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温泉さーくる?寸又峡温泉編vol②『紅葉畑でつかまえて!?』 [温泉さーくる?]

『ワタシね、処女なの』

 ----ッ!?

 先ほどのラブホテルの一件で、ちょっとばかし顔が火照っていました。

 いえ、どちらかといいますと全身です。

 でもそれも、この季節の山道。ヒンヤリとした空気が心地よいのです。

 ワタシの、しゅ、羞恥心? 自分でも分かってる歳相応じゃ無い性に対してへの気恥ずかしさで、勝手に熱暴走していた体もいつのまにか冷めていたのです。

 ーーふと、先ほどの交差点まで下りて来たところで、首塚先輩が2~3歩前に出て立ち止まり振り返ったのです。

 そこで突然言われた言葉に、

 私は先ほどとは比べられないほどの、体の奥底からこみ上げてくる熱に、驚きの言葉すら溶かされてしまったのですーーー

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『ここじゃないのかな・・・』

 夕実ちゃんと首塚さんから別れること数分。

 再び建物らしい建物もなくなり、不安がそのまま口をついてしまった^^;

 ・・・やっぱり追いかければよかったのだろうか。

 だが、次のガードレールの切れ目まで、何かの標識があるまでは歩いてみようと、重たくなってきた足を前にだしました。

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 すると再び民家と段々畑がカーブを抜けたところで見えてきた。

 ようしっ!大丈夫っぽいぞ^^

 そしてさらに地図通りに歩んできたことを確信させる標識も

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 横断歩道の横にスクールゾーンと白線が横たわっていた。

 これでほぼ間違いない。

 地図に出ている学校もこの付近にあるってことだ^^

 がぜんやる気が出てきましたよ~ボクは☆

 確かに彼女たちとは同じ列車は無理そうだが、それでも早く駅を見つけて会いたい。

 だってここまで来たのだし。

 ボクは少しペースをあげて上ることにした。

 ---すると今までには無かったものが顔を見せてくれるようになってきた。

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 諏訪原城跡ですか・・・非常に興味深い。

 ああでもダメダメ!急ごう。

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 みかんの無人販売か。これをみんなでつまみながらSLもおつかもなあ。

 ・・・ああそうか。彼女たちがサプライズで待っていてくれない限り、次に彼女たちと会うのは千頭駅からのバス旅か。

 あそこからはみかんを食べるより彼女たちに是非とも『景色』を見てもらいたい。・・・荷物になるからやめておこう^^;

 ---そんなこんなで峠らしいところまでやってきた。

 ここからは下りのようだ。早く行こう!

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 ガードレールを左に見やると相変わらずの段々畑。

 その向こうには緩い峡谷になっていて川がありそうだ。

 川沿いに大井川鉄道が走っていたイメージをボクは思い出し、

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 茶畑を下る道へと進むことにしたんだーーー

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 トクン・・トクン・・トクン・・

 こ、こんなに『人の言葉で』自分の心臓がバクバクしたのは、いつ、いついついつ・・・いついらいだろう。

 手を胸に置いても止まってくれません。

 むしろ手が波打ちますですハイ^^;

 鏡があったら私って多分まっかか?

 絶対そうですそうにちがいありません!

 そんな私を見て、首塚先輩は少しにやりとして(なんか一瞬そうみえました)

うっそよーん^^ 何々?夕実ちゃ~ん、まさか本気にしちゃったのおー?』と、

 実にいやらしい感じの笑みを浮かべて私の顔を覗こうとする。

 ---うう・・・ひどいです。

 悪女です悪女!ここに悪女いますよみんなあ!

『お姉さんは百戦錬磨さんでちゅよー☆ 夕実ちゃんとは違いまちゅよ~♪ うふふ~^^』

 そ、そんなことを言いながらも更にいやらしく私の顔を覗き込もうとするので、私はぷぃっと後ろ向きになり、抵抗してやりたくなっちゃいました。

『そ、そうは言いますですけどォ、そ、その百戦錬磨さんの首塚先輩だって、さ、さっきはあんなに顔まっかっかで慌ててたじゃないですか。ふーんだ』

『菅原君に言われちゃったからね^^』

 ・・・しれっと言いましたね先輩。

 これは宣戦布告なんでしょうかね?と、しばらく考えてしまいましたーーー

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『えっと・・・あれが国道一号線ぽいから・・・』

 頭上を大きな道路が横たわり、そこをビュンビュンと車が行き交う。

 この交通量のある道路はおそらく国道一号線に間違いないと、

ボクはさらに下へとくだる。

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 すると、菊川坂石畳という看板と共に、下へとつづく無骨な石畳が広がっていた。

 ・・・ん~

 ・・・ん~

 ・・・・・・・・・あれ?

