第559話 アンナのバイト繁盛記☆『見知らぬ野菜』紫アスパラガスとかテンタクラリアとか [アンナのバイト繁盛記☆]
『サクラが早いと思ったら食材の旬まで早まっちゃったのかあ^^;』
いつものようにホールのセッティングをせっせとしていた私。
ふと、これまたいつものエロ板さんを見ると、業者さん相手になんだか嘆いていた。
はて?何をそんなに嘆いているのでしょ?
第559話スタートです^^
『えっと・・・なんかあったんですか?』
『ん?ああ~さっきのやり取り聞いてたの?アンナちゃん^^
いやね?筍を注文してたんだけど、どうやら良い形の筍がもうそろそろ時期が終っちゃうってな話なんだよ』
筍?良い形?
『不思議そうな顔してるねアンナちゃんw
ま、簡単に説明するとだ、例年ならゴールデンウィーク過ぎくらいまでは粒の揃った拳くらいの大きさの筍が数多くあるんだけど、
今年はサクラが早めに咲いたように、筍もスクスク育っちゃってるみたいなんだ^^
鹿児島から始まって、今は千葉辺りの筍を買い付けてるんだけど・・・
それもどうやらシーズンオフとなりそうだってお話だ』
『大きい筍とかじゃダメなんですか?』
私の質問に腕組みをして、う~ん・・・と悩んでみせるエロ板さん。
『確かに大きめのやつなら揃うって言ってたんだけど、筍の節が大きくなるほどあんまり美味しく無いかな^^;
熟女もいいけど、やっぱり若い子のほうが美味しいと思うんだ☆』
ボフッ!
私のレバーブローがエロ板さんのわき腹を鋭角にえぐった。
まあ~・・・なんとなくは事情が分かりましたよ。
例えはともかくとして^^;
『グフッ・・・ま、他の食材も同じようなことが起こってたりするわけだ^^;
メニュー作りが難しいよお~・・・^^;』
わき腹を摩りつつ、自分の持ち場にそそくさと帰っていくエロ板さん。
私も残ってる掃除をしに戻ることにした。
---オープン一時間前
エロ板さんとマネージャーさんが、まな板の上の料理を囲みつつ、色々と論議をしていたので、またまた覗き見です♪
だって気になるじゃんw
で、まな板の上に盛り付けられた料理を覗き込むと・・・
茄子とアスパラがお刺身のように乗っかってた。
・・・野菜のお刺身?
っていいますか、アスパラが紫???
『お、またもや登場ですかアンナ姫w ほんとに君は好奇心バリバリだねえw』
後から覗き込んでいた私を見つけ、茶化すエロ板さん。
お客さんにちゃんと説明できるようにお勉強だもん!(建前え)
『このアスパラとか茄子を生で提供するんですか?』
『そうだよ^^ この茄子は“水茄子”。水分が多めで皮も薄く、甘味があって生食にぴったりなんだよ^^
でこっちが紫アスパラガス。
あんまり見ない野菜だよね^^
甘味も他のアスパラよりあってね、歯ごたえもシャキシャキ!
生食に適した野菜だそうだよ^^
今回はこれを春の野菜のお造りとして提供しようかってマネージャーと話してたんだよ~^^』
ほえー!そりゃサラダがあるわけだしい~、生でなんでもホイホイだとは思いますが、紫アスパラガスは知らなかったなあ・・・
(剥くと普通のアスパラとおんなじです☆ また、剥かずに火を入れても緑色になります☆)
『最近は自分が知らない野菜とかたくさんあるよ^^; 昔買った野菜辞典に載ってない野菜がゴロゴロあるしねえ^^;
チンゲン菜花とか今おひたしにしてるでしょ?うちのお店』
そういえばそうだっけとウンウンとエロ板さんに頷いてみせる私。
『食材は旬だけでなく、流行りも追いかけないといけないね。たはは^^;』
食の世界は面白いなあ~と、居酒屋でバイトしていて実感しました。
野菜会議がお開きになって、いよいよオープン間近と言うこともあって、私は持ち場へとさっさと戻ろうとした。
でもなぜかエロ板さんに呼び止められた。
『ちょっとこれを見てくれたまえ!』と。
まな板の上を指差す板さん。
その上には
カツオ君・・・。
『はあ?これが何か?まさか幻のカツオ君とか言うんじゃないですよね^^;』
『いやいや。ふっつーのカツオ君です。初鰹の時期でもあるけど別に幻でもなんでもないよ^^
ま、見ててよ~フヒヒ♪』
・・・なんだか不敵な笑みをチラチラ私に見せつつも、包丁でスイスイと捌いていくエロ板さん。
でもカツオの解体ショーは正直しょぼいんですが^^;
---3枚に卸し終わった頃、
『こ、ここをみ、見てご覧☆ハアハア・・・』
なんかとても嫌な笑顔だし、絶対イジワルしてくるよ!と思ったのだけれども、一応オジサンの戯言に付き合ってあげましょうw
そう思い『わーなんだろなーたのしみー』とおもいっきり棒読みで、エロ板さんの指差した部分を覗いてみた。
『えっと・・・まさか私が寄生虫を見て怖がると思ったんですかね、い~た~さ~ん(怒』
『ありゃりゃ^^; これは意外^^; いつも新人の女の子に見せては驚かせてたんだけどなあ』
いつもやってるのかよオッサン
ボフッ!とボディーに一発お見舞いです!^^
『マネージャーさんに言いつけて置きますからね☆
あと~、私は一応ちょっと前まで漁協のお手伝いをしてたんで(伊豆大島でのお話)
この手の虫は平気じゃないけど平気です^^;』
『ぐふ・・・そ、そうなんだ^^; 当てが外れちゃったなハッハッハw
ま、この虫は“テンタクラリア”。別名“カツオ虫”とか言うよね^^
新鮮なカツオには8割がた必ず着いてくる虫だったりもする。
基本、人には無害だけど見た目にキモイよね^^; だから骨抜きとか先の尖った物で取り除いたりしてるよ(メンドクサイ^^;)』
『カツオ食べたくなくなっちゃうから一々説明しないでくださいよおう^^;』
『大丈夫だってばw これを取り除くのも板前さんのお仕事ですからね☆』
そうだけどそうかなあー^^;
そんな4月半ばの居酒屋模様でした。
ここまで読んでいただきアリガトウございます^^
次回は碓氷煉瓦のアーチ編ファイナルです☆
(訪問が中途半端になってる状態ですが、後ほど伺いますです^^)
(ウニシューター☆ トロロとコンソメスープと青海苔と生うにを一口でチュルン!と食べる、うちの料理です^^)
第550話アンナのバイト繁盛記『見上げた桜は何分咲きか』手綱寿司&桜、スッポン供養など [アンナのバイト繁盛記☆]
『あら~アンナちゃん。さっきねえ~上野公園で桜を見てきたのよ~、おほほほほ^^』
バイトというものを始めてから半年が過ぎた私。
あんなに接客業に四苦八苦していたのに、こんな私にもお話が出来る常連さんが出来ました♪
週一で来てくれるオバサマが特に私に良くしてくれるんです^^
そもそもハジマリは酷いもんでしたけどね^^;
バイト初っ端の大ミスがキッカケだったんですが・・・
私ってば、トレンチ(トレーとか丸盆のことです)にグラスを乗せて、片手で運ぶのがどうもうまく行かずーーー
そのお客さんにバッシャーンですよ!
おまけに咄嗟に『スイマセンっ!』って頭を勢い良く下げたらヘッドバッドです^^;
ええ。もうコントです。
テレビの向こうじゃ笑ってくれそうですが現実はそうじゃない。
めちゃくちゃ怒らせてしまいました(そりゃそうだよね!
ただ、その後のマネージャーさんのお客様への丁寧なフォローのおかげと、
思わず泣き出してしまった私に逆に驚かれてしまったようで^^;
その場はなんとか怒りをおさめてくれたんです。
はあ・・・
とはいうものの二度と足を運んでくれることは無いと思ってました。
でもーーーきてくれたんですよ^^
『泣き虫アンナちゃんに会いにきたわよ~』ってね☆
そこからは、お運びの合間合間に声を掛けられて色々なお話聞いたりするような感じになっちゃったんです。
そんなオバサマがつい先日、上野公園で桜がどうとか言ってきたの。
・・・桜?
まだまだじゃないの???
