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第64話「ちょっと未来に行ってみた」フローラS&アンタレスS

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うっ・・・イテテテテ・・・。
何が何だか分からない。
ジャリジャリとした小石や砂粒が頬っぺたに付く感触ということは・・・
ボクは砂利道にでも寝そべっているのだろうか?

ふと重たい目を開けると懐かしいような、でもどこなのかさっぱり分からないあぜ道に自分が横たわっていることに気づいた。

ちょいのり・汗2.jpgどこだよ・・・ここ?

むくっと体を起こし、辺りを見回すボク。
・・・でもやっぱりここがどこなのか分からない。

うん。でもなんだろう? なぜかここは好い空気だ。

ボクはしばらく呆けていた。周りの草木をボーと見つめながら。

・・・ふと、我に返る。「そういえば・・・なんでこんなとこにボクはいるんだ?」
何か知りたい!少しでも自分のいる状況を知りたい。

「!?」・・・ああ!あったじゃないかよ!
今の自分が、今の時間が分かるアイテムがさ。

ボクはジーンズの後ろポッケにあるであろう、携帯電話に手を伸ばし、それを手に取った。

パカ・・・。

折りたたみの携帯を開いたその液晶画面の隅に表示された数字は

「2010年4月25日(日)12:00」

ちょいのり・汗2.jpgんんん・・・今日・・・だよな? さっきまで最終電車の中で見ていた携帯画面の日付と同じだし。

でもなんでこんなところに?しかもなんで昼なの?

そう。なぜか同じ日付だけれど、昼夜がおかしい。
今は陽がさんさんと射す真昼の時間だ。

はあー?なんだよコレ?と、途方にくれていると、道の向こうから人がやってきた。

あなたはだあれ?.jpg

見たことあるような無いような。知っているような知らないような。・・・そんな曖昧な感覚に囚われる「人」が前から歩いてくる。

ボクはなぜか急いで笑顔を作って会釈をし、思わず声を掛けた。

「何でしょうか?」
そう言った彼の容姿は初老の男性だ。年の頃なら50も半ばだろうか?

ちょいのり・汗2.jpg「あの・・・ここはどこでしょうか?」

そのボクの言葉に少し躊躇しながらも男性は言葉を返してくれた。
でも、ボクが希望した答えとは少し、いやだいぶ違ったのです。

「ようこそ、未来へ」

・・・・・・・・・はい? どういうこと?

質問をしておきながら訳の分からない答えが返ってきたことに途惑っていると・・・

「懐かしい感じがしませんか?ここの風景」と初老の男性は目配せで周りの風景をボクに見回してみろと促すのです。

ちょいのり・基本2.jpgう・・・・・ん、知らない土地ですが、何だか懐かしいような気はします・・・ね。

「実はですね、ここはあなたの世界から20年後の世界なんです」

ちょいのり・汗2.jpgはい?・・・意味が分かんない。
ボクは携帯の画面に写る2010年4月25日という今日の日付を指差して、何を言ってるんですか?と彼に問い詰めました。

「それでも20年後です。携帯の時間、動いてないでしょ?それ、壊れてますよ?」

・・・そういえばそうだ。このやり取りをしている間にも2~3分は過ぎているはずだが、携帯を見ても確かに分数が何も動いていない。止まったままだ。

・・・なんでだ?

「20年経った今でも、それほど世の中って変わってないんですよ。
まあ~日本の場合なんですがね」

ボクの「あの~ここどこ?」って質問は無視され、どんどん彼の独り語りが続く。

「昔は車が空を飛んだりするのかな?未来は、って思ってたんです。まあ~昔と言っても2010年くらいのころの私の考えですがね。

でもね、少しの発展はあってもそんなに日本って変わってないんですよ?

見てください、緑も普通に残ってるでしょ?

人口もそれほど伸びなくなって、経済もそれほど発展するわけでもなくってねえ~・・・
お金も無いので自然を壊すような土地開発も少なくなってしまったんですよ。

だからね、意外と自然は残ってるんです。不思議なもんでしょ?」

ちょいのり・基本2.jpg何を言ってるんだ?この人って最初は思った。でもちょっと彼の言う「日本の未来なのかも?」って言う世界について、少し頭の中でお付き合いしてみた。

人口が伸びなくなれば経済も停滞する。ようは現状維持みたいなものだよね。
ガンガン土地開発することも必要なくなるだろうし、そもそも経済が停滞してるならお金も無いよな?
意外と何十年経っても未来の景色ってそんなに変わって無いのかもな~

生活様式は変わってるだろうけどさ。

ボクはそんなことを色々考えさせられつつも、口寂しくってタバコの一本にでも火をつけようかと思い、ポケットを弄っていました。

う~んどこにタバコしまってあったっけ?と、いつものタバコの位置、腰横のポケットを探すんだけど見当たらない。

「今日は、久しぶりに電車で座れたからって、タバコが潰されないように胸ポケットに入れかえたじゃないですか」

確かにその通りだった。胸ポケットに手を触れるとおなじみのタバコがあった。

・・・はて? なんで彼が知ってるの?
そんな自分しか知りえない情報に彼へと疑いの目を向ける。

ラスト・台詞.jpg

【東京11R フローラS】
⑮サンテミリオンからワイドで③④⑭へ厚め

【京都10R アンタレスS】
⑫トランセンドから馬連・ワイドで⑪⑬へ厚め☆





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ニャラーズ

夢ですか?気になります。

by ニャラーズ (2010-04-28 12:16) 

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