第739話 川俣~羽生・煉瓦のカルバート群編☆vol①『二つの顔のカルバート』東武スカイツリーラインの煉瓦の痕跡 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『カタタタ・・・カタタタ・・・』
窓がひとつしかない薄暗い廃村さーくるの部室に一人閉じこもって、パソコンとにらめっこしている私。
私こと琴音は、次に行きたい煉瓦建築を検索しては悶々としていた。
別に行きたいとこ行けばいいんじゃね?マジでと思われるでしょうが、
何しろ同好会ですので資金がねーっす
つまりは交通費っすよ交通費。
だって煉瓦建築や廃墟には入場料とかあんま無いしねw
掛るのはほぼ交通費だけなんすよ^^;
行きたい場所と資金を照らし合わせると・・・行ける範囲は学生のわたしっちにはだいぶ範囲が狭まるわけっすよ^^;
お兄ちゃん(金づる)も最近忙しいし・・・
あまつさえ部長の夕実っちと行く『正月旅行』のお金も気にせにゃあかんのですよマジで^^;
だからといって~
私、煉瓦建築いっぱい見たいしね^^
欲望は止まらないのですよ。
ふと、カタタタ・・・とキーボードを打つ手が止まる。いや止めた。
パソコンから出る目に悪そうな光の中に『おや?』っと思える場所を見つけたのです。
『おばけトンネルかあ・・・』
第739話、スタートっす^^
廃村さーくるの新部長に夕実っちが就任したけれど、実はもうひとり身近に新部長になった子がいる。
それは首塚先輩と一緒にさんざん我が廃村さーくるに出入りしていた心霊研究部の副部長、
『リンダ』っす。
彼女もまた首塚先輩の就職活動によるサークルからの引退により、
比例代表制トップの存在なので自動的に部長職になったのだ^^
とはいえ首塚先輩が居ない間(廃村さーくるに入り浸ってる間)は
常に彼女が部を取り仕切っていたので、当たり前の部長昇格ですw
最近は廃村さーくるにもあまり顔を出さずに熱心に自分とこのサークル活動に専念していた彼女だったっすけどーーー
『おばけトンネル! ソレは聞き捨てならないデース!』と、
まるで盗聴器でもこの廃村さーくるの部室に仕掛けてあったのかwと言わんばかりに、ものすごーい勢いでドアを空けて私に駆け寄ってきたっすw
ボーイッシュだった昔と違って金色の髪の毛を伸ばしたアメリカンな女の子^^
風貌はどこか首塚先輩の髪型をリスペクトしていたような気がした(なんだかんだで首塚先輩ラブの女の子だったしね^^)
私は『お!リンダ、今度このおばけトンネルっちゅーのに行こうかなあ~って思ってるんだけど』と言ってみた。すると、
『日本のゴースト興味アリマース^^』と超ノリノリ☆
かくして、珍しくも不思議な組み合わせで『おばけトンネル』へと出向くことになったんす^^
『何を見てるデスカー?』
ある日曜日の正午。私とリンダは草加駅の構内で待ち合わせた。
私が駅に置いてある無料のバイト雑誌を眺めていたところ、彼女に後ろから挨拶代わりに声を掛けられたの。
『あ、リンダおはやう☆ ん~えっとね、実は正月に夕実っちとお兄ちゃんと三人で思い出旅行なんかしちゃおーかなあ~って思っててさあ、
その軍資金稼ぎに私もバイトしなきゃヤベーゼ!と、今バイト雑誌見てるとこー^^』
それに対して、HO~!と一緒に覗き込むリンダ。
『短期・高収入・日払い・週払いをミテルのはナゼですカア?』
『だって12月に入っちゃったし~、日払い週払いとかじゃないと~、
バイト代が振り込まれるの来月になっちゃうだろうし
旅行代、間に合わないじゃんw』
『オウ!そうですネエ^^ コトネせんせーさすがデース☆』とリンダは納得してくれた。
・・・あんまり素直に受け取られると心がめっちゃ痛い^^;
正直、自分でも正月旅行の軍資金稼ぎを開始するのは遅すぎだと思ってたくらいだし・・・^^;
あまりにも計画性の無い自分の痛いところをやんわりと突かれたようで、
彼女のあっけらかんとした純粋な眼差しに目がジャブジャブ泳いでしまった私です^^;
電車がホームに滑り込んできたのを良い機会にパタッと雑誌を閉じた私。
『じゃあ行こうかリンダ!』と彼女に促がしつつ
私はコソコソとリュックの一番底へと無造作にバイト雑誌を突っ込んだ・・・
---電車に揺られること1時間くらい
私達は『群馬県最南端の駅』である、
群馬県・明和町『川俣駅』へと降り立った。
駅前のちょっと物騒な『川俣事件ゆかりの町』という看板を見てリンダはなぜか小躍りする^^;
『過去の事件と心霊。ググッとキマスデース♪』と。
いや・・・そりゃ血みどろ臭い歴史・事柄ほど、心霊とかには結びつきやすいだろうとは私も思うけどお、
あんまりワクテカされても困っちゃうなオイ^^;
ここで一応言っておきますぜ?
私こと琴音は
『心霊とかお化けは信じない派閥』ってことを
お兄ちゃんはどちらかというと『肯定派』だけど、
私は否定派っす^^;
確かな情報を頼りに渡り歩くサイバーネット女子っすからね☆
(※ ちなみに、作者のちょいのりは“心霊とかオカルト”は肯定派です^^
それを科学的に否定して塗りつぶしてくのも結構好きだけれども、
人の考えが及ばない世界が絶対あってもおかしくねーよなあーとも思ってます^^)
デザインマンホールげっと☆
そこから歩き出した私達は少々、妖怪ウォッチについて熱く語ったりしたw
(※ リンダは日本のジャパニメーション大好きです^^)
今回、急(せ)く旅でも無いのでいつものお約束でプシュッと缶チューハイで乾杯☆
リンダも見かけによらずお酒大好きなので、喜んで付き合ってくれた^^
ただ・・・すごく寒いので、いつもよりは飲むペースが遅かったのはご愛嬌。
チビチビ日本酒を飲むように先へ先へと歩いた。
さて、会話の切れ目に空を思わず見上げた私。
雲ひとつ無い超天気☆
その青さにしばらく惚けていたらしい。
『・・・センセー・・・琴音センセー!』
『ん!? あ、ご、ゴメンゴメンリンダ^^;ええっと何?』
『今回ゴーストトンネルに行くって言ってましたデスガー、周りを見ても関東平野のドマンナカデース。
・・・トンネルなんてあるデスカ???』
『うん。あるよ^^ 今回行くのは鉄道のカルバートなんすよ。ほらこのさっきまで私達が乗ってきた東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の下ね^^』
そう言って線路の土手を指差すのだが、
私の言葉にリンダは少々首を捻る。
『琴音サーン。カルバートってホワッツ???』
『鉄道を横切る道路とかあるでしょ? そうなると踏み切りや線路の下を通らないと横切れないよね^^
例えばこういう土手になってるところを横切るにはトンネルを作ればいいんだけれど、
道路が先に出来ていて後からその上を路線が走る時は“カルバート工法”って言って、
コンクリなどの箱型をあらかじめ造って、その上に盛り土して線を引くんだって^^
だからパッと見、線路の下を通るトンネルに見えても、正確にはびみょーに違うらしいよ^^』
『ということは、今回赴くのは、ゴーストトンネルではなくゴーストカルバートってことデスカ^^』
『ぶっちゃけかっこよく言ってみただけっすよリンダw ふつーに生活してる人から見れば、どっちもただのトンネルっす☆
そしてこのカルバートが利根川を挟んで幾つかあるのがここいらへんなんすよ^^
その中のひとつが“おばけトンネル”って言われてるらしいんだけど・・・
それは利根川の向こう側。羽生側なんだw』
『ホワッツ? なんでまた利根川挟んで一駅も遠くから目指すデスカ???』
『それはこの後分かるからw っつーことでごめんねリンダ。遠回りになっちゃうけど付き合ってね☆』
『ラジャー(了解)でありますデース^^』
線路と平行する道が途絶えたところで、土手下を歩いてショートカットすることにした。
そして最初の目的地に到着した。
『パッと見こちら側からだとコンクリの鉄道橋でしょ?リンダ^^』
『イエス!コンクリートデース^^』
『でも潜って向こう側へ行くと・・・
こっち側(下り線)は煉瓦の橋台なんすよー^^』
『OH~!ブリック(煉瓦)デスね☆ ・・・でもナゼデスカー???』
『それは次と次を見てからお答えするっすw』
『アア~ンイケズー☆』
イケズ~だなんて、リンダはそんな美しい日本語をどこで覚えたんだろうか^^;
さて再び土手下の道を通ってショートカット☆
ぶっちゃけ東武鉄道の敷地内だろうけれど、トラクターの通った後やら完全に地元の生活の道となってました^^
『OH~!こっちはさっきよりも背が高くなったデース^^』
次に出会ったカルバート。利根川が近づいていることもあって、土手の高さもトンネルの高さも一段と高くなった。
さてやっぱり向こう側はーーー
煉瓦ちゃんのボリュームああああっぷううう♪
ハアハア・・・してしまいますなw
ここで私の様子を見てリンダがおかしく思ったようだ。
『ひょっとして琴音サーン、ブリックフェチ?』
ーーーそう、
実はリンダは私が煉瓦マニアに変貌していたことを知らなかったのだ^^;
リンダの髪が伸びたように、私もこの一年で随分と変わった。
正直自分でもビックリですぜw
とはいえリンダは『西洋のゴーストと煉瓦建築は付き物デース。ワタシモけっこうブリック好きデス☆』と、
ある一定の理解は得られたようです。
まあ彼女の基準はあくまでも心霊が対象なんだけどね^^;
さていよいよ利根川の堤防が目の前のところまで来ちゃったみたい。
土手の高さもだいぶ高くなった。
ではトンネルはーーー?
あれ?
さっきまでのトンネルより低くくね???
『なんか土手の高さと反比例デース^^; 頭ぶつけそうデース^^;』
ほんとに低い・・・
さっきまでは車もすんなり通れたけれど、ここは正直厳しそう^^;
でも一体なんで?
この分だと向こう側の煉瓦ちゃんも期待できないかなあ・・・と、不安がよぎった私です^^;
ちょっとガッカリ気分でとりあえず潜ることにした。
すると、それは杞憂に過ぎなかったと後悔することになったのだ!
全面煉瓦ちゃんじゃんか☆
しかもめっちゃ高けーw
更に何よりも驚いたのは、ねじりまんぽとまでは言わないけれど、煉瓦カルバートの奥行きとその美しさに思わずニヤついてしまったっす^^
『ほんとに驚いた時は声もでないか笑ってしまうってグランマ(おばあちゃん)が言ってたデース^^
ここはギャップもあってビックリデシタネ☆』
正直言えば同じ煉瓦建築巡りでも、洋館や水路橋に比べれば鉄道橋の煉瓦なんてすこぶる地味かもしれない。
でも派手さは無いけれど愛らしい縁の下の力持ちだなあ~と思います^^
とかくここは別物だったかもしれませんがw
すっかり夢中になっていて忘れていた。
『そろそろ答え合わせをシテクダサーイ^^ なんでこのカルバート群は上り線側と下り線側では煉瓦とコンクリという別物なのデスカ?』
『それはこの路線が昔は単線だったからっすよ^^ もともとこの煉瓦がある方が最初の路線だったんす^^
後年、複線化する際に盛り土を拡張したり嵩上げした時、コンクリート造りでカルバート補強したんだろうっすね^^』
明治32年開業の東武伊勢崎線は当時、利根川を越えることは出来なかった。
利根川を越えて延伸できたのは開業から8年後の明治40年だったそうです^^
その利根川を渡る橋が出来るまでに暫定的に造られた終着駅(かっこ仮)が、利根川の向こう側(南側)にあったんですが、
その名前こそ『川俣駅』 埼玉県側から群馬県に引越したのが現在の川俣駅なんです。
どうやらその『元・川俣駅』の近辺に『お化けトンネル』があるらしいのですが・・・
さて、煉瓦のカルバートを満喫した私達(いや私だけかw)
利根川の土手へと登ります。
私達が目指す『お化けトンネル』は対岸なんだけど・・
対岸に渡るにははるか向こうの橋を目指さないと渡れないw
これには流石のポジティブシンキングなリンダも『ワオ・・・マジデスカ^^;』と項垂れた(ほんとゴメンネリンダ^^;)
かつてここには渡船があったそうです。
今では鉄道でひょひょいのひょいではありますが、
昔の人は川ひとつ越えるのも苦労したんだろうなと、改めて思い知らされたような気がします。
ま、こんな時こそお酒です☆
『飲んでれば距離なんて忘れますデース☆』
『だ・よ・ね・♪』
私達はグビグビしながらも陽気な散歩を楽しんだっす^^
次回に続く!
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
次回はいよいよ『お化けトンネル』
あと、旅先での地元グルメといったところでしょうか^^
第734話 栃木・足利市・㈱トチセン編☆ファイナル『生きてる古煉瓦さん☆』 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『グワングワンワン・・・。古びた機械が勢い良く動き出す』
ボク達まだまだ働けるよ!と、訴えかけているように一生懸命に。
工場の方の粋な計らいに私を含めた見学者三人は、感嘆の声を上げたのでした^^
第734話。
足利の文化財一斉公開、BY㈱トチセン編☆
すたーとですう☆
かつて日本を支えた殖産『織物』
その輝きを私はほんの少しだけれど、見させてもらったんじゃないかと思いましたですう^^
私は正直、歴史も近代史も苦手だった。
あんまり良い点数は取れなかった。
でも今、目の前にあるこの歴史に直に触れて、中学高校生の頃よりはグンと興味を持つことが出来たんじゃないかなあと実感。
琴音っちに言われるがまま来たわけだけれど、来て良かった。何かそういう風に思いましたです^^
ここから工場のオジサマに連れられて一旦部屋を出た私達。
更にすぐ隣の建物へと向いました。
建物に入るなりいきなり目の前にそびえる物件が!
『これは多管式ボイラーと言うのですが、コレも中々のものなのですよ^^
登録有形文化財ではありませんが立派なものです^^』と、オジサマがちょっと自慢げに。ちょっと嬉しそうに語ってくれました。
わきゃー☆コレも立派な煉瓦さんだなあ~と眺めていて、ふと気になったことが。
その気になった事というのはーーー
このボイラーさんがある部屋と隣の部屋とを区切る『煉瓦の壁』
良く見るとこの煉瓦さん、
私が悪戯書きだと勘違いしていた黒塗りの迷彩柄が施されてるです。
迷彩柄の黒塗り。
これは確か戦火を免れる為に外壁に塗られたものだったはずですよね?
恐らく元々はここは『外壁』つまりは外に露出してたんじゃないかだと思いますです!
(夕実ちゃんの勝手な推測です。煉瓦に見とれてて~ボクはこの時気づかなかったんだよね^^;
答えあわせを工場の方に聞けば良かったと後悔しています^^;)
迷彩の壁に疑問を抱いているところに、オジサマが窓の外を指差して『外の方にコンクリに囲まれたスペースが見えるかと思います^^
あそこでは昔、スッポンを飼っていたんですよ~^^』と皆に教えてくれましたです。
まあ・・・『へえ~スッポンさんをここで!』と思わず見に行ったのは私だけでしたですがーw
---さて隣の部屋へ移動。
隣の部屋は、ここトチセンさんが抱える三つの『国登録有形文化財』の内の最期のひとつ
『旧足利織物汽灌(きかん)室・ランカシャボイラー』さんの御出座しですう☆
・・・とは言うもののランカシャボイラーって何ですか?
オジサマが『水管内に2本の円筒型の燃焼室を備えたどうのこうの・・・』っとおっしゃってたのですがちんぷんかんぷんです!
はい。私、ダメな子ですう~^^;
そこはお兄さんがチョー簡単に?教えてくれたです。
『要するに、火を燃やす(くべる)場所が二基あるボイラーかな^^
二対二筒でひとつのボイラー。
かつてイギリスのランカシャ地方で結構使われていたからってことで、この名前がついたみたいだよ^^』
わきゃー☆ ちょー分かりやすいですぅ^^
なんとなく分かったキガスルです。
もしかしたら本当にこの方は学校の先生さんじゃなかろうかと思ってしまいましたですよ^^
(※1 多少脚色していますが、同行したお兄さんには色々と説明を伺いましたですよ^^ ありがとうございます^^)
せっかくなので中を覗いてみるです^^
ライトアップされていて、奥のほうまで見えました。
よくよく見ると、ボイラーを囲んでいた赤煉瓦さんとは色も大きさも微妙に違う煉瓦の入り口。
いわゆる『耐火煉瓦』さんってやつですかね(この前、琴音っちと一緒に巡った中小坂鉄山で一応の耐火煉瓦の知識を学んだ私ですう。エヘン☆)
その後は琴音っちの為にも『煉瓦の刻印』さんなんかを探してみましたが見つからず^^;
ランカシャボイラーさんにさよーならです。
更に隣の部屋の新しいボイラーを見つつも(新しいと言っても古いです)
外へと出ましたです(青空が目にまぶしっ!^^;)
旧足利織物汽灌室を出たそこは、
正にノスタルジー!
まるで昭和や大正にタイムスリップしたのかにゃ?って思わせるくらい、周りの景観に驚いたのですう^^
なんでもここは、ドラマや映画。主に懐かしい町並みを題材とした作品のロケハンでよく使われているそうですう。
(元々は機械が入った施設。でも今は放置プレーか倉庫代わり。
撮影がある場合は、レトロなポストなど設置して古きよき時代の長屋みたいに使われるそうです^^)
さあこれで全部を周ったみたいですう。
後は敷地内を通って入り口に帰るのみ。
見るもの全てがノスタルジー。とばかり思っていましたが、
煉瓦壁の横には最新式の空調倉庫があったりと、古きと新しくが仲良く共存している会社さんでしたですよ~^^
さて最期に受付でちょっとしたアンケートに記入をし、クリアファイルをいただきました^^
受付に居たのは足利の小学生さんかな?女の子2人で一生懸命見学者さんのお相手してましたです。微笑ましいですね☆
時間にして3~40分。短いと言えば短い時間です。
でも琴音っちに言われてきてよかったかなと今では思いますよ^^
お兄さんや工場のオジサマにご挨拶してトチセンを後にした私。
ふと振り返ってもう一度見回した。
青空に映える赤い鋸屋根がもっともっと素敵に見えました^^
---さあ、ここまでが琴音っちの『指令』です。
後は福居駅から帰るのみです(一瞬、他の文化財を見て周るのもいいのかもと思っていましたが、よくよく考えると何をみてみようか分からない私w)
でも私は名残り惜しむように、この工場をぐるっと一周、お散歩してから帰る事にしましたです^^
戦時の迷彩塗装さん。悪戯書きだと思ってゴメンなさいw
足利市の文化財が沢山描かれてるクリアファイル^^
ふと、工場の外壁のほころびに目が行った私。
わきゃー☆ 中身は煉瓦さんだったのですね^^
工場の裏手の一部はお墓でした。その壁も綻んだとこは煉瓦さん。
壁伝いに進むと~---
こんなに煉瓦さんがむき出しになってましたです^^
琴音っち居たら喜びそー
そしてぐるり一周が終わりかけたとき
異様な柄に包まれた煉瓦さんが登場。ちょっと怖いですよね^^;
どうやらここは、先ほどのラ・・・ラ・・・ランカシャボイラーさんが居た織物汽灌室の裏側のようです^^
こちらは捺染工場。つまりは鋸屋根の煉瓦さんの側面ってことになります^^
裏側は結構ほころんでるみたいですう^^;
さていよいよ帰りの電車の時刻が近づいてきたようです。
ここからはいそいそと駅に向いました。
思わず『健さん・・・』とつぶやいちゃった。
駅横の駐車場では座布団に座ってのんびりしている、ワンワンオさんがいらっしゃいました。
なんか高貴な感じですね(そんなことはない)
さ、帰ってからは菅原先輩と皆とで出かけるお正月旅行の為の旅行代を捻出しなきゃいけない短期バイト探しだ~^^
何が出来るかな?
