第900話 琉球レッドと青い空・津堅島編①☆『沖縄最古の煉瓦燈台跡にようこそ!』キャロットアイランドほか [廃村さーくる2(島旅煉瓦遺構編)]
『これから行く離島は、かつての沖縄戦の激戦地でもあったんですよ』
日に数回しかないと言う離島行きのターミナルへと駆け足で急ぐ道中、
菅原君は私に振り向いて、ギョッとすることを言ったのだ。
・・・沖縄が凄惨な過去を持つことは重々承知。
でもそれを教訓とし心に留め置くだけで許してほしいとも思っていた私。
今の私たちには未来へ歩くことも重要なのだから。
彼は続けてこう告げた。
『離島としてはマイナーだけど知って損は無いと思います。いや、損とかそんなんじゃないかな。失礼ですものね^^
特にそこにある煉瓦には色々詰まっているとボクは思うのです。
坊勢さんには走らせて悪いですが・・・どうかお付き合いください。お願いします』
その顔は真剣だった。
一体、これから向かう離島ってどんなとこなのだろうか?
そこにあると言う煉瓦って何なんだろうか?
いつも割かしチャランポランな彼が真の顔を私に向けて懇願するのだ。
・・・気にならないわけがないぞい。
第900話、琉球レッドと青い空。スタートだぞい^^
平敷屋製糖工場跡から走らされること14~5分かな?
海辺が見えてきたところで『津堅島行き船乗場』と言う場所へとたどり着いたのだぞい。
なあ~菅原君。私たちがこれから渡る島ってーーー津堅島ってとこかい???
そうです^^ 津堅島です☆
取材で何度も訪れてる沖縄本島だが・・・初めて聞いたかもだぞい^^;
実はボクもですw 島旅ニストとしては申し訳ない気持ちでいっぱいですねw
うるま市に属する周囲7キロ程の小さな離島です^^
産業としては人参の生産が特に盛んな島で、
別名『キャロットアイランド』とも言われてるんですよ☆
ほお~人参ねえ^^
人参を食べられるお店とかあるのかな?
無いと思います。コンビニも無いし島内には飲食店も1軒か・・・な?(売店は2~3)
人参は多いけど特に『ウリ』にはしてないのね^^;
さて、そんなこんなでターミナル(旅客待合所)に到着だぞい^^
ところが乗船チケット購入の際に、菅原君が『むむむむむ・・・』と悩んでるので声をかけてみた。
『一体全体何を悩んでるのかい???』
いや~それがですね?
津堅島への行きと帰りを悩んでるとこなんですよ。
今の時間だとフェリーで向かうことになるのですが、これが行きの最終。
帰りはフェリーと高速船の二種類があるのですがーーー
その二種類には二時間の開きがあるのです^^
ん? 頭の悪いおねーさんにもっと簡単に説明してくれないかな^^;
もっと簡単に説明しますとこんな感じ。
①滞在時間20分で乗ってきたフェリーで帰る。
②2時間滞在して最終の高速船で帰る。
って感じです^^
別に②の案でいいんじゃないの?
これだと帰りのバス時間と合わせて宿泊先の那覇に着くのは夜8時過ぎなんですよ。
①なら夜6時には帰ることが可能です。
えええ!? だって今、まだ昼の2時前だぞい?
それだけアクセスの悪い離島だということですよw
そもそも君の言う目的の煉瓦とやらは津堅島のターミナルからどのくらい時間が掛かるのよ?
近い物件なら、まあ・・・元来た船で帰るのもアリなんでしょうけど^^。
ボクもよくわからないんですよw
一応、このターミナルに置いてあった手書きっぽいパンフレットを見た感じじゃ~そこまで港から遠くないのですが。
ならゆっくりじっくりしていこうぞい^^
南国の離島でおねーさんとデートと洒落込もうじゃないの(*´д`*)
(親密な時間が多いほどね、急接近あるかもだわさ。ドキドキ☆)
坊勢さんがそうおっしゃるなら有難いです^^
なんせじっくりと煉瓦を見たかったので許可が出てよかったですよ☆
デートとは思わないんだな・・・この子ってば^^;
と言うことで②のプラン『ドキドキ!最終便まで男の子とラブラブツアー』になったぞい(勝手な思い込み)
ちなみに『急行料(高速船)』を買ったので、気が変わって①のプランに変更してもフェリーにはこの券で乗船可能だぞい^^
乗船時間まで時間があったのでジュースなどを買ってみた(でも手持ちのハブボールを飲んでます)
そんなこんなで乗船開始!
当然デッキ席です!
