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第587話 群馬県・シズカ山スキー場跡編☆vol②『名も無き清流で昼涼み^^』 [廃村さーくる]

『うへぇ・・・高崎まで来たらめっちゃ暑い・・・』

 

 駅員さんの誤乗区間の無賃送還と言う粋な計らいで無事に高崎駅まで戻ってきたボク達だったのだが、

 新幹線を降りるなり琴音がその暑さを嘆く。

 それに追従するようにまた皆も手を団扇替わりにパタパタと扇ぐ仕草で嘆き節^^;

『うう・・・やっぱり軽井沢のほうがよかったですう^^;』

『涼しかったもんね~^^;軽井沢で廃墟探せばよかったのよ~』

『私は暑いのへーきデスガ、でもやっぱり軽井沢がいいデス☆』

 ・・・そりゃ軽井沢にも探せば廃墟や遺構はあるけどさあ・・・

 そうじゃないでしょ!わがまま女子達め^^;

『ま、まあまあ^^; 電車に乗ればとりあえずエアコン効いてるから乗り込もうよ^^;

 ああ~ほら!

 もう電車来てるよ?

 さあさあ乗って乗って^^』と、電車の手動ドアを開けてエスコート(都内の電車と違って、自分の手で開け閉めするのです^^;)

 ボク達は吾妻線へとようやく乗り込んだんだ。

 第587話スタートです^^

シズカ山・名も無き小川・琴音2.jpg

 途中、

『わきゃー!懐かしいです八ッ場ダム~^^』

『夏の吾妻渓谷もいいわよね~』と懐かしむ声が聞こえた。

 夕実ちゃん・首塚さんとそれぞれ2人きりでこの吾妻線の駅である川原湯温泉駅に行ったことがある。

 なぜかその2人には2人きりで行ったとは伝えてないのだけれど、別に他意は無い。

 いずれダムのそこに沈んでしまうであろう渓谷のヘリを進む吾妻線。

 その川原湯温泉駅を越えて、

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 ボク達は『長野原草津口』という、日本三名泉がひとつ『草津温泉』の玄関口である駅にやってきたのだ。

 

『もしかして今日は温泉のオプション付きかしら☆』

『やるね!お兄ちゃん^^ メジャー過ぎる温泉場だけど温泉入れんなら軽井沢じゃなくってもいいかなあw』

『OH!クサツ☆ ワタシでも知ってるデスヨー^^』

 ・・・なんで女の子って温泉好きが多いんだろ?

 ま、いや~ボクも好きだけどねw

 かつては、温泉めぐりするんなら、もうパンツ履かなくてもいいだろ?身体キレイだしwってくらい好きで、よく温泉場をはしごしたりもしたけれどね☆

 とは言え今回の目的はあくまでも廃墟です!

『温泉も考えてるからとりあえずアソコに待ってるバスに乗り込もうよ^^』と、

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 駅前で待ち構えてる草津温泉行きのバスへと皆を誘導したのである。

 今回は温泉という餌があるので、実にスムーズに動いてくれる彼女たち^^;

 ま、既に彼女たちの頭の中には廃墟めぐりというサークルの目的がどっか行っちゃってる感じだったのではあるけれど、ボクとしては都合がいいw

 ーーーそんな彼女たちの思惑も、

 ボクの思惑も構わずバスは突き進む。

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 本来ならこのバスのゴールである『草津温泉』

 ゆらり揺られて3~40分程度の道程。

 ーーーでもボクは、

 ゴール手前で『降車ボタン』に手を掛けたのであった。

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 ブロロロロ・・・と過ぎ去るバス。

 ボク達は『静可山口』と言うところにポツンと降り立った。

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『えっとおー・・・。何かしらココ?^^;』

『なんなん?なんでこんな中途半端なとこで降りるわけ?お兄ちゃん。温泉は?』

『ネクストのネクストでクサツだと言ってましたデスが・・・^^;』

 もうすっかり温泉モードになったいた女子チームからの大ブーイング^^;

 

『いや・・・あの・・・今回の目的はあくまでも廃墟なんだけど^^;

