第497話 稲取・細野高原編☆ファイナル『げんなり寿司で、アーンして?』名産品とは?観光アピールとは? [廃村さーくる]
『はぁ・・・はぁ・・・んぐ・・・先輩!・・・先輩の・・・が・・・スゴイ・・・ですぅ』
秋も真っ只中。なんだかんだでめっきり気温が低くなった今日日(きょうび)
その上、ここは高度もある高原地帯。
普通に考えたら少し肌寒い感じと予想していたです。
先輩の提案で二人してマウンテンバイクでの高原ランデブー!
だ・け・ど!
めっちゃキツイんですが!
高原を吹きすさぶ心地よい風も、後から後から吹き出る汗にはまるで歯が立たないんですけどォ^^;
二人きりでドキドキどころかもう既に別の意味で心臓ドックンじょうたいなんですけどw
こう見えても私、運動は結構得意部門なんです。
なんだかんだで男の子と混じって稲取の海や山にと遊んでましたしね^^
でもやっぱり菅原先輩のタフさには、まいっちゃいますです^^;
少し都会で慣れきった(だれきった)自分の生活に後悔した。
もしくは大人になって昔より走って転げて、はしゃいでないなあ~なんて思っちゃいました。
子供の頃に負けたくない!
子供の頃なんてほんの数年前までだったんだから。
なんかそんな感じで、スイスイと先行する菅原先輩を立ち漕ぎでハアハア言いながらも追いかけたですぅー。
途中、森林のコースへと私たちは潜り込む。
『木陰に入るとやっぱり秋なんだね~^^』と先輩が立ち止まって振り返った。
長袖のシャツが張り付いた肌がきもちわる~いとか思っていた私にはありがたかった。
一時の休息もそうだけれど、ヒンヤリとした空気が少し私の体を癒してくれたからですぅ。
少しの休憩を挟み、また私たちはペダルに力を入れて上り出した。
『トイレはここしかないから今のうちだよ?夕実ちゃん^^ 後は野っ原でするしかないよー』
途中、唯一あるWC前で休憩です。
といいますか先輩?
デリカシーが無いですぅ^^;
さすがO型おおざっぱ、あんまり人のこと気にしないのもなあ・・・^^;
『えっと・・・あのお~・・・トイレにはまさかマムシいない・・・ですよね?』
『案外いるかもしれないね^^ 一応見てきてあげようか?』
おおう・・・頼もしいのか、やっぱりデリカシーが無いのかちょっと疑問な感じなのですが^^;
『あ、やっぱり平気みたいですぅ~^^』と、ここを後にすることにした。
私たちを迎えるススキの道がとても荘厳!
普段はまったく気にしない。気にはしてもちょっぴり秋だよね~くらいにしか思わないススキもここまで続けば広がれば圧巻です^^
流石に急勾配となってきたところで先輩もマウンテンバイクを降り、ゆっくりと押しつつ上ることになった。
こんなに景色がいいのに、すでに私は周りを見てる余裕もなくバテバテですぅ^^;
押して上って付いていくのが精一杯でした・・・^^;
今、登っている道の先がいよいよ空へと続く勾配となった頃ーーー
ようやくタクシーなどの車での登坂の最終地点の場所までやってきたのですゥ。
ココから先はどんな人でも皆歩きです。
『あら~!ここまで自転車で来たの~!? ごくろうさんね~』
『若いっていいわね~^^』
なんて、タクシーから降りるオジサマオバサマたちに散々声をかけられちゃいました^^;
『ええ、まあ~・・・あはは^^;』と、半分苦笑いな感じで会釈して、私たちもここにマウンテンバイクを止めて山の頂上へと歩くことに。
道すがらーーー
『そういえばね?マウンテンバイクを貸し出してるおじさんに聞いたんだけど、マウンテンバイクを借りて登ってくる人はあんまり居ないって言ってたよ^^ 用意してある台数も5台だったしね。需要がないのかなあ』
と、先輩が呟いた。
えっと・・・・・・先輩?
絶対需要は無いかと思いますです^^;
そんなこんなで、私はハアハア・・言いながらも残りの道程をひた登る。
相変わらず気楽にちょこちょこ話しかけてくる先輩にも、返事が端的に短い受け答えになってきた。
『そうですね』
『へえ~』って感じで!w
だってハードなんだもん!
