このくらい強く言ってもいいと思うよ? 新☆緊急地震速報とか [この夏ボクは疎開します]
『あれ?なんかブリの刺身がキレイにひけないんだけど・・・』
その時ボクは丁度ブリの柵に包丁をあてがって、単品のブリの刺身に取り掛かってたところだった。
師走とはいうけれど、店のオープン時間の5時きっかりにやってきたたくさんのお客さん達のオーダーに
『いいよね~、5時から飲んで食ってとかうらやましいぞ、この暇人な連中!』とか、決してお客様に言えない様な愚痴をふつふつと胸に思いながらも(w)
せっせこと、お刺身やら白子ポン酢やらサラダ物なんかを作っていたわけさ。
と、そこへ『あの日』を思い出してしまうような、非常に似通った悪魔な揺れを感じたんだ。
まわりのスタッフも『!?---地震!!!』と、下から来るのが地震というものなのに、なぜか高い目線で周りを見渡すのだ。
この揺れが途中からもっと大きくなったら、まさに『あの日』と同じじゃねーか!と、マジで思ったよ。
それほど初期微動(微動っていうのも変だけどー)が、あの日と答え合わせしてるんじゃねーかと思うほど似ていたきがする。
ま、結局は被害もほぼ皆無だったわけなんだけど。
それでもあの日から続く、めっちゃ遠い間隔の余震だったわけなんだよね(マグニチュード的には約一年ぶりの大きな関連地震みたいだね)
一年を通り越してまでもなお影響を与えるんだから、あの日の地震がいかに大きかったんだよなと改めて思わされた。
こんな大きな地震があっても、年末の居酒屋パワーには恐れ入りました。
・・・正直ぐったりです。
地震に慣れたんだか、前例に耐性がついちゃったんだか、わからないけれども、
地震の話題すら肴にしてお客さん達はお酒のグラスを次々と交換してたよ。
まあ・・・酒宴でのお話だ。
不謹慎とかそういうのは申し訳ないけど、やぼだということで見逃してちょうだい。
多分誰にだってそういうことあるだろうしね。
で、今日は家に着いてから、地震発生当初のテレビがどうだったかが気になってて(仕事中だったしテレビみれないしね)
ネットで検索しちゃった^^
そしたらやっぱり色々と変わってたんだね。
これはNHKの当時のキャプチャー画像。
右上に『津波!避難!』と、大きくテロップが出ていた。
これは今まで無かった表示だよね。
そして、アナウンサーさんの呼びかけもいつもとは違った。
『東日本大震災を思い出してください! 命を守る為に、一刻も早く逃げてください!』と。
落ち着いてしまった数時間後にネット動画で見たから最初は『ちょっとオーバーじゃん?』と思っちゃった。
でもさ・・・
このくらいでいいよね?
おおげさでいいんじゃないかと思うよ。
淡々と伝えて危機感を煽らず多くの犠牲者が出てしまうより、
大げさに言って、その結果なーんもたいしたことなくて文句言われてもそれはそれでいいと思ったよ。
助かる命が多いなら、嘘だろうがデマだろうが虚言だろうが誇大であろうがいいと^^
ま、あとで謝ればいいだけだしね☆
2011この夏ボクは疎開しました本編⑥『嫉妬と恋心』 [この夏ボクは疎開します]
『なんだろう・・・胸の辺りがキュッとなる』
・・・病気? ううん、なんかそういうんじゃない感じ。
三春は三春は胸の辺りのじわー・・・ってくる感覚が気になって自分の服ごとわし掴んでみたの。
・・・あれ?
んん・・・治まらないよ。
なんでだろ?
ケンケン(賢治君)と知らない誰かさんが一緒に居るとこを見ただけなのに、なぜか三春は三春はオカシイです。
楽しそうに二人でお話してるの見てると、どろっとじわじわと心臓に向って少しづつ嫌な雫がこぼれてくるような感じなんです。
---あ、バイバイしてる。
ケンケンと知らない誰かさんが離れていくと、私の胸のドロドロしたものは少し治まりました。
明日はもっとケンケンとお話してみたい。
色々ケンケンが知らないところに連れてって、驚かれたり、へえ~って感心されたいです。
第473話にして、2011この夏ボクは疎開しました本編⑥話スタートです
『ねえーねえーケンケン!ここ見て見て! あの大震災の時の津波って戸田にもここまで来たんだよ☆』
私が港の岸壁を落っこちそうに覗き込みながら説明すると、ケンケンは『え!?・・・あんなに・・・離れた場所で大地震があったのにここまで来るんだ・・・ね』と、驚いてくれた。
別に嬉しいことじゃない。
地震とか津波なんてサイアクです。
でも反応がちょっと薄いケンケンから驚きでもなんでもリアクションが取れたってだけでなぜか嬉しかった。
津波と言うキーワードには彼が気づいて無いのかもしれないんだけど、
少しピクリとしたものを感じた三春はね?それで攻めてみたの^^
『この戸田にはね?勿論津波の被害からすぐ逃げられるように避難経路があったりするんだあ^^
ま、すぐ裏手は山ばっかだし~東海地震で言われてる10数メートルくらいだったら平気なんだよ! えっへん☆』
ケンケンが三春の三春の言葉に反応してこの戸田の周りをぐるっと見回してくれる。
『確かにすぐ山ばっか・・・だね。でも・・・おじいちゃんおばあちゃんとか急いで上がれる・・・のかなあ』
『えっと・・・それはそれは・・・えへへ^^; あはは^^; ダメそうだねえ。しょぼーん』
三春の三春の答えにケンケンの表情が一気に曇りがち・・・
ううう・・・ケンケンが悲しそうな顔をすると三春の胸の辺りもじわわ~って変な感じ。
だから三春は三春はね?少し話題を変えてみた。
『この戸田といいますか~沼津にはじゃじゃじゃ~ん!日本で一番に建設された“津波非難タワー”なんてのがあるんだよ~^^
どお?すごいでしょケンケン♪』
『わあ^^ そういうのはいいね!』
あ、喜んでくれた!
なんだかとっても嬉しい!
いままで三春の胸の辺りを『普通』と『もやもや』が行ったり来たりしてたけど、なんか今はとてもじんわり温かいキガスル^^
---でも直ぐに裏返る。ドロドロに・・・
『その・・・津波避難タワーって一杯あるの?^^ 結構高いのかなあ^^』
ちょっと笑顔っぽく言ってくれたケンケン。
でも三春の三春のお返事にその笑顔もまた曇っちゃったんです。
『えっと・・・1個だけ・・・かなあ^^; 高さは・・・11メートルって、遊びでこっそり登ってきたお兄ちゃんが言ってた・・・かも』
『それじゃ・・・全然助からない・・・と思うんだけど・・・。しかも10数メートルって言われてるんでしょ?
いつ来るんだかわかんない東海地震って』
少し棘のある言い方だった。
三春の三春の胸にも棘がグサグサと刺さりましたよ。
『ゴメンナサイ・・・ゴメンナサイ・・・』
三春的にこんなすぐ謝るキャラじゃないって思ってたのになぜか謝っちゃった・・・
『ううん、ゴメンネ。み、みーちゃんが悪いわけじゃないんだけど、・・・なんかこんなんで大丈夫なのか・・・なあって思って^^;
は、はじめてみーちゃんって呼んじゃったけど、みんなが言ってるし・・・いい?か・・・な^^;』
・・・!?
『いいよ^^ みーちゃんで☆ だって友達じゃん!』
(嬉しい! めっちゃ嬉しい♪)
---その後は
戸田をあんまり知らないケンケンをいっぱい連れまわしたんだ^^
『魚とかケンケン好き?』
港に干されているみりん干しの魚を指差して三春は言ってみた。
『うん。でも・・・お肉の方がちょこっと好き☆』
『お肉かあー、都会っ子のケンケンぽいね』
『う・・ま、まあね^^;』
(三春は賢治が福島県の海育ちってことは知らない)
『コンビニとかは無いんだけど、このマリンマーケットなら色々あると思うよ^^ あとは・・・ごめん!沼津の方に行かなきゃあんまり無いよ~w』
お土産屋さんと日用品売り場が一緒くたになったようなお店を数件覗き込んでから限りなくスーパーに近いお店を紹介した三春です^^;
そんな三春の住んでる苦笑いな田舎な説明に、ケンケンはーーー
『いいじゃんこういうの^^ ボク、こういうの好きだよ^^』
と、田舎完全否定しないでくれた!
