第557話 碓氷煉瓦のアーチ編vol④『煉瓦色の虹』めがね橋・アプトの道 [廃村さーくる]
『後輩ちゃん、もうすぐだぞお~^^』
わっ!? えっ!? うおっ!?
相楽先輩に引かれながらグングンとトンネルの出口へと向う私。
たまに振り返るその笑顔は、まるでおやつの時間を待ち焦がれる子供のよう。
ぅわあ・・・この人って本当に純粋なんだ^^
なんか菅原先輩が惹かれてるように思えるのもなんか分かるです。
ーーー少し嫉妬です。
オレンジに光るナトリウムランプが照らす輪をいくつも潜り抜けた私たちの目の前に、明るい世界が広がった。
第557話スタートですぅ^^
第五トンネルを抜けた私たち。
先ほどまで見かけた橋とはスケールが違うとすぐに分かったのですぅ。
さっそく橋の中央ど真ん中に駆け寄って、欄干から景色を見回したい!と思ったのですが・・・
『スイマセン^^; もう少しだけ待っていただけますか^^; ほんとゴメンナサイ^^;』と、私たちの元に可愛らしい女性が近づいてきて、そこで待機してくださいと言うのでした。
最初は、はあ?なんでだろう?と思いましたよ。
『あ!ねえねえ夕実っち!あそこ見てよ!あそこ!』
琴音っちが指差す方向に皆釣られてそちらを見る。
するとーーー
橋の中央に立つ1人の女性を囲むようにカメラマンさんやレフ版持ちの人たちが群がっていたのです。
『なるほど。撮影してるみたいだね^^』
『何の撮影かしらね?グラビアかな?*^ ^*』
『お兄ちゃん。えっちなグラビアかもしれないよ~ぅヒヒw』
琴音っちの発言に、まだ近くに居た女性スタッフさんも苦笑い^^;
『えっと、・・・んっ!んん~!ええっとーーー・・・まあそんなに時間かからなそうだし、橋の袂で待ってようね皆^^;』
先輩の言葉にみんな『はーい』とお返事。
しばらく待つことにしましたです^^
『ん?えっと・・・菅原君?橋の袂に建てられてる標識に『めがね橋』って書いてあるけど*^ ^*』
首塚先輩が見つけた標識には確かに、めがね橋と書いてあるです。
『そう、この第三橋梁は通称“めがね橋”って呼ばれてるんだ^^
現存する煉瓦造りの橋の中では国内最大級!
煉瓦の総使用数約200万個!
このアプトの道の最大の見所でもあるんだ^^』
『へえ~♪』と驚く私と首塚先輩と琴音っち。
あれ?相楽先輩がいつの間にか居ない^^;
ま、それは置いて置いて、私たちは横っちょからちらりと、めがね橋ちゃんを覗き見です^^
数分過ぎた頃ーーー
『ご協力ありがとうございました!本当にありがとうございます^^もう撮影終わりましたので』と、女性スタッフさんが駆け寄ってきた。
撮影部隊もそそくさと橋の向こう側へと動き出していましたです。
何度もお辞儀を重ねた女性スタッフさんは、あわててスタッフさんチームの元へと帰って行ったのです。
『それじゃ~撮影も終ったみたいだし、そろそろめがね橋を堪能しに行こうじゃないか^^』
先輩のゴーサインに私たちは思い思いに歩き出したです。
(丁度その時、ひょっこりと顔を出した相楽先輩。どうやら私たちとは違う方の橋の袂で撮影してたようです^^;)
『やべえー!めっちゃ高いんすけどw』
恐る恐る欄干に手を掛けて下を覗き込む琴音っち。
私と首塚先輩もソレに続く。
それを後で見ていた相楽先輩が、色々と解説してくれた。
『全長は91メートル。川底からの高さは31メートル。もっと背の高い陸橋や鉄道橋は日本にごまんとあるのだが、
これが煉瓦で出来てると考えるとそうとうなものだと思わないかい?後輩ちゃん達^^
しかも鉄製と比べると同じ高さであってもこちらの方が高いと思ってしまうかもだよ。
鉄と煉瓦の素材の違いからくる、微妙な安心感の違いがそうさせてるように思うね~^^』
ううう・・・、どっちにしたって私には高いし怖いですう^^;
ふと、山の向こうに鉄道橋?っぽいのが見えた。
『あれは何線なんですか???』と、今度は菅原先輩の袖をくいくいっと引っ張って聞いてみる。
ふふふ。これならば相楽先輩に間に入られることもないかな^^
『あれは碓氷の新線の鉄道橋だね^^ で、今居るこの場所は碓氷の旧線になるわけだ^^
ちなみに向こうも廃線なんだよ?』
『え?向こうも廃線なんですか!?』
私のビックリした声がまずかった。
菅原先輩の言葉に続けて、相楽先輩が入ってきてしまいました^^;
『明治25年から続いた旧線、つまりこのアプトの道も昭和38年に新線の開通によって廃止になったわけなんだが、
その碓氷新線も平成9年の長野新幹線開通にともなって廃止に到ったわけなんだよ後輩ちゃん。
新しい便利なものに取って代わるというのは至極当然のことなんだけれども、こうして廃線となった旧線新線を見ていると、なんだか切ない思いがこみ上げてきちゃうよね^^』
私たちに振り返って説明していたはずの相楽先輩。
いつのまにか欄干に頬杖ついて遠くを見つめていましたです。