無理ですよ~、うんうんハイハイって長々しく受け答えする体力も無いんだしー^^;
初歩の初歩の山でも私にはハードすぐりゅのですゥー^^;
(お酒残ってるしね☆)
『ここで休憩しようか^^ なんかベンチもあるし丁度いいんじゃないかな^^』
先輩が言うそこは、もう頂上まであと5分も歩かない場所でした。
振り返ればすぐそこに頂上です。
『お、ここはやっぱりいいね~!夕実ちゃんこっちこっち!!』
頂上なんていいや!とりあえず休めた、うれしー!と、自分の両膝に手を当ててぐったりしていたところに、
先輩の、おいでおいでですぅ^^;
内心、もおー!ゆっくりさせてくださいよー!と思ってたのですが、それでも『な、なななななんですかー^^』と、にこやかに追いかけることに。
恋のパワー、恐るべしです^^;
『うわ!? うわーーーー!ですう!!!』
私は思わず言っちゃった。
『ここから見える景色、いいでしょ^^ 頂上より突き出てる場所(実質9.5合目?)だから、ある意味一番眺めがいいところかもしれないんだよ^^』
『温泉街どころか、下田の海岸線とか見えますです!^^』
二人でしばらく、わーわーわー!って言いながら、ココから広がるパノラマを二人占め!
あの海の向こうに見えるのは伊豆大島かなあ~とか、
あそこは式根島? あれって河津?なんて感じで指差しては二人で楽しく答え合わせです^^
しばらく絶景を満喫したあとそんな流れで、私たちはベンチに腰を下ろす。
ここで私はバックからうんしょうんしょと、少しもったいぶって『ある物』を
じゃじゃじゃ~ん☆と先輩の前に取り出してみたのだ!
『ハイ!先輩^^ 駅前で私がこっそり買ってきた物(ブツ)ですぞー^^ これでここでランチにしましょうですぅ♪』
『うおおー!夕実ちゃん最高ですねw しかもまた“げんなり寿司”と来ましたか!』
私はさっそくお弁当の包装をガサゴソっと開いて見せた
『うんうん、これだね^^げんなり寿司☆』
先輩がナツカシそうに覗き込む。
『でもちょっと小さい感じしません?しかもマグロとか入ってないしー』
『そうかなあ? ボクんちはこんのくらいだったキガスルけど?
でもマグロとか無いネエ^^;』
駅前のお店でお土産用に売っていたこの『げんなり寿司』
稲取で昔から伝わる、これこそ『ザ・稲取』な代物。
祝いの席では必ずと言っていいほど、作られてきた御寿司だったりなんですよ~^^
1個1個がめっちゃでかくて、1個たべるだけでゲンナリ・・・ 萎え萎え・・・ってしちゃうからってことで『げんなり寿司』って名前なんですぅ。
紅白おぼろは絶対。
あとはめっちゃでっかいマグロの切り身と、しいたけの煮たやつと~、玉子焼き~♪
それを近所のみんなで一緒に作って、それで配るのが稲取の風習だったりなんですよ^^
『まあまあ~、そんなお土産品に文句言ってもですー!えいっ!』
っと、私は箸でげんなり寿司をごっそり掬って先輩のお口に無理矢理放り込んだです☆
『ああー・・・ナツイね^^ 子供の時は本当にうんざりげんなりしてて、食べたくなくって逃げ回ってたけどさあー、
こうやって改めて食べてみると美味しいね~^^』
『多分、ナツカシさもあると思います。あと、この景色・・・かもです^^』
『そうだねえ』
先輩がモグモグと頬張りながらも、再び眼下の景色に顔を向けた。
私もつられて向こうを見やった。
『ここは、やっぱ来てもらいたいとこ・・・かなあ^^』
『私もなんかそう思っちゃいましたです^^』
その後、私たちは頂上に上って再び絶景の大パノラマを満喫。
そして再びマウンテンバイクを止めてある駐車場へと戻ってきたのです。
『さ!前半苦労した甲斐がありました。これからは報いる番です。いや報われる番ですよ夕実ちゃん^^
あとはチャリで滑空!
ススキの高原をマウンテンバイクで楽々スキーだ^^』
ぎゅーん!
ぎゅぎゅーーーん!
ススキの雪山を直滑降!