おせちのバイト?ケーキのバイト?とにかく時間とお金が無いですう。
でも頑張るぞ!私。
だって先輩の学生生活最期の旅行ですもん。
広島か~。いったいどんな旅になるんだろ?
今から先輩との、しゅ・・・しゅ・・・宿泊旅行が楽しみでしかたないですw
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
いかがだったでしょうか、㈱トチセンの煉瓦さん達は^^
こういった今でも有効利用されて『生きてる煉瓦』って大好きです☆
ふ~ん。でもまあプチ工場見学って感じでよかったっすね^^
でもせっかく足利の文化財一斉公開だったんだから他も見てくりゃ良かったんじゃね?マジで~
本当は行きたかったけど、この日は休み取れなかったんだよ^^;
だからコレ、出勤前に急いで行って来たんだよねw
まじかw
帰りは特急で上野へご出勤でしたw とは言え見れて良かった。念願叶ったんだもんよ~^^
まあ来年はここももう一度リベンジして、他の文化財も見てこようと思っています^^
ちょっと気になったんすけど・・・
何よ?ぎゃる魅さん。
夕実ちゃんが最期に正月旅行で『広島に行く』って台詞があったんすけど、これってリアル話し?
そうだね。今年と言うか年末年始の恒例の旅行。今回はーーー
『広島だ☆』
飛行機のチケットも宿ももう手配したよ。
一大観光地“安芸の宮島”のせいでだいぶ宿取りに四苦八苦はしたけどね^^;
(まあ~もう厳島で初詣とか、そういう人が多くって宿が無い宿が無いw なんでも年末年始は半年前から行動しないとヤバイっすよと電話した宿屋のオジサマに言われちったぜ^^;)
島旅もある?
あるよ~^^ 宮島は分からないけど島には行くよ^^
そして今回は廃村さーくるのロケハンとしても行くので、やっぱり煉瓦ちゃんとも出会ってくる予定。
『ある意味世界で一番有名な煉瓦』そして『広島』?
分かる人はこれでもう分かっただろうね^^
だからってコメント欄にネタバレしないでね☆
さて、今日はこれから日帰りで京都へひとっ飛びしてきます^^
勿論、オフ会+煉瓦さんです^^
日帰りで京都とかもったいねーなオイw
次回記事は当然『京都オフ会』なんですが、リアルに記事書くか廃村さーくるで記事を描くかは決まってません。
ま、とりあえず楽しんできますね♪
ではでは多分酔っ払ってぐったりして帰ってくるので(寝ないし)
お返事・訪問などは後日となることをご理解くださいなw
ということでまた次の記事でお会いいたしましょう!
新幹線で寝過ごして気づいたら博多だったを希望したいっす☆
そしたら博多で遊ぶぜ!
第733話 栃木・足利市・トチセン編☆vol①『わきゃー☆ノコギリ屋根の煉瓦の工場ですう☆』足利の文化財一斉公開日&旧足利織物赤レンガ捺染工場跡 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『11月23日。この日は絶対予定空けといてねっ! じゃないと絶交っすよっ!絶友だから☆』
私こと夕実は、大好きな先輩の妹である琴音っちに数ヶ月前から念を押されていた。
絶友って何よ? ずっ友なら聞いたことあるけど^^;(ずっと友達だよ!の意)
ま・・・とにかく彼女に念を押されていた。
11月23日・勤労感謝の日は絶対予定入れないでと。
だから私は色々な人からの誘いを断って断って当日を迎えたのですよお。
それなのにどういうことですか?
『あ、ごっめ~ん夕実っちい~ん^^ ちょっと今日は・・・ゲホゲホッ! なんか風邪っぽいからパスするね。決して二日酔いとかじゃないよ?テヘペロ☆』ですと?
あんたが一番楽しみにしていたのに風邪引きか!
なら、私も意味が無い。普通にのんびり過ごそうかと思ってたのですが・・・
『この日しか無いんすよ!だからお願い夕実っちい^^; 写真バシバシ撮って来てちょ♪
ね?おねがーい^^
ここの煉瓦ちゃんは年に一度きりの七夕級の出会いなんだから~ん^^』
う・・・そこまで言われたらしかたがないですうー。
一応これでも私、廃村サークル(主に古煉瓦)の新部長・・・ですしね!
と言うことで、今回は私の一人旅ですう^^
ではでは第733話。夕実の煉瓦建造物潜入記 。スタートですう☆
早朝、約束をすっぽかされた私は渋々と駅前までボッチで歩いていた。
駅前ではなにやらイベントの設置がせっせせっせと行われていたですう。
設営のお姉さんに聞いてみたところ
『えっとこれはね、“煎餅の町・草加市”のお煎餅のイベントの設置なのよ^^
その他にも今日は近所の小学校の敷地内で草加市内のお店が発案したB級グルメの催し物があるから、是非参加してみてね☆』と笑顔で言われてしまいましたです^^;
ううう・・・煉瓦よりこっちのほうがいいなあ^^;
予定が無ければこっちに参加したかったのにい・・・w
『はい!後で絶対寄りますね^^』と、おもいっきり笑顔で嘘をついた私・・・。
社交辞令とはいえチクチク胸が痛いですう。
ううう・・・さぶい!
ここんとこ最近、だいぶ冬に近づいた感がありますよね^^;
私は思わず暖を取るつもりで駅のホームの自販機でコーンポタージュ缶を買い、
手を温めてからゴクリと喉の奥へと流し込んだ^^
ほかほかで温かいですう☆
冬はやっぱりコーンポタージュ缶ですう^^
---さて、
草加市から電車にゆらり揺られて掛る事一時間ちょっと。
乗り換えも無く、うとうとしかけていたら車内のアナウンスで、ハッと目を覚まして慌てて飛び降りたです。
そこは栃木県・足利市『福居駅』
なんでもここには琴音っちが言っていた『七夕級の出会いの煉瓦ちゃん』
つまりは『年に1回だけ一般公開される煉瓦ちゃん』があるらしいのですう。
ぶっちゃけるとあんまり彼女から詳しい話は聞いてない私^^;
『駅からすぐ見えるから!そしたらそこに向ってね☆』とだけ言われていた。
私は駅舎から出ると、とりあえず周りを見回してみたですう。
---すると、
ちょっと向こうに赤煉瓦色が見えたです^^
えっと・・・あそこですよね?多分。
私はてくてくと歩き出した。
近づいてみるとやっぱり煉瓦さん!
私でも分かるです。たぶん古い煉瓦さんなんだろうなあと^^
ん?でもなんか煉瓦に黒い落書きみたいなのがあって何か変です~^^
入り口?には『㈱トチセン』って書いてあるです。
ここで琴音っちに言われていたことを思い出した私。
そうだ写真撮らなきゃ!と、この煉瓦の建物をパシャパシャと無造作に撮っていたのです(ぶっちゃけ先輩や琴音っちみたいなカメラアングルとかさっぱりです!)
---するとです
『あ!もしかして工場見学の方ですか^^ でしたらスミマセンがあちらの受付で待っていていただけませんか^^
あと数人集まったら見学のご案内をしますので^^』と、
この工場の方と思われる作業着を着たオジサマに、ふいに声を掛けられたのですう。
え?え?え!?
工場見学???
え?何ソレです。
あ!これが琴音っちの言っていた『七夕級の出会い』ってことなのかなあ?
すると、受付あたりに居たお兄さんが私の元に近づいてきた。
『あなたもこのトチセンの見学に? いや~ここは足利市の文化財一斉公開日しか滅多にお目にかかれませんものね^^
もしかして煉瓦が好きとかでしょうか^^』と声を掛けられ、思わず
『あ、はい!ちょ、ちょっとサ・・サークル活動でれれれ・・煉瓦の探求をしてましてです・・・ゴニョゴニョ・・・^^;』と、
なんともはずかしいー受け答えをしてしまったです・・・(うわーん^^;)
というか足利市の文化財一斉公開って何!?
そこはお兄さんがどんどこどんどここっちが聞くことも無くおしゃべりしてくれてやっとこさ私も理解できましたですよ^^
なんでも栃木県足利市の社寺・もしくは歴史ある建築物などが所有する『彫刻・仏像・絵画・建物の内部』などの貴重な文化財を
一般の方にも是非見てもらおう!って催し物なんだそうです^^
毎年11月22・23日頃に行われるとのこと。
先ほどのお兄さんと共に受付で受け取ったパンフレットには
『二日じゃたりない贅沢な足利』って書いてありました。
市内広域66箇所に点在する文化財の地図を見て納得ですう。
これは文化財好きな人にはとてもじゃないけれど二日じゃたりませんですうw
ま、その中で琴音っちが『ここに行け!』って言ってた意味もようやく分かりましたです。
どうやらここトチセンさんには貴重な煉瓦さんの匂いが見るからにプンプンしてますからね☆
---受付を済ませた私
先ほどのお兄さんと、トイレに寄っていたという女性を待ってから、この三人と工場のオジサマとで工場内見学がスタートですう☆
なんか社会科見学みたいでちょっとドキドキですね^^
まず最初に向ったのは、先ほど外から見た建物の内観ですう。
その入り口に長椅子が置かれ、その上に
サランラップ?と、昔のこの工場の航空写真がありましたです。
ここでオジサマにこの会社が何であるか?どんなものだったのか?と解説いただきましたですよお^^
『大正期、この足利市は織物産業で隆盛していたのですが、
そのなかでもここは工場制機械工業による足利市最初の大型工場として存在していたそうです。
(大正2年操業・翌大正3年開業)
足利織物株式会社→明治紡織株式会社と年代と共に社名を変更。
そして昭和24年、現在の㈱トチセンの前身である“栃木整染(せいせん)有限会社”と合併し、
栃木整染株式会社となり、昭和50年に今現在の株式会社トチセンになったのです』
一生懸命耳を傾けたのですが、どうも私には難しいですね!
(夕実ちゃん結構、アホの子かもしれない・・・^^;)
でもなんとなく分かったです!
ようするに元々は富岡製糸場みたいな織物工場だったのですね^^
あれ?でも何で目の前にサランラップ~???
『実は今現在はですね、化成品フィルムの染色・特殊加工を主な業務にしてるのです^^
車のウィンドフィルム・液晶テレビ・携帯電話などなど。
あとはサングラスとかでしょうかね^^
サランラップとかは“鮮度保持フィルム”として携わってるのですよ^^』
ちょっと足りない人と思われたのでしょうか。
一生懸命にオジサマが私にレクチャーしてくれたです^^
はい。さっぱりワカリマセンです☆
そのあとはさっそく煉瓦の建物内へ!(サラン工場と言うみたいですう)
ここではオジサマが
『ここには色々機械があったのですが、まあ・・・色々とございまして今は全部撤去されてます^^;』と説明されていたです。
そこんところは時代の波と経営があるから察してくださいって感じでしたですう。
流石に私でも察しましたよ!偉いでしょ?エヘン!
(やっぱりアホの子?。色々頑張れ夕実ちゃん!by作者)
その後はこの建物の更に内部に潜入です!
見上げたそこは木造の吹き抜け。
どうやら先ほど外から見た煉瓦の建物の窓際の部屋みたい。
ここで再びオジサマが当時の写真パネルを指差しながら解説をしてくれましたですう。
『ここはですね織物工場でもありましたが、上をご覧になると分かると思いますが二階部分がありますよね^^
そこは昔この工場の事務所だったのです^^』と。
煉瓦の外壁に囲まれた木造の内装。
そこにあった事務所と機械はもういない。
でもパネルの写真を見た私は頭の中でこんなだったんだろうな、あんなだったんだろうなあ~と当時の仕事風景を思い浮かべてみたですう^^
ちなみにオジサマのお話だと、ここは何度かドラマなどの撮影に使われているそうですう^^
うう~!わかるかも。だって雰囲気あるもんね。ここ☆
ちょっと窓辺を覗いてみる。
木枠の窓がとってもレトロ☆
良く見ると、内に向って煉瓦・石・木造という外壁だったのですね^^
琴音ちゃんに一応報告しておこうかなあ。
イギリス積みの内壁を見つつも一旦外に出ますです。
(ようやく煉瓦さんの積み方が分かってきたです。ある意味廃墟より煉瓦はマニアックさんですよね^^;)
目の前に広がったのは先ほど福居駅から見えたギザギザした煉瓦の建物さんです^^
『ほえー!なんであんなギザギザしてるんだろー^^』って思わず口にした私。
すると、今度は一緒に同行するお兄さんが教えてくれたです。
『あれはノコギリ屋根って言うんだよ~^^ なんであんな形をしてるかというと~~~それはこの中に入ってからのお楽しみかな^^』
ああ~んなにそれ。
なんで焦らすんですかw
最期までしっかり教えてくださいよお^^;
その後もちょくちょく私に色々教えてくれるお兄さん。
なんか話し振りからすると、煉瓦マニアさんでもあるようだし、どこかの学校の先生っぽい?感じ。
先生ですか?ともマニアさんですか?とも聞けなかった私ですが、この後も彼のアドバイスに色々助けられることになる。
(※ 深くは聞けなかったけれど、多分、ネットの煉瓦や廃墟系で記事をアップされてるちょっとした有名な方だったんじゃないかなあ~と今は思ってます^^)
ここで改めて見上げた煉瓦さんの黒ずんだ部分に疑問が沸いた私。
何かどう考えてもスプレーでのいたずら書きにしか見えないですう^^;
それに気づいたのか元々マニュアルだったのか煉瓦壁を指差してオジサマが説明をしてくれましたです^^
『あの黒ずんだ部分をご覧下さい。あれはですね、戦時中に戦火から逃れる為に施された迷彩塗装の名残りなのです^^』と。
なるほどですう。
薄々はそうじゃないかと思っていたですう(大嘘☆)
そのオジサマの解説にすかさず入ってくるお兄さん。
『この黒塗りの迷彩塗装は、確か中島飛行場が桐生とか藪塚とか近隣にあって真っ先に狙われる可能性があったからーーー』と色々と云々。
中島飛行場?桐生?狙われる?
正直ちんぷんかんぷんです^^;
私をおいてけぼりにして2人で盛り上がるのですう。
(あ、私以外にもう一人女性が居ましたが、黙々と施設を堪能されてましたです。とはいえ時にはこの女性もマニアックなツッコミをオジサマに入れていました・・・
よくよく考えるとこのトチセン以外は神社仏閣の一般公開。煉瓦のれの字もほぼありません。
またこの女性も静かなる煉瓦マニアさんだったのでしょうね^^;)
のこぎり屋根の煉瓦さんの入り口前にも何か説明のパネルが置いてありましたです。
さっそくこれを元にオジサマが解説しようとすると・・・
『これは上敷免の煉瓦ですね^^ 小口と長手面、イギリス積みか~。ふ~む^^』と、半分オジサマの解説を奪うお兄さん^^;
そこは全部おじさまにせつめいさせてー!解説させてー!とか思っちゃいましたですw
とは言えオジサマもやんわりと『なかなかお詳しいですね^^ そうですそのとおりです☆』と、
その後はオジサマがここの解説を引き継いだのですう。
(オジサマ素敵☆)
登録有形文化財。
このトチセンに『3つ』ある登録有形文化財のひとつが、これからお邪魔する
旧足利織物赤レンガ捺染(なっせん)工場ですう☆
(先ほど入った場所も『旧足利織物赤レンガサラン工場』という登録有形文化財です^^)
いざみんなの後について行きつつレッツ潜入!
そこは現在も工場として使用されている立派な施設内でした。
パッと見、子供の頃に行った近所の工場見学とあまり変わりない風景かなあと思いましたですが、
建物の端々に歴史的なものを目の当たりにする私だった。
『上の窓をご覧下さい^^』とオジサマに言われ、上を見上げる。
そこからは室内の電灯が霞む位の日の光が工場内を照らしていたのですう。
『のこぎり屋根と言うのはかつて工場などで多く採用された建築様式なんです。
なぜあのようにギザギザとのこぎりのように屋根が作られているかと言うのはもうお分かりですね^^
そう。日の光を寄りよく得る為に作られた採光技術なのです^^』
へえ~!そういうことだったんですね!
確かにめっちゃ明るいですう。
今なら全面ガラス張りなんて出来ますが、当時としては最先端だったんですかね^^
(当時は工場内電灯に電力を割くよりも、機械に電力をまわした方が良いとか、理由は色々あったのでしょうね。
今では電力供給の発達・蛍光灯などの室内電灯の発展・屋根の形状のコスト問題など色々な面から消え行くものなんでしょうが)
この後は5分ほどのこのトチセンの歴史のビデオを閲覧(オジサマは5分くらいって言ってたけど、3分くらいだったですうw)
その後は当時作っていた物の紹介なんかも^^
↑この機械。そしてこの薄っすらと見える模様。なんだか分かりますう?
実はこれ、
『風呂敷の唐草模様』ですう^^
こんなのも当時つくってたんですね☆
今じゃ風呂敷なんてサザエさんに出てくる泥棒さんくらいしか見かけること無いかもですね^^
さて、私達はこの捺染工場の奥へ奥へと進みますですう。
内壁の壁が数箇所削れているところが見えたりします。
そして捺染工場の際奥まで辿り着いた私達。
その先には何か部屋らしきものの入り口が。
どうやらここへ入るとのことらしいですう^^
ここでこの入り口の味わいに思わず私はカメラちゃんを向ける。
なんかこの入り口の『壁・綻び・シミ』全てが何故かグッときて。
琴音ちゃんよりド素人だけど何かここにカメラを向けようと思ってしまったんです。
すると『おや?やっぱキマスかここ^^ この雰囲気素敵ですよね^^』と、お兄さんがカメラを構えて声を掛けてきた。
マニアさんも当然のように何かを感じる場所のようです。
私も『はい。ビビビってきました☆』と答えて、時間の許す限り写真を撮った。
(※ ここの入り口は・・・行った人しか分からない言い表せないノスタルジー。レトロ。建物の哀愁?なんかそんなとこでした)
ーーー案内されるがままに入ったそこは、小さな小さな小部屋。
中には機械が所狭しと犇めき合っていた。
片隅には中学生の時に男子がやっていた技術室にあったような万力や工具類がズララ~とありましたですう。
『ここは当時扱っていたものがそのまま残っているんです^^』とオジサマ。
そして、
『では、少し機械類からみなさん離れてもらえますか^^』と注意を促がすオジサマ。
はてなんだろ?と思う私。
『ではいきますよ^^』と、オジサマは古びた壁にあるスイッチをパチリと押したのです。
『ゴウンゴウンゴウン・・・・』
『ガガガガガガ・・・・・・・』
『ダダダダダ・・・・』と一斉に動き出す昔の機械・工具たち。
天井や地面を這う機械と機械を繫ぐベルトが所狭しと動き出す!