というわけで実際確かめに行こうかと思いまして、
大学も春休み中だし、バイト時間よりも早めに上野に出かけたんです^^
第550話スタートです☆
JR上野駅を降り、私は公園入り口の交番横にソレがあるって聞いていたので~さっそく向ってみた。
するとーーー
うわあ・・・ほんとだ・・・
オバサマ嘘ツカナイw
周りを見るとスマフォのカメラや本格的なカメラを構えて撮影している人が大勢いる^^
『あの~お姉さんいいですか?』
ぼんやりとうっとりと桜を見上げていたら、ちょっとかっこいいんじゃね?って感じの男の人に声をかけられました。
カメラをチラリと見せて微笑むイケメン(ドキドキ
ああ~桜をバックに撮ってってことですね。はい、よろこんでー☆
『じゃあ~そこに立つんでお願いしますね』と、渡されたカメラを覗いてみたら横に可愛らしい女の子が居たのはお約束です。
むしろ、せばすちゃんって言う、か、かかか彼氏がいるのにドキドキしてしまった私は反省です^^;
心の中で『ごめんよーせばすちゃん』って呟きながらカメラをパシャリとしたのは内緒なんだよーw
たぶん今頃『ヘックション!んあ・・・だれか噂してるのかな・・・』とやってること間違いなしですねw
何度もカップルさんにお辞儀を喰らいながらバイバイと手を振って見送る私。
さてどうしよう。
バイトの時間まではまだまだ時間はある。
せっかくなのでそれまで公園をブラつこうじゃないのさ~^^
桜の咲いている何本かの木々を抜けたら、そこはまだまだ色づきも何も無い桜並木だということに気づいた私。
やっぱり公園入り口の桜が特殊なだけだったんだ。
日当たりめちゃくちゃいいしね。あそこ^^;
とゆーか、そもそも桜の種類的にどうなのよ?って話なのかも^^;
(ちなみに上野公園入り口の桜は大寒桜です☆ フシアンナは物語の設定上、世間の物事には疎い仕様です☆ 知ってる人はおさらいで、知らない人はアンナと一緒に知っていくのがこの物語のコンセプト^^)
---うーん・・・特に何も無い^^;
見回した辺り、人はなぜだかワンサカ歩いているのですが、別に桜がどうとか他の草花がどうこうって感じでもない。
ふと、木々の間に光るモノが私の目に飛び込んできた。
そのキラキラ。
よくよく見ると池の水面だね^^
私は基本、あんまり上野を知らなかったりなんだ。
でも多分、あそこが『不忍池(しのばずのいけ)』なんじゃなかろーかっちゅーのだけは分かっちったよ私☆
いざレッツ不忍池ドライブです!
なんか池の真ん中に突き出てるお堂があるぅ~と興味を惹かれた私は橋を渡って突入です。お散歩開始ッ!
---ですが、
目の前にドーン!ってあるお堂よりも、周りにいっぱい建ってる石碑???みたいなもののほうになぜか気を惹かれて脱線した。
・・・ふぐの供養?
うーん・・・エロ板さんに是非とも拝んでいただきたいなあ。
包丁塚?
これもやっぱり、うちのお店でセクハラしてくるエロ板さんに手を合わせていただきたいところですねw
鳥塚なんてものもあった。
これはエロ板さん関係ないかなw
あれ?でもこの前焼き場の人が居ないからって鳥のもも串やレバー串を『もう!なんでオイラが焼き物の仕事までするんだよw』ってブツブツ言いながらやってたなあ~。
やっぱりここもお参りさせないとダメだねw
ここは当然手を合わせてもらわないとダメだな~。
なんかそんな感じでいつものエロ板さんを想像してはクスクスと笑いながら次々と石碑、供養塔を見て周ったのです^^
(ちなみに眼鏡の供養塔もあります^^)
---ふと、
私は、ある一角の向こうに『誰か』を見つけて思わず身をコソコソと隠してしまいました。
ええっとーーー・・・・
エロ板さんが居るよ!^^;
・・・彼が何かの供養塔の前で一生懸命ブツブツと呟きながら拝んでるのが見えた。
えっと、なんだろう?
そんなに真剣に拝むそれって何よ?と思った私は遠くから見てみる。
それはーーー
スッポンの供養塔でした。
ああなるほど。エロ板さん、いつもスッポンいじってたしね☆
遠くから見つめ続けていたのだけれど、中々顔もあげようともしない。
かれこれ5分くらいは過ぎてるんじゃないのかな?
ううう・・・そこまで食材の殺生に真剣に考えていたのかと普段はまったく尊敬して無いのに感動した私。
偉い偉い^^
そう思っとりました。
でも何かブツブツブツブツ呟き続けてるから気になって気になっていつのまにか彼の近くまで近づいて耳を傾けてみたのです。
ーーーすると、
『魚よりスッポン捌くの時間が掛かってめんどくさいので、どうかスッポン鍋をお客さんが頼まないように。よろしくお願いします!』
『どうかスッポンがメニューから消えてなくなれ~☆ お願いします』
殺生関係ないのかよ^^;
自分の都合かよw
思わず口に出してしまった突っ込みにエロ板さんが振り返ってびっくりする。
『あらやだ。アンナちゃんなんでまたこんなとこに^^; おじさんハズカシーな~もう^^』
『いや・・・えっと、たまたま散歩してたら偶然、板さんを見っけちゃいまして。えへへ^^;』
なにかハズカシイところでも見られちゃったみたいに、照れながら返してくる板さん。
どうやら私のツッコミは理解してない様子。
そしてポリポリと頭を掻きつつエロ板さんは続ける。
『毎回毎回、職業柄とはいえ生き物の命を殺めてるからさあ・・・。たまにこうしてお参りしてるんだ。えへ☆みんなには内緒だぞ?』
あんたさっき、おもいっきりめんどくさいからとか言ってただろw
『じゃあ供養も済んだし、せっかくアンナちゃんと会ったからランチでもご招待してあげようかね^^』
いや供養してませんよね?全然^^;
とはいえ、ここにスッポンさんの供養塔があって、それを知ってて足を運んでいたということは、
それなりにスッポンさんに対して常日頃、ゴメンナサイとかスミマセンと、何かを思っていたのかな~と思った私です。
(※ 話の都合上おちゃらけて書いてますが、ここを訪れる時は真面目に殺生のこと考えて手を合わせてると言い訳させてくれーw)
---なんだかんだランチをエロ板さんに奢らせてから職場に到着。
それぞれの仕事に就く私たち。
あらかたホールの仕事が片付いた頃、
私はツツツーーーーと、エロ板さんが何の仕事をしているのか覗いてみたのです。
すると、まな板の上に並べられたカラフルな何かがあった。
『あの~、これってなんですか?』
『ああ~これ? これは“手綱寿司”を作ってるところなんだ^^』
・・・手綱寿司?
『ん?なんか不思議そうに見ているねアンナちゃん^^
まあ~ちょっと見ててよ』と、まきすの上に並べられた食材の上に、
パンパン!と手水を付けて寿司飯を棒状にして乗せ、まきすをグルリと巻き込んで形をグイグイと整えるエロ板さん。
『はい、これが手綱(たづな)寿司^^ 見た目が綱の網目の用に見えるでしょ?
運動会の綱引きのロープみたいにさあ~。
色々な食材を細引いて、交互に組み合わせて作る棒寿司の一種だよ^^
うちの店は、胡瓜の緑とサーモンの赤、そしてその下に薄めた梅酢に漬け込んだスライスの蓮根を挟んであるんだよ。
一応、蓮根を多めに取り扱ってるお店だしね^^』
へー! こんな巻き寿司もあるんですね。
『梅酢蓮根を挟み込んだのは、ボクのオリジナルだかんねw』
さりげなく自慢を入れてくるエロ板さん。
男の人ってどうも、どこかしら自分アピールを入れてくる人種ですよね。
そういうとこ正直、子供っぽいな~といつも思うw
でもまあ~女性として手の平の上でコロコロと寛大に男心を転がしてあげよ~かなw
『手綱寿司の端っこは不恰好だから』と、そのあとちょっぴりおすそ分けを頂いた^^
ううー!おいちー♪
飲食バイトの特権ですね。モグモグ、ンググ☆
『さあ!もうすぐ開店だよアンナちゃん^^ 歯に胡瓜挟まってるから取ってきたほうがいいぞ~』とエロ板さん。
ええっ!?
思わずトイレの鏡を見に走った私。
む!胡瓜なんて挟まってないし!
きびすを返してボディーブローをエロ板さんに見舞ったところで営業開始の音楽が鳴り出した。
さあ、今日も忙しそう。
居酒屋の小さな小さな春先の風景でした☆
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
例のごとく更新が先で訪問は後日とさせていただきます。
第537話『ソネブロガーさんお断わり?』テレビ効果でシビレチャウヨw [アンナのバイト繁盛記☆]
ぐおおおおおおおお! テレビでお店が紹介されてめっちゃ忙しいんですけどっ!
あらいいじゃないのw
普段、不真面目なんだからこういう時くらい必死こいて働けよオッサンw
おいら、そのテレビ見てないんだよね。えっと・・・メレンゲのキモチイイ!だっけ?
メレンゲの気持ちです^^;
なんだかんだで10分近くやってたわよ?
