第418話秩父・岳集落跡編vol①『あの日見た廃村の名前をボク達はまだ知らない』：居酒屋けいば：SSブログ

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第418話秩父・岳集落跡編vol①『あの日見た廃村の名前をボク達はまだ知らない』　[廃村さーくる] [編集]

『ねーねー部長☆』

　ボクの背後から甘ったるい声が掛けられる。

　ぶ、部長!?

　ああ～ん、なんていい響き＾＾

　ああ・・・思えば大学になんとか廃村さーくるを認めてもらってから早や二年。

　そういえば一度だって『サークルの部長』だなんて言われたことが無い・・・

　いつだって『わきゃー☆先輩！！！』とか、

『ねーねー菅原君ってば～』だもの＾＾；

　－－－今年の春を向え、この弱小同好会である廃村さーくるに、

　新たに２人のメンバーを迎えることとなった。

　ええ。とても奇跡です！

　廃墟・廃村に興味を持ってくれる人なんて、ま、ふっつーに考えればいませんよ＾＾；

　それなのにそれが２人の新入部員ですぞ！

　これを喜ばないWA☆KE☆GA☆NA☆I！！！

　・・・ま、部長と声を掛けてきたのは妹の琴音なんですけどね＾＾；

　今年の春から兄を追ってかワカランが、妹と同大学となりました。

　そしてびっくりなことに、琴音のネット上でのパートナーこと『くまっち』も我が部にちゃっかり入部だったりですｗ

　う～ん部長かあー

『やっぱりこういうところはビシッとしなきゃっすよねお兄ちゃ・・・いえ部長様♪』

　その気遣い社会に出たら活きるぞ妹よ！

　おこづかいあげたいくらいだけど貧乏なのでやめておきます☆

『して、義兄うえ。ボク達新入部員に課題ですと？ニヤリ』

　くまっちが先ほどボクが伝えたことを反復する。

　－－－そう。

　ボクはあえて２人の新入部員に『課題』を渡したのであるーーー

岳集落1・タイトル.jpg

※ここから『琴音視点』です＾＾

　夢の中に兄貴が出てくる・・・

　ううう・・・

　なんか言ってるみたいなんだけど、全然聞き取れないっすよ・・・

　口パクを慣れない読唇術とやらを試みて必死に言葉をさぐるんだけど、ぶっちゃけマジワカラン＾＾；

　でもなんか少しづつ少しづつ聞こえてくる。

　ＰＩ、ＰＩＰＩＰＩＰＩＰＩ？

　ん？

　あれ？

　段々ＰＩＰＩＰＩＰＩＰＩが大きく聞こえてきた。

　それは別にお兄ちゃんがＰＩＰＩＰＩＰＩＰＩ言ってるわけじゃない。

　鳥じゃないし。

　夢とリアルの交差点。

　私は布団を掴んで天井を見つめていることに気がついた。

　音の主は兄貴じゃない!?

