第277話『秩父・茶平編』vol②あのォ・・・どこまで歩けばいいですか? [廃村さーくる]
サクラ前線はもう東北地方以北なのでしょうか。
それでも探せば、まだまだ関東圏にもサクラを見つけることが出来るみたいです。
ピンクの色踊るサクラ並木を越えたボク達廃村さーくるメンバーは、山間の向こうに見えた景色に、しばし歩みを止めることに。
自然と色と、人のチカラとそのなれの果て。
彼女たちはこれからその一旦を見てくれるのだと思います。
・・・どんな反応かちょっと楽しみだったりして☆
ボクは、橋の欄干に手を掛けて向こうを指差す彼女たちに近づき、順々と質問に答えてあげるのでした。
「だだだだダムが、すごく・・・大きいですぅ!!」
そう、今ボク達の目の前に広がるは巨大なダムのコンクリの壁。
今回の目的地は、このダム湖の縁を辿ったところにあるんです。
「今からその大きなダムのてっぺんまで皆で歩くんだ。下から見上げるのも壮大だけど、上から見下ろすのも最高の景色だよ?」
『『行きたい♪行きたい♪』』
夕実ちゃんと首塚さんの声がハモる。
ふっふっふ。今は・・・・・・浮かれてなさい。
良い眺めの対価がそれ相応だというのを思い知るがいいw
ボクは、じゃあ~そろそろ行こうか?と、先にたって、こっちだと促がすのでした。
「あの・・・菅原君?」
「はいなんでしょー」
「すごく・・・急な坂なのね・・・」
相変わらずなぜかヒールの高い靴を履いている首塚さんが、坂の途中の標識を見上げながらボクに訴えかける。
ボクはソレに笑顔で返してあげる。
「もうすぐですからがんばりましょー☆」
心の中では少しニヤニヤとしながら。
・・・一方、夕実ちゃんはと言うと・・・
「わきゃー☆ 動物注意ですよ!動物注意!」
本来なら坂道は無駄な動きをせずに、ゆっくりじっくりと登るものなんですが・・・
彼女にはそういう概念は通用しないようです^^;
「動物のうん〇がありますです! これって犬じゃないですわきゃー☆」
蛇のようにくねくねと空へと続く坂道を縦横無尽にはしゃぎまくる彼女。その体力はどこからくるんだろうか。
いつのまにやら先頭を歩いていたのは彼女でした。
ようやく坂道を登りきったかな?というところで、先を行く夕実ちゃんが道端の看板の前で立ち止まった。
「先輩。この札所とかいうのってなんですか?」
「ああこれですか。この秩父市内の霊験あらたかな場所を巡ってみよーってヤツですかね。
四国で有名なお遍路と同じような感じです。
ちなみに34箇所あるんですよ☆」
「お遍路?」
「簡単に言えば昔のスタンプラリーです」
わきゃー☆なるほど!と彼女はポンと手をたたく。
・・・スタンプラリーってのは流石に簡単に説明しすぎましたかね^^;
ぜーぜー言いながら登ってくる首塚さんを待ってから、ボク達は再び先を急ぎました。
「このトンネルを越えると、ダム湖の頂上ですよ」
「イタズラ描きしてありますですわきゃ・・・」
「ハア・・ハア・・・。どこにでもいるのね。この手の輩って。・・・うう・・しんどい~」
だいぶおつかれ気味な首塚さんがトンネル内の落書きを見ながら、ボクの代わりに夕実ちゃんに答えたのでした。
『電力不足の為トンネル内は照明を減らしてあります』という注意書きを横目にズンズンと進む。
正直・・・照明の無いところは足元もよく見えずに怖さを覚えた。
トンネルを抜けると、右手にダム湖の頂上へと続く側道が見えたので、ボク達はそちらへ。
ビジターセンターとも言える浦山ダム資料館に到着。
ここでしばし休憩をとることにしました。
資料館の壁に「ダムカード」なるものの説明書きを見つける。
「ダムカードって何ですかね? わきゃー☆」
「トレーディングカードみたいなものかな? 国土交通省や法人の水資源機構が管理するダムで配布されてるって書いてあるね」
「レアものとかやっぱあるのかしら?」
う~ん・・・ダムマニアじゃないから分からないなあ~。
八ッ場ダムとか、超プレミア・・・いやいやなんでもありませぬ^^;
「この通りの右手がボク達の歩いてきた景色、そして左手側はダム湖なんだけど・・・どっちから見る?」
※右手側 ←
※左手側
『『やっぱ右手側ー☆』』
彼女たちは間髪入れずに右手に走り寄る。
まあそりゃそうか、下から見上げたんだから上からの景色をふつーは見たいよな。
「わきゃー!! ちょー高い高いです!」
「え!? あの向こうに見えるのって私たちがさっきまで居た陸橋?