めがね橋と新線の鉄道橋がセットになったことで、よりここの歴史の深みを感じ取れたような、なんかそんな風に私は感じましたです。
『はいはい傾注!傾注ぅ~! まだめがね橋の半分も魅力を見れて無いよみんな^^;』
パンパンと手を叩いて私たちに声を掛ける菅原先輩。
『半分も見れてないって、つまりはどういうことだってばよお兄ちゃん』
『下からも見てみようって事だよ^^ さあさあ、すぐそこから国道18号まで降りれるようになってるから、そこまで行って見上げてみようじゃないですか^^』
『『『は~い!』』』
私たちは、めがね橋を渡りきった袂の裾から下へと続く歩道へと向うことにしたのです^^
そして、下まで降りたところで気づかされたほんとの魅力です。
見上げたそこには
空の青を埋め尽くす、煉瓦色の4連アーチ。
実に高く、実に雄雄しい、煉瓦で出来た虹のよう☆
『うわあ・・・なんか感動っす。言葉があんまり思いつかねー^^;
そしてなぜだか人ってすげー・・・って思っちゃうよお兄ちゃん^^』
『うん。そうだな。そうだよなーーー』
色々知ってるはずの菅原先輩も、見上げためがね橋に心を持っていかれている感じ。
そして勿論私も。
ちらりと見えた首塚先輩も同じく。
相楽先輩に到っては、とてもとてもいとおしい感じで目を細めて見すえていたように見えましたです^^
時間にしてどれくらい居たでしょうか?
皆、思い思いに色々な角度から見上げ続けるめがね橋。
『やばいっす。なんか見上げすぎて首の裏ジンジンなんですけどw』
琴音っちの言葉に『そういえばイテテテテ^^;』って感じでようやく自分達の時間に気づいたのです。
『えっと、お兄ちゃん?ここがアプトの道のメインっぽいんだけど、まだまだどこか見所があるって感じ? それとも折り返して帰るみたいな?』
そういえばそうだ。菅原先輩が見せたかったところってどう考えてもここのような気がしますです。
ということは、もうここでお開きなんでしょうか?
『ん?まあ~ここが本命って感じかな^^ ここで終わりにしてもいいかもだよ。ただ・・・』
そう言いつつ菅原先輩は相楽先輩の方を見る。
それに気づいた相楽先輩は、ニヤリと笑みを返しつつ
『まだまだ見所はあるのだよ^^ただ、後輩ちゃん達も歩きつかれたのではないかな?
でももう少し頑張れるなら見ておいて損じゃない場所があったりするんだぞ~w』
と、私たちに振り返った。
『なんかそこまで言われちゃったらあとちょっとくらい行きたいっすよ^^;
ここも充分マジ感動だったけど、
せっかくだし行ってみたいっす^^』
私も首塚さんもコクリと頷いた。ここまで来たなら行って見たい。
ということで、菅原・相楽先輩のもう一つの目的地へとお付き合いすることになったです^^
---先導する両先輩の後に続いて、一旦、めがね橋まで戻ろうとしたところ、
琴音っちが『そう言えばあっちにもなんか道があるんだけどなんか気になるなあ・・・』と呟いた。
それは、めがね橋から見えた“碓氷新線”の廃鉄道橋の方角へと延びる道だったのです。
その言葉に相楽先輩が振り向く。
『ほ~、確かにちょっと気にはなるねこの道。意図した所とは別件だけれども、ちょっと足を伸ばしてみようじゃないか菅原君^^』
『え?ああ~いいですよ^^ じゃあみんな、ちょっと寄り道してみるけどいいかな?』
次いでの次いでです。特段誰も文句を言うこともなく、行って見ることになったです^^
『おっ!やっぱりさっき見えた碓氷新線の鉄道橋への道だったようだね^^』
『私ってば冴えてるっしょ~w』
相楽先輩と琴音っちは、見上げたコンクリートの陸橋を指差して笑い合う。
そこに『はい!はい!質問です・・・』と首塚先輩が挙手をしつつ相楽先輩に話しかけた。
『えっと・・・ここは先ほどのアプトの道みたいに見学できたりできないんですかね?^^;』
『んん~・・・残念だけれども、こっちはダメなのだよ首塚ちゃん^^
こっそり行くことはできるかもしれないが、基本、こっちは立ち入り禁止なのだ^^
ここの脇から登っていけば、立ち入らずとも横目には見ることができそうだが・・・』
そう言って相楽先輩が指差した方を皆見つめる。
ううう・・・傾斜はそれほどでもないですが、それなりの準備してこないと登れそうも無い山肌。
『あ、やっぱいいっす^^;やめときましょw』
結局見上げるだけでやめておくことになりました^^;
その後もなぜかUターンせずに歩いて行く先輩たちご両人^^;
結局辿り着いた終着駅は
ここ安中市の貯水場だったというオチですぅ^^;
『じゃあ・・・気を取り戻して一旦戻ってから行こうね^^;』と、再び元いた場所へ^^;
めがね橋を渡りきって直ぐにある、第六号トンネルの前まで帰ってきたのです。
『まさか・・・二十六もあるトンネルを全部周ろうとか抜かしたりしないよなお兄ちゃん^^;』
『そこまで行かないから安心しなよw』
結局、菅原先輩のいう『そこまで行かない』って言葉に、
私たち後輩チームは後々思い知らされるのでしたーーー
次回に続くです!