ああそうなの^^;
ってか、店の電話鳴りっぱなしだったぞい・・・
主に問い合わせが多かったみたいなんだが、中にはーーー
『お料理美味しそうですね^^ でもーーーテレビに映ってる方? あの方なんでネクタイとかしてないのかしら?シャツは下着みたいなものなのよ!』って言う、お叱りも受けたそうです。
ちなみに予約じゃなかったです。
予約じゃねーのかよ
色んな人がいるもんですな^^;
んで、オープンしたら~
来るわ来るわお客さん。
そこからはひたすらテレビで紹介された料理ばっかり注文殺到っす^^;
まあ~そうなるわよねw
結局、まかない飯食べられなかったよお^^;
だってそんな暇無いものw
それにしてもオンエアーされた当日に速攻でいらっしゃるもんなんですな。日を置いて行ってみよ~とかではなくて。
栃木からわざわざ『テレビ見て来たんですよ~^^』って方もいらっしゃいましたね。ありがたいことです☆
今日いらっしゃった人は写メやカメラをバシバシ撮ってる人がやたら多かったのが印象的でしたね~
また、ホールのスタッフが忙しさに手薄になってしまい、怒らせて帰ってしまわれた方なんかもいらっしゃいました。
その点については本当に申し訳ございません^^;
フォローも満足に出来たかどうか・・・^^;
ガッカリしちゃう人もいるかもよね。
まあ~こちらの不甲斐ないところもあったけれど『おいしかったですよ!また来ます^^』と多くの方に言ってもらえたのは嬉しいかな^^
たまたま半年前、この店に勤めることになったわけだけれど、少しでも力添え出来てるのかなあ~と思うと、
この店に入って良かったとつくづく思います(どちらかというとラッキーだったんじゃね?w
(今月から昇給したし☆)
とはいうものの~・・・しばらく普段よりも忙しそうだ。
明日も仕込が年末の忙しい時よりてんこモリモリだしい^^;
長瀞・天神山城跡編ファイナルの続きは?
途中まで書きかけてるけれど、正直疲れで眠くってキーボードが進まないのよ(今回、記事書いてるジャン!と言われそうだけど、物語を書くのと、日常の出来事をブログで綴るのとは訳が違いますから^^; 結構~物語って頭の労力使うのよ? あんなんでもw)
明後日くらいにじっくり書き上げるつもりなので(祝日は営業時間が短いので多少ゆとりあるから☆)
今日明日は、ちゃっちゃか寝て英気を養いたいと思います!
呈のいいブログさぼりの言い訳ねw
最後に言いたいことは1つ。
『ソネブロガーさんはお店に来るなあ!』
なんでよw
だって・・・相手してる余裕ないもの^^;
せっかく来てくれたのに満足に顔も出せる時間も無いしね^^
といっても、しばらくは来ないでね♪ってだけです。
『来たいなあ~』『行ってみたいかも』って思う人は、テレビ効果が薄れた頃にでも来てやってくださいなw
ではでは、また今度です^^
(ちなみに店名はあえて控えておきます。ボクのブログに来ている方々に分かってもらえればそれでいいかなあ。
キッチンでブログやってる人居ますか?ってスタッフさんに聞けば、もしかしたらボクに会えるかもね^^)
第533話 アンナのバイト繁盛記☆vol⑦『ふぐ美味しい!一番好きな魚です!』 [アンナのバイト繁盛記☆]
『うーん・・・うーん・・・』と、いつものエロ板さんが腕組みをして唸っているのを見つけた私。
くだらない替え歌が思いつかないのかな?
それともお腹が痛いのかしらw
どうせ真面目な顔してても絶対ぜーったい大したこと考えて無いんだから^^;
ま、ちょっかい出してみましょうかね☆
いつものことです^^
何をそんなに悩んでる『フリ』をしてるのかと、
『どーしたんですかー?セクハラが生きがいなのに今日は一度もしてこないなんてどこか具合が悪いんですかw』と突っ込んでさしあげた☆
『おいおいおい・・・おじさんだってねえ・・・いつもいつもエロイことばかり考えてないのよ?
たまには真面目だってばさ^^;』
『いやね?ちょっとこれを見てくれよ・・・』と、エロ板さんがまな板の上のものを指差す。
それはーーー
『ふぐ? ええっと・・・うちの店もふぐ料理やるんですか?』
『ああ。なんか市場でマネージャーが買ってきたんだよ^^;』
いいじゃないですかふぐ♪
ふぐ美味しい!一番好きな魚です!
でもなんで浮かない顔してるのかなあ。
『えっと・・・なにか問題でも?』と窺ってみる私。
『ふぐなんて・・・10年ぶりくらいに扱うんだけどw
だからちょっぴり不安なのよー^^; そりゃ~確かに昔は最初からバラしはしなかったけれど、
身欠きのふぐをテッサ包丁で薄造りとかやったんだけどね^^』
『身欠き?ってなんですか?』
私が疑問に思っていると、『じゃあ~説明するね』と先ほどの箱を私に見せるのでした。
『ふぐは毒を持ってるってのは知ってるよね?アンナちゃんでも』
バカにしないでください^^; いくら昔、お譲様だったけれどそんくらい知ってますよ^^;
『この箱のラベルを見てみて』と、板さんが箱についてるラベルを指でなぞってみせる。
『有毒部位除去済み?』
『そう。身欠きのふぐってのは、ふぐ調理免許などの有資格者が毒のある部位や内蔵を処理して、
身や皮などにキレイにばらした状態のことなんだよ^^』
なるほどなるほど。
『板さんは、ふぐ調理免許持ってるんですか?なんかもってるとかっこいいじゃないですか^^』
『うんにゃ、もってないよ☆』
やっぱりかっこよくないですね♪
『会社がふぐ調理試験のお金出してくれるって言うのに、築地のフグ屋さんの講習会へ出勤前に毎朝早起きして参加するのが嫌で取らなかったw』
おもいっきしダメダメ板さんですね☆
『それでも当時は、ふぐ調理免許を持ってる板さんの横で勉強したもんだよ。
昔はふぐの調理師免状を持ってる人がいなければ都内の飲食店では身欠きのフグですら原則的に販売・提供は禁止されてたんだけど、
去年、その都条例が改正されたんだ。
今はネットで気軽に他県からフグをお取り寄せできちゃう時代ですよ。
都道府県によってフグの扱いは緩かったりきつかったりしてたんだけど、
普通の家庭が他県のフグの扱いが緩いところから簡単に手に入れられちゃう現状、飲食店だけ厳しいんじゃ色々と不都合があるってことで(これだけが理由じゃありませんが)
有毒部位をふぐ調理資格者がしっかり処理したものなら、飲食店販売・提供が許されることになったんだ^^』
『要するに規制緩和というか、時代の波に飲まれちゃったってとこですか^^;』
それはそれでなんか怖い気もするんですけどおー^^;
『とは言ってもだよ。まったく知らない人間がホイホイ簡単にやれるってことでも無いと思うよ^^
確かに事実上の解禁になって、大手居酒屋チェーン店でもふぐ料理が出回ることになったけれど(結構流行ってるみたいだね、やっぱり)
しっかりした料理人さんが扱うところで食べたいもんだよね~。
入ったばかりのバイト君が作っちゃいましたなんて物もそのうち出てくるかもしれないしなw』
確かにそうかも^^;
でも、誰が調理してるかなんてお客さんには分からないよー^^;
その後は、不安そうにフグを見つめていたエロ板さんだったけれども、なんだかんだと思い出したようにサクサク処理してました。
『この腹ひれの部分のぽっこりしたお肉がウグイスだよ~ホラ^^』と、切り取って見せてくれた部位。
確かに見ようによってはホーホケキョみたいだなあ~とか、
『処理されて来たとはいえ、残ってる部分もあるかもだ^^』と、
ちょっぴり残ってた皮の棘のザラザラを丁寧に出刃包丁で梳ったりと、
こういうところはやっぱり板前さんなんだなあ~と思いました。
---全ての処理が終るところまでついつい見ちゃった私。
が、エロ板さんは最後に『ひれ』の部分を包丁で丁寧に削いでいたんです。
厚さが全然無いヒレをスライスしてひとつをふたつにしてたんです!なんかスゴイ(自分を褒めてるようで気がひけるけど、物語の都合上ということで勘弁してくださいw 実際たいしたこたーないです^^;)
『さあ~、これはきっちり乾燥させて、火で炙って“ヒレ酒”だあ~^^』
ヒレ酒?こんなのお酒に入れちゃうの?
お酒には疎い私は首を傾げる。
その様を見ていたエロ板さんが嬉しそうに続けるんです。
『ふぐと言ったら“ヒレ酒”でしょ~^^ 普通の熱燗よりも熱~~~くしたお酒(飛び切り燗)にドボンと2~3枚入れて、ふーふーしながら風味を楽しむのがいいんだよ~^^』
ふむふむほむほむ。・・・年齢的にお酒は一応NGな私だけれども、それはなんか呑んでみたい気もする。いや呑みたいかな☆
『今度、ふぐ料理のお店に連れてってあげようかアンナちゃん^^
その後は・・・おじさんといい事しような!』
ドムッ!
