぼこした細道をゆっくりとかっ飛ばす!
途中、
牧草地?
その中に、この場に何か似つかわしくない感じの『石で出来た人工物』を遠目に発見したボクは『アレは何かな?』と呟いた。
それを聞いたのかオジイチャンはタクシーを止めて『見て見ましょう!^^』とオジイチャン含めて降り立った。
残念ながらオジイチャンに遠慮してソコまで近づくのを止めたけれども、非常に面白いものを撮影させてもらったものだと今は思っている^^
さて、ここから再び乗車してその先へ!
進むにつれてドンドンと土ぼこり舞う狭き道へ。
時折『ガサガサ!』と藪草が車体を擦る程だった。
そして海岸線に近づいた所でポッカリと視界が広がった。
今回の目的地『デンシンヤー』の前に、いくらか広がるスペースにボク達はとうとうやってきたのである^^
『ではではさっそく降りましょう!』と言う、どちらかと言うとボク達よりもワクワクなオジイチャンがそこに居たのかもしれない^^
皆、気もそぞろ。
勿論ボクもね^^
打ち明けるとそこまで凄いとこではないのだけれども、ここまでのオジイチャンの熱いハートと冒険的おもてなしに、とてつもなく気分が高揚させられたって部分もあった。
『ああ~なんか下腹部ジュンジュンするっす!』と、卑猥的に感動を表現しやがった妹様にはでこピン三発おみまいしましたけどね^^;
---さ!いざデンシンヤーに参らん!
と、タクシーのドアから思い思いに飛び出したボク達とオジイチャンだったのだが、
『あ!ちょっと草とか車体に付いてると会社にどこに行ってたんだ?って怒られちゃうかもしれないので草とか払っていいですか☆』と、
オジイチャンがタクシーに付いた藪草を払いだしたのである。
・・・
・・・
・・・
もうね?
最高に愛くるしいオジイチャンでしたよ☆
ここまで素敵なタクシードライバーさんに出会ったのは初めてです!
もう茶目っ気もあって最高のオジイチャンだった♪
『電信屋(デンシンヤー)』とは?
日清戦争終結の頃に南方戦線の連絡施設として建設された建物。
戦争と言うのは『情報戦』でもあるのです。
素早い連絡網が人の生死を決める。
本土からいち早く情報を通わせる為に必要だったのです^^
明治29年の本土(鹿児島)~沖縄を皮切りに、
明治30年には、ここ石垣島を経由して領有地だった台湾島まで
『海底電信線』を敷設したのです。
・・・今で言う海底ケーブルみたいなものですよ?
この時代に凄くないですか? ボクはこの話を聞いてビックリしたものです^^
碑文を『ふむふむ・・・うむ』と真剣に見つめるオジイチャン。
そして、
『知ってはいましたが、改めて教えられましたよ』とボク達を見ずにまた『うんうん』と何度も頷くのでした。
さて、いよいよ今回のメイン『デンシンヤー』です。
『うはー!これが戦争遺構って言われなければ廃公共トイレとか思っちゃいそうっすね^^』と、とんでもなく罰当たりなことを妹様が言うもんだから・・・
こめかみをゲンコツでぐりぐりお仕置きしておきましたよ!^^;
トイレはねーだろトイレはw
デンシンヤーの海岸側には防風の為なのかな?
石垣が組まれていました。
(※ 石垣と書きましたが正確には珊瑚塀)
ここにもデンシンヤーの説明版があり、それには正式名称は
『海底電線陸揚室』であると書かれていましたよ^^
さてと、
ここからはボクとオジイチャンよりも妹様が飛びつくことになる。
なぜならばこのデンシンヤー。
モルタルやコンクリに覆われてはいるが
『煉瓦の遺構』なんです^^
『ムヒョー!煉瓦ちゅわあああ~~んんん☆』とヨダレを垂らしながら駆け寄る琴音の後を
ボク達はいささかドン引きしつつもついて行く事に^^;
(夕実ちゃんは当然ポカーンとしています^^;)
『入り口横のこの水が溜まってるとこなんだろねお兄ちゃん^^』
『うーん・・・水がとにかく貴重だし、それを貯めておくところじゃないかと思うが・・・^^;』
と、答えたっつーのに妹はそれを聞かずに別の場所へと興味を示す。
『玄関口、煉瓦ちゃんす!!! うはー!これどこで焼いたんだろ、どんな工場だったんだろ~♪
刻印とか無いかな?無いかな?うっはー☆』とめちゃくちゃ煩いんだがw
まさかここまで煉瓦に彼女が嵌るとはね^^;
群馬の矢納水力発電所に連れて行ったのは間違いだったかなと兄貴として今は後悔している(妹が煉瓦に興味をもったキッカケは矢納水力発電所なのだ)
『この・・・いっぱい壁に空いてる穴は何でしょうかですう・・・』
恐る恐る。でも精一杯ボク達の背後から質問してきた夕実ちゃんがそこに居たんだ。
多分、彼女は皆に気後れしてることに気まずく思ったんだろう。
無理に興味を示したんじゃないかと言うのは明らかだった。
だからボクは優しく答えてあげる。
『いいとこに気づいたね夕実ちゃん^^ これはね?
太平洋戦争時に受けた銃弾の跡なんだよ^^
何しろ敵さんから見ても重要施設だよ。標的になったのは言うまでも無いよね^^』
抉れたコンクリ。むき出しの見えないはずの煉瓦。
いかにここが鉛の雨に晒されたのかが分かる痕跡だったとも思う。
---さて内部も少しばかり見てみよう。
(※ 少しばかりと書いたのは、実は近年、内部に入るのは立ち入り禁止になったからである。
保全するにもしがらみが色々とあってうまくいってないそうで・・・。
崩落の危険性も多大にあるので市として一応警告しているのです。
ということで入り口付近から目一杯ギリギリ覗いた画像をここでご披露したいと思います)
『結構雑な感じの目地っすね。煉瓦の積み方も結構不規則っす^^;』
琴音が言うように、かなり粗雑な煉瓦の積み方だった。
でも見た目なんかは戦時に必要の無いもの。
お洒落なんかじゃ命は守れない。
無骨だろうが速やかに建て、堅牢ならば充分だったのだ。
今で言うキッチンだろうか?
それとも別の意図あるものなのだろうか?
説明版には特に何も説明が無かった。
『たぶん、これってトイレとかじゃね?マジで^^』
琴音が言うように多分トイレだろうな。
当然ウンコもしたくなると思うし必要不可欠ですからねw
外はコンクリに覆われているが内装は煉瓦がそのまま剥き出し。
焼過煉瓦・・・では無さそう。
黒々とした煉瓦があったり、煤けている感じなのは、
恐らく一度中まで爆撃で焼かれたんじゃないでしょうか。
(※ ところどころオーブ、カメラのレンズ部に着いた誇りの所為で丸い人魂っぽいのが写ってるのはご了承ください。
撮影に夢中でレンズの管理まで到らなかったです^^;)
ところどころ無理矢理木枠で修復してあるところも。
内観はほんと公衆トイレと変わらない規模ですので直ぐに見終えた(妹様はまだまだ足りない感じだったが^^;)
ここからは裏手をぐるりと周って外観を堪能です。
『どの面を見ても銃痕だらけですなあ^^;』とオジイチャン。
ほんとにそうだった。四方八方、大小の穴だらけなのだ。
建物の横手に当たる部分にも水を貯めておく様なところがあった。
これまた裏手にも同じようなものがあったのだがーーー
『でもこっちは水が無いよねお兄ちゃん^^』と言いながら、琴音がその中に顔を突っ込んで中を覗きこむ。
『そこは丁度、さっき見たトイレの裏側だと思うぞ?妹よ^^;』と告げると
『それを先に言えよバカ兄ちゃん^^;』となじられた^^;
フハハハ、あえて言わなかったのだよ妹様よw
ざまーみろw
でもまあ~ここからウンコ汲み取ってたんだろね☆
ぐるりと一通り一周したところで錆びたコンクリの埋め込み梯子を見つける。
『いかがですか? あそこから上に登ってみては^^』とオジイチャンが言ってきたけど、流石にソレは・・・と断っておきました。
(登ってみたかったけどな!自重です^^;)
なんだかんだで大分ここに長居していたと思います。
オジイチャンもまた、
『来て良かった。ほんとうに良かった。そう思いますよ^^』と楽しまれていたようで(ずっと一緒に見てまわったんだよ^^)
ボク達一同としても喜んでもらえて嬉しかったなあ^^
---さあ、時間も時間です。
再びタクシーに乗り込んで、一路、石垣ターミナルへと帰る事に。
ここで現金な妹様がタクシーの料金メーターを見ながら呟いたのだ。
『わあ~なんだかんだで結構料金いってるっすねw たしかに辺鄙な場所っすもんね^^』と。
見ると料金は7000円くらいだった。
ワリカンだしそれはいいじゃないか。お金のこととかあっけらかんに言うのも実にハズカシイからと妹様に小声で『しー!^^;』と諭したところ、
オジイチャンは貸切の札をパタリと倒して料金メーターを隠し、ボク達に振り返って小声で言ったのだ。
唇の前に人差し指を立てて
『ナイショですよ^^ ここからの帰り道はもう御代は取りませんから^^ いいもの見させてもらった御礼です☆』と。
思わず『え?いいんですか???』と聞いちゃったじゃないか。
『ええ。だからシー!です^^』とまた茶目っ気たっぷりにするものだから、皆、笑いながらも
『『『ありがとうございます!』』』と感謝した。
その後の車中でのオジイチャンとの会話は更に楽しく、
そして教わることばかりだった。
『私がこの仕事を始めた頃は車は右側通行だったんですよ^^』
沖縄占領下、勿論、八重山諸島も同じだった。
アメリカに倣って左側通行が右へと替えられた。
日本に本土復帰(1972年)した後もわけあってダラダラと右側通行が続いたのだが・・・
それが1978年7月30日に本来の日本の交通規範である『車は左通行』へと戻った。
オジイチャンはその時代からこの仕事をしてたそうである。
『とは言っても一時期別のお仕事してましたけどねw』と笑うオジイチャン。
それでも凄い生き字引の人と出会ってしまったんだよね^^
皆『わきゃー!すごいすごいですオジイチャン♪』『ウハー!マジっすか!?びびったっすよ^^;』と喜び驚き、そしてオジイチャンのお話に聞き入ったのだ。
石垣島は昔こんな感じだったんだよ?とか
ほらほらあそこを見てください^^ 昔はああじゃなかったんです^^と、オジイチャンが出題する町並みと過去の答え合わせに皆一喜一憂した楽しい車中だった。
時には最新情報も?
『なんでも近々、この石垣島にも沖縄本島の“美ら海水族館”みたいなのが出来るらしいです^^』だって^^
『わあ~出来たら絶対もう一度来たいですう~☆』とはしゃぐ夕実ちゃん。
ボクもそんなの出来るなら何度も来たいかも^^
というか沖縄本島も好きだが、どちらかというと八重山好きなのである。
オジイチャンの最新?の情報も好きではあったがやっぱりボクには今昔。
特に、
石垣市内を通る日本の国道最西端390号線から海沿いにかけては『昔は海でした^^』っておっしゃってたのが一番印象的だったなあ。
『石垣の市役所も離島ターミナルがあるところも昔は海でした^^
大きな船を入れる為に港の底を削った残土で埋め立てたのがこの道路の向うから海に広がる土地なんですよ^^
だから市所有の土地がいまだに多いんです^^』
こんな素敵なガイドさんいるのか?って驚きっぱなしだった。
自分が大好きな分野にとことん詳しいオジイチャン。
ボク達はオジイチャンが饒舌に語ってくれるソレを楽しみまくったのである。
---そんな楽しいひと時も終わりを告げる。
ボク達は離島ターミナルに着いてしまった。
『いやあ~今日はお客様と出会えて楽しかったです^^ 実際に目にしてみるものですね。勉強になりました^^』と降車寸前に言われた。
これにはさすがの妹様も恐縮。
『そ、そんなことないですよ!むしろ私が大変感謝感謝っす^^;』
勿論ボクと夕実ちゃんも同じ気持ちだ。
最後に皆でワリカンでタクシーの支払いをしなければと言うことで、
ボクが財布の中身を『ひ~ふ~み~・・・』と野口英世さん(1000円)を数えていたらーーー
ひょい!と、
ボクの財布の中に大事にしまっておいた(温存しておいた)
福沢諭吉さん(高額一万円札)を
琴音が『お釣りはいらないです☆』とつまんでオジイチャンに勝手に渡しやがったΣ(°д°;)ガビーン
『いや・・・いやいや多いですよ。受け取れません^^;』と断るオジイチャンに、
琴音はオジイチャンの手の間にボクの諭吉さんを挟ませてギュッと力強く握手しながら、
『ありがとうございます^^』と言う言葉と眼力(めじから)で押し切ったのだった。
『なんてもったいない。ありがとうございます^^ 次に来る時は是非とも呼んで下さい!これ、私の名刺です。電話はここです^^』と名刺を頂く妹様。
最後には皆で何度も何度もお辞儀とありがとうをしてサヨナラをした。
ボクの卒業旅行はオジイチャンに偶然出会えたことで、思っていた以上に楽しい旅路となったのである。
で・・・
『それでですね妹様、そろそろワリカンの方おば・・・』
『チッチッチ。野暮なことは言わないのでありますお兄様☆』
『あ、はい・・・^^;』
・・・どうやらボクの全ゴチになってしまったみたい。
さようなら。ボクの諭吉ィ~^^;
その後は少しだけ猶予があったので、
石垣市立図書館で『宇多良炭鉱の調べ物』をしました。
職員さんに『西表島の炭鉱について調べたいのですが』と伺うと、
『それならばこことここの棚の書籍などがよろしいですよ^^ 三木さんって方の本が特に詳しいと思います。是非とも閲覧していってください^^』と、
実にさらりとスピーディーに紹介された。
・・・結構ボクと同じように西表の探鉱史を調べる方がいるのだろうか?
いや、恐らく職員のお姉さんが凄いんじゃないかなあと思う。
お姉さんはんぱねーなw
---夕刻。
ボク達は石垣空港まで帰って来た。
フライトを待つ時間を利用してお約束の~
アルコールタイムである♪
『おつかれ~^^』とお互いのジョッキをチンチンと合わせてから飲んだそれは最高でしたね^^
あとは刺し盛りなど数品を。
妹様は『せっかくだし美味しい石垣牛が食いたいっす』とほざいてましたが、
『ワリカン・・・』とぼそりと呟いたら『刺身もいいよね!おほほほほ』と誤魔化してましたが^^;
定刻どおりに羽田に無事に着。
とても有意義な二日間だったと思う。
彼女等はすっかり眠りこけていたけれど、どうなんだろうか?