 プラス納涼ってことでここを選んだんだけど^^;』

『そうですよお^^;みんなヒドイですう^^;

 温泉は目的果たせたらきっと菅原先輩が連れてってくれると思いますから、ここは我慢しましょうです☆』

 夕実ちゃんのフォローに、ようやく本来の目的を思い出してくれた彼女たち。

 でも我慢しましょうは、ヒドス^^;

 とはいえ、ようやく納得?してくれたようで、ボクの後を付いて先に進むことができたわけですーーー

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 国道292号から伸びる人気のまったくない側道を進むボク達。

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『いい天気よね~^^』

『あれ?暑くないし爽やかじゃね?』

『ウグイス鳴いてるデース☆』

 先ほどまであんなに渋っていたにもかかわらず、いざ歩き出すとーーー

 その気候に景色に夏の緑に空の蒼に、彼女たちはいつのまにか周りを楽しんでいた^^

 日差しはあるのに暑くなく、

 空気が澄んでて心地よい。

 見上げた空はとても素敵な夏空だった。

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 バス停から歩くこと2~30分だっただろうか?

 道路を塞ぐ通せん坊がお出迎え。

『ボク達の目的はこの先なんだ^^ もう少しだから^^』と、ボクはそのポールを跨いでみせる。

『立ち入り禁止とは書いてないのね』

『マイクロバス発着所??? こんな狭いところで?意味わかんねー^^;』

『この先なにがあるか楽しみデース☆』

 ようやくこの道が、そしてこの先が何なのかと興味や疑問を持ってくれたようだ。

 答えはもうすぐそこにある。

 

 さあ、先へと行こう^^

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 そこからものの数分。ボク達の前に藪に囲まれた看板が出迎えてくれた。

『わきゃー☆ もしかして今日の廃墟ってーーースキー場の廃墟ってことだったんですね^^』

『夏だからスキー場の廃墟で納涼って、その安易な発想にはお兄ちゃんの思考にオヤジを感じる・・・^^;』

『スキー場の廃墟デスカ^^ でももう既にノウリョウしてるデース^^

 今居る場所ですらとても心地いいデス☆』

『雪はなくとも、今現在過ごしやすくって気持ちいいしね^^

 たまにはこんなのもいいわね^^』

 

 ごく一部の人間を除いては(妹だけ)、今回の廃墟選びを賛同してくれたようだ。

 とはいえ、素敵な夏空と気候が後押ししてくれたからこその賜物だと思ってる。

 それ程、スコーン!と抜けるような空と、眩しい緑が待っていてくれたからだと。

 

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 生い茂った草木に飲まれた、かつてのスキー場のチケット売り場を通り過ぎる。

 目の前に広がるは、元々駐車場だったのであろう、

 平坦で広大な景色が広がっていた。

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『このままスキー場跡に直行で向うのもいいんだけど、時間もあるしもう少しブラブラしてみないかい?』と言うボクの提案に、

『まあ~いいんじゃね?任せますw』という雰囲気で特段、反対も無く、元駐車場であったであろうスペースへと進むボク達。

 目の前の開けた場所から奥へと進むと、

 第二駐車場だったんじゃないかと思われるスペースへと迷い込んだ。

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『ただの草っぱらやんけ^^;』と、琴音が突き当たった向こうに広がる林を見て呟く。

 ・・・確かになんも無さそう^^;

 これ以上は何も無いと判断し、本来の目的地である廃スキー場へと戻ろうとしたのだが、

 ボクは『あの林の向こうに何かありそうなキガスル!』と、強引に藪を割って突き進んだのだった。

 置いておかれるのもどうかと思ったのだろうか?

 渋々とボクの突発的な行動に彼女たちも付いてきた。

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 おそらく駐車場であっただろうスペースを抜け、さらに藪を抜けたところには、

 小さな小さな小川が流れていた。

 ーーーふと、

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 いかにも人工的人為的にかつて使われていたと思わせる痕跡を発見したのだ。

 ボクはこの発見に、

『この先に、きっと何かあるんじゃなかろうか!』と、藪から小川へとダイブ!