ここで私のレバーブローが板さんに炸裂です♪
『さあさあ~、そんなことはいいから早くしごとしてくださいよエロ板さん☆
ほらそこに蠢いてるのをどーにかしないとね^^』
私は実に冷ややかに、そして小悪魔的な笑顔で流し台のソレを指差した。
『スッポン嫌いいいいいいいいいいいい^^;』
厨房にエロ板さんの嘆きがこだまする。
そんなある日常のひとコマでした^^
ここまで読んでいただきありがとうございました☆
(お知らせ:2月9日のメレンゲのキモチと言う番組だったかな?
なんかうちのお店の紹介と料理が紹介されるみたいですよ^^
気になる人は見ればいいんじゃないかなあw)
第518話 アンナのバイト繁盛記VOL⑥『板前さんはやっぱり有馬記念!』自分の夢に酔いしれろ!飲む打つ買うの打つ! [アンナのバイト繁盛記☆]
『サラダ~~地球よォ~♪ たびだーつ船は~---』
・・・めっちゃくっだらない替え歌を呟きながら、いつものエロ板さんがサラダ用のサニーレタスを千切っては投げ千切っては投げしていた^^;
『あの・・・脱力しちゃうんでやめてくれません?その替え歌^^;』
『いやね?歌でも歌ってないと仕事が多くって嫌になっちゃうのよ。だからメンゴメンゴw』
まあ確かにそうかも。
さっきだって
宴会料理に使うであろう鯛やサーモンをまるで工場みたいに必死こいて捌いていたのを見ていた私です^^;
歌のひとつも歌って紛らわすのも分からないでもないです。
・・・が、
サラダを終えたエロ板さんが、おもむろにタラバガニを冷蔵庫から持ち出して、関節をバッサバッサと包丁で外し始めたのだが・・・
『タラバ~地球よォ~♪ 旅立~つ船は~
宇宙~戦艦ン~~ちゃーちゃーちゃーちゃーちゃちゃ!(効果音付き)
とーま~とー♪』と、また歌いだした・・・OTL
同じ歌かよ。
変化つけないのかよ。
なんだかこっちも彼の歌に洗脳されそう^^;
(事実、私も箒で床を掃いてる時に、サラダ~地球よ~ハッ!?Σ(゜д゜)と、思わず口ずさんでしまったのがとても悲しい。いや屈辱^^;)
ま、そんなこんなで年末進行でお互いにぐったりしていたホールの私とキッチンのエロ板さんも、オープン前には少し落ち着くことができた。
そして、コーンポタージュ缶をグビグビ飲みながらもエロ板さんが私に近づいてきた。
多分、話しかけられるんだろうなあ~と思った私は、少しイジワルに離れてみようとする^^
『もお~逃げなくたっていいじゃんか^^; 別に変な話とかしないから寄っといでw』
『いつもそう言いますよね^^;』
『そだけどねーw いや、今日こそ真面目な話だからオジサンの戯言を聞いておくんなまし^^』
ま、いつものやりとりです。
常にこんな感じです^^;
はいはい。今日はナンデスカ?と実に興味が無さそうにオジサンをからかうことにした。
『好きな数字とか教えてくれるう?』
・・・ハア?
ナニイッテンノコノヒト?
私の怪訝な顔に、彼は頭をポリポリと掻いて
『ゴメンゴメンw 唐突過ぎたね^^; えっと・・・簡単に言うとね?
今週末に競馬の総決算である有馬記念っていうレースがあるんだけど、
アンナちゃんが好きな数字を馬券に組み込んでみようかなあ~ってちょっと思っちゃっただけなのよ。あははは~^^』
なんだ、ギャンブルですか^^;
私、競馬とかまるっきし興味無し。
とはいえ、せばすちゃんの実家『伊豆大島』にお世話になってた頃に、漁師仲間のおじさんたちから競馬の話をさんざん聞かされたので、なんとなくは分かっていたりもする。
なにぶん、島では娯楽も数少ない。
せいぜいパチンコでしょうか。
むしろパチンコ店が数軒ある離島自体珍しいとも聞かされてたくらいです^^;
(面積的には日本で第25位くらいの島です)
せばすちゃんには一応『ギャンブルする人は嫌い』って念をおしてましたけどねっ!(なんか、知らないところでやってそうな気が・・・)
好きな数字・・・好きな数字ねえ~
あんまりそんなこと考えたことも無かった私は、適当に
『じゃあ28☆ 誕生日の数字だし^^』と、答えてあげた。
『28~!? うーん・・・競馬は多くても18頭なんだけど^^;』
・・・そこは知ってたので、ちょっぴりイジワルです☆
でも誕生日の数字ってのは間違いない。
こんなオッサンに個人情報を教えるのは尺に触りますが、まあいいですw
私の答えに少し『むむむむ・・・』と悩む彼だったが、思いついたようにポンと手を叩いてこう告げた
『じゃあ~2-8の馬券を少し買ってみようかな^^ もしそれで当たったら、アンナちゃんにクリスマスプレゼントでもしてあげよう』
なぬ!? クリスマスプレゼント?
ただでいただけるのならまあ~気は悪くないですね^^
『ミニスカサンタさんの衣装でもアキバで買ってきてプレゼントしてあげるね~^^』
『現金でお願いします☆』
『いけずぅー^^;』
実にくっだらない、でも笑いのあるやり取りに、私は忙しない最近の日常から一時だけでも開放されたような気もした。
クリスマスプレゼントかあ・・・
せばすちゃん、私にくれるのかな?
私は送るつもりでいる。いや送ります。
といいますか、彼に会えればそれだけで素敵なプレゼントなんだけど^^
ここまで読んでくださりありがとうございました☆
今日の話って結局何なんすか?いみふー
アンナちゃんの他愛の無い日常パート?
わたらせ渓谷リベンジ編ファイナルを書くもんだと思ってましたけど^^;
ま、ここまでが前フリだよ。本編はここから☆
なげー前フリだなおいw
さすがに『居酒屋けいば』ってブログタイトル掲げてるのに、競馬の総決算である有馬記念をスルーするわけにイカンだろw
あんたのお母様がブログ見てるのに?
『競馬なんてやってないわよね・・・』とか実家に帰るたんびに言われてるのに?
それはいわんといて^^; 有馬記念くらいブログで記事にさせてくれよw
年末のお祭だし、気晴らしだよ^^;
ということで、めっちゃ久しぶりに予想してみたいと思ってます^^
【第57回 有馬記念(G1)】
一着(③⑨⑬)二着(③⑨⑬)三着(③⑨⑬・・・②⑧⑩⑪⑮)の三連単フォーメーション買い^^
(〆て3600円分)
あと、劇中に登場したフシアンナの誕生日馬券2-8も100円^^
儲かったら沖縄旅行を豪華に過ごしてみたいぜ!
それより私にクリスマスプレゼントくれよw
当たればねえ~w
次回こそわたらせ渓谷リベンジ編ファイナルです☆
アンナのバイト繁盛記☆VOL⑤『ブームは再び訪れる料理の世界?』あん肝&オイスターシューターとか [アンナのバイト繁盛記☆]
『冬になるとさあ~、自販機にホットが登場するじゃない?』
『はあ。まあ~そうですね。それがなにか?』
私は愛想もなしに適当に返事をする。
なんせ相手はいつものエロ板さんだ。
どうせくっだらないことかエッチな話しかしないだろうと、今、目の前に落ちているホコリをちりとりにいかにキレイに押し込めるか集中していたのです。
うーん・・・どうも床と塵取りの境目で思うようにゴミやホコリが引っかかって入ってくれない^^;
塵取りの床に対する角度を変えたり、箒で押さえ込みつつ塵取りで掬ってしまったほうが早いんじゃね?とか、色々試行錯誤してたのです。
ま、それにもかまわず彼は続けます^^;
『コーンポタージュ缶とかおじさん大好きなんだけどさあ、500ml缶とか、なんで無いんだろうね・・・』
ほらきた!実にどーでもいいおっさんのたわごとがw
コーンポタージュ缶に500?
そんなの需要が無いでしょうが・・・^^;
私はめっちゃ半笑いをして彼に返したのだ。
『そんなロング缶にしちゃったら、缶の底のほうに益々コーンの粒が溜まって食べにくいじゃないですか^^;』
『ポン!』と、手を打ち『ああ~アンナちゃんマジすげーなあー』と、なぜか納得するエロ板さんがそこにいた。
いや、てきとーに言っただけなんですけど^^;
真に受けてもらっても困るんですがw
---そんなくだらないやり取りをしている横から
『ちわーっす^^ 今日も活きのいいの持ってきましたよー☆』と、
魚屋さんの配達のお兄ちゃんが大きな発泡スチロールをいくつも抱えて登場です。
その量に、エロ板さんがなぜか『お、おう・・・ご苦労様です・・・』と苦笑い。
ま、魚が多い=仕事量が多いですしね^^
ちゃらんぽらんなエロ板さんには、良い釘ですw
発泡スチロールから色々と取り出すエロ板さん。
『お、そう言えば今日からこれもメニューに入れるんだったなあ^^;』と、
なんだか肌色でプニュプニュしてそうな物体を取り出した。
『え?あれって何?何?何い???』と、
興味をもった私は、箒と塵取りを壁に立てかけて、そそくさと彼に近づいたのでしたーーー
『えっとお・・・このグロいのはナンデスカ?』
私は目の前のまな板に、ぐでーんと広がる物体に指を差して答えを求めた。
何しろお嬢様育ち。
多少、伊豆大島で漁師さんたちに鍛え上げられたとは言え、この手のものはお目に掛かる事が無かったのです。
(いつも小アジとかサバとかですし。それでも魚に触れることが無かった私にとっては大進歩だったんだからねっ!)