嬉しい♪
---夏の日の明るい夕刻時を迎えつつあった頃
『今日もなんだかありがとう!み、みーちゃん^^ だいぶ戸田マスターになってきた・・・かも』なんてお礼言われちゃった。てへ☆
そして『じゃあ・・・そろそろ帰ろうか。みーちゃん、バイバイ☆』って、
三春に三春にバイバイしようとするケンケンです。
あの・・・
えっと・・・
もう少し・・・喋りたい。
だから三春は三春はね?言ったんだ。
『ケンケン~^^ えっとね、私のとっておきの場所とか見せたいんだけどもうちょっとダメ?・・・かなあ』
少し驚いた感じのケンケン。・・・でも
『うん、いいよ少しなら。とっておきの場所って言われちゃうと・・・気になっちゃうしね^^』
そして三春はね?『こっちこっち!』って、ケンケンの前を走っておいでおいでしたんだーーーー
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
今回は、みーちゃんこと『三春』視点でのお話でした。
この物語の主人公である『賢治君』の最初のお友達である彼女。
実はこの子が前々話でのブログタイトル『属に言う恋なの?』の主人公だったりするのです。
透子ちゃんや賢治君が淡い恋をしたのかな?って思ってたけどそうじゃないのね。
その二人にはいずれ何かしらを用意してますが、ここでは恋とは遠きものだったりです。
っちゅーか、ぶっちゃけると本来なら透子と賢治、そして覚えてるか分からないんだけれど、
たけし君と担任のせんせーは一緒のクラスの予定だったんだけど~
途中でお話違っちゃったのだw
なんだそりゃw
そこで用意したのがこの『三春ちゃん』だったりなんです。
この子が・・・この子の淡い恋心と嫉妬に似た何かがこの後この物語を全部動かしてくれます(非常に便利なキャラといっては申し訳ないのだけれど、もしかしたら彼女の物語なのかもしれませんね。裏主人公的な感じ)
しかも三春ちゃんは他の『誰か』とも絡んできます(絡まないとストーリーが破綻するw)
むちゃくちゃ重要キャラなんじゃないの^^;
ただの誰かの妹って役回りって当初の設定だったんだけどなあ・・・^^;
ま、これからも各人の視点を目まぐるしく変えて行き、
そして最後にボクが『この物語で書きたかったこと』に辿り着くと思うので、気になる方は気長に見てくださいね^^
ではでは何話か日常パートを挟みつつ、いづれ続きを書こうと思ってます☆
まさか、みーちゃんが向ったとこって・・・(ワクワク☆)
2011この夏ボクは疎開しました本編⑤『癒えないハート』 [この夏ボクは疎開します]
『パリーン!』
ワタシは母親に居間のテレビの前で抱きかかえられていた。
『大丈夫よ。もうすぐパパが帰ってくるから・・・』
そう言ったママの顔を窮屈な胸元から覗いてみるのだけれど
その表情に、声にはワタシと同じような恐怖感がにじみ出ていたのを覚えています。
『次のニュースです。福島第一原子力発電所からもれ出る放射能汚染問題で・・・が・・・に・・・お・・・』
テレビから垂れ流される原発問題のニュースは怖くて頭に入らなかった。
それよりも早く帰ってきてパパ!
ワタシ怖いよお!
『パリーン!』って言ってるの。
きっとどこか窓ガラスが割れた音。
知らないダレカが割った音。
---この前は塀にいたずら書きされた。
ワタシもママも、そしてパパも何も悪く無いのにみんなどうしてどうして『いじめるの?』
パパが働いてるとこが電力会社だから?
パパが何をしたわけじゃない。普通に考えれば誰だって分かることなのに、こんなの絶対おかしいよ!
『透子。ごめんな』
ワタシは原発問題によって言われ無きいじめを受け、生まれ育った土地を去ることになった。
その時にパパに言われた。・・・ごめんなって。
なんでパパが謝るの?
どうして?
くやしい・・・。くやしいです・・・。
たぶんきっとパパもそうだったと思います。
第472話スタートです。
名前も知らない男の子と御浜崎でまた再会しちゃった。
どうやら彼は1個下みたい。
クスクスクス
ちょっとえっちなこと言うとすぐ慌てるから、からかい甲斐があって面白い^^
といっても別にワタシはパンツ見せたいわけじゃないです。
・・・変態さんじゃないですし。
---ここ戸田に越してきて数日が経ったんだけど
この御浜崎の先っちょがワタシのお気に入り。
ここで遠くを眺めれば
ここで海を見つめれば
ここでヒンヤリとした海に足をチョコンとつけてると
少し色々忘れられる。・・・気が・・・する・・・から。
でも足りなかった。
そこに彼が来てお話し聞いてくれた時は嬉しかったな。
いつのまにか色々と嫌なこと忘れてました。
・・・ああ、名前聞いておくんだった。
『ねえねえ?』とか、名前も呼ばずに会話して、時間が過ぎてっちゃったなあ。
今度は聞いてみよう^^
でもふつーに聞くのも面白くないので
『おねーさんのパンツが見たかったら名を名乗れ!』とかイジワルしてみよー^^
クスクスクス
絶対嫌がるだろうな。でも反応が楽しい^^
---名残惜しいとは思ったけれど、ワタシからバイバイを言って彼と御浜崎から離れた。
少し浮かれ気味で砂浜をキュッキュと踏みしめていたけれど、
それもやがて舗装されたアスファルトのゴツゴツとした道へと変わる。
夏の入り口だと言うのにそのアスファルトはとてもワタシに冷たく感じさせたのです。
ワタシの今住んでるところは
港から少し上がったところにあるお寺の近所のアパート。
正直何もまわりにありません・・・。
ワタシはまっすぐ帰ることが出来なかった。
ふと狭い路地を見つけ、壁に手をついた。
やっぱりこれも冷たい・・・
『本当は・・・さっきの男の子と同じように、最近まで当たり前に友達と遊んでたのに・・・なあ・・・』
なんなんだろ?
どうしてなんだろ?
さびしいよお・・・
寂しくて悔しいよお・・・
ワタシはいつの間にか泣いていました。
男の子との楽しいひと時が紛らわしていたのは間違いなかったのですが、
楽しかった時をより思い出してしまった。
そして家族・会社ごと受ける『いじめ』に対してのキモチが胸の奥底から湧き出てきてしまった。
あんなに当時泣いたのに、いくらでも出てきます涙。
---ふと、涙でぼやけた視界の向こうに人影が見えたのでワタシは我に帰る。
パパから貰った麦藁帽子をギュッと深めに被り、何事も無かったようにその人影とすれ違う。
『こんにちは』
なんかすれ違い様に言われたような気がするのだけれど、もしかしたら泣いていたのを見られてしまったのじゃないかという気恥ずかしさで、
コクリとお辞儀をしてみせた程度で通り過ぎてしまいました。
顔を見ないですれ違ってしまったことに少し後悔。
知ってる人だったらもっと悪い気がして、いくぶん歩みを進めてからワタシは振り返った。
角を曲がる人影が一瞬だけれども見えた。
たぶん、ワタシと同じような女の子だった気がしますーーー
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
まさかすれ違った女の子って・・・
それは次回に続くw
今回は長くなりそうだったから、キリの良いとこで一旦切り上げます^^
そういえばロケハンした割に画像一枚じゃない?
ロケハン意味ねーw
別に今回の話だけの為にロケハンしたわけじゃ無いんだからね!勘違いしないでよw
撮り溜めですよ撮り溜め☆
2011この夏ボクは疎開しました本編④『これが属に言う恋なのォ?』 [この夏ボクは疎開します]
『へぇ~君って千葉から転校してきたのお?都会っ子じゃん^^』
福島から千葉へ。そして今は静岡県は戸田という地区に越してきたボク。
あの大震災。そしてあの原発事故でボクは最初の引越し先の千葉県の学校で
『いじめ』を受けた。
福島に住んでいたから・・・。
ただそれだけで『ふくいちもんめ』と、周りの子に嫌がらせを受けた・・・。
『ほーしゃのーがうつるだろー!』とか、
『お前のパワーは1000ベクレルだキャハハ☆』って・・・。
入院していたお父さんを病院ごとボクから奪った津波。
憎い。
悔しい。
泣きたい。
ううん。さんざん泣いたよ?ボク。
ねえ知ってる?
泣きすぎると本当に涙って出ないんだよ?
声も出なくなるんだ。
でもね。
泣かなきゃ気が狂っちゃうんだということを
どうしようもなくなっちゃうんだということをボクは知ったんだ。
---そんなボクに最初の引越し先の千葉で追い討ちをかけるんだ。
誰も近づかないんだ。・・・ボクに。
お父さんの事で泣くんなら許せるって自分に誓ってた。
だからいじめられても泣かなかったよ?ボク。
・・・つらかったけど。
でもお母さんに勇気を出して相談した時は堪え切れませんでした。ゴメンナサイ・・・。
お母さんの『千葉から引っ越してきましたってことになるから』と、提案を受けて更に引っ越した。
それが戸田。
『イントネーションには気をつかおうね』とボクを抱きしめながら、転入手続きで訪れた学校前でのお母さんの悲しい顔は一生忘れない。
---6月後半
ボクは新しい学校に通うことになる。
ボクが福島から来たことを知っているのは校長先生と担任の先生とボク達家族だけ(※物語上、別の主人公『透子』と『たけし』の担任も知っています)
方言っていうほどの方言なんてボクにはないよ?
・・・でも、言葉のイントネーションはやっぱりどこか違う部分があるのは千葉の学校の時に分かってた。知ってた。
だからボクはボロをださないようにださないようにと、少し無口な男の子にまわりの子っちには映ってたのかもしれなかった。
でもそんなボクに声を掛けてきた子がいたんだ^^
『どーもすみませーんw こんな田舎によーこそー!てへへ~ で、賢治君ってめちゃ都会っ子じゃーん^^
ねーねーねー!色々教えて教えて~♪』
とても明るい女の子。
この子が喋り出すと自然に別の女の子男の子が彼女の後ろから『何?何?』って沸いて近づいてくる、うーん・・・なんだろ?
なにかゲームの魅力パラメーターが最大値なんじゃないかな~って感じの娘でした。
ボクはイントネーションに気をつかいつつ、でも彼女に色々と答えてみせる。
『千葉って都会・・・かな?』
『少なくとも戸田よりはw にゃはは^^ だってここツタヤとかないよ? 沼津まで行かないとないもーん^^;
千葉って関東でしょ?でしょでしょ?
