第574話 稲取・はさみ石編☆vol③『錆びた金具』カグラ岩・名も無い滝・幸せの時間 [廃村さーくる]
『キス』
可愛く表現するなら『CHU☆』
もしくは『ちゅーする』でしょうか^^
物心付くかつかないかな頃でもキッスは特別だと思っていましたですぅ^^
オーバーですけどね☆
いつか私も人を好きになり、そしてその人とチューするのかな?
ふふふ♪なんてなこと思ってましたですよー^^
---そんな夢見る私も男性に思いを描く。
うん、勿論。それは菅原先輩。
『恩人』である彼からいつしか『憧れ』の先輩へ。
それって単純だけれども、間違いじゃないよね?
例え助けられたという事実が無くても、彼に出会っていたら
きっと私は彼を好きになっていたと信じてる。
というか、絶対そう。
そのくらい私の世界は彼が居る世界なんです。
ーーー思い出の場所『はさみ石』に再び訪れた先輩と私。
第574話スタートです☆
『ごちそうさまでした^^』と、炙った魚肉ソーセージを頬張った後に先輩に言う。
『えへへ♪ おそまつさまでした^^』と、にこやかに笑い返してくれる先輩。
そんなやり取り、今あるこの時間全てが私にとって幸せ^^
この時間がずっと続くのならどんなに素敵なことだと思った。
・・・とはいえ、何時までも夢の中に居られるわけでもなかったですう。
『だいぶ日が傾いてきたね。足元が暗くなる前に崖を上っておこうね夕実ちゃん^^』と先輩は、
だいぶ小さくなった焚き火を靴底で踏み込んで消していた。
ほんの少し、いやもうちょっとこのまま、童謡のマッチ売りの少女が灯すような幸せな時間が欲しいと思った私は抵抗してみたんだぁ。
『ねえねえ先輩^^ 久しぶりですう。もうちょっとここいらへんを思い出ブラブラさせてくださいよぉ~』と意地悪っぽく言ってみたのです。
『そうだね~^^ 大人になった今、地元から遠のいた今じゃそうそう来れなくなった場所でもあるしね^^
もうちっと懐かしんでみようかぁ^^』
同意が取れた私は心の中で小さくガッツポーズ!
かくゆう先輩も満更じゃない感じで、この狭い小さな小さな入り江を探索することになったんです^^
『カグラ岩まではここからじゃ行けないんですよね^^;』
私は到底歩く場所も無い岩肌を見つめながら聞いてみる。
『釣りのおじさん達は向こう側から崖を下って行ってるしね^^
書く言うカグラ岩も満潮時には完全に小島だし、かなりハードルが高い釣り場なんだけどね^^
うちのお父さんがガキんちょの時代は、はさみ石よりあっちで遊んでたって言うんだから、昔の人ってすごいよねw』
遠目に見えるカグラ岩。その様相はライオンにも見えますです。
先輩のお父さんが訪れたと言うカグラ岩。今度機会があったら連れてってもらいたいなあと思った。
カグラ岩を見た後、私たちは名も無い滝へとブラブラリ^^
『昔から思ってたんですが、この小さな滝の水って海まで繋がってないですよね?
なんか不思議ですぅ^^』
昔、プチキャンプな感じでここの水を利用したことがあるのですが・・・(勿論煮沸しましたw キレイだけれど稲取廃病棟の脇を流れる小さな小川でなんとな~く不気味ですしい^^)
『たぶん、このはさみ石の下を通って海に出てると思うよ^^ 基本ごろた石ばかりだし、水量も無いしね。小川を作れるほどじゃないんじゃないかなあ^^』と先輩が返してくれる。
一応神聖な感じの空間だけれども、
崖に囲まれた小さな空間だけれども、
キャンプするなら面白いと思いますです^^
先輩との門限破っての夜遊び。今でも忘れられないですぅ。
今度は稲取岬がかろうじて顔を覗かせる反対側の岸壁までブラブラ。
・・・やっぱりこっちも、とてもじゃないんですが歩くのは困難です^^;
『昔はよじ登って進んでやろう!って思ったんだけどね』と、先輩は岩の隙間に指やつま先を入れ、器用に岩肌を登っていく。
そして手を引かれて私も登るの。
そしてこの先に進むのもハードルが高いと確信するんです。
『遠くから見ると岩を伝って行けそうに感じるけれど、実際に登ると何枚もの屏風状になった岩が海に突き出てるんだよね、ここ^^;』
そうなんです。
分厚い岩だと思って登りきると、実は人一人くらいの幅の岩が幾重にも突き出てるだけ。
しかも岩と岩の間には波がドッカンドッカンと打ち付けてるんですぅ^^;
要するにほんとに『陸の孤島』なんです。
登りはよいよい。
でもごろた石に戻るのが容易じゃなかったのは内緒です☆
高いところに登るのは人の手を借りるならそれほどでもないんですが(いや怖いけど)
降りるときは人の手は借りられない。
見えない着地地点に背中を向けながら下る恐怖。
どうしても最後の最後は飛び降りるしか無かったですう^^;
先にジャンプして降りた先輩が『ここなら大丈夫だよ~。思い切って飛んでみよう^^』と、言うけれど、
先輩だってジャンプする時めちゃめちゃ躊躇ってたじゃないですかw
確かにほとんど振り向けない状態からの目視で、どれが一番安定してそうな丸っこいごろた石だと見極めないといけないからってのは分かるんですけどね^^;
普段なら自分の背よりもちょっと高いところから飛ぶくらいなら大したことは無いと思うくらい自分の身体能力にはちょっぴり自信を持ってたです^^
でも岩から石へは『怖い』
私はさんざん怖がった後、意を決して先輩の指示した石へとジャンプした。
『大丈夫?』と、着地でふらついた私が先輩のラッキー抱擁を受けたのは絶対忘れない!