思わず『え!? う・・・うわあ・・・うわああ・・・す、すごいですう・・・!』と、
壊れたおもちゃたちが突然動き出したようなそのオーケストラに、
私はビックリと感動。
そして同行したお兄さんもお姉さんも『うわああ!・・・うわああ☆』っと声をあげたのでした。
ここまで読んでくださりアリガトウ御座いました^^
大人の社会科見学。そして恋焦がれたトチセンのレンガとの出会い。
足利市の文化財一斉公開に感謝します^^
では次回でトチセン編ファイナル。興味がある方は今一度お付き合いおば^^
第732話 群馬・下仁田・中小坂鉄山編☆ふぁいなる『夜の富岡製糸場?』 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『ぎゅるるるる・・・。あ、オナラじゃないよ?お腹の虫だよ?夕実っちw』
・・・言われないでも分かってるってば^^;
むしろオナラだったら道の往来ど真ん中で女子としていかがなものかですよおう^^;
わたし・・・琴音っちの風下だし!
---そう。私達はよくよく考えたら行きの電車内で食べたおにぎりしか今日は食べてないのですう^^;
『高崎に帰ったら豊丸だね!豊丸水産!(浜焼き)』
琴音っちの誘いに私のお腹の虫もぎゅるるるるんと泣きそうになったw
第732話、ちょっとした?寄り道編。すたーとですう^^
『わきゃー!銃砲火薬店って、猟銃とか扱ってるですかね?』
ふるさとセンターからの道すがら、こんなお店を見つけた。
『下仁田にもふつーにあるっしょ^^ たしかさっき看板には11月15日から狩猟解禁なんて書いてあったっすよ』
まあこんだけ山に囲まれたとこですう。狩猟はありますよね^^
『私の親戚の河津のおじちゃんも今頃伊豆の山中に出かけてんじゃね?
たまにお肉くれるしw こんど興味があったら夕実っち招待するっすよ^^』
・・・いやいいですぅ^^; 鹿とか猪とかそんなに好きじゃないし^^;
ま、そんなこんなで下仁田駅付近まで歩いて帰ってきたんですう。
・・・が、ここでちょっと道に迷いました^^;
なんせ行きはタクシーで行っちゃったし、あんまり道を気にしてなかったから^^;
『多分・・・こっちっぽくね?マジで。近道近道w』と、琴音っちが止せば良いのに路地に入っていった・・・。
土地勘無いのにいー!もー!
---するとです。
路地を抜けた所、いかにもな物件が前方に見えたのです。
勿論、彼女が黙ってるわけが無い。
『うっは!もしかしたら・・・アレ、煉瓦ちゃんじゃね?マ・ジ・で・☆』
急に駆け足になった琴音っちを追って、私もついていった。
そこは駐車場の外壁が赤煉瓦の壁になってるとこだったです。
『うはー!下仁田にもこんな赤煉瓦あったんかあ♪ 富岡製糸場が近いとは言っても、あんまり無いと思ってたから超嬉しいっす^^』
『こ、これってフランス積みってヤツ・・・なのお?もしかして古い感じ?』
『そうっすね。見た目は^^ 小口・長手・小口・長手~が段々になってるしい^^
最近はフランス積みを模して赤煉瓦壁を作ったりするとこもあるけれど、煉瓦1個1個見た感じじゃ昭和より古い感じがするよっ♪』
私達は思いがけない赤煉瓦さんとの出会いに喜んだ^^
私的には耐火煉瓦よりもこっちの方が、なんかなじみがあるかなあ^^
(※ ちなみにここは、かつてこの付近に、こんにゃくを生業としていた商店さんの倉庫跡だそうです^^
下仁田のネギと並ぶ名産でもあるこんにゃく。
正確には調べきれていませんが、恐らく大正期のものらしいです。
そしてそして、これこそ不覚です。
実はよ~く調べるとーーーーーー
どうやら煉瓦の刻印(〇にロ)が見れるポイントがあったそうです^^;
もったいないことをしたw)
そんなこんなで下仁田駅に到着ですぅ^^
でも・・・電車が行ったばかりのようです(残念)
とりあえず終点『高崎駅』までの切符を買おうと思ったら、
『ちょっと待って!夕実っち^^ せっかくだから寄り道していこう』と、
琴音っちが『はい切符^^』と私の分まで買ってくれた。
えっと・・・えとえと・・・高崎まで1000円越えてたよね?金額。
いったいどこに行くのよホント^^;
ぶっちゃけもうお腹すいたし、早く帰りたいよお~!^^;
『ま、時間もあるし~、これで空腹を紛らわそうね☆』と、琴音っちが私に手渡したのが
ハイ、コチラ。どーーーん!
缶ちゅーはーーーーいw
ま、キライじゃないし、ほぼ帰るだけだしそれもいいかな?と、彼女に嫌そうな顔を1つしつつも、
プシュ!ごくごく・・・プハー!と乾杯しましたですよー^^
日が沈んだレトロな下仁田駅舎。
澄んだ空気と夕景のインディゴブルーに浮かぶ看板を肴に、すきっ腹へとアルコールを流し込む。
たった350mlなのに、何ともいえない優しい酔いに包まれた気がしましたです^^
さて電車のお時間ですう^^
私達は行きの電車よりもレトロな感じの電車に乗りこんだ。
夕方5時過ぎだと言うのに、車輌には私達2人だけだった。
---南蛇井駅を過ぎ
いくつか駅を過ぎた辺りで彼女が言う。
『さあ夕実っち^^ ここで降りるよっ♪』
薄々そうじゃないかなあとは思ったけれど
やっぱり富岡か!
『まさか富岡製糸場・・・とか?』と聞くと、
『え?なんで分かったの?夕実っちエスパー?』と、すっとぼけやがりました。
しかも半笑い^^;
ううう・・・殴りたいその笑顔☆
私達2人とも『初・富岡製糸場。初・世界文化遺産』です^^;
さっそく駅併設のパンフ置き場にて地図付きのパンフレットをゲット。
むむむです。
地図見ると、結構駅から歩きそうですね^^;
駅舎は随分と近代的なんだなあ~と、振り向いて思いましたですう。
彼女もそう思ったようで
『なんかキレイすぎて萎える。・・・みたいな?ってとこかな^^; ぶっちゃけ下仁田駅の方がお洒落だし味があるっすよね^^』と苦笑いしてた。
そこは私も『うんうん。そうですう^^』と頷いちゃったです。
さて、駅前の正確な地図でもう一度富岡製糸場までの道を確認しつつ向うことに。
クリスマスっぽいデザインマンホールですう☆
途中、休憩所にふらふら~っと入ったり~
猫ちゃんにご挨拶したり~(私達はアウトオブ眼中で車の往来ばっかり気にしてる猫ちゃん^^;)
そんなこんなで富岡製糸場まであとちょっと^^
道路標識やアスファルトに矢印と距離が書いてあるので、迷子マスターの私達でも楽勝に近づけたのですうw
---そして、
やってきました『富岡製糸場』ですう☆
勿論、開いてませんw
『なんでこんな時間にここに来たのよ!プンプン!』と彼女に嘆いてみせると・・・
『いや、夜も雰囲気あるんじゃね?って思ったからさ~。ただそれだけなんだけどねw』と、
半笑い・・・。
殴りたいその半笑い^^;
私達が入り口付近でごちゃごちゃやってると守衛さんでしょうか?
奥から近づいてきたので
思わずその場から離れてしまいましたw
『さすが世界文化遺産っすな!夜の警備も完璧☆』と、琴音っちがのたまいやがりました。
『ま、せっかくここまで来たしい~、外からぐるりと見てみようよ夕実っちw』と、相変わらず常識気にしない彼女^^;
まあ・・・そうですね。
せっかくだし付き合ってもいいですう。
私は『コラ~!ちょっとだけだからね!』と彼女に軽く怒って見せたのだがーーー
『ヘッドライトON!ムーンプリズムパワー!メイクUPっす☆』と、
中小坂鉄山の採掘坑跡でお披露目したヘッドランプの明かりを煌煌と施設に向って照らす琴音っちがそこに居た!(しかも変な決めポーズしながら・・・)
怪しいからやめてー^^;
街中でヘッドランプはめちゃくちゃ怪しいからやめてー^^;
---結局、富岡製糸場の周りをヘッドランプで照らしながら歩いた私達・・・^^;
絶対不審者に見られたのは間違いが無いと思いますです^^;
『こんなんじゃなくって、ちゃんとしっかり富岡製糸場を見物したいですよお・・・琴音っちい・・・^^;』と彼女に嘆いてみせると、
『うん。勿論いつかはここの煉瓦ちゃんにガチに会いに行くつもりだよ^^
出来れば観光ツアーとかじゃなく、
私達の“廃村サークル”活動として、館内の撮影や公開されていない場所なんかもちゃんと許可取ったりしてね☆
だからそれまでお預けのつもりっす☆』
・・・どーゆーこと?
本気取材をいつかするって意味なのかなあ???
まあでもちょっと楽しみかも^^
そこまで古煉瓦に興味が無い、サークルの一応・・・部長の私ですが、
世界文化遺産と彼女の本気。
いつか見てみたいかなあ~なんて思ってしまったです^^
(※ 物語の流れ上こう書きましたが、いつかしっかりと記事にしてみたいですね!ここは^^)
ーーーそう言えば帰りの電車の時刻をまったく気にせずに富岡製糸場まで来ちゃった私たち。
『上州富岡駅』まで帰ってくると、下りの下仁田行きの電車が止まっているのが見えた。
でも私達はその電車には用は無い。
私達は上りの『高崎駅行き』を待てば良いだけなので、
ゆっくりと券売機で切符買おうと財布からお金を取り出そうとしていたのです。
すると・・・
下りの列車に隠れて高崎駅行きの電車が居たみたい^^;
『プルルルルル・・・』と電車の出発の音が鳴る!
上り下りとも同時に来てたみたいだし、同時に出発のようだったです^^;
もう半分はこの電車に乗車するのはあきらめて、次の電車でも待とうと思ったのですが、
ここで改札に居た駅員さんが
『君達どこに行くの!』と聞いてきたので『高崎です・・・^^;』と、言った所
『切符なんていいから早く!』と、とにもかくにも早く乗りなさいと急かされた!
大慌てで乗り込む私達。
どうやら私達を見て少し出発を待ってくれたようです(なんか・・・すみません^^; 特に乗車されていたお客さん^^;)
切符の代わりに乗車証明の紙を急いで手渡された私達。
気づいたら券売機に入れようとしていた千円札をギュッと握り締めていたようでしわくちゃになってましたです^^;
ま、そんなこんなで無事に終点高崎駅に到着です。
『豊丸しかないっす!いざ豊丸☆』
琴音っちの意気込みに私も『おー!』と可愛く拳をあげるのです。
いざ豊丸さんへ!
もうお腹ぺこぺこですう^^
『すみません・・・ただいま満席でございまして^^; 御席が空くまでだいぶお時間かかると思います・・・^^;』
ガビーン・・・満席ですか^^;
ほんとはしばらく待つ手もあったのですが、なんせ半日ご飯食べてない。
『しょうがないっす。他の店に行こうか夕実っち^^; もう限界だよw』
---と言うことで駅前の『庄屋さん』に入ることにしましたです。
(もう食べれればどこでもいいやーw)
まずはビール! さんざん道中でお酒飲んでたにもかかわらず、
やっぱり一日の〆のビールと思うと美味しいですう^^
アボガドとトマトのサラダに~
お刺身は盛りに単品のカワハギを一緒に盛っていただきましたですう♪
お後はガッツリお肉ということで~、串焼き盛り合わせ☆
すきっ腹が随分と喜んでくれましたです^^
しばらく今日の収穫話に次回の煉瓦話、反省会などをして過ごしました^^
私達のサークル活動も、素人なりに段々ソレらしくなってきたかな。エヘへ☆
ここまで長々と中小坂鉄山編を読んでくださりありがとうございました^^
いかがだったでしょうかね?
話の進行がおせーっすよマジで^^; 半月かかってるよ!半月もw
う~ん・・・だってえ~、色々調べながら記事書いてるしな^^;
どこどこ行ってきました。写真貼りました。楽しかったですじゃ~意味無いと言うか自分が納得せんのですよw
記事が増長気味なのと、補足や補足の台詞回しが多いのは記事の都合上仕方が無いとご理解ください^^;
さて、次回の煉瓦ちゃんは?
また煉瓦なのかよ!たまには私も活躍したいんすけどw
作者の匙加減です☆趣味先行です♪
ま、次回も煉瓦なんだけど、
『一年間、この日が来るのを待っていた!』と言うくらい自分の中で待ち望んだ恋焦がれた煉瓦施設の物語です^^
この日しか見れない煉瓦ってことっすか???
ま、そんなとこだ^^
休みが都合上取れなかったので出勤前に取材してきた煉瓦ちゃん話し、ご期待ください☆
ではではまた近々^^
第731話 群馬・下仁田・中小坂鉄山編☆vol③『ふるさとセンターの粋な計らい?』 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『う・・・結構日が陰ってるっす^^;』
中小坂鉄山を登ってる頃からちょくちょく腕時計を気にしている琴音っちを見かけたんですが、
何か焦ってるようにも見えた。
この後の製鉄所跡巡り以外に何か予定があるのかな?
第731話、すたーとですう^^
地元のおじいちゃんが指差した方向へと路地をぐんぐん進む私達。
そこは石垣と鉄の手すりがあるどおって事無いただの小道。
やたら石垣ばかりですう~とは思いましたが琴音っちにそのことを言うことも無く進む。
そして、おじいちゃんが『あの紅葉の袂だよ^^』って言うもんだから、
上ばっかり見ていた私達は、いつのまにか道伝いに人様の庭先に迷い込んでいたです^^;
『あ、す、すみません^^;』と咄嗟のことで声にはしなかったのですが、
工場みたいな庭先にたまたま居らしゃった人に何度も頭を下げつつ退散。
ここからは一旦、国道へと下る道しかなかったので、国道を経由して、おじいちゃんの指摘した場所へと向いました^^
(※実はここでお話伺えばよかったと今では大後悔^^;)
先ほどのお家の裏手辺りにまたまた登る道があったので進むことに。
歴史に疎いワタシですが、それでもここら辺一帯は『お城でもあったんじゃないのかなあ?』と思わせるくらい立派な石垣さんがあったのです^^
『フゴオオオオオオオオオオ!』
石垣と先ほどの工場?の裏手を覗くと、時折すごい音をさせながら建物脇から白い湯気をもうもうと空に舞わせる。
『おじいちゃんが言ってた湯気の場所と紅葉の真下は~・・・どう考えてもココっすね^^』
そう言って琴音っちはパンフレットの地図を広げて指を這わせる。
ワタシも覗き込んで周りと確認してみる。
どうやらこの石垣が残るこの周囲一帯が『中小坂鉄山製鉄所跡』のようですう^^
彼女曰く『日本の近代的機械制製鉄所の原点』だそうです。
明治6年。近代的な洋式製鉄所としては日本として初の操業。
(※ 洋式と冠につける理由は、施設の機械・溶鉱炉の耐火煉瓦などをほとんど輸入に頼るものだったからです)
しかも民間資本。
その成果は順調に見えたのですが・・・
官営・民営を繰り返し紆余曲折。
明治41年に操業を停止することに。
大正7年には製鉄所の関連施設はほとんど撤去されてしまったそうです^^;
その後は手鉱石の採掘のみ継続。
とはいえそれも、安価で大量に得られる輸入の波に飲まれて行く事に・・・
今や製鉄所跡に残っているのは『トロッコの通った道』『高炉や工場の建っていた石垣跡』『焙焼炉に使用された煉瓦』だそうですう。
(※ 今回、焙焼炉の煉瓦跡は未発見^^;)
・・・あんまり琴音っちみたいに歴史とか深く気にしない私ですが、
日本の発展・近代化に少なからず貢献・寄与した場所なんだなあ~と、
残された石垣の上に工場や溶鉱炉が建っていたイメージを脳内で思い描いて耽ってましたです^^
さて!
『歴史もそうだけど煉瓦LOVE』の彼女がこのままで終るわけが無い^^;
ここからは琴音っちの『煉瓦。もしくは煉瓦片探し』に付き合うことになっちゃいました^^;
民家の庭先の煉瓦を見たり・・・
どぶや工場裏・・・
正直他人から見られると怪しい^^;
ま、結局そうそう彼女のお眼鏡に叶う煉瓦ちゃんなんて無いわけでしてーーー
最期に石垣周りを探そうってことになったのですう^^;
草ボーボーの石垣の上にレッツゴー!
・・・でもなんもないw
諦めない彼女は石垣の奥へと突き進む。
ワタシもちょっと(いやだいぶ)面倒くさがりつつ付き合った^^;
石垣の最奥は、蔦が絡む古びた金網で行き止まりだったのですがーーーーーーー
キウィが金網の向こうに生ってました
どうやらこの金網の先は、ここより先に住まわれてる方の庭先のようですう^^;
『キウィがこんな寒い時期に放置プレーなんてかわいそーというか育ってるのが不思議ですうw』と、思わずワタシはクスクス笑った。
だって南国のフルーツさんでしょ?キウイって。
ーーーそしたら琴音っちが
『キウィってニュージーとか南のイメージで騙されやすいけどお、
日本で栽培されるキウィの旬は秋冬なんだよマジで^^』って言ってビックリ!
マジカ!・・・ですう^^;
(元々は中国が発祥。南国イメージがあるけれど寒い時期にも強い^^
ちなみに世界で一番生産されてるのはイタリア☆)
まあ・・・結局、彼女の気になるような煉瓦は落ちてなかったようです。
あったのはキウィと石垣かなw
ちょっとガッカリしている彼女を慰めようと、彼女の肩をポンポンと叩こうと手を伸ばした時に、
彼女のズボンに変なのが付いてるのに気が付いた。
『ちょ!? 琴音っちい! 足にいっぱいいっぱい変なのが刺さってるですよっ!!!』
ワタシの指摘に『げっ!? いつの間に^^;』と、足に付いてるトゲトゲを手で払う彼女。
まあ・・・でもこれが中々取れない^^;
ワタシも一緒になって取ったんだけど、結構時間かかりましたです^^;
『センダングサ(の種子)』キク科の雑草さんだそうです^^
『ひっつき虫』とか『ばか草』とかよく言われてるやつですね^^
それほど私達は草木の間をいつのまにか駆けずったという証しなんでしょうね。
さて、中小坂鉄山&製鉄所跡付近を後にした私達。
タクシーで7~8分くらいの距離だったし歩いて帰っても、そう大した距離でもないと、
下仁田駅までの帰り道は徒歩にしました^^
その道中ーーー
『うおおおお!見えてきたっすよ、ふるさとセンターが♪』と彼女は高台の建物を指差す。
ここで急に小走りになる彼女^^;
どうやらあそこに行きたかったからチロチロ時計を気にしていたようです。
---現在時刻、午後4時半。
遠くの山に日は陰っていましたです。
ワタシは『ねえねえ琴音っち。ふるさとセンターには何があるの?』と、一応聞いてみた。
『煉瓦に決まってんじゃ~んw 中小坂鉄山で使われていた煉瓦が展示されてるってパンフに書いてあったからね☆』
予想通りの答えが返って来た。実に分かりやすいですう^^;
国道から小高い丘へとぐるりと続く道を駆け足で登る私達。
ハアハア・・・言いつつもふるさとセンターの前へと到着した。
『マジカ・・・まじか・・・分かってたっすよウン・・・。薄々は間に合わないんじゃないかってね^^;』
開館時間が午後4時という数字を見た琴音っちは、閉じられた故郷センターの扉の前で膝を着いて超がっかりポーズ^^;
気の毒には思うけどまあ仕方が無いですよね^^;
それでめげるかと思いきや、扉にべったり頬をつけて内部展示を見回す琴音っち(もう執念ですね^^;)
ここでワタシは玄関先にも展示物があることに気づいた。
『ねえねえ琴音っちい。この玄関のとこにある奴って、中小坂製鉄所の高炉の下にあった鉄の塊なんだって^^』と、
あいかわらず中を覗きこむ彼女の肩をツンツンして教えてあげるんだけど・・・
『鉄より煉瓦ちゃんじゃ!』とまるで興味ナッシング^^;
ちょっとあなた!中小坂製鉄所跡全否定じゃないですかそれ。
鉄あってこその耐火煉瓦ちゃんなのにい・・・^^;
諦めの悪い彼女にすっぽかされたワタシは、ここで玄関先の展示物にふと気づく。
あれ?ここにあるの煉瓦じゃないかな?と。
『ねえねえ琴音っちい~』
『今忙しいから後々!今室内のガラスケースの奥に四角い何かが見えそうで見えないんだから^^;』
『いや・・・煉瓦ここにあるよ?』
『そんな冗談言って気を引こうだなんて夕実っちも人が悪いね
って、おおい!マジかw』
振り向き様に漫画のように二度見して驚く彼女。
そして小さく拳を握り締めて『ッしゃ!オラー!』と天を突くガッツポーズw
そして恍惚の表情を浮かべつつ、大事にひとつづつひとつずつ手にとっていった・・・
『三菱・・・KAWARO??? うっは!こんなの初めて見た耐火煉瓦かもお☆』
『うっひょおおおおおおお!こっちは耐火煉瓦定番ブランドSINAGAWAじゃないっすか!