こればかりは断じて譲れません(=_=)
お、おうう・・・いいよね潮風^^;(私的には船内でまったりが良かったが^^;)
さてあっという間の船旅で津堅島とやらに上陸だぞい(所要時間約30分ほど)
フェリーに人参ちゃんがあしらってるのね^^ ゆるキャラとか?
ただのマスコットだと思いますよ^^(名前とかあるのかな???)
さてここからは彼まかせでついて行く。
彼もまた目的の場所がどこなのか模索している感じ。
手に取ったスマフォの地図と手書きパンフレットの曖昧な情報を見比べつつ先へと行くのだ。
ここに全体図的看板があるが・・・
色あせててわかりづらい・・・ですねw
その後はあっちでもないこっちでもないそこなのかな?って感じで二人して進むのだ^^;
するとーーー
集落を抜けたあたりで広々とした畑が出迎えてくれたの。
人参畑ですね^^
細かい葉先が人参らしさだね^^ 葉っぱって食べられるのかな?
食べられますよ^^ ちょっとパセリっぽい苦みがあるけれど栄養豊富です☆
天ぷらなんて最高ですよ? 酒呑みなら最高のアテになります(*´д`*)
そんなこと言われたら食べたくなっちゃうじゃないかーw
この畑の端に寄せてある人参ちゃんはいらないやつかな?
だめですよ! 廃棄されるヤツかもですが農家さんの許可を得ないとw
てへ☆
う~ん!私的にはくだらないやり取りでも素敵な離島デートに感じて幸せなのだが、
どうやら彼は自分の本分を忘れてはいないようだった。
津堅島のターミナルから歩くこと15分くらいかな?
迷わず走れば10分と掛からないであろう場所に『それ』が道の向こうに見えてきたのだぞい。
来ましたか・・・ついに^^
意外と近かったなw
ここはなんていう煉瓦なんだい? 菅原君よ???
ここはまんま『津堅島灯台跡』って名称です(初代とも言う)
ただし、明治29年建造の『沖縄県で最古の煉瓦燈台跡』でもあります^^
沖縄最古!? へえ~
正確に言えば那覇空港の北側にある交通管制部の敷地内にある『先原埼灯台跡』が15日差で沖縄最古の煉瓦燈台跡なんですがーーー
あっちは入れないので『直に見れる沖縄最古の煉瓦燈台跡』ってことでw
15日の建造差なら誤差だよねw
しかも自分の目で見れる分だけこちらの方が優しいねw
そう言っていただけると助かりますw
でもあれだね・・・
赤煉瓦の灯台ってのも珍しいし、なんでこんなボロボロなのかね^^;
いえ、この旧津堅島燈台は元々、白い漆喰塗りの灯台だったそうですよ^^
え!?そうなの?^^;
目の前に見える赤煉瓦は灯台の内部構造です^^
風害塩害防水の為に煉瓦の外身は漆喰で保護されていたんです。
そして『なぜこんなにボロボロか』と言うとーーー
沖縄戦の空襲により機能不能になったので日本軍が爆破破壊したとも言われています。
なんでわざわざ自分ちの灯台を壊さなきゃならんのよ???
それは恐らく・・・敵に奪われるくらいなら爆破してしまおうってことなんだと思いますよ。
沖縄戦最終局、劣戦なのは誰の目にも明らか。
米軍の沖縄本島上陸も、その後の占領も軍部はわかっていたんじゃないでしょうか。
再利用されるくらいなら壊してしまえ・・・だと思います。悲しいけど。
言葉にできない・・・ぞい。
ちなみに当時の写真の代わりと言ってはなんですが、これを見てください^^
なにこれ? 当時の図面とか???
これは灯台のペーパークラフトの図面です^^
灯台のペーパークラフト?紙で作る模型みたいなやつ???
公益社団法人『橙光会』さんのホームページには日本の歴史的灯台を紹介するページ以外に、
こういう資料に基づいてペーパークラフトを製作できる図面の公開なんかもあるんですよw
マニアックだぞい・・・^^;
ちょっとわかりずらいですが、図面を見るからに目の前の煉瓦たちは灯台の土台部位だったと思います^^
石材などもふんだんに使われていたのですが、それは終戦後に持ち出されているようですね。
へえ~そうなのね^^ んじゃーこの煉瓦ってどこで焼かれたものなのとか分かってるの???
ある程度は調べましたよ^^
抜かりないね。まあ君のことだから当然かw
この灯台の煉瓦は沖縄刑務所の前身である『沖縄県監獄所』で焼かれたものなんだそうです(明治12年設置)
その沖縄監獄では煉瓦も焼きましたし、沖縄特有の『赤瓦(屋根瓦)』も焼いていたと聞いています^^
そしてこれこそが今日の本題なんですよ^^
どういうこと???
