第514話 わたらせ渓谷リベンジ編vol①『白ポスト』有害図書ポストとか

『ん、んん・・・。何かボクの胸のあたりがモゾモゾする・・・』

　

　まぶたの裏からでも、ぼんやりと今が朝だということに気づいた。　

　その感触は・・・、はて？

　なんだろう？？？

　胸焼けとかそういうんじゃなくって『物体』がなんか乗っかってるような感じ？

　しかも初冬の朝には実にありがたい、丸まった猫のような温度を帯びている。

　ボクは寝ぼけまなこでソレがなんなのかを知る為に、自分の手を自分の胸の辺りに移動してみた。

　んん？

　見ないでも分かるくらいに、掛け布団ごとプックリと自分の胸の辺りが膨らんでいるのが感触で分かった。

　

　え？

　あれ？

　もしかして昔の某映画のように、ボクってば女の子になっちゃった？　・・・女体化？

　・・・ボクの胸が大きくなったとか？

　いやいやいやそれはヤバイです（色々な意味で

　いやありえないから！

　

　・・・ふと、自分の胸だと思ってしまった胸が『うーん・・・』という女の子の声と共に移動する。

　

　ええっ!?

　ボクって声まで女の子？

　ほんとに女体化？

　漫画じゃあるまいし。

　しかもボクの胸は自分の意識とは関係なく動き出す。

　

　胸って勝手に動くのか？

　こんなことなら夕実ちゃんや首塚さんに聞いておけばよかった。

　

　ボディービルダーのお兄さんやおねーさんが胸の辺りのキンニクをひくひくさせてアピールするのは見たことあるのだけれど、

　それは自分の意志だ（そこに辿り着くのも大変だが＾＾；

　あまりにも不可解。

　流石にさきほどよりも意識がハッキリしてきたボクは、掛け布団ごと、ソレを押しのけてみたんだーーー

『ちょっ!?　なにしてんのよチェルシー！』

　思わず仰け反ろうとしたのだが、チェルシーが寝ながらボクの服をワッシと掴み、肩肘立てて少し遠のくくらいしか逃げられなかった＾＾；

　えっと・・・ここまでを整理しよう。

　うん、そうだそうだ。

　昨日の夜から整理しようじゃないか。

　思い出せ昨日の夜！

　頑張れボクの記憶！

　確か昨日の夜はーーー

　

　ボクの家で鍋パーティー。廃村サークル全員がそれぞれ思い思いの食材を買ってきてぶち込むデンジャラス闇鍋パーティーだったような・・・

　えっと、それはいいや。その先を思い出せボク。

　んんん・・・ああー！

　そういえば終電前に妹とくまっちが帰っていったきがする。

　あれ？そういえばリンダも帰ったなあ・・・確か。

　でもなんでひょっこり付き添いで来た妹であるチェルシーを連れて帰ってない？

　

　ああ・・・そうだ思い出した＾＾；

『帰りたくないっぺよォォォォーーエーン』と、チェルシーが駄々こねて泣き喚いたんだ＾＾；

　それを見かねた酔っ払いの首塚さんが

『せっかくだしいいじゃない＾＾　この子めっちゃ可愛いし私が責任持って預かるからリンダは帰っていいよ～、ヒック！＊＾ ＾＊』と、

リンダをシッシ！と返したんだっけ＾＾；

『じゃあ・・・ヨロシクデース＾＾；　明日には迎えに来るデス＾＾；』

　

　それでいつの間にか夜通しパーティーの続きしてた・・・

　そんな感じだったきがする。

　

　リンダが帰ったとたんに、ボクに向ってちょこっとベロを出して、さっきまでのは嘘泣きだったんだと思わせるようなチェルシーのそぶりはなぜか記憶に残ってた・・・

　

　

　

『プアーーーーン！』

　東武線の赤城行きの特急『りょうもう号』がボク達のホームへと、するすると近づいてきた。

　ボク達はそれに乗り込む。

　目指すは『相老（あいおい）駅』

　・・・

　・・・

　えっと、また更になんでどうしてこうなったのかを説明せねばなるまい＾＾；

　それはチェルシーの『ある一言』から始まったのです。

『ダーリンの活動を見てみたいっぺ♪』と。

　