 菊川?

 看板の地図はどう考えてもここいらへんを表した地図だ。

 そこに載る川は『菊川』という川。大井川じゃない。

 おそるおそる石畳を下りていくとーーー

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 日坂宿?金谷宿ううっ!? しかもご丁寧にもといた金谷まで『あと何キロ』と書いてある看板を見つけてしまった。

 どうやら『一山間違えた』

 ーーー思わず笑ってしまいました。

 そうは言ってもとにかく彼女たちと合流したい。

 なぜか胸騒ぎがする。男の感ってやつですかね。

 ・・・ま、今はずれたばかりの頼りない感ですけどね^^;

 もう一度地図を広げて確認する。

 どうやら一番最初の信号から『間違っていた』ようだ^^;

 それをボクは彼女たちに付き合ってもらってしまったのか。

 なんて申し訳ないことをしたんだボクは・・・

 早く戻って合流しよう。

 早く戻って謝ろう。

 ボクは今来た道を行き以上に駆けていくのでしたーーー

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『夕実ちゃん見えてきたよ^^ あれ?まだプンプンしてるの~?そんなんじゃ菅原君に嫌われちゃうよ~^^』

 それとこれとは別ですってば、ぶー!

 今それどころじゃないんですう!

 私は今、先ほどの首塚先輩の発言が頭の中をぐるんぐるんとまわっていたんです。

 わたし・・・幼いのかな。

 経験は・・・ありません。正直。

 かといって百戦錬磨さんがいいってわけじゃないけれど、

 確かに周りの友達は・・・うん。・・・ハア。

 なにか取り残されてるみたいなキモチにさせられてしまった。

 も、もしかしたらす、す、菅原先輩も実は!?

 ああ・・でも・・・うーん・・・

 私の頭の中の脳味噌を手づかみでかき回されてるようなそんな気分ですう。

『ねー夕実ちゃん。もう着いたよ?金谷駅。 またここかっ!って感じよね^^;』

 そういって、駅舎に入った首塚先輩は切符を二枚私に手渡した。

『おごりですか。先輩の』

『ええっ!? あ、うーん・・・いいけど』

『じゃあ、缶チューハイもお願いしますです☆』

『ええっ!? じゃあーしょうがないか。イジワルしちゃったからってことで奮発しちゃおー。おねーさんだしw』

 そう言って缶チューハイを手渡される。

 とてもヒンヤリいい気持ち。思わず私はおでこに当てて、ふうーとため息をついた。

『お酒でも飲んで忘れちゃおうね☆夕実ちゃん^^』

 えっと、それはアンタのせいですから^^;

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 ようやくあの交差点まで戻ってきたボクは、道も緩やかになったことでスピードをあげる。

 しばらくすると大井川が見え、

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 大井川鉄道の線路のたもとまで辿り着くことが出来た。

 携帯の時刻を見ると、ゆうに2時間は迷子になってしまったようだ。

 非常にロスタイム☆

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 とりあえず最初に駅舎が見えたらそこでいいと思い、見つけた駅は『五和(ごか)』でした。

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『千頭駅』までは、ここからだと1590円か。

 少しでも安くなんて考えて駅を飛ばして歩いたけど、缶チューハイを二人におごっちゃったから全然浮いてないね(あし出てます☆)

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 いいね。渋い駅舎にぽつんと島ひとつのホーム。

 ボクは彼女たちに温泉と紅葉ってことで連れてきたのだけれど、どちらかというと寂れた感じの駅舎が見たかった。

 廃村さーくるの血なのだろうか。

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 駅舎の裏にはトイレもあったのだが・・・おもいっきり丸見えだね^^;

 しかもすぐ隣の家の軒先から普通に見えてしまう^^;

 ーーーそういえば、

 午前中には3本のSLの運行があったはずだけれど、夕実ちゃん達は無事に乗れたのだろうか。

 ボクも乗ろうと思えば乗れるけど、さすがに待っていられない。

 普通のやつでおいかけよう。

 そうは言っても、それでもまだまだ時間があって手持ち無沙汰。

 しかもここまで歩き通しで喉もカラカラ^^;

 ということで、近場のお店で水分をと、補給しに探検です。

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 ありました^^ やっぱこういうときはビールですね☆

 ん? 100円!?