町に一軒は必ずツタヤがあるって聞いてるよ~』
東京に近いところはそうだけど・・・そこまで都会じゃ・・・
『えっと・・・ツタヤが都会基準なの?^^;』
『えへへ~、別に漫画喫茶でもいいかなw どのみち戸田には無いんだけどね☆』
彼女の言葉に皆が笑う。
・・・ああ、なんだろう? このキモチ。
東日本大震災が起こる前までは、ボクもこんな感じだったじゃないか。
周りに友達がいて楽しかったじゃないか。
思えば今よりたくさんボクも笑うことがあったんだよな・・・
ーーーこの子に声を掛けてもらって正直うれしかった。
なんかちょっぴり、うまくやっていけそうと思った。
彼女の名前は三春。みんなからは『みーちゃん、みーちゃん』って呼ばれているクラスの人気者だったんです。
『ではではこの町をわたくしめがご案内なさってよ?おほほ~^^
コンビニ・ツタヤは無いけどさ~(実際にはあります)
それでも楽しいとこいっぱいあるから紹介させてよ賢治く~ん^^
ううん。今から君は『ケンケン』ということで!』
そう言いつつ、彼女は後ろの友達たちに振り返り、
なかば強制的にボクが『ケンケン』というあだ名になったのを納得させていたのだ。
おかげでボクはいつのまにかケンケンです^^;
でもなんか嬉しかった。
みーちゃんのおかげで新しい学校生活はとても楽しい。
今までのことを考えると幸せだった。
---でも、それでもボクはイントネーションには気を使う生活は忘れていなかった。
楽しい。けど少し窮屈。
そんなもやもやを癒すのに、ボクはこの戸田の御浜岬にたまに出かけるのでした。
ここにいるだけで、ここから景色を眺めているだけで、少し嫌なことも忘れるからだ。
---そこに、数日前に出会った麦藁帽子をかぶってるお姉ちゃん(らしい。学年1個上)をまた見つける。
うーん・・・見つけたんだけど・・・
『あの・・・お姉ちゃん・・・。そんなとこで・・・何してるんですか^^;』
『見ればわかるでしょ? 帽子が飛ばされて木にひっかかっちゃったから取ろうとしーてーるーのー。うんしょ!うーん・・・とどかなーいなー』
前回は海に帽子落っことしてたのに、今度は木ですか^^;
よくブーメランのように飛ぶ麦藁帽子ですね^^;
『あ、危ないですよ・・・誰か呼んで来ましょうか?』
『へーきへーき^^ ホラ!』と、
両腕を木の幹に抱きついたまま、起用に足先を枝に掛け、ゆさゆさと揺すって見事麦藁帽子を落とすことに成功したお姉ちゃん。
---すると、
よいっしょ!と掛け声と共に抱きついていた木の幹から両腕をパッと離して飛び降りてくる。ええええ!?
ボクには絶対無理な高さからのダイブ!
『格好に似合わず、結構お姉ちゃんってワイルド・・・ですね^^;』
『ああ~この白いワンピースぅ? これってね、私が危なっかしいことしないようにわざと動きにくくて、パッと見、おしとやか~って見えそうな服ばかりをお母さんが選んで来るんだよ^^;
いわば”おしとやか養成ギプス”です!』
・・・なんだそりゃ^^;
まあ、少なくとも本当はワイルドなお姉ちゃんだったことだけは理解できた。
『で、君?』
『はい?なんでしょ?』
脱いでいた靴をトントンと履きなおし、ゲットした麦藁帽子をかぶりつつ振り返りボクに問いかける。
『君、私のパンツ見たでしょ。やっぱり君はエロ小学生だね☆』
『み、みみみ見てませんよ!!! 』
『ほんとかなあ~? ま、そういうことにしておくね少年☆』
いや・・・1個上なだけで、お姉ちゃんだって小学生じゃんか^^;
えっと・・・ちょっとだけパンツは・・・見えました。はい。
でも見えたなんていうわけないじゃん!
『あれ?おでこにパンツ見ちゃったけど内緒にしとこう!って書いてあるよ~^^』
『書いてありませんから!』
彼女の思うがままに振り回されるボク。
でもなんか色々ともやもやが吹き飛んでいた。
ここに来るのが楽しい。
・・・お姉ちゃんがいるから・・・楽しい・・・のかな?どっち?
ワカンナイや!でも楽しいのは間違いが無い。
『お姉さんのパンツは何色だったかゲームしよっか?』
『いやしませんから!意地でもボクがパンツ見たことにしたいんですね^^;』
『ま、そんなとこ~♪』
いつのまにか二人で浜辺でおしゃべりをしていた。
相変わらずへんてこりんなおねーちゃんなんだけど、話していて楽しいんだ^^
いつのまにやらそれは日が沈むまで続いていたことに気づく。
『じゃ、私のパンツが見たかったらいつでもここに来なさいエロ小学生!学校終ったらだいたい私はここいらへんにいるからさ』
『え・・・エロはよけいなんだけど、ああ・・・はい^^ じゃ、バイバイ!お姉ちゃん』
『達者でな~』と意味不明な言葉を発しつつ、先に大手を振って走って帰るお姉ちゃんを見送るボク。
なんだろう。
また会いたいと思ってしまったボクは、彼女が見えなくなるまでずっと見送った。
あれ?そういえば名前もまだ知らないじゃん。
今度会った時は聞いてみよう。
ううん。聞いてみたい。
もっとお喋りしたい。
そう思いつつ、ボクは少しにやけた顔をしつつ家路に向ったのでした。
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
最後の絵が気になるんだけど・・・
それは次回以降のお楽しみっつーことで☆
2011この夏ボクは疎開しました 本編③『ステーション・ブラックアウト』大熊みどりの独白 [この夏ボクは疎開します]
『正直、がっかりです』
私はお刺身が大好き。
子供の頃は生臭くてとてもじゃないけれど好きじゃなかった。
当時、回転すしが流行り出した頃でもあって、たまに連れて行ってもらえた回転すしには喜んだものでしたが、
食べるものと言えば『玉子』『かんぴょう』『納豆巻き』(キュウリはプラスチックみたいな草でも食べてるんじゃないかと思うほど苦手)
当時の親たちから見れば安上がりな省エネ少女だったかもですね^^;
家計に優しいネタばかりで。
・・・あ、そうそう。
ぐるぐる周ってるデザートとか眺めるのも好きだったかも♪
あれは私のだ!
でも、デザートなんて後にしなさい!なんて言われるものだから、2~3種類あるデザートの中からひとつだけ目ぼしいものを私のお気にと勝手に決め付けて、
他の家族さんの子供に取られまいーーー取られまいーーーと、ぐーるぐるの向こう側にいる子供の視線にドキドキしてたのはいい思い出かな。
・・・結局食べられちゃったけどね(や~ら~れ~た~とか思いましたよ)
そんな私でしたが、大人に向っていくにつれ、少しずつ生のお刺身に興味をもつように、
そして好きになっていくのです。
あれはマグロや白身も手巻き寿司でこなせてきた頃かな?
うん、確か高校生の修学旅行の御夕食。
まだまだタコとイカが苦手だったのですが、それが出てきちゃったんですよ。実にご登場でございます。
残してもかまわないのだけれど、他のみんなはふつーに食べてるじゃありませんか!
ううう・・・これは箸をつけないと。
---恐る恐る私は細切れにされたイカちゃんをワサビめちゃんこたっぷりつけて口に運んだのです(イカもなんか白いプラスチックみたいで、くちゃくちゃした食感でダメだった)
---!?
---あれ?
・・・なんで?
ど・ゆ・こ・と?
イカってこんなに甘味のある食べ物だったんですか!?
---私は、不思議と今までの嫌いを飛び越えて好きになってしまったのです。
それからはむしろお刺身・お寿司好き!って感じになりました^^
大人になった今、この辺ぴな土地。地方の都市部からも離れた漁村に教師として赴任したことには感謝しちゃってたりなんです。
そりゃ・・・最初は、すみや(ヤマハ系の静岡県の音楽ショップ)もファーストフードも無いと嘆いた一応の若者ではありますが、
目の前に広がるは駿河の海。
晩酌のお供には事欠かない。
イマドキの子供の扱いに四苦八苦、少ない同僚 や諸先生方からのプレッシャーにも四苦八苦、そして自分の不甲斐なさにストレスをためることもありましたけれど、
仕事から帰ってきてからの缶ビール数本とお刺身が私の一日を癒してくれたから明日もその次も頑張れる。そんな気がしてます。
---そんな教師一年目の春のある日、
『東日本大震災』が起きたのです。
地震や津波で多くの犠牲者を
そして生活の何かを色々と日本から奪っていった。
ーーー正直、日本というのは地震は当たり前。
大地震を経ては日本は繰り返し復興し、そして発展をとげる底チカラの目いっぱい詰まった人たちの集まりだと思ってましたよ。
強くて優しい国ですしね^^
・・・でも 、今回はそうさせてくれなかった。
中々立ち直りというものをゆるしてくれなかったように思います。
それはやはり『原子力発電所の事故』が原因のひとつになるのではないかと。
そんな折、6月の後半に我が校は2人の小さな転入生を迎え入れることに。
どちらも前の生活で『難があった』ようです。
私はそのうちの女の子の担任となったわけです。
『母親には震災や発電所問題に関してはデリケートなので考慮していただけないでしょうか?』と、優しく、
でもその目は実に真剣に釘を刺されたわけです。・・・が
そんな中、私は彼女の最初の登校日となった日の帰りの会の時間を大幅に割いて、彼女を含めたクラスメートに再び、
『原子力発電所問題』について触れてみたのでしたーーー
ガヤガヤガヤ・・・
1元目始業開始前 、教室のクラスメートがいつもよりざわめいているのが教室外からも分かった。
私の傍には転入生の女の子。
どこからか察しの良い子が情報を嗅ぎつけたのだろう。
恐らく新しい転入生の話題でざわついてるのだと予測した。
『可愛い子だったらなんでもいいっつーの ☆』
『だよなー!』
『男子ってばそればっかり。サイテー』
大きな声でみんなに話題をふってるのは、恐らく私の天敵『たけし君』だろう^^;
まあ・・・転入生って妙に期待してしまうところはせんせー否定はしないんだけれど。
私のそばで緊張しているのがありありと分かる透子ちゃんにはなんだか聞かせたくないデリカシーの無い言葉である。
私も少し緊張し、普段はガララと普通に開けるドアなのに、一呼吸間をおいてから教室に飛び込んだ。
『はじめまして・・・夜ノ森透子です。よろしくおねがいします』
私が黒板に書き上げた彼女の名前をバックに、緊張した面持ちで彼女は言葉を搾り出す。
あんなにざわついていた教室が一瞬しーーーーーんとなる。
ちょ、たけし君? いつもらしく何か言ってあげなさいよ!