『ちょっとこの小川の上流を見てくるからゴメンネ^^』と、彼女たちにはついてこなくてもいいから、少しばかり待っててねと言わんばかりに探索へと励もうとした。

 

 ---でも彼女たちは、

 

『わきゃー☆なんかキモチよさそうですう^^』

『NHKの自然ドキュメンタリーっぽっくね?ちょっと小川突入してみてーっすw』

『マイナスイオンが溢れてそうね^^ ここまで来たならせっかくだし行ってみたいわ^^』

『中々、清流を闊歩するだなんて経験は無いものデス^^ 是非ともご一緒したいデス☆』と、

 恐る恐るではあるけれど、次々に藪から小川へと降りてきたのだ。

『じゃ、しょーがないなあ^^;

 何も無いかもだけど、名も無き小川の冒険ツアーってことで散策してみようか^^』

『『『はーい♪』』』

 

 ボク達はその先に宝箱があるでも無いのに、子供のような冒険心で先へと進んでみるのでした。

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 途中に錆びた鉄製の管を見つける。

 ここは明らかに人のチカラが加わった場所であったんだろうと確信する。

 でも、そんな事は途中でどうでもよくなる。

 というか素敵だった。

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 最初は苔むした岩に手を触れるのも躊躇していた女子チームも

 次第と手に触れ、先へとすすむ。

 そして小川に足を入れることもためらっていたのに、いつのまにやらジャブジャブと脚を踏み入れていた。

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『わきゃー☆ 冷たくてキモチいいですう^^』

『子供の頃の泥んこ遊びと一緒ね^^ 最初は抵抗あっても、いざやり出すと楽しいわ^^』

『ノウリョウデスネ^^ ヒンヤリとっても最高デース☆』

『やべーよお兄ちゃん!足湯なんかより全然癒し系だよw』

 思わず入り込んでしまった小川に、何時の間にやら虜になっていたボク達。

 

 結局はこの先に何も無さそうで引き返して来たのだけれど、それでも

 

 緑の木々の天井を見上げ、

 時折、苔むすベンチに腰掛けて、

 ひんやりとした水を蹴飛ばして、

 吸い込んだ空気に肺がキレイに掃除されたように思えるようなくらい、心地の良い時間を過ごせた^^

 

 名も無き清流での小さな小さなお話^^

 

 再び小川から藪へと戻って見上げた空もまた

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 気持ちの良い夏空だったーーー

 

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました^^

 なんとなく寄り道で、そして冒険心でついつい小川へと突入してみたんだけれど、

 きもちよかったよ~^^

 

 さて次回こそ廃墟のお目見えです^^

 ヒンヤリするかもしれないし、

 切なくなるかもしれません。

 興味のある方は覗いてみてくださいね^^

 ではではまた今度^^

 

 


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コメント 24

YUTAじい

おはようございます。
青空が印象的・・・暑かったでしょー。
続く楽しみです・・・ゾートさせて下さい。

by YUTAじい (2013-07-13 06:32) 

Ryokies

おはようございます。
スキー場の廃墟って面白いですね。リフトとかあるんですかね~(予想
夕立に遭遇しませんように。
by Ryokies (2013-07-13 07:45) 

馬爺

この時期藪の中には入りたくないですね、ニョロさんがいつ出てくるかと心配です、撮影に林の中に入る時も一脚を手にして前方をがさがさとやりながら歩きます。
マムシなんかいないですか?
伊豆は居るんですよね、
by 馬爺 (2013-07-13 08:12) 

まめ

小川じゃぶじゃぶは気持ちよさそうですね~
逆に涼しすぎるくらいだったのでは?
それでも、晴天の写真を見ると暑さを感じてしまうのは
どうなんでしょうねw
by まめ (2013-07-13 08:45) 

駅員3

いい、いい、ここ最高(^^)
ここでボーイスカウトの夏キャンプやらせてくれないかなぁ・・・・
所有者は誰なんだろう・・・調べてみよう(^^)
by 駅員3 (2013-07-13 09:25) 

なかせ

いいお天気ですね~
青空がキレイすぎます☆
by なかせ (2013-07-13 11:15) 

yoshinori

ちょいサンの気持ち良さが伝わって来たッすよ。。。!