 これからまだまだ彼女たちにおごる羽目になりそうですし、せっかくですからこれを買っちゃいましょう。

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 ボクはホームのベンチに腰掛け、先ほどの

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 自販機で買ったお酒を飲みつつ列車を待った。

(ちなみに100円のは韓国のお酒でした)

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 ふとベンチよこの機材?を見上げると『2R取り消し』

 なんか・・・競馬を思い出してしまいますね^^;

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 待つこと40分。ようやくお目見えです。

 ・・・彼女たちは今どこにいるのだろう。

 仲良くやっているのだろうかーーー

※ここまで長々と読んでいただきありがとうございました^^

 次回は寸又峡温泉編最終回の予定です☆

 

 

首塚さんの線画☆.jpg

 今回は、そろそろ夕実ちゃんと首塚さんお互い同志、自分のキモチを相手に対してはっきりさせていこうかと思いまして、こんな静かなバトルを書いてみました。

 ま、ジャブ程度ですけどね^^

 次回は普通です。コミカルに行こうかと。

 そして景色を見てやってくださいな^^

 


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下総弾正くま

ええ~っ! 諏訪原城ってこんなにキレイになってたのぉ~Σ(゜Д゜;
学生時代にゼミ合宿で行った時は、明らかに人んちの茶畑を通って入っていって、かろうじて城の遺構が見られる程度だったような気が…^^;

…そういえば、諏訪原城って金谷駅から大井川鐵道の駅とは反対方向に歩いて行ったような気が…^^;
by 下総弾正くま (2011-11-09 00:14) 

ちょいのり

下総弾正くまさん、諏訪原城は、ちょうど金谷駅の裏の山を越えたところだと思います^^

 すんごく遠回り。しかも一回元に戻らないと辿り着けないくらい迷子ってしまいました^^;

どうせ迷子でここまで来たなら城跡見に行けばよかったかもw
by ちょいのり (2011-11-09 00:19) 

銀狼

この時間になって、この書き出しを見て・・・
なんか色々ともやもやしてきちゃったりして^^;
次回の展開がなまら楽しみです^^♪
by 銀狼 (2011-11-09 00:47) 

大林 森

おおお・・・。なんという展開・・・。次、楽しみにしております!<(_ _)>
by 大林 森 (2011-11-09 01:02) 

レイリー

展開が気になる。。。
ナルホド、ここで一山間違えちゃったのね~
やっぱり大井川鉄道は乗ってみたいな。
by レイリー (2011-11-09 06:12) 

まめ

間違いだったんですね~やはりw
女の密かな対決はなかなか怖いものなんですよ~
by まめ (2011-11-09 07:10) 

リン

ひと山間違えて合流できるのか?!
すごく気になります。。。
それより、首塚さんの本心が分からない!!
やっぱり彼女を応援しちゃいます^m^
by リン (2011-11-09 07:27) 

ちょいのり

銀狼さん、出だしの言葉はどちらかというとあんまり使いたくはなかったんですが、
まあ、どんな話になるんだろ?って思っていただけたなら幸いです^^

いつかエロ小説家になれるように頑張りマッシュ!
冗談です^^
by ちょいのり (2011-11-09 11:01) 

ちょいのり

大林 森さん、次がクライマックスなんですけど、今はなーんも考えてなかったりw

いつも時間が無いので写真見てからの思いつきです。期待しないでえー^^;
by ちょいのり (2011-11-09 11:03) 

kiyo

ちょいのりさん、
おーっと、凄い一言から、思わず、目を伏せました。
ということは、菅原君一筋の夕実ちゃんも、当然○○でしょうから、
S君と、S二人の三つ巴争奪戦状態なんでしょうか。
健全すぎて、青春過ぎて、泣けてきます。
清い、澄い、きよいです~~~~~。
私は、二人を応援します。
by kiyo (2011-11-09 11:05) 

ちょいのり

レイリーさん、そうなんですよ^^;

いくらか呟いたときに、一山越えちゃったよwってあったんですが、よく覚えてらっしゃいますねw さすがです^^

ここは渡良瀬渓谷鉄道の更にパワーアップバージョンですね!
是非行ってみてください^^
by ちょいのり (2011-11-09 11:06) 

ちょいのり

まめさん、途中からおかしーなあーとは思いつつ、でも行けるはず行けるはずと行ったら、

やっぱり迷子でしたw

しかもすごくとんでもない方向^^;