沈黙は彼女に負担となりえると思った私はすぐさま言葉を続けた
『じゃあ、今日から新しいクラスメートが増えたわけだけれど、みんな仲良くしてやってね^^ わからないことはえっと・・・そうそう。学級委員のたけし君に聞いてね透子ちゃん^^』
『はい』
少し甲高い感じのお返事が彼女から返って来る。
席はどこどこねと指示し、改めてクラスメート総勢23人として私の授業、そして彼女のここでの新しい学校生活がスタートした。
---たけし君が少し大人しいのが不思議だけれど。
2011この夏ボクは疎開しました本編②『秘密の共有』 [この夏ボクは疎開します]
『あの子達に普通の学校生活をお願いします』
---夏休みを間近に控えた6月の後半、 2人の転校生を迎え入れた。
小学校5年生の男の子と、6年生の女の子。
それぞれ学校で、保護者と子供さんと校長。そして私の4人で転入の面談をしました。
本来なら6年生の女の子の担任となる私でしたので、5年生の男の子の保護者様を交えた面談には私は居る理由など無いのだけれど、
事情が少々違っていたみたいなのです。
どうやら大震災での言われ無きイジメを受けた子達の受け入れだったようで、
今思うとおそらく・・・自分でも震災・原発問題に自意識過剰なんではないかと思ってしまう私を校長は横に座らせたのでしょう。
保護者様に転校に際しての説明を一通り。
次に校内の簡単な説明、通学路がどうだとかと、流れ的にお話をいたしました。
時間にして30分程度でしょうか。
普通なら後は地域の説明などをして軽く談笑して『では、〇日から宜しくお願いしますね』なんて言って終っていたのでしょう。
・・・でも違いました。
『子供にしばらく校内を見させてもよろしいでしょうか?』と、母親。
『どうぞ、かまいませんよ』と、校長。
子供にはツマラナイ話ばかりだったのでしょう。少し嬉しそうに出て行ったのです。
---すると
先ほどまでの淡々とした保護者様とのやりとりが、一変するのです。
その表情はじつに重々しい。
『原発問題にはなるべく触れないで欲しいのです』(女の子の母親)
『福島から転々と移住してきたことは誰にも他言しないで欲しいのです』(男の子の母親)
2人の母親にこう言われたのです。
『この事は、この場の3人の秘密ということでお願いいたします』と、やはり2人の母親からお願いされたのです。
ーーーイジメか。
しかも原発問題で・・・
人って言うのはなんでまたこう・・・弱い立場の人を創り上げ、そして攻撃をし、もてあそぶのだろうか。
大人も子供も同じくして。
教育者の端くれとして、人として、この子達を守り、そして闘おう。
---そうあらためて誓った。
ただ・・・原発問題に触れないでくださいとの切望には、
私は少し心のどこかにモヤモヤしたものを感じたことは事実ですーーーー
2011この夏ボクは疎開しました本編①『癒しあいごっこ』 [この夏ボクは疎開します]
ボクは海を見ていた。
この戸田の海の向こう側にも原子力発電所があるって聞いた。
ボクはギュッと浜辺の砂を掴み、サラサラサラ・・・と手からこぼしてみる。
それはまるで砂時計のようにゆっくりと。
『時間が戻せればいいのに・・・』
なんでだろ。
ううん、知ってる。
お父さんは帰ってこないって知ってる。
地震も発電所もみんな嫌いだ。
大嫌いだ。
・・・いだ・・・。
ーーーふと、御浜岬の大鳥居の前に麦わら帽子をかぶった子を見つけた。
ひらひらした服装からして、たぶん・・・女の子だろう。
・・・が、今のボクには興味が無い。
無かった。
ボクは再び砂浜に目を落とす。
・・・でも何故か気になって再び向こうを見た。
『ええっ!?』
思わず声が出てしまう。
だって・・・むぎわら帽子が海の中にあるんだもん。
ううん、帽子だけならいい。飛ばされたんだねって感じだもん。
穏やかな波の間を釣りの浮きみたいに女の子の顔だけが上下する。
ボクは握っていた砂を投げ、駆け出していたーーー
『何よ君』
・・・えええっ!?
ボクはてっきり・・・
『何その顔。はは~ん、もしかして私が片道切符のスキューバでもしに行くんじゃないかと思ったわけ?
たしかにここ西伊豆はスキューバも盛んだけど、
私、帽子を取りに入っただけよ?死ぬ気なんてサラサラないし。
あったらこんな辺ぴなとこに来ないでさっさと死んでるってば』
『なんだ・・・良かった』
『何がいいのよ。おかげでもう服がびしょびしょよ!』
ボクは駆けつけただけで別に彼女を助けたわけじゃない。
近くまで寄って、周りに大声で助けを呼んだだけなのだ。
だってボク泳げないもの。
その大声にびっくりした彼女が、あわてて麦藁帽子を掴み取り、岸辺に戻ってきたところが今までの話なんだ。
なんか・・・なんで・・・ボクが彼女にお小言言われなきゃいけないんだろうか^^;
勘違いしても悪くないよね?
勘違いでよかったはずなのに、なぜかボクはガッカリ。
音楽の授業でもこんな大きな声だしたことないのになあ・・・
ボクはその場に体育座りをして、不機嫌そうに浜辺に立つ彼女を見上げた
うう・・・、濡れた服が肌に張り付いてるその姿に、思わず視線を砂浜に戻してしまった。
『ん?どうしたの君?』
彼女は数秒だけ首をかしげ、気づいたように濡れたワンピースのあちこちを引っ張って見つめて、こう言い放つ。
『君、えろいね』
・・・最悪だ!
見たくも無いのに勝手に見させられて、その上軽蔑までされちゃうなんて!
・・・いや、ちょびっと嬉しいけど♪
---濡れた服のままでは砂が付いて汚れてしまうのに、彼女はなんら気にすることも無くスカート部分を折り、ボクの隣に同じように体育座りをした。
ボクはなぜかドキドキしてしまった。
そして無言のまま二人してしばらくこの戸田の町を眺めた。
『君ってさ、私と同じ日にここに転校してきた子よね? 』
・・・ああ、そういえば・・・ボク以外にも転校して来た人がいるんですよって、担任となる女の先生に言われた気がする。
『私は6年生よ。君は?』
『ええっ!? ろ、6年なの・・・なんですか?』
『なにそのリアクション。なんだか嬉しくない。もしかして同い年に見えた?』
彼女は、小学校高学年にもなると幼く見えるのは逆に嬉しくないとか、魅惑のぼでぃーをタダ見しといてそんな感想ですかと、ボクにぎゃーぎゃーとざわめきたてるのだ。
でもなんだろう。
なんか、この景色と彼女とで、少し気が晴れている気がする。
ううん。そう気づいたのは後々だったんだけど、少なくとも浜辺の砂をギュッと握っては零して悶々と考えてたあの時よりはきっと気が楽だったと思います。
『その帽子って大切なの?』
『当たり前よ』
そう強い口調で言い放った彼女は、ギュッと、でもやさしく胸の中で麦藁帽子を抱きかかえる。
『これはね、パパがくれたものなの。ちょっと事情があって離れ離れの生活だけど、透子にってくれたのよ』
『透子って言うんだ』
『透子様っていいなさい。年上なんだし。・・・あ、学校で会った時に透子様じゃヤバイからあ・・・
とうちゃんでいいわよ?』
『なんか・・・父ちゃんって変な感じです』
『そっちじゃないし!』と、ボクは背中にチョップを食らう^^;
『私はあんまりこの町が好きじゃなかったんだけど、でもこの御浜岬は好き。海と山をぼんやり眺めてると色々癒してくれるんだ。
・・・で、君は?』
『木戸川賢治です』
『名前じゃないし聞いてるの。なんでここに来てたのかなあ~って思ったの。・・・でも賢治君ね。覚えた^^
じゃーケンケンでいいよね。決定☆』
ケンケン?・・・なんか嫌だな・・・
でも、女の子と秘密の『あだ名』の共有ってなんか特別な気がしてドキドキした。
『じゃあ、私帰るねケンケン^^ 学校で会っても無視するからよろしく☆』
ええそんなヒドイ・・・
『でも私はこの御浜岬の大鳥居の辺りでボーっとしてるかもしれないから、その時は声を掛けてね♪』
震災による原発問題。
それによって引越し先でいじめられたボクにとって、ここで初めて
『友達』と呼べるものが出来た。そんな偶然の始まりでした。
皆さんお久しぶりです☆
居酒屋の仕事の方が楽だったなあ~なんて思う今日この頃ですよw
さて今回から『この夏ボクは疎開しました』シリーズの本編を書いて行こうかと思ってます。
今までの話って本編じゃなかったんすか!