そんな物珍しいといいますか、ちょっとばかしいかがわしい感じで見ていた私に対して、
いつものエロ板さんが、不思議そうに答えてくれた。
『これはアンコウの肝だよ^^ これから処理して“あん肝”を作るのだ☆』
・・・あん肝?
ああ~。なんとなーく聞いたことはある。
居酒屋でオジサンが頼みそうなヤツですよね^^
実際、私は食べたことは無い。
ちょっとばかしフォアグラっぽい気もするなあ。
『おいら大好きなんだよね~^^ 値段が下がるのを待ってたんだけど、どうしてもツマミ食いしたくって、マネージャーに頼み込んだw』
なんだそれ。
ようはあんたが食いたいからですかw
ま、でもそのアンコウの肝がどういうふうになっていくのかは興味が沸いた。
そしてその味も気になる。
私は邪魔をしないように横からソレを眺めていたのです。
『血とか薄い皮とか筋があるから、それを包丁でカットしてあげるのね^^
残ってると臭みの原因になるから丁寧に取り除いてくんだ』
そう言って、刃先ですいーすいーっと血の滲んだ部位や太い筋をキレイに取り除いてくエロ板さん。
『キレイになったら、ここで振り塩だ。塩をして置いておくと余分な水分と共に生臭みが出てくる。
時間にしたら、人によるけれどもボクはだいたい4~50分かな^^』
そう言いながら塩をして盆ザルに並べたアンコウの肝。
よく見ると、ところどころからうっすらと汗をかいてるように水分が出ているのが見て取れたのです。
----50分くらいを過ぎたとき
私はあらかた掃除を終えて再びエロ板さんのところに戻ってきた。
見ると、さきほどのアンコウの肝が流水にさらされていたのを確認したのです。
『ボクは結構長めに流水にさらして臭みを取るんだ。この時に滲んでる血の部分とかを丁寧にこそぎ落としたりしてね^^
そしてもういいかな~って頃合で水気をきちんととってあげる。
そしてここからはこんな感じだ』
水気をきちんと取ったアンコウの肝。
エロ板さんは厚めな部分を包丁でいくらか切り分けて、長細い感じの肝をまな板の上に並べた。
そして、ラップをおもむろに広げてそこにアンコウの肝を並べて巻きだした。
くるくると包まっていくアンコウの肝。
そして片方のラップの端を結んでから、結んでないほうの口を摘み上げて『トントントン!』と、アンコウの肝をキュウーっと寄せていた。
『こうすることで、スカスカじゃなくびっしりと締まったアンコウの肝の柵が出来るんだ^^
でもこれだけだと空気が間に入ってるので、先の尖ったものでプスプスプスってラップ越しに刺してやると、もっと身の締まったのが完成^^
最後にアルミホイルで巻いて、ギュッと形良く形成してあげるとモアベター。
ま、これはボクがならってきたことの受け売りなんだけどね』
ホイルに包まれたアンコウの肝を 湯気の立つ蒸し器にひょいひょいと入れていくエロ板さん。
『後は中に火を通すだけだ^^ あとで味見させてあげるよアンナちゃん^^』
そう言いつつ、エロ板さんは別の作業に取り掛かったーーー
営業開始30分前くらい。
私はアルコールスプレーを片手にテーブルとラミネート加工されたメニューにシュッシュと吹きかけ、ごしごしと、お客さんを迎えるべく最終的お掃除を展開していた。
エロ板さんが私を見つけるとおいでおいでをしてくれたので、えへへ~wって感じで近づいてみた。
『これが一応提供する感じのあん肝ね^^』
『マネージャーに、こんな感じで出しますけどよろしいでしょうか?と1個作ったところなんだ』
そこにはワカメと・・・胡瓜?を手前に添えてポン酢と万能ネギと紅葉おろしが乗っかった“あん肝ちゃん”が出来ていました。
『この蛇みたいな胡瓜は?』と、私はツンツンとつついてみる。
『それは蛇腹胡瓜だよ^^ 胡瓜を表と裏で互い違いに包丁を入れて、薄目の立て塩(塩水)に漬けて柔らかくする飾り細工かな。
酢の物とかにはよくおまけでつけたりするんだよ~^^』
ほえー、なるほど。
『ちなみに、形の悪いあん肝の端っこのほうをアンナちゃん用にとっておいたから味見してみる?
勿論、ただではあげないけど☆』
ほらでた! 絶対『お尻触らせろ』とかそーいうんだよこのオッサン^^;
私は笑顔で拳を振り上げるそぶりをしてみせる。
『ちょ、ま!冗談冗談^^; スタッフはお客さんに提供する料理の味を知っておいた方がいいもんね^^
だからはい、どうぞ^^』
刺身用のおちょこに盛られた不細工なあん肝をそっと私の目の前に差し出し、お箸とポン酢を渡してくれた。
そこまで言うなら食べますよ。
『美味しいんですよ~こんな感じで』と、私もおすすめしやすいですしね^^
箸にとって食べたソレに、私は少しの間を置いた。
・・・
・・・・・・おいしい!
『独特の魚の臭みとかあるのかと思ってたけど、そうでもないんですね^^
しかもレバーペーストよりも食べやすいかも^^
コクもあるけどあっさりしてる気がします☆』
私の喜んだ顔を見て、彼は満足げに続ける
『自分がなんせあん肝大好きだからね~w ツマミ食いできるなら徹底してやっちゃうよ?
下処理をキチンとこなせば、毛嫌いされる臭みも取り除かれるっちゅーもんですよ^^
そうやって出来たあん肝は正に海のフォアグラだね^^』
それを他の料理でも是非活かしてもらいたいんですが^^;
とはいっても別にエロ板さんが作る物に美味しくないものなんて無いんですけどね。
エロだけが余計^^;
『ごちそうさまでした^^』と、小声で伝え(あくまで内密の試食なので)私は再び開店準備にとりかかろうとしたのですが・・・
なぜかあん肝の横にある『別の料理』に目が止まり、
『そ、そっちはなんですか?』と聞いちゃった☆
『ん?これ? これは“オイスターシューター”ってネーミングの、生牡蠣ととろろ・ポン酢ジュレ(ポン酢をゼラチンで固めたもの)・ネギに紅葉おろしを小口のグラスに詰め込んだ料理だよ^^
一昔前にチェーンの居酒屋とかで流行ったかなあ^^』
『昔に流行ったものを今更やったりするんですか?』
私は、なんでわざわざ今更?と疑問に思った。
それと同時に昔を知らない私には目新しい商品でもあると少し思ったのは間違いない。
『ファッションとかも昔ブームになったものがまた流行ったりすることあるでしょ?
料理の世界もまた同じだったりするのよ。
モツ鍋とか昔はやったけど復活ブームが起こったりしたじゃない^^
お酒だってワインブームや焼酎ブームを幾度となく繰り返したりするしね(焼酎とか第一次ブームや第二次・第三次ブームとかあったし)
古い流行も、目新しいと思うことがあるわけだ。
なにより君の反応がまさにそうじゃないかな^^』
なるほど。確かにそうかも。
『流行ってアレと同じですね^^』
『え?アレって何?』
不思議そうに首をかしげて聞いてくるエロ板さん。
『水ですよ。空から降ってきて川になって海へと流れ込んで、再び雲となってまた雨を降らすって感じと似てるじゃないですか^^』
『ああ~なるほどね^^ 居酒屋なんて水商売なんだし、その答えが一番しっくりくるかもね^^』
オープンと同時に店の前で待ち構えていたお客さんが雪崩れ込む。
師走も真っ只中。
私は、その昔流行ったと言われる料理をトレーに乗せて、せかせかとお客さんの周りを駆け巡っているのでした。
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
次回は廃村さーくるシリーズ再びの予定です☆
(金曜日・土曜日だから、すっぽかす可能性めちゃくちゃあるけどなw)
アンナのバイト繁盛記☆vol⑤『エロ板さんの子供の頃の替え歌とか』地域によって微妙に違う替え歌とか。 [アンナのバイト繁盛記☆]
『お~とこの股には、な~にがある~♪
直径二センチき~んのたま~♪
と~られてたまるかソーセージ~♪
ソーセージの中からお茶が出た~♪』
わたしは思わず床を掃いている箒をパタリと落とした・・・。
ちょ!ちょちょちょ!
まだお客さんが居ない仕込みの時間だからっておもいっきし、ふんふふ~♪ってな感じで、
上機嫌にセクハラな鼻歌を歌いながら仕事しないでくださいよ!