一通り懐かしんだ私たちは暗くなる前に元来た道を戻ることにしましたです。
足場を確認しつつ、ゆっくりじっくりロープを掴みつつ登っていく私たち。
ただし、途中で何度も先輩に
『ロープに体重の全てを預けちゃだめだよ夕実ちゃん。ロープはあくまでも補助だと思って登ってね!』と散々釘をさされたんですう^^;
その言葉の意味が登りきる寸前でようやく分かった。
ロープがあるんだからいいじゃないですか頼ってもお~と、思っていた私の目先にソレが飛び込んできたから。
『えっと・・・先輩・・・ゴメンナサイですぅ・・・』
『え?何が?』と私に謝られたことにきょとんとしていた先輩だったのだけれど、
私は深く反省した。そして先輩の気遣いに感謝した。
ようやく辿り着いた峰の先。
子供の頃はサクサク上り下りしてたのが嘘みたい^^;
正直、先輩と共に出向いた廃墟さんよりグッタリの道中ですう^^;
この後は素直に国道まで戻るばかりだと思っていた私を実にあっさりと先輩は裏切ってみせるのです♪
『旧国道を先に進んだことないから行ってみたかったんだ~^^ うまくいけば稲取の市街地まで行けるはず☆』と、
藪を掻き分けて旧国道があった場所を進み出したんです^^;
いや近道になればそりゃ嬉しいですけどまったく嬉しくないんですけどお^^;
とはいえそんなところも許せてしまうんだから、好きになっちゃった方は不利益ですよねえ^^;
ところどころに出現する赤茶けたガードレールの跡。
ここが確かに道路だったんだと、しっかりと思わせるのです。
『このカーブミラーには、もう二度と車が写ることは無いんですね先輩』
『そうだね。写るとしたらボク達みたいな奇特なマニアくらいなんだろうね^^
このままこのカーブミラーは目の前の草や木々を映しながらいつか朽ちていく運命なんだと思うよ^^;』
そう先輩に言われると、とてもこの廃道に切なさを覚えてしまいましたです。
人が勝手に作ったものだけど、だからといって朽ちていくのもまた寂しいと思ったのです。
『この先は・・・ちょっと時間的に厳しいかもね^^;』と、先行く先輩が立ち止まり、
うっそうとした森の中から見つけた空の切れ目を見つめながら呟く。
携帯のデジタル数字はもう夕刻間近を記していました。
私たちは元来た道を再び戻ることにした。
次回に続く☆
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
まだ続くのか!
実は・・・この『稲取編』は、『はさみ石編』が序章だったりするのですよ。
ええっ!? これって序章なの?
この後には、『祭編』が待ってたりするんだこれがw
自分のブログでも歴代屈指の長編シリーズだったりする^^
祭編のお祭りというのは勿論この稲取の奇祭と言われる例のアレです^^
あのエッチなお祭か!
これぎゃる魅!はしたないぞ!
うまく休みが重なったので、稲取編完結の為に取材に行ってきますです☆
訪問もしばらくあやふやな感じですが、まあ~そこんとこはご理解を^^
むしろのんびりさせてくれーw
おはようございます。
気を付けて・・・不完全燃焼です(笑)。
by YUTAじい (2013-06-01 05:34)
僕が生まれた集落は40年位前に廃村となりました。
マニアにはちょっと有名だそうです。大人になってから
車で行こうとしたら、道が元々砂利道だったので、
その荒れようはハンパなく、断念しました。
自然の回復力はスゴイと思いました。
by johncomeback (2013-06-01 05:34)
おおッ!