今までの3話『ふくいちもんめ』『電力会社の女の子』『マスクを取らないせんせー』は、キャラクター紹介みたいなものよね。
ま、そういうことだ^^
一応、前作までの話を読んで無くてもなるべく分かりやすくは描いて行こうかと思ってる。
設定的には、原発問題で『訳あり』の男の子・女の子が静岡県は伊豆『戸田地区』に引っ越してきたって物語だ。
そこで、キャラを通して原発問題なんかに触れてみようなんていう浅はかな考えなんですな。
浅はかとか言うな^^; これでも色々考えてるぞい。
ま、このシリーズは超不定期です。あんまりキニシナイデください。
キニシナイデくださいとは今言ったけど、やっぱもうすぐ一年を迎えようとして皆忘れてしまっていることも多いかと思うので、気に掛けてくれるといいかな。
では次回からは、この賢治君か透子ちゃんに『危機』が訪れるところから話が進む予定です。
前作3話からすると物語色が増えると思いますが、気になる人は見てやってくださいね^^
ではではまた今度^^
※過去の話はサイドバーのカテゴリー別からか、記事内のリンクから辿って見てください^^
2011この夏ボクは疎開しましたep3『マスクを取らない先生』 [この夏ボクは疎開します]
ハア・・・ハア・・・ハア・・・うぐっ・・・。ゲフォッ・・ゲフォ・・・カハッ!
カラカラに乾いた喉の中で、つばがべとべとと糸をひく・・・
どこまで行っても『逃げられない』
なんで追って来るの?
どおして逃がしてくれないの?
ーーー最近見る私の夢はこればかり。
暗闇の中で逃げ惑う私の夢。
え? 何から逃げてるかって?
それは・・・『見えない何かです』
---男の子と女の子が転校してくる前の6月後半のお話ーーー
『先生ってばいっつもマスクして、モゴモゴしちゃって何言ってるか全然聞こえないっつーの!』
それに呼応して、他のクラスメート達もクスクスと笑う。
クラスの生徒の一人・・・と言いますか私の天敵な悪ガキのタケシ君が、机の上に足を投げ出さんばかりに嫌味というか皮肉をいう。
・・・大人に大してこうも悪態をつくとは。むむむ・・・く、くそガキ・・・。
---私こと大熊みどりは去年、ここ静岡県の小さな漁村『戸田』の小学校にに赴任した。
近所に住んでいた伯母が先生で、幼少の頃から可愛がられた。
そして授業以外のこともたくさん学び、私はいつしか『伯母さんのようなせんせーになりたい』と、教師の道へと進んだ。
・・・教師を目指していた頃は夢があった。
ドラマの金〇先生じゃないけれど、クラスを受け持ち、生徒一人一人と親身になって、色々と一緒に悩み解決して、そして感動の卒業!
そんな感じ♪
・・・それがどうですか?
今のガキんちょは、へたしたら中学高校生よりタチガ悪い。
ネットで広く浅く、この世の中の理を早くから知っちゃってるものだから、まあー授業しずらいしずらい^^;
『せんせー、しらないのォー?』なんて、携帯もった男の子に指摘されることなんてしょっちゅうです。
そりゃー先生だって、万人じゃないのよ?先生一年生だし。
だからといって、お手軽簡単に携帯でWIKIとかを見れちゃって、小バカにされるのもくやしい・・・。
それが小学生だから余計くやしくて、そして知識で負ける自分がくやしくって・・・
いつか辞めてしまおう。いつか辞めてしまいたい。
でもそれじゃ情けない・・・。でも楽になりたい。
そう思いながらも一年を過ごそうとしていたわけです。
ーーーもうすでに教師として失格ですね。自覚してます・・・。
そんな折、あの地震、あの大震災が起こりました。
音楽の授業で卒業式の学年合同で歌う楽曲の練習をしたあとの、帰りの会の時間でした。
幸い震度は4程度でしたが恐ろしく長い揺れ。
(伊豆地方は、のちに同時間帯に誘発地震が発生していたことが明らかになっています)
---正直最初はうろたえました。一人ではパニックになっていたと思っています。
そこにーーー
『先生!どうするっつーてばよ?』とタケシ君の大きな声。
ハッとしました。いけない!こんなことじゃ。
『みんな!防災ずきんを被って直ぐに机の下に隠れなさい!』
---地震が収まってから一番手伝ってくれたのは、実はタケシ君でした。
『おーい女子女子~!泣いてんなっつーの!』と、半分強引ながらも床にへたり込む女の子の手を引っ張ってあげたり、
地震の話題で盛り上がり中々私の言うことを聞いてくれない男の子達に
『おらおら、早しろっつーの!』と促がしたり。
正直、助かりました。・・・情け無いですが。
---暫く教室待機との校内放送。
グラウンドとか屋上に避難ということは特になかったですね。
(津波はここ戸田でも確認されています)
---それから2~3日過ぎた頃ーーー
あの『福島の原子力発電所問題』が、大きく取りざたされることになったのです。
(すでに3月11日の夕方時点でNHK放送内でも原発異常は報道されていましたが、あまりにも津波の被害が甚大すぎて、大きな新聞等々では少し後だったと思います)
---私、『何も原子力発電のことを知りませんでした』
電気はコンセントにつっこめば、ちょちょいのちょい^^ くらいにしか思ってませんでした。
いえ、それすら考えたことなかった。
電気が使えるのは当たり前。そんな風に、空気みたいなものだと思ってました。
停電の時くらいでしょうか。かといってありがたみを感じるどころか、ドラマが見れないとか文句言ってる始末でしたけど・・・。
それから次々と明るみになる原子力発電の実情、恐怖。
特に『放射能汚染問題』には、真剣に耳を目を傾けるようになったのです----
---4月ーーー
五年生で受け持っていたクラスメートは、六年生になってもそのままスライドで私が受け持つことになりました。
さすがに、一年以上を過ごした子供達です。
当初よりはだいぶ言うことを聞いてくれるようになりました。
また、相談も受けたりすることも増えてきたと思います。
私もまた、そんな彼らの為に授業をたまに改変し(教頭には内緒ですよ?)
テレビのお話やゲームの話など、授業内容とは、ちょっと離れたお話などをして、彼らに少しづつでも溶け込んでいけたような気がしていました。
・・・まあ、相変わらずタケシ君は人のあげあしを取ると言いますか、小憎らしいガキんちょだったのは変わらないんですけどね^^;
でも、そんな彼が、なぜか『学級委員』だったりするから驚きです。
---5月も半ば過ぎた頃から、テレビで地震や津波そのものを報ずることが少しづつ減ってきているように思えました。
その代わり放射能汚染の話題が連日話題になっていたと思います。
ーーーここで正直を更に言わせていただきます。
私、最初は『遠くの話』だと思っていました。
でも違うのだと。
ここ静岡にだって『浜岡原子力発電所』が存在します。
駿河湾を挟んで、ここ戸田とは約70㌔だけれど、
何しろ直ぐ東側。仮に『何かが』起きた時、被害を免れないのは間違いの無いことです。
しかも流通経路が発達した現代です。こんな田舎なとこではありますが、いつか汚染物質・汚染された食物などが入ってくるのは間違いの無いことだと、この頃から自覚したのです。
・・・それが、私の場合『極端』になっていたのかもしれません・・・。
この頃からーーー。
(当時は、セシウム汚染マップなど公表もされていませんでした。実際、この静岡の東部・伊豆方面も汚染マップを見る限りでは、まったく被害がないのか?と言われればそれは嘘ですね。
それと共に、これほど広範囲に放射能汚染が広がっていることに恐怖を覚えたのは、9月を過ぎた頃でした。非常に遅い!情報が・・・)
『せんせー? なんで最近マスクしてるんですか?風邪?』
『ううん、風邪じゃないのよ?』
『じゃあーなんで?』
---この頃から私は常にマスクをしていました。
通勤どころか『授業中』も。
『マスクなんて効果あるのか?』と、同僚や教頭に指摘されましたが、私は決してはずしませんでした。
せいぜい、給食の時間にマスクをめくり上げてチョコチョコと食事をとる時ぐらいです。
『ちょっと前に流行った新型インフルエンザじゃないんだから~』
などと、八百屋さんのオバサンにも笑われてしまいました。
---笑わば笑え。無知め。
・・・そんな風に、なぜかこの頃から自分が少し不安定になり始めていたような気がしています。
ーーー6月を迎えた頃、汚染牛、偽装問題などがさかんに取り上げられるようになりました。
私は、普段の食事にすら気を使うようになりました。
西方の遠い友達のおコメを送ってもらったり、水はペットボトル(通販)
その頃から給食にも手をつけずに手製のお弁当を持参していました。
勿論、この過敏過ぎる私の行動に、子供達も疑問を持ちました。
そのたびに、放射能ってのは怖いんだよ?って、諭すのですが、
『そうかなあー』と、あまり関心をもってくれませんでした。
---あんなに私より知ってたりした子供達なのに、これほど無関心なのか?
なんだ。たいしたことはないじゃないか!子供なんて、と、
所詮子供だ。などと、一年前の私とはまた違った子供達への疑念がつのっていったのです。
そこにある日ーーー
『先生、マスクなんか意味あんの?』
と、タケシ君に言われたのです。
同僚に同じようなことを言われた時には苦笑いでその場を濁していました。
いつも能天気でコチラの言うことを中々聞かない彼の言動に、私の心の箍がついに外れてしまいました。
『あるわよっ!せっかくの機会だし、今から説明するから!
いい? みんな席に着いて!