楽しんでくれたのかな?^^
さあ、いよいよボクも4月から社会人だ。
ワクワクと不安。色々混在しているが頑張ってみたいと思います。
好きで選んだこの職業。夢に向って走ってみたい。
ーーー西表島旅行記これにて終了。
ここまで長々と読んでいただきありがとうございます^^
いかがだったでしょうか西表島旅行編は^^
ボクとしては非常に色の濃い旅路だったと思います。
自然アリ、隠れた歴史アリ、煉瓦あり、
そして最後に素敵な出会いもあった^^
ちなみに『おつりはいらないっす』ってお話は本当ですw
随分と太っ腹になったもんだねオイラw
だってよ~、最高のオジイチャンだったんだもの^^
さて・・・次回は・・・忙しくてあんまり遠出もしてないので短い記事を繫げますw
ボクの住んでいる町のお隣の町『八潮市』までお散歩したお話となるでしょうか。
そこにかつて存在した『3つの煉瓦工場』のうち2つの痕跡を探った旅路です(旅って言うか歩いていけるんだけどねw)
ではではまた次回お会いいたしましょうず^^
・・・次回記事まで待ってられないとか言う奇特な方はコチラでもいかがでしょうか?→サブブログ
結構ガチな話ですがw
第768話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol⑥『船浮臨時要塞マクロス』特攻艇格納庫・発電所跡・台湾沈没船ほか [廃村さーくる(島旅)]
『わきゃ・・・虫とか居ません・・・ですかぁ?^^;』
洞窟を目の前にして躊躇する夕実っちがそこに居た。
するとお兄ちゃんがニコニコしながら優しく彼女に言うのです。
『居るよ? でも大丈夫、怖くない^^』と。
居るのかよ。そしてどう考えても怖ええーし!^^;
『もしかしたら未発見の人骨なんかもあるかもだ^^ でも怖くない。フライドチキンの骨だと思い込もうね夕実ちゃん^^』
そんな大きなフライドチキンの骨があってたまるかああああ!^^;
・・・しかも例えが英霊にちょー失礼っすよお兄ちゃあ~ん^^;
『ううう・・・怖いですう・・・』と益々萎縮する彼女(そりゃそうだ。そんだけデリカシーなく煽ってりゃ・・・^^;)
ただ、ここで帰ると言わないのが夕実っちの強くなった所なのかもっす。
慣れ・・・なのか成長・・・なのか。
お兄ちゃんに振り回されるうちに強くなっていた・・・と好意的に?解釈したいと思うっす^^;
さて、私はというと・・・
虫とか超苦手なんですけどマジでw
彼女のこと言えないよ^^;
でもまあ~お兄ちゃんに露払いを頼むとして進みますかね。
第768話、私っちこと、菅原琴音視点で南の島の冒険っす^^
琉球真珠㈱西表養殖場のオジサマとお兄さんに見送られ、私達は洞窟内へと突入したっす。
パッと見、奥のほうに向うの光が見えるしそこまで長くは無さそう。
(真珠の養殖だったんすねw)
『わ・・わきゃ。この洞窟の下を這うパイプはなんでしょうか?先輩^^;』
『なんだろね?古そうだけど遺構でも無さそうかなあ^^ ここを抜けると答えがありそうな気がするし保留だね^^』
ーーー洞窟内は風が抜けるおかげか非常に涼しいっす
春だというのに汗ばむ気候だったので嬉しい私達でした^^
---10メートルくらいでしょうか?
洞窟内の海側の面に
塞がれた横坑を見つけた。
うう~ん・・・でもよく向うが見えないっす^^;
ここで例のブツ登場っす☆
『ヘッドライトォ~♪』 (キテレツ大百科の道具登場BGMでお楽しみください)
『さすがベンゾウさんだ。用意がいいな琴音^^』
いやベンゾウさん関係ないし、むしろキテレツなりよ^^;
せっかくなので向うを照らす私。
その先はーーー
『わきゃー!まだまだ先がありそうな穴ぽこですう^^;』
うん、確かにそう見えるっす。
よく見るとドン詰まりに見える先も、なんか横に穴が延びているような気がするっすねえ。
でもおかしいなあ。
この海側の面はほんとすぐ海なのに^^;
結構このトンネル内部は壕や坑が入り組んでるのかな?
横を見るとお兄ちゃんもそれを思ったのかニンマリ顔をしている。
ま、この答えは最後に出ることになるのですーーー
4~50メートルくらいっすかね?あっさりと虫に会わずに出口へと着いた私達。
出口横の海側は藪のすぐ下が海。
片や
山際沿いには、かろうじて薄っすらと藪の中に路盤?が見えた。
『ねえねえお兄ちゃん。ここからどうすんよ?マジでさ^^;』
『今回用があるのはこの藪の向うの戦跡遺構なんだよ^^
だから突貫します☆』
ですよね^^;
私と夕実っちは溜息交じりにお兄ちゃんについていくことになったのだ・・・
大した距離でもないのだけれど・・・
なんせ背丈の高い藪が行く手を阻みます。
夏場、草木が益々色濃くなる時期だったらばと想像するとゾッとするっすね^^;
ーーー距離にして10メートルくらい進んだ頃でしょうか?
なんだか真新しい建物を見つけました。
なんでもお兄ちゃんが言うには
『多分、船浮地区の発電機か何かじゃないかなココ^^ 昔はココより先にあるらしい発電所(発電機納屋)から線を引っ張って集落の電気を賄っていたそうだ^^
昔から大きくない集落だっただろうし、小規模の施設で充分事足りたんだろうね^^』
じゃあ~さっき洞窟で見たパイプはここらへんから引っ張ってきた電線?
いやいやいやそれは怖いっしょw
ビリビリしちゃうもんねw
(※ 恐らく厚鋼電線管とかじゃないかな? ビリビリはしません☆)
---さて、その近代の建物を過ぎると少し視界が開けた。
そのすぐ山肌にはーーー
なんだかとっても自然に溶け込んでないコンクリの口がぽっかり開いていたっす。
『ここは?お兄ちゃん』
『ここは・・・えーと、えとえとアレ? おかしいなあ・・・。
情報によるとこの穴の横に立て札が存在していたはずなんだけど見当たらないね^^;
うん、ここはね特攻艇格納庫跡なんだってさ^^』
特攻艇格納庫???
『かつてここ船浮ってのは船浮臨時要塞と言う、
大日本帝国陸軍が南方戦線を見据えて急造した基地だったんだよ^^(かなり要約してます。興味のある方は調べてね☆)
だから・・・特攻艇ってのは恐らく震洋って言うベニア版製小型モーターボートかもな』
ここで夕実っちも恐る恐る話しに加わってきた
『えと・・・えとえとですよ? ベニアで出来た船で何をするです・・・か?先輩』
『簡単に言うとね夕実ちゃん。爆弾抱えて敵の船に突っ込む自爆兵器なんだよ。
ここ船浮では死者がでたのかは調べてないから分からないんだけれど、
この震洋が多くの犠牲を生んだのは事実でもあるんだ。
悲しい歴史だよね』
『ううう・・・やっぱそうですか・・・』と空を仰いで嘆く夕実っち。
日本を死守するためとは言え、ベニアかあ・・・
色々考えてしまいますよね。
『ちなみに夕実ちゃん?』
『はい・・・ですう。何ですか?』
『ボク達の実家のある伊豆稲取にもここと同じような場所があるんだよ?^^』
え!?マジっすか?
『震洋(海軍)と四式肉薄攻撃艇(別称・アマガエル。陸軍)があったんじゃないかって洞穴が存在するんだ^^』
『し、知らなかったですう・・・^^;』
『知らなくても損は無い。でも知っておくのも損は決して無い地元の歴史だとも思うよ^^』
・・・そんなの全然知らなかったっすよ。
子供の頃ふつーに遊んだ海岸線。
もし今度帰郷したのなら、その景色は今までとは違ったものに見えるんだろうなあ~と思った。
---さてさて、
『せっかくだし中も覗いてみようか^^』と言うお兄ちゃんの背中にしがみつつも私達は中へと入ってみました。
鉄パイプとか散乱してるのは戦時の名残りと言うよりも、こういう遺構のお約束的な『物置代わりやゴミ置き』に使われたんでしょうね。
どうやって岩盤掘ったんだろ?
なんて思いながら先へと進むとーーーーー
コウモリ先輩の熱い洗礼!
『ぐわあああああああああ!』
『わきゃあああああああああああ!』
『ひえええええええええええっ!』とビビリまくる私達はドラクエのザッザッザ・・・と言うBGM(SE・効果音)と共に退散したっす^^;
(※ 虫より全く危害は無いコウモリさんなんだけどさあ・・・
どうも鳥と虫の中間みたいな存在に思えて不気味でねえ・・・^^;
また、コウモリさんがバサバサと騒ぎ立てる行動が怖すぎるw だから苦手です^^;)
さあ~更に奥へと向います。
お兄ちゃん曰く『一応ここを含めて“三つ”ほど軍の壕が存在する』らしい・・・
もうすぐ傍に二個目発見^^;
先ほどの特攻艇格納庫よりも幾らか小規模かな?
ここも嫌々お兄ちゃんの後に続くのだ・・・。
『わきゃ? ・・・奥行きも狭いしここは何だったのでしょうか先輩^^;』と夕実っち。
『発電所跡らしいよ^^ 発電所と言っても重油か軽油での小規模発電だったんじゃないかな^^』
とりあえず良かったのはここにはコウモリ先輩が居なかったことっすねw
そして最後の?軍の遺構を見に行ったわけですがーーー
見るからに路盤あり^^
海側には石積み?
そして最後の穴ぽこへ到着。
『お兄ちゃんココは???』
『弾薬庫跡だそうだ。じゃあ~ココも奥まで見てこよう^^』
重要度のせいなんでしょうか?
それとも海から一番遠いから?
ここがいっちゃん小さい遺構でしたっすね^^;
ではさっそくいざ推して参ります!
意外と奥深くてビックリ。
でもコウモリ先輩達の襲来で腰を抜かして退散です(こえーよ!)
ちなみにこの先も薄っすらと路盤が感じ取れたらしいのですが(お兄ちゃん曰く、二手に?)
藪の深さに挫折です。いやむしろありがとうございます藪!
どこにでもあるカニ穴を見つつも私達は引き返すんですが、
お兄ちゃんが立ち止まって向うを指差すのです。
『なあ琴音^^』
『ん?なんすか?』
『軍の壕の前の地形って何か不自然な気がしないか?』
ええ~・・・パッと見、まったくわかんないんだけどお^^;
せいぜい、なんとな~く海のほうに窪んでるような気がするくらいかな???
『よーく見てみてよ。
よく見ると海へ向う路盤らしき道とも感じられるとこだよココは。左右も石積みが草木に隠れているしさあ^^』
ええ!?そうなの?
なんか自然に出来た地形じゃないの?ここ^^;
私と夕実っちにはさっぱり意味不でしたが・・・
ーーーさて、
先ほどの真珠の養殖場横のトンネルまで戻って来ました。
後はトンネル潜って桟橋へと帰るのみです。
時間を見やると朝10時台の船まで40分くらい残していましたっす。
ほとんど船浮集落を見て周ったし、10時台の船で帰ることで皆の意見が一致っす^^
(じゃないと、次は午後1時近くの船まで無い)
でも40分も集落でまったりもツマラナイってことになり、
トンネル横の藪から浜辺に降りてお散歩することになったっす^^
夕実っちも『お散歩くらいなら・・・』と了承。
降りた先は石がゴロゴロする浜辺。
海は綺麗だけれど、砂浜を期待していたのでちょっとガッカリw
ただ、普通の石がゴロゴロじゃ無かったんです!
いたるところに煉瓦片!
私、大歓喜☆
見れば煉瓦単体ではなくモルタルでくっついた煉瓦の塊たちがゴロゴロ。
これは煉瓦塀か煉瓦の建物があったはず。
『ねえねえお兄ちゃん!この煉瓦たちって何かな?戦争遺構かな?ワクワクが止まらないんすけどっ!^^』
『なんだろこの煉瓦。船浮はまだまだ存在したはずなのに見つかってないものも多いらしいんだ。
また資料もそれ程多くないし残ってない。
もしかしたら煉瓦の構築物なんかもあったのかもね^^』
そこに水を差す?夕実っち
『ねえねえ琴音っちい^^ この煉瓦ちゃんが漂着しただけかもよ?』と。
煉瓦が漂着?
うーん・・・その線は非常に薄い気がするんすけど^^;
そもそも煉瓦は水に浮かない。
そして仮に漂着だとしても
この煉瓦以外にゴミも漂着しててもおかしくないのにゴミなどひとつも無いのです。
(ゴミが一個も無い浜辺って考えるとやっぱここは綺麗だよね^^)
『お、おにいちゅあーーん!こ、これって刻印かな?かな?』
『刻印にしちゃおかしいな。凹に掘り込まれてるならともかく、凸に出っ張ってるのはありえないし^^;
煉瓦に見えるけど壷とか瓦の装飾じゃないのかソレ^^;』
ああ~ん・・・ちがうのか~^^;
ちょっと残念。でも、ここに人が居て人が何かを成していた証拠には違いないよね♪
うぎゃあああああああっ!
たまに裏返した煉瓦の下に海生生物のお出ましにビビる私と夕実っち^^;
海育ちっていうか磯でさんざん子供の頃遊んでいたのに、大人になるにつれ苦手になっていく気がするっすねえ・・・^^;
---ここでお兄ちゃんが大きな声をあげる。
『おい琴音!夕実ちゃん!ちょっと来て来て!』と。
何か煉瓦の刻印でも見つけてくれたのかな、うひょひょ♪と嬉しそうに近づいたら違った。
『えっと・・・レール?お兄ちゃん^^』
『うん。しかもこの浜辺に埋もれたレールの先を見てご覧よ^^』と促がされた私達は藪の方を見た。
『わきゃ? レールが藪から突き出てるですう^^』
『だよね^^ しかもこの藪の向うは先ほど見た特攻艇格納庫前の不自然なくぼみだ。
恐らくこのレールの上を滑らせて特攻艇を海まで運んだんじゃないかな^^』
えっと、それって凄い発見じゃないの?^^;
見ればすっかりボロボロ。ちょっと触っただけでも折れそうなくらい経年劣化と潮でやられたっぽい(少し折れましたゴメンなさい^^;)
『1940年に船浮臨時要塞は着工されたから・・・かれこれ70年は経ってるんだよな。
残ってることにも驚きだし自然の力にも驚きだよ^^』とお兄ちゃん。
ほんとそうだよね・・・^^;
さてこの周囲には探すと結構痕跡が残っていましたっす^^
石積みと、
多分、昔の桟橋跡が^^
さあここで一旦おさらいっす。
どうも位置関係がわからにゃいって方の為に絵を描きましたのでどぞ(メタ発言)
結構な時間を過ごしたと思いきや、実はものの十数分。
まだまだ高速艇乗り場まで猶予があるってことでこのまま探検続行ってことになりましたっす。
と言うのもーーー
結構潮が引いて向うまで歩けるようになったからっす(画面の部分は元々なので勘違いしないで下さい)
藪が海まで突き出ていて向うまで歩けなかったところが急に行ける様になったからなんです^^
偶然とは言えナイスタイミングの時に船浮に来たようですな!
開けた砂浜のヘリには鉄のカゴみたいなものが。
『何コレお兄ちゃん?^^』
『たぶん、貝やらの養殖に使われていたかごなんじゃないのかな^^
そうだとしても結構経ってるよなコレ』
チョップすると簡単に折れそうなくらい錆でボロボロ(チョップしてないよ!)
後で養殖場のオジサマに会えたなら聞いてみようっす^^
潮が満ちているとこの先には進めないのを濡れた磯が教えてくれる。
さあ滅多に来れない船浮の向こう側へレッツパーリィーっす☆
この辺りに来ると夕実っちも興奮を隠せないでいた。
『わきゃー☆ドキドキするですね!^^』
海に突き出た突端を抜けるとーーー
(※よくよくこの写真見ると壁が焼けてるなあ)
焦げた鉄塊?が散らばっていました。
『わきゃ?な、なんですかね先輩』
『なんだろなコレ^^; 錆びもあるけど焦げてもいるな。人工物には間違いないと思うけど・・・』
ここでキャンプをしたってのは不自然だしなんだろねコレ。
(ここは海に浸かります)
そして私達をもっと驚かせたのはこの先だったっす。
『せ、先輩先輩!なんかエンジンっぽいのがあるですよっ!』
見れば砂浜には似つかわしくない鉄の大きな塊が横たわってたのです。
『これも戦跡遺構かな?お兄ちゃん!』
『うーん・・・・ムムム・・・わからないよ~^^; でも相当古そうだなこれは!』
『お兄ちゃんお兄ちゃん! “kubota” って読むのかなコレ^^』
『うーん・・・クボタってあのクボタか? こんなロゴだったかなあ・・・^^;
焼玉エンジンぽいけれどどうなんだろ???』
結局エンジンの知識皆無な私たちでは結論なんて出なかった。
よし、これもオジサマに聞いてみようw
そしてそして海側を見てもっとビックリ!
