第432話こちら心霊諜報部!『府中米軍基地跡で幽霊を探せ?』 [心霊諜報部&フシアンナ物語2(ツー)]
『ああ~ん・・・もおー!』
久しぶりの都内。花の都大東京ってやつですかね?
私は同じ東京都であるはずなのに、まるで別世界の東京に降り立ったのです。
竹芝ふ頭から駅に向えば向うほど、ビルの森が聳え立つ。
ーーー島には決して無かった景観です。
私ことフシアンナ。漢字で書いちゃうと『富詩アンナ』
今から久しぶりの都会生活始めちゃいます!
子供の頃に夢見た憧れの都会の大学生活。
私ってば都会っ子になれるかな物語2(ツー)。
いざ行かん!ということで、山手線のドアに挟まったキャリーカート(通称ゴロゴロとかガラガラ)を
うんしょうんしょと近くのおじさんに助けられつつも第一歩がスタートしたのでした☆
『ようこそォ・・・エット・・・我が心霊研究部にデス☆』
私の目の前にはサークルの副部長さんであるリンダさんが、もじもじしながらも新入部員達に歓迎のご挨拶。
といっても、私だけなんだけどね^^;
(ここから少しあらすじを少々)
---私は昔、田舎の生活がうっとおしくって、都内にこっそり家出した。
まあ・・・『せばすちゃん』なる執事が一緒についてきちゃったんだけれども、
それでも都会での生活は、何から何まで不思議発見でした!
ひとし君人形あげたいくらい^^
ま、結局はお母様の連れ戻し部隊に追われるわけなんですが・・・
せばすちゃんの実家『伊豆大島』へ逃げ込んで、早数年。
色々あったけど、私はせばすちゃんの薦めで都内の大学での勉学に勤しむことになったわけです^^
大学生活っていったら飲み会とサークル活動よね!と、安易に考えていた私は、
どうせなら一風変わったサークルにでも飛び込んでやろうかな~って感じで、
ナヨナヨと勧誘をしているリンダさんがなんか健気に見えて仮という名の下に体験サークルに入ってみたのです^^
『エット・・・でですね。ではでは、ミナサンに心霊研究部たる素質があるのか、ある場所に出向いてーーー』
どうやら私に本当に興味があって門戸を叩いたのか試しているようです^^
日時はいついつと、モゴモゴしながら続ける副部長さん。
あれ?部長さんはどこにいるんだろう、このサークルって。
『えっと~初めまして富詩アンナです^^』
『あら?初めまして^^ 私は部長の首塚です。今日は宜しくね☆』
日曜日の早朝、私はリンダ副部長さんから聞いていた東府中駅に降り立っていたのです。
待ち合わせ場所にスマフォを横に縦にいじりながら居た先客は、なんと部長さんであられる首塚さんでした。
『それにしても遅いわね~リンダ^^; なにやってるのかしら?』
2人で軽いガールズトークをして待つこと10分。
ようやくリンダさ・・・んん?らしき人が現れた。
『おまたせしましタァ☆ 東京駅でタッチパネル式の自動販売機に見とれていたら乗り過ごしましたデースw』
タッチパネル!? うわーなんだかすごく興味をぐぐぐと惹かれちゃう!
私はそういうのを求めてかつて家出をしてきた経験があるからだ^^
うん?でもなんかサークルんときと、リンダさんの雰囲気が全然違うんだけど。
私が戸惑ったようにリンダさんを遠巻きに見ていると、
『ああ、彼女はね~、大学にいるときはおとなしい子だけど、どこかに出かけるときは結構アクティブよ^^ 心霊系はプロフェッショナルだし。
ま、お外に出かけた時ははしゃいじゃう子供みたいな感じかな^^』
まるで漫画の補足説明のような台詞を首塚さんが話してくれた。
心霊はどうかと思うけど、目新しいもの都会的なものに興味を惹かれてしまうあたりは副部長さんと気が合いそう♪
『じゃー、行きますデス☆ 今日は府中米軍基地跡で幽霊を探せでアリマス!』
府中米軍基地跡? 幽霊?
まったくもってさっぱり分からないです^^;
ここにおばけさんが居る噂でもあるんですかね?