私がなんでマスクつけているかちゃんと説明するから!』
バンッ!と、無意識のうちに教卓を両手で叩く。
静まり返る、もうすぐ昼休みを迎えようとしていた教室。
---なんだ。みんな言うこと聞くんじゃない・・・。
タケシ君も私の普段見せない、いえ、初めて見せた感情の爆発に、無言で席に着いたようでした。
『放射能が恐ろしいってことはみんな知ってるわよね?』
私の問いかけに誰も返事を返さない。
まあいい。
『ちょっとみんなには難しいかもしれないけど説明するからね?
放射能は放射性物質ってものから発するものなの。
すごく簡単に言うとね、その放射能物質ってのは埃みたいなものだと思ってくれてもいいわ。
うん、「悪い埃」なの。
その悪い埃が福島県の第一原子力発電所から飛んで来てるのはみんな知ってるよね?』
ガヤガヤガヤ・・・
近くの子と、小さな声を掛け合ってる声がする。
直接の返事は無いけれど、少しは知っていて、そして反応が多少あったと私は少し満足をする。
『その悪い埃はね? 吸い込んで身体の中に入ってしまうと身体に悪影響をもたらすの。
難しく言うとカルシウムなんかと結合してとかあるんだけど、
それは置いておくね?
その悪い埃。ちょっとなら身体から抜けてっちゃうの。
インフルエンザとかはウイルスだってことはみんなわかってると思うけど。
インフルエンザは適切な処置すればいずれ治るでしょ。
でもね?
この悪い埃は、ある程度吸い込んでしまうと身体から出て行ってくれないの』
(蓄積か短期でどのくらいの影響かは、今回あえて省かせていただきます)
ざわざわざわ・・・
先程よりもみんなの反応があるみたい。
『じゃあ、一体どういう悪影響があるのか分かる人いるかな?』
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・『・・ハイ』
後ろの席で、成績が良く普段は快活な女の子の双葉さんが、恐る恐る挙手をする。
『はい、じゃあ双葉さん』
私はなるべく優しく務め、指名をする。
『えっとお・・・髪の毛抜けちゃったり?とか・・・かなあ』
『うん、それはちょっと極端かも。・・・でもね、いっぱいあるのよ。ありがとう。双葉さん座ってね。
ええとね、人間が生きていく上でのいろいろな機能を脅かしていくのがこの悪い埃。
例えば量にもよるけれど、骨髄というところにまで被爆すると、血液の病気にもなってしまうことがあるのよ。
白血病とかは知ってるかな?恐ろしい病気よ?
あと、これも。
ううん。私が先生として人として一番伝えたいのはこっちなのかも。
特に女の子はよく聞いてね?
この放射能の影響で、もしかしたら子供を『産む』ことも出来ないかもなの。
いえ、産むことは出来るのかもしれない。
でもその代わり生まれてきた子供・・・』
---私はここで一度言葉を切った。
感情にまかせてここまでクラスのみんなに放射能の悪影響について語ってきたものの、
これ以上をこの子達に言うべきだろうかと躊躇した。
もちろん知ってはもらいたい。もちろん知ってる子もいるだろう。
もしくはいずれ知ることにもなるはず。
---私はここで少し黙り込んでしまいました・・・。
『先生、どうしたっつってばよ? ここまで来たら知りたいよ』
いつも悪さをするからって監視下においておこうと、一番私の教卓に近い席にしたタケシ君が大きな声で私に声をかける。
それでも何か気が進まない。
教えることは決して悪いことでは無い。・・・でも小学校での生活で教えてあげるべきことなんだろうか。
---私は、バシッ!とホッペを両手で叩き、覚悟した。
そして続ける。
『うん、ちょっとごめんなさいね。・・・ここで少し私のことを踏まえて説明するからちょっとまってて』
胸に手を当て、すうー・・・と息を飲み込んでから私は話し始めた。
『私はね『女性』です。いつかは素敵な旦那さんを見つけて、結婚し、そして子供を産みたい。
今は中々機会にめぐまれてないけど、いつかは結婚して子供を産みたいと思うの。
私、子供好きだからね』
クラスのみんなは『中々機会が無い』ってところで少し苦笑いを浮かべていたけれど、そんなのはかまわない。
私の目線はいつのまにかタケシ君を見据えていました。
ぶっきらぼうで興味もなさそうだけれど、彼にも是非男の子として知って、聞いて欲しかったからです。
『私はね? 最初は放射能なんて・・・と思ってたのよ? これでも。
でも、いつかの未来に私が子供を放射能の影響で断念しなければいけないなんて悲しいでしょ?つらいでしょ?絶望でしょ?
・・・先生、今から少し君達に酷なことをいいます。
放射能ってのは多量に影響を受けると、細胞にダメージを与えます。
それは子供であれば子供であるほどです。
・・・赤ちゃんはもっとも影響を受けてしまうといっても嘘じゃないかも。
お母さんのお腹の中にいる子は『親の影響』をたくさん受けちゃうの。
障害を抱えた子供が生まれてくることもあるの!
でも私は嫌なの!
私は先生だけれど、女性です。女です!!
自分の子は普通に生まれて普通に育ち、そして恋いに落ちてまた子を宿す。
あたりまえのことをしてもらいたいの!
だから・・・それだから・・・』
---いつのまにか泣いてました。
・・・子供達に先生という身分を忘れて自分の感情をぶつけてしまった。
しかも生徒の前で泣いている。
・・・情けないと思う。
でもーーー
数人の女性徒がシクシクと泣いているのが聞こえてくる。
それは感動したのか恐怖したのか、私の涙に思わずつられてしまったのかはわからないのだけれども、それでもなぜかホッとする。
『先生!大熊先生?』
タケシ君がふいに声を掛けてくる。
『うん・・・なあに?』
私は指で目元のしずくを掬いながらはずかしそうに答える。
『こういう話、またしてくれよな!』
ここまで読んでくれた人はありがとうございます^^
今回のテーマは何? ちょっと見えずらいんだけど。
うーん・・・、今回のテーマは、震災からの時系列のおさらいってとこもあるんだが、簡単に言えば
『教えるのが悪なのか否か』かな。
難しいところですね。一教師がどこまで生徒に教えていいものかは。
まあ。今回はいささか過敏すぎる先生をあえてピックアップしてお話を進めたわけなんだが、
決して大げさじゃないことだよな。
だってさー、9月10月くらいになって、ようやく各地の汚染マップなんて公表しただろ?
その地図じゃ栃木や群馬、埼玉の秩父地方・東京の奥多摩なんか汚染度の酷い赤色で塗りつぶされてましたものね^^;
まあ数値は数日のデータを元に作成されてるようだが、未だに悪影響が広がってるわけだよ。
震災当初にこれを公表してたらパニックだったかもしれんが、これがまた人間のなんたるかで、今更言われてもどーすーんーのーで、みんないたって普通の生活しております^^;
政府の作戦どおりっすね☆ 喉もと過ぎれば熱さ忘れる大作戦!
まあなw ま、でもそうも言ってられない。福島県からもやはり放射能汚染を考えて、住みなれた土地をゾクゾクと離れて行ってるというお話を聞く。
用心にこしたことなし。我が身我が子を思って転校・転勤を余儀なくされてるのだ。
国が動かないなら、自分で動くしかないもんね^^;
これからも、この2011・311からの出来事を記事に書き起こせたらいいかなあ~と思ってます。
さて、いよいよ想定していた全部のキャラを紹介することが出来たと思います。
一話『ふくいちもんめ』での、福島から引っ越してきていじめられた男の子。
二話『電力会社の女の子』での、親が電力会社だからといじめられた女の子。
そして三話の過敏過ぎる先生と、あんまり気にしてないようで熱い男の子タケシ君。
この4人が次回のお話で出会うと思います。
そこで語れるのは何なのかは、今時点じゃボクも分かっていませんが
分かってないのかw
震災・原発で悩んだこのキャラをうまく扱い、そしてお話をかけたらなあ~なんて思ってます^^
以上、長々と駄文ではありましたが、自分の伝えたいところは伝えられたと思ってます。
ではまた、次の『2011 この夏ボクは疎開しました』でお会いいたしましょう☆
これがボクの『らしい』旅☆ 浜岡原子力発電所編 『野宿と猫と原発と』 [この夏ボクは疎開します]
今日はサクッと参りましょう(いつも前口上が長いしねw)
佐久島を後にした主人公ちょいのり、一色渡船場に再び帰ってきます。
そこからどこに向うのか? いったい何を見るのか?
ではでは、このシリーズで『もっとも過酷』だった、一日目から次の日の朝方にかけての物語、スタートです^^
『んはあーーーッ! ちょーーー風呂はいりてええええええええ!』って思ったのが正直な感想でした。
歩きで靴は蒸れるし、山登りで汗はかくし、髪の毛には蜘蛛の巣ぅーだしいー・・・^^;
どこかに風呂無いかと片手にもった地図の温泉マークを探しつつもとりあえず最寄駅まで出ているバスが到着したので、いざライドオン!
で、バスに乗ったのおいらだけでした^^;
採算合うんですかね?
まあ・・・赤字路線だろうな(そもそも黒字のバス路線自体、日本全国探しても少ないのかも^^;)
ほとんど乗客を乗せるでもなく、一つの駅前に辿り着く。
三河一色駅というらしい。
しばらくここで時間調整いたしますとアナウンスが流れる。
誰も乗らないんじゃスイスイ進んじゃうものねw
さっさと進んでくれないかなー・・・とは思ったが、ふとこの駅を見るとーーー
『線路が無い』
ん?どういうこと?