見るからに何かの残骸が海に突き出ていたのであります!
『うは!なにあれお兄ちゃん!船の残骸???』
『わきゃー!もしかしたら潜水艦かもですう~♪』
その向こう側にも鉄の塊みたいなのが。
『少なくとも潜水艦じゃないな^^ さっきのエンジンがこの船っぽい残骸のモノだとしたら・・・
そこまでは大きな船じゃなさそうだね^^』
なんだーちょっとがっかりっすw
てっきり世紀の発見かと思ったのにいw
『さあ、そろそろ戻り始めないと船に間に合わなくなるから退散しよう^^
ボク的には12時50分の船にして、じっくりこの先も歩いてみたいけれど・・・潮が満ちてきたら帰れなくなっちゃうしなw』
それはさすがに嫌っすね^^;
---ということで、
私達は戻る事にしたのです^^
さあ~トンネル出口までまたもや到着。
ここでお兄ちゃんがふと気づく。
『こんだけ潮が引いてれば、船から見えた山肌の小さな洞窟のとこにも行けそうじゃね?^^』と。
そういえばそんなとこがあったね。
『いやもういいよー^^; 時間もあんまりないしさあ~』とお断わりするのだが・・・
『オレだけ行ってくるから先に桟橋まで行っててよ^^』なんて言うもんだから、仕方が無くついていくことにしましたっす^^;
位置的には丁度トンネルと平行した海沿いです。
向うには帰りの船が来ちゃってるよ!お兄ちゃん^^;
船からも見える海側の小さな洞窟の前まで到着。
さすがに中に入るのは危険だからってことで皆で入り口から中を覗くだけにしたっす^^;
中はすぐにカーブを描いて折れている。
お兄ちゃん曰く『トンネルと平行するように小さな横坑があるっぽいな^^』だそう。
かつては防空壕や坑内移動として使用されたらしい。
もうちょっとだけ奥を見てみると向うに薄明かりが見えた。
と言う事はトンネル出口方面(特攻艇がある方)にも出口がありそうだけどそんなのあったかなあ?
ここでふと夕実ちゃんがツンツンと私のお尻を突いて来る。
『どうしたの夕実っち^^;』
『あ、あ、あ、アソコ・・・』と震えながら洞窟の向うを指す夕実っちに今一度私とお兄ちゃんは振り返った。
するとそこには・・・
ぎゃああああああああああああああああああああああああ!
コウモリ先輩がいっぱいいりゅうううううううううううううううう^^;
害は無いけどやっぱりコウモリ先輩は苦手です^^;
しかもあんな狭いとこで飛び回られたらパニックで倒れちゃうよw
ちなみに~
反対側にも抜け穴がありましたが、登らないといけないしトゲトゲしてたしコウモリ先輩がうじゃってるのでやめときましたw
トンネルを潜って無事に養殖場まで帰ってくると、先ほどのオジサマとお兄様が作業されていたので聞いてみることにしたYO☆
『中々見ごたえのあるところでした^^ 潮が引いていたので散歩がてら歩いてたら船の残骸みたいなのがあったんですが、あれは何なのか分かりますか?』
『ええ!? あんなとこまで行ってきたのかい^^;結構歩かれたんだねあんたたちw
あれはかなり古い漁船だよ^^
昔、台風を避けてやってきた台湾漁船の残骸なんだよお姉さん^^』
やっぱり漁船か。しかも台湾の^^;
『あとですね、向うに煉瓦・・・』
『琴音!もう船が出ちゃうぞ!』と言うお兄ちゃんの声に遮られる。
どうやらほんとにほんとに時間が無いみたい^^;
私達は『お世話になりました^^ありがとうございます!』と言ってから桟橋へと駆け出した。
帰りは私達3人の貸切状態。
せっかくですし、デッキ席から船浮を見送ることにしたっす。
綺麗な港にのんびりとした時間の流れる集落『船浮』
戦争の痕跡があるだなんてとても思えない素敵な場所だった。
『今度は泊りがけでここに来たいな^^ 夏場にシュノーケル持って訪れれば、もっと海岸線探索できるかもしれないしな^^』
『あ、いいね~それ^^』
『わきゃ?でも宿泊するとこあるですか?船浮は^^?』
『あるよ~^^ その頃にはボクも社会人だけれど休みとれっかなw』
『『絶対取ってください☆』』
私達はいつかの再訪を誓って陸の孤島・船浮を後にした。
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
相変わらずなげーな記事がw
だってだってしょーがないじゃん。更新頻度が低いオイラが西表島編をぶつ切りで記事書いてたら全部で20記事くらいになっちゃうよw
3~5日分をまとめて記事にしてるって思えばいいってことっすね(おもわねーよw)
さていかがだったでしょうか陸の孤島『船浮』
そこに残る『過去』が嘘だったかのように綺麗な自然に囲まれた場所ですよ^^
みんなに行ってもらいたい気もするが、そっとしておくのもいいのかなあ~とも思ってしまいますね。
結局、文中にあるように琴音ちゃんは煉瓦の欠片は何だったのか聞けなかったわけ?
時間が無くってねえ・・・それだけが本当に悔やまれるよ^^;
もしかしたらオジサマは知っていたかもしれないしな^^;
さて、次回は二分割にするかまとめて書くか悩むんだが、石垣島での物語です^^
ボクはそこで最高のオジイチャンに出会うことになる。
ではではまた今度お会いいたしましょうず^^
ばいちゃー!
第767話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol⑤『南の島の最強カップル』かまどまの碑&イダの浜ほか [廃村さーくる(島旅)]
『もしかして・・・その船浮ってとこにも煉瓦さんがいるとかですか?』
ここまで散々菅原兄妹に煉瓦で振り回されてきたものだから、思わず聞いてみたのです(少し呆れ気味に^^;)
すると琴音っちは言う。
『ん~煉瓦ちゃんなんているのかな?可能性はある・・・かもっすけどね^^
でも今回はお兄ちゃんの趣味成分強めだから』と。
そこにターミナル横の待合所のトイレを借りてきた先輩が登場。
『ん?何々?今日の目的って何ってやつかな2人とも^^
今回の目的はズバリ戦跡遺構巡りってとこだよ^^ 安心した?』
何が安心なのかさっぱり意味不なんですけど!
・・・戦跡遺構巡りですか~。
さてさてどうなることやらですう・・・^^;
第767話、私こと大瀬崎夕実視点で不安げに物語りは進みますです・・・^^;
さて早速時間も無いとのことで、駆け足で船に乗り込むことになったです。
一日5往復しか運行されてないのですか!
コレは確かに一本逃したら厳しいですね(朝早く宿を出た訳だと納得ですう^^;)
『チケット売り場に行かないですか???』と呼び止める私に先輩は
『そんな窓口無いよ^^ 船内で直接購入なんだ^^』だって。
ああそう言えば・・・広島の金輪島の時もそうでしたです。
小さい島とか小さい航路には窓口なんて立派なものは無いことが多いって言ってましたっけですう~^^;
私達と地元の子供達?数人くらいしか乗船客は居なかったのですが、
船内は思っていたよりもずっと立派でした。
先輩がまとめてチケットを買ってくれたのでそれをマジマジと見る。
往復で960円!?
採算とれるのですかね^^;
だって私達以外は観光客はいませんよ?(シーズンオフとはいえ)
ましてや陸路では行けないってさっき先輩は言ってましたよね?
その分割高でも許されるような気がしますが、地元の方の生活の足と言うことなんでしょうね。
決してお金持ちではない私ですが、なんだか申しわけない気分にさせられるですゥ^^;
---さあ定刻8時35分きっかり
ニュー船浮号は白浜港を離れましたです^^
いったいどんなとこなんでしょう?少しワクワクです☆
船窓から覗き込む景色はとても素敵☆
あれ?あの島なんでしょうか???
と言いますか、その島の手前に砂浜だけの島が見えて妙にワクワク♪
『ねえねえ先輩! あの砂浜の島みたいなのは何ですか!?』と聞いてみた。
『あの砂浜だけの島っぽく見えるのは潮が引けばあの島と繋がっちゃうよ^^
向うに見える大きな島は内離島(うちばなりじま)って言うんだ^^
内離島の向うには外離島もあったりする。
実はここもかつては炭鉱のある島だったんだけど、今は一応無人島なんだよ夕実ちゃん^^
炭鉱遺跡がゴロゴロしてるんだけれど・・・
今回は時間の都合で泣く泣く断念だね^^;』
・・・なんかほんとに残念そうに話す先輩。
炭鉱遺跡には興味は無い私だけれども、あんな綺麗な島とかちょっと行ってみたい気もしますですね^^
無人島ってのにも惹かれちゃうかなあ~。
所要時間約10分で船浮港に到着ですう^^
なんか10分以上乗ってた気がしたけれど、それは西表島の自然の景観が見せるマジックなんでしょうね^^
『え?もっとすげー乗ってた気がするけどマジっすか? 時間感覚狂うくらい見とれてたんかなあ・・・^^;』と、琴音っちですら言うくらい時間を忘れる船旅でしたです^^
桟橋から船浮の集落へとやってきた私達をこの島の案内看板が出迎えてくれました^^
さてここで先輩からの今後のスケジュールについてのお話がありましたですう。
『地図を見てもらうと分かると思うけれど、この集落探索はそこまで時間を要しない・・・予定^^
帰りの船は10:35と12:50どちらにしようかはその時の流れで決めよう^^
ここでゆっくりランチしてから12時の船で帰るのもOK!
10時代の早めの船に乗って西表の他の場所を巡るのも有り!
ま、そんなとこだ^^』
結構アバウトな感じなんですね。
最速の船だと約2時間。
12時のヤツだと約4時間滞在できるみたい。
どちらにするかは状況次第。
さてどうなるのでしょう?
どちらにしてもゆっくり周れるくらいの小さな集落とのこと。
『戦争遺構の前に、まずは集落や浜辺にでも行ってみようか^^』と言う先輩に、私と琴音っちはコクリと頷いてついていくことになったのです。
やってきたのは『かまとまの碑?』と言う石碑がポツンとあるところ。
『えっと・・・このかまとまって何ですか先輩^^;』と聞いてみる。
すると
『いやいや夕実ちゃん、よーく見て見てよ^^ かまとまじゃなくって
かまどまの碑だよ?』
え?かまどま? 私はよーく見かえして見たら、確かに“と”のところに“濁点”がついていたです(うっすら過ぎですよ!^^;)
『う~ん、ボクもそこまで調べてないけれど、100年を越える昔、この船浮には八重山地方一番の絶世の美女が居たらしい^^』
『美女!?ですかあ^^』
『なんでもここ船浮の対岸(祖内地区。つまりは白浜港とかね)から役人として、これまたイケメン男子がやってきたんだって^^』
『なぬ?イケメン???』
なぜか琴音っちが反応する^^;
『世話係としてイケメン男子に仕えた美女はやがて恋に落ちる。
南国一の最強カップル誕生ですよ☆
だがしか~し!イケメンは任期半ばで別のお仕事に赴任することになるのだ^^;
イケメンの赴任先は元居た祖内地区。
南国最高カップルもこれまでということだね・・・。
陸続きならば会いに行けるだろう。
でもここ船浮は陸の孤島!
今の時代と違っておいそれと会いに行けるわけじゃないんだよね^^;
そんな折、もう会えないのは無理!限界っす!会いに行くっす!とイケメンは船を出す。
実は美女の方は毎日毎日いじらしくも船浮の浜で、来ることも無いだろうイケメンを待ち続けていたんだ。
ここまで話せば後は分かるよね?
かまどまの碑ってのは昔の純愛ラブストーリーの碑ってことなんだよ^^
ヒロインのその名が『カマドマ』
それから来ている碑なんだよ~ここって^^』
先輩からこの石碑の何となくを聞いてちょっと感動ですう☆
正直、お話の途中までは『村人の恋愛話が何故に石碑に?』と、少し穿ってしまいましたですが・・・
南国ラブストーリーの碑も有り!ですよね^^
『慰霊碑や災害教訓モニュメントな碑よりも私はこういう明るいのもいいっすね。ちょっと純愛とか恥ずかしいけど何かいいじゃん^^』と、
となりの琴音っちが呟いた。
船浮の伝承と歴史と純愛が詰まったこの石碑。
思わずスルーしてしまいそうな片隅に存在するものだけれども、
知ってみると興味深いものなんだなあ~と思いましたです^^
さてとこの後も『モニュメント的』な物が続きますですう^^
『イリオモテヤマネコ発見捕獲の地』
何でも先輩の話だと、1974年、3月のある真夜中にここで鶏さんを襲ってたイリオモテヤマネコを池田さんって方が捕獲したそうですう^^
『お兄ちゃんアレだよね?確かイリオモテヤマネコって地元の人は存在を知ってたけれど、中々生け捕り出来なかったんだよね^^』
『ああそうみたいだな。研究家も結構苦労したって聞いてるね^^ 死体や骨には何度も会えるんだけどね^^;
個体数も少ないそうだし、だからこそ偶然にも野生に出会えたら
それはとてもラッキーなんだよ^^』
・・・そんなこと言われたら益々会いたくなっちゃうじゃないですかあ!^^;
今まで出会ったのはトカゲにカンムリワシにハト・・・
帰りまでには会いたいですう^^
(※ カンムリワシに出会えただけでももうけものだよ?)
ちなみにこのイリオモテヤマネコ発見捕獲の地の目の前の建物は池田さんが経営する『西表館』だったりですう^^
もし船浮に立ち寄ることがありましたらいかがでしょうか。
ここ船浮の歴史が詰まった場所ですよ^^
(※ 入れば良かった・・・。失敗したなオイラ^^;)
その後は近所の神社?をぶらりですう^^
(※御嶽と書いて“うたき”。琉球信仰の聖地ですよね^^)
さて、ここからが問題でした。
海沿い伝いにぐるっと船浮のある岬を周れないかな?と先輩が画策したのです。
ですがご覧のように行き止まり。
私は内心ホッとします。
だって・・・道なき道とか行きたくないですもの^^;
すると琴音っちが『ねえねえお兄ちゃん!なんか上の方に続く道があるよ!^^』と指を差したのですうーーー
・・・ありゃりゃ。確かに道があるっぽい・・・ですね^^;
『ならばいざいかん!集え!我の元に~^^』と、先輩がその先へと歩き出した。
『アラホラサッサ~♪であります^^』と、ノリ良くついてっちゃう琴音っちもそこに居た^^;
まったくもう^^;
普段はしょっちゅう兄妹喧嘩してたりするのに根本的にはめっちゃ仲が良い2人。
と言うか琴音っちは『隠れシスコン』だと言うのも私は知っている^^;
お兄ちゃんラブなのである。
コイツを倒さないと先輩はゲット出来ないだなんて極悪なクソゲーですね^^:
(今日はとっても毒を吐く夕実ちゃんでした☆)
さて・・・電柱も見かけるので幾らかまともな道と思えるのですが、
結構な急勾配^^;
確か麓の案内板には『せいぜい標高80メートルくらい』って書いてあったような気がしたのですが・・・
それでも私は『この先、上りきったらきっと素敵な眺めがあるんじゃないかな!』って思い込んで先輩たちについて行きましたですよ。
はい。
でも!
何か地元の人なのか業者さんなのか工事中だったので引き返すことになりました♪
やっと帰って来たと思いきや今度は
『無理すれば海岸線を歩けるんじゃね?マジで』と琴音っちが藪漕ぎを決行しようとする始末^^;
いやいやいや。
もう藪と言うより木ですよ木!
流石に無謀ってことになり(当たり前です)
普通の道を歩いて集落の裏側に当たるルートへと探索に出かけることになりましたです^^;
途中、『東郷平八郎上陸の地』と言う案内板を見つけるです。
東郷さんってなんか聞いたことがあるような無いような・・・
先輩に『先輩先輩!東郷さんって何か聞いたことあるですが・・・』と聞くと、
『お、気づいたみたいだね夕実ちゃん^^ ここ船浮が普通の集落ではないってことに^^』
え?普通の集落じゃ・・・無い?