・・・随分、歩いたのね^^;」
自分の脹脛をちょっとモミモミしながら、首塚さんはため息を漏らす。
あの橋からここまで時間にしてどのくらいだっただろうか?
おそらく「時」じゃなく「分」単位だと思う。疲れとは反比例した数十分の道のりでしかなかった。
まあ~、これからもっともっと歩くんだけれどね☆
ゴメンネ首塚さん♪
「じゃあ、左手側も覗いてみようか」
『『はーい☆』』
「先輩先輩先輩~い! ・・・普通です」
・・・まあそうだよね^^;
「鯉のオブジェだったのね。ワタシね、遠くから見たら別のものに見えちゃったんだけどなあ~」
「別のもの?ってなんですかぁ?わきゃー☆」
「知りたい?夕実ちゃ~ん」
「はい!知りたい知りたい知りたいですぅ☆」
「じゃ、教えてあげるね♪」
そう言って首塚さんは夕実ちゃんの耳元でゴニョゴニョゴニョ・・・
「ちょ!? ちょちょちょちょちょ! わ・・・・・わきゃー・・・ですぅぅ・・・」
みるみるうちに顔を真っ赤に染める夕実ちゃん。
そしてそれを見てニヤリとする首塚さん。
・・・んんん? いったい何に見えたんだろうか? ・・・ひじょーに気になる。
それはともかくとして、せっかくなんでボクは欄干に手を掛け、ダム湖の湖面を暫くぼんやりと眺めることにした。
湖底が砂地なんだろうか? 見渡す限り「緑色に近い湖面」
すると、岸に近い浅瀬に魚を見つける。
ボクは二人に「魚がいるよ? 見て見て! 多分、鯉なんじゃないかな~」と、おいでおいでをした。
「あら、鯉がいるわねえ~。黒くて大きい鯉ね☆」
首塚さんは、ボクに言うでもなく夕実ちゃんにニヤリと語りかける。
「黒くて・・・大きい・・・たくさん・・・わきゃー・・・」
そうボソリと呟いた夕実ちゃんの顔は先ほどよりもまっかっかだ。
・・・首塚さん、いったい何を夕実ちゃんに呟いたんだ?
まあ~・・・だいたい察しはつくのだが、それも彼女たちなりのコミュニケーションなんだろう。
「もう休憩はOKかな? じゃあ~そろそろ行くよ?」
まだまだ中間地点にも辿り着いてないぼくら。
先を急ぐことにしました。
トンネルを越え、延々と湖岸の淵をただひたすらに歩き続けるボク達。
湖とサクラ並木、そしてホトトギスの歌声。
本来なら癒され、和み、普段の生活の疲れを癒してくれる自然のリラクゼーション満載な環境。
なんだが・・・
「あの・・・まだですか・・・」「いったいどこよ?目的の場所?」「う~ん・・・もう少しです」
この言葉の繰り返しを延々と続けているうちに、周りのキレイな景色はいつしか誰の目にも入らなくなっていたようです^^;
それほどボク達は目的の場所まで歩かなくてはならなかった。ということです。
・・・まあ、夕実ちゃんは体力的というか「飽きてきた」って感じでしょうかね^^;
さすがに小一時間を越えたあたりで、ボクの後ろを歩く彼女たちから「あーもー歩けませんですう・・・」「菅原君おぶってよお・・・」と、ぶーぶーと大合唱です。
このままでは「帰る!」と言われかねないので、丁度休憩所を見つけたところで一休みをすることに。
そこはダム湖を見渡せる道路沿いに作られたプチ休憩所といったところでしょうか。
ベンチを見つけた彼女たちは、さきほどまでダラダラと歩いていたにもかかわらず、椅子取りゲームのように突進です。
「ふうぅ~・・・やっと座れたわ~」
「喉カラカラですぅ・・・」
ボクもさすがに疲れました。想定していたよりも長い道のり。
湖を見下ろしながら大きく背伸びをし、体に溜め込んだ空気の塊をゆっくりと吐き出して、一時の休息を取ったのでした。
「プシュッ!」
・・・はい!?
・・・何の音?
ボクの背後から聞こえる聞こえのある効果音。
・・・まさかな~と思いつつ、ゆっくりと振り返る。
・・・缶チューハイかよ!
「先輩も一杯いかがですかぁ☆」
「やっぱこれよね☆」
彼女たちは缶チューハイをグラスのようにお互いにコツンと鳴らしてグビグビグビと。そしてプハーー!