どうやらここは廃駅だったようだ。昔は名鉄三河線ってのが走っていたらしいのだが今は無いみたいね(あったら、もっと楽に佐久島に行けたんだけどねー)
再び福地駅についたボクは、いくつか電車を乗り継いで新安城~豊橋へと向かうことにした。
で、金も無いのに禁じ手をここで豆乳。
それはーーー
新幹線かよ!
チープ旅なのに新幹線とか使ってどうするw
なんか急にリッチ・・・
いや、そもそも新幹線でどこに行こうとしたんですかご主人様?
本当なら東海道線の鈍行でゆっくりのんびり旅でもとは思ったのだが、
ここで携帯とカメラのバッテリーが干上がっってしまったのだよ^^;
その打開策として、そしてちょっとくらい(新幹線で二駅くらい)ワープしてもいいよなw って思ってしんかんせーーーん☆
なんで新幹線がバッテリー切れの打開策なんすか?
それはだなーー
新幹線の待合には、無料のコンセントがあるからだ☆
ここでオイラはシコシコ充電^^
ほぼマックスになったところで『掛川駅』へと向ったのだ^^
そして掛川から再び東海道線に乗り換えて隣駅の
『菊川駅』へと降り立ったのだ!
な、ななな何で菊川駅にィっ!? って、まあーこの記事のタイトルでもう分かっちゃったし、べつにーって感じっすけどねw
ま、ぶっちゃけ『浜岡原子力発電所』っーーーのを見てみてーなあーって思ってたから来たって感じだな^^
理由は簡単ですね。この夏ボクは疎開しましたシリーズのヒントを得に来たってことでしょ?
大正解w ま、そんなかんじー^^ あと、それともう1個で『砂丘』が見たかったってのもあるかな。
『砂丘?』
遠州大砂丘のことですな。静岡県は御前崎市から愛知まで連なる、簡単に言えば、ながーーーーい砂浜ですよね^^
そう。それも見たくってさー^^
ま、駅に着いて周りを見回すともうすでに空は真っ暗だ。
時間にしたらまだまだ5時過ぎくらいだったのだが、さすがに秋は日が落ちるのが早いね^^;
ここで浜岡のある海辺を目指すよりもとにかくしたかったことを先に実行する。
『めちゃくちゃ風呂入りてぇ・・・』
駅に着く前に携帯でネット検索。どうやら駅の近くに銭湯があるらしい。
ということで、携帯のちっさーいマップを頼りに菊川駅周辺を歩き出したのだーーー。
結局よく分からなくって、地元のオバサマが談笑してるところに割り込んで教えていただいて辿り着いた^^;
『菊の湯』という銭湯。
のれんを潜っていざレッツぬぷぬぷ!
けっこうなお年を召したお母さんに色々とレクチャーされつつも、ようやく湯船にダンシング!
体もゴシゴシ☆
今回は流石に替えの下着を数点もってきたので着替えもする。
くんくん。自分を嗅いでももう平気そうだ^^
そんなおいらは『いい湯船でした☆』と告げて銭湯を出ました。
浜岡原発近くまでバスは出ている(全然ちかくねーけどなw)
それはバス停でさんざ確認した。
しかもまだまだ何本かはバスが走ってるみたい。
でもいくぞ!
何をよ
歩いて☆
アンタバカだろw
さあ~バス代5~600円浮かすぞー!
距離にしてせいぜい15~16㌔だ(地図上で見る限り)
そうたいしたこともないだろう。
東日本大震災で歩いて家に帰った距離と、そう大して変わらんでしょ。
ということで、ひたすら歩くことにした^^
途中、お酒の自販機八犬伝!
せっかくだし調達です。ぐびぐびしながら更に海へとレッツぬぷぬぷ!
途中、やっぱり迷子☆
しょうがないのでミニストップの店員さんに『海にはどうやって行けば・・・』と聞き込み。
そこで再び本来の行くべき道へと軌道修正できた^^
これまた途中、バスに抜かれる^^;
まあでもしょうがない。
自分で決めたことだからたぶん平気!
そんな感じでーーー
浜岡原子力発電所に程近い御前崎市役所近辺まで到着したのだ☆
ちょっとまてやおっちゃん!
なァ~にィ~? そんな怖い顔しちゃってウフフ^^
バスの切符買ってる写真があるん、で・す・け・どっ!
ゴメン・・・『ワープ』したw
でもよー・・・それでも10㌔くらいは歩いたんだよー^^;
真っ暗な外灯無いとことかも歩いたし(迷子になってたまたま外灯もなんもねー道に彷徨ったw)
昼ならともかく、まったく土地勘無くってしかも迷子癖があるオイラにはキツイよw
足いてーし^^;
そんなズルしたオイラもいよいよ海岸線の国道まで辿り着きます。
後は国道沿いをいくらか歩けば見えてくるはずです。
地図では近そうに見えた浜岡だったのだが、市役所から距離あるある^^;
数十分をへて、よくやくそれっぽいの見えてきた☆
発電所に併設されてる無料の浜岡原子力館を横目に奥へと進む。
ここが正門前。
もちろんここまで来たからには、こっそり侵入してきたんでしょうね。
バカいいなさんな^^;
正門前ですら、監視員さんが怖くってコンデジを最大限に望遠にして撮影したってーのに、侵入なんて試みたら失禁しちゃうわ!
なんか・・・微妙な画像しか撮れなくて、しょんぼりとここを後にする^^;
はあ・・・何しに来たんだオイラ^^;
ま、だからといってここで今日は終わりじゃねえ!
一番の問題『寝床』を探さなくてはならないのだ!
あんた本当に野宿する気だったのね^^;
なんか憧れないか? 『NO☆JYU☆KU』
まったく憧れません♪
もーーーオイラは決めてたねっ! 最初から。
どーせ野宿すんなら『砂丘』だぜと。
しかも砂丘に行きたかったからダブルでお徳?みたいな^^
砂丘はお徳でしょうが野宿はどうかなあーw
宿代浮いたね!オッチャン☆
まあな☆
そんな感じでここ『浜岡砂丘』ってところに到着です^^
するとまたもや猫ちゃん^^; どうも旅路の先々に登場するってことはやっぱり猫とご縁があるのだろうか^^;
で、寝床を探す前に公園の広場みたいなとこで一服。
あんなに昼間は秋らしくない気温だったのに肌寒い。思わず自販機でコーンスープをゲットして暖を取る(最近のコーンスープ缶は飲み口広がってて便利な!
コーンを余すことなく平らげることできましたぜ☆)
まだまだ10時くらいだったが歩き疲れていたので、さっさと寝れそうな場所を求めて海に繰り出す。
残念ながら暗くて写真に納まってないので、文章で時系列順に紹介ね^^
暗闇に聳え立つ砂の山に感動しつつも海へ出たボクは、目の前に広がる暗黒の海に少しビビル・・・。
むしろ怖い。いやめちゃ怖い^^;
でもそうも言ってられない。もう体はクタクタだ。
砂丘の小高いところにちょうど風をさえぎってくれそうなくぼみを発見したのでそこにバックをおろし、今まで手に抱えていたダウンジャケットを着込んだ。・・・ついでにマスクマンにもなっておいたw
なんだかんだで目だし帽だし、あったかいからね、アレ^^
砂地にビニール広げてさっそくご就寝といきたいところだが・・・
少しばっかし携帯いじって暇つぶし。
でもさすがにゴロン。
星がやっぱり見えすぎて何故か怖い^^;
そんなことしてたらいつのまにか寝てた♪
『数時間後・・・』
急に風がびゅうびゅう吹き出してさ、めちゃ寒くて目が覚めたんだ^^;
浜風ですかね。ま、だいたい砂丘自体が風が特に吹く場所ですしねw
まあ~そうだよな^^; それでもダウン着込んでさーけっこう平気だと思ってたんだが『底冷え』のダブルパンチだ。
砂地は夜には急激に温度が下がるんだな^^;
これはさすがに無理だと思って、砂丘の入り口の公園まで戻った。
そこで、いいねえ~♪って感じの屋根付きのベンチがあったので、さっそくそこでグースカピーです^^
・・・が、
1時間半くらい寝たのでしょうか?
そこになにやら物騒な音が国道の方からこちらに近づいてくるのだよ・・・。
物騒な音ォ?
映画のゴットファーザーのテーマをかき鳴らして・・・
ッ!? 暴走族!?
さすがにビビッタ!しかもライトの明かりがどんどんこっちに近づくのが見えたし、音も近くなってくるっ!?
これはヤベエと思って、再び荷物抱き込んであわてて丘の方に走り出した。
正直ドキドキ・・・
で、丘の上からこっそりその方角見たら、たった一台のバイクですよ^^;
まあ~でも用心にこしたことないですしね。
おかげで、そいつがどっか行くまで暗闇の丘を無理矢理探検だよ^^;
本当にライトもっていってよかったよ^^;
ライトなんて逆にバレチャウんじゃね?
さすがにバレテもここまでこれねーよ^^;
いやそもそも来ないでしょw
ま、そんなこんなで全然眠れなかったね後半戦^^;
そんなオイラはバイクが居なくなったのを確認しつつ公園に戻った。
するとーーー
最初に出会った猫ちゃんが近寄ってきた^^
とっても寒そうだし、膝の上に乗りたそうだったので乗せてあげることにしたよ^^
これは?
秘密兵器のゴミ袋だ^^ これを履いて足元の風を防ぎつつベンチに座ってたのよ♪
猫ちゃんのおかげで膝元も温かい^^
座りながらの体勢だったのだが、少しウトウト。
---で、気づいたらいつの間にやら公園の駐車場に沢山の車が止まってた!?