訳も分からず私はフェンス越しに展示してある飛行機や花々、
マンホールなどをキョロキョロしつつも2人の後を着いて行きました。
---すると
『ようやくみえてきましたデース☆』
自衛隊基地の外周を抜け、民家の密集する地域に入り込んだところでリンダさんが向こうを指差す。
そこにあったのは
フェンス越しに見える長屋のような廃墟だったのです。
初めて目にした廃墟に思わず『うわ・・・』と声がもれる私。
『ではでは次に行きましょうデスノート☆』
・・・リンダさんの何とも言えないオヤジダジャレに、一瞬この人だいじょうぶでしょうか?と思ってはしまいましたが、次に向うことにしました。
『うわ・・・蔦に覆われたといいますか、ここ蔦で出来てますよお母さんっ!って感じの建物ですね^^;』
『中々おもしろい表現ねアンナちゃん^^ ええ、確かに何か居そうな気がするわ』
私べつに何か居そうだなんて一言もいってないじゃんw
『あ、そうそう。そういえばリンダ、お清めグッズとかしっかり持ってきた?』
『任せてくださいデース☆ こうみえてもポルターガイストとかの怪奇現象を調査するプロフェッショナル見習いだったんデス!』
そう言ってリンダさんはバッグをゴソゴソと漁る。
な、なんだろ? 外国の人だからニンニクとか十字架とか出てきちゃうのかな^^ ちょっとワクワクしてましたよ私。
『ジャジャーンデス☆』
自分で効果音を口ずさみつつ小瓶のようなものを取り出して、私たちに見せ付けるリンダさん。
『あら?聖水ね^^ いかにも西洋人っぽい序霊グッズね』
『ノンノン!これは聖水じゃアッリマセーンデス^^ 聖なるローションです☆ これをヌルヌルぬりたくるとーーー』
ローションかよ!はじめて聞いたよソレ!
しかもオバケは蚊か何かですかw
『あなたらしいわね^^』と、別段つっこみを入れるわけでもないにこやかな首塚さん。
らしいって・・・。どうやら私は私の中にあるリンダさん情報を逐一修正しなければならないようです^^;
ただ、この2人のやり取りを見ていたら、廃墟の前で多少すくんでいた私のキモチもずいぶんと和んだことは確かだったんです。
次回へ続く!
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
フシアンナちゃんが出てくるなんて2年ぶりくらいじゃない?
フシアンナ?
これはね、昔、ご主人様が都会の珍しいもの(例えばバナナの自販機とか)を紹介するときに、田舎から家出してきたフシアンナお嬢様と、執事のせばすちゃんというキャラを使って記事を書いてたんですよ。
この『居酒屋けいば』の中では、ストーリー仕立てで話を進めていく記事、もしくはシリーズとしては『最古』かもしれないね(2年以上ボクのブログと付き合ってる人は知ってる・・・かな?)
当時は私たちと同じアイコン式の絵だったけど、ここにきて絵をつけたわけだ。
ま、せっかくだしな。もともとアイコン作る時も土台となるキャラを想像しつつ、それに似せてフォトショのシェイプを切り貼りして作ってたし、だいたいこんなイメージです^^
それにしても今更2年も結末を描かないで放置プレーしてたのに急にどうしたって感じですが。しかも廃村さーくるシリーズに組み込んでくるなんて^^;
本当はしっかり物語を完結させたかった。
なんせ思い入れのあるキャラクターだったしな(ちなみにボクの歴代記事の中でフシアンナシリーズは、なぜかどういうわけかアクセスがダントツに多い^^; 今より平均アクセスが少ない時代だったのに廃村さーくるより断然多い・・・OTZ
フシアンナがバイトするってお話が特に☆)
そのためのロケハンも伊豆大島でと考えてた。
でも思うような機会に恵まれなくってねえ・・・^^;
(伊豆大島は島旅シリーズでもラスボスくらいに語りたいエピソードもあるので、正直、どちらのシリーズで記事を書こうか迷ってたくらいです^^;)
じゃあさじゃあさー。なんでまた廃村さーくるシリーズに入れちゃったの?マジでさー
それはこれから見ていただければ分かるよ^^
フシアンナが家出を連れ戻されようとして船に乗ってから大学生になるまでの空白の何年かが、
この首塚さん率いる心霊研究部に入部したフシアンナのこれからのストーリーの端々に出てくる予定ですからね^^
言わば、この心霊諜報部は廃村さーくるのスピンオフ作品であるけれど、実質『彼女の物語』になるのかもしれません^^
ここまで書いてくると、もうキャラが勝手に走り出してる状態なので、書くのは非常に楽だったりです^^
後はスパイス味付けです。
その力量はあまりにも非力ではありますが、フシアンナの今後や空白の時期に何があったか気になる方とか、
懐かしいね~とか思った方は見てやってくださいな^^
ではでは、次回でまたお会いいたしましょうず☆
(サイドバーからキャラ紹介で削除しないのも、このキャラが大好きだからです^^)