先輩の遊び心がちょっと分かった気がしますです。
風を頬に受け
大草原のススキの野を満喫しながら駆け抜ける楽しさ。
これは楽して登ったタクシーじゃ決して味わえない高揚感だと。
行きは2時間、帰りは10分。
でもこの10分の思い出は忘れないだろうなあ^^
(一応念のために言っておきますです。道がボコボコしてるところもありますのでスピードの出しすぎにはご注意くださいですう^^
ちなみにランチで登場したお酒は飲んでませんよ。マジですw
だって自転車では危ない急勾配だと思ってましたしね~)
----とはいうものの
道を間違って、登山口からだいぶ下まで下ってしまったのはご愛嬌。
『ゴメンネ夕実ちゃんw ちょっと勢いつけすぎたw』
先輩が苦笑いで、うんしょうんしょとマウンテンバイクを押しながら登坂口まで戻ろうとしている私にゴメンネを言う。
『もおー!まさか先輩の実家の近くまで下ってるとは思いませんでしたよ^^;
まあでも面白かったです^^
そして細野高原って子供の頃はあんまり気にしなかったんだけど、改めて見てみるといいとこですね!わきゃー☆』
大人になってから
遠くになってから
地元の良さに気づくものなんですかね。
ちょっと前までの自分に後悔。
でもありがとう^^
再びゼーゼー・・・言いながら辿り着いた登山口。
ここでマウンテンバイクを返却ですう(別にこのまま乗っていっちゃっても良かったのにw なんて言ってくれた、おちゃめな事務のおじさまありがとー^^)
帰りは菅原先輩の親戚のお姉さんが迎えに来てくれる都合だったのですが・・・
『ゴメン!夕実ちゃん。なんかお姉ちゃん用事が出来ちゃったんだってさ・・・』
---えっと・・・どうしよう?
自転車なら延々と下るだけですぐ地元に帰れるけれど、ここから徒歩だとさすがに一時間以上は歩かされる^^;
ここ登山口から出ている無料のバスの時刻表を先輩と二人で覗き込むに行ったーーー
『ああ・・・次のバスは・・・1時間半以上も後だねえ^^;』
どうやら無駄に細野高原を滑空しなければ、充分前のバス時間に間に合っていたみたいです^^;
二人で『どうしようか?』『歩きますですか・・・ううう・・・』と嘆いていたら、
そこに神が舞い降りました☆
『お兄さん達、乗せて行ってあげようか^^ 駅までだったらいいわよ~』
私たちに声を掛けてくれたのは、地元の方らしいご夫婦さんだったのです。
『えっと・・・いいんですか? ではお願いします^^』
ということで、駅まで送っていただくことになりましたのですう☆
(ここは実話です☆)
道中ーーー
『いいわよね~、稲取は観光客を呼べてアピールできるところがあってねえ^^;』と、奥様に言われたんです。
続けて
『私たちはね、ここよりもっと南の南伊豆町なのよお~。
そこで民宿してるんだけど、観光客にアピールできるものがなくってねえ・・・
ねえねえ? 下田より向こう側で海以外で貴方たちは何か観光名所とか思いつく?』と、質問されちゃいました。
・・・
・・・
二人して言葉に詰まっちゃいました。
確かにコレといって思いつかなかったですう。
その間を感じ取った奥さんが、
『でしょ^^; だからね、なにか誇れるものがある、アピールできるところがあるっていうのはうらやましいことなのよ』と。
隣で運転している旦那さんも、声は出さずとも『うんうん』と、その言葉に頷いていた。
(ここも実話です)
このご時世、ただでさえ以前と比べたら旅行客は減っている。
生活を維持していく上で真っ先に切り離していくのは娯楽や遊行ですう。
ましてや観光アピールもない場所だと、それは益々『選ばれない可能性が高い』土地となってしまう・・・かもですね
『ありがとうございました^^』と、稲取駅で見送った私たち。
地元には今住んでいない私たちですが、その後は色々と考えさせられちゃったのです。
ま、そうは言っても久しぶりの地元です^^
しかも先輩と二人きりー♪
その後は娯楽もすっくなーいけれど、帰るギリギリまで先輩と二人でこの『稲取』という町をあらためて満喫しましたですよー^^
私にとって素敵な秋物語だったと思います。
---えっ?
ラブレターはどうなったかって?
それはまた今度、お話しますですw
やたら話が長くなった上に、ラブレターエピソードまで辿り着けなかったw
じゃ、出かけてきますわ^^
by ちょいのり (2012-10-16 07:04)
タイトルバックの絵に色も塗る暇もないまま旅立ちますです☆
by ちょいのり (2012-10-16 07:05)
え~ラブレターの行くへはおあずけなんですかぁ!!??
う・・・・っっ 次まで待てない(__し
なんちゃって、こんなすばらしい絶景でげんなり寿司を僕も食べてみたいです!!
by 駅員3 (2012-10-16 08:23)
げんなり寿司、食べてみたいような見たくないような・・・。
でも美味しそう♪
by しきみ (2012-10-16 08:41)
げんなり寿司は名前しか知りません。
地元の方が食べていた物を食べたいです。
おトイレはちゃんと整備しないと
観光客って来てくれないかもですね。
by サンダーソニア (2012-10-16 09:17)
ちょいのりさん、
楽しい自転車小旅行でしたね。←待て。
あれー、ラブレターのエピソードは~~?