か、囲まれちゃったの!?
ううん。なんかカメラ持ってる人や、ボード持ってるひと、釣り道具抱えてる人たちだったね。
ちょっと一安心^^
そんなこんなで東の空がうっすら明るくなってきた。
携帯見やれば朝5時過ぎ。
じゃあ、オイラもいきますかね^^
砂丘に出たオイラの向こうに浜岡原子力発電所を発見。
どうせなら・・・と、どんどん歩く、ZUNZUN歩く!
ようやく近いところまで来たみたいだ^^
それから暫くは高台に登って写真撮ったりと、夢中になってたねえ。
なんでまた原子力発電所なんかに夢中になれるのか^^;
こんな野宿してまでねえ・・・^^;
さっぱり意味不っすよ^^;
まあ~オイラもよくわからん。大震災が無かったら知らなかったし絶対こんなとここないよ。
砂丘は別だけどね^^
ここで色々考えたわけなんだが、まあそれはまた別の機会にでも^^
そしてここ浜岡砂丘を後にしようと再び国道へと歩き出した。
あ、そうそう。ゴミ袋は足に履いただけじゃなくって、もう一つ、こんな感じで利用したんだ^^
それはこれね↓
何コレ?
空気入れて何に使ったんですか?
うんっとね『枕』
パンパンに空気入れると頭がすべっちゃうので、いくらか余裕もたせて枕代わりに使ったんだ^^
安くて結構便利よ^^
なるほどねえ~。
ここがお世話になったベンチね^^
夜はさっぱり見えなかったススキの穂を見ながらもボクは次の目的地へと向かったんだ^^
※ここまで長々と読んでいただきありがとうございました^^
※おまけのマンホール君☆
(御前崎市のマンホール)
(菊川市のマンホール)
ほんと色々あるよね~マンホールも^^
『2011 この夏ボクは疎開しました』VOL 2 電力会社の女の子 [この夏ボクは疎開します]
『ねえ~ママァ? このお花さわってもへいきぃ?』
私は学校から真っ直ぐに家に帰る気にはならなかったんです。
・・・なんで?
それは私も良く分からない。
・・・ううん、ホントは知ってます。
私は下校途中の子供の頃によく遊んだ公園に寄り道したんです。
なぜか寄りたくなっちゃって。
ブランコに、ギーコ・・・ギーコ・・・と揺られてたんです。
・・・昔は男の子と靴の飛ばしっことかしたかもですね。このブランコで。
ブランコ立ち漕ぎで、スカートめくれるのなんかキニシナイデ、地区の男の子達に混じってみんなではしゃいだ。
『お前、パンツま~る見え! ひゃっほー!』なんて言われながらも。
ブランコのかなり先にある、タイヤが半分地面に埋まってるとこまで私のズック(靴)が届いた時には勝ち誇りましたよ!
『お前すげーな!』って言われるのが嬉しかった。
男の子達に勝てたのがなんか嬉しかった。
そんなナツカシイ場所に久しぶりに来た。
---ナツカシイと言っても、つい最近だけど・・・。
・・・あの頃の男の子達も、
『ねーねー、やめとこうよ透子ちゃん、私たちとあそぼ』って、私と男の子達を遠巻きに見ていた幼馴染の女の子も、
今は私の周りに誰もいない。
うん、ひとりぼっち。
親になんとか取り繕って、必死に懇願してやっとこさゲットしたマイ携帯。
スマフォじゃなくってパカパカ折れるガラケーだけどォね。
そこに写る時刻のデジタルの数字は、もうすぐ5時を迎えようとしていました。
この今は私だけの公園に、小さな女の子と手を繋いで楽しそうに近づいてくるお母さんらしき女性。
お買い物とかの帰りなのかな?
--ふと、女の子がお母さんの手を切って、てくてくてく~と砂場の横のツツジの花の低い垣根に近寄っった。
『ねえーママぁ、このお花さわってもへいきぃ?』
『だめよ!裕美ちゃん。ほうしゃのうってのがいっぱいくっついてるから』
伸ばした手をひっこめて首を傾げる女の子。
やさしく言ってるようだけど顔は真剣な感じのお母さん。
・・・ゴメンナサイ。
私はポツリと呟いた。
ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ・・・
・・・こんな小さな子にまで原発の放射能のことを心配させなきゃいけないのか?と、
私のせいじゃないのに、なぜか彼女たちが公園を後にするまでずっとずっと謝ってしまいましたーーーー
私はパパが好きでした。
とってもとっても優しいパパ。
電力会社の技術者らしくって、地方にお呼ばれして中々帰ってこれないパパで、あんまり帰ってこないパパだったけど、
帰ってきた時は、たくさんのお土産と優しい優しいパパがそこにいた。
出張っていうのかな? ママはパパに
『来週から暫く関西方面に行く』とか言われて、いつも不満な顔ばかりだったけど、
ちょっとなぜかその期間は、私のお勉強のお小言が倍増だったけど、
久しぶりに帰ってきたパパを迎えるママは、とってもとっても嬉しそうでした。
パパが家にいるときのママはスゴク優しいの☆
だからかな。家族みんなでいる時はとてもとても幸せだったと思います。
それが、その幸せで当たり前だったのが突然おかしくなりました。
『2011、3・11、14:46』
あの日、あの時を境にして・・・。
その日、私は神奈川県は川崎の小学校の5時限目の授業を終えようかという時間でした。
『あしたの土曜日どうするぅ~^^ 最近ずっと続いてた放課後の卒業式の歌の練習も無いし、なんかどっかいきたくね?』なんて、
隣の席の真美ちゃんの脇をシャーペンの裏でツンツンしながら、土曜休みの予定なんかをこっそりと打ち合わせしてたんです。
すると・・・
---ミシッ・・ミシミシッ!
コンクリの校舎がなんか嫌な音を立てる。
『おお! 地震だぜ! ひゃっほー!』と、授業中にもかかわらず、はしゃぐ男の子。
小さな揺れがグワングワンと続いた後、
突然の大きな揺れ!!??
教壇の前に立つ先生も必死に机を掴みつつ、
『机の下に頭を入れてください!』と大声で叫びました。
さすがの男の子達もだまりこんで屈みこむ。
---私は声が出なかった。
まわりでキャーァァ!と叫ぶ女の子の友達みたいに出なかったです。
あまりの揺れに声が悲鳴が出なかった・・・
ーーー揺れが落ち着いてから直ぐに校内放送で校庭に集められた私たち。
その後は、先生や、それぞれの地区から迎えに来たおばさんに引きつられて各地区へと団体で帰宅することになりました。
携帯を私に持たせるのを最後まで渋っていたママが、一番最初に私のとこに電話をくれた。
『と、透子ちゃん大丈夫だったッ!?』って。
・・・パパから連絡あったのは、
ママが会社から帰宅して、私とご飯食べるのも忘れてテレビでの津波の被害状況を刻々と伝える番組を一緒に見続けていて、夜の10時を過ぎた頃、
・・・ようやくでした。
『大丈夫だったか!?』って。
遅すぎだよパパ・・・。
お互いの無事を確認しあったこの日。・・・までは良かったんです。
---数週間を過ぎた頃から、私たちの周りは『ガラッと』かわってしまいました・・・。
『お前んちの親父ってさ~電力会社だよな?放射能だろ?放射能つくってんだろ?』
『あっちいけよ放射能よお』
クラスの男の子のワルっぽい男の子からそんなことを言われた・・・
それにつられて広がる悪口の連鎖、連鎖、連鎖・・・
いつのまにか私は『いじめられっこ』になってました。
友達も、幼馴染で仲間だったと思ってた子も、
『私もイジメられるのは、こわい・・・』
と、次第に私から離れていきました。
私・・・
私・・・
私・・・
なんか『悪いことしたの?』
なんでイジメられなきゃいけないのッ?
・・・どうしてなんだろ。
---そういうことがあってから、私は学校に行くのが次第に辛くなったのです。
大きな大きな大地震。それに伴う原子力発電所事故によって、
私と私の家族の生活は『壊れてしまいました』
パパの仕事が急に憎くなりました。
だって・・・友達もどこかにいっちゃうし、
家の塀に落書きされちゃうし・・・
別にパパが悪いんじゃないのにパパの仕事のせいで、パパの仕事場のせいで・・・
※1(これは実際にあったお話です。福島第一原子力発電所問題で、当事者でもなんでもないのに、ただあそこの社員ということで差別される・差別された事象が少なからずあったという事実。
また、その子供達も・・・)
ーーある日、パパはママと私を呼び寄せて、こう言いました。
『透子。おばあちゃんの田舎に引っ越そうか』
---私とママが降り立った場所。
今まで居た神奈川県のお隣の県、静岡県は伊豆の『戸田』
すごく何も無いとこ。
でも、長く長くバスに揺られて到着したそのバス停の向こうに見える景色は、とてもキレイでした。
小さな入り江に小さな町。
『ここで私はフツウに生きていけるのかな? アハハ・・・』
※次回、『原発の町に居たことを隠したくて引っ越してきた男の子』と、
『原発に関連する職業を父親に持って、言われ無きイジメを受けた女の子』
そして、『地元の男の子』が出会うこととなります^^
まあ~今回のお話は簡単に言えば『言われ無き差別に悩む子供』なのかな。
原発問題は色々事情もあるけど、子供達にはそれによる差別やイジメを受ける理由なんてこれっぽっちも無いわよね。
まったくだな。
次回は『原発問題にはちょっと能天気な地元の男の子が、主人公の男の子と女の子を色々とアレするお話』を書いてみたいと思ってます^^
では、またいずれ^^