女性の静かな戦いこそ、男から見て怖いものは無いですよ^^;
by ちょいのり (2011-11-09 11:09) 

ちょいのり

リンさん、このまま合流させないのもまた面白いかもw

いや・・・やっぱ最後は三人の会話を書きたいからどこかで会うと思います。

そろそろここから首塚さんの「攻勢」に打って出るような感じにはしたいんですけどね。じゃないと仲良しこよしじゃメリハリ無いし^^;

もちろん、ボクも首塚派です☆
by ちょいのり (2011-11-09 11:12) 

ちょいのり

kiyoさん、一応ブログ的に清いイメージで行きたいと思います。多少言葉はアレなところも出てはきますが^^

 ただし、いつか別のシリーズでは、エログロも多少入った物語なんかも書こうと思ってます(読んでくれる人減りそうだけどw)
by ちょいのり (2011-11-09 11:16) 

tomomame

おぉ~。茶畑だぁ。
あ、みかん安~い!いいなぁ。
う…こういうトイレ、確かに昔あったね。
友達(農家)のうちの庭とか畑に。
と、写真見ながら心で呟いたりして。

おっとー。首塚さんやりますね。
これはいい攻撃です。(プロレス解説風)
夕実ちゃん、こんなで動揺してちゃ~ダメよ~^^
負けるな~!(でも首塚先輩やっぱり結構好き)
菅原くんは、無事夕実ちゃんたちに会えるかな?
by tomomame (2011-11-09 20:02) 

唐津っ子

視点移動の効果がありますね.
想像していたよりも,はまっちゃいました.
次回,どうなるか楽しみですね.

*:〇ロ小説家デビュー,おめでとうございます(笑)
by 唐津っ子 (2011-11-09 21:41) 

ちょいのり

tomomameさん、プロレス解説風にふいたww

くそー!コメントで久しぶりにわらっちゃまった^^;
くやしいw

昔はこんなトイレばっかでしたよね^^ 手を洗うところもなんかちっちゃい蛇口捻らないと水が出ないやつだったりとか^^

たまには夕実ちゃんが攻勢に出るようなお話も書いてあげないとうかばれませんねえ^^;
でもいじめた方が面白いしなあーw

by ちょいのり (2011-11-09 21:55) 

ちょいのり

唐津っ子さん、またいつか視点移動はやってみようかと思ってます^^
これを書き慣れれば、サスペンス的話とかトリック的なことが出来そうですし^^
でもさすがに一本道のお話で精一杯ですね^^;

そっちの小説家は・・・結構憧れなんですよ。真面目にw

文章の表現力で考えたら、普通の小説よりもスゴイですからね^^

でもやりませんよ?w

by ちょいのり (2011-11-09 22:01) 

たかれろ

水分は全て、アルコールで補充してますねw
by たかれろ (2011-11-09 22:11) 

ちょいのり

たかれろさん、そういえばどんなに喉渇いててもお酒以外に口にしてないですよね^^;

本当は危ないんですけどね。ついつい^^;
by ちょいのり (2011-11-09 22:13) 

ニッキー

いきなりの首塚さん爆弾発言にワクワクしてしまいましたw
って、1山の迷子ですか(・・?
そっかぁ、道は必ずどこかに繋がっているけれど、行きたい所に繋がってない可能性もあるんですよねぇ(^_^;)
by ニッキー (2011-11-09 22:40) 

ちょいのり

ニッキーさん、そうそれなんですよ。

絶対多少間違ってても道は繋がってると思ったら・・・

これがまたびっくりで、本当にスタートに戻らないといけないような迷子になっちゃいましたです^^;

さすがにびっくりしましたよ。今までで一番迷子かもですw

山一個分丸まるですw
by ちょいのり (2011-11-09 22:57) 

吟遊詩人41

ああ、、、菅原先輩ったら、2人一気にアレしようとしたら・・・アレですよ(-_-)ニヤリ

そんなコト経験ないっすよ・・・マジで(^_^;)
by 吟遊詩人41 (2011-11-10 01:07) 

DEBDYLAN

書き出しが衝撃的すぎて^^;

by DEBDYLAN (2011-11-10 22:45) 

haku

韓国の缶入り発泡酒、初めて見ました!
韓国ビールって、妙に薄味だったんですが、
これも薄味だったんでしょうか??
by haku (2011-11-11 08:01) 

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