と言うより東郷さんってなんなの?って聞くつもりだったのに何かはぐらかされた気がするです。
さてと、集落をぐるりと巡った私達。
今度は集落を抜けた岬の向こう側へと行ってみることになりましたです。
『賽銭箱みたいな井戸があるっす^^』と、琴音っちが見つけた井戸?を皆で覗き込んだりしながらも先へ先へ(シダとか苔しか見えないですう^^;)
集落を少し歩いただけで、もう何だか裏山的な場所へ。
それ程小さな小さな集落なんですね。
私達は地図にあった唯一の岬の裏側へと続く道へと突入です^^
その途中、小さな水場に遭遇。
上の川と書いて『上の川(ウイヌカー)』
立看板に書いてあるのを琴音っちが読み上げた。
『んん~なんかここは船浮集落の人たちがかつて使用していた湧水みたいっすね^^
ここの水は疲れも取れる!ってことで、明治期には近所の島の内離島の炭鉱からもわざわざ水を飲みにやってきたらしいっす^^』
私達が今回宿泊したさわやか荘近辺でも同じような水源がありました。
離島での水源の確保と言うのは大変なんでしょうね。
だから『命の~』とか名前が付いたりするのが多いのかも^^
『道の向こうに青空が見えてきたっすよ!』と指を向うに差す琴音っち。
否が応でもその先にあるだろう絶対素敵な景色を掻き立てられる!
『この向うはどんなとこなんだろうね^^』
『くは!絶対綺麗な浜辺とかっすよ!』とはしゃぐ菅原兄妹。
かくいう私だって、このプチ峠の向こう側に胸わくわくドキドキアドベンチャー!
とても緩やかな峠まで駆け足してしまった私達の目の前に広がった景色はーーー
騙された!ってくらいの道の続きでした^^;
(あのプチ峠は絶対に絶景を勘違いさせるくらいマジックでしたよ・・・^^;)
とは言ってもここからは明らかに南国ムードバリバリの小道になったのですう♪
まるでこの先絶対素敵なところが確約されたような南国の小径を闊歩する私達。
いつのまにか砂地を踏んでいたことに気づいた私達。
これまた木々のトンネルからいつのまにか南国の低木低草を掻き分けていたのですう。
そこから飛びぬけた私達が見た青空の下は
思わず誰も言葉が出ませんでした。
言葉に一時詰まってしまうパノラマだったのです☆
『ぶっちゃけなんじゃこりゃああああああああああああああああって発狂したいくらいっすよ^^;』と、
私を見ずにただひたすらに周りを見回してとろける琴音っちがそこにいた。
『西表島でも屈指って聞いてたんだが・・・ここまでとは・・・^^;』と、
キレイすぎて困惑の菅原先輩がそこにいた。
え?私ですか?
正直下腹部にキュン!って熱くなるくらい
その綺麗さに震えてましたです(わなわな・・・)
(※ サブカメラだったのが誤算です。良いカメラだったならば・・・もうちょっとここの凄さをお伝え出来たんじゃないかなあ。
ここなら・・・ここに連れて来たならどんな異性も口説けそうな、そんなとこですぜw)
『わきゃ・・・わきゃあ・・・。こ、この砂浜ってなんてとこなんでしょうか^^;』
『ここはイダの浜って言うんだよ夕実ちゃん^^
日本には綺麗な浜辺はいくつもあるけれど、
西表最西端。船でしか辿り着けない屈指のプライベート的ビーチだと思うよ^^』
・・・もう西表島での宇多良炭鉱跡の藪漕ぎなんてどうでもよかったと思いました。
観光地と呼べるような場所に全然連れて行ってもらえなかった先輩を怨んだこともチャラだと思いました。
ここはホントにどんな今までの苦行も全て無しにしてくれるようなロケーションでしたですッ!w
裸で走ってもいいくらいですよ?
先輩には見せませんけどね^^
えへへ☆
さて、私達の後から白人さんカップルさんがこのイダの浜にやってきて服を脱ぎ脱ぎしはじめて皆でドキドキ^^;
『じゃ、邪魔しちゃ、わ・・・悪いよねw』
『うわあ・・・まじか。あんな大胆にさせるイダの浜すげえ・・・っす^^;』
正直彼らは水着だったのですが、
とっても中睦まじく雰囲気壊したらいけないってことで私達は退散することにしたのですう。
(何か始まってしまいそうな感じにドキドキしましたですう^^;)
そそくさと南国藪モードへ戻ろうとしたところ、琴音っちが
タッタッター・・・と浜辺へ駆け戻る。
なにしてんのかな?と先輩と私が駆け寄るとーーー
綺麗な浜辺に申しわけない落書きを施してましたです^^;
『おまえ何してんだよw』と先輩。
『え? だってせっかくこんな中々来れないとこに来たんすよ?
ココに来た証明っす。証明w』
イダの浜さんゴメンなさい!
でも彼女がこんな綺麗なとこに来たんだ!って何かを残したかったハートも分かってくださいね^^;
そのくらい素敵なとこでしたですう☆
---さて、
イダの浜からは右も左も行き先は無く
再び船浮集落へと戻って参りましたです。
でも先輩はニマニマと顔を綻ばせるのです。
まるでここからが本番みたいな感じで^^;
---桟橋まで先輩に連れ戻された私達。
ふとここで先輩が港奥に建つ旅館?民宿?の裏手にぽっかり見える
洞窟?を指差した。
『アソコを抜けた先に用があるんだよね~^^』っと。
でもなんだかすごく宿泊施設の庭先っぽいんですが・・・
その上、その軒先では牡蠣?それとも別の貝かな?
せっせとその施設の方らしき人がお仕事の真っ最中だったのですう。
『アソコに行くには許可がいるのかなあ・・・^^;』
『わきゃ・・・なんか私有地っぽくないですか?先輩・・・^^;』と、
ココまで来て尻込みする先輩と私。
すると、
『私にまかせんしゃい!』と、琴音っちが私より大きい胸をドン!と叩いて走り出し・・・
1~2分後に帰って来た。
その彼女の手にはなぜか缶コーヒー???
どうやら近くの自販機で買ってきたみたい。
はて?
缶コーヒーなんてどうすんの?って思ってたら、
スタスタとお仕事中のオジサマとイケメンお兄さんに声を掛けに行ったとですう^^;
『すいませ~ん^^ あのお~、あそこに見える洞窟っぽいとこって~、
見に行っても大丈夫~ですか?
あ、これ是非ともどうぞ~☆
え?あ、そうなんですか~☆
アリガトウございます!』と、
手に持った缶コーヒーを手渡して、この施設の方らしき人たちと交渉。
彼女は私達に振り向くと、頭の上で大きく手を丸く描いてOKサインをだしたのです。
なんともはや・・・
琴音っちのおかげで無事に?先輩の念願の道へと進むことが叶ったのです^^;
恐るべし琴音っちの物怖じしない作戦^^;
『さあ、ここからはあんまり管理されていない洞窟だから気をつけていこうね^^』と先輩。
何そのアバウトな注意喚起w
私達は船浮集落の片隅にぽっかりと口をあけるトンネルへと入って行くことになるのですうーーーーーー
ここまで読んでくださりアリガトウございました^^
さて今回登場した陸の孤島『船浮』
ツアーとかチャーター船とか特別なことしない限りフツーの人が行ける西表最西端の集落でございます^^
(更に西の網取と言う集落跡ならばどうにかすれば行けますが、日程的に不可)
今回特に驚いたのはやっぱりイダの浜だったよお・・・
日本国内にここより綺麗な浜辺もあるのは分かるよ?
でもここスゲーぞ!^^
西表島に行く予定のある方は、ひとつ陸の孤島のプライベートビーチを目的地に選んでみるのはいかがでしょうか。
きっと忘れない思い出になると思いますよ☆
記事の最後の方に琴音っちが缶コーヒー持って地元の方に話しかけて道が開けたってエピソードは実際のオイラのお話。
(別にオイラは常にお土産持って地元の人に話しかけるって訳じゃないぞ? でもまあ・・・人見知りなオイラが地元の人と話すキッカケのアイテムでもあるとちょっと暴露、みたいなw)
と、言いますか、特に断わりを得なくても洞窟には行けたらしいです^^
でも、この何気ない行動はこの後に多大な影響をもたらすのであります^^
結果的に色々とお話を伺う糧となるのでありますーーー
次回は船浮という小さな小さな集落が決してただの集落ではなかったんだよ?ってお話です^^
煉瓦や廃船、戦争遺構にもうとんでもなくごちゃ混ぜだけど今回の旅のメイン記事みたいな感じですw
ではではまた次回お会いいたしましょうず^^
第766話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol④『ホタルの光の頑張り物語』ヤエヤマホタル&カンムリワシ、白浜港へ! [廃村さーくる(島旅)]
『ここで西表島のスペック紹介ですう~^^』
八重山諸島でも屈指の人気島ですので今さらですが紹介させてくださいです^^
周囲たったの130キロ。
面積にいたってはたった289K㎡。
・・・
・・・
・・・嘘ですう!ゴメンなさいですう!!!
正直日本の島の中でも屈指の大きな大きな島だったりしますですw
八重山諸島の中心島『石垣島』よりも実は大きい島なのです。
しかも沖縄県の中では沖縄本島に次いで二番目にビッグ!
ちなみに日本の離島ランキングでも面積だけなら12位と言う
とても大きな島なのですう^^
今回、先輩と琴音っちのプランで西表島巡りをしているのですが、
『的を絞らないと、とてもじゃないけど西表島攻略は無理ゲー』って琴音っちが言ってたw
私達が二日間で巡ったのは『西表島のほんの北西~西端』だったりなのです。
ただ、その西表島の『ほんの一部』には、西表島の魅力が凝縮されているとも先輩が言ってたですよ~^^
さて、
私達は一日目の冒険を終えて、さわやか荘で夕食を取りました。
そこで『西表島のこの時期ならではの魅力』に誘われたのですう^^
第766話、私こと大瀬崎夕実視点で物語りはハジマリマス。
『西表島ではこの時期にホタルが見られるんですよ~^^』と言うさわやか荘の本当にさわやかなお兄さんに誘われて、
私達はホタル観賞に行くことになりましたです^^
私達以外の宿泊者さんも数人、車に乗り込みいざレッツホタルさんですう~☆
宿屋から20分程度だったでしょうか?
目的地前に車は到着です^^
さわやか荘のお兄さんが言うには、ここは『旧道』だそうですう。
今ではトンネルが開通したので、この旧道は閉鎖されているらしいのです。
この旧道の途中に『ホタルが見れるベストスポット』があるとおっしゃってましたです^^
さてここでお兄さんからの注意事項が。
『旧道途中まではカメラ撮影OKなんですが、ホタルが飛び交う場所まで来たら・・・ゴメンなさい!NGってことで許してください^^;
カメラのフラッシュや赤外線はホタルたちに迷惑かけちゃうっすからスミマセン^^;』とのこと。
・・・そりゃそうですよね。
私達はホタルさん達の飛び交う姿をこっそり覗かせていただく立場ですう。
と、言う事で、
ここからは画像無しです^^
(※ なるべく文章で頑張りますが、伝えきれるか自信は無いw)
『うがー!まじかー・・・』ってカメラを首に引っさげてやる気マンマンの琴音っちは渋々とリュックにカメラをしまい込んでましたw
『では行きましょう^^』と先を行くお兄さん。
ですが道の前に『ゲート』が立ち塞がるのです!
旧道の入り口には『施錠されたゲート』が行く手を阻んでいのですう。
お兄さんはポッケから取り出した南京錠の鍵をガチャガチャと入れまわして開錠。
『さあどうぞこちらから^^』と、私達を旧道の向こうへと迎え入れたのですう。
なんでも西表島の宿泊施設など地元の関係者さんじゃないとここは通れないとのことですう^^;
思わぬ出来事に私達は高揚してしまいました。
『ぐはー!予定外だったっすけどめっちゃラッキーっすね^^』と琴音っち。
『たまたま西表島のこの地域に宿を構えたんだけど、こんな嬉しいサプライズは無いよなあ~^^』と先輩。
私はと言うとーーー
嬉しいに決まってるじゃないですかw
訳も分からず菅原兄妹たちに西表島の煉瓦に連れられて・・・
観光名所と呼ばれる所にはほとんど連れて行ってもらえず・・・
やっと手にした素敵なイベントですよ!
しかも結構な期間限定レアイベントですう~♪
ウキウキしないわけないじゃないw
---ゲートから歩く事数分でしょうか。
『今、ハブがいましたね^^』と、か細いライトを草むらに向けるお兄さん。
ぎょえ!っとビビる私と琴音っちと同伴するカップルさんのお姉さん^^;
ーーーその後直ぐでしょうか。
『バサバサバサ・・・』と黒い物体が風を切る。
うわあああ!とビックリする同じく私と琴音っちと同伴するカップルさんのお姉さま^^;
正直怖がりには厳しい道ですよ!^^;
リアルお化け屋敷ですう^^;
ーーーふとここで気づく。
夜7時でも明るいなあ~と思っていたはずなのに、いつの間にやら真っ暗闇と化していたです。
『ここからは懐中電灯消させていただきますので注意深く私についてきてくださいね^^』とお兄さん。
そうは言うけどまったく周りが見えないよ!^^;
もう気配をなんとなくしか感じ無いよ!w
まあ・・・そのくらいの真っ暗闇だったのですう。
『もうこの先です^^』とお兄さんの声がする。
多分、ずっと上ってきた旧道を初めて折れ曲がったところだったと思います。
そこは多少闇に目が慣れてきたと思っていた私でもハッキリと分かる森の中でした。
そこには自分達以外の人の気配が数人。
勿論顔も分からないくらい真っ暗。
と言うか自分がどこに居るのかも分からないくらい。
『本当なら歩いてくる道中でも光るホタルを御見せ出来るはずなんですけど・・・今年はまだなのかな?^^;』と少しばかり嘆いていた、さわやか荘のお兄さんが、
暗闇で見えないけれど『ほら!見てください♪』と指を差した。
うわあ・・・・・・・
うわあ・・・・・・・
こんな・・・の・・・はじめて・・・見たですう。
『ヤバいっす!マジヤバいっす!』と、ヤバイっすって言葉しか見つからずにはしゃぐと言うかもう吼えてる琴音っちが横にいた。
『何だココ!? もう、笑うしかないくらいの綺麗なとこだな^^』と、笑う先輩がどこかにいた(ううう・・・私の傍には居ないみたい^^;)
びっくり。
うん、ほんとにびっくり。
緩やかに飛び交うホタルの輝石たち。
そしてそのオーケストラ!
暗闇の中の光の大合唱です☆
もうへんてこりんな表現しか思いつきませんw
これは見た人にしか分からない、本当にほんとにほんとにほんとにほんとに!自然が作り出すイルミネーションでしたです^^
ここでどこにいるのか分からないけれど(暗すぎて^^; でも声は割りと近かった)
さわやか荘のお兄さんが暗闇の中解説をしてくださいました。
『今飛び交ってるのはヤエヤマホタルなんです^^ 日本で一番小さいホタルなんですよ^^
ここ西表島や石垣にしか住んでないんです^^
でも見てくださいよ^^
小さいなんて関係ないくらい幻想的でしょ?^^』
大きさなんて関係ない。
ほんとうにそう思う光景。
ーーー続けてお兄さんが話す。
『ヤエヤマホタルは最初は力強く発光するんですが30分もすると体力を失うのか弱弱しい光になるのです。
そして光を失う。
成虫になってからは他のホタル同様にご飯食べません!