しかも煤けてバリバリ使われてましたよ感が素敵☆』
『ん?こっちは何だろ。あ、上敷免!これまた定番ブランド日本煉瓦工場㈱の古い赤煉瓦ちゃんじゃないかああああ!♪』
その後も彼女は、あー!とかうー!とか、ムムム・・・!とか言いながら満足げに観察するんです。
・・・正直ワタシ、ついてけなーいw
『それにしても良かったね琴音っち^^ まさか玄関先に煉瓦ちゃんがゴロゴロしてるだなんて^^』
『うん。めっちゃ感謝っすよおおお。・・・というか、むしろこの状態はまずいんじゃないかと思っちゃうくらいっすw
だって悪いマニアが居たら持ってっちゃうかもしんないよ?』
確かにそうかも(いや~・・・煉瓦マニアなんてそんなに居ないし、そこまでは思いませんがw)
『たぶん、ちゃんとした展示品の煉瓦ちゃんはふるさとセンター内にあるんだと思うっす^^
ここにあるのは説明版も無いし、恐らく半分“仮置き場”として置いてあるんじゃないっすかね^^』
興味がある人には宝の山。
興味が無い人には、ただ無造作に置かれたそんな存在(扱い)ってことなんでしょうね^^
いつまで経っても中々煉瓦から離れない彼女に『帰れなくなっちゃうよ?』と、なかば強引に襟首掴んでふるさとセンターを後にしましたです^^;
『ああ~ん・・・・私の煉瓦ちゃあーん・・・・・』と何度も振り返る彼女。
そこまでのめり込めるってのもある意味すごいなあなんて思ってもみましたけどね^^;
---さて、
なんだかんだで帰り道は徒歩なので結構時間がかかりましたです。
別段、今日帰れればいいかなあくらいの気持ちだったのでノンビリと琴音っちと歩きました^^
下仁田ネギの無人販売に『せっかくだしお土産に買ってくっすか?』『いやいや私達袋とか持ってないでしょ!^^;』とか、周りの景色・物・人・建物なんかをアレコレ言いながらのお散歩です^^
---下仁田の中心市街に近づいた頃
琴音っちが『お!もしかしたらあれって煉瓦じゃねマジで^^』と、農家さんの畑の元へと掛けて行った^^;
しょうがないのでワタシも付いていく・・・
そこには白っぽい煉瓦みたいなのが並んでいましたです。
どうやら道との区別の為に置かれたものですね。
そしてここで琴音っちはその煉瓦みたいなものを指差して私に説明する。
『夕実っちい。これも耐火煉瓦なんすよ~^^
まあ古煉瓦ちゃんじゃないけれどね☆』だって。
へえ~、そうなんだ。
そして彼女は続けて語り出す。
『ガーデニングとかで今でも赤煉瓦が使われたりするよね?
ホームセンターなんかでも割りと良く売ってたりするし^^
耐火煉瓦もまた、自作のピザ窯とか焼却炉を作っちゃうような人に重宝されて今も作られたりしてるんだよ^^
勿論、大きな工場でも使われてるけどね^^』
なるほど~。
ま、この農家さんの庭先にあるのは煉瓦の性能関係なく、たまたま丁度良かったから使われたってだけかもですよね^^;
(廃煉瓦を有効利用する方もまた居ると思います)
ワタシはここで、ふと思ったことを聞いてみた。
『いままで耐火煉瓦ってのを琴音っちに付き合って色々見てきたんだけど、
刻印ぽいの以外に、SK34とか35ってマークが付いてることがあるけど、この数字って何なのかな? 製品番号とか?^^』
このワタシの何気ない質問が彼女にとっては『よくぞ聞いてくれました』だったようで・・・
その後は嬉しそうに喋る喋るw
『うん。実はこのSK+数字ってのは、耐火煉瓦の耐火性の度合いを表した数字(番手)なんすよ^^
数字が大きくなればなるほど煉瓦の耐火性があがるってわけ。
つまりこの数字を目安に自分が使いたい煉瓦ちゃんの用途に合わせるわけっす^^
SK32なら1300度前後までとかそんな風にね☆
ちなみにこのSKって英語の綴り。
これは科学的陶芸技術の父と呼ばれるドイツ人のヘルマン・ゼーゲルさんが発案した
Seger・kegel(ゼーゲル・コーン)って言う、陶磁器などの焼成温度測定機器のその頭文字から採ったものなんだ^^』
なるほどさっぱりわからにゃいですう^^;
ううう・・・とりあえずゼーゲルコーンってやつの頭文字からとったってのだけはわかりましたですw
煉瓦ひとつとっても、突き詰めると色々あるんですね。
さて、ここからは普通に家に帰るのばかりだと思ったらそうじゃなかったです^^;
---つ・づ・く!
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
記事が長くなりすぎたのでここで一旦切らせていただきます。
次回こそ本当に中小坂鉄山編はファイナルですw
第730話 群馬・下仁田 中小坂鉄山編☆vol②『マジLOVE100%おじいちゃんのお蔭☆』トロッコ軌道&採掘坑目指して低山のぼり☆ [廃村さーくる(古煉瓦)]
『今日はそれなりの格好してくるっすよ?夕実っちい^^』
実は今回の旅路。琴音っちから注文があったのですう。
なんでも『滑りにくい靴』『長袖長ズボン(ズボンなんて今言わないよー琴音っち^^;)』『軍手か手袋』etc・・・と、
ハイキングよりは格好に気をつけてよねって。
えっと・・・いったいどこへ行こうとしてるの???
あ、そうか。
鉄山って言うくらいだから『山』かw
え?えええ~・・・^^; 私、山登りとか苦手なんですけどお^^;
そんなこんなでタクシーでワープして目的地の麓までやってきた私達。
角栄さんが17歳の時に働いてた鉱山ってどんなとこ?
第730話。すたーとですう~☆
---時間にしてタクシーで7~8分。
そんなに遠くじゃなかったですw
『これなら慌ててタクシー乗んなくても良かったね^^;』と琴音っち。
いやいやいや。歩いたら結構ここまであるでしょ琴音っち^^;
(ま、結果としてこの後タクシーで先を急いだのはまあ正解だったと後で知ることになります)
降り立ったところは国道254号線沿いの、こじんまりと民家が身を寄せている集落でしたです^^
目の前に擦れた案内板があったので琴音っちと共に覗き込んだ。
『あれ?琴音っちって“中小坂鉄山跡”って言ってなかったっけ?
でも小坂鉄山って書いてあるですよ???』
『明治以前は小坂鉄山とも言われてたらしいよ^^』
へえ~。
良く見ると『トロッコ道』とも書いてあるです。
と言うか、今日はどこまで行ってどこまで見るのかな???
ま、まさか・・・頂上まで登ったり!?
私は思わず山の上を見上げてみる。
標高は・・・見た目にそんなに高くないけれど、登るとなると結構ありそうですう・・・^^;
『さあ日があるうちに登ってこようよ夕実っち^^』
『う、うん・・・^^;』
あんまり気がのらないw
とはいえここまで来ちゃったからにはある程度行かないとね^^;
石垣の道を登ること30秒
今度はキレイな中小坂鉄山案内図が私達の目の前に現れたです。
『お、パンフがあるっすよ^^ いただいてこー☆』と、郵便ポストみたいなとこからパンフレットを取り出す琴音っち。
ん?良く見ると本当に郵便ポストですう。
ただし郵便マークにバッテンの線が引いてあるけれど^^;
案内図を見上げると『火薬庫』『本坑』『飯場跡』とか描き込まれてるです。
もっと先、頂上付近には『石宮?』とも。
まさか・・・そこまで登るのかなあ・・・。ちょっぴり不安。
階段とか舗装道があるならいいけどどうなんだろ・・・。
『本当に行って見たいのはこっちなんだけど、せっかくだし坑道とか見て来たいんだ^^』と琴音っちは、地図の端っこの方を指差した。
そこには『中小坂製鉄所跡』と書かれているです。
私的には山に登らないで、そっちだけのほうがいいんですけどっ!^^;
『レッツ!アイアンマウンテン!』と無理に英語に変換して山へと向う琴音っち^^;
私も『オー・・・イエイ・・・』と投げやりにお付き合い^^;
いざここから鉄山への道スタートですう。
歩き始めてすぐ、琴音っちがパンフレットを広げてウットリした表情を見せる(キモイ・・・)
私は怪訝な顔をしつつも覗き込む。
そこには『レンガいろいろ』と題して、4種類ほどの煉瓦の写真が掲載されていたですう。
覗きこんだ私に気づいたのか、その写真を指差しつつ今回の旅路と煉瓦。そして目的を嬉しそうに語り始める琴音っちでした。
『今回、何でここに来たかと言うとね夕実っち^^
先日お兄ちゃんと訪れた伊豆韮山の反射炉で“耐火煉瓦”の日本の歴史に触れたからってのもあるんすよ。
耐火煉瓦そのものが日本の煉瓦のハジマリだったのを知ったんだ^^
んでね?
幕末~明治期に日本に押し寄せる欧米列強の脅威に対して、
それに対抗する為に大砲とか武器を造るのが課題だったんすよ。
そのためには鉄を溶かす溶鉱炉を建設するのが非常に重要視されたの。
日本各地に炉(製鉄所・反射炉)が当時建設されたんだけどおー
その中のひとつが“中小坂鉄山・製鉄所”
ここでは勿論耐火煉瓦が炉に使われていたんす^^
明治7年(6年~8年とも)。洋式の機械式製鉄所としては日本初の操業を開始するんだけど、
この洋式ってのがポイントなんすよ^^
当時、日本の製鉄・高炉技術は未熟で外国からの鉱山技師招聘や資材輸入に頼ってたんだけどーーー
その中で耐火煉瓦も輸入されて使用されたんす^^
ここ中小坂鉄山には、
輸入の耐火古煉瓦・国産の耐火煉瓦が存在した面白い場所ってとこなんですぜ♪
だから私は見てみたい!と思った。
だから訪れてみたい!ってここを選んだんすよ~夕実っちゅわ~ん☆』
・・・なるほど。歴史はさっぱり意味不な私でしたが、
要するに彼女は煉瓦の歴史を見てみたい。触れてみたいってことなのかな?
そしてコホンと空の咳をひとつしつつ、視線はジャブジャブと遠くの方へと泳ぎつつ彼女は言った。
『もしかしたら~~~耐火煉瓦の破片でも拾えるんじゃないかと思ってね!てへへw』と。
・・・多分それが彼女の最大の目的なんだろなーと思いましたですw
まあいいですう。
付き合いますよ^^ あなたの趣味にw
彼女の本音がハッキリして、ちょっと楽になった気がした。
ここからが本当の入り口なのかな?
琴音っちのパンフを覗き込むと、その簡易な地図には小さな小川(鏑川)沿いに延々と鉄山への道が平行して続いていたですう。
橋の先には比較的広い道と、脇へと続く道が見える。
さっそく分岐道。
パンフの地図だとアバウト過ぎでどっちが正解の道なのかよくわからない。
『多分こっちじゃね?マジで^^』と琴音っちに付き合って脇道に行ったらお墓で行き止まりでしたです^^;
Uターンして広い道の方を登りだす私達。
こっちは広くてちょっと歩きやすいと思ったのですが、ですが!
ガレ場でなんだかとっても歩きにくいですう^^;
琴音っちは『イタタタタ・・・』と、不安定な足場に足首を少しひねって痛がってました(※ あしくじいたよマジで^^;)
歩き始めて7~8分くらいでしょうか。看板が見えてきました^^
ここの歴史を説明した看板ですね^^ その記述には、
『採掘坑が数十箇所残ってる』って書いてありましたです。
・・・と言いますかこの看板の裏が、さっそくそれだったようで、
『さっそく探検すっぞ!夕実っち☆』と、彼女はスタスタと向ってました^^;
でも中は真っ暗。
ジオサイトとしていくらか整備されたとはいえ・・・そこまで親切ではなさそうですねw
すると、琴音っちが『こんなこともあろうかと!』と、リュックの中から何かを取り出して決め顔で言った。
『じゃじゃ~ん。ヘッドランプ~♪』
うおっ!まぶしっ!^^;
でも用意がいいねえ~琴音っちはw
『ではさっそく行きやしょうぜ夕実っち殿☆』
『了解ウォッチ!』
『あ、いいねその返事。了解ウォッチっすか。今度私も使ってみるっす^^』
いいから早く行ってくれ。そして照らしてよ琴音ちゃんw
『えっと・・・帰ろうかw』
『そだね・・・^^;』
あんなに入り口真っ暗闇だったからてっきり奥のほうまでいけるのかと思ったら照らした目の前が立ち入り禁止^^;
まあでもいいです。だって怖いじゃないですかあー
石が落っこちてきたり・・・虫がいそうだしね^^;
私達はまだまだ先へと行くことに。緩やかな登りだし、ほんとにハイキングとかわらないです^^
先ほどの坑道跡から数分歩いた所で開けた場所に出ました。
琴音ちゃんの地図を見る限りじゃ『飯場跡』なのかな?
そこから先には地図上には『二つの登り道』が書いてあるんだけど・・・
『あれ?ねえねえ夕実っち、この先道らしい道無いよ?^^;』だって。
一応、藪道っぽいのが薄っすらと・・・2つ見えるような見えないような感じですが、結構厳しそう^^;
すると開けた場所のちょっと手前に道がありました。
地図だと川を渡らずに平行して道が続いてるはずなのに、
川を渡して向こう側に
ご丁寧に『山頂・火薬庫はコチラ』って看板がありましたw
『パンフの地図おかしくねマジでw でもちゃんと道も案内もあるから間違いなさそうっす^^ っつーことで行くよ夕実っち☆』
『了解ウォッチですう^^;』
『あ、それいいね。了解ウ・・・』
もういいから先に進め!w
---私達は早速ここから登ることにしましたです^^;
先ほどのガレ道よりは勾配があったけれど、むしろ石がゴロゴロしてなくって登りやすいです^^
琴音っちがチラチラ時計を気にしていたのが気になったけれど、これくらいなら私も大丈夫そう♪
うんしょうんしょと上を目指しましたです^^
先ほどの飯場跡?が見えなくなった頃ーーー
目の前に再び採掘坑がお目見えです。
でも、やっぱりここも立ち入り禁止(安堵☆)
その近くにももう1個。当然コチラも立ち入り禁止(再び安堵☆)
『なんだよもー。チェッ!』とか琴音っちは言うけれど、いいじゃ~ないの~↑
さてここから頂上の『石宮』を目指します(私は帰りたい)
ここからは先ほどまでと変わって、結構な急勾配になってきましたです^^;
時折、倒木が邪魔をしたり・・・
やっぱり中を見れない採掘坑跡があったり~・・・
枯れ葉がとにかく足元を滑らしたり・・・
また倒木で邪魔されたり~(もういいよっw)
倒木~立ち入り禁止の無限ループですう^^;
がっかり。期待。がっかり・・・の繰り返しで食傷気味だった私達の前に、ちょっとした変化が訪れたです。
看板です☆
たかが看板と思うでしょうけれど、やっぱり山間では、人の手がここにもあると言うのを実感してちょっとホッとしますです^^
自然の中の人工物に安堵してしまうマジック(不思議)なんでしょうか。
『露頭』 鉱脈が山肌にむき出しになったところでしょうか。
と言う事は、ここは鉄山だし鉄の鉱脈なんですかね^^
琴音っちは露頭の黒い部分を見て
『これが磁鉄鋼とか鉄鉱石なんかなあ~へえ~^^』と関心してるです。
私には黒かびにしか見えないけどね!
『試しにこの露頭を伝って歩いてみようよ^^』と言う琴音っちに付き合ってついて行ったら
立ち入り禁止じゃない採掘坑跡がありましたw
・・・とは言っても危険なので入り口付近のみですう^^;
その上から先にもいくつか発見。
どうやらここから上の採掘坑跡は、管理されてる方がめんどくさがったんでしょうか?
結構中を見れるとこばかりなようです^^;
琴音っち大歓喜!と言ったところなんでしょうが、
ココから先が大変だったのですう・・・
なんせ道が分からないのですう^^;
先ほどまでのかろうじて道らしき道はもう無い。
『道っぽいかな?』と木々を抜けようとしてもーーー
途中で『夕実っち多分これじゃないっす^^;』と逆戻り。
『こっちじゃないかな?かな?』と、道っぽいとこを発見して琴音っちと共に行ってみるんだけど、
山から突き出た小さな尾根みたいなとこで、土壇場瀬戸際崖っぷちの行き止まり^^;
それでもーーー
探すーーー
探す、私達。
採掘坑跡はこの際もうどうでもよくなってましたですw
だって『頂上はコチラ』って看板があったのに、道が無くって目指せないのは何だかとても悔しいじゃないですか^^;
あんまり乗り気じゃなかった私でしたが、いつの間にか頑張って探しましたですよ^^
最期に無理して岩場を伝って登ってみたのですが、目の前の勾配に途方に暮れる私達女子2人。
ここで琴音っちがパンフの地図を広げて改めて確認。
私も覗き込んだのですがもうさっぱりどこだかワカリマセンw
『もう限界かな^^; 時間も時間だし、諦めて戻ろうね夕実っち^^;』と、腕時計を気にしつつ彼女は言った。
『うん。そだね^^;』
なんせ日が暮れるのも早い時期ですう。
たいした山でなくとも、暗がりの山道ともなれば別物です^^;
---私達は中小坂鉄山を下山することにしました。
ゆっくりと飯場跡あたりに到着。そこからは先ほどまでの山道より大した事無いので一安心。
すると琴音っちがリュックをゴニョゴニョして私のホッペに『はい!これ☆』と突き出した。
さ・け・か・!あんたここでも酒か!