無理に、先に勧めないで、途中、夢想・妄想で、エピソード出てくればと思いました。
次に期待ですね。
それから、イナトリよりも向こうの南伊豆の名所は、竜宮公園と、龍宮窟ですね。
とくに、龍宮窟は、めったにない、空が開けた洞窟で海に繋がっているので、素晴らしいですよ。
by kiyo (2012-10-16 10:03)
げんなり寿司・・j初めて知りましたどんな味だろう??
酢飯でしょうが…のってるものが気になる・・・。
by みぃにゃん (2012-10-16 10:15)
一応スメシの上に乗ってるよのは、キンメ鯛のでんぶです^^
by ちょいのり (2012-10-16 10:53)
観光名所が無ければ、地元の食材を使った美味しい料理や独自のサ-ビスで勝負するしかないのかな~
観光名所があるって、かなり有利な事ですよね。
by ちゃめこ (2012-10-16 11:40)
南伊豆は桜と菜の花が同時に楽しめた気が…^^;
しかも2月に^^;
道の駅もあるし^^;
by 下総弾正くま (2012-10-16 12:35)
ちなみに日光はいい天気です^^
by ちょいのり (2012-10-16 13:29)
もうおいら晴れ男でいいよねw
by ちょいのり (2012-10-16 13:31)
ここは白人さんの観光客のほうがアジアンより多い気がするね^^
by ちょいのり (2012-10-16 13:35)
登り2時間で下りは10分w
いやぁ、でも自転車でススキの原っぱを行く爽快感はぜひとも味わいたいですねぇ^^
えっ、今日は日光だったんですか?
秋を満喫しまくってますねぇ(^O^)
by ニッキー (2012-10-16 17:50)
げんなり寿司を食べたことないのに、
何故か懐かしさを感じます^^
でんぶって子供の頃大好きだったなぁ~^^
by 銀狼 (2012-10-16 19:34)
いつか。。。
ちょいサンと旅してぇ。。。^^
by yoshinori (2012-10-16 20:27)
結構な標高までマウンテンバイクで登ったんですね!!!
私は行きは車で帰りだけチャリンコでいいかなぁ(笑)
日光ですか?
行ったことないんですよね.だって渋滞しそうで(汗)
by 唐津っ子 (2012-10-16 22:11)
南伊豆は結構山が多いですからね、自転車ですときついでしょうね。
デンブがのっかったげんなり寿司は知りませんでしたね。
今度東伊豆へ行った時にでも買ってみます。
by 馬爺 (2012-10-16 22:54)
これはまた見事なススキですね。
自転車で駆け抜けると気持ちいでしょうね^^
by みずき (2012-10-16 23:29)
20年前マウンテンバイクが流行ったとき乗り回してましたが、、、
山には行った事ないです^^;
by 吟遊詩人41 (2012-10-17 01:49)
ススキが山肌(山???丘???)に生えているのを遠くから見ると、宮崎アニメに出てきそうな大きな動物に見えてきませんか?^m^
さて。。。ラブレター・・・・・ん???
次回?かな?まさか1年後。。。じゃないよね?
by リン (2012-10-17 05:44)
おはようございます。
秋の風景満喫です・・・健康的で健全。
作業は食卓の上です。
by YUTAじい (2012-10-17 06:10)
圧巻ですね~
マウンテンバイクではさすがに行く気にはならんとですよw
確かに自然で誇れるものがある地元って良いと思います。
身近にはないもんなぁ
by まめ (2012-10-17 07:02)
こういうところで弁当食べたいです☆
げんなり寿司 気になる・・・・(汗)
by rtfk (2012-10-17 07:21)
お腹が空いてきたww
by サンダーソニア (2012-10-17 11:58)
鯛でんぶ?
ガキの頃大好きだった。
今はmini meの大好物^^。
海の見える写真イイっすね!!
絶景だなぁ。
by DEBDYLAN (2012-10-17 23:26)
スキースノボをはじめた頃
きゃぴきゃぴチャンには負けない!
と思い ムキになりました
未だに 滑る時は呑みません
チャリと一緒ですね♪
by ねこじたん (2012-10-18 00:42)
離れてはじめて気がつくってありますよね。
美美さまも同じかなあ~
しかし細野高原は良い所ですね( ..)φメモメモ
ラブレター気になるなあ♪
美美さまは30年前にもらった恋文、
まだ持っていますよ~
もち、今のご主人様からですけろ(笑)
by 美美 (2012-10-18 09:33)