むしろ食べれない構造らしいです^^;
成虫の限られたわずかの時間に光を放って次の世代への営みを得るんですよね^^
大事な光ですよね。見てやってください』
寿命の短いホタルの最後のがんばり物語です。
ただ単に綺麗だからとかじゃなく、
お兄さんに教わったそのホタルさんの輝きの深さに、私達はより一層、その光が枯れるまで見届けるのでしたーーー
ーーー『さあ戻りましょうか^^』
お兄さんが告げた言葉にハッとする私たちだった。
琴音っちが慌てて見やる腕時計のバックライトに浮かび上がる数字は、
もう夜8時をとうに過ぎていたのですう。
---その帰りの道中。
先輩が『なんか地面がいっぱい光ってんぞ!?』と声をあげる。
見れば地を這う光のイルミが広がっていたんです!
『ここからは撮影もOKですよ^^』と言うお兄さんに琴音っちがさっそくカメラのフラッシュを焚いた。
光の元はなんと!『グロイ感じの芋虫!?』
『これはイリオモテ(サキシマ)マドボタルと言うんです^^ きもいーとか言わないでくださいね^^
幼虫や蛹の時によく光を放つホタルなんですよ^^
地を這うマドボタルの輝き。これもココに来たならば見ないともったいないです^^』
注意して無いとふんずけてしまいそう^^;
出来れば光だけ眺めたいんですがw(見た目的意味で☆)
---宿屋さんの車に近づいた頃、
『わあ~!見てくださいあの星空!すごくないですか!?』と声をあげたのですう。
みんな一斉に見上げた夜空は素敵でした☆
夜空の黒色が星たちの輝きに負けそうなくらい!
まるで星の絨毯です♪
こんなに星ってあったんだなあ~と思っちゃいますよね^^
さて、琴音っちは、なんとかカメラに夜空を収めようとしていましたが・・・
撮影した画像を覗かせてもらったらこんなだった↓
これはヒドイw
伝えられないのが残念ですが、本当に凄かったんですよ^^
(※ 確か・・・波照間の時も同じこと書いた気がする・・・^^;)
さて帰りはお兄さんのご好意で近所のスーパーで夜の買出しをさせていただきましたです^^
なんせまだまだ飲み足りない連中ばかりですからねw
そしてその帰りの道中、お兄さんがもう一箇所だけ寄り道をしてくれたのですう。
そこはーーー
『西表島・子午線モニュメント』ですう^^
ココは地図で言う東経123度45分56789の場所なんだそうです。
そのゴロが良いってことで記念館が建っちゃったそうですw
毎夜7時~10時には夜空に向けてレーザー光線が解き放たれるのですう☆
直に見ちゃダメですよ!
夜空を貫く真っ直ぐな光に一同『ほお~^^』と感動。
ホタルに始まり、夜空の星たちが迎え、そしてレーザー光線が彩る西表島の夜でした^^
楽しい楽しいひと時でしたです(すべて無料です☆)
さあ~夜はまだまだこれからと言わんばかりに私達は部屋呑みで夜更かし(今日、ほとんど寝てないのにね!w)
・・・気づいたら朝でした・・・^^;
私はあんまりコーヒー飲まないのですが、先輩が『はいコレ。気付けのモーニングコーシーだよ^^』ってくれたので、
ごぶごぶ飲みました^^;
とは言えベランダで西表島の景色を見ながらのコーヒーは美味しかったですよ^^
『うう・・・頭イタイ・・・』って言ってる琴音っちが横に居たのはナイショです。
---さてと。
第二日目のハジマリですう。
なんでも宿屋さんを早めに出ないと間に合わないと先輩が言うもんだから、
日が昇る前に急いで朝食を取って、さわやか荘さんに別れを告げたのです。
こんなに急いでいったい今日はどこに行くの?
(※ さわやか荘の皆さん。スタッフさん、お世話になりました^^
また西表島に来るのなら絶対にここだ!と思わせる素敵なお宿でしたよ^^)
先輩を先頭にレンタルスクーター軍団が走り出す。
まだ3月だと言うのに日中は暑かったけれども、朝はとても過ごしやすい。
また、スクーターで走り受ける風がとても気持ちよくって最高でしたです^^
法定速度でかっ飛ばし(この頃になるとスクーターに不慣れな私でもダイブ走り慣れましたです)
一路、西へ西へと突き進みますです。
どうやら昨晩訪れたホタルの場所のもっと向こう側へと用事があるみたいですね^^
---そんな折、
先行く先輩が親指を下に向けて減速し始める。
私達もそれに習って道路に立ち止まったのです。
『えっと、何があったですか?^^』と聞くと、先輩は唇に人差し指を当てて『シー!』と御口にチャックの合図。
そして上を見てご覧?って感じで電線を指差したのです。
そこにはーーー
鷲?が止まっていましたです☆
小声で先輩に聞いてみた『あの鷲って何て言うですか???』と。
すると『多分、カンムリワシじゃないかなあ~と思う^^』だって。
『マジかっけーっす!』とはしゃぐ琴音っちのせいで逃げちゃったけれど、なんか動物さんに出会えたのが嬉しかったです^^
(※ 日本では石垣島と西表島にしか居ない鷲なんだそうです)
再び走り出した私達。
でもまた先輩の合図で減速することになった。
それはーーー
カンムリワシさんの幼鳥?に出会えたからなんです☆
なんだろう?幼鳥さんのほうがかっこよくないですか?
この子は全然逃げないで堂々としていましたです。
だから琴音っちは写真撮りまくってましたけどね^^;
さて、流石に寄り道しすぎたようだったらしく、
先輩が『急ぐぞ!』と飛ばし始めました(法定速度☆)
なんでも結構時間的にギリギリになったみたいw
(子午線モニュメントはこんな感じ^^)
(亀みたいな島が見えたり)
(ホタルさんを見たのはこの先)
そして西表島で始めてのトンネルを通過したところが今回の目的地だったようです。
『西表島・白浜港』
ターミナルと言うにはとても小さい波止場。
でも綺麗な東屋と桟橋と駐車スペースがありましたです^^
私達はここにバイクを止めることに。
ここで私は先輩と琴音っちに早速問いただす。
『この白浜港に何の用があるですか?』と。
すると琴音っちが先に答えてくれた。
『うん。実はここから出てる船に乗って西表島・最西端の集落に行くつもりなんすよ^^』
え?最西端???
船で行くの?
船しか無いの???
ハテナマークばっかり浮かぶ私を見てか、先輩が彼女の後を引き継いで説明してくれたのですう。
『今回、西表島二日目のメインは船浮と言う船でしか行くことの出来ない陸の孤島への旅なんだよ夕実ちゃん^^』
えええ!? 陸続きなのにそこまで道が無い集落なんてあるんですか!?
そしてそこに何を見に行くのですか!?
もうワケワカメですよ^^;
・・・私達の冒険はここから始まるのでしたーーー
次回に続くです^^;
ちなみに西表島の周遊道路的な県道215号線の西端は、お墓で行き止まりです☆
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
上野の桜が満開になるにつれ血反吐を吐くような忙しさのちょいのりですw
さて今回は前回書ききれなかった記事の続きでした。
ぶっちゃけ分割して正解だったなw(とんでもない長さの記事になってたよなw)
ホタルと星空は本当にタイミングに恵まれたって感じですよ^^
ホタルが3月に飛ぶなんて知らなかったし(ちなみに西表島は一年中何かしらの種のホタルが飛んでいるらしい。でも旬は3月)
旅行二日間とも天気に恵まれた☆
さあ~次回はいよいよ二日目のメインです。
船浮ってどんなとこ?ってのが解き明かされると思います。
ちなみに『滅多にお目にかかれない発見』なんかもありましたよ(ネットでもあんまし載ってないんじゃないかな?)
ではではまた次回会いましょうず^^
もしかしたらば次回記事はひとつ別の話題が入るかもですけどね☆
第765話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol③『オッサンぽいぽーい☆素敵な海での過ごし方?』宇多良炭鉱積出桟橋跡&月ヶ浜ほか [廃村さーくる(島旅)]
『この後はどうするですか?』と、宇多良(ウタラ)炭鉱最寄の駐車場まで戻ってきた時に聞いた私。
返って来た言葉は・・・
『『特に・・・無い・・・かな?』』とユニゾンする菅原兄妹。
特に決めてないのですかあんた達^^;
どうやら今日は余程、宇多良炭鉱跡に命を懸けてたらしいですう・・・^^;
しかも何だか2人ともスゴク燃え尽きてるし^^;
---と言うことで、
パンフレットの地図をスクーターのシートに広げて今後の会議が始まるです。
時計を見やればまだまだ2時を過ぎた頃。
お宿に約束したお食事時間まで3時間は残してますです^^;
第765話、西表島一日目後半。ぶらぶらぶらり旅、スタートですう~♪(夕実っち視点です☆)
『由布島に行きたいですう^^ 牛車に揺られて~☆』と提案した私の案は速攻却下・・・^^;
なんでも『ここから由布まで30㌔近くあるんだよ夕実ちゃん^^;』とのこと。
スクーターで往復してたら晩御飯まで間に合いませんですう^^;
(※しかも西表から由布までは水牛の渡しの最終時間は4時15分^^;)
だったら『内浦川の遊覧船!』って言ったけれどこれもペケ^^;
『さっきさんざん内浦川のマングローブ見てきたじゃん^^;』とか琴音っちが言う始末・・・(いやそうだけどそうじゃないでしょ!^^;)
結局、宿屋(さわやか荘)までの間の浜辺にでも出てのんびりしようかって事になったです。
なんだか腑に落ちませんですが、とりあえず一番近場の『トゥドゥマリ浜』へレッツゴーですう^^
浜辺へと向う道には延々と変なオブジェと花壇が続くです。
これって何???
(※ 西表島には多くのハゼが存在しています^^ ハゼのオブジェなんじゃないかな? 西表島二日目の記事にはホンモノのハゼが登場しますので見てね☆)
---スクーターを駆ること数分
弓なりに延々と白砂が続くトゥドゥマリ浜へとやってきたです。
わきゃああああ!とっても素敵☆
掴んだ砂は砂時計に使ったら時間が早く進んでしまいそうなくらいサラサラ!
白い砂浜・青い海・眩しい太陽!
先ほどまで燃え尽きていた先輩も琴音っちも『うおおおおおおお!』と変な奇声をあげて元気を取り戻す^^
ジャングル巡りでしっとりした靴を放り投げ、
靴下をブルリと脱ぎまわして、思わず裸足で駆け出しちゃった私達です☆
こんな開放感のある海辺なんて私見たことないですう~^^
・・・でも、ちょっと残念だったのは
ここに訪れた先客の観光者さんでしょうか?
砂浜の悪戯書きにいささか幻滅ですう^^;
砂を掴み波打ち際を蹴って遊んでいた私達だと思ってたのですが、
いつの間にか先輩と琴音っち傍に居ないしっ!w
ふと、彼らを探すと居た。すぐ傍に居た。
でも~
何か見てる?
私は何を見つめているんだろう?ってことで『ねえねえ先輩どうしたですか???』と肩をチョンチョン突付いて覗き込んだ。
それはーーー
砂浜にポツンと存在する変な石の塊でしたです。
えっと・・・これが何か???
波打ち際には、何だかそのヘンテコリンな石の塊の仲間みたいなのがあったです。
先輩は『うーん・・・なんだろうなこれ?^^ 昔の桟橋跡みたいにも取れるし・・・なんとも言えないなあ^^;』と判断しかねるご様子。
琴音っちは『どう考えても自然じゃないっすよね? 明らかに人工物っぽいもん^^ でも何だったのか意味不~』と、コチラも正体断定に至らないみたい。
で、結局琴音っちがスマフォで調べることに。
そして分かったのがーーー
これは『宇多良炭鉱、石炭積出桟橋跡』なんだそうです^^
しかもです。
『一度も使われないまま嵐でぶっ壊れたらしいっすよ^^;』と彼女は言う。
なんでもここトゥドゥマリ浜(月ヶ浜)は神々の聖地だったにも関わらず、炭鉱などの島の開発にお怒りになった神々が神罰を与えた結果・・・だそうですう^^;
うわあ・・・この浜辺ってそんな神聖なとこだったのですね^^;
なんだか皆その事実を知ってか急にはしゃぐのを止めてしまいましたです^^;
(※ もう建っていますが近所のリゾートホテルの建築の際も地元住民とひと悶着あったようですね。
“ホテルを許さない”的な看板もここへ来る時にそう言えば見かけたし)
とは言うものの、偶然だけれども先ほど行ってきた宇多良炭鉱繋がりの物件を見つけたことで先輩と琴音っちは俄然別の意味で喜んだみたい。
せっかくなのでこの桟橋跡をチェックすることになりましたですう~(だって浜辺ではしゃぐのはもうヤバそうじゃないですかw)
(※ ちなみにここに来たのは本当に偶然。物語上、現地でこの桟橋の過去を調べたことにしましたが、
なんだろなこれ?って感じで家に帰ってから調べてびっくりしたって経緯だったりします^^;)
『おや?よく見ると珊瑚で出来てるなこの桟橋^^』と先輩。
思わず覗き込むと、確かに珊瑚さんが使われてるみたいでしたです。
『こっちは煉瓦片ぽいの埋め込まれてるっす!』と、半ば狂乱じみながら喜ぶ琴音っち。
あんたどんだけ煉瓦好きやねん^^;
よく見ると珊瑚に石片、煉瓦片と、色々なものが桟橋の基礎として使われていたみたいですう。
『神罰で壊れたかどうかは分からない。でも、純粋なコンクリ桟橋よりはとても構造的に脆い施工だったんじゃないのかなあ~^^』って先輩は呟いた。
その現実的な答えに琴音っちも『たぶんそうっすよ』と頷いていたけれど、
私は神様も少し信じてみたいです。
もし仮に無用で無粋な開発ならば何かしらの警告として^^
---さて、
対岸の岬を指差して琴音っちが『あそこらへんに廃墟があるって情報をついでにゲットしたっす^^』と先輩に告げていた。
当然喜ぶ菅原先輩^^;
こんな綺麗な西表島まで来たのに廃墟ですかとは思いましたが、
先輩の大学卒業旅行ですう(しかも私と琴音っちは“便乗旅行”)
とやかく口出しするのもどうかですよね^^;
結局そこら辺へと行くことになった次第ですう^^;
トゥドゥマリ浜近くにはこんな碑も^^
(※ 長くなってしまうので都合により割愛・・・)
一旦周遊道路に出てから岬方面を目指す私達。
時折見せる素敵な景色にスクーターを逐一止めるのでした。
なんでもない緑の風景だけれども、風が香って波の様に揺れるその様に酔いしれたり^^
(だって本当に波みたいに向こうへ向こうへ波筋立てて揺れてくんですよっ!☆)
なんか全然逃げないし飛ばないで歩いてばっかりのハトさんに夢中になったり(リュウキュウキジバト)
目的地が無くても楽しい島
なんだと思わされましたです~^^
結局、先ほどのトゥドゥマリ浜の対岸の岬に到達したのですが、
何か真新しく開発されていて廃墟はどこにもないって感じでしたです。
先輩が言うにはーーー
『もしかしたらば、ここら辺に存在していたホテルの廃墟は解体されて再開発されたんじゃないかな?^^』とのこと。
がっかりする先輩と琴音っちだったけれど、私はホッと一安心w
だってえ・・・こんな素敵な自然を見れるのに今更人工物の成れの果てなんて見たくないですものw(古煉瓦は別)
---この後は
なんだかんだであっという間に時間が過ぎていたみたい。
さわやか荘に戻る前に買出ししてから行こうってことになりましたです^^
(※ ちなみに元々リゾートホテルが存在していた所は解体されたようです。
今ではパンフレットにうなりざき公園(仮称)と記載されるように、着々と公園化が進んでいるようですね^^
・・・ぶっちゃけそれを知らずにさんざんレンタルバイクで走り回ったのはナイショですw)
西表島のスーパーで買出しをした後、宿屋に向っていたのですが・・・
宿屋の近くに聳え立つコンクリ建築の物体が何だろう?と、琴音っちが喚き出したのです。
先輩も呼応するかのように『ちょっと近くまで行ってみようぜ!♪』と急遽、道筋を替える・・・(当然か。先輩って廃墟っぽい構造物とか好物だしね・・・^^;)
結局それに列をなすようにスクーター3台はあのコンクリの周囲をぐるぐると走ることになったです。
でも、どうも・・・そこまでの道が分からない。
ふと、市道の脇にコンクリの建物の下へと行けそうな?感じの人が踏み分けたような藪道を発見(琴音っちが)
市道にスクーターを止め、私達はダメ元でそこを歩いて見ることにしたんですうーーー
最初は木々迫る頼りない道だったのですが、いつのまにか砂道続く幅広い道へと変化する。
残念?なのは当初の目的であったコンクリートの物件が見る見るうちに遠ざかっていくこと。
(要するに、当てが外れたってことですねw)
てっきりガッカリして引き返すかと思いきや、先輩と琴音っちは
『この道がどこに出るのか気になるからトコトン行ってみよー!』とワクワクを滲ませているのでした。
・・・私もキニナリマスです。
この道の向こう側ーーー
藪と言う言葉が似合わないお洒落な南国植物を掻き分けて出たそこは
言葉に出来ない素敵な浜辺でした。
声が出なかった。
もっと綺麗な浜辺はいくらでもこの世界に存在するんでしょうけれど、言葉に詰まる世界だったのです。
しばらく経ってから琴音っちが思い出したようにヤッホーって感じで両手を口元に当てて絶叫する。
『ふ、ふはああああ!なんじゃここおおおおおーっ!』って(気が抜けちゃう叫び声やねえ・・・^^;)
先輩が言うにはトゥドゥマリ浜の続きであり月ヶ浜の最北端の浜辺に突き出たってことらしいですうー。
足跡ひとつ無い浜辺に自分の足跡つけてはしゃぐ私達がそこにいた。
目的とは全く違う偶然辿り着いた素敵な素敵な素敵な場所。
当初の目的なんてもうどうでもいいです~(特に私は本当にどうでも良かったですしねw)
その後は当然浜辺散策ですう~☆
浜辺に流れ込む小さな川にトムソーヤの冒険物語を重ね!