沖縄監獄で焼かれた屋根瓦は『監獄所の刻印付き』が沖縄本島や属島で見つかっているのですが、
煉瓦にも刻印が打たれていたのかは確かじゃないのです。
津堅島灯台の煉瓦の出どころは資料にて沖縄監獄製って確定してるってことは、
もしここで刻印らしきものを見つければ、それは沖縄監獄の煉瓦刻印ってことなんですよ^^
なるほどね! つまりはここで刻印見つかればーーー
君の言う『沖縄の煉瓦にも刻印がある証明』にもなるわけね^^
常々沖縄県産の煉瓦には刻印があるのか疑問符があったんですが、
出どころもしっかりした探し甲斐のある場所に来ちゃったよってことなんですよw
と言うことでーーー
坊勢さんが嫌がろうがお付き合い願いますよ?
はいはい。わかったぞい^^;
ではではレッツ煉瓦刻印探しといきますか菅原君^^
お願いします(*´д`*)
と言うことで煉瓦の刻印とやらを私も探すことになったぞい^^
私が先に見つければ菅原君へのアピールになるかも(*´д`*)
なあ~菅原君。煉瓦の表面が白くキラキラしてるんだけど気のせいかね?
モルタルとか目地の部分ですね。もしかしたら・・・
海砂、それもサンゴの砂が混じってるかもしれませんね^^
煉瓦の表面が見えるところが多いのに中々刻印は見つからないぞい^^;
戦後に持ち出されたって言う割に、灯台の石の部分も残ってるぞい?
たぶん、めんどくさかったんだと思いますw
なんじゃそりゃw
この中心にある円筒状の煉瓦によじ登れれば・・・もっと刻印発見の可能性があるのに。
肩車しよっか?
女性を土台にするわけには・・・^^;
じゃあ~私が・・・と思ったけどやっぱやめとくぞい。
パンツ見えちゃうし☆
珍しくスカート履いてる坊勢さんにガッカリです。
あんたねえ・・・^^;
さて、隣に生えてる木によじ登ったりジャンプしたりして必死こいて探す菅原君だったのだが、
結局それらしい成果も見いだせないようだった。
私も良いところを見せてアッピールしようと思ったんだが、ハブがいるんじゃないかと思って怖くて遠巻きに見ていたのだw
ちなみにだけど、津堅島にハブって居るのかい?
居ないですよ^^
なんだよ先にそれ言ってくれよお姉さんに^^;
夢中で忘れてました。すみません^^;
まあ・・・いないならいいんだけどね^^;
その後は海辺の方にも煉瓦の残骸があるかもと彼が言い出したので海辺へ!
あったのはきれいな海だけだったぞい^^;
流石に気落ちしてる彼に、私ももうひと踏ん張りすることにしたのだ。
するとーーー
なあ!菅原君よ、何か煉瓦に刻まれてるのを見っけたぞい(*´д`*)
ええっと・・・落書きでしょうね。なんてひどいことするんだ・・・
(増々ガッカリさせちゃったみたい^^;)
ならばと周りを注意深く探す私。リベンジするしかないのである。
森の奥に怪しい物件が見えるぞい!
お、何でしょうかねアレ(*´д`*)
ちょっと行ってみましょうか☆
なんだこれは・・・
少なくとも灯台関係・・・じゃなさそうですね^^;
(※ 周囲の草むらには楚石の残骸や煉瓦片は散らばってるけれど・・・)
空回りの煉瓦刻印探しに、しょげる私たち(とほほ・・・^^;
さて、船が出るまで1時間半は残ってる訳だが菅原君。
こうなったらターミナルまで戻って待ち時間の間やけ酒しましょうw
気分転換に観光でもしようぞ菅原君^^;
観光か・・・そうですよね!