・・・首塚さんがコンビニで買い込んでたのってコレなのね^^;
まあ、せっかくなのでボクもお相伴に☆
しばらくプチ酒宴を敢行したのち、ボク達は再び歩き出しました。
「なななななナンですか!? あのキミョーなトンネルは!わきゃー☆」
歩くこと数十分。 ボク達の前にへんてこりんな遁道が現れた。
トンネルの入り口付近まで歩み寄ると脇に、このトンネルの云われが書いてある看板を発見。
・・・が、その看板は周りに囲いが出来ていて近づけない。遠目に見た限りだと、この地域に伝えられているお話をモチーフにどうのこうのって書いてあるみたいなのだが・・・
「これじゃ、意味無いわよね」
首塚さんが言うのももっともだ^^;
一応、カメラを望遠にしてパシャリと看板を撮影しつつ、このトンネルに突入です。
「いよいよ目的の場所に近づいたよ」
トンネルを出きったところで彼女たちに告げる。
「ああ~やっと来たんですね?来たんですね? わきゃー☆」
「たいしたことなかったら許さないんだからね!」
ぜーぜー言ってつまらなそうだった彼女たちの顔に少し笑みが戻った。
「おそらく、この林道を登ったところが目的地です。
もう少しです。頑張りましょう☆」
NEXT vol③へと続きます^^ (いや~引っ張るね~w)
ダムに向かって歩くなんて。。。
考えられない(-_-;)
すごい!ヒールで。。。
それと、龍のトンネル。すごいですね!
トンネルの中もデザインされているといいのにな!
それから、ダムカード。。。
周南市にもダムがいっぱいあるのですが、
あるのかな?ダムカード。。。
by リン (2011-04-29 06:30)
トンネル2枚同じ画像に見えます?
by サンダーソニア (2011-04-29 08:22)
ダムカード、大人買いうんぬんかんぬん・・・
ふしぎ~な説明文ですねw(影映ってるし♪)
坂道と階段だと、多分階段の方が登りやすいんで
しょうね。
by まめ (2011-04-29 08:30)
ダムマニアにはたまらない画でしたね(^^
次はいよいよ、心霊マニアの出番でしょうかw
by たかれろ (2011-04-29 09:20)
最近のちょいのりさんのブログ・・
面白くなってきましたね^^
おそらく車かバイクでお出掛けとは思いますが・・・
酎ハイの二缶」が気になります。
by yu-papa (2011-04-29 11:14)
ちょいのりさん歩いたの?
すんげーです。^^v
その気合が、
ちょいのりさんのブログ人気の元なんですね!
御見それいたしました。。。
by yoshinorhythm (2011-04-29 12:24)
ちょいのりさんは・・・とっても行動的~!!
たくさんの景色や楽しみを ワクワク~~しながら
見入ってしまいます。 ”8(^0^)8”
by ホイップ・クレイ (2011-04-29 12:40)
お遍路さんをスタンプラリーって・・・
うまいこと言うナァ(笑)
by くま・てーとく (2011-04-29 13:21)
ものすごい高さ 歩いたんですね
すごいなぁ〜
トンネルの絵は コイでしょうか?鬼でしょうか?
by ねこじたん (2011-04-29 14:42)
うわぁ!奇妙なトンネルですねぇ!!
なんか、あまり入りたくない気が...^^;
by haku (2011-04-29 15:45)
ダムカードがひじょーに気になりますねぇ…。
いろんな角度から撮った写真なのか!?
キラキラダムカードとか、ランクがあるのか!?
日本中のダムで流行ってるものなのか…。
て、調べてみたら、本当にトレーディングカードなんですね^^
ダムマニアの人は収集してるんでしょうね^^
by とうふさん (2011-04-29 17:34)
ダムカード^^;
つられてダム行脚する男の人いそうだなぁ。
今回は首塚先輩のキャラが光る(?)お話ですね。
ヒールで…スゴーィ。
by tomomame (2011-04-29 18:55)
リンさん、ぶっちゃけハードでしたよw
車かバイクあったらなーってさんざん思いましたもの^^;
トンネル内はふつーでしたが、出口もやっぱりサイケな感じの装飾でしたですw
by ちょいのり (2011-04-30 01:07)
サンダーソニアさん、あら! ほんとだw
おいら同じ画像を使ってたみたいですね。よく見てるなあ~^^
ちなみに目的地までトンネルを4回越えます。
照明が無いところもあるので結構こわいんですよ~^^;
by ちょいのり (2011-04-30 01:09)
まめさん、あら~w よく見つけましたねえw
そうです、自分の影もダムカードのフォトんとこで写ってます
^^
意外とスリムでしょ?