勿論冷やされてもいないので、私の頬に当たるその温度は冷たくも何とも無い^^;
でも『ど、どうもですう^^;』と言って、プシュッとプルタブ空けて飲み込んだそのお酒はおいしかったなあ~ですう♪
(別に夕実ちゃんは酒が嫌いじゃない☆ 常識と世間体を気にする普通の女子です☆)
さて、再び中小坂の案内図の場所まで戻ってきた私達。
琴音っちがパンフレットをゲットした先ほどの案内板ですう。
私達はその地図を見ながら辿り着けなかった『頂上』『石宮』を改めておさらいしていた。
『もしかしたらコッチだったのかな・・・』『藪道のほうに行けば良かったのかな?』なんてね^^;
---すると
『ん~あんたたち、上まで行ってきたんかね^^』と後ろから声を掛けられたんです。
見れば一輪車にネギをどっさり積み込んだおじいちゃんだったですう。
『ええ。残念ながら石宮までは行けなかったんすよ^^; 道に迷ったっぽくてw』と、
琴音っちが友達と話すように返す(むしろおじいちゃんに失礼な気がするくらい^^;)
『ああそうかそうか。残念だったねえ~^^』
おじいちゃんは琴音っちのずけずけしい口調も気にせずやんわりやさしく答えてくれた。
そこからはおじいちゃんと、中小坂鉄山についてお話し合いの時を持ったのですう^^
地元のおじいちゃんだけあって沢山知ってますです☆
実に嬉しいし、ありがたい出会いでした。
(※ 実はこの中小坂鉄山へ来る前に、ネット検索で色々と調べていたわけですが、
そこに出てくる訪問記的ブログや旅行記には、
地元の人はとても親切って感想を多く見受けてたんですよ。
そんなんたまたまだよ!とか思ってたら
ほんとに親切心に溢れた方でした^^)
『じゃあ頑張りなさいな^^』と話し終えて再び一輪車をゆっくりと押し歩くおじいちゃんに
『ありがとうございました☆』と返す私達。
『お礼にネギ買い取れば良かったかなw』とか言う琴音っちには、軽~く水平チョップをお見舞いした。
さてそのおじいちゃんとのお話の中で気になる話を聴くことに。
『そう言えばおじいちゃん。この案内板脇の階段の向こうには“お墓がある”って言ってたっすよね』
『うん。言ってたね^^ 』
『しかも“そのお墓の先に山へ向う道がある”って言ってたっすよね?マジで^^』
『うんそうとも言ってたけどそれが何か?琴音っちい^^?』
『それってもしかしたら・・・トロッコの軌道じゃね?』
琴音っちに言われて、案内板をもう一度確認する私。
ん~・・・確かに位置的にはトロッコの道に突き当たりそうだけど・・・どうなのかな?
琴音っちは、チラッと腕時計を見て『うん』と何故か自分を納得させるようなそぶりをしてから、
『もうここまで来たら見てみようよトロッコの跡! レッツビギン!レッツお墓のその先の未来へ☆』と
わけわからん掛け声と共にお墓への道を目指す^^;
ここに残るわけにも行かず、結局私は後を追うことに^^;
もうどーにでもなーれ☆
階段を登るとそこはおじいちゃんが言ってたように『お墓』でしたです。
『こっちかな?』とお墓の先を目指す琴音っちに着いていく私。
林道・・・と呼べるかどうか?ってところを抜けた時、
少しの変化が訪れたです。
そこはーーー
見た目に不自然な切り通し。
自然の造形でわざわざぽっかりこんなにキレイに山肌が切れてるのはおかしいと、知識の無い私でも気づいたです。
『ヤバイ。マジこれトロッコ軌道じゃねw』と喜ぶ琴音っち。
意気揚々とその道を進んでみるけど藪に急に閉ざされて、
『あれ?やっぱ違うんかな・・・』としょげる彼女^^;
でも彼女は諦めない。
『逆方向へ歩いてみようっす。それで痕跡も無ければさっさと帰るのみ!』
トロッコ軌道とやらに正直そこまで興味は無いのですがあ、
彼女の情熱は無碍にもしたくないので『了解♪』と答えて一緒に目指しましたですう^^
すると、
進むに連れて(方角的には先ほど登った鉄山の方角。藪に閉ざされ、根こそぎ地面から崩れていたのは製鉄所跡方面)
みるみるうちにーーー
その道が山肌を縫う、かつてここにレールがあってもおかしくない道だったんじゃないかと思える場所だったのです^^
『登山道でも無いし、私達が登った正規のルートがあるのにわざわざこんな道があるのもちょっと疑わしいし怪しいよね。
どう考えても製鉄所跡と鉄山を結ぶ道だよマジで^^』
琴音っちは、してやったり!のしたり顔。
私はここでもう一度言った。
『じゃあ、おじいちゃんに感謝ですよね^^』と。
『うん。じいちゃんにマジ感謝だよおお~ん^^』
だいぶ満足げの彼女と共に再び案内板前に戻る。
そこから製鉄所跡へと歩き出してすぐ、
また先ほどのおじいちゃんにばったり会った☆
どうやらおじいちゃんの畑は案内板の直ぐそこだったみたいw
『お墓の先まで行ってきたんか^^ ああそうだねあそこの道は昔、トロッコが走ってたんだよ^^』
おじいちゃんが答えあわせをしてくれたですう^^
(最初に会った時にお墓の先の道がトロッコ軌道だということを何で聞かなかったのか?とか聞かないでくださいw
そん時は気づかなかったんです。
おじいちゃんを見送った後に、あれ?って気づいたことなので^^)
『この後はどうするんだね?』と聞いてきたおじいちゃんに、
『はい!この後は製鉄所跡へと行きたいと思ってます^^』と、
さっきとうって変わっておじいちゃんを尊敬の眼差しで見つめつつ答える琴音っちがそこに居た^^;
『だったらアソコだよ^^』とおじいちゃんが遠くを指差した。
私達はその指し示す方向へ顔を向ける。
『あそこに湯気(蒸気)が立ってる建物があるだろ^^
その向こう側の紅葉した木々の下辺りが中小坂鉄山製鉄所の跡だよ^^』と教えてくれたのですう^^
(写真的に湯気は立ってないですが。時折、蒸気を上げる場所だったのです^^)
私達は再び三度、いやもっと。
ぺこぺことお辞儀をしておじいちゃんに感謝をして、その紅葉の元へと歩き出したのですうーーー
次回へ続くですう^^
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
次回は中小坂鉄山編☆ファイナル。
洒落た?煉瓦のお出迎えと、ありえない世界文化遺産との出会いのお話ですw
ではではまた今度お会いいたしましょうず^^
このまま記事アップしたまま寝ますので、皆のとこにお返事すんのは日曜の夜以降っす(毎度毎度^^;
というか、
スペシャルサンクスです。
ありがとう!地元のおじいちゃん^^
第729話 群馬県・下仁田 中小坂鉄山編☆vol①『日本の総理大臣が働いていた鉱山へ!』 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『この前お兄ちゃんと、あんな事こんな事をね~ウヒヒ♪』
・・・実に彼女が羨ましい^^;
いや。もしかしたら妬ましい。・・・のかな?私。
いつも菅原先輩と一緒に遊んでる彼女。
彼女は私の大好きな菅原先輩の『妹』だ。
私よりも断然、先輩と時を過ごし、また先輩の色はを知っている。
『お兄ちゃんが持ってるエッチなDVDは机の引き出しの奥』だとか・・・
『中学生の時、社会科の地図帳にこっそりエッチなDVD挟んでたんだよ?お母さんにここなら見つからないだろうって!』とか・・・
まあそんなどうでもいい菅原先輩の裏話は、いいんだけど、
とにかくたまに羨ましいと思うんですう・・・。
だって好きな先輩のこと何でも知ってるんだもの。
かといって琴音っちの『妹ポジション(妹的立場)』に憧れるばっかりじゃいけませぬう^^;
やっぱり男女として対等の愛が・・・欲しいです(言ってて恥ずかしいし、作者も書いてて恥ずかしいなこの台詞w)
---さて、
琴音っちと草加駅前の中華の居酒屋でプチ飲み会をした時に~
『伊豆には日本の煉瓦のルーツがあったっすよ^^
---でね?
そこを調べるうちに“ある鉱山跡”が気になったんだけど、夕実っち一緒に行ってくんない?マジでさ^^』と、
琴音っちに誘われたんですう。
っと、言うことで、
第729話。夕実と琴音っちの煉瓦探訪のプチ旅行。
すたーとですう☆
私達が乗ろうとしている電車をホームで待っているとこに、
『修学旅行』という表示がされた列車が滑り込んできた。
中ではワイワイはしゃいでる小学生の子供達。
あっかんべー!って窓越しにやってる(どう見ても私に^^;)悪がきさんグループにはちょっとばかしカチンとはきたけれど、
修学旅行。ましてやこんな大層な占有列車での道程ですう。
そんな修学旅行羨ましいなあ~♪と、
その列車が走り出す時は誰にでもなく手を振って見送っていましたです^^
(ホームに居るおじいちゃんおばあちゃんとかサラリーマンさんとか結構手を振ってたよ^^)
今現在10時半過ぎの、埼玉県大宮駅のホームに居る私達。
どうやら琴音っちの話しっぷりだと、ここから高崎駅へと出向き、
そこから電車を乗り継いで群馬県の山奥へと向うらしい。
なんでもそこには彼女が言う『日本の古煉瓦のルーツの痕跡』があるかもしれないとのこと。
私達は修学旅行の臨時列車の後にホームにやってきた電車へと乗り込んだのですう~^^
乗り込んだ車輌はなんとグリーン車!
なんでも琴音っちの話しだとーーー
『お兄ちゃんのSuica(JR系電子マネーカード)のご利用ポイントが貯まったから、それをJR線全線で使えるグリーン車券とポイント交換して来たから!』とからしい・・・。
えっと・・・先輩のカードのポイントを奪ってきたってこと?かなあー^^;
『ダイジョブダイジョブ♪ 兄貴のポイントは私のもの^^ 私のものは絶対私のもの☆
それが妹特典ですw』と、
彼女はほざいたのですう^^;
・・・私が先輩の妹ならそんなこと絶対しないのになあ・・・^^;
もし仮に私と先輩がけ、け、け、結婚とかしたら、
琴音っちは最凶の小姑になりそうで怖いですぅ^^;
“小姑一人は鬼千匹”って言われるのも納得ですう・・・。
知り合いだからこそ、裏返ったら絶対こわいー^^;
席に着いたらまあいつもの奴です☆
なんせ休日ですしね^^
途中、煉瓦の都『深谷市』を通り過ぎ(深谷市の駅舎)
無事に高崎に到着ですぅ^^
もう御馴染みです。廃墟に煉瓦。
私達『廃村サークル』にとって、一番利用したターミナル駅じゃないでしょうか^^
さてここでどの路線に乗るのかですう。
高崎駅からはローカル線が何本も出ています。
って言うか、毎度の事ながら詳しい行き先は教えてくれないこの兄妹たち^^;
もったいぶって焦らすのがこの人たちのいやらしいとこですよね^^;
『今日は上信電鉄に乗るっすよ^^』と琴音っち。
私は初かな?この路線。
私達は一旦JRの改札を出て、上信電鉄の乗り場へと向いましたです^^
『次の電車が出るまで30分はあるよ・・・^^;』と、現代っ子には非常に読みづらい漢数字の時刻表を眺めつつ嘆く琴音っち。
私達は駅の近くのコンビニでお買い物したりして時間つぶしをすることにしましたですう^^
『群馬限定・ぐんまちゃん(ゆるキャラ今年の第1位)の年賀葉書きが売ってるですよ!』と、手を伸ばしたのですが、
あえなく琴音っちに却下されたですう^^;
---さて、
時間も頃合。私達は乗り場へと向いました^^
『富岡製糸場??? あ、この路線って世界遺産登録された富岡製糸場を通る路線だったですか!』と驚くと(私はあんまり路線に詳しくない^^;)
『そうだよ~☆ でも行かないよ♪』だって^^;
えええ!?
だってだって、琴音っちの大好きな煉瓦がふんだんに使われてる歴史遺産でしょ!?
なんでよ???
彼女曰く『メジャーになると興味が無くなる法則』とかだそうです^^;
なにそれ。
インディーズバンドのファンだったのに、そのバンドが売れっ子になってファンだったのに熱が冷めてしまうみたいな法則は^^;
駅のホームから駅近の居酒屋さんが見えた。
すると琴音っちがその屋号を見てか
『豊丸!? これはお兄ちゃんに報告せねば!』と、豊丸!豊丸!と嬉しそうに連呼する。
???・・・はい?
・・・あとで彼女に聞いた話では・・・伝説のえっちなビデオの女優さんの名前と一緒だとか・・・OTL
そんなもん先輩に報告せんでいいわぼけー^^;
まあでも、帰りにここで食事して行こうとも誘われた。
なんでも浜焼きの居酒屋さんらしいですう^^
あんまりそういうお店に行ったこと無い私だったので、名前はともかく、この旅路の楽しみとなりましたですう☆
駅舎はローテクなのにい、券売機はタッチパネルのハイテク。
思わず注視してみるんだけどーーー
『南蛇井(なんじゃい)?』
凄い駅名ですね^^;
富岡製糸場までの往復だけ割引乗車券ですかあ^^;
ううう・・・IC(電子)カード乗車券使えないのですね^^; チャージ多目にしてきて失敗だったかもですう^^;
いつもニコニコ現金払いの路線なのですね。
琴音っちが『終点の下仁田に行くんだよ^^』っと、指ぬき手袋の人差し指でパネルを指し示す。
私もお金を入れて『下仁田、えいッ!』っと触れて切符を購入ですぅ^^
そうか。今日は下仁田に行くのですね^^
と言う事はネギ?こんにゃく?
いやいや煉瓦探索の旅ですよねw
なら、下仁田に煉瓦があるという事ですか^^
ホームには『祝・世界遺産登録!』と富岡製糸場の世界遺産登録を祝うワンマン線。
駅員さんのぐんまちゃんが可愛らしいですう☆
さてさっそく乗り込むと思いきや、琴音っちはホームの端っこまでスタスタと歩いていく。
彼女についていった私の前にはーーー
なんか色々な電車さんが止まっていたですう。
彼女曰く『ここは押さえるポイントっす』とのこと。
正直彼女が何を言ってるのか意味不明^^;
まあでも、色々な電車を見れるとこなのかな?
いよいよ電車は走り出す!
ガタンゴトン・・・
ガタンゴトン・・・
バスと電車の相の子みたいな車輌の揺れが面白い^^
遊園地のミニ鉄道みたいですう^^
『ああ・・・世界遺産があ・・・』
ほんとにほんとにここには寄らないんだね、琴音っち^^;
他の駅とはうって変わって小奇麗なホームの『上州富岡駅』を華麗にスルーした私達。
ここで琴音っちがリュックからガサゴソと何かを座席に広げた
『そろそろお昼にしようね夕実っちい☆ ほらさっきのコンビニでオニギリ買って来たヨン♪』と、
ドリンクとおにぎりをすすめて来たのですう。
・・・そういえばお酒は飲んだけど、今日はスナック菓子くらいしか食べてないですう・・・。
せっかくなのでイタダキマス♪
おにぎりだけかと思ったら、おかずも入ってるんですね。
二回くらい訪れた横川(碓氷眼鏡橋)の名物の釜飯。
何の因果か釜飯を食べることは一度も叶ってない私でしたが、
その横川名物の釜飯と言ったら『おぎのや』さんですう^^
おぎのやさんプロデュースの炊き込みおにぎりなんてあったのですね☆
なかなかうまうま^^
でもいつかおにぎりじゃなく本物の釜飯食べたいなあ~と改めて思いましたですぅ。
(※ ボクは何度も食ってますよ。あしからずw 作中の彼女は食べてない設定ですん)
ガタンゴトン・・・
ガタンゴトン・・・
枕木やレールのつなぎ目を打つ音が実に心地よくって2人とも目がトロ~ン♪
まるでマジックの五円玉を紐で吊るして横にゆら~りゆらりと目の前で揺らす催眠のよう。
そんな時、鼻ちょうちんが漫画のようにパン!と割れたくらいの勢いで目を覚ました彼女がスクっと立ち上がった。
廃村サークル備品のカメラを構えてホームドアで野獣のように身構える。
『1カメ!』
『2カメ!』
『そして3カメッ!』
南蛇井駅の写真を撮り終えた琴音っちは、ふいい~とおっさん(おじさん)のように一息つきつつ、
まるでいい仕事したな私みたいな感じで、汗も出てないのに額を拭う仕草をした・・・^^;
どうやら彼女的にはこの南蛇井駅は聖地だったようです。
私にはさっぱりです^^;
車窓から覗き込む景色に飽きた頃(飽きたのかよw)
ふと、車内の広告に目が行った私達。
そこにはーーー
『税に関する中学生・高校生の作文』という国税庁と全国納税貯蓄連合会の共催の入賞者さんの作文が掲載されていたですう。
思わず読みふけってしまいました。
むしろ、私達女子大生は税金に対して日々能天気に過ごしてるんじゃないかと読んでて思ってしまったですう・・・^^;
これは政府寄りだとか財界寄りで偏ってるとかそう言うふうに捉えないで、純粋に学生なりの彼彼女ら視点ってことで見てもらいたいなんて思ってしまいました。
また、勉強にもなりました^^
上州富岡駅を過ぎた辺りから車内は閑散とする。
今わたし達以外に車内に居るのは、リュック背負って目の前の外の景色を見て『うはー!めっちゃすげー!』って妙に感動してるオジサンくらい。
とはいえ、
オジサンがおおはしゃぎしてるから妙に引いてしまっただけで、
その車窓から見える景色は山間の奥へ奥へ行くほど素敵な光景だったのは間違いが無いと思ったわたし達でした☆
(※ このオジサン誰だろうね・・・)
さて到着です^^
上州鉄道終点駅『下仁田』
私は菅原先輩や琴音っちに連れられて、私ってばけっこー色々ローカルな駅に出向いている!って思ってたけれど、
この駅は違った。
ここはホーム内に洗濯物が干してあったりとか自転車とかバイクとか止まってたりとか、
実に生活臭のある駅舎でしたですw
まだまだ知らない日本があること。
まだまだ不思議がたくさんある日本。
改めて思いましたですぅ。
駅舎ひとつとっても面白いもんですね☆
下仁田駅前にやってきました^^
ここで琴音っちは駅前の観光案内版へと向う。
私もそれにいそいそと続きます。
ここで簡易地図を指差して、彼女がようやく今回の旅の目的地を教えてくれた。
『中小坂鉄山跡』
・・・跡?
ってことは、廃鉄山。つまりは廃鉱山とかそーいうの?
それが煉瓦に繋がるの?
まあここまで焦らされたら彼女のたくらみに乗ってみるのもいいかもしんない^^
知って望むより、知らないで感動してみたい☆
ここから堂々と先頭を歩いてエスコートする琴音っちに着いて行く^^
駅前のスーパー?には、ちょこっと枯れた下仁田ネギが鎮座してましたですう。
琴音っちの背中を追うように下仁田駅界隈を進む私。
そこには『下仁田かつ丼の会』なるノボリが所々に見受けられたのですう。
かつ丼美味しそうだなあ~と思いました。ええ。
でも先ほど上信鉄道内で食べたおにぎりのおかげでそこまでお腹減ってるわけじゃなかったんですよ。
ーーーでもですね?