『これは河岸段丘の成り立ちの最高のジオラマ☆』と、
琴音っちと先輩が意味不明でさっぱりわからないこと言っておおはしゃぎだったり・・・
砂浜彩る砂漠の『砂紋(さもん)』(もしくは風紋)に『うわあ~!凄い!すごーい!』と声をあげて喜び合いましたです^^
ーーーさてっと。
自然のオーケストラに圧倒された私達。
正直、感動しすぎて疲れちゃったw
(感動しすぎで疲れるってのは、ある意味とても絶対贅沢なことですよね^^)
ーーーふとここで
『ちょっとゆっくり落ち着いて海辺でも眺めようよ^^』と先輩の提案。
私達は別にその場にペタンと腰を落ち着けても全然かまわなかったのだけれども、
一応、座り心地の良さそうなとこ探してみたり~なんかしてみたのですう^^
すると森と浜辺の狭間に素敵な自然のベンチが☆
『ここでいいっしょ☆』と琴音っちが流木?をパンパン!と叩いて、ここに落ち着こうと叩くのだけれども・・・
『何?この木^^; めっちゃ硬いんですけど^^;』と木を叩いた自分の手をハアーハアー・・・と慰める彼女だった。
(なんなんだろ?この木。コンクリートと思うくらい硬てー木だったねえ^^;
朽ちてたのに非常に硬い・・・)
ちょびっと風は強いけれど清清しい☆
仲良く3人で腰掛けていたところ、いつものように琴音っちがリュックの中を漁り出した。
『はい、コレ^^』と、皆に配り出したそれはーーー
やっぱり酒・・・いや酒じゃない!?
でもノンアルのカクテルかw
あんたどんだけお酒に飢えてんだよw
これには先輩も苦笑い^^;
そして『はい。コレもね^^』とおつまみを配り出した彼女。
ヒラ?・・・何コレ???
まるで薄揚げのようなこの食べ物。
先輩曰く『八重山かまぼこの一種だね^^ 本土で言うさつま揚げに近いかな?』とのこと。
せっかくなのでいただきます☆とぱくついた^^
うんさつま揚げですう~w でも美味しい☆
綺麗な海を見ながらノンアルコールとヒラ。
オッサンぽいぽーいって言われそうですが、こんなのもありなんじゃないかなあ~って思っちゃったですw
さて、じっくりと自然を満喫した私達は宿屋へ。
その道すがらーーー
アリジゴクを砂浜に沢山発見ですう☆
『アリジゴクとかナツイな^^ 昔、琴音と夕実ちゃんと三人で、近所の逓信病院(現・NTT病院)の病棟の軒下でアリジゴクいじって遊んだよな^^』と先輩が子供の頃の話を思い出す。
うわあ~・・・確かにそんなことありましたです^^
なんかとてもナツカシイ。
琴音っちはさっそく細い枝を拾ってツンツンいじってましたけどヤメナサイ!^^;
中心部から砂粒をピュっ!ピュッ!ってささやかに応戦するアリジゴクさんが可哀想なので、先輩が彼女の襟を掴んで止めさせてましたけど^^;
もう宿屋の近くです。でも中々まっすぐ帰らない私達(私以外)
今度は超近所の住吉神社にスクーターをとめる。
『お参りするですか?』と聞いた所、
『いや、この神社の下に何かあるのを道から見つけたからそこに降りてみようかと思ってね^^』と先輩は道路下の階段を指差した。
もうココまで来たらついていくしかありません^^;
さあれっつその向こう側へ・・・
そこにはこの住吉地区に宮古島から入植してきた当時、唯一の水瓶となった井戸いのちの泉がありましたです。
かつては何も無いところだったここ。
戦後に宮古島の開拓団が切り開いた比較的新しい土地だったんですね。
知ってビックリ。
今は枯葉で濁ってしまっていますが当時は貴重な水源だったんだろうなあ~と当時の様子に思いを馳せる私達だった。
寄り道して正解だったですね^^
さてやっと戻ってきました『さわやか荘』
預けた荷物を受け取ってからいざお部屋へ案内されましたです~^^
今回のお部屋はジャジャジャン!
デラックスな素敵なお部屋ですう♪
ちなみに先輩だけ和室のフツーのお部屋ですw
ごめんね先輩^^; 先輩の卒業旅行だけど女子チームだけ贅沢させていただきますです!w
さあ~若い女子が汗でベトベトだなんて何たるかでございますです!
琴音っちと交互にシャワーを浴びて綺麗サッパリです^^
その後は夕食前にテラスで先輩と待ち合わせ。
本当は感動が薄くなってしまうから我慢したかったのですが・・・
『ガルルルル・・・』と琴音っちがどうしてもお酒呑みたい!って言うもんだから、外の景色を見ながら打ち上げです^^
『くっはあ~!コレの為に生きてるっすよね!』と完全にオッサン化した彼女を他所に、
私と先輩は風に揺れる椰子の葉をノンビリ眺めてオリオンビールを味わいましたです^^
・・・このまま帰りたくなくなっちゃうくらい美味しい一杯だったなあ~。
---さて、いよいよ一日目のメイン『夕ご飯』の時間がやってきましたです。
西表島産『黒紫米』のご飯と、向こうは『パパイヤのチャンプルー』
ソーキそばに
『イラブチャー(青ブダイ)のホイル焼き』
お刺身もイラブチャーと赤いヤツ(なんだったかな?w)
そして当然、お酒も頼みましたですよ^^
『八重泉の水割り』(西表島の泡盛もあったけどなぜか八重泉w)
疲れもあってか皆すっかりほろ酔いかげん^^
実は私も良い感じでしたですう*^ ^*
一通りお食事も済み、まったりしかけていたところに宿のスタッフさんがお声を掛けてくださいました。
『皆さんどうです? このあと西表島のホタルを見に行かれませんか?^^
この時期、西表島ではホタルが見られるんですよ^^』
----次回に続いちゃいますですう!!!
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
いやあ~ちょっと桜が咲き始めてからクソ忙しくってw
すっかり間が空いてしまいましたね^^;
本来ならば・・・ホタルのお話まで書き上げようと思っていたけれどギブアップでございやす^^;
さて次回は勿論ホタルのお話。
ただ・・・画像はほとんどございません(何でなのかは次回わかるはず)
そして二日目の秘境への旅路のさわり部分ってことになるでしょうか^^
きっと西表島がぐるりと一周できないことが次回で分かる物語です^^
ではではまた手が空いたらお会いいたしましょうず。
第764話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol②『炭鉱集落を飲み込むネイチャーズパワー』宇多良炭鉱跡&炭鉱集落跡地へ [廃村さーくる(島旅)]
『え?ハブ~?』と、すっとぼけるお兄ちゃん。
私は勿論、西表島にも当然ハブがいらっしゃることは知っていた。
同行する夕実っちにも前情報としてキチンと伝えた。
『ハブとか絶対嫌ですぅ^^;』と彼女は怯えたけれどね(あたりまえかw)
ぶっちゃけ私だって蛇とか嫌っすよ・・・^^;
ましてや毒ある蛇なんてw
ひょっとしたら遭遇しかねない今回の目的地。
おっかなびっくり行動したのは言うまでもなかったーーー
第764話、西表島第一日目のメインのモノガタリ。
私こと菅原琴音目線でスタートっす^^;
今回の目的地近隣である『浦内川』の橋の袂の駐車場までやってきたっす^^
そこで今一度お兄ちゃんに話をぶつけた私だった。
『ねえねえお兄ちゃん・・・。ハブ居るんすよね^^; 私的にはとっても行きたい場所っすけど・・・
正直怖いよォ・・・^^;』と。
するとお兄ちゃんは頭を痒くも無いのにポリポリと掻く仕草をしてから私達にこう言ったのだ。
『居るよ?当然^^ でも西表島にいるハブは毒性は強くない・・・らしい^^』
おお~い!らしいってなんだよ~w
自信の無い感じで言わないでよお兄ちゃんんん!w
おかげで私の後ろに張り付いてる夕実っちがビビリまくっちゃったじゃないか^^;
『大丈夫大丈夫^^ 咬まれても対処を怠らなければ死ぬことは無いらしいから心配しなさんなw』と笑うお兄ちゃん。
笑えないよ全然^^;
---でもここでお兄ちゃんは真顔でこう続けた。
『ボクが先頭を歩くからついてきて。不用意に前に出ないこと。何か動きがあったり音がしたら立ち止まること^^
基本、西表のハブは怖がりだ。
距離を充分とれば襲ってくることは少ないそうだよ^^
一応ポイズンリムーバも持参してきたけれど、この約束事は絶対守って欲しい。絶対にだ^^』と。
(※ポイズンリムーバとは毒の吸出し器。本当に持ってったよ・・・って言うか常にリュックに入ってたりします^^)
・・・結局私と夕実っちはお兄ちゃんの後ろに隠れつつの行動となったっす。
駐車場にはバスや車がたくさん駐車していたっす。
実はこの先には内浦川の『ジャングルクルーズ』の遊覧船乗り場があるんす^^
ここ内浦川と言うのは『西表島北部屈指の観光地』であり『沖縄県最大の河』だったりなんす。
『マリユドゥの滝』『カンピレーの滝』『イタチキの滝』と言う、西表屈指の滝や、
400種以上の魚類、そして野鳥や動物・昆虫たちにお目にかかれる日本の河川の中でも最強の野生の王国だったりしますっす^^
そりゃ・・・当然観光で大勢来ますよね。ココにw
そんな観光地観光地した。でもバリバリ自然の内浦川の途中に、
今回の目的地が有ったりします^^
今回の目的地はズバリ『宇多良炭鉱跡』
沖縄県唯一の炭鉱群が、かつてこの西表島に集中していました。
その中で今回お兄ちゃんとの話し合いの末、このウタラに行くことに決めたんす^^
なんでかってゆーと『煉瓦の痕跡が唯一残る炭鉱跡』だったからっす^^
実のところ沖縄含めて日本南方の島々には煉瓦遺構ってのは非常に珍しいものだったりします。
せいぜい・・・サトウキビの精糖工場で煉瓦が使われていたくらいでしょうか(後は軍の遺構。でもこれだって非常に少ない)
ハブは怖いっすけど、お兄ちゃんを盾にして行って見ようかと思いますw
『わきゃ? 地図見ると徒歩20分ですね^^; 案外近いんだ~^^』と、ちょっぴりホッとした顔を覗かせる夕実っち。
多分、どんだけ歩かされるんだろうなあ~と不安に思ってたんでしょうねw
はいそうです。このウタラまではそれ程遠くない道程だったりします^^
しかも昔は荒れ道だったそうですが近年、遊歩道としてだいぶ整備されたとか。
この事を夕実っちに伝えるとすっかり安心したみたいで、私の服をシワになるくらいに掴んでいたのを止めてくれましたw
・・・フヒヒ
ウタラまでは整備されてるよ?
でもね夕実っち。
私達はその整備されてないウタラの先が目的なんだからーーー
遊歩道の中を進む私達。
気温も高め。しかも森の吐く息のおかげかとても湿度の濃い行軍・・・。
思わず長袖のシャツをまくりかけた私と夕実っちだったんですが、
『こら!袖はまくらない! 暑いけれど我慢しなきゃダメだぞ^^;』と、怒るお兄ちゃん。
お兄ちゃんが言うには『こういう場所では肌の露出はなるべく控えるのが最良。草木や虫、危険動物から身を守る最低限のマナーだぜ』とのこと^^;
こんなに整備されてるのに?とは思ったけれど、蚊に刺されたくないしねって納得させることに^^;
(※ 西表島はかつてマラリアで集落などを失った島でもあるのです。そのおかげで大自然が今現在まで多きに渡り取り残されることになるのは皮肉な所なんですがね。
ちなみに西表のマラリアは撲滅しています^^)
緑のトンネルを潜っていたところ、お兄ちゃんがふと脇にある石を指差して立ち止まった。
『この石垣、気になるなあ~^^』と。
そして徐に石垣の裏側へと入っていっちゃった^^;
大丈夫?お兄ちゃん^^;
お兄ちゃんがおいでおいでをするもんだから、ビビリながらも遊歩道からズレて降りてみると、
遊歩道の下を抜けるコンクリ?の穴を発見。
お兄ちゃんが言うには山からの水の逃げ道だそう。
これが炭鉱時代からあるのか近年造成されたものかは分からないけれども、
この手の小さな発見・観察は重要だぜっ!ってお兄ちゃん。
なるほど~と思ってしまった。
(※ この遊歩道。かつては炭鉱への人道だった可能性大なので、もしかしたらばこの山水の抜け道は当時の人道の名残りなのかも知れませんね^^)
---遊歩道を進むこと?分。
『ガササササッ!』と言う藪切りの音に、私と夕実っちだけじゃなくお兄ちゃんまでもが
『ぐわあああああああ!!!!?』っとビビリ声を上げた。
直ぐ近くの音がした藪を声を殺して注視する私達。
藪の中から出てきたのは・・・
『トカゲちゃんでしたw』
トカゲかあ・・・とホッとする私達^^;
でもこの先、このトカゲちゃんに散々翻弄される私達だったっす^^;
歩くたんびにこのトカゲちゃんがガサゴソと音をさせるもんだから全然すすまねーw
『ハブかな!?』とビビってはトカゲ・・・ビビってはトカゲ・・・^^;
っつーかトカゲばっかだよおおおおおw
だいぶトカゲ先輩に神経をすり減らされた私達だった・・・w
(※ このトカゲ先輩はイシガキトカゲ。沖縄以西の固有種です^^)
時折聞こえる人の声。
どうやら今日は学生さんのカヌー教室?カヌー体験教室があったみたい。
鬱蒼としたジャングルなのに、人の声が常に聞こえるからか何か安心してしまいましたねえ^^;
観光地なんだなと改めて思わされる風景ですね。
上流に向うにつれ、対岸がどんどん迫ってきましたっす。
あんなに大きな川幅だったのにね。
てっきり一本道だとばかり思っていた遊歩道が、ここで分岐していることに私達は気が付いた。
『せっかくだしちょっと行ってみっか^^』とお兄ちゃん。
ええ~・・・ウタラと関係ないからやだよーって思いましたが、ハブの楯になるお兄ちゃんが勝手にズンズン行っちゃうから、
なかば強制的に行くことに・・・^^;
路盤はかすかに有るとは言え、こちら側の道は整備されていなく、途中から木々を掻き分けていく状態でしたっす。
ふと、マングローブの先に近代的な構造物がチラリとのぞいたーーー
『草ぼーぼぼーの石橋があるっすね^^』
『昔の橋かな?』
お兄ちゃんは橋の欄干に近づいて調べ始める。
『わきゃー、195・・・9?年って書いてあるですう~^^』
お兄ちゃんの背中越しに見た夕実っちが銘に刻まれた年号を読み上げた。
『宇多良橋か。・・・でもなんで戦後の橋がこんなとこに???』
ああ確かにお兄ちゃんが言うのもそうっすね。
正確にはわかってないそうなんすが、ウタラ炭鉱は1943年頃には既に休止状態だったらしいのです。
『燃える石』と持て囃された石炭も石油と言うエネルギー革命に主役を譲り、1960年代には西表にあった全ての炭鉱が操業を停止していたんす。
・・・つまりは炭鉱には関係の無い橋ってこと???