あのお祭りですね~
マグナム祭りwww
かつての国道もこんな風になっちゃうんですね。。。
by 風太郎 (2013-06-01 06:23)
おはよーです^^)
う~む 廃墟になった国道 赤錆びたガードレールとは・・・
初めて見ました・・・(@@;))
休み取れて良かったね~少しはごゆっくり!!
by 獏 (2013-06-01 06:42)
あのロ-プの金具を見てしまったら、恐怖でもう登れません!
先輩は、知っていて登るんだから大したもんです。
どんつく祭のご神体は、写真で出しても良いのかな(笑)
by ちゃめこ (2013-06-01 07:08)
凄い絶壁の岩ですね。
ちょいのりさん、クライミングも出来るのですね!
ガードレールとカーブミラー、いつまで形をとどめていられるでしょうね。
by orange (2013-06-01 07:14)
廃道・・・・燃えますねぇ(^^)
川崎大師の近くでも奇祭があるんですよ。
男性のシンボルを神輿にして担いで練り歩くんです(^^)
by 駅員3 (2013-06-01 08:20)
休み取れて良かったね~
のんびりといってらしゃ~い!!
赤錆びたガードレールは、淋しさ・・
虚しさを感じるね(^^ゞ
by miwa (2013-06-01 11:09)
足場悪そうですね~。わが家の周りにここまではいきませんが結構ありますよ~
by みぃにゃん (2013-06-01 12:45)
かなり サイバイバル的な冒険ですね
早く帰りましょう
by sumijuni (2013-06-01 12:52)
山の中に忽然と現れるカーブミラーは、確かにクルものがありますね。祭編がクライマックスでしょうか^^?
by sakamono (2013-06-01 14:50)
今なら高いところから飛び降りたら
間違いなくアキレス腱断裂しそうです(爆)
お休み、ゆっくりと過ごして下され~^^
by 銀狼 (2013-06-01 15:01)
なかなか険しい道ですね~
子供の頃はどうってことなかった場所も大人になってからは
厳しいところもありますね。昔、川沿いの土筆を採るのに
平気で入ってたところ、今は無理だろうなぁ・・・
by まめ (2013-06-01 20:49)
ちょいのりさん、
冒頭から楽しみな展開を期待していたのですが、
あれっ、チューはどこ?
これからかな?
by kiyo (2013-06-01 20:53)
このロープの留め具はかなり怖いです(>_<)
って、今はもうこんな風に冒険すると翌1週間は身体が使い物にならないだろうなぁ(*_*)
で、本編はエッチなお祭りなんですね^m^
by ニッキー (2013-06-02 00:51)
な〜んか かわいいデートだな〜
ミラー ちょっとせつないな…
by ねこじたん (2013-06-02 08:16)
オブローダーも躊躇する廃道だそうですからね…(・_・;)
by 下総弾正くま (2013-06-02 12:25)
題名だけで!こんなに!ドキッと!させるとは流石ですね~(^O^)v
by macinu (2013-06-02 17:17)
チューしたいっすね。
ちょいのりさんとじゃないよw
”エッチなお祭り”!!
文字通りのレポお願いしますw
by DEBDYLAN (2013-06-02 19:47)
記事内容とは全く関係ないけど、この間行かれた神島。
ニュースに出てましたねぇ。
吉永小百合さんが潮騒のロケ地に49年ぶりに
訪れたんだとか?あ~ちょいさんが行ったところ!と
思って思わずカキコしましたw
by まめ (2013-06-02 21:19)
元国道がすごいことになっていますね。
ガードレールは再利用しないのですね―^^;
by サンダーソニア (2013-06-03 10:50)
ちょっと力が入りながら拝見しました^^;
廃道にもびっくりですがそこを進もうとするとは(微笑)
お祭りシリーズ?楽しみにしています。
by 美美 (2013-06-03 17:25)
俺の心を くすぐったで賞
ちょいのりさんに 決定させて頂きました(笑
by DON (2013-06-03 19:25)
あの廃道っぷりからは、元の様子はまるで想像がつきませんね。何年くらいであれだけ草ぼーぼーになっちゃうんだろう(^^;
by さといも野郎 (2013-06-03 22:40)
motosoft 改め、とし@黒猫です。
先週から、RRSリーダーの調子が悪く、ブログ更新通知が届いておらず、ご訪問が滞ってしまい、失礼いたしました。
原因が分かったので、また、ちょくちょくご訪問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
by とし@黒猫 (2013-06-05 13:13)
白いツユクサみたいなこの花なんだろう。
気づくと辺り一帯咲いてますね~^^
by ジル (2013-06-09 00:39)