『おにぎり二個くらいじゃこの後ヤバイよ?』と彼女が脅すのです。何かあるのを匂わすのですよプンプンと台詞で^^;
ということで、駅近くのお店で遅めのガッツリランチをとろうと言うことになりました^^
彼女のニュアンス的に、ここでたらふくカロリーとっとかないとヤバイぞってことみたいですね^^;
やっぱかつ丼のネギは下仁田ネギなのかなあ~♪
ネギ大好きなので、ちょっと心躍ります☆
そしてガララーーーッ!っとわたし達は入店したのですーーー
そしたら・・・満席でしたですう^^;
正直、町中を歩いていて観光客らしい人もほとんど見受けなかったしいー
絶対閑古鳥で、むしろ誰も他にお客さん居なさそうなお店なんじゃないかなちょっとドキドキ☆とか思ってたのに、
全然そんなことなかった^^;
ワイワイガヤガヤ繁盛店でしたですう^^;
琴音っちがお店のお母さんに尋ねた所、
『ごめんなさい^^; お料理頼まれても20分か30分かかっちゃうかも^^; ほんとごめんなさい^^;』と言われてましたです。
そこまで時間かかるなら・・・と、わたし達は諦めました。
お店を出てちょっと軒先を見て気づきました。
どうやら、バイカーさんたち御用達のお店だったようですね^^;
遅めのランチはとりあえず諦めて、
その後は琴音っちの歩く後を着いて行くことに。
ここになんども来てるんじゃないかと思うくらいに彼女は路地に突入する。
その景色はちょっと廃なかんじ。
路地に行き止まったと思えば道を変え、どんどん突き進む琴音っち。
着いた先は下仁田の南牧川。
川べりまで降りてみた私達。
なんてことない。でもとてもキレイな風景でした^^
---ここで私は彼女になんとなく聞いたんですよ。
『ねえねえ琴音っちい^^ その・・・中小坂鉄山ってとこに今向ってるんだよね?』って。
すると、
『道間違っちゃってるっぽいw』と告白。
いや告白しやがりましたです^^;
あんたてきとーに歩いてたのかよ!
(※ 実は、去年ここに訪れた時のうる覚えの土地勘でコッチだ!って進んでいたんですが、とんだ勘違いでした^^; 全くの逆方向に進んでいた)
結局慌ててスタート地点の駅前に逆戻り^^;
どうやら駅からの南側の道を進んでたのですが、
本当は駅の北側から長野県を目指す道に進まねばならなかったようですぅ^^;
最初から間違ってたようですね^^;
ここで琴音っちからの提案。
ほんとゴメンネ^^;って感じの顔で言って来た。
『時間も無いし(私のせいで)
奢るからワープするっすよ!』と。
・・・ワープ?
つまりーーー目的地まで飛ぶ?ってこと???
そう言って彼女が指差したのは駅前の『ハイヤー』でしたです^^;
要するにタクシーでショートカットってことですねw
奢りだから堂々と乗り込みましたよ☆
少し悔しそうな顔をする琴音っちには悪いんですけどお、ちょっと優越感&リッチ気分w
『スイマセン^^ 中小坂鉄山までお願いしますっす』と、運転手さんに声を掛ける琴音っち。
『お、中小坂鉄山ですか。インターネットか何かでお調べで?』と運転手さん。
『まあそんなとこなんです^^ この中小坂鉄山にロマンを求めて☆』と恥ずかしげも無く返す彼女が痛いというか横にいるだけで私がめっちゃはずかしいんですけど^^;
タクシーに揺られる私達。
その中で運転手さんが色々と中小坂鉄山にまつわるお話をしてくれたです。
『君達若いから分からないかな。昔ね? 日本の首相で“田中角栄さん”って方が居たんだけどーーー』と。
田中角栄首相くらい知ってますですよ^^;
教科書に載ってたもん!
更にタクシーの運転手のおじさんは続ける。
『田中角栄さんが17歳の時に出稼ぎに働きに来ていたのがここ、
中小坂鉄山なんだよお~^^』だって。
・・・ええ!?
日本の歴代の総理大臣が働いていた鉄山ってどんなとこなのお!!??
そこに煉瓦???
---------次回に続きますです☆
ここまでよんでくださりありがとうございました^^
第728話 埼玉県・杉戸町編☆『不法投棄のゴミと緑の悲しいトンネル』中川河川敷の廃煉瓦&世界で一番有名な煉瓦への序章 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『ねえ聞いてる?ねえねえ!ヒック!』
ああ嫌だな絡み酒っすか^^;
とは言えその相手はいつもの彼女と違かったのだ。
普段は酔っても決してこんなことにはならない。
ーーーむしろ初めて彼女の酒の勢いの悪態を見た。
その相手とは『夕実っち』だった。
関東をほんの少しだけかすった台風の影響か、すこぶる冬に近づいたある晩秋の日、
彼女は『寒いし、おでんパーティーでもしようですう~♪』と、私(琴音)のアパートに連絡もせずに押しかけてきた。
手には近所のコンビニのおでんコーナーで見繕ってきたんだろう自前の手鍋を抱えて^^;
(彼女は基本、料理べた)
なんでいつにも増してこんな強引な彼女?と思ったのだが、
夕実っちの“本題”はこういうことだった。
『菅原先輩・・・、今年で卒業です・・・。だから学生生活最期に廃村サークルのみんなで泊りがけの旅行して思い出作りたい!』
・・・だって。
その画策の相談だったのだ^^;
そりゃ~幼馴染の恋心の応援団長の私ですもの、無下にはできませんぜその訴え^^
ましてや彼女が好きなのは私の兄ちゃんだしな^^;
ということで、おでん食べつつ、お酒も嗜みつつ(結構呑みつつ)
日にちはいつがいいか?旅先はどこがいいか?首塚先輩も誘うのか?なんてな話で盛り上がったのです^^
その彼女の真剣さが結果として絡み酒となった。
まあそういうことですかね。
酔っていても『この旅行計画だけは妥協しない!』という彼女の信念なんじゃないかと優しく解釈した私。
結局夜明けまでグダグダと話すことにはなるのだが・・・
酔って忘れてしまわないようにとメモ帳にぐじゃぐじゃとペンを執っていたようっす。
いつのまにか朝日を迎えてむくりと起き出した私は、グースカピーと寝息を立てている夕実っちの手に握られていたメモ書きを手に取った。
そこにはーーー
『世界で一番有名な煉瓦』『お正月』『皆で海が見たい!』って書かれてたっす。
えっと・・・結局どこに決まったんだっけ?
肝心の目的地のところはボールペンでぐじゅぐじゅに塗りつぶされていた。
まあいいや。とりあえず彼女の黒子となってサポートして成功させよう^^
何しろ『世界で一番有名な煉瓦』を見てみたいしね^^
第728話。酔っ払いの夕実っちとのご近所煉瓦のお散歩旅の物語のはじまりです^^
『動物公園ですか!遊園地ですか!わきゃー・・・ヒック! ううー!遊園地行きたい行きたい行きたいですうー!』
ああもうやかましい^^;
今日のお散歩の目的地の最寄の駅『東武動物公園』に降り立った私達。
夕実っちはまだまだ酔いがバリバリ残っているようで、子供のように動物公園の看板に反応^^;
今日は動物園も遊園地も行かないから!^^;
大学の講義も無いし今日はのんびりご近所の煉瓦散策するぞ!と、彼女の旅行計画の相談の見返りとして付き合ってもらったお散歩だったんす。
何しろ一応は廃村サークル(古煉瓦)だしね☆
サークル活動らしいことしとかないとw
ーーーさて、
私達の目指すものは東武動物公園駅の東口の遥か先にあります。
その場所は埼玉県北葛飾郡『杉戸町(すぎとまち)』
そこに徒歩で行って帰ってののんびりお散歩っす。
ちなみに西口の先が東武動物公園。
『ああ~ん・・・・ジェットコースター・・・レッジーナー・・・・木製コースター・・・』と嘆く夕実っちを強引に引っ張り出して、私達は歩き出した。
繁華街を歩いている最中、ふわふわふわ~んと美味しい匂いが漂ってきた。
私と夕実っちは犬のようにクンクン鼻を鳴らして匂いの出元をぐるりと見回す。
どうやらこのトタンの壁の建物がパン工場だったみたい^^
創業が大正10年の林家製菓さん。
地元じゃ知らない人は居ないお店だそうっす^^
てっきり甘いパンの匂いしたからパン工場だと思ったんすけど、
主に煎餅を手がけるお店でした。
揚げ煎餅にはチリソース味とかグリンピース味なんかもあるそうですよ~w(こうじょうと言うより、こうばって感じ?)
『美味しそうだけど別にいいです。だって地元の草加市も煎餅の街ですう!』と夕実っち。
・・・酒が残ってるのか普段より彼女は辛口っす^^;
さてズンズンと進みます。
繁華街を抜けるともうその先は田んぼ田んぼです。
地平線が見えちゃうっす^^;
『ウヒヒアハハ・・・ちょうちょさんですう~^^』と、まるでこの人クスリでもキメチャッタんじゃないかと思わせるくらいに、
ひらひら飛んでる蝶々と追いかけっこを始める夕実っちせんせー・・・^^;
これはヤバイ。今日の彼女おかしいぞw
何とか彼女の気を引いて先へと急ぐ。
じゃないとあっという間に日が暮れちゃうしね^^;
今回の目的の場所は杉戸町を流れる『中川の河川敷』なんですが、
目の前に河川の土手みたいなところが見えてきた。
あれ?もう中川に到達したのかなあ~と土手を登ってみる。
するとーーー
土手は土手でも貯水池?の土手で中川じゃなかったっす。ガッカリ^^;
ここは道路を挟んで向こう側にも同じような貯水池が広がっていた。
そこでは模型のヨットや飛行機なんかを飛ばしてるオジ様たちの憩いの場となってましたっす^^
『もっと近くで見たい!見たいですう!』と、土手から駆け下りようとした夕実っちの襟首を掴み、
『はいはい。待て!』と号令を掛ける。
ピタッと止まる夕実っち。
『はい、良い子だね~』と、私はリュックの中から袋詰めのカルパス(ドライソーセージ?サラミ?)を彼女に分け与え、頭をナデナデしたらおとなしくなった。
今日の彼女はノリが良いなオイw
試しにチンチンって号令かけようかと思ったけれど、マジにやってしまいそうなので彼女の名誉の為にやめておいたのは私の良心っす^^
ちなみにチンチンはお尻を地面につけて立ち上がる仕草であって別にアレじゃないかんね!
鎮座するって意味だからw
---さて、歩く事駅から1時間くらいかな?
どうもスマフォの地図を見ていても目印が無いせいでしょうか?
アバウトな位置しか分からなくて半分迷子です^^;
しかも何か・・・どんどん目的地から遠ざかってる気がするし!
更にパートナーはふらふらふらふらしてるしよ!^^;
流石に少々歩き疲れです。私もちょっと喉が渇いたかも。
ここで薬が切れてきたんでしょうかね?
『ガソリンが・・・ガソリンが・・・足りないですう。給油!給油!』と夕実っちがダダをこね始めた^^;
お前はアル中かw
真っ昼間から21歳の女子大生が酒缶片手に散歩はハズイってばよ^^;
『あ、ガソリンスタンド発見ですう~☆ 給油出来るです^^ ハイオク!ハイオク~!』と、
夕実っちは、タッタッター・・・と渋い感じの商店へと駆けてっちゃった^^;
一応タバコ屋さんの隣がガソリンスタンドだけどね☆
そっちには勿論目もくれない!
『はい。琴音っちの分^^ ハイオク満タンだよ☆』と笑顔で夕実っちが奢ってくれたので、
私はそれ以上突っ込むのをやめた。
いやだって、私もハイオク嫌いじゃないしねw
バス停があったので時刻表をチラッと見る。
平均、一時間に2本の路線。
まあ関東の外れにしては上出来でしょうか^^;
ここからなぜか隣町の『幸手市』に突入しちゃったりと、紆余曲折しつつも
ようやく中川までやってくることに成功です☆
後は河川敷を注視しながらゆっくりと歩けばきっと煉瓦ちゃんに出会えるわけっす^^
『最初は普通の河川の天端道(つまり土手の上の道路)』だと思ってたっす。
ですが・・・そうじゃなかった・・・。
ヒドイ・・・。
まず土手の両脇に木々が生い茂り始めた頃、その入り口辺りはゴミの山だった。
これには再び酔いを戻して陽気になっていた夕実っちも絶句。
『松田トシって書いてあるです・・・。誰だかワカリマセンが、結構古いレコードですう^^;』
『この煉瓦は私でも拾いたくないなあ・・・。むしろこんなとこに捨てんなよな!^^;』
お墓か仏壇の水鉢でしょうか(あの墓石の水を入れるとこ。ご先祖様の喉の渇きを癒すとこかな?)
こんなのまで不法投棄・・・。
そこから先へ先へと進むと道路脇の木々が覆いかぶさり、緑のトンネルのようになってた。
でも、緑のトンネルと言うと聞こえはいいけれど、
良いところでもなんでもなかったっす。
タイヤにレンジに冷蔵庫・・・
水槽・ソファーにブラウン管テレビ!
これは無いだろ。
これは流石にひどすぎんだろうと、胸に溜まった憤りの声を口から怒りと共に吐き出そうと思った矢先、
彼女が私より先に爆発させた。
『なんでこんなとこに捨てるのかな!こんなの絶対おかしいよ。
ゴミが無かったら絶対絶対絶対キレイな緑のトンネルだよ?
ゴミ捨てるのにお金が掛るからとか?はあん?
だからってこんなとこに捨てる?
バカじゃないの?ほんとさいてー!』
普段の彼女からは想像できない程の吼えっぷり。
いや分かるよ夕実っち。その気持ち。
見れば粗大ごみに混じって便乗して捨てていったコンビニ弁当や空き缶が詰まった小さなゴミ袋も散乱していたっす。
汚いからこれくらい別にいいよね。いいよな!っと、二次的に捨て去るその輩にも正直、渾身のアッパーカットを喰らわしてやりたいとこっすね^^;
もはやポイ捨てじゃないじゃないか。ポイじゃねーっすよ^^;
廃村サークル活動している中で、旅路の道中、時折憤る場面もあったっすよ。
でもここは今までで一番ヒドイ・・・。
怒りを覚えたこの緑のトンネル。
しばらくは2人して押し黙ってしまった。心に何ともいえない怒りを抱えつつ。
---緑とゴミのトンネルを抜け切ったところ、
可愛らしい子が道路の真ん中で私達を出迎えてくれた。
『わきゃー☆ 猫さんですう^^ かわ・・・いくはない・・・かなあ^^;』
そうだね夕実っち。私もそー思うよw
でもなんだろう。
『お前らはゴミなど捨ててないよな?』と、この猫ちゃんに言われたような、何かそんな感じがした。
玉子橋。云われは分からないけれど何か味のある石橋っす^^
正直この時点で河川敷の左岸か右岸、どちらに目的のブツがあるのかわからなったので非常に迷った。
このまま右岸を進むべきか、玉子橋を渡って左岸を歩くか。
なんせ中川に掛かる橋は非常に少ない。
対岸に目的を見つけたらかなりの迂回になっちゃうからっす^^;
すると、橋の近くに煉瓦片を見つけた。
これはこのまま右岸ルートの方が良さそうだと思い真っ直ぐ進むことにしたっす^^
ようやく杉戸町に再突入。さよーなら幸手市w
そこから歩いて間もなくあっさりと物件を見つけることに成功した。
『わきゃー☆ 河川敷にポツンと煉瓦発見ですう~^^』
『お、あったあったっす^^ ・・・でもほんとにポツンだなあw』
私達はキレイに刈り込まれた土手をタタタタ~っと降りて駆け寄った。
それは長さにして4メートルくらいでしょうか。これだけじゃ何だか分からない赤煉瓦の塀?
一応煉瓦の表面をチェック。
風化・劣化で綻びているのもあるけれど、一応むかしの煉瓦の特徴『シワ(ちりめんじわ)』を確認。
少なくても大正時代以前・・・じゃないっすかね。
『私に言わせて言わせてですう^^ この煉瓦の積み方は~
イギリス積みってやつでしょ?でしょでしょ?』
『正解^^ 小口積みのラインと長手積みのラインが交互に積み重なってるからそうだね^^ はいカルパス1個』
『わーいカルパス~♪』
よーく見ると赤煉瓦の下に敷石を挟んで更に下も煉瓦積みなのが見える。
なんか色も古びて上の部分より古そう。
せっかくなので煉瓦の刻印探しに没頭。
『ねえねえ琴音っち!この丸い傷みたいなのがたくさんあるけど刻印じゃないのかなあ?』
『う~ん・・・たぶん違うと思うっす。何か鉄パイプみたいな奴で突いた跡みたいな気がするなあ^^;
う~でもパイプで突いたにしても、こんなに上手く形が残るかどうか疑問だし、よく分からないね^^;』
『頼りにならないですう』
よけーなお世話じゃw お兄ちゃんのように何でもかんでも推測できねーし私^^;
それ以外にも刻印探しを続行。
枯れ草を押しのけると結構これが見た目よりも大きいものだと気づいた。
一旦離れて河川側から全体像を見てみた。
すると枯れ草で気づかなかったけれど、赤煉瓦の下の部分が更に広がりを見せているのが分かる。
ココまで来たらココ掘れワンワンっすよ。
落ちてた木で草をのけて、軍手で枯れ草を払ってみたら、
やっぱりこのこんもりとした赤煉瓦の下の部分は全部煉瓦だったっす^^
『ねえねえ琴音っちい。この煉瓦ちゃんって何の名残りなのお???』
『う~ん、実はよく分かって無いんだけど・・・』
『分かってないんだw』
『何しろ情報少なくてw でも恐らく昔ここに架かっていた橋の名残りらしいんだ^^
最初に見たときは護岸の為の煉瓦壁なんじゃないかと思ったけど、
土台の部分と上部の赤煉瓦を見た感じだと、
煉瓦の橋脚の一部と、煉瓦の橋台の名残りっぽいねマジで^^』
『じゃあ、昔ここに煉瓦の橋が架かってた?ですかあー^^ へえ~♪』
こんなものをわざわざここに捨てるわけ無いしぶっちゃけ重くて無理だし意味が無い。
河川も流れは変わるものだけれど、そうそう大きくは変わらないはず。
川に関係している建築物だったのは間違い無いと思う。
橋だったとしたら~と、私は対岸を見てみた。
キレイに護岸整備されていて一切名残りっぽいものは無し。
ではこちら側の河川敷の突端は?と川面を覗き込むけれど、
こちらも特に形跡無し。
仮に真っ直ぐ橋が伸びていたんじゃないかなあと仮定して、
赤煉瓦の裏手をブラブラしてみたけれど、
かつてここいらへんに存在していた関宿の藩士家老『杉山対軒の遭難の碑』と言うのがあるくらいだったっす。
ならば向こう岸に何か痕跡があるのじゃないかと対岸を目指す私と、もうめんどくさがって渋々ついてくる夕実っちと共に向う^^;
中川『船渡橋』を渡って対岸へ。
実はこの橋が架かる以前に存在していた橋が、先ほどの煉瓦構造物なんじゃないかと言われてたりするっす。
対岸に到着。ぶっちゃけ何も無いっすw
ならばとその煉瓦の橋があったんじゃなかろうかと言う方向で周囲も見て周ったけれど・・・特に無し^^;
徒労に終った感じっすね。
『ねえねえ琴音ちい^^ 煉瓦はさっぱり無いけどさあ~
瓦や瓦の破片がいっぱい散歩道に落ちてたよね~^^
この杉戸町って昔は煉瓦工場とかあったのかな?』
『お、夕実っちいいとこに気づいたね^^
瓦工場あるところに煉瓦工場ありって言われててね、
煉瓦と瓦は製作工程がとっても似てるんだ^^
だから明治大正期には、町の中小の瓦工場が煉瓦の工場に数多く鞍替えしたりしたんだって^^
この杉戸町にもあったのかも。
なんせ近代煉瓦の祖『渋沢栄一』さんが、かつてこの杉戸町を煉瓦工場の候補地に選んだくらいだしね☆
結局は頓挫して『幻の東武煉瓦株式会社』って言われてるくらいだし^^』
ーーーそう、
かつては大規模な煉瓦工場建設予定地でもあった杉戸町。
残念ながら今回はあんまり情報を得ることは叶わなかったっすけど、
自分の足で歩き、発見して、歴史と見比べる散歩ってのは面白いもんっすよね^^
帰りは丁度バスが来たもんだから、手を上げて乗り込んじゃったw
(歩いて帰ろうと思ったらバスが来て、たまたまバス停の付近だったので思わず乗っちゃったw)
おかげで帰りはスムーズに東武動物公園駅へ^^
でも帰りの電車まで待ち時間があったので~
駅のコンコース内の『日高屋』さんで遅めのランチと言うよりも
飲み会です!