っていうかほんとになんなんすかその鼻歌^^;
パチンコ屋さんとかで流れてそうなフレーズっぽい。えっと、えとえと・・・
軍艦マーチ???
よくわからないけど^^;
私は前日の営業で汚れた居酒屋のフロアーを必死こいて掃除してたのに、おもいっきし脱力感ですよ!
これはボディーブローかませないとと思い、私はプンプンしながら、
でもちょっぴり何やってるのかなあ~と、
いつものエロ板さんのところに近づいてみたのですーーーー
『やめてくださいよ!変な鼻歌を歌うのお~w』
『え?ああ~ゴメンゴメン^^; だってさあ・・・明るい歌でも呟きながらじゃないと、仕事が多くてやってられないんだもん^^;』
どこが明るい歌だよ!
セクハラバリバリだよー!
そう言ってまな板の上を見てみてよとエロ板さんが促がす。
まな板の上にはヒラメに・・・えっと・・・シマアジ?
それと鯛の身がいくつか並べられていた。
『えっと、でもこんのくらいならいくらエロ板さんでも、ちゃちゃちゃちゃちゃーって片付けられるんじゃないですか?』
『いやいやいや・・・、それだけじゃないぞよ?』と、まな板以外の方を見つめるエロ板さん。
そこには、みかんのネットみたいな網網の袋に入れられてモゾモゾと蠢くスッポンさんが何匹か。
その横にはタラの白子や、籠に入ったハマグリに、見かけたこと無いような海産物がワンサカてんこもり状態でした。
『うはw なんだかんだでけっこう物がありますね^^;』
『だろ?まあ~年末だし居酒屋的に“書入れ時”だからさあ・・・、宴会のコースメニューの魚とかも多いわけだよ^^;
特にスッポンがさあ・・・スッポンがさあ・・・ううう・・・』
どうやらエロ板さん的に、スッポンさんが強敵のようです^^
弱ってるエロ板さんを見るのもなんだか私としてはーーー
ちょっぴり嬉しかったりw
めっちゃイジワルですけどォ☆
ーーーふと、
一際目立つでっかいお魚に目が行った。
『これは?』
『これはブリだよ^^』
うう~ん☆ 私めっちゃブリ好きなんですけど^^
私が、うひょー!おいしそー!って感じで見つめていたら・・・
『おっさんにはキツイんだよねえ~^^; 刺身とか大好き人間なんだけど、ど~も歳食ってくると脂が満載なブリちゃんは敬遠しちゃうかもだ^^;
多分いまなら2切れでおなかいっぱいだなw』
えええええーー!その脂がいいんじゃーん^^;
オッサンになるとそうなるのですか!
せばすちゃんも、そうなっちゃうのかなあ・・・(わたしもだけど^^;
『ブリのカマは刺身とは別に焼き物として単品で売るんだけど、どっちかってーとオッサン的には、こっちのほうが好きかもw
レモンやスダチなんかの柑橘系の汁を身にたらして、ジュワーっとあっさりさせて身をほぐして箸でつついて食べるの最高!
おじさんの中では、ブリの身よりブリカマかな^^
冬の白身の焼き物の中では王様だと思うなあ』
そうなの?
私ってば、一応、お嬢様だったんでー、ブリの料理とかあんまりたべたことないんですよ(ソテーとかスパイスの効いたムニエルくらい?)
この前、初めてリンダさんと、廃村さーくるの琴音さんと一緒に飲み会に行って食べた『ほっけの焼き物』にめっちゃ感動したのになあ。
『じゃあ~、まかない飯でブリカマお願いします☆』
『無理~w』
ですよねーw
『ま、今日の競馬で儲けたらアンナちゃんにごちそうしてもいいけどな☆
---嫁には内緒でデートしようね^^』
『デートしないし、奥さんに報告します☆』
ええ~・・・^^;と言うエロ板さんの嘆きがキッチンにこだまする
だって、せばすちゃんが悲しむから、そーいうことはできません^^
『④番のフェノーメノから買えば当たるはず・・・当たるはず・・・』と、私にはさっぱり訳のわからないことをぶつくさ呟きながら残念がってるエロ板さん。
普段から紳士なら、ご飯くらい付き合ってあげてもいいのにね^^;
その後は必死こいて仕込みにとりかかる板さんがいました。
魚たちをあらかた処分したあとエロ板さんが別の仕事を始めたみたい。
まな板の上で、うんしょ!うんしょ!と何かをしているから気になって再び覗いてみたのです
『これはなんですか?』
『ダイナマイトロールっぽいヤツかなあ^^ 宴会のお食事で用意してるんだけど』
ダイナマイトロール?
私が不思議そうに首をかしげていると、なぜか嬉しそうに勝手に解説を始めるエロ板さんがいましたw
『ちょっと定義は曖昧なんだけど、海外のお寿司屋さんで流行った太巻き寿司かな^^
天ぷらとかを太巻きにしたやつね^^
まあ、太巻きと言っても、カリフォルニアロールみたいに逆巻き(海苔が内で、ご飯が外側)で、
味付けもピリリとしたスパイス系のソースを使うことが多いかな^^
なんでも海老天を巻くことが主流で、その尻尾が太巻きからはみだしてる様が“ダイナマイトの導火線”っぽいってことで、
ダイナマイトロールって言われてるみたいなんだ^^』
・・・自分の得意分野を語る時の男の人って嬉しそう^^;
武勇伝とか聞きたくも無い話されるよりは、まあいいけどォw
『6本巻いて6つ切りで36。宴会のお客さんは35人だから、1個余るしアンナちゃんに1個あげるよ^^』
そう言って、包丁で切り出した一番不恰好な感じな一切れをくれました。
美味しいです☆
こういうのが、キッチンの人と仲良くなった時の特権でしょうか☆
エロイのが玉に瑕ですがーw
ちょっと上機嫌なので、向こうの話にも多少のってあげようかと思い、
先ほどのえっちな鼻歌に触れてやったのです(私って寛大だよね~w
『ん?ああ~さっきの鼻歌? あれは軍艦マーチの替え歌なのかなあ~?
ボクが子供の頃によく口ずさんでたんだよ^^
他にもあるよ^^
例えば“森のくまさん”とか』
せっかくだから、てきとーにパチパチパチと手を叩いて歌ってみてくださいよと、持ち上げてみた☆
んっ!んー!と、もったいぶりながらも顔は実に嬉しそうに歌い始めるエロ板さん
『ある~日の丸、もりのな浣腸、くまさんに~んにく、であ~ったんこぶ~♪
花咲くも~り~の~み~〇ンポコ☆
くまさ~んに~で~あ~あ~っ短足♪』
えっと・・・サイアクぅ!^^;
聞かなきゃ良かったと思った。アンナ19の初冬のバイト先のお話です☆
(地域によって異なると思います^^ ボクの地方というか地域ではこんな感じの替え歌だったですよお~^^
次回は、八っ場ダム編の本当のファイナルです☆)
アンナのバイト繁盛記☆『松葉くずしゲーム?』松葉切り・子供の時の遊び☆ [アンナのバイト繁盛記☆]
『うわっ! なんですかこの蟹!』
マネージャーが朝の市場で買ってきたらしい、発泡スチロールの箱から取り出したものを
いつものエロ板さんと覗いていた私。
よ~く見ると、まだ生きているソレ。
『ソレ』は、ゆっくりのっそりとまな板の上で蠢いているのだーーー
『たらば蟹だねえ・・・』
『ほえー!たらばちゃんですか!』
お嬢様育ちで料理として完成されたものしか見た事無い私にとっては、ちょっとした感動だってーのに、どうもエロ板さんさんの顔は曇りがち・・・
『なんでそんなに浮かない顔するんですかね?』
『だってよ~、マネージャーのいいもの探してこようって努力は認めるけどな?
オレの仕事が増えるじゃないのよw』
・・・なんだそれ?
エロだけでも憤慨なのにそのうえ不精なオッサンですか^^;
まあ~面白いから多少許してはいるんだけれど^^;
改めて真正面から真面目に見ると・・・正直キモイです^^;
宇宙人やらマジシャンなイマドキの平成仮面ライダーでも絶対主人公に抜擢されないだろう、どう考えても敵役にしかなれなそうな面構えですね。カニさんってば^^;
そんな私の仮面ライダー妄想の横で『しょうがねーなー・・・』と、ぶつくさ言いながらもカニさんの関節をバッサバッサと切り落としていくエロ板さん。
するとーーーー
『ありゃりゃ・・・。かに味噌無いなあ・・・』と、甲羅をぱっくり開けたエロ板さんがつぶやいた。
『え? でもこの黄色いヤツが味噌だったりじゃないんですかあ?』
私は恐る恐るツンツンとそれっぽいのをつっつくのだ。
『その黄色いのは内子って言って卵みたいなヤツだよ。
食べれるっちゃ食べれるけど・・・美味しくないよ?