　ここで私は気づいちゃう。

　このＰＩＰＩＰＩＰＩＰＩは危険な音だと。

　・・・あ、見たくない見たくない・・・

　私の枕元の横で鳴いてる目覚まし時計の短針なんてえー＾＾；

　それでもやっぱり確認です。

『約束した時間まで残り２時間』の短針を見るなりお化粧そこそこで私は駅にぶっ飛んだのですーーーー

　兄貴の課題はこうでした。

『琴音とくまっちには、新入部員として廃村のレポートをやってもらおうかと思ってるんだ。

　場所は秩父。埼玉県の西の外れだ。

　ここには何箇所か廃墟・廃村・廃集落が数多く残っているところなんだけれど、

　どこでもいいから廃墟・廃村に興味が本当にあるのかということを示してほしいんだ＾＾』

　・・・だってさ＾＾；

　ま、私は割りと興味あった。

　いや、去年お兄ちゃん達と加蘇鉱山跡へと一緒に出向いた時に、とても楽しかったからってのが理由なだけなんだけどねｗ

　でも、なんでこんな苔むしてボロボロになっちゃったんだろ？

　なんで人が住まなくなっちゃったんだろ？とか、色々探って考えるのも興味深い気がします。

　ま、だったらそのお兄ちゃんの挑戦受けて立とうじゃないの♪

　むしろ越えてやるｗ

　愚兄賢妹だったんだ～って思い知らせてやるかんな！キャハｗ

　それには今の私の知識だけでは足りないと思い、

　今までのネットでのお付き合いのある方の中から廃村関係のエキスパートたちにご協力を願ったのだ！　えっへん＾＾

　その人たちとの待ち合わせ時刻が今日の１０時ジャスト！

　ああ・・・秩父まで３時間掛かるのに、２時間しか猶予が無いじゃんｗ

　それでも諦めず、私は電車を乗り継ぐことにした。

　・・・と、心の中で強気に言ってみたものの、

　やっぱり遅刻は免れない＾＾；

　携帯を駆使して『めっちゃ遅れますスンマセン＾＾；』と、ひたすらやり取り。

　募った人間が大遅刻・・・

　どちらかというと普段はあっけらかんな私でも、さすがに携帯のメールの前で向こうに伝わらない平謝りをしてました＾＾；

　そそそそ、そしてこれがまたはしたな～いお話っすけどお、

　途中でお腹が急降下です＾＾；

　ほんとならさ～

　女の子はよゆーもって時間つくってさー

　お化粧してさー

　駅前のカフェで朝コーフィー飲んじゃったりしてさー

　じゃ、いこうかな～ってな感じだったんだけど。

　そしておトイレとかもね☆

　そんな余裕なかったっすｗ

　レディーにも色々種類があるのです＾＾；

　で、結局乗り換え駅でアイドルなら絶対しないことをしました☆

　おかげで一本電車損しましたｗ

　次の電車まで３０分・・・

　しょうがないので私は飯能という駅を下車してゆっくりしてみるのでした。

　駅前の小さな一角に古めかしい家がありました。

　そこに舞い散るさくらの花びらで隣接する駐車場は薄桃色の絨毯。

　その手前の道もやっぱりさくらの絨毯状態。

　走り抜ける車の風で地面から再び上を目指す花びらと、降ってくる花びら。

　屋根の上には雪のよう。

　しばらく私はうっとりその場に見ほれていたのでした。

　・・・なんつってｗ

　私の柄じゃないとは思いつつ、でもほんとにキレイだったんだよ？

　再びホームに戻ると日曜だからか、ちびっこ野球少年チームの軍団チラホラ。

　ちょっとそれ見てなごんでたんだけどやっぱり遅刻は遅刻＾＾；

　結構ビクビクしてたものだから、気付けということでドリンクをゴクゴク飲んで、少しでもどっかにいっちゃいそうなハートを自分の中に押し留めてました（あくまでも清涼飲料水です☆）

　－－－そんなこんなで、ようやく乗り継ぎの電車に再び乗り込み、

　約束の場所に遅れること約２時間（１時間寝過ごしただけかと思ったら、その一時間で電車の接続が全然違っちゃうのね＾＾；

　西武秩父駅にとうちゃく～＾＾

　駅前で待っていてくれたのはーーーーーー

『くまっち』だけでした。

『女帝・・・どうされたんですか？こんなに遅れるなんて』

　はいゴメンナサイ＾＾；

　おもいっきり寝坊ですー♪

『ま、それはいいとして、駅前におもしろいものを見つけたであります。ニヤリ☆』

　くまっちは気遣ってくれたのか遅刻の話もそこそこに別の話題に突入してくれた＾＾；

　そして促がされるまま駅前のターミナルに私たちは出てみたのです。

『えっと・・・なにこの素晴らしいくらいに呆れるくらいにエネルギッシュな痛車たち・・・ｗ』

『秩父は痛車の聖地なんですかね。ニヤリ☆』

　車はともかく、バイクなんかは『オレを見てくれ！』と言わんばかりに下にカーペット敷いてありました☆

『して、女帝？　今回はなんて名前の廃村へ行くのでしょうか？』

　くまっちが、秩父を舞台にしたと言うアニメの、のぼりを見つめながら私にボソッと問う。

　ああ・・・そういえば本題の廃村の名前をうっかり忘れてた。

　一応ピックアップはしてたんだけど、なんてとこだったっけかな？

　遅刻パニックで全部、頭の中からすっ飛んじゃった＾＾；

　－－－こうして私たちの２人きりの秩父廃村巡りがスタートしたのでした。

☆ここまで読んでいただきありがとうございます＾＾

　序章ってところでしょうか。

　次回からようやく秩父の山にある『廃村』へと出向くことになります。

　前記事のコメント欄ツイッターを追ってくれた方は今回のお話は『答え合わせ』になったんでしょうかね＾＾

　フィクションとリアルが交錯した物語、気になる方は次回も楽しみにしてくださいね☆

（グルメ＆廃墟ノスタルジックです＾＾）

タグ：秩父廃村岳集落跡あの日見た花の名前をぼく達はまだ知らない聖地巡礼アニメ廃村さーくる痛車２人でオフ会

2012-04-17 04:14 nice!(90) コメント(19)
共通テーマ：日記・雑感

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ちょいのりさん、おはようございます。
私が朝の快速ウォーキングに出ている間に睡魔に負けちゃったんですね。次の記事も楽しみにしています。
by wattana (2012-04-17 06:07)

くまっちの優しさが伝わってきます！
結局どれくらい遅刻したのかな、琴音ちゃん。。。
でも駅に痛車がいっぱいで、逆に楽しめたかな？！
by リン (2012-04-17 06:24)

早々の記事、オツです。
かなり遅刻しましたね～w
by まめ (2012-04-17 07:01)

大事なイベントに限って遅刻とかよくやらかします・・・。(ノε<。)゜あわわ・・・。痛車のクオリティハンパないですよねえ。(・´з`・)盛り上がってほしいですが、盛り上がり過ぎてまた著作権的なアレにひっかからないようにお願いしたいです・・・。厳密に言ったらアウトすもんねえ・・・。(；´Д｀)
by 大林　森 (2012-04-17 09:20)