オレも旅してぇなぁ。。。^^

by yoshinori (2013-07-13 12:50) 

sachi

これだけ暑いと、小川に足を突っ込んだ時の気持ちよさが・・・ですね(^-^)


by sachi (2013-07-13 14:05) 

銀狼

いやぁ、ホントに気持ち良さそうな夏空!
見ているだけでスカッとしますね^^
でも・・・なまら暑いんだろうなぁ^^;
by 銀狼 (2013-07-13 16:25) 

sakamono

昔々、川原湯温泉に行きました。その時、宿の人から、ダムに沈む予定だと聞きました。あれから20年以上経っています^^;。高地に行けば、日差しが強くても、涼しいんですね。
by sakamono (2013-07-13 16:29) 

orange

気持ち良い夏空. 自然の中を...
高崎と言えばよく"今日の最高気温"で名前が出る所ですね。
それは暑そうです><;
by orange (2013-07-13 17:50) 

ニッキー

抜けるような青空に目に眩しい緑、そしてとっても気持ち良さそうな小川(^^♪
これはもう冒険するしかないですよねぇ=^_^=
by ニッキー (2013-07-13 20:08) 

DEBDYLAN

高原の夏、気持ち良さそう!!
廃墟は怖いけど^^;

by DEBDYLAN (2013-07-13 22:46) 

みずき

絵にかいたような夏空と白い雲ですね。
そのまま飲めちゃいそうな水といい
良いところですねぇ^^
by みずき (2013-07-13 23:01) 

唐津っ子

この前行った岩国にも閉鎖したスキー場と
キャンプ場がありました.
道だけは整備されていたんですけどね.

棒茄子はゲットできましたか?
by 唐津っ子 (2013-07-14 01:05) 

ナビパ

夏休みって感じが伝わってきますね。d(^_^
by ナビパ (2013-07-14 08:02) 

johncomeback

ヒンヤリor 切なく、ナンだろ? 気になるなあ。
by johncomeback (2013-07-14 09:59) 

chalice

こんにちは。毎日殺人的な暑さですね。。。
草津温泉。私も行きたい!にしても、ジャングルのような廃墟コース。温泉の前に行くのは有りかも。
スゴくいい雰囲気。でも、女子だけではダメですね。
私も群馬に行きたくなりました。私は、草津温泉が体に合っていて以前はちょこちょこ行っていました。ほとんどが車で自分で運転していくのですが山の中、今回の廃墟の入り口のような看板がいっぱい有りますね。一見、廃墟?実は営業中も有るので要注意かも(笑)。暑いのでお気をつけて!
by chalice (2013-07-14 10:07) 

下総弾正くま

…長野原線廃線跡とかは行かなかったんですか(-_-)ニヤリ
by 下総弾正くま (2013-07-14 11:54) 

猫きち

まず、
「電車の手動ドア」というところに
食いつきました。
いいですねえ・・電車の手動ドア。
今や滅多にお目にかかれません。
探せばあるのかもしれませんが。
あと、女の子が温泉好きなのは、
美容や健康にいいって、
無意識のうちに知っているのかもしれませんね。
しかし、女の子には冒険心がありませんね。
廃墟とかいっても、心トキメかないのかなあ・・
by 猫きち (2013-07-14 11:59) 

テンポイント

林間学校で草津に行ったことを思い出しましたw
by テンポイント (2013-07-14 14:34) 

JR浜松

ワイルドですね!!
下の方のキノコ?みたいなの、さるのこしかけ(アガリクス)みたい?
by JR浜松 (2013-07-15 09:40) 

ちゃめこ

すぐ目の前にある観光地(軽井沢・草津温泉)を蹴ってでも廃墟を巡るとは、廃墟サ-クルのポリシ-を感じます。

小川の中を突き進むお話とは、この事だったんですね!
ひんやりした小川と森の空気で、心も身体もリフレッシュされちゃいましたね(笑)

by ちゃめこ (2013-07-15 10:25) 

ねこじたん

冷たい水に 脚つけたいな〜
旅もしたいな〜
by ねこじたん (2013-07-15 21:14) 

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