今日は金づる(お兄ちゃん)も居ないし、基本貧乏な私達にとっては日高屋さんは『最高のプチ飲み御用達』っす^^
低価格のおつまみ。無難な味☆
どっちかってーと、ラーメン食べるよりプチ飲みで私達女子2人は良く利用してるっすw
(ハイボールがあんまし美味しくないのがなあ・・・と、ちょっと愚痴を言ってみたりw なんか薬くさい^^;)
結局待ってる電車の時間をすっとばして、ダラダラと女子会続けてましたw
その中で今日を振り返る夕実っちの言葉がちょっと印象的だった。
『あの不法投棄のゴミの道はヒドイですう・・・。残念な人もまた多いですね^^;
でもどうなんだろうです。
私達が見たあの廃煉瓦の橋の名残り。
もしかしたら煉瓦に興味を持ってる私達以外の人からすれば、
あの置き去りにされた廃煉瓦ちゃんも、ある意味不法投棄と何も変わらないんですかねえ・・・はうう・・・^^;』
どうなんだろうね。
そりゃ・・・使い道のない存在って考えれば同じかも。
中にはゴミと何ら変わらないって思う人も居るとも思うっす。
でもこれだけは違う。
廃墟・廃煉瓦は仕方なく残るものもあるけれど、
不法投棄のゴミ、それはわざわざ他人とか国の土地に捨て去る
外道そのもの。
そんなのと一緒にされたらたまらないなあと思ったけど彼女も分かってて、あえて言ったんだろうと思ったので
『古煉瓦ちゃんは正義!』とだけ答えときました☆
ま、そんなこんなで結局散歩時間とあんまり変わらない時間をまったりした(してしまった)私達。
家に着いたのは、いい時間でした^^;
流れで夕実っちは二日続けて私んちにお泊り。
連荘で『コンビニおでん』を晩酌にプチ女子会。
今度は2人ともヘベレケになる前に決めました!
ええ。今年のお正月は夕実っちの願望である
『廃村さーくる菅原先輩卒業旅行』の計画。
そして、
『世界である意味一番有名な煉瓦建築』を見る旅行へ!
------琴音の日記より抜粋。
ここまで読んでくださりアリガトウございました^^
記事内に記述があるように、お正月の連休は世界で一番有名な古煉瓦と、プラス島旅をしてこようと思ってます^^
勿論、国内旅行です☆
(どこだか分かるかな? でも分かってもネタバレしないでねw)
第727話 日本最古の耐火煉瓦工場編☆ファイナル『煉瓦の洞(ほら)』あなた少女AとB&暗闇雨中探検隊 [廃村さーくる(古煉瓦)]
『この時間じゃ、わさび丼も食べれなそうだなあ^^;』
河津七滝のバス停からいくらか歩いたところでお兄ちゃんが呟いた。
なぬっ!? ・・・わさび丼?
『ねえねえお兄ちゃん。わさび丼ってどんなん?まさか・・・わさび乗っかってるだけとか?』
『ん~、白米におかかがのっかってて、その上に自分で摩り下ろした本ワサビをのっけるだけなんだけどね^^』
『ええ~なんかめっちゃ辛そうじゃんか^^;』
『そりゃツーンとはくるよ。でも市販の練りワサビでは決して味わえない本わさびの甘味と清涼感。
アツアツのご飯におかかに山葵の超シンプル丼だけれども、これはうまいこと考えたなあ~って思ったな^^
なんせ河津・天城の特産だしな山葵は』
そこまでお兄ちゃんに言われたら悔しいけど食べてみたくなった^^
とは言え今回はおあずけです。
とにかく時間が無い!
最終バスまでに帰ってこないといけないし。
さくさく行きましょうず^^
第727話 日本最古の耐火煉瓦工場跡編ファイナル、煉瓦の洞へ!
温泉街のメインストリートをどんどんと山の方へと進んでいく私達。
猪汁とかに多少興味を惹かれたけれど我慢我慢。
天気が悪いこともあってかすれ違う人は皆無。
多分今日は温泉宿も暇なんだろうなあ~^^;
丁度道が分岐する所に到着っす。どうやらどちらともウォーキングコースになってるみたいです。
お兄ちゃんの話だと、私達は健康ウォークコースの方へと向うみたい。
とは言っても途中で横道逸れますが^^;
河津七滝オートキャンプ場を過ぎ、だいぶ山が迫ってきた所で
『人の悲鳴』みたいな甲高い声が近くから聞こえてきた。
近くと言うか目の前の草むら!?
そしてガサガサ言い始めてるし!
思わず体が硬直する。
『え?なにマジ?や・・やばくね?お、お兄ちゃん!』
さすがのお兄ちゃんも歩くのをやめて立ち止まった。
そして口に人差し指をあてながら私に振り返り『静かにしろ。あそこにいるぞ^^』と藪の先を促がすのでした。
ま、まさか事件現場そうぐう・・・?
---数分が過ぎた頃
藪の中から出てきたのは鹿の親子でした。
な、なんだあ^^; ちょっと。いやだいぶ安心したっすw
さっそくカメラを向けようとした所、ガサガサガサーーーッ!ってあっという間に崖を駆け下りて行ってしまい鹿の写真は撮れなかったっす^^;
『鹿の鳴き声って夜聞くと怖いんだよなあ~^^; 昔けっこうビビらされたもん^^;』
『見た目は可愛いのにね。不意打ちくらうとビビルっす^^;』
ま、帰り道はこの鹿の鳴き声で怖さ倍増になるだなんて、この時点での私達は知る由も無かったですシリーズです☆
さて、だいぶ進んだ所で大きな建物が見えてきたっす。
『公文・・・国際学園?伊豆研修センターって書いてあるねお兄ちゃん^^』
『公文式の学校があるって聞いたことあるし、そこの郊外実習とかそういう類の施設なんじゃないかな^^
ま、ボク達が進むのはこの施設を少し過ぎたところから左折して林道へだ。
こういう目立つチェックポイントあると山道は助かるな~^^』
公文って塾だけじゃないんだw 学校もあるんすね^^;
さて、研修センターの裏手辺りに来ると、そこは道が分岐していたっす。
どうやら寂れたガードレールの橋の方へ行くらしい。
しばらく歩き始めて気づく
『ねえ・・・お兄ちゃん。まだ5時くらいなのに凄く暗くなってきたんですけど^^;』
雨模様ということもあったし、
ココから先は背の高い木々が密集していて、かなり薄暗い状態でしたっす^^;
『そうだなあ・・・日が暮れるのも早そうだし、夜道は恐らく真っ暗でどこ歩いてるかわからなくなりそうだからなあ・・・^^;
お兄ちゃん的には勇気ある撤退を推奨するよ琴音^^;』
うう・・・確かに外灯も無いし、ぶっちゃけ危なそう。
でもココまで来たならその先が見てみたい!
ここで私はふと気が付いた。
『お兄ちゃん!ヘッドランプあったよ私w』
『ああそうですか用意がいいなお前^^;』
実はお兄ちゃんと廃墟や煉瓦を探索しているうちに、色々と装備が増えていった。
アレがあったほうがいいな~とか、万が一もあるしなあ~とね^^
おかげで私のリュックの中身は実に女の子らしくない物ばかりです☆
ということで、渋々なお兄ちゃんを道連れにいざレッツゴーですw
雨も中々な感じ・・・
木々が開けたところに来ると、まだ幾らか明るかったりするっす。
でももうランプ無しじゃこの先は益々厳しそうでした^^;
---時間にしてどれくらい経ったでしょうか
私達は林道の先に、ようやく看板らしきものを発見した。
看板があるだけでなぜか少しホッとする。それほど暗闇に窮となっていたようっす。
その看板こそ『煉瓦の洞』の看板でした。
どうやらここから川沿いに下っていけば煉瓦の洞があるみたい^^
『っつーことで行きましょうお兄様☆』
『う、うん・・・^^; 足元には気をつけてな!』
『アンタも行くんじゃボケェ!』
私は嫌々する兄上の肩に肩パンして(肩パンチ)
川沿いへの道を目指すのでした。
雨と枯れ葉のおかげで、めっちゃ足元が不安定。
あんまり手とか握って欲しくないのだけれど、兄の手を何度か借りて下へとくだる(あとで消毒しないといけないね!)
そしてーーー
川まで到達☆
この橋の向こうに日本最古の物件があるんすね!
超ワクドキです♪
『これって山葵かなお兄ちゃん』
『そうだな^^ わさび丼が食いたくなるぜw』
いや、むしろお刺身食べたいっす^^
稲取帰ったらお刺身食べることにしよう~っと☆
さてわさび田の脇を抜け、そこからまた暗い森の中へ。
ココまで来ると、もう明かりが当たってる部分しか良く分からないっす^^;
『うわあ!?』
何かを踏んでよろめいた私はヘッドランプを地面へと向けた。
すると草木枯れ葉ばかりだと思っていたのに
『白い石の欠片?』がゴロゴロしていることに気づいた。
『この石は何?お兄ちゃん^^;』と声をかけたのだが、
『それに気づいたか^^ まあそれは煉瓦の洞についたら説明するよ^^』
なにそのもったいぶり^^;
ーーー林の向こうに何かがぼんやりと見えた気がした
私はランプをハイビームに切り替えて遠くを照らす。
『お兄ちゃん!なんかAって看板あるよ、少女Aがあるよ!』
どうやら私達は辿り着いたようです。
さあ!煉瓦の洞へようこそ☆
『とうとう来ちゃったかあ~ここまで^^ 思えばお兄ちゃんに連れられて行った廃墟“矢納水力発電所”の煉瓦に会ってから、
まさかその後自分が煉瓦の歴史を辿るとは夢にも思ってなかったっすよお^^;』
『ははは^^; 琴音? 何かを好きになるなんて案外そんなもんだよな^^
好きになるキッカケはゴロゴロしてると思う。たまたま琴音は煉瓦にご縁があり、そしてチョイスしたんだと思うよ^^』
ココまで来たならとことん行くっすかねw
煉瓦道!
さて、煉瓦の洞の説明書きがあったので見て見ることに。
その中にこの近辺の山中の白土が利用されたと書いてあるっす。
『もしかしてさっきの白い石とかって関係あるのかなお兄ちゃん』
『あるよ☆ 元々この天城山中は白土や伊豆石が産出されていた場所でね、
明治以前から陶器の材料として重宝されていたそうだ。
そこに韮山反射炉計画の際、この土壌に目をつけた。
反射炉に使う高温に耐えられる耐火煉瓦の材料にはもってこい!ってことでね^^
・・・でもそれは一旦頓挫する。と言うのも、
元々は下田市の方に反射炉を計画・作り始めていたんだ。
なんせ下田と河津は近いし耐火煉瓦を運ぶのも都合が良かったからね^^
ところがその元々の反射炉にペリー艦隊の水兵さんが侵入する事件が起こった。
こりゃ国防の秘密を握られては堪らない!ってことで移管することにしたんだ^^
それが今日見てきたあの韮山反射炉なんだよ^^』
そうだったのかあ・・・。反射炉も元々は韮山じゃなかったんすね。
まあでもとにかく耐火煉瓦に適した土がここから多く出土していたってのは分かったっす^^
周りに散らばってるのは元々の石や土、それに残骸とか欠片なんでしょう。
『さて琴音、ここには耐火煉瓦を焼いた登り窯が二棟残っている。
さっそく少女Aから見ていくことにしようぜ^^』
『私の少女Aパクんな兄貴w』
とは言えああ~ん、待っててねえ~少女Aちゅわ~ん♪
ランプが照らし出したソレは、山肌に段々と連なる石の建物。
私達はぐるりと観察することにした。
『ねえねえお兄ちゃん!こ、これ耐火煉瓦かな?かな?』
『う~ん・・・どうなんだろ? たぶん登り窯に使われていた白石じゃないかな?
キレイに切り出された伊豆石と白煉瓦の見分けがつきにくいw
蒟蒻みたいに平べったいし、調べないと分からないなあ』
さらに上の方を目指し、窯がどうなっているか横から覗いてみることに。
『まともに窯の屋根部分が残ってるのは少しだけなんだな^^;』
『保護の為に一応屋根付いてるけど、これじゃ横から吹きさらす風雨からあんまり守れてない感じっすねお兄ちゃん^^;』
保護用の屋根の上は高い木々に覆われているので野ざらしよりは風雨に強い感じだったけどお、
貴重な建造物の保護としてはとても寂しい・・・。
登り窯の斜面の一番上まで到達。
この穴は煙を逃す穴かな?
あらかた少女Aさんを見終わった私達は、隣の少女Bさんを見に行くことにしたっす^^
『うわあ・・・完全に野ざらしっす^^;』
『こっちは完全に苔の生えた壇雛みたいになってるな^^; 保護の屋根も無いし・・・』
こちらは斜面から零れ落ちた土砂などで埋もれかけ、苔やシダに覆われていたっす。
唯一登り窯だったんだろうなと思えるのは焚き入れ口※1ですかね?
(※1 焚き口。薪を入れる部位)
コチラは回り込んで上から見れそうも無いので(無理をすれば見れます)前方からの観察だけにしたっす^^;
ふと見上げれば木々の向こうにはまだ明るさが見える。
如何にこの林の中が本当に暗いのか分かる光景でもあるっすね^^;
あらかた見終わった私達は再び看板の元へ。
ここで2人しておさらいです^^
お兄ちゃんが看板を指差しながら話しはじめるーーー
『この煉瓦の洞と言うのは元々陶器などの焼き場だったと言われているんだ。
それが結果として韮山反射炉の耐火煉瓦の生産場所として使われることになる(全部が全部でも無いかもしれないとも言われてる)
悲しいことに、この指揮を取った江川英龍は、この反射炉が出来る前の1855年(安政2年)に世を去ってしまったんだよね^^;』
まじっすか・・・。英龍さん、最期まで見届けられなかったんすか・・・。
『そして1857年(安政4年)に反射炉は完成。
でも反射炉で使われた耐火煉瓦の生産は1854年(安政元年)なんだ^^
と言う事は耐火煉瓦としては
明治以前に作られた日本最古の耐火煉瓦であり、そして最古の耐火煉瓦工場ってことになるのかな※2
この後は色々複雑なんだけど、
工部省という明治政府の官庁。簡単に言うと鉄道とか造船とか鉱山管理とか灯台設立などのインフラを整備するとこかな?
その工部省の管理を経てのちの赤羽の耐火煉瓦や品川の耐火煉瓦工場などへと合併・枝分かれなどして技術が受け継がれていく。
だから日本の耐火煉瓦の祖と言っても決して間違いじゃないと思うよ^^』
『まじっすか・・・。そんなすんごい歴史持ってるのに・・・。持ってるからこそなんかこの惨状は、ちょっとあんまりな気がするっすね・・・^^;』
『しょうがないさこういうのは。こういうのを抱える自治体に理解や興味があるか、
そして一番は・・・町の財政。経済力なんだろうと思うよ^^;
中々金を掛けられるものじゃないんだ。町民市民へのサービス行政が優先だし、後回しになってしまうものだよ^^;
そういう事は日本中ゴロゴロしているしな・・・』
そう言ってお兄ちゃんは暗闇の林のてっぺんを悲しそうに仰いだ。
・・・立派な歴史があろうとも、それを保護保全管理していくには中々難しい現実があるのは今までにも散々思ったっす。
『こここそしっかり残した方がいいんじゃないかなあ・・・』って言った私にお兄ちゃんは
『・・・うん。そうだよな^^』と、やさしく笑ってくれました。
(※2 日本最古には諸説ありと言われています。薩摩藩の竪野窯“たてのよう”と言う藩窯、つまりは藩の窯で陶器以外に耐火煉瓦を生産していたのでは?と言う話もあります^^
まあでもほぼ同じ時期のようであり、それもまた反射炉の為という同じ理由だったようです。
また別の地域でも同じような話もあります。
完全に把握、そして精査してるわけではございません。
ですので、ご指摘など御座いましたらよろしくおねがいいたします。
コチラとしても勉強になりますので^^
とは言え、日本最古の耐火煉瓦工場であることは間違いが無いと思います^^)
『さて、そろそろ帰りを急ごうぜ琴音^^ じゃないとバスに乗り遅れて実家に帰れなくなっちゃうよw』
ああそうだった。あんまり長居は出来ないんだったw
ということで私達は最期に振り返って手を振ってみた。
『また来るよ~♪』ってね^^
『え?またココに来るのか琴音^^;』
『そりゃそうだよお兄ちゃん。だって暗過ぎて全然わかんなかったじゃんかw』
『そうだなw じゃあ今度は明るいうちに来て、わさび丼も食べにこようぜ^^』
私達はまたの約束を交わして帰路についたーーー
再び林道に戻った所で時計を見る。
凄く長く滞在していたと思ったら、思ったほど居なかったみたい^^;
とは言えここまで一時間ちょっとだった。
帰りのバスまで残り約一時間!