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
次回は『素敵な出会い』が待ってたりします^^
さっきの撮影のモデルさんに会えたとか?
いや、もっともっとレアキャラかもね☆
(ブログ訪問が中途半端になってますが、後日にさせてください)
この煉瓦造りは見事だなぁ~!!
自分も見上げてみたい(^^)
山ヒルは異常に怖いケド・・・・(@@;)))
昨日は上野で・・・・・(^m^)
でも帰りに・・・・(涙)(><)
by 獏 (2013-04-07 08:23)
ちょいのりさん、
天気の良い日に青空と煉瓦造りの橋梁をみるのは素敵ですね。
ただ、相当歩きそうですね。
まだ、話の展開は先に続きそうですが、どうなるやら?
by kiyo (2013-04-07 09:40)
こんにちは。
途中の変電所など文化遺産として大事だと思いますが・・・このまま朽ちてしまうの悲しいです・・・。
続きも・・・お願いしますね!
by YUTAじい (2013-04-07 11:09)
廃トンネルは、ちょっと怖いです。
霊感?!
それはさておき、今は長野新幹線でびゅーっと行ける区間ですが、かつては、この煉瓦の橋梁を蒸気機関車が走っていたんですよね。
線路はなくなっても、ずっと残してほしいです。
by motosoft (2013-04-07 12:42)
この建造物は圧巻ですね。
ただ、上り下りは大変そうです・・・
確実にバリアフリーではないので、ベビーカーでは
無理っすねw
by まめ (2013-04-07 12:57)
うわ…山ヒル注意…(・_・;)
ここ、テレビの旅番組なんかでもけっこう出てますが、タレントさんの格好見ると、どう見ても歩いてないだろって恰好してるのが多いこと…^^;
by 下総弾正くま (2013-04-07 13:04)
200万個のれんがすごいですね~!!
by macinu (2013-04-07 13:35)
第三橋梁は、ヤバいくらい高いですね。。。
私実は、高いところが苦手です。。。
絶対、覗き込んで写真は撮れません。。。
by chalice (2013-04-07 14:13)
凄いですよね~
バイク時代に初めて見た時の感動が今でも記憶にあります。
ヤマヒルは困るなぁ~
なんとかこの橋梁と天の川を撮ってみたいと思っています。
by 風太郎 (2013-04-07 16:31)
もう少し暖かくなったら、歩くのに良さげな所ですね。
でも、山ヒルはやだな。「素敵な出会い」に期待して
いますo(@^◇^@)oワクワク
by johncomeback (2013-04-07 17:36)
うわぁ、この煉瓦のアーチカッコイイですねぇ^^
自分の目で見てみたいけど・・・山ヒルに熊出没注意の看板が(^_^;)
でも昼間に長袖にGパンならきっと大丈夫ですよ(^^♪
by ニッキー (2013-04-07 22:25)
人の手を感じる建造物っていいですよね。
リベットの構造物なんかも、ぐっときちゃう派です^^
by みずき (2013-04-07 22:50)
熊出ました?
僕の知ってる熊さんw
by DEBDYLAN (2013-04-08 00:25)
めがね橋は吉永小百合がJRのCMで歩いてるんですよね。私はここまでは知ってるのですがこの先何があるのかは知りません。ちょっとワクワクです。
by コンブ (2013-04-08 08:02)
昨日はご心配頂き有難うございました。今日は普段の生活に戻れます。
by sarusan (2013-04-08 10:24)
あれぇ~ 釜飯は?(笑
熊かぁー ちょっと勝てないかっ(^^ゞ
by DON (2013-04-08 19:02)
お猿さんでませんか~
おかしいなあ・・・
by 美美 (2013-04-08 19:24)
下から見上げためがね橋、美しいです!
by sakamono (2013-04-08 21:35)
うわ〜 高いとこすっごい得意じゃないけど
行って 頬杖ついてみたいです
by ねこじたん (2013-04-09 09:16)
おお、下の道は車で通ったことがありますが、
上から見ると、、、なかなかのドキドキ感ですね。
#高いところ好きですw
by さといも野郎 (2013-04-09 23:33)