『じゃあ～明日の休みはどっか行っちゃおーよー。いや行くから！菅原ーくーん＊＾ ＾＊』

『わきゃー☆　どっかいいとこないんですかあ？っていいますかつれてってー☆』

　酔っ払った夕実ちゃんと首塚さんのイケイケガンガンな押し問答に、どうにかこうにかめぼしをつけたのが、この旅路のハジマリだった。

　つまりはそーゆーことだったりなのです＾＾；

　

　車内では・・・昨日からの酔いも抜けきら無いのに、首塚さんが売店で抱え込んできたお酒をみんなでしこたまグビグビ。

　実にだらしがない大学生活です＾＾；

　でもボクもお酒は好きなので遠慮なくグビグビ。

　

　みんな酔っ払っていてくれたおかげで、今朝方チェルシーがボクに抱きついて寝ていたのを見た女性陣２人も全然意に介していなかったのが唯一の救いかも。

『チェルシーちゃんってば可愛い＾＾』

『子供はいいですね～☆』だってさ＾＾；

　

　二人の前では猫かぶってるチェルシー。

　でも実は彼女はボクにだけボソッと呟いてたりする。

　

『２人きりだったらダーリンやばかったっぺよ☆えっちな意味で♪』と・・・＾＾；

　ボク達は、わたらせ渓谷鉄道の起点となる相老駅に到着する。

　その先にあるのは『廃墟・廃村・廃校・廃神社、廃弾薬庫に廃坑道・廃線とかｅｔｃ』という

『廃』が冠に付く物がすべて揃ってて『後はあなた次第でご覧じろ』なところだったりするのです。

　その手のマニアさんにはうってつけなところなのかも＾＾；

　

　今回、みんなでお寝坊で大幅に出遅れたせいか、ここに着いたのは正午を少し越えたくらいの時間でした。

　わたらせ渓谷鉄道を北上する列車に乗り込むにはタイミングも悪く、実に１時間を持て余すことになってしまったのです＾＾；

　仕方なく駅の周りでブラブラとすることに・・・

『青少年に有害な雑誌を投函するポストって、たまに見つけるわよね～＾＾』と、駅の片隅にポツンと鎮座する犬小屋みたいな物を見つけて首塚さんが言う。

『ゆ、ゆ、有害な雑誌って・・・えっちな感じなのですかね？わきゃあ・・・＾＾；』

　夕実ちゃんは恥ずかしながらもちょっと興味ありありな感じで、その投函口をパカパカといじってみせるｗ

『これは“白ポスト”って属に言われてる、青少年には、うふ～ん♪あは～ん♪な感じの図書やビデオを入れてくださいねって言う箱だね＾＾』

　へえーそーなんだーと、少し視線は遠くを見てそらしながら言うけれど、ちょっと何故か興味ある感じの夕実ちゃん・首塚さんペア。

『まあ・・・昔からあったりするらしいんだけどね。実際ほんとうに投函されてるかどうかはボクもわからないかなあ＾＾』

　どこまでが教育上よろしくないとかは、それぞれの個人判断。

　とりわけこういうところに投函するのは、思春期や幼学年の子供を持つその親の基準なんだと思うし。

　えっと・・・まさか中学生や高校生の男子が

　泣く泣く『これは猥褻すぎるゥー！』と、この白ポストに入れることは絶対無いと思うけどｗ

　有害図書と言うけれど、もしかしたら性的意味じゃないものもあるかもね。

　過激な政治的思想・宗教的思想を描いたものだって人によっては有害図書となる場合もあるかも。それもまたしかりです＾＾

　

『じゃあ・・・この中にはポルノがいっぱい入ってるだっぺ☆』と、ペロっと小さく舌を出して、おどけながら投函口を覗き込むチェルシー。

　それを見た大人な彼女たち２人が

『まだまだチェルシーちゃんにははやいよ～♪』

『わきゃー☆もおーだめだよチェルシーちゃん！めっ！＾＾』と、私たちの歳まではそーいうのおあずけだよ～と言わんばかりに、ちょっぴり大人なそぶりを見せながらチェルシーを上から諭してた。

　いやいやいや・・・

　君達はこの肉食系幼女の本性を知らないだけですってば＾＾；

　彼女たちの目線が少し遠のいたところでチェルシーはボクをちょっと見て、ニヤリと不敵な笑みを向けた。

　そしてボクにだけ聞こえるようにボソリと

『この２人はライバルですらないっぺ☆』と呟いたのでしたーーー

　