(※ 戦後、この流域を再開発する計画もあったそうですが頓挫。もしくは見送られたそうです。まあ・・・割に合わないもんね、こんなとこに何かを建ててもw)
宇多良川沿いには船が係留されていたっす。比較的新しそうだったけれど使ってもいない感じ。
下流の遊覧船会社の放置船かにゃ?
石橋とは言えだいぶ放置プレー状態の橋。
お兄ちゃん共々おっかなびっくり対岸まで歩いてみたっす^^;
ちなみにその先は行けるのかな~?ってお兄ちゃんは突き進んでみたそうだけど、
道が無い☆って言ってたw
(正確には薄っすらと道らしき路盤は存在していましたが、これ以上は藪漕いでまで行く必要なかったのでパス)
『わきゃ?なんか穴がポコポコしてるですよ^^?』
本道へと戻る道中、夕実っちが
地面に奇妙な穴ぼこが多数あいていることに気づいた。
何の穴だろ?
・・・うっ。もしかして蛇穴!?
それは夕実ッちも思ったようで思わず飛びのく私と彼女。
するとお兄ちゃんが笑いながらも答えを教えてくれた。
『それは多分カニ穴だよ^^』
カニ?
『それが全部蛇の棲み処だったら怖くて歩けねーよw』
ああ・・・言われてみれば確かにそうっすねえ^^;
『でもだからって無闇に覗き込まないこと。いいね?』
『『はーい^^;』』
まるでせんせーとの会話みたい^^;
でもまあ勉強にはなるっす。
ウタラ橋の分岐から歩く事5~6分。
目の前には立派な木道が現れた。いよいよ目的地に近づいたみたい^^
私達はゆっくりと木道をギシギシと踏みしめて進む。
---すると、
クネクネと曲がりくねった木道から、コンクリートの残骸をチラホラと見かけるようになったっす。
そしてその木道には幾つかこのウタラの歴史を説明する看板があったのです。
昭和初期の宇多良炭鉱全景写真
在りし日の炭鉱『貯炭場』
『わきゃー☆ こんな山間にこんなとこがあったなんてビックリです~^^』と驚く夕実っち。
いや私もだよ^^;
今では面影全然無いけどね・・・。
そして中でも一番驚かされたのはーーー
『『『芝居小屋!?』』』
思わず夕実っち共々声をあげちゃったっす^^;
なんでもお兄ちゃんが言うには
『こんな山奥だしね^^ 娯楽のひとつでも無いとやってけないし、従業員も逃げてっちゃうんだよ。
ちなみに映画館もあったらしいぞ^^』
ええ!?映画館も???
私と夕実っちはただひたすらに驚いた。
『ねえねえ先輩?この炭鉱切符って言うのはなんですか???』
『うん。これは簡単に言うと金券だね^^
ここでしか使えないお金だったんだよ^^』
『なんでまたそんなここでしか使えないお金なんか作ったっすかね^^;』
ここでお兄ちゃんは
炭鉱の歴史というパネルを指差しながら色々と説明し出すのでした。
『ここウタラ炭鉱。正式名称は丸三炭鉱・宇多良鉱業所って言うんだ^^
元々は別の河川沿いに炭鉱を構えていたんだけれど、採掘による石炭の枯渇を恐れてこの内浦川支流の宇多良川に石炭の鉱脈を発見する。
そしたらこっちの方が立派だったようだw
昭和10年から操業開始。一時は1000人を越える従業員を抱えていたそうだよ^^
そしてこの従業員(炭鉱扶)と言うのがさっきの炭鉱切符に関わってくるんだ。
九州から斡旋人の甘言に誘われて連れられて来る人も多かった。
沖縄離島からも朝鮮人も使役していたらしいね^^
でも炭鉱労働ってのはとても過酷なものなんだよ。
逃げ出すものも当然いたわけだ。
そこで、ココでしか使えない金券を給料として渡して従業員を逃げられないようにしたってのもあるんだよ^^;
西表までの渡航費として彼らに借金をさせ、それを返済させる為に炭鉱生活に縛り付けた。
だから・・・あんまし気持ちの良い金券じゃないよね^^;』
マジっすか・・・超絶ブラック企業じゃないっすか!^^;
今じゃ考えられないことが昔はいくつもあったってことっすねえ・・・
すっかりお兄ちゃんの昔話に気が滅入りかけていた私と夕実っちだったけれども今日の目的はこれからだったのを思い出した。
そうだ。煉瓦ちゃんに会いに来たんですよ私(ウフフ♪)
木道から見上げたそれは圧巻だった。
『もうちっと近くで嘗め回したいっすペロペロ☆』と言うと、
『そうだな^^ じゃあ~木道から降りて近づいてみようか^^』と、お兄ちゃんが木道を跨いで降りていく。
『足元悪いから気をつけて^^』と手を貸すお兄ちゃんに導かれ、私達はその煉瓦先輩に近づいた。
『トロッコレール軌道の煉瓦支柱』
私が会いたくて仕方が無かった南方煉瓦建築物の大将っす^^
緑に呑まれた赤煉瓦が私どころか夕実っち、そしてお兄ちゃんまでも酔わせたーーー
周りには酒瓶と煉瓦片が数多く散乱していた。不法投棄?それとも昔の名残り?
『わきゃー☆ まるでラ〇ュタの世界みたいです~^^』と、実にツマラナイありきたりな例えを出して喜ぶ夕実っちさん。
煉瓦の支柱の頭の部分には綺麗に植物が植わってる。もうアートっすねこれw
煉瓦の目地もきっちりチェック^^
結構いびつで大味なモルタルさんでつ☆(だがコレがいいのだ)
絞め殺しの木(ガジュマル別称)にすっかり飲まれた煉瓦の支柱もあったっす。
『ガジュマルとかは本体の木に絡み付いて、最後には枯れさせてしまうほどの成長力があるんだ^^
だから絞め殺しの木とも呼ばれてるんだよ^^』とお兄ちゃんは夕実っちに説明をする。
私にも説明してくれよーん^^;
なんでもコンクリもアスファルトも突き破る生命力らしい・・・
いつかはこの煉瓦もこの木の中で朽ちていくんでしょうねーーー。
コンクリート部位もチェック。中の鉄柱ももうボロボロだ。
でもこの上をかつてトロッコが走っていたってのはビックリデスヨね^^
さて、一通り見たので煉瓦の刻印探しです!
お兄ちゃんは『刻印なんてあんのかなあ~』って言ってたけれど、あるかもしれないじゃんね!
っつーことでレッツ刻印探し開始☆
煉瓦表面ボロボロだったりモルタルに隠れていて非常に探せる部分は少ないのだけれど、
まずはやっぱり突き出た煉瓦の裏っかわをチェックチェックっす^^
ま、結局見つからなかったんですけどねオホホw
お兄ちゃんが言うにはーーー
『そもそも南方煉瓦に本土の煉瓦のように刻印が付いているのか疑問があるんだよね^^;
あんまし聞かないんだよなあ。
しかもこの煉瓦はどこで造ったのか分からないし。
船でここまで運び込んだのか、煉瓦職人を呼び寄せてココで造ったのか。
ここで造った場合、野焼きに近い製造工程だったかもだしそんな律儀に刻印なんて打たなかったかもだしな~』だそうです。
せっかくなので、どこまで煉瓦の支柱が続いているのか奥まで行ってみたっす。
これが最後かな?
その先には煉瓦ちゃん見えず・・・。
コンクリの支柱が見えたので、行ってみようと思いましたが・・・
棘が痛すぐりゅのでやめましたw
(※ 貯炭場付近以外はコンクリ支柱のようですね)
---さてこれでは終らない。
夕実っちが『芝居小屋とか今現在はどうなってるですかね^^』と軽い感じで言ったんだけど、
それならば探しに行こう!ってことになったっすw
言った(言っちまった)本人は『ええ~・・・^^;』って嘆いたけれど、
ココまで来たらお兄ちゃんも私も行く気マンマンっす(行く気マンマンって・・・オッサン言葉じゃねーかw)
煉瓦支柱の末端の先には上へと続く路盤があったっす。
『多分これが見世物小屋やら事務所・宿舎・浴場があった炭鉱集落への人道なんじゃないか?』と言うお兄ちゃんの感を頼って進むことにしたっす^^
いくらか登ると不自然な登り道が現れた。
お兄ちゃん曰く『切通し』だそう。人為的に山を削って道を造ったっぽい。
するとその登り道近くで夕実っちが右手の藪の向こうを指差して叫ぶ。
『わきゃ?わきゃわきゃ??? なんか向こうに見えますですう!』
その声に呼応して我等が廃村さーくる探検隊は現場に向ったのでありますw
『えっと・・・何ここ?』
随分と深く広いコンクリートで囲まれたスペースでしたっす。
ここでお兄ちゃんは先ほど撮影したウタラの見取り図を開いて見せた。
『んん~・・・。形的には入浴場跡っぽいなあ^^; でも、わざわざ地面を掘り下げてこんな大きな浴槽を作るだろうか?
どっちかってーと・・・用水タンク・・・のような気がするけどなあ^^;』
うーん・・・これは悩むっすね^^;
果たしてどっちなんだろ?
ここで夕実っちが地図を見ながら指摘する。
『ねえねえ先輩。この入浴場?っぽいコンクリートのすぐ横に“夫婦納屋”ってのがいくつもあるですね^^
何か痕跡が横にあれば入浴場で確定じゃないかなあ~と思うです^^』
あんた頭いいなw
思わず何も言わずに彼女の頭をグリグリと撫でる私とお兄ちゃんがいた。
『痛いイタタタタです^^;』
私達はさっそくこの得体の知れないコンクリ施設の向こう側の藪へとダイブしたーーー
するとーーー
コンクリの残骸が点々と藪に隠れていたっす^^
でも家屋の土台跡にしちゃ何か変?
これと同じようなものがいくつもあったんだけど・・・それ以外は無い。
『ねえねえお兄ちゃん!このコの字型のブツはなんだろね???』
『何だろな? 各家庭に必ずあるものっぽいけど・・・!?』
ここで皆ハッ!?とひらめく。
『『『もしかして・・・トイレ?』』』と^^;
確証は無いけれど、この上に用水タンクがあるならば、ほぼ確定のような気がしてきた。
それと共に、先ほど見たコンクリ施設は浴場跡と言うのも確定する。
とゆーか何でトイレだけ残ってんねんw
トイレは重要だよ?でも家の土台よりも強固に残り続けるだなんてねえ^^;
(※ トイレじゃ無いかもしれないので信じないように^^;)
さて、かつて芝居小屋があった方へと続く上り道を進んでみることに。
左右を逐一チェックしたけれど、用水タンクらしきものもよく分からない。
白黒写真だと右手の高台の上に小屋らしきものが写っていたけれど、なぜか深い窪地になっていた^^;
辛うじてまだまだ先には進めそうな路盤の痕跡はあったっすけど、
藪がだいぶ深くなってきたのでUターンすることにしたっす(残念^^;)
(上の写真に載ってる石積みは上り道に平行してありました。道より低いので、恐らく側溝跡なんじゃないかな?)
今度は煉瓦支柱の場所まで戻る道すがら、ちょっとだけ丘になってるところを上ってみたっす。
(地図使いまわしだけれども、丁度“二階作りの独身者宿舎”の辺りっす)
コンクリの残骸はチラホラしているけれど、地図が無ければかつてここに何が建っていたのかは誰も分からないものでした。
夫婦の炭鉱従事者には各一軒家が与えられ、独身者はとどのつまりタコ部屋があてがわれたこの格差!
なんか独身の呪いがここには渦巻いていそうなので早々に立ち去ることにする・・・^^;
入浴場コンクリの南側部分。
ここからウタラ川まで道らしきものが残っていましたが、時間もそれなりの装備も無いのでやめておきましたっす^^;
(多分、この先にはお寺や食堂跡。川を越えられるならば養豚場跡なんかもあったはずです^^)
なんだかんだで一時間以上廃集落を堪能して帰って来た私達。
正直、湿度で汗だくベトベトっす^^;
立派な煉瓦のアーチ部分が地面に横たわっていたけれど、かつて栄華を誇ったウタラの炭鉱場も今は自然にただ還るのみなんですよね。
私達は再び木道の上に戻った。
そこから見下ろすコンクリートの残骸はイヌビワの板状の根っこに隠されつつあった。
『お兄ちゃん?』
『ん?なんだ?』
『いつかこの集落跡も跡形も無く自然に飲み込まれちゃうんだろうね』
『そうだな^^ 自然って強えーかんな☆ ま、トイレは最後まで残りそうだけどなw』
私達は煉瓦支柱の横にある慰霊碑にそっと手を合わせ
『ありがとうございました』と呟いてから西表の小さな小さな炭鉱集落跡を後にした。
---次回へ続く☆
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
さあ~やってきました見に行ってきました南方煉瓦の横綱『ウタラ』へと^^
だいぶ観光地化されてはいますが、まだまだ見所満載の場所であります^^
ほんとはもうちっと廃集落巡りをしたかったんだけどお酒呑みたくってねw
いつか再訪して完全解明してみたいなあ~^^
自然に飲まれ行く人の築き上げた世界。色々と勉強させていただきました。
さて次回は『プライベートビーチ』『ウタラの別の痕跡巡り』『お食事編』と来て、最後に『虫たちの光の饗宴』ってとこです^^
ではではまた次回お会いいたしましょうず^^
第763話 燃える石と緑の大地・西表島編☆vol①『せ、せんぱいっ!カメラの様子がおかしいですう!?』星砂の浜&ヤマネコ注意! [廃村さーくる(島旅)]
『わきゃっ!? ・・・原付なんてミカン畑から家までの距離しか運転したことないですよおォ~う^^;』
なんでも今回の菅原先輩の卒業旅行・ちゃっかり便乗編は、
移動手段が全行程レンタルバイクとのことですう・・・。
私、免許はあるけどスクーターなんてちょこっとしか乗ったことないですう(しかも稲取のミカン畑のお手伝いで免許持ってない時にこっそりと^^; ・・・これはナイショですう☆)
『レンタカーで先輩の運転でいいじゃないですか!』って言ったら~
『西表島でレンタカーなんて乗ったら、不意に現れた野鳥やヤマネコ先輩に会えないよ^^ あとオイラ、車の運転なんて教習所以来無いしw』だってえ~・・・^^;
ついでに琴音っちにも聞いてみる。
---すると
『え?レンタカー? 確かに車のほうが便利っすね^^ お兄ちゃんに運転任せて後ろでお酒呑めるから良いけど~。
で・も!