夏に向けて減量中だったりしますよ~w
by ちょいのり (2011-04-30 01:12)
たかれろさん、まあ・・・たぶん次はお望みどおりなフォト?が登場ですw
でも自分で編集してるわりには結構無頓着でして、
あんまり細かいとこまで見ないんですよ~
むしろ変なの写ってたら教えていただけると助かりますw
by ちょいのり (2011-04-30 01:15)
yu-papaさん、ふっふっふ・・・。オイラはバイクも車も使ってないんですよ^^
帰りはバスでしたが、行きの全行程はすべて「歩き」だったりします^^
普段は、歩くの億劫な人間なんですが、こーいう時だけはなぜか張り切っちゃうんですよー^^
まあ~勿論飲みながらなんで、いつか体を壊しそうではありますがw
by ちょいのり (2011-04-30 01:19)
yoshinorhythmさん、本当のところはバイクなんかがベストだと思ってるんですよ^^
小回り利くし、おっ!って思ったところですぐに駐車できるしね^^
歩くのは基本的に大好きです。
目的があれば尚更^^
人気とかはよくわからないのですが、歩くことで色々なことを見つけられて、色んな人に「こんなのあったんだぜー!」ってブログで報告出来るのは、すごく楽しいです^^
by ちょいのり (2011-04-30 01:24)
ホイップ・クレイさん、旅行記や紀行文は、めちゃめちゃ大好きなんですよ~^^
見るのも書くのもね。
お金と時間が許すなら、旅行カテゴリーにでも移動して、記事を書き続けたいと思うくらいですものw
あ~ん、旅とか、ちょー好き好きぃー☆
by ちょいのり (2011-04-30 01:28)
くま・てーとくさん、いや・・・どっちかってーと、怒られそうな比喩なんですけどねw
まあ~でも、たとえ話は大好きですよお^^
いかに「ああ~なんとなく分かるかも」っていう、遠まわしな表現を考えるのって趣味だったりしますw
変な趣味だよねー^^;
by ちょいのり (2011-04-30 01:32)
ねこじたんさん、このトンネルのレリーフ?は
「獅子舞」がモチーフなんだそうです^^
ぱっと見、よくわかんないよねえ~w
・・・よく見てもわからないけどねw
by ちょいのり (2011-04-30 01:36)
hakuさん、これがまた節電で照明を減らしているので、明かりが無いところを歩いてると結構こわいんですよ^^;
とりあえず後ろとかは怖くて振り向きませんでした^^;
なんか見えそうで怖いんだものw
by ちょいのり (2011-04-30 01:39)
とうふさんさん、いやね? こんなカードの存在をもっと前から知ってたら、オイラ・・・集めてたかもw
なんせ旅先でダムに遭遇することって結構ありますからね~^^
ちなみにここに訪れたのは開館前でしたので、ダムカードにはお目にかからずでした。
by ちょいのり (2011-04-30 01:42)
tomomameさん、意外とダムカードに触れてるブロガーさんって少ないのかな?
まあマイナーでアンダーな話題ですものねw
首塚さんってキャラは「ボクが女の子だったらこんな感じ」ってところです^^
ヒールで山道は歩きませんけどねw
by ちょいのり (2011-04-30 01:47)
静岡っ子?
静岡っ子ですよ~♪
このトンネルちょっと怖いかも^^;
by ろーるけーき (2011-04-30 06:13)
絵の上手なちょいのりさんに来ていただいて恐縮です^^;
by サンダーソニア (2011-04-30 08:40)
ご訪問くださり有り難うございました。
確かにTVやPCの前だけでは、
面白くないのは事実ですが(凹)
ちょいのりさんに対しチューハイ缶て誤解しておりました。
大変申し訳なく、この場でお詫び申し上げます。
by yu-papa (2011-04-30 13:31)
く…黒い鯉・・・・
無理~
千葉まで行ってきましたが、4時に新幹線にのりました~
すみません~
コミケの前日よらさせてもらいます~
上野のとら八で検索したらわかりますか~
わきゃ~!!
by ふぢた (2011-04-30 16:23)
ろーるけーきさん、静岡っ子なのね^^
えこひいきしたくなるね~w
by ちょいのり (2011-05-01 00:51)
サンダーソニアさん、いやいやオイラも練習中ですぜ^^
by ちょいのり (2011-05-01 00:52)
yu-papaさん、ふっふっふ、オイラ~飲みながら出歩きたいってのもあるので、歩きが好きってのもあるんじゃないかと思ってます^^
by ちょいのり (2011-05-01 00:54)
ふぢたさん、コミケまで今の店にいるのか分からないけれど、東京に来たらぜひともです^^
オイラもコミケ行ってみたいなあ~
by ちょいのり (2011-05-01 00:56)
天皇賞 春ですね~^^
by ろーるけーき (2011-05-01 04:07)
動物注意の絵がうちの実家の方では、
「カモシカ」さまです(・.・;)
by 吟遊詩人41 (2011-05-04 21:27)