そもそもタラバの味噌も旨いか?って聞かれたら、そうでもないと思うけどネエ^^;
だってカニであってカニじゃないし。
ヤドカリの化け物だからねえ・・・^^;』
ああ~そうなんですか^^
なんだかがっかり。
『で、じゃあ~これはどうやってお客さんに出すんですか?』
『身はしっかりしてるから焼きタラバかなあ^^ プチュプチュと多目の肉汁が溢れ出て、ジューシーで美味しいかもだね^^』
おおー!なんだかとっても食べてみたい。
お嬢様だった頃は、知ってればなんでもせばすちゃんに頼めば食べれたんだけれど、
普通の学生になっちゃった今ではどうも無理っぽいです^^;
『まかない飯で食べたいんですけど☆』
思い切って言ってみた!
『それは・・・おっぱいタッチさせてくれても無理かなあ^^;』
させるかオッサン! 私の胸はタラバガニとはつり合わないのです!
ま、そんなこんなでタラバガニはお正月にでもと考えた私だったりです(ズワイガニの方が好きですけどおー☆)
---営業開始寸前、
おなじみのエロ板さんが、お寿司屋さんにあるようなガラスケース越しに私においでおいでをしたので、
はあ?って嫌~な顔をちょっぴりしてから笑って『なんですか~^^』と誘われてみたのです。
『これは刺身や焼き物なんかで、彩りとか格好付けで飾ったりする松葉なんだけどーーー』
板前さんが指差すその先にはスーパーのパックに入ったような松ノ木の葉っぱがワンサカ入っていました。
『ほえ~、こんなのもパックで売ってたりするんですね。なんでも売り物になるのかあw』
『まあ~なんでもあるよこのご時世。紅葉の葉っぱや南天の葉っぱ。イチョウなんかもあるよ^^
ま、それは置いて置いてだ。
松葉くずしゲームってアンナちゃん知ってるかい?』
ここで私は無意識にエロ板さんに3クウォーターからのスマッシュなパンチをぶちかました。
寸でのところでサッと交わされたが、なんかパンチをものすごくぶつけたいと思ったのです。
『ま、ま、松葉くずしゲーム!? もしかして・・・セクハラ発言じゃないでしょうね!
そうだったら容赦しませんよ!』
そう言って私はゆらゆらとボクシングなど全然しらないのにファイティングポーズをとったりです。
『ちょっとちょっと^^; 松葉くずしときてちょっとえっちな方向に持って行ってないかなあ~アンナちゃんw
あれれ~? ちょっとはそーいうの知ってるのお~w いやだなあ~えっちいー☆』
ドムッ!!!
ここで初めて私は人と言うものに拳を与えた。
中年のオジサマ肉にめり込む私の拳、
何ともいえない感触です^^;
『ぐはっ! ちょ、ちょちょ、ちょっとゴメンナサイ!アンナちゃん^^;
ちょこっと言い過ぎた』
いやだいぶだと思う。
『えっとさ、昔、この松の葉っぱで遊んだりしなかったかなあ~ってお話をしようかと思ったんだけどゲフッ!・・・』
えっと・・・松葉で?遊び?
私がその言葉にちょっと首を傾げていたらーーー
まな板の上に松葉を2本取り出して、それを交差させて『イテテテ・・・^^;』とうめきながらもエロ板さんが話し出した。
『こうやってさあ~、松葉を2本ひと組にして、お互いに引っ張り合いしたりして遊んだことないかなあ^^;
股になった松葉が引き裂かれた方の負けみたいなヤツ』
やったかなあ・・・?
私は松ぼっくりじゃ遊んだ気がするけど^^;
『おじさんはよく子供の頃に近所の女の子とパンツを賭けてよくやったものだよ、あっはっは』
ドムッ!!!
再びの私のレバーブローに、酒呑みのエロ板さんがこの世の終わりのように悶絶する♪
『ぐはあー・・・アンナちゃんヒドス・・・』
みなさんは『松葉くずしゲーム』だなんてへんてこりんな遊びをしたことありますか?
アンナのバイト繁盛記vol④『リンダの居酒屋社会科見学☆』タラちり&雲子。そしてスッポンの生き血ワインとか [アンナのバイト繁盛記☆]
『OH!ジャパニーズ鍋、最高デース^^』
今日は上野でアルバイト。・・・なんですが、
心霊研究部副部長のリンダさんがーーー
『アンナちゃんの働いてるとこ見てみたいデース☆』と、勝手についてきちゃったよお・・・^^;
しかも営業前から^^;
じゃあ・・・ちょっとだけですよ?店長に聞いてみますねと、店長に交渉を持ちかけようとしたところ、
キッチンのいつもの板さんが私の後ろについてきたリンダさんを見るやいなや、
『き、金髪・・・きょ、巨乳(きょちち)!? う~ん実にナイスですねー♪』と、
店長との交渉を勝手に引き受けて、ほいほいと見学OKとなりました^^;
ということで、今日はお邪魔にならない程度にリンダさんの居酒屋社会科見学のお話です。
いつもの板さんが・・・少しキニナリマスがスタートです^^;
今日は宴会コースがワンサカ状態で、本当のところは忙しくてうーんな感じなんですが、許可がおりちゃったなら致し方ないですね^^;
『迷惑にならないように見ていてくださいね^^』と、リンダさんに声を掛けようとした矢先、
『OH!こ、こここコレはナーンデスカー?』
『おーう!巨チチちゃん^^ これはねー・・・』と、いきなりエロ板さんに質問してました・・・OTL
私のバイト風景を見に来たんじゃないのかよ!w
しかも巨チチちゃんとかいきなりセクハラじゃん!
『これはー、でぃすいず“たらちゃん”な^^』
『ワオ!たらちゃん? タッチミーOK?』
『OH!いぇー☆』
二人ともバリバリ日本語喋れるのになぜ片言なんすか^^;
恐る恐るリンダさんはタラに指先を向け、ツンツンと触れていた。
『ワオ! イッツヌルヌル~☆』
『そうだろ~、ローション塗りたくってるみたいにヌルヌルでキモチいいだろー^^』
多分、私にはよくわからないけど、エロイこと言ってる気がする^^;
『このたらちゃんは、この後ドーナルのデスカ?』
『ああ、じゃあ~見ててな^^』
と、キラリと刺し場に注ぎ込むスポットライトに包丁を光らせて、
その切っ先がタラのお腹の辺りへと滑り込んでいったのです。
(・・・私、掃除中なんだけど・・・気が気じゃないのでついつい実況中継状態じゃんか^^;)
スウゥーーーーーーーーーーーーーーー
タラの腹を真一文字に刃先が向う。
すると、そこから我慢出来ませんしたっ!スイマセンです!という勢いで『何か』がワラワラとこぼれ出たのでした。
『オオ・・・、スプラッタ! このたらちゃーんのお腹から出てきた白いのはナンデスカ???』
『これは“タラの白子”だよ^^ 要するにせい・・・いやいや、えーっと、男の子なんだね。このたらちゃんは』
『たらちゃんはボーイですか^^ アニメのサザエさんと同じデース☆』
訳のわからない会話で盛り上がる二人。
例えるならエロ板さんvs天然外国少女でしょうか。
その後、板さんはタラを捌き、身は切り分け、頭や骨をダンダンダンと包丁で小分けして、白子を一口大に料理ばさみでチョキチョキしてました。
リンダさんはその一挙手一投足にウンウンワオー!とひたすら感心しつつも見入っていましたです。
ま・・・そんな私も、箒の動きが止まってました^^;
なんだかんだでリンダさんの背中越しに覗いていたわけなんです。
『じゃあ~ちょっときなよ^^』と、エロ板さんが厨房のガス台へと(煮方さんの方に)リンダさんにおいでを招いた。
沸騰する湯をはった鍋に小出しに先ほどの白子を投入して行き、
さっと、穴あきお玉で掬い上げて氷水にポンポンと落としていった。
その工程が全部終ると、再び刺し場へと戻ってきた。
そして、いくつか白子をぽーんとまな板の上にツマミ上げ、リンダさんの前でツンツンと突付いてみせる。
『さっと霜降りして、これをポン酢とかで食べるんだよ^^
小ネギや紅葉おろし、ワカメなんかも添えて単品で売ったりしてるんだけど、巨チチちゃんは食べたことあるかな?^^』
『OH!ワカメちゃん知ってるデス!たらちゃんのオバサマデース☆』
『オレはタイコおばさんが好き☆』
っ全然会話が噛み合って無いんですけどっ!
それでもなぜか通じ合ってるようにゲラゲラと笑い合う二人^^;
どーなってるんですかあんたたちの脳内w
『でね?タラの白子を“雲子(くもこ)”とも言うんだよ^^
よーく見てみると、雲みたいな形してるだろ~^^』
言われて見るとなんとなーく雲っぽいなあ~なんて後ろの方でふむふむ感心する私。
『UHHHHN・・・むしろ脳みそっぽいデース☆』
『だよな。オレも生まれたときからそう思ってたんだよ^^ さすが巨チチちゃんだね☆』
あんたらの会話についていけねーよ!w
そんなこんなで、へっぽこコンビの迷宮トークを遠目に見ながらも私は自分の仕事を続けるのでした。
『コレはーーーピッツア?』
『そうだね^^ ピザ生地にマヨネーズと粒マスタードを合えたソースを薄く塗って、そこに海老ちゃんのっけるだけの簡単ピザかな^^
でも結構出るんだよ~^^』
『エビはサザエさんに居ないデース・・・』
結局彼女はエロ板さんに付きっ切りで仕事見学を続ける^^;
それにこれこれこうなんだよ~と丁寧に教えつつも、たま~にリンダさんの胸元をチラッッチラ見てたのは見逃してませんからねっ!