煉瓦だけに気を取られてたら島旅好きの名が廃りますしね^^
じゃあ~行きましょうか☆
お、ちょっとテンション戻ってきたみたいだ☆
---ということで、次回はーーー
津堅島観光へと突入するぞい(*´д`*)ラブラブツアーや♪
☆お知らせ☆
ここまで読んでくださりありがとうございました。
正直、上野恩賜公園の桜のせいで・・・
お店が超絶くそ忙しいですw
桜が嫌いになりそうですよお・・・OTL
お返事はそのうちに・・・^^;
ブログは良いから、シッカリ寝て疲労を取って下さいネ。
by kinkin (2017-04-05 04:35)
桜の季節はメチャ混みなんですね
お疲れさまです
津堅島観光、何があるのかな~^^
by さる1号 (2017-04-05 06:50)
おはようございます。
お見舞いですね・・・・。
by YUTAじい (2017-04-05 06:53)
絶対に観光ポイントの選択に入らない場所、読み方すらわかりません。
沖縄でバス移動はかなりシンドイと聞きます。
煉瓦好きのなせる技ですね。
by こんちゃん (2017-04-05 08:19)
書き入れ時なんですから、しっかり働きましょうw
by まめ (2017-04-05 12:45)
遂に、第900話おめでとうございます。
桜の時期、忙しいでしょうが、頑張ってくださいませ。
by kiyo (2017-04-05 14:57)
マンホールまでキャロットとは可愛いですね(∩.∩)
戦争と煉瓦、やはり引き離せないですね。
忙しい季節、ご自愛くださいね(^_-)-☆
by 美美 (2017-04-05 19:13)
沖縄には何度か行きましたが、ここに離島があるとは(°_°)
直に見られる沖縄最古の灯台を訪れるなんてちょいのりさんスゴイです♪( ´▽`)
今の季節、本当に大変だと思いますがしっかり食べてしっかり睡眠とって乗り切ってくださいね(_ _)
by ニッキー (2017-04-05 21:44)
ちょいのりさんへ
第900話 本当におめでとうございます。
((\(^^)/)) 健康に気をつけて❕
by ホイップ・クレイ (2017-04-05 22:46)
津堅島かぁ、読み方も分かりません(*´∇`*)
刑務所ではいろんな作業やってますが、
煉瓦作りもやっていたとはちょっと驚きです。
上野の花見は今週末までかな? ご自愛下さい。
by johncomeback (2017-04-06 05:45)
おはようございます。
時期的にやはり忙しいんですね、身体壊さないようにしてくださいね、一息ついたら休息とって寺院巡りですしてください。
国清寺は韮山に有るんですが無住職なんです、同じ境内にある高岩院の住職が兼ねておられるんです、でも立派なお寺ですよ、敷地も広いですね。
by 馬爺 (2017-04-06 08:41)
よくコンクリートの外壁に落書きしているのを見かけますが見えにくい煉瓦にも。止めて欲しいですよね。単なる自己満足に過ぎないですね!
by みぃにゃん (2017-04-06 10:41)
そっか ちょいさんこの時期忙しいんだねぇ
頑張ってねぇ〜
by (。・_・。)2k (2017-04-06 12:49)
橙光会さんのペーパークラフトの量は
すごいですよね。しかも、灯台の先端に
爪楊枝使ったりしますし^^
イベントでご一緒してたので懐かしいです。
by みずき (2017-04-06 21:51)
キャロットアイランド
楽しそうな名前だけど何も無さそうな感じだね(^^;
煉瓦の刻印じゃなくて落書きは酷いねw
れんこんは花見でかきいれどきなのね、ご苦労様。
ぁっ、もしかすると来月れんこんに行くかも?
by えーちゃん (2017-04-07 00:54)
今、大忙しの時期なんですね。おつかれさまです^^;。
津堅島、昔、椎名誠の本で見たように思います。
人参の葉っぱの天ぷらかぁ。それ、美味しそうですね。
by sakamono (2017-04-07 01:24)
今までお世話になりました。
ありがとうございました。
by aru (2017-04-07 05:24)
お花見シーズンは
お忙しいのでしたね。
頑張ってらっしゃるようすが
眼に浮かびます?
by サンダーソニア (2017-04-07 11:12)
撤退戦では、すべてを破壊して敵に使われないようにするのは鉄則ですからね。
沖縄の人たちは憎いかもしれませんが・・・・。
by ワンモア (2017-04-08 19:05)
沖縄、戦争の歴史そのものがそのまま残っているのですね・・・。
色々と感じながら拝読させていただきました。
桜、きれいなシーズンですが・・・そっか、お仕事超ハードになるんですね・・・
お疲れ様です。
お体お気をつけてください。
by isoshijimi (2017-04-09 17:26)
おはようございます!
第900話!驚きです、おめでとうございます。
沖縄の津堅島と聞き、ん?ハブを心配してしまい
ましたが・・・居ないんですか!一安心です。ほっ!
花見客でどこもお忙しいのでしょうね!あまり無理
しないで頑張って下さい。それは無理か〜><
by Hide (2017-04-10 02:09)
皆様のご訪問の証として、ナイス欄を再開いたします。 皆様のブログへの訪問は、相変わりませず継続いたします。 よろしくお願いいたします。
by mwainfo (2017-04-27 14:41)