私達は小走りに林道を駆け下りようとした。
傘を打つ雨。時折ふいに聞こえる鹿の声。
ヘッドランプで照らされた周囲以外は何も見えない真っ暗闇・・・。
・・・あらためて思った。
ヘッドランプ無かったら道なんて分からなくなっていた。
多分、帰れなかったんじゃないかとゾッとした^^;
(少なくとも携帯画面などの明かりを頼っても厳しいと思います。山奥では決して無いし里山近辺ではありますが、
自然の闇は舐めちゃいけませんね^^
備えあれば、ある程度は憂い無し。といったところでしょうか)
---ようやく舗装された外灯のある道まで戻ってきた。
道沿いに点々と軒を連ねる温泉宿の明かりを見るにつれ、非常に胸がホッとする。
やっぱ明かりは落ち着くよお~^^;
ーーー道中、このままバスを逃したらどうしようかって談義をお兄ちゃんと繰り広げながら暗闇夜道の恐怖を紛らしてたっす。
『帰れなかったらどうするお兄ちゃん・・・。思い切って宿に泊まるって手もあるんじゃね?』
『それもいいかと思ったけど・・・お前と俺の分の宿代も財布にはもう無いw』
『だったら・・・サイアク・・・河津に住んでる親戚のおじさんに迎えに来てもらうとかしかないかにゃ・・・^^;』
『まあ・・・そうだな。それしかねーか^^;』
一応、実家に近いこともあってか、最低限帰れないってことは無いのだけれどお、
あんまり迷惑掛けたくないっすよね^^;
っつーことで、アスファルトの道に踏み込んだところから、
私達は駆け足でバス停へと向ったっすw
---そのおかげか、帰りは下り道だった所為か、
無事に河津行きの最終バスの発車前に帰ってくることができましたっす(めっちゃ安堵☆)
んでもって15分くらい余裕があったので
夜の河津七滝ループ橋も見てきました^^
・・・なんだかよくわかんない写真になったけどねw
再びバス停に戻ってきた私達。
バス停横には4台も自動販売機があったのですが、ここまでの行程。ここまでの暗がりからの開放感からでしょうか、
妙にお酒が飲みたくなってしまいましたw
『お疲れの一杯とかしたいねお兄ちゃん・・・』
『そだな・・・。マジそう思うなあ・・・。でも・・・自販機には酒が無いよ妹よ^^;』
ちょっとガッカリな兄妹がそこに居た。
いや結構ガッカリっすw
---しばらくして~
『あっ!?』と、大きな声を出してお兄ちゃんが自分のリュックをガサゴソと漁り始めたんす。
『そう言や、政子があったじゃん!ま・さ・こ・!!!』
ああそうだった!
韮山反射炉で買った地ビールの政子があったんだw
思わず私も喜んだ!
『さすが政子っす♪ 頼朝なんて飾りです☆』
私達2人は目の前の素敵ドリンクにヨダレを垂らす。
べ、別にこの際お兄ちゃんと間接キッスになろうが構うもんか!
喉をスカッと潤せればソレは帳消しだし消毒ッす☆
アイフィールコークじゃなくってアイフィール政子ですよ!
・・・
・・・
・・・
あれ?
ここで2人してあることに気づく。
『えっと・・・お兄ちゃん? 蓋はどうやって開ける・・・のかなあ^^;』
『お兄ちゃんは栓抜きも持ってないし、うちの親父のように昔の人みたいに自分の歯で空ける技術も当然持ち合わせて無い!』
目の前にお酒あるのに呑めないのかよ!w
まあこの後私達はバスが来るまでにどうしても政子が飲みたいと、
バス停の硬い角に引っ掛けて栓を抜こうとか、近くの金網に引っ掛けて栓を抜こうと悪戦苦闘しましたが、
政子さんの口は最期まで堅く閉じたままでした・・・OTL
---18時30分
無事に河津行き最終バスが到着。私達はなんだかとってもくたびれてバスへと乗り込んだ(主に政子のせい)
バスは7時過ぎに『河津駅前』に到着。
ここから伊豆急(伊豆急行線・伊東~下田間を走る電車)に乗って実家の『稲取駅』へ行けばいいのですが、
もうここまで来てお酒も食事も我慢するのは我慢ならねーっす^^;
実家に帰る前に、河津駅周辺で夕飯を取る事にしたっす。
『さかなでご飯 海広』さんへと突入^^
『こんな天気も悪い日によく来たねえw さあどうぞ^^ テーブルのメニューから料理も選べるし、
店の中の生簀で泳いでる魚でも言ってくれれば調理するよ~^^』と、
店主のオジサマが気さくに案内してくれましたっす^^
『いや、わざわざ悪いっすよ^^;』と、お兄ちゃんが生簀のお魚はご遠慮したので、テーブルメニューのアラカルトから私達は料理を選ぶことにした。
まずはビールです!
2人して泡の髭をつけて一気に飲み干しましたよ!
(プッハー!マジ最高っす☆)
〆には海鮮丼っす☆ ちょっと刻み海苔が邪魔っすけど、美味しかったよ~^^
(なによりも厨房覗いたら、店主さんのお父様でしょうか?
かなり良い歳したおじいちゃまが一生懸命に海鮮丼作ってたので、
それだけでありがたや~!と感謝していただきましたっす^^
おじいちゃんおばあちゃんの一生懸命にはとことん弱い私w)
店主さんにごちそうさまを告げて店を出た私達。
(ここの店主さんはマジひとなつっこいと言うか気を使ってくれていい人だったなあ)
河津駅で電車を待った。
ちなみにホームの外に落っこちないようにガードレールがホーム内にあったりするっす^^
・・・と言うか、ホームの壁側の隙間を埋めればいいじゃんwって、いつもいつも思ったりするw
でも、隙間から駅の下を見渡せるのもまた味なんでしょうね^^
---午後7時40分過ぎ
私達2人は帰りの電車に乗り込んだ。
見回した中刷り広告やポスターは全部同じものでした。
それは伊豆稲取・細野高原と言う、私達の地元にあるススキの広がる高原のポスター。
『最近は随分この細野高原をプッシュしてるねお兄ちゃん^^』
『いいじゃん。オレは観光客がいっぱい来てくれて、地元がいつまでも賑やかでいてくれるような、そういう地元の頑張りは嬉しいよ^^
と言うか皆に見てもらいたいとこだよココは^^』
私はウンウンと頷いた。
だってここはホントにいいよ^^
秋のススキの時期は、ススキの海と言うよりもススキの雲海だもん。
私も見てもらいたいところかな^^ 隠れた名所なんてのはもったいない風景なのは間違い無いっすね。
(地元の遠足の場所でもあったりします。今は・・・どうか知りませんがw
ちなみにお母さんはここに遠足に来たそうです^^)
河津から隣の隣の短い区間だけれども、私達兄妹は駅近くで購入した缶チューハイをプシュッと空けて乾杯☆
ここで私は腰に両手を当てて、えへん!と自慢げに仰け反りながらお兄ちゃんに言う。
『どうよお兄ちゃん。今日の韮山反射炉を巡って煉瓦の洞探索して実家に帰るルートは!
結構良かったんじゃね?マジでw』
『まあまあだったな^^ 地元の歴史を手繰るには良かったと思うぞ。
まあでもまだまだ伊豆には煉瓦の歴史ってのは埋もれていたりするから、今度はオレがエスコートしてあげるよ^^』
まじっすか。
古煉瓦には結構縁遠い土地だと思ってたのに、まだまだあるんすか!?
知らないことなんてまだまだ一杯あるんだなあと思った、
晩秋の、ある私の物語でした。
-----琴音の日記から抜粋。
---後日、
私こと琴音は韮山反射炉で撮影した画像を整理していた。
・・・ふとその中の画像の一部に怪しいものを発見する。
拡大してみたらビックリ!
それは多分、韮山反射炉の耐火煉瓦の『煉瓦の刻印』だったようです^^
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
多分、記事ひとつ分としては今までで一番の長編だったと思います。
ガラケーで見かけた方・見たりした方は最期まで見るのに何卒大変だったでしょうw
短くまとめられないのは自分に力量が無かったということです。
申しわけありません^^;
でも、記事内容としては日本の煉瓦。特に耐火煉瓦という歴史のはじまり物語が色々詰まってるものだとそれなりに思ってます^^
ではでは、またの機会にお会いいたしましょうです。
次回は何だろねw
第726話 日本最古の耐火煉瓦工場編☆vol③『ぐるぐるぐるぐるぐーるぐる!河津七滝ループ橋☆』河津七滝ループ橋の思い出&バス停かたつむり&猪汁? [廃村さーくる(古煉瓦)]
『ぐるぐるぐるぐる、ぐ~るぐる♪』
子供の頃、お父さんの車に乗ってお出かけするのが好きだった私とお兄ちゃん。
遠くに行くのは勿論、どんなに近場であってもお父さんの車にのって出かけるのが好きだった^^
助手席や後部座席の窓から景色を眺めるのがたまらなく好きだったのを今でも覚えている。
海や山。なんでもない民家。田んぼに電柱、川の変化に歩く人。
時には『ねえねえ見たお兄ちゃん!お父さん!あんなのあったよ^^』と、景色を見て報告し、答えあわせをするあの空間・時間がとても大好きでした。
なんでも良かったんだ~。
車窓から見るもの全てが楽しかったんです。
でもでもっす。
実家の稲取から河津に向かい、そして天城を越えるこの伊豆半島山間ルートを越える時が一番好きだった☆
だって、ループ橋が見れるんだもの^^
そこは私にとってお兄ちゃんにとってもワクワクのアトラクションだった☆
兄妹して窓に頬をベッタリと付け、ループ橋をドキドキしながら眺めたあの日が今、脳裏に浮かぶ。ふふふ^^
第726話、スタートです☆
さてと、私達ポッキー2人兄妹は韮山反射炉を後にして、いずっぱこ(伊豆箱根鉄道)の終点『修善寺駅』を目指したっす^^
窓から見えるは相変わらずの曇天。
むしろ雨が止んでくれてる事に感謝かなあ^^;
お昼時もあってかほんとに閑散とした車内。
のんべんだらり~まったりと景色を楽しみながら修善寺への時を過ごしたっすよ^^
---掛ること数十分
修善寺駅に無事到着^^
何度か遊びには来てるので、勝手知ったる馴染みの風景だと思いきやーーー
なんかめちゃくちゃ小奇麗な駅になっててビックラ^^;
『あれ?こんなキレイだったっけ修善寺駅^^;』と呟くと、お兄ちゃんが答えてくれた。
『オレもちょっとビックリだよ^^; そういえば最近ここに来てなかったな^^;
駅舎や駅周辺の改修をするってのは小耳に挟んでたけれど、こんなに変わってたんだな。
聞いてた話だとたしか・・・平成22年から26年にかけて大幅な改修が行われるってやつだったかなあ。
なんでも“伊豆の玄関口として訪れやすい住みやすい”をコンセプトとした周辺開発計画だったようなーーー』
ああそうなんだ^^;
まあでも私的にちょっと残念かも。
『元・修善寺町』を抱える『現・伊豆市』
平成の大合併で近隣の町と併合されてしまったわけですが、
どうせならもっとレトロチックな駅舎にして欲しかったかなあ~なんて思っちゃうっすね^^;
ちょっと今風すぎるかなあ~。
そんな風に思いながら改札を抜けると、近代的な駅舎の一画に
『昔に思いを馳せる』修善寺駅のパネル展示があったのです^^
せっかくなので2人して覗き込む。
『これって東海バスかなw うわ~超レトロw』
そう言って何故か笑うお兄ちゃん。
(東海バスは伊豆のローカルバス路線です^^)
そこに映し出される駅舎たちは私達兄妹の知る世界よりもっとだいぶ昔の昭和の世界。
私のお父さんお母さんよりもうひとつ上の世代かもだ。
さすがにここまでレトロっぽくとは言わないけれど、
弘法大師さんが温泉みっけた!って言うくらい由緒ある古き歴史のある温泉街ですよ(807年)
もうちっと歴史に近づいた感じの駅造りでも良かったんじゃないかと思ってしまいました。
---さて、
静岡県は伊豆半島というのは
『電車が海も山の方も中途半端』だったりします。
海沿いのローカル電車は伊豆の東側半分しか路線が無いし(西側。つまりは西伊豆側は電車が通ってない)
伊豆のど真ん中を通る路線も、修善寺という伊豆半島の真ん中で路線は行き止まりなんす。
電車でぐるり一周なんてできやしないし、ましてや伊豆半島を電車で縦断も出来ないわけですよ。
その先に行きたいのなら車かバスしかない土地柄なのですぜ^^;
観光地として認識されてるとこではありますが、なにかと交通の便はよろしくないかと。
まあそのおかげで素敵な景色がたくさん残ってるのだとは思いますが^^
(昔々に、実は伊豆をぐるりと一周する路線計画はあったそうですが・・・。まあそれは興味ある方はネットや図書館で調べてみてください。結構面白いかもだし☆)
ま、そんな訳で『ここから私達はバスで実家を目指す』ことになったわけです^^
ルート的に言いますと、
修善寺~天城越え~終点『河津駅』
そして河津駅から電車に乗って隣の隣の『稲取駅』へとって感じです^^
ということでさっそくバス乗り場へ
ここでバス停の時刻表を見たお兄ちゃんが『うわああ・・・^^;』と嘆く。
河津行きのバスの発車時間は14時35分。
でも私の腕時計のデジタルは36分で、もう駅前にはバスがいませんでした・・・^^;
なんともはやキッチリしすぎですね!
ローカルバスなんて一分二分なんて誤差だし、田舎時間でゆったり待っていてくれてもいいとは思うんだけどなあw
---で、
バスを逃してしまった私達は次の15時10分のバスを待つことにしたっす^^;
しょうがないので残り35分程度を駅舎内で暇つぶしですw
伊豆半島が逆さまになってる地図。
ちなみに修善寺駅から温泉場は遠いっすw
当然のように?ご当地デザインマンホールの写真ゲット☆
その後は駅舎内のお土産屋さんを冷やかしに行きましたっすw
やっぱワサビっすよねw
伊豆の山葵にちなんだたくさんの商品が軒を勤めるお土産コーナー。
冷やかすだけじゃ申しわけないので、何品か購入して再びバス乗り場へと戻る。
バスのチケット売り場でチケットを購入。
そこに書いてあるのは『修善寺駅~河津七滝』
そう。そうです。
真っ直ぐ河津駅には向いません!
ぶらり『河津七滝途中下車』っす^^
なんでかって?
それはそこに『韮山反射炉と関わりのある場所』
『日本最古の煉瓦に関する何か』が待ってるからっすよ☆
バスが到着^^
切符を見せて搭乗。
バスのかぶりつき(一番最前列)に、通路を隔てて左右に兄妹して座った^^
---定刻きっちりーーー
ゆっくりとバスは修善寺駅を後にする。
私は早速お土産コーナーで購入した『ワサチー』の袋をガサガサっと無造作に空け、缶チューハイのプルタブをプシュっと開けた^^
・・・隣ではもうお兄ちゃんが緑茶ハイをグビグビしていたっすw
外を見るといつの間にかの雨模様。
せめてこれ以上本降りにならないことを祈るしかないようっすね・・・^^;
缶チューハイを頂きながら、先ほどのワサチーをぱくつく^^
あらやだちっさいけどピリリとお酒のお供に最高じゃな~い☆
市街地をちょっと抜けるともう森の山。
右も左もみどりみどり^^
私は久しぶりの国道414号線の景色を楽しんだ。
またそれはお兄ちゃんも同じだった。
修善寺駅を出る時は私達以外に数名が乗っていたんだけど、
またひとり、またひとりと降りて行き、
いつのまにか私達兄妹2人だけになってた。
ーーーいくらか天城の山中に差し掛かったとき
バスの降車場の電光案内に『かたつむり』って表示されて思わず『え!?かたつむり!?』と声を出してしまった私^^;
お兄ちゃんと運転手さんはクスクスクスと笑っちょる^^;
ううう・・・はずかしいっすw
私はひとつ空の咳をコホンと吐き、何事も無かったように取り繕いつつお兄ちゃんに聞いてみた。
『ねえねえお兄ちゃん。かたつむりってバス停おもしろくね?なんか天城に由来とかあるのかな????』
そしたら案外あっけない答えが帰って来た。
『ああかたつむりね^^ この道の峠沿いにある石窯ピザ屋さんの名前だと思うよ^^
バスってのは電車とかより地元ローカルじゃん。
だから停留所の名前も地域の建物の店名そのまんまだったりするわけだしな^^(そっちのほうが分かりやすいし)
特に天城山中や河津町との因果は無いと思うよ^^』
なあ~んだ^^; どうせなら昔はかたつむりがわんさか居て~とか、かたつむりの伝説があったんだよ~なんてのをちょっと期待したのに、ふっつーに店の名前ですかw
まあいいです。私がちょっぴりウワ~♪って思っただけだし^^
『そんなことより琴音? もうすぐループ橋だぞ^^』
お兄ちゃんにいきなり告げられてびっくり。
ああそうだった。もうループ橋の場所か!
バスが森の中から抜け、目の前の視界が急に広がる。
ゆっくりと右に孤を描くように曲がっていった。
河津七滝ループ橋に入ったんだ^^
『ぐるぐるぐるぐるぐ~るぐる!』私は呪文のようにいつのまにか呟いていた。
『琴音はここを通る時はよくぐるぐるぐるぐるって言ってたもんな^^
なんか懐かしいな^^』
そう。そうだった。
私はこのループ橋を通る時、いつもいつもそう言ってた。
今じゃさほど珍しいものではないループ橋だけれど、
子供の頃は道路がこんなにグルグルしてるなんてすごいすごい!って思ってたんすよ^^
だからここを通る時はいつもワクワクしてドキドキしてぐるぐるぐるぐる言ってました^^
ーーーいつだったか
お父さんがUターンを繰り返して何度も通ってくれたことは今でも忘れない一時でしたね。
(※ 河津七滝ループ橋は1981年完成。当時ボクは8歳かな^^
琴音と言うキャラクターと重ね合わせて当時のボクそのままを表現しています。
実際の妹様はどうかわからないけれど、当時のボクと弟はこのループ橋にワクワクしたのは間違いが無いです^^)
自分達が通った道がどんどんと上の方へ。
自分が来た道を見上げる・見下ろすことが出来る不思議な道、ループ橋。
人ってのは面白いものを創るんだなあ~と改めて思っちゃったっすよ^^
さて、バスの中で振り向いてループ橋の最期まで見送ったところで、ゆっくりとバスは国道414から逸れて側道へと入っていく。
次の停留所はこの河津七滝ループ橋の袂を抜けた集落にあるからだ。
『河津七滝(かわづななだる)』
静岡県賀茂郡河津町にある温泉街っす^^
有名な観光スポット『河津桜』が海沿いならば、ここ七滝は河津の山ん中の温泉スポットでしょうか。
実はここに、日本最古の耐火煉瓦工場が眠っているのです^^
時刻は現在16時16分。
お兄ちゃんと私はバス停の時刻表とにらめっこ。
『最終のバスがここを出るのが18時半か~。目的地までの往復考えると結構ギリだけどほんとに行くのか?琴音』
『ココまで来たなら行くに決まってんじゃん^^』
私は楽観タイプなのでついついそう言ってしまったっすけれど、
この後、私達はけっこう苦労することになるーーー
さあ行きます。
日本最古の耐火煉瓦工場跡
『煉瓦の洞(ほら)』へ!
ここまで読んでくださりありがとうございました^^
次回は日本最古の耐火煉瓦工場跡編ファイナル・・・と行きたいところですが!
11月2日の中央競馬『天皇賞・秋(G1)』で、馬券がガッツリ取れたならば
11月3日の地方競馬の祭典『JBCクラシック』に出走予定の、
ボクが愛してやまないアグネスデジタル号の息子
『カゼノコ』を応援しに岩手県の盛岡競馬場まで行こうと思ってるので、
競馬記事&盛岡旅行記がスポットで差し込まれるかもなので流動的ですw
(丁度休みなんだよ~この日♪)
ではではまた今度お会いいたしましょうね^^