後でボディーブローでおしおきです☆
結局、リンダさんはそのまま営業始まってもカウンター席で“お客”として最後までいることに^^;
勿論、エロ板さんとトークしっぱなしだったんだけど^^;
そのトーク内容は・・・
『最近、着替えてるとさあ・・・オレしかいないのに物音が色々するんだよ・・・。オジサン怖くって怖くって^^;』(これは本当の話)
『それならいいのありますデース^^ 我が心霊研究部では“聖なるローション”を開発してまして、
これをヌリヌリーすれば悪霊もエスケープ♪
一本3500円デス^^』
『オジサン買っちゃおーかなあ~。勿論、巨チチちゃんがヌリヌリーしてくれるオプション付きで!』
『初回限定でOKデース☆』
『ま、マジかよ!オジサン、ダースで買っちゃう!箱ごと買っちゃうよ!』と、
他のお客さんからしたら実にいい迷惑なトークばっかりでした^^;
ーーー盛り上がってる途中、
リンダさんが私に料理のオーダーをお願いしてきた。
それはーーー
『スッポンの生き血ワイン』です。
・・・えっと、でもなんで二つ???
もしかしたら意気投合した感じのエロ板さんへプレゼントする・・・とかかなあ^^;
でも営業中だよ?
ダメじゃね?
といいますか、エロ板さんに飲ませちゃ、なんかの導火線に火がついちゃいそうで怖いんですけどっ!w
頭の中でぐるんぐるんと周る私惑。
もしリンダさんがこっそりにでも板さんに渡そうものなら絶対忠告の1つでもしてやろうかと思っていた。
確かに何度かお酒や会話で店のスタッフさんと打ち解けて
『これは奢りだから飲んでくださいよ^^』なんて逆サービスを受けることも見かけたことあるよ?
でもそれでも懇切丁寧に『ゴメンナサイ^^;お気持ちだけで』とお断わりしてたのを知っていましたよ~^^
一応、就業中の飲酒はどうであろうと、この店はご法度だったしい(マニュアルにもあるので^^;)
するとーーー
リンダさんが、くいっと掲げたグラスワインが私の方へと向けられたのです。
『アンナちゃん^^ 乾杯しようデース☆』
え!?ええええ!?わたしいー?
むしろエロ板さんが飲もうとしたら、イジワルに叱ってやろうかと思ってたのに私ですか!
ふと、エロ板さんの方にチラリと目を泳がせた。
『いいんじゃないかな^^ もう30分もしたらラストオーダーだしな』と、右手でグッジョブと私に謎のエール。
こんなエロ板さんに応援されても困るし怒られちゃうしーと、レジ近くに居た店長に救いの目を
そしてこのどうしよーもないエロ板さんを叱ってくださいなという懇願の目で店長を見た。
その目線の先の店長とバッチリ目が合う!
これで勝てる!私の勝ちだ。
するとーーーー
店長は対応していたお客様に『ありがとうございました☆』のお見送りをしたあと、再び振り返って
頭の上で手を広げてニヤリと大きく丸を形作った。
よーするにOK・・・だと^^;
いいんかよw
じゃあ・・・えっと・・・なかなか飲めるものでもないしー
せっかくですしー
許可ももらっちゃったしー
乾杯です☆
勿論、お客様から見えないように。そしてリンダさんからは見えるようにキッチンの影からこっそりと小声で『かんぱーい』と申し訳無さそうにですよ^^;
そしてエロ板さんに『いいなあー』とイジワルそうに言われつつも飲んでみた。
・・・
・・・
・・・むうー・・・多少血を感じる気がするけど飲めないこともない・・・かなあ。
でもめっちゃ美味しいってこともない感じですねえ^^;
『今日はお赤飯だね☆』
『何がですか?』と、キツイ目でエロ板さんを睨んでみる。
その後はいつのまにか、ぽあ~んぽあん*^ ^*
だって、焼酎と白ワインとリンゴジュースで割ってあるんですもん^^;
『家まで送ってってやろうかエヘヘヘーw』と言うエロ板さんに腑抜けたボディーブローをポカポカと叩き込みつつ
『結構です♪』と、リンダさんと一緒に帰ったことに気づいたのは次の日の朝だったのは、せばすちゃんには内緒です^^
ここまで読んでいただきありがとうございました☆
最近、居酒屋ネタばっかじゃね?
だってよお・・・今、8連勤中だしクタクタなんですものw
くそ忙しいしな^^;
でもまあ~ブログタイトル通りな内容でもありますし、これはこれでいいと思いますがね^^
エロ板さんが誰かはともかくとして、居酒屋のあんなことやこんなことが皆に伝わればいいかなあ~なんて思ってるシリーズだったりです^^
結構好きだったりする☆
アンナのバイト繁盛記☆vol③『お客さんに聞こえちゃうってばあ?』 [アンナのバイト繁盛記☆]
『ピッポッパっと、ふい~・・・』
お客さんのオーダーをハンディに未だに必死こいて打ち込む私。
(ハンディってのは飲食店でのオーダーを打ち込む端末です。見たことあるでしょ?^^)
ボタンの押し間違いとかしょっちゅーですよ。はあーん^^;
お客さんのテーブル番号間違えちゃったり・・・
提供する料理が似通っててお客さんが頼んだものと別のものをキッチンに送信しちゃったり^^;
その都度その都度、キッチンさんやお客さんに平謝りです・・・
たまに手書きのほうがいいんじゃないか・・・な~んて思ったりです。
何しろ機械はやり直しに時間が掛かるのが難点。
4ヶ月を過ぎたバイト生活で思ったりなんだりです(せばすちゃんの海の家を手伝ってた時のほうがよかったなあ~。
だってメモ用紙と口頭で事足りたしいー^^;)
今日も今日とて相変わらずの忙しさ。
お店の繁盛万々歳・・・だけれども、私ったらいつになったら先輩女子さんみたいにハンディを流暢に使いこなせる日がくるんだろー。
あ、カウンターに2名様のお客様。
『こちらの席をどうぞ^^』と私はイスをひく。
そこからはいつものように『お飲み物はいかがでしょうか』『コチラのメニューが当店のオススメメニューとなってます☆』と、続けるのだがーーー
私のバイト日記ぱーと3、ハジマリです^^
---ホールに立っていると色々聞こえてくる。
『いらっしゃいませ』や『ありがとうございました』のスタッフの声は勿論のこと、
『お客様の会話内容』とかも。
その中身はニュースネタだったり、たわいのない世間話だったり、
はたまたうちの料理についてや、実に込み入ったお話だったりと様々。
中には・・・
これって・・・私が聞いちゃってもいいんですか?
ここでそんな重要・ダークな会話しちゃっていいんですか!?
な~んてお話もあったりで、こっちがドキリとしちゃいます^^;
お酒の席というのは『何かのタガが外れちゃう』もんなんですね^^;
聞こえてないフリして仕事をする『スルー力(りょく)』が、ここで私にプラスされましたw
するとーーー
『おっぱいがーーー』と聞こえてきた。
ああ~多分どっかのテーブルのオジサマがシモネタでも言ってるんだろうなあ~・・・
女性客いっぱい居るのにエチケットないなあ~
なんて思ってましたよ私。実に憤慨です。
だからと言ってシモネタはダメ!ともお客さんに言えるわけもなく、
聞こえても聞こえないフリしてせかせかとお仕事してました。
『でさ、そのおっぱいがさあ~---』
まだ言ってるのかよw
遠くの方から私の耳に、おっぱいがこだまする。
いったいどんなオジサンなんだろうか・・・
もしくは若い大学生かリーマンかなあ^^;
これは注意できないまでも、せめて顔を見てやろうと、その声の方を目で追うことにしたのですーーー
おまえかよ!
・・・このエロエロ板さんめえええええ!^^;
後でみっちりボディーブローをかまして、お小言言っておきましたよプンプン!
奥さんや子供にばらしますよ?手紙送りますよと☆
うふふー♪
ここまで読んでいただきありがとうございました^^
ま、これは冗談ですが(焦点が合わない目線で
お食事や飲み会で訪れたお店で、スタッフのムダ話とか聞こえちゃったことは皆さんないでしょうか?
結構あるんじゃないかなあ^^;
あるねー。スタッフ同士の私語とか、たまにうっさいなあーって思うことあるっす。
ご飯が美味しく感じられなくなることもあるから自重していただきたいですな・・・^^;
気をつけます☆
やっぱりおまえか