バイクで風になりたいっす☆南国の風。みたいな?』
意味わっかんないよお~この兄妹^^;
ということで先行き不安の当日を迎えた私。
でも、ほんとは楽しみが勝っていた。
だってまた先輩と泊りがけの旅行に行けるんだからーーー
第763話、わたしこと大瀬崎夕実視点で西表島旅行記スタートですう~☆
琴音っちの腕時計を覗き込むともう朝の4時半。
雨がそぼ降る中、私達は琴音っちの部屋から駅のターミナルへと向いましたです。
『草加はやっぱり便利だなあ~^^』と、羽田行きのバスを見上げて先輩が呟いた。
私は先輩を追いかけて何となくこの草加市に住んじゃったけれど、
先輩が言うには『羽田も成田も直行のバスが出てるから旅行好きには便利な町』らしいですう。
埼玉県内からなら羽田・成田空港どちらも空港行きバス最速の地なんだそうです^^;
そうなんだあ。知らなかったですぅ^^;
まあ、電車を乗り継ぐよりいいですよね^^
私達は疎らな座席を独り占めにし、羽田空港までのんびりとくつろいだのですうーーーーーー
---乗車時間50分くらいでしょうか?
無事に羽田空港第一ターミナルへ到着。
すると着くなり先輩が険しい顔つきで私と琴音っちに声を掛ける。
『時間が無いからさっさとチケットの手続きするよっ!』
羽田に6時に到着した私達。
出発時間は6時半だし30分も余裕あるのに何で慌ててるの?先輩って思ってたんですが~
保安検査場通過とかがあるからそれ程余裕ってわけじゃなかったのですね^^;
ここで小声で琴音っちが・・・
『お兄ちゃんさあ~、多分ん~、お正月の広島旅行で飛行機寝過ごしたのを結構気にしてるっぽいんだよねw
今度は絶対連れて行くって言ってたしw』
---ああそうでした^^;
私達は前日の深酔いのせいもあって、お正月の広島旅行で飛行機を逃す大失態をしたんだった^^;
今回は新幹線で挽回って訳にはいかないもんね。
だって石垣島まで新幹線走ってないしw
先輩のベルトのバックルが金属探知機で引っかかったの以外は無事に保安検査場通過です(ハリアップ!って言ってた本人が引っかかってどうすんの^^;)
出発まで残り17分ってとこでしょうか。いささか時間にゆとりもあるということで、
私達は売店でウロウロしましたですう^^
相変わらず妖怪ウォッチグッズに戯れる私と琴音っちがそこにいたw
中身のお菓子より缶箱が欲しいですう~と言う、某ねずみーらんどと同じような錯覚商法に囚われつつも、我慢して出発の時を待ちましたです^^;
さあ!いよいよ搭乗ですう☆
あんまり飛行機に乗ったことない私はワクワクさんですう☆
私達が座ったシートは、幾らかゆったりな座席^^
なんでも菅原先輩が奮発してくれたご様子♪
窓には雨の玉粒が点々と。
私は、お外をくっきりはっきり見てみたいって窓をゴシゴシぬぐっていたら、隣の琴音っちに笑われた^^;
テーブルをうにょにょーんって引っ張り出してみる私。
隣じゃさっさとテーブルを出して漫画を広げてる琴音っちがそこにいた^^;
『わきゃ!その漫画ちょっと気になってたですよ~^^;』と言うと、
『あ、これ? 私もなんすよ~^^ 石垣島までのフライト時間3時間。
なんか暇つぶしに漫画でも読もうかなあ~って思っててさあ~
友達にコレ借りちゃったんすよ~^^
夕実っちもコレ読みたい?
じゃあ夕実っちは3巻から読んでいいよ♪』
読んだ事無い漫画を3巻から読んでどうすんだよアンタ^^;
・・・とは言え気になってたので『琴音っちが読み終わったあとでいいから・・・1巻から読ませて・・・^^;』と、
なんとか約束を取り付けたのですう・・・。
朝日の中を飛び立つ私達。
雨雲を越えたそこは青の世界だった。
富士山をこんなに真下に見下ろしたことのなかった私はこの景色に大はしゃぎだったです☆
先輩は『あそこに見えんのは富士スピードウェイじゃないかな!』って富士山見てなかったけど^^;
(写真だと右下の寄生虫みたいなウネウネしたとこが富士スピードウェイです☆)
今回。せっかくの先輩とのお泊り旅行です!
しかもワクワク魅惑の南国旅行☆
一ヶ月前から『晴れるかなあ・・・晴れるよね・・・・晴れて欲しい・・・晴れなきゃ呪います!』と、
天気予報をチェック!チェック!してた私だったりですよお~。
どうやら願いは叶ったみたい^^
私は琴音っちの漫画を借り読みすることなく、外の景色を眺めて時間を過ごしていましたですぅーーー
『ポーン!』と、座席ベルトの着用チャイムが久しぶりに鳴った頃、
視界の前に綺麗な島影が眼に映る。
『石垣島ですう~!♪』
---かくして
私達は無事に最初の目的地『石垣島』へと到着したのですう~♪
わきゃ~ん♪ なんか南の島に来たって感じですううううう~!
・・・と、いいますか暑い!
『琴音っちい~今、何度ですかあ~?^^;』と聞くと『25度っすよ^^』と返って来た。
私は上に着ていたものを脱いでしまう事にした^^;
思わずシーサーさんの口に手をいれてみたりw
新石垣空港からはバスで港のターミナルへ移動ですう^^
途中、隣に座っていた琴音っちが、窓際に座っていた私を吹っ飛ばして窓辺にべっとりと顔をつけて大きな声をあげる。
『なんか煉瓦ちゃん見えるっす!』と。
私も思わず彼女の視線の先を追う。
車窓から見えたのは確かに煉瓦の壁(石垣市・白帆のあたり)
ここで先輩も車窓を覗き込みつつ前の席から私達の方へ乗り出して喋り出した。
『あれはそこそこ古そうな煉瓦っぽいね^^
南方の方って煉瓦とか赤煉瓦って言うと『赤瓦』ってことなんだけれど(つまりは赤い屋根瓦)
あんまり煉瓦の構造物って多くないんだよね^^
さとうきびの精糖工場なんかの跡ではたまに見かける煉瓦だけれど、民家とかには意外と少ないんだよ^^
コンクリ壁や珊瑚の壁、玉石の外壁なんかが主流だしね。
でもあの煉瓦壁の煉瓦の積み方は不思議だ。
煉瓦がいびつでバラバラな積み上げ方だしなあ~w
こまかいこと気にしない気風なんだろうね^^』と。
たしかによ~く見てみると均整の取れていない積み方ですう。
琴音っちは下車してじっくり見たい!って言ってたけれど、どうやら船の時間も超ギリギリらしいので、却下されましたです☆
ーーーバスに揺られること35分
離島ターミナル前に無事に到着ですぅ^^
でもここで事件が・・・
『えっと・・・えっと・・・お兄ちゃん?メインカメラがご臨終っすよマジで^^;』
『え?ちょ、ちょっと貸してみろよ琴音・・・ってああ・・・ほんとだなあ・・・^^;』
別に落としたとかそういうんじゃないです。なんでもどうやってもレンズが認識しないらしいのですう^^;
旅先でのカメラの故障はイタタタタ・・・です^^;
思い出は胸の中に。なんてわけにはいきませんw
すると琴音っちがバックの中身をゴソゴソゴソ・・・
『実はこういうこともあろうかと、サブカメラを持ってきたっすよ^^』
・・・実に用意周到ですね^^;
時々関心しちゃいますです。
そこに先輩がーーー
『このレンズが認識しませんって症状ってさあ~、琴音が以前深谷市の弾薬庫跡巡りの時にカメラを落っことした時と同じ症状だよな?
修理して直ったと思ったけど、微妙に直ってなかったんじゃないかなw』
『え?私のせいっすか^^; いや~確かにあの一件から不具合がたまに出るようになった気がするっすけど・・・
まあいいじゃんw こっちのカメラは安いけど画素数も同じだし、望遠は36倍ズームっすよw』
かくして、ココからはサブカメラでの画像になりましたです^^
とりあえず一安心ですね☆
さて、実はオチオチとはしてられません。
たまたまスムーズにバスが到着したから良いものの、船の出発までは全然時間が無かったのです^^;
11時発『西表島・上原港』を逃すと次は約2時間後
急いでチケットを購入し、桟橋へと向いましたですう^^;
既に搭乗時間だったこともあり、景色を一望出来るデッキ席は満員状態。
渋々と船室内の席へと向いましたです^^;
ものの数分で離岸。
いよいよレッツ西表島です☆
すると、
プシュッ!っと隣の席から聞こえてくる・・・
『こらあああ!琴音っちいいい!
これからスクーターに乗るのに何で呑んでるのお!^^;』
見ればオリオンビールをぐびぐび飲んでプハー!とおっさんのように『最高っす☆』とか言ってる彼女がいた^^;
『いやいやこれはですね、オリオンビールのノンアルコールっすよ☆
えっと夕実っちのも買っておいたから一つドゾ☆』
なんか府に落ちないけれど、ありがたくいただくことにしましたですw
こんなのあるんですね^^;
琴音っちの隣ではメインカメラをいじってる先輩がいましたが・・・
『どうやってもレンズが認識しないなあ・・・^^; たぶん・・・レンズ内部のレンズを固定してる部分がずれちゃったんだろうなあ~』と嘆いていました^^;
ーーー高速船にガンガン揺られること50分
無事に西表島に到着ですう!
港の色がとっても綺麗!
初めての南国に私は心躍りましたです☆
(※ 夕実ちゃんは沖縄とか石垣島とかは初めての設定ですw)
さて、あらかじめ先輩が石垣島から宿屋さんに連絡を入れていたこともあってお出迎えです^^
今回お世話になる『さわやか荘』の男性スタッフさんが港で待っていてくれましたですう^^
車に乗り込むと、私達以外にオジサマがいらっしゃいました。
なんでも『西表の野鳥や植物、昆虫などを撮影』にいらっしゃったとか^^
スタッフさん交えて色々とお話しつつも宿屋さんに向いましたです。
『え!? 軽自動車です・・・か??』
宿について先輩がスタッフさんと手続きをしている最中に大きな声を上げる。
ロビーのソファーに腰を掛けてまったりしていた私達も何事か?と、先輩の元に近づいた。
なんでも宿屋さんとの電話予約の際に、レンタルバイクも一緒に予約したらしいのですが、
聞き違いなのか手違いなのか、今日用意していただいたのはなんと軽自動車だったみたいなのです^^;
確かに私達全員は普通自動車免許は持ってたりしますですが・・・
誰も最近、車を運転していない(しかも私、スクーターすら久しぶりw)
三人で『どうしよっか・・・^^;』と悩んでいると、
『申しわけ御座いません^^; ただいま近所のレンタカー屋さんに3台のスクーターを用意していただいたので、
お送りいたしますのでお手数ですがそちらに参りましょう^^;』とスタッフさん。
驚きの早さのアフターケア!!!
むしろこっちが恐縮ですう^^;
かくして無事にみんなとレンタルバイクを借りることができましたのです。
さわやか荘さん凄い・・・。
後に『この宿に決めてめちゃくちゃ良かったね☆』って先輩が言うことにウンウンと納得することに、
今はまだ誰も知らないーーー。
(※ 後で知ったんだが、めちゃくちゃ評判良い宿屋さんだったんだね^^;
単純にレンタルスクーターを扱ってる宿屋を探していてたまたまココを選んだんですが、屋号の通りさわやかスタッフさん達だし最高!でしたよ~^^)
さて今回、私は目的地を聞かされていません(例のごとくイジワルな兄妹です^^;)
第一日目のメインの目的地の前に、朝から何も食べてないってことでお昼ごはんを食べに行くことになりました^^
ある程度先輩からスクーターのレクチャーをされつつもいざ!乗車。
最初はおっかなびっくりではありましたが何とか乗れることに成功ですうw
さあ!行きましょうです。
レッツ!ランチタイム!☆
西表島の周遊道路(と言っても一周できません)を進んでいくと、
『星砂の浜』という標識が見えてきましたです。
先頭を行く先輩が指を差してそこへ行くぞと合図をしました。
私は対向車も何も無いけれど律儀にウィンカーをチカチカさせて右折して先輩たちの後に続きましたです。
少し走った所で向こうに綺麗な水平線!!!
何かドキドキさせる光景!
そして最初は運転に夢中だった私だったけれど、いつのまにやら南国の風を受けていることに気がついた。
・・・風、キモチいいですう☆
やってきたのは星砂の浜の目の前にある喫茶とお土産屋さんを併設する『ペンション星の砂』さんですう^^
私達はさっそく駐車場にバイクをとめて、ランチを食べに向いましたです^^
色々メニューはありましたが、南国っぽいのを選んだ私。
それはコレです。
じゃじゃ~ん!タコライスゥ~☆
・・・でもタコ入ってないんですね!
そんなことを口にしたもんだから先輩や琴音っちに笑われちゃった^^;
だって知らなかったんだもーん^^;
(※ 作者は知ってるから勘違いしないでよね!設定です設定w)
ランチを堪能した後はせっかくなので浜辺へレッツゴー!
むしろ懇願しましたよ?
だってあの菅原兄妹は普通の観光地にまるで興味無しなんですから^^;
『ねえねえ行きましょう~ですう~^^;』ってw
渋々ついてくる先輩たちにはおかまいなくズンズン進む私。
すると、
開けた向こうに声を詰まらせる。
わきゃ!きれいいいい~♪
さすがの琴音っちもコレにははしゃぐ。
『ぐはあ!下田の浜辺より最高っすねここ!』
あんたどこと比べてんだよ^^;
いや、伊豆の下田も綺麗だよ?
でも比べちゃダメですよおー^^;
私は思わず駆け出した。
そして浜辺の砂を掴んでみる。
まるで風に溶けてしまいそうなくらいにサラサラですう☆
『夕実ちゃん?手に取った砂をよーく見てご覧^^』と先輩が言うもんだから、マジマジと見てみたです。
するとーーー
うわっ!星の形の砂粒ゥゥッ!
『それ、有孔虫の死骸っすよ夕実っちい^^』と言うロマンもへったくれもないチャチャを入れてきた琴音っちには本気でグーパンチをお見舞いしようと思いましたが、まあいいです^^;
だって感動がそれを凌駕してたから。
浜辺では外国人カップルさんが泳いでいましたですう。
ちょっと(いや、だいぶ)羨ましかったかな^^
こんなとこで海水浴とか羨ましいですよね!
とは言うものの・・・
今回は先輩の卒業旅行だし当然色気もロマンも何も無い旅路ですう・・・w
いつか純粋に観光で来れたなら(出来れば先輩とねっ!)
そう後ろ髪を引かれつつ、さっさと駐車場へと戻っていく先輩たちの後を追った私だった。
ヤマネコ注意!!の看板を見ながらも私達が向ったその先はーーー
次回に続くです☆
お久しぶりっす☆ ちょいのりっすw
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
まさか途中でカメラが故障するとは・・・
ってのは実は分かっていたことでありますw
何となく予兆があったので、サブカメラも持参しておいて大正解だったですね^^
とは言えカメラの画像的にはあんまり納得いってないとこもあります。
さて今回は序章も序章です。
ただのお話の導入部分でございあすw
次回の第一日目の目的地の記事は書くのが楽しみなくらい最高!
そしてその夜の予定していなかった不意の『イベント参加』も至極!
二日目のメインの目的地に至ってはーーー
大発見☆
素敵な西表島旅行だったっすよ^^
気になる方は御出でましい~☆
次回は『日本の南方の煉瓦』と『廃集落探索』(藪漕ぎ)
自分が言うのもイヤラシイけれど見て損は・・・無いと思います^^
(忙しいのでお返事等々は後日ということで)