　

ここまで読んでいただきありがとうございました＾＾　

　再びのチェルシー参戦の廃村さーくるシリーズです。

　猫かぶりの肉食系幼女ｖｓダメダメ女子大生チームと菅原クンが織り成すハートフル恋愛サスペンス＆アクション＆ホラー＆ドキュメンタリーな、わたらせ渓谷鉄道編。

　実質、カメラのバッテリーのせいで昔、大失敗した足尾銅山編のリベンジ的意味合いな今回だったりかも？

　

 

 

　

タグ：白ポスト 有害図書 肉食系幼女 チェルシー わたらせ渓谷鉄道 足尾銅山 廃村さーくる 夕実ちゃん 首塚さん 相老

コメント 18

ええっ？？？
首塚さんの告白もできなかったのにチェルシーちゃん登場？！
菅原君。。。もてすぎです(-_-;)
by リン (2012-12-07 05:48) 

おはようございます。
旅の続きが・・・寒くなりましたね・・・楽しみです。
by YUTAじい (2012-12-07 06:14) 

をっ、ちょいさんの願望？！
思いっきり年下希望ですか
by まめ (2012-12-07 06:34) 

っついに！一線をって思ったじゃないかぁああああ！
by サンダーソニア (2012-12-07 08:08) 

って　書いてほしかった？(｡･ｗ･｡) ﾌﾟﾌﾟｯ
by サンダーソニア (2012-12-07 08:09) 

チェルシーちゃん、相当の小悪魔ですねぇｗｗ
これからの四角関係？　どうなることやら　＾ｍ＾
by haku (2012-12-07 08:16) 

いいですねぇ・・・チェルシーちゃんのしたたかさ。
こんな可愛らしいしたたかさを持った女性が近くにいたら・・・（＾＾
by 駅員3 (2012-12-07 08:32) 

むか～し、白ポストの投入口から
中身を頂こうと試みて、挫折したコトがありますｗ
最近は、ポスト自体見なくなりましたね～
by たかれろ (2012-12-07 09:18) 

菅原くん　羨ましいゾ（＾m＾）☆
白ポスト・・・地元にあるヤツ（今でもあるのか？）は
本当に白かったなぁ・・・・。


by rtfk (2012-12-07 09:38) 

まちがっちゃったら面白かった。。。（ｗ
足尾、楽しみです！
わたらせ渓谷鉄道と共に一度撮りに行きたい～
案内ヨロシクデス！
by 風太郎 (2012-12-07 10:11) 

ちょいのりさん、
チェルシーちゃん、積極的ですね。
これは、首塚さんも、夕実ちゃんもうかうかしれられませんね。
それにしても、菅原君ばかり、モテモテだなぁ。

by kiyo (2012-12-07 10:27) 

白ポストの存在を初めて知りました＾＾；
確か北海道には、なかった気が。。。
まぁ、あっても入れませんが(笑)
それにしても、恐るべし幼女…＾＾；
by 銀狼 (2012-12-07 14:00) 

わたらせ渓谷は言って見たい所ですのでレポートよろしくです。
by 馬爺 (2012-12-07 19:24) 

我が家の肉食系女子もかみさんの前ではとても甘えん坊でボーイズに戦いを挑まれるとかみさんに助けを求めますが、かみさんがいない時には戦いを挑まれた瞬間にパンチを浴びせて撃退するツワモノです(-"-)
by ニッキー (2012-12-07 21:23) 

日本男児の草食化が言われて久しい今日この頃．
自分は，常に肉食系でいたいと思って（願って）います．
そういえば，外人さんには肉食系が多いなぁ(笑)
見習わなくっちゃ
by 唐津っ子 (2012-12-07 22:51) 

人生２度目の白ポストを見ました。
１度目は鹿島神宮の最寄JR駅です。
もしかして、意外と都内近郊にはないのかなと
思いました。秋葉原とかに置いたら、半日で
あふれる気がしなくなくもないです＾＾；
by みずき (2012-12-07 23:15) 

今シリーズこそ!!
ワクワクw

by DEBDYLAN (2012-12-08 00:41) 

ちょっとドキﾂ！としちゃった*＾＾*
by 美美